JP4966523B2 - バイオマス処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスの処理システムおよび処理方法に関する。より詳細には、メタン発酵と拡散透析または電気透析とアナモックス処理とを組み合わせたバイオマス処理システムおよびその方法に関する。
下水汚泥、し尿、食品廃棄物、畜産廃棄物などの有機性廃棄物、あるいは資源作物またはその廃棄物などの処理方法として、メタン発酵によりメタンガスを回収する方法がある。メタン発酵は、バイオマスエネルギーの回収技術という観点から、近年注目されている処理方法である。このメタン発酵処理により生じるメタン発酵処理物3は、脱水により、液体のメタン発酵脱離液19と固形分の脱水ケーキ17とに分けられる(図2参照のこと)。メタン発酵脱離液19は、既存の排水処理設備で硝化脱窒処理され、一方、脱水ケーキ17は、乾燥・焼却され、あるいは埋め立て処理される。
メタン発酵は処理時間が長いため、発酵槽の大きさが問題となっている。そこで、メタン発酵槽を小型化するためには、有機物負荷を上昇させる必要がある。メタン発酵槽内での有機物負荷の上昇とともに、有機物の分解産物であるアンモニアの濃度が上昇する。しかし、アンモニア濃度が約4000mg/L以上になると、発酵阻害を引き起こすため、有機物負荷を上昇させるには制限がある。
これを解決するために、液中膜によりアンモニアなどの阻害物質を系外に取り出す試みがある(特許文献1)。ここで使用されている液中膜は精密濾過膜(MF膜)であり、菌体のような粒子を透過しない。しかし、この膜には選択性がないため、発酵阻害物質以外にメタン発酵の原料となる有機物も液中膜透過液29として系外に排出される(図3参照のこと)。有機物を含む液中膜透過液29は既存の水処理施設で処理されるため、既設設備への負荷が増大する。さらに、本来メタン発酵されるべき有機物も排出されるため、メタン発酵ガスの発生量も減少する。
特開平1−218696号公報
本発明は、バイオマスの処理において、より効率的にメタン発酵を行うことができ、さらに処理後の廃水が既存の水処理施設で負荷を増大させないような処理が可能であるような、バイオマス処理システムおよびその方法を提供することを目的とする。
本発明は、バイオマスをメタン発酵させるためのメタン発酵槽;該メタン発酵により生じたメタン発酵ガスを回収するためのメタン発酵ガス回収装置;該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物を拡散液と透析液とに分離するための拡散透析装置または電気透析装置;該拡散液を亜硝酸化するための亜硝酸化槽;および、該亜硝酸化処理液をアナモックス処理するためのアナモックス処理槽;を備える、バイオマス処理システムを提供する。
1つの実施態様では、さらに、上記透析液を上記メタン発酵槽に返送するための手段を備える。
さらなる実施態様では、さらに、上記アナモックス処理して得られた液の少なくとも一部を上記拡散透析装置に返送するための手段を備える。
本発明はまた、バイオマスの処理方法を提供し、該方法は、
バイオマスをメタン発酵させ、メタン発酵ガスを回収する工程;
該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物を拡散透析または電気透析して、拡散液と透析液とに分離する工程;
該拡散液を亜硝酸化する工程;および
該亜硝酸化処理液をアナモックス処理する工程;を含む。
1つの実施態様では、上記透析液を上記メタン発酵槽に返送する工程をさらに含む。
さらなる実施態様では、上記アナモックス処理して得られた液の少なくとも一部を上記拡散透析装置に返送する工程をさらに含む。
本発明によれば、メタン発酵の阻害因子であるアンモニアを拡散透析または電気透析により系外に分離することにより、メタン発酵槽の有機物負荷を高めることができる。一方、拡散透析または電気透析により得られるメタン発酵細菌と有機物とを含む透析液をメタン発酵槽に返送することにより、発酵槽内のメタン発酵細菌濃度を高く維持できる。そのため、発酵速度を速め、かつ返送された有機物からもさらにメタン発酵ガスを発生させることができるので、ガス化率が上昇し、ガス発生量も増大する。
