JP2006255551A - 粉末粒子の湿式粉砕 - Google Patents

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Kazuaki Kitamura
和昭 北村
Masanori Nishi
政範 西
Hideaki Hiramitsu
秀明 平光
Hirobumi Ozeki
博文 尾関
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Abstract

【課題】 湿式粉砕において粉末粒子への異物の混入を抑制する。
【解決手段】 粉砕器206は、粉末粒子が溶媒中に分散したスラリーを粉砕器206に導入するための導入口と、スラリーを粉砕器206から前記粉砕器の外部に送出する送出口とを備えている。この導入口と送出口とは、迷路状の連通流路により連通されている。この粉砕器は、スラリー中の粉末粒子よりも高硬度の材質で形成されている。
【選択図】 図4

Description

この発明は、粉末粒子を湿式粉砕する技術に関する。
セラミックなどの粉末粒子を粉砕して微粉末を生成するためには、一般に、ボールミル、ビーズミル等を用いる湿式粉砕が行われる。ボールミルによる湿式粉砕では、粉末粒子と、粉末粒子を分散させる溶媒と、ボールまたはビーズ(「メディア」と呼ばれる)と、をミル装置に投入し、ミル装置に振動や回転を与えることにより、メディアが粉末粒子と衝突し粉末粒子の粉砕が行われる。
特許第2527297号公報
しかしながら、メディアを使用した粉砕方法では、粉砕中にメディアが摩耗し、メディアに含まれる成分が異物として粉末粒子に混入する場合がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、湿式粉砕において粉末粒子への異物の混入を抑制し、より短時間で所望の粒度を得ることを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の粉砕器は、粉末粒子を粉砕する粉砕器であって、前記粉末粒子が溶媒中に分散したスラリーを前記粉砕器に導入する導入口と、前記スラリーを前記粉砕器から前記粉砕器の外部に送出する送出口と、前記導入口と前記送出口とを連通する迷路状の連通流路と、を有し、前記粉砕器を形成する材質が、前記粉末粒子よりも高硬度の材質であることを特徴とする。
この構成によれば、粉末粒子は、粉末粒子どうしの衝突や、連通流路壁との衝突により粉砕、解砕される。この連通流路壁は粉末粒子よりも高硬度の材質で形成されているため、粉砕器の摩耗が抑制され、粉砕器から粉末粒子に異物が混入することを抑制することができる。
前記粉末粒子は、原料粉末を仮焼することにより生成された、硬質の粒子であるものとしてもよい。
仮焼粉末は、主に一次粒子の凝集体であり、比較的小さなエネルギーで、解砕が可能である。そのため、粉砕器の摩耗が抑制され、粉砕器から粉末粒子に混入する異物をより低減することができる。
前記粉末粒子は、セラミックの粒子であるものとしてもよい。
セラミックは、粒子自身が硬質で、脆性があるので、粉末粒子どうしの衝突や連通流路壁との衝突により、容易に解砕される。そのため、粉砕器の摩耗が抑制され、粉砕器から粉末粒子に混入する異物をより低減することができる。
前記迷路状の連通流路は、前記粉砕器の中心部から外周部に向かう複数の分岐流路と、前記粉砕器の外周部から中心部に向かう複数の合流流路と、を有する流路としてもよい。
この構成によれば、粉末粒子どうしの衝突や連通流路壁との衝突により、様々な衝撃力が加わるので、粉末粒子の粉砕がより容易となる。
前記粉砕器に供給される前記スラリーは、スラリー濃度が20重量%から40重量%の範囲内となるように調製されたスラリーであるものとしてもよい。
前記粉砕器に供給される前記スラリーは、消泡剤を含むものとしてもよい。
この構成によれば、消泡剤によりスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制できる。そのため、混入した気泡による衝撃力の緩和を抑制することができるので、粉末粒子の粉砕がより容易となる。
