JP2006255580A - 発酵液のアンモニア濃度低減装置および方法 - Google Patents

発酵液のアンモニア濃度低減装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜の目詰まりの問題を発生することなく、発酵液中のアンモニア濃度を低減してバイオガス生成のための発酵におけるアンモニア阻害を防止し、高温発酵を安定して行うことの可能なアンモニア濃度低減装置を提供する。
【解決手段】 有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽1内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減装置であって、隔膜23を有するアンモニア除去装置5と、該アンモニア除去装置の前記隔膜の一方側の室25と前記発酵槽とを連通する発酵液循環手段30と、該アンモニア除去装置の前記隔膜の他方側の室27に酸性溶液を送る酸性溶液供給手段8とを備え、前記発酵液を前記隔膜を介して前記酸性溶液と接触させることにより、前記隔膜を前記発酵液中の懸濁成分は透過させずにアンモニウムイオンを通過させて前記酸性溶液中に移行させるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性廃棄物などを発酵槽でメタン発酵または水素発酵など所望の発酵をさせてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減装置及び方法に関するものである。
畜産廃棄物や生ゴミ等の有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成する際に、発酵槽の発酵液中にアンモニア成分が蓄積する。その蓄積速度は有機性廃棄物の性状によって変わるが、次第にアンモニア濃度が高くなっていく。発酵液中のアンモニア濃度が高くなるとメタン発酵や水素発酵が阻害される。具体的には、発酵液中のアンモニア性窒素濃度が例えば1.8g/L程度に高くなると55℃の温度での高温メタン発酵が困難になって通常、37℃の中温メタン発酵を採用せざるを得なくなる。この中温メタン発酵になると高温メタン発酵に比して、発酵に要する時間が約2倍必要になる。例えば所定量の発酵を高温メタン発酵では15日間で完了できる場合に、中温メタン発酵では30日間要することになる。このとき、槽内のアンモニア濃度を低下させて、発酵液中のアンモニア性窒素濃度を例えば約1.5g/L程度にすれば高温メタン発酵を採用できる。
従来、発酵液中のアンモニア濃度が高くなるのを防止してメタン発酵阻害を防止した技術に関する文献として、特開2001−314839号公報(特許文献1)が挙げられる。この文献に記載された技術は、発酵液を膜分離装置によってろ過し、アンモニアを含んでいるろ液を系外に排出することによって発酵液中のアンモニア濃度を低減するというものである。
特開2001−314839号公報
従来の膜分離装置は、アンモニア濃度を低減するために発酵液を膜でろ過する、すなわち発酵液の固体成分は残し、液体成分は前記膜を通過させてろ過し、そのろ液を系外に排出するやり方であるため、微細な固形分によって短期間の内に前記膜が目詰まりしてしまい、膜の洗浄を頻繁に行わざるを得ないという問題があった。
本発明の目的は、膜の目詰まりの問題を発生することなく、発酵液中のアンモニア濃度を低減してバイオガス生成のための発酵におけるアンモニア阻害を防止し、以て高温発酵を安定して行うことを可能にする発酵液のアンモニア濃度低減装置及び方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減装置であって、隔膜を有するアンモニア除去装置と、該アンモニア除去装置の前記隔膜の一方側の室と前記発酵槽とを連通する発酵液循環手段と、該アンモニア除去装置の前記隔膜の他方側の室に酸性溶液を送る酸性溶液供給手段と、を備え、前記発酵液を前記隔膜を介して前記酸性溶液と接触させることにより、前記隔膜を前記発酵液中の懸濁成分は透過させずにアンモニウムイオンを通過させて前記酸性溶液中に移行させるように構成されていることを特徴とするものである。
ここで、隔膜が発酵液中の懸濁成分は透過させないとは、従来のろ過膜のように膜が目詰まりを起こすようなレベルの量の液の通過はさせないという意味で使われている。従って、僅かに液が膜を通過しても該膜の目詰まりの問題が顕在化しない程度の通過は問題としないし、この程度の通過は、実質的には「懸濁成分を通過させない」の範疇に入るものである。