さらに、本発明によれば、拡散液のアナモックス処理工程において阻害物質となる有機物および目詰まりなどの物理的障害となる浮遊物質(SS成分)が、拡散透析または電気透析により予め分離されるため、アナモックス処理を迅速に行うことができる。したがって、メタン発酵後に分離したアンモニアをアナモックス法によってより高速で処理でき、既設の水処理設備への負荷も低減できる。
(バイオマス処理システム)
本発明のバイオマス処理システムおよび方法を、添付の図面を参照して説明する。
図1に、本発明のバイオマス処理システムの一実施態様を示す。本発明のバイオマス処理システムは、バイオマス1をメタン発酵させるためのメタン発酵槽2;該メタン発酵により生じたメタン発酵ガス4を回収するためのメタン発酵ガス回収装置;該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物3を拡散液9と透析液7とに分離するための拡散透析装置または電気透析装置6;該拡散液9を亜硝酸化するための亜硝酸化槽10;および、該亜硝酸化処理液11をアナモックス処理するためのアナモックス処理槽12;を備える。好適には、さらに、透析液7をメタン発酵槽2に返送するための手段を備える。さらに好適には、アナモックス処理して得られた液13の少なくとも一部を拡散透析装置6に返送するための手段を備える。また、必要に応じて、バイオマスを加熱処理、超音波処理、破砕処理、酸処理、アルカリ処理などによって可溶化するための前処理槽を設けてもよい。さらに、上記の前処理後のバイオマスまたはこのような前処理を必要としないバイオマスを固液分離するための、固液分離装置を備えてもよい。
(バイオマス処理方法)
本発明のバイオマスの処理方法は、バイオマス1をメタン発酵させ、メタン発酵ガス4を回収する工程;該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物3を拡散透析または電気透析して、拡散液9と透析液7とに分離する工程;該拡散液9を亜硝酸化する工程;および該亜硝酸化処理液11をアナモックス処理する工程;を含む。言い換えれば、本発明のバイオマス処理方法は、バイオマス1をメタン発酵し、その発酵処理物3を拡散透析または電気透析し、アンモニアを含む拡散液9を回収し、この拡散液9を亜硝酸化し、さらにアナモックス処理する方法である。このような工程を行うことによって、メタン発酵によって生じる廃水中の有機物およびアンモニア濃度を低下させることができ、既存の水処理設備における負荷を低減できる。この方法は、好適には、上記の処理システムにおいて行われる。
(バイオマス)
本明細書において、バイオマスとは、生物由来の有機資源を意味する。好ましくは、有機性廃棄物、資源作物あるいはその廃棄物などの有機性物質が用いられる。有機性廃棄物としては、例えば、食品工業、製紙工業、畜産業などにおける有機性廃水、有機廃棄物、糞尿、都市下水の汚泥などが挙げられるが、有機物を含む廃棄物であればこれらに制限されない。資源作物としては、例えば、とうもろこし、さとうきびなどが挙げられ、さらにこれらの処理工程で発生する廃棄物なども用いられ得る。本発明の方法では、家畜の糞尿、下水汚泥などが好適に処理され得る。
(前処理)
本発明の方法において処理されるバイオマス1は、必要に応じて、前処理が施されていてもよい。バイオマス1の前処理手段に特に制限はなく、例えば、加熱処理、超音波処理、破砕処理、酸処理、アルカリ処理などの物理化学的処理が挙げられる。これらの処理は、単独で、あるいは組み合わせて行われる。これらの前処理によって、バイオマス1を発酵されやすい形態に変化させ、好ましくは、バイオマス1は可溶化される。
(メタン発酵)
バイオマス1は直接あるいは可溶化された後、あるいは必要に応じて、固液分離機、搾汁機などにより固形分などを除去した後、メタン発酵槽2へ移送され、メタン発酵される。メタン発酵によって、バイオマス1に含まれる炭水化物、タンパク質、脂質などから、メタン発酵ガス4が生成される。
メタン発酵は、一般的に25〜65℃、好ましくは30〜40℃、高温菌の場合は50〜60℃で行われる。メタン発酵は、一般的にpH5〜10、好ましくは7〜9のアルカリ側で行われる。メタンガスの発生量(有機物の分解率)は、一般に、高温発酵の方が中温発酵よりも高い。このメタン発酵においては、バイオマス1がアルカリ性である場合は、そのままメタン発酵に使用してもよく、あるいはpH調整剤の添加によってpH調整を行ってもよい。