本発明の粉砕装置は、粉末粒子を粉砕する粉砕装置であって、前記粉末粒子が溶媒中に分散したスラリーを粉砕器に導入する導入口と、前記スラリーを前記粉砕器から前記粉砕器の外部に送出する送出口と、前記導入口と前記送出口とを連通する迷路状の連通流路と、を有し、前記粉砕器を形成する材質は、前記粉末粒子よりも高硬度の材質である粉砕器と、前記スラリーを攪拌する攪拌タンクと、前記攪拌タンクから前記粉砕器に前記スラリーを供給するポンプと、前記スラリーを前記粉砕器から前記攪拌タンクに還流する戻り配管と、を備え、前記戻り配管の前記攪拌タンク側の出口端は、前記攪拌タンクスラリー液内に没することを特徴とする。
この構成によれば、攪拌タンク中のスラリー上面からのスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制できる。そのため、混入した気泡による衝撃力の緩和を抑制することができるので、粉末粒子の粉砕がより容易となる。
前記攪拌タンクは、前記スラリーを攪拌するための回転する攪拌翼を備えており、前記戻り配管は、前記戻り配管から還流する前記スラリーが前記攪拌翼の回転方向に沿った速度成分を有する形状に加工されているものとしてもよい。
この構成によれば、還流するスラリーの攪拌翼および攪拌タンク内のスラリーに対する相対速度が低下する。そのため、スラリー内での気泡の発生、巻き込みを抑制することができるので、粉末粒子の粉砕がより容易となる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、粉砕器や粉砕方法、その粉砕器や粉砕方法を用いて製造される粉末、また、粉砕された粉末等から製造される焼結体およびその焼結体を利用した装置等の態様で実現することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施形態としての、チタン酸バリウム(BaTiO)造粒粒子製造工程の模式図である。図1に示す工程では、炭酸バリウム(BaCO)の粉末および酸化チタン(TiO)の粉末(これらの粉末を併せて、「原料粉末」とも呼ぶ)から、チタン酸バリウム造粒粒子(以下、「セラミック顆粒」と呼ぶ)が製造される。セラミック顆粒は、原料混合工程(ステップS100)と、合成工程(ステップS120)と、解砕工程(ステップS200)と、造粒工程(ステップS220)と、の4つの工程を経て製造される。
ステップS100では、原料粉末と純水とが混合され、混合・乾燥装置102に投入される。この際、原料粉末中の炭酸バリウムおよび酸化チタンと、純水とは、最適な配合比で秤量・調製される。原料粉末と純水は、混合・乾燥装置102でスラリー状にされたのち、乾燥され、炭酸バリウムと酸化チタンとが均一に分散した乾燥粉末となる。
ステップS120において、乾燥粉末は、仮焼サヤに充填され仮焼炉122に投入される。仮焼炉122では、乾燥粉末が仮焼サヤごと加熱(一般に、「仮焼」と呼ばれる)される。仮焼により、乾燥粉末中の炭酸バリウムと酸化チタンとからチタン酸バリウムが合成され、チタン酸バリウムの仮焼粉末(以下、単に「仮焼粉末」と呼ぶ)が得られる。
ステップS200では、仮焼粉末および純水がステップS100と同様の手順で秤量され、攪拌タンク202に投入される。なお、スラリーの重量に対する固形成分である仮焼粉末の重量比(一般に、「スラリー濃度」と呼ばれる)は、10〜50重量%の範囲の任意の値とすることができるが、20〜40重量%が好ましい。
秤量された仮焼粉末と純水は、攪拌タンク202で混合され、セラミックスラリーとなる。セラミックスラリーは、ポンプ204により、粉砕器206に送出される。なお、第1実施例の粉砕器は、インライン型の粉砕装置である。粉砕器206を通過したセラミックスラリーは、粉砕器206に接続された三方弁208を介して攪拌タンク202に戻される。セラミックスラリーが粉砕器206を通過することにより、セラミックスラリー中のチタン酸バリウムの粒子(セラミック粒子)は、平均粒径2〜5μmの程度まで粉砕、解砕され、純水中に分散する。セラミック粒子が粉砕されたセラミックスラリーは、三方弁208を切り替えることにより、攪拌タンク212に移送される。なお、ステップS200の解砕工程の詳細と解砕装置200については、後述する。
ステップS220では、攪拌タンク212に供給されたセラミックスラリーが造粒装置222に投入される。造粒装置222は、セラミックスラリーにバインダを添加した後、セラミックスラリーを噴霧乾燥する。このセラミックスラリーの噴霧乾燥により、セラミックの造粒粒子(顆粒)が生成される。
図2は、第1実施例における、解砕装置200の構成を示す概略図である。解砕装置200は、図1に示すように、攪拌タンク202と、ポンプ204と、粉砕器206と、三方弁208とを備えている。