本発明によれば、発酵液は隔膜を介して酸性溶液と接触することによりアンモニウムイオンを酸性溶液側に通過させるように構成されている。すなわち、発酵液中のアンモニウムイオンは隔膜を通過するが発酵液中の懸濁成分はほとんど隔膜を通過しないように構成されている。従って、従来のような膜によるろ過、すなわち液体が膜を通過するろ過と異なり、隔膜が目詰まりすることは殆どない。そして、発酵液中のアンモニア濃度を低減できるので、高温発酵も安定して行うことができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記バイオガスを水と気液接触させて洗浄する洗浄塔を備え、前記酸性溶液供給手段は、前記洗浄塔における前記洗浄により生成する炭酸水溶液を前記酸性溶液として利用するように構成されていることを特徴とするものである。
メタン発酵のバイオガス中には、例えばメタンガスが約60体積%、二酸化炭素が約40体積%、硫化水素が約0.2体積%程度含まれている。また、水素発酵のバイオガス中には、例えば水素が約40体積%、メタンガスが約20体積%、二酸化炭素が約40体積%、硫化水素が約0.2体積%程度含まれている。
本発明によれば、バイオガス中に含まれている通常無用な二酸化炭素を減らしてバイオガスのメタン濃度または水素濃度を濃縮すると共に、その除去された二酸化炭素を利用して当該酸性溶液を作るためにアンモニア吸収用の酸性溶液を新たな材料を別途準備する必要がないと共に、無用な存在であった二酸化炭素を有効に活用できるという効果がある。
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記バイオガスを硫黄酸化細菌と接触させて脱硫する生物脱硫塔を備え、前記酸性溶液供給手段は、前記生物脱硫塔における前記脱硫により生成する硫酸水溶液を前記酸性溶液として利用するように構成されていることを特徴とするものである。ここで言う酸性溶液とは、アンモニアという塩基性ガスを吸収し得る酸度を有する液をいい、中性であってもアンモニア吸収に充分な酸度を有するものであれば含まれる。
本発明によれば、バイオガス中に含まれている有害成分である硫化水素を生物脱硫塔によって除去してガス精製すると共に、その硫化水素を除去する前記ガス精製によって発生する硫酸水溶液を当該酸性溶液として利用するため、アンモニア吸収用の酸性溶液を作るために新たな材料を別途準備する必要がないと共に、有害成分として存在していた硫化水素を有効に活用できるという効果がある。
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記隔膜は陽イオン交換膜であることを特徴とするものである。本発明によれば、隔膜に陽イオン交換膜を用いたので、高選択性且つ低透過抵抗で速やかにアンモニウムイオンを通過させて、発酵液中のアンモニア濃度を低減することができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記隔膜は限外ろ過膜または精密ろ過膜であり、該膜の両側の室の内部圧力は略同一に設定されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、限外ろ過膜または精密ろ過膜によってもアンモニウムイオンを通過させて、発酵液中のアンモニア濃度を低減することができる。すなわち、これらの膜を用いるに際し、該膜の両側の内部圧力が略同一に設定されているので、アンモニウムイオンの濃度差やpH値によって該アンモニウムイオンが該膜を高濃度側から低濃度側に移動する。これにより、該膜を介して両側の液が混合することが防止され、且つ懸濁成分による膜の目詰まりも防止される。
本発明の第6の態様は、有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減方法であって、前記発酵液を隔膜を介して酸性溶液と接触させることにより、前記隔膜を前記発酵液中の懸濁成分は透過させずにアンモニウムイオンを通過させて前記酸性溶液中に移行させることにより発酵液中のアンモニア濃度を低減することを特徴とする。本発明に係る方法によれば、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、隔膜を介して酸性溶液と接触することにより、発酵液中のアンモニウムイオンは該隔膜を通過し、一方、発酵液中の懸濁成分は該隔膜をほとんど通過しないので、従来のような膜によるろ過と異なり、隔膜が目詰まりすることは殆どない。そして、発酵液中のアンモニア濃度を低減できるので、高温発酵を安定して行うことができる。
本発明に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置の第1の実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。バイオガスには、メタン発酵によるもの、水素発酵によるもの等があるが、本発明はこれらの各発酵に同様に適用することができるので、以下の説明ではメタン発酵によるバイオガス生成システムについて説明し、水素発酵によるバイオガス生成システムについては省略する。