メタン発酵槽2は、メタン発酵ガス4を回収するメタン発酵ガス回収装置5を備えている。メタン発酵で生じたメタン発酵ガス4は、通常、メタンガスと二酸化炭素との混合ガスである。このメタン発酵ガスは、そのまま、あるいは二酸化炭素除去を行った後、メタン発酵ガス回収装置5に貯留してもよい。
生成したメタン発酵ガス4は、メタン発酵ガス回収装置5に回収された後、適宜精製(炭酸ガスなどの除去)され、メタンガスとしてガス発電に供され得る。あるいは、メタンガスは、さらに水素へ改質され、水素として燃料電池用燃料として使用され、あるいは水素ガスステーションへ供給され得る。
なお、メタン発酵工程において最終的に生じるメタン発酵汚泥8は、汚泥脱水装置に導入され、分離水(脱離液)と脱水残渣(固形分)とに分離される。汚泥脱水装置としては、通常、汚泥などの分離に用いる脱水機で、十分な固液分離能を有するものであれは特に制限はなく用いられる。このような汚泥脱水機としては、例えば、遠心脱水機、スクリュープレス脱水機、ロータリープレス脱水機、フィルタープレス脱水機などが挙げられる。
(拡散透析または電気透析)
次に、メタン発酵処理物3を、拡散透析装置または電気透析装置6に投入し、拡散液(濃縮液)9と透析液(脱塩液)7とに分離する。ここでは、アンモニアを含むメタン発酵処理物3を拡散透析装置または電気透析装置に供することにより、アンモニアを選択的に拡散液(濃縮液)中に分離する。
拡散透析装置6は、以下で詳述する拡散透析膜が備えられ、この拡散透析膜の片側にメタン発酵処理物3が供給され、この膜を介した反対側に水が供給される。また、電気透析装置6は、以下で詳述する陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とが一定の間隔で向かい合って配置され、その外側に正負の電極が配置されている。この陽イオン交換膜と陰イオン交換膜との間にメタン発酵処理物3が供給され、電圧をかけることにより、イオン交換膜の外側にアンモニアを含むイオン成分が透過される。
本明細書において、拡散透析とは、非荷電膜、イオン交換膜、モザイク電荷膜などを介して液の濃度差を利用してイオン成分を分離することをいう。本発明においては、上述のようにアンモニアの回収を目的として拡散透析が行われるため、拡散透析膜の例としては、非電荷膜(PVAなどを素材とした中空糸型拡散透析膜)、イオン交換膜(強酸性カチオン交換膜)、モザイク膜(強酸性カチオン交換膜層・強塩基性アニオン交換膜層共存膜)などが挙げられる。
一方、電気透析とは、イオン交換膜を介して電位差を駆動力とする溶質の膜透過をいう。本発明においては、上述のようにアンモニアの回収を目的として拡散透析が行われるため、電気透析膜の例としては、炭化水素系イオン交換膜(スチレン−ジビニルベンゼンの共重合樹脂にスルホン酸基や第四級アンモニウム基を導入したもの)およびフッ素系イオン交換膜(ペルフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンとを共重合し、そのポリマーをフィルム化したものにスルホン酸基やカルボン酸基を導入したもの)が挙げられる。
メタン発酵処理物3に含まれる有機物、固形物、粒子などは、このような拡散透析膜またはイオン交換膜を透過しないため、透析液7となる。一方、アンモニアは拡散透析膜またはイオン交換膜を選択的に透過して、拡散液9中へ移行する。こうして、拡散透析または電気透析において、アンモニアが選択的に分離される。なお、本明細書において、有機物は、微生物などの生物により酸化され得る有機物をいい、生物学的酸素要求量(BOD)と同義で使用する。したがって、有機物をBODと表記することがある。
本発明においては、拡散透析または電気透析により膜を透過しない透析液7を、メタン発酵槽2に返送することが好ましい。この透析液7は、メタン発酵処理物3からアンモニアが除去されているが、メタン発酵細菌、メタン発酵原料となる有機物などの浮遊物質(SS成分)を含む。したがって、透析液7をメタン発酵槽2に返送することにより、発酵槽内のメタン発酵細菌濃度を高く維持できる。そのため、発酵速度を速め、かつ返送された有機物からもさらにメタン発酵ガス4を発生させることができる。また、透析液7を返送することにより、メタン発酵工程中に、メタン発酵処理物3からメタン発酵の阻害因子であるアンモニアが系外に除去されることになる。そのため、メタン発酵効率が上昇し、メタン発酵槽の有機物負荷を高めることができる。