攪拌タンク202は、攪拌槽300と、モータ310と、攪拌翼320,322とを備えている。モータ310の回転軸312に設けられた攪拌翼320,322は、攪拌槽300内のセラミックスラリーに浸されている。この攪拌翼320,322が、モータ310の回転軸312とともに回転することにより、セラミックスラリーは攪拌される。なお、第1実施例では、攪拌タンク202は、プロペラ状の攪拌翼を2つ備えているが、攪拌翼の形状および数は、粘度等のセラミックスラリーの特性に応じて適宜変更される。
攪拌されたセラミックスラリーは、配管402を介してポンプ204に供給される。ポンプは、凡そ0.5〜1.5MPaの圧力でセラミックスラリーを加圧して、配管404を介して粉砕器206に供給する。粉砕器206を通過したセラミックスラリーは、配管406を介して三方弁208に供給される。図2の例は、セラミックスラリーの粉砕、解砕を行っている状態(図1のステップS200)を示している。そのため、セラミックスラリーは、三方弁208から、配管408と、2つの戻り配管410,412と、を介して攪拌タンク202に戻される。セラミックスラリーの粉砕、解砕処理が終了し、三方弁208が切り替えられると、セラミックスラリーは、三方弁208から配管414を介して攪拌タンク212(図1)に送られる。なお、第1実施例では、戻り配管410,412の出口端は、セラミックスラリーの上面から離れた位置となっている。
図3は、粉砕器206の構成を示す模式図である。図3(a)〜(c)は、粉砕器を構成する3つの部材500,600,700を示している。また、図3(d)は、これらの3つの部材500,600,700を組み立てた状態での組立断面図である。なお、これらの3つの部材500,600,700は、いずれも、タングステンカーバイド(WC)系の超硬合金(以下、単に「超硬合金」と呼ぶ)で形成されている。なお、粉砕器206を形成する超硬合金としては種々のものを使用することができるが、超硬合金中のタングステンカーバイド粒子が1μm以下の超微粒子となっているものが好ましい。
第1の部材500は、図3(a)の一点鎖線で示す軸を中心としてほぼ軸対称となっている。第1の部材500は、外径が最も大きいフランジ部510と、フランジ部510よりも外径が小さい差込部520と、差込部520よりも外径が小さい中間部530と、差込部520と外径が同じ先端部540とを有している。中間部530は、第1の円筒部532と、円柱部534と、第2の円筒部536とから構成されている。フランジ部510と、差込部520と、第1の円筒部532と、の中心には、通し穴560が設けられている。同様に、第2の円筒部536と、先端部540には、通し穴566が設けられている。また、第1の円筒部532には、その外周部から中心に設けられた通し穴560を連通する複数の貫通孔562が設けられている。同様に、第2の円筒部536には、その外周部と通し穴566とを連通する複数の貫通孔564が設けられている。なお、以下では、複数の貫通孔562を併せて「貫通孔群562」とも呼び、複数の貫通孔564を併せて「貫通孔群564」とも呼ぶ。
第2の部材600は、図3(b)の一点鎖線で示す軸を中心としてほぼ軸対称となっている。第2の部材600は、フランジ部610と、フランジ部610よりも外径が小さい差込部620と、差込部620よりも外径の小さい挿入部630とを有している。挿入部630は、円板部632と、円筒部634とから構成されている。フランジ部610と、差込部620と、円筒部634と、の中心には通し穴660が設けられている。また、円筒部634には、その外周部から中心に設けられた通し穴660を連通する複数の貫通孔662が設けられている。なお、以下では、複数の貫通孔662を併せて「貫通孔群662」とも呼ぶ。
第3の部材700は、図3(c)の一点鎖線で示す軸を中心とする円筒状の部材である。第3の部材700の内径は、第1の部材500の差込部520および第2の部材600の差込部620の外径と同一になっている。
粉砕器206は、第1の部材500と、第3の部材700と、第2の部材600と、をこの順に、各部材の中心軸が図3(d)の一点鎖線で示される中心軸に一致するように、図3(d)の左側から組み立てることにより構成される。図3(d)に示すように、粉砕器206の内部には、第1の部材500の中間部530と第3の部材700の内壁702との間に第1の空隙710が形成される。同様に、第2の部材600の挿入部630と、第2の空隙720が形成される。また、第1の部材500の先端部540と、第2の部材600の円板部632と、第3の部材700の内壁702との間には、第3の空隙730が形成される。