[実施の形態1]
図1のバイオガス生成システムは、主要な構成要素として、有機性廃棄物をメタン発酵する発酵槽1と、該発酵槽1で生成したバイオガスを水で洗浄して精製する洗浄塔3と、前記発酵槽1内の発酵液中のアンモニア濃度を低減するためのアンモニア除去装置5と、前記洗浄塔3に送る洗浄液を溜める洗浄液タンク7と、更にスラリータンク9を備えている。
発酵槽1は、有機性廃棄物が供給部11から槽内に供給される。有機性廃棄物は、発酵槽1内にて嫌気性雰囲気下でメタン発酵菌によってメタン発酵され、バイオガス13と発酵液15を生成する。発酵槽1内の温度は55℃に設定され、高温メタン発酵を行うようになっている。有機性廃棄物の発酵槽1での滞留時間は例えば15日間(槽容積/投入抜出量=15日)に設定される。
本発明で使用する有機性廃棄物(バイオマス)としては、例えば、生ごみ、排水処理汚泥、畜産廃棄物や緑農廃棄物などを挙げることができる。ここで、畜産廃棄物としては、家畜の糞尿や、屠体、その加工品が挙げられ、より具体的にはブタ、牛、羊、山羊、ニワトリなどの家畜の糞尿やこれらの屠体、そこから分離された骨、肉、脂肪、内臓、血液、脳、眼球、皮、蹄、角などのほか、例えば肉骨粉、肉粉、骨粉、血粉などに代表される家畜屠体の骨、肉等を破砕した破砕物や、血液などを乾燥した乾燥物も含まれる。その他の廃棄物としては、家庭の生ごみのほか、産業廃棄物生ごみとして農水産業廃棄物、食品加工廃棄物等が含まれる。なお、有機性廃棄物の状態により、必要に応じて前処理として破砕・分別工程を実施することができる。
洗浄塔3は、前記発酵槽1で生成したバイオガスが搬送ライン17を通って送られる。バイオガスは洗浄塔3の底部に導入され、充填材部19を通って上昇し、塔上部から散水される水からなる洗浄液と接触する。これによって、バイオガス中に含まれている二酸化炭素が洗浄液(水)に吸収されて精製ガス40になると共に、酸性の炭酸水溶液が生成される。このとき、洗浄塔内が加圧されれば、COの吸収効率は増大する。
洗浄液は、洗浄液タンク7に貯留され、第1循環用ライン21及び第2循環用ライン22によって循環される。すなわち、洗浄液タンク7から第1循環用ライン21を通って洗浄塔3の上部に送られて塔内に散水され、洗浄塔3底部から第2循環用ライン22を通って洗浄液タンク7に戻されて循環されるようになっている。そして、この循環によって洗浄液タンク7内の炭酸濃度が次第に大きくなる。洗浄液タンク7には水を補給するための水補給ライン35が設けられている。
アンモニア除去装置5は隔膜23を有している。アンモニア除去装置5は、前記隔膜23の一方側の室25と発酵槽1とを連通する発酵液循環手段30としての循環用ライン29,31が設けられている。また、アンモニア除去装置5は、前記隔膜23の他方側の室27と洗浄液タンク7が供給ライン33により連通され、該供給ライン33を通って炭酸水溶液が該他方側の室17に送り込まれるようになっている。すなわち、この実施の形態では、他方側の室27に酸性溶液を送る酸性溶液供給手段8は、前記洗浄塔3における前記洗浄により生成する洗浄液タンク7内の炭酸水溶液(洗浄液)を前記酸性溶液として利用するように構成されている。
隔膜23は、本実施の形態では陽イオン交換膜が使われている。具体的にはポリスチレンスルホン酸系の陽イオン交換膜や、フッ素樹脂系の陽イオン交換膜等を挙げることができる。本実施の形態によれば、隔膜23に陽イオン交換膜を用いたので、高効率且つ低コストでアンモニウムイオンを通過させて、発酵液中のアンモニア濃度を低減することができる。
スラリータンク9は、発酵槽1の底部と第1排出ライン37によって連通され、発酵液15中の発酵汚泥をスラリータンク9内に排出できるようになっている。また、スラリータンク9は、アンモニア除去装置5の前記他方の室27と第2排出ライン39によって連通され、アンモニウムイオンを取り込んだ酸性溶液を室27からスラリータンク9内に排出できるようになっている。
次に、上記実施の形態の作用を説明する。アンモニア除去装置5において、発酵液中のアンモニウムイオンは隔膜23を一方の室25から他方の室27に向かって通過するが、発酵液中の懸濁成分は隔膜23を通過しないように構成されている。従って、発酵液のアンモニア濃度を低減するに際し、従来のような液体が膜を通過するろ過と異なり、発酵液中の懸濁成分は隔膜23をほとんど通過しないので、隔膜23が目詰まりすることはほとんどない。このように隔膜23を目詰まりさせることなく発酵液中のアンモニア濃度を低減できるので、高温発酵を安定して行うことができる。
また、メタン発酵のバイオガス中には、例えばメタンガスが約60体積%、二酸化炭素が約40体積%、硫化水素が約0.2体積%程度含まれている。本実施の形態によれば、バイオガス中に含まれている無用な二酸化炭素を減らしてバイオガスのメタン濃度を濃縮すると共に、その除去された二酸化炭素を利用して当該酸性溶液を作るため、新たな材料を別途準備する必要がないと共に、無用な存在であった二酸化炭素を有効に活用できる。