(亜硝酸化)
上記拡散透析または電気透析により膜を透過したアンモニアを含む拡散液9は、次いで、亜硝酸化槽10に投入される。拡散液9に含まれる拡散透析装置または電気透析装置により分離されたアンモニアは、亜硝酸化槽10で亜硝酸菌により約半量が亜硝酸に酸化される。亜硝酸菌は、ニトロソモナス属に代表される好気性バクテリアであり、アンモニアを酸化して亜硝酸を生成する。亜硝酸化は、好気条件下において行われる。次のアナモックス処理の脱窒効率を上げるために、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素との比率は、好ましくは1:1.1〜1.4、より好ましくは1:1.32に制御される。したがって、得られる亜硝酸化処理液11は、亜硝酸とアンモニアとの混合液である。
(アナモックス処理)
上記亜硝酸化によって得られた亜硝酸化処理液11は、次いで、アナモックス処理するためのアナモックス処理槽12に投入され、アナモックス菌と接触させることにより脱窒処理される。アナモックス菌は、独立栄養性の脱窒微生物であり、嫌気条件下、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を電子供与体・受容体として反応させ、それらの窒素成分をNガスとして除去する。酸素の供給および有機物の添加を必要としないため、極めて経済的に窒素除去され得る。独立栄養性のアナモックス菌は、有機物が存在すると生育を阻害されるが、本発明においては、アナモックス処理工程で阻害物質となる有機物および目詰まりなどの物理的障害となるSS成分が、上記拡散透析または電気透析工程において予め分離されるため、アナモックス処理を迅速に行うことができる。
こうしてアナモックス処理されたアナモックス処理液13には、亜硝酸性窒素およびアンモニア性窒素がほとんど含まれていない。そのため、アナモックス処理液13を既設の水処理設備に導入しても、負荷をかけることなく処理することができる。
本発明においては、アナモックス処理液13の少なくとも一部を拡散透析装置6に返送することが好ましい。アナモックス処理液13は、拡散透析装置6において、膜を透過したアンモニアを拡散して受け入れるための拡散液9として利用され得る。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に制限されない。なお、以下の実施例および比較例において、ガス発生量は、酸性飽和食塩水を用いた水上置換法により一定時間毎に測定した。発生ガス中のメタンおよび二酸化炭素の割合は、2.0mステンレスカラムを装着したTCDガスクロマトグラフ(SIMADZU GC14B)でキャリアガスとしてアルゴン(50mL/分)を用いて測定した。また、処理液のpHの連続測定には、ガラス電極pH計(本体:HORIBA D−21,電極:HORIBA 6378−1OD)を用いた。
(比較例1)
メタン発酵処理対象廃棄物として、養豚場より排出される豚糞尿混合汚水を搾汁脱水機(スクリュープレス)により処理した後の糞尿搾汁液を用いた。図2に示すようなシステムにおいてメタン発酵を行った。メタン発酵は、35℃の中温発酵とし、有機物(VS)負荷量を約2.0kg/mとした。発生ガスのメタン濃度は68%であり、投入有機物あたりのガス発生量は0.64L/gVSであった。このときのメタン発酵処理液の性状を表1に示す。
Figure 0004966523
メタン発酵処理液中のアンモニア性窒素濃度は3,350mg/Lであり、メタン発酵阻害濃度である4,000mg/Lに近かった。メタン発酵処理液を、脱水機に導入して固形物を取り除き、脱水ろ液を得た。このときの既設の排水処理設備で硝化脱窒処理される場合の窒素負荷量は、0.27kg/mであった。
(実施例1)
上記比較例1で得られたメタン発酵に、拡散透析装置およびアナモックス処理装置を付帯した図1に示すようなシステムにおいて処理を実施した。メタン発酵は、上記比較例と同様の条件で行った。メタン発酵処理液を、陽イオン交換膜を用いて拡散透析して得られた拡散液の性状を表2に示す。拡散透析膜により、アンモニアとBODおよびSS成分とが分離されていることがわかる。