[実施の形態2]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。本実施の形態は、前記洗浄塔3に代えて生物脱硫塔41を備えている。すなわち、前記バイオガスを硫黄酸化細菌と接触させて脱硫する生物脱硫塔41を備えている。図2において、符号43は空気供給部を示す。この空気供給部43からバイオガス中に空気を供給し、その状態でバイオガスが生物脱硫塔41内に送り込まれる。そして、該生物脱硫塔41の上部から水を散水することで、担持部20に担持されている硫黄酸化細菌が活性化されて脱硫、すなわち硫化水素を硫酸にまで酸化する。
前記脱硫により生成した硫酸水溶液は、生物脱硫塔41の底部から脱硫用水タンク42内に排出される。脱硫用水タンク42内の水は、第1循環ライン21及び第2循環ライン22によって循環されるようになっている。この循環により脱硫用水タンク42内の水は次第に硫酸濃度が高くなっていく。
本実施の形態において、酸性溶液供給手段8は、脱硫用水タンク42内の硫酸水溶液を供給ライン33からアンモニア除去装置5の前記他方側の室27に送ることで、前記酸性溶液として利用するように構成されている。その他の構成は、図1に示した実施の形態と同様なので同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
次に作用を説明する。前記図1に示した実施の形態と同様に、隔膜23を目詰まりさせることなく発酵液中のアンモニア濃度を低減できるので、高温発酵を安定して行うことができることに加えて以下の作用効果が得られる。バイオガス中に含まれている有害成分である硫化水素は生物脱硫塔41によって除去されて精製ガスとなる。その硫化水素を除去するガス精製によって発生する硫酸水溶液を当該酸性溶液として利用するため、酸性溶液を作るために新たな材料を別途準備する必要がないと共に、有害成分として存在していた硫化水素を有効に活用できるという効果が得られる。
[実施の形態3]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。本実施の形態は、前記洗浄塔3や生物脱硫塔41とは独立した酸性溶液供給手段8を備えている。すなわち、酸性溶液供給手段8は、洗浄液タンク7や脱硫用水タンク42とは独立した構成の酸性溶液タンク45と供給ライン33によって構成されている。
本実施の形態では、酸性溶液タンク45には塩酸水溶液が貯留されているが、硫酸、亜硫酸等の他の酸を用いることは勿論可能である。図3において、符号47は塩酸水溶液の補給ラインを示す。その他の構成は、図2に示した実施の形態と同様なので同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
本実施の形態においても、前記図1又は図2に示した実施の形態と同様に、隔膜23を目詰まりさせることなく発酵液中のアンモニア濃度を低減できるので、高温発酵を安定して行うことができる。
[他の実施の形態]
隔膜23として、上記陽イオン交換膜の他に、限外ろ過膜または精密ろ過膜等を用いることができる。これらの膜を用いる場合は、該膜の両側の室の内部圧力は略同一に設定される。これらの限外ろ過膜または精密ろ過膜によってもアンモニウムイオンを通過させて、発酵液中のアンモニア濃度を低減することができる。すなわち、これらの膜を用いるに際し、該膜の両側の内部圧力が略同一に設定されているので、アンモニウムイオンは、その濃度差によって該膜を高濃度側から低濃度側に移動する。これにより、該膜を介して両側の液が混合することが防止されので、膜の目詰まりが防止され、上記実施の形態と同様の作用効果が得られる。
次に、効果確認実験を行ったので、その結果を説明する。
[効果確認実験1]
豚糞尿からなる有機性廃棄物のメタン発酵処理に対して、本発明を適用した。発酵槽は20リットル(L)ステンレス製実験槽を用いた。この有機性廃棄物は、イオン電極法で測定したアンモニア性窒素濃度は1.8g/L、ケルダール性窒素濃度では3g/Lであり、55℃の高温発酵は困難なものであった。
この発酵槽内の発酵液を陽イオン交換膜(トクヤマ社製のポリスチレンスルホン酸系CEM膜)で仕切られた積層セル構造のアンモニア除去装置の一方側の室に導き(約1L/分)、他方側の室に発酵槽で生成したバイオガス中から気液接触(ガス吸収瓶を使用した)によって二酸化炭素を吸収した炭酸水溶液(pH約4)を導入した(約1L/分)。このときガス吸収瓶入口と出口のバイオガス中の二酸化炭素は45%、15%であった。発酵槽内の撹拌は、ガス吸収瓶との間で発酵液を循環させることにより代用した。
この結果、発酵槽内の発酵液は、そのアンモニア性窒素濃度は1.2〜1.5g/Lの範囲に維持された。イオン交換膜を通過してアンモニウムイオンを吸収した炭酸水溶液のアンモニア性窒素濃度は約4g/Lであった。
本試験でのアンモニア除去を炭酸水溶液で連続して15日間行った結果、発酵槽内のアンモニア性窒素濃度は1.5g/L未満に維持され、アンモニアによる発酵阻害を受けること無く高温メタン発酵を継続することができた。
[効果確認実験2]
1N−硫酸水溶液と1N−塩酸水溶液を調整して前記積層セル構造のアンモニア除去装置の他方側の室に導いた(約0.5L/分)。その結果は次の通りであった。

酸溶液 発酵槽内アンモニア性窒素濃度 セル出口酸溶液アンモニア性窒素濃度
1N−硫酸 約1.2g/L 約5g/L
1N−塩酸 約0.9g/L 約6g/L

ここで、硫酸は生物脱硫塔で発生したものを用いても、或いは別途調整して用いても同様であった。塩酸は優れたアンモニア吸収力をもっていることを確認した。
[効果確認実験3]
実施例1における炭酸水溶液を用いて、隔膜を精密ろ過膜(ユアサコーポレーション社製のユアサミクロン)および限外ろ過膜(アドバンテック社製 TRC020)を満ちて検討した。膜の両側の室の両液の圧力バランスを均衡させて行った。その結果は以下の通りであった。いずれも陽イオン交換膜に劣らず良い結果が得られた。

膜 発酵槽内アンモニア性窒素濃度 セル出口酸溶液アンモニア性窒素濃度
精密ろ過膜 約1.1g/L 約5g/L
限外ろ過膜 約1.0g/L 約5g/L
本発明は、有機性廃棄物を発酵槽でメタン発酵または水素発酵など所望の発酵をさせてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減装置及び方法に利用可能である。
本発明に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る発酵液のアンモニア濃度低減装置を備えたバイオガス生成システムを示す概略構成図である。
符号の説明
1 発酵槽
3 洗浄塔
5 アンモニア除去装置
7 洗浄液タンク
8 酸性溶液供給手段
23 隔膜
25 隔膜の一方側の室
27 隔膜の他方側の室
30 発酵液循環手段

Claims (6)

  1. 有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減装置であって、
    隔膜を有するアンモニア除去装置と、
    該アンモニア除去装置の前記隔膜の一方側の室と前記発酵槽とを連通する発酵液循環手段と、
    該アンモニア除去装置の前記隔膜の他方側の室に酸性溶液を送る酸性溶液供給手段と、
    を備え、
    前記発酵液を前記隔膜を介して前記酸性溶液と接触させることにより、前記隔膜を前記発酵液中の懸濁成分は透過させずにアンモニウムイオンを通過させて前記酸性溶液中に移行させるように構成されていることを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減装置。
  2. 請求項1において、前記バイオガスを水と気液接触させて洗浄する洗浄塔を備え、前記酸性溶液供給手段は、前記洗浄塔における前記洗浄により生成する炭酸水溶液を前記酸性溶液として利用するように構成されていることを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減装置。
  3. 請求項1において、前記バイオガスを硫黄酸化細菌と接触させて脱硫する生物脱硫塔を備え、前記酸性溶液供給手段は、前記生物脱硫塔における前記脱硫により生成する硫酸水溶液を前記酸性溶液として利用するように構成されていることを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記隔膜は陽イオン交換膜であることを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項において、前記隔膜は限外ろ過膜または精密ろ過膜であり、該膜の両側の室の内部圧力は略同一に設定されていることを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減装置。
  6. 有機性廃棄物を発酵槽で発酵させてバイオガスを生成するバイオガス生成システムにおける前記発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を低減する発酵液のアンモニア濃度低減方法であって、
    前記発酵液を隔膜を介して酸性溶液と接触させることにより、前記隔膜を前記発酵液中の懸濁成分は透過させずにアンモニウムイオンを通過させて前記酸性溶液中に移行させることにより発酵液中のアンモニア濃度を低減することを特徴とする発酵液のアンモニア濃度低減方法。
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