Figure 0004966523
次に、アンモニアを含む処理液をアナモックス処理装置に送り、亜硝酸化槽10において亜硝酸菌により全アンモニアの約60%(アンモニア態窒素:亜硝酸態窒素=1:1.32)が亜硝酸に酸化されるように制御した。次いで、アナモックス槽12においてアナモックス菌により亜硝酸をアンモニアで還元することにより窒素ガスに変換した。アナモックス処理装置の窒素負荷量は、1.0kg/mであり、比較例1の約4倍であった。アナモックス処理液の性状を表3に示す。
Figure 0004966523
一方、拡散透析または電気透析によりアンモニア量が低減されたメタン発酵処理液には、未分解の有機物やメタン発酵菌が含まれており、これを再度メタン発酵槽に返送してメタン発酵を行った。その結果、ガス発生量は0.77L/gVSとなり、比較例1と比べて20%増加した。メタン濃度は68%であり、比較例1と同様であった。
本発明によれば、メタン発酵の阻害因子であるアンモニアを拡散透析膜分離により系外に分離することにより、メタン発酵槽の有機物負荷を高めることができる。そのため、メタン発酵槽を小型化することが可能となる。一方、拡散透析または電気透析により得られるメタン発酵細菌と有機物とを含む透析液をメタン発酵槽に返送することにより、発酵槽内のメタン発酵細菌濃度を高く維持できる。そのため、発酵速度を速め、かつ返送された有機物からもさらにメタン発酵ガスを発生させることができるので、ガス化率が上昇し、ガス発生量も増大する。
さらに、本発明によれば、拡散液のアナモックス処理工程において阻害物質となる有機物および目詰まりなどの物理的障害となるSS成分が、拡散透析または電気透析により予め分離されるため、アナモックス処理を迅速に行うことができる。したがって、メタン発酵後に分離したアンモニアをアナモックス法によってより高速で処理でき、既設の水処理設備への負荷も低減できる。
本発明のバイオマス処理システムの一実施態様を示すブロック図である。 従来技術のメタン発酵処理システムの実施態様を示すブロック図である。 従来技術(特許文献1)の水処理システムの実施態様を示すブロック図である。
符号の説明
1 バイオマス
2 メタン発酵槽
3 メタン発酵処理物
4 メタン発酵ガス
5 メタン発酵ガス回収装置
6 拡散透析装置
7 透析液
8 メタン発酵汚泥
9 拡散液
10 亜硝酸化槽
11 亜硝酸化処理液
12 アナモックス処理槽
13 アナモックス処理液
16 脱水機
17 脱水ケーキ
19 メタン発酵脱離液
26 液中膜式分離槽
27 液中膜非透過物
29 液中膜透過液

Claims (4)

  1. バイオマスをメタン発酵させるためのメタン発酵槽;該メタン発酵により生じたメタン発酵ガスを回収するためのメタン発酵ガス回収装置;該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物を拡散液と透析液とに分離するための拡散透析装置または電気透析装置;該透析液を該メタン発酵槽に返送するための手段;該拡散液を亜硝酸化するための亜硝酸化槽;および、該亜硝酸化処理液をアナモックス処理するためのアナモックス処理槽;を備える、バイオマス処理システム。
  2. さらに、前記アナモックス処理して得られた液の少なくとも一部を前記拡散透析装置に返送するための手段を備える、請求項1に記載のバイオマス処理システム。
  3. バイオマスの処理方法であって:
    バイオマスをメタン発酵させ、メタン発酵ガスを回収する工程;
    該メタン発酵により生じたメタン発酵処理物を拡散透析または電気透析して、拡散液と透析液とに分離する工程;
    該透析液を該メタン発酵槽に返送する工程;
    該拡散液を亜硝酸化する工程;および
    該亜硝酸化処理液をアナモックス処理する工程;
    を含む、方法。
  4. 前記アナモックス処理して得られた液の少なくとも一部を前記拡散透析装置に返送する工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
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