図3(d)に示すように、粉砕器206は、通し穴560と、貫通孔群562と、第1の空隙710と、貫通孔群564と、通し穴566と、第3の空隙730と、第2の空隙720と、貫通孔群662と、通し穴660とを介して、左側と右側とが連通している。
図4は、粉砕器206内でのセラミックスラリーの流れの様子を示す説明図である。上述のように、粉砕器206には、ポンプ204(図2)から配管404を介してセラミックスラリーが供給される。そして、粉砕器206を通過したセラミックスラリーは、配管406を介して三方弁208に供給される。
このとき、粉砕器206内部では、セラミックスラリーが通し穴560から供給される。供給されたセラミックスラリーは、貫通孔群562を通って、第1の空隙710に到達する。第1の空隙710に到達したセラミックスラリーは、第3の部材700の内壁702に衝突する。
第1の空隙710に到達したセラミックスラリーは、さらに、貫通孔群564を介して、通し穴566に到達する。このとき、対向する貫通孔564を介して通し穴566に到達したセラミックスラリーは、互いに衝突する。
セラミックスラリーは、第3の空隙730と、第2の空隙720と、貫通孔群662を介して、通し穴566から通し穴660に到達する。通し穴660においても、対向する貫通孔662から通し穴660に到達したセラミックスラリーは、互いに衝突する。
図4に示すように、粉砕器206内のセラミックスラリーの流路は、粉砕器206の中心部から外周部に向かう複数の分岐流路と、粉砕器206の外周部から中心部に向かう複数の合流流路と、を有している。そのため、セラミックスラリーは、粉砕器206内を通過する際に、第3の部材700の内壁702や対向して流れるセラミックスラリーと衝突する。この衝突により、セラミックスラリー中のセラミック粒子は粉砕、解砕される。
図5は、第1実施例と比較例とにおける粉砕器の摩耗評価の結果を示している。比較例1の粉砕器は、材質をステンレス鋼(SUS−316)としている点で第1実施例と異なっている。比較例2の粉砕器は、材質を工具鋼(SKD11)とし、粉砕器の表面に硬化処理(TRD)を施している点で、第1実施例と異なっている。比較例1および比較例2の他の構成は、第1実施例と同じである。
粉砕器の摩耗評価のため、まず、平均粒径が約65μmのチタン酸バリウム粒子を純水中に分散したセラミックスラリーを準備した。セラミックスラリーのスラリー濃度は、30重量%とした。次に、準備したセラミックスラリーを、解砕装置200内で30分間循環させ、セラミックスラリーの解砕処理を行った。摩耗評価は、この解砕処理の前後における粉砕器の重量低減率を比較することによって行った。なお、図5の表に示すように、解砕処理後のチタン酸バリウム粒子の平均粒径は、第1実施例と、2つの比較例と、のいずれにおいても同等であった。
第1実施例の粉砕器では、解砕前と解砕後の重量の差は0.03gであり、解砕前の重量に対する解砕前後の重量差である粉砕器重量の磨耗低減率は、0.004重量%であった。比較例1では、粉砕器重量の磨耗低減率は0.020重量%となり、第1実施例よりも粉砕器の摩耗が大きくなった。比較例2では、粉砕器重量は減少せず、摩耗がほとんど起きていなかった。
このように、第1実施例の超硬合金製の粉砕器と、比較例2の硬化処理を行った工具鋼製の粉砕器とのセラミックスラリーの解砕処理による摩耗は、比較例1のステンレス鋼製の粉砕器よりも少なかった。そのため、第1実施例および比較例2の粉砕器を用いることにより、粉砕器の摩耗を抑制し、粉砕器の材料がセラミックスラリー中に混入することを抑制することができる。なお、比較例2の粉砕器では、硬化処理(TRD)によって母材表面にできた硬質被膜がはがれると、粉砕器の摩耗が大きくなるおそれがあるので、第1実施例は比較例2よりも好ましい。
第1実施例では、セラミックスラリーが、粉砕器206内を通過する際に、第3の部材700の内壁702や対向して流れるセラミックスラリーと衝突する。この衝突により、セラミックスラリー中のセラミック粒子は粉砕される。また、粉砕器206を超硬合金で形成された部材で構成することにより、粉砕器206の摩耗が抑制される。そのため、粉砕器206の部材のセラミックスラリー中への混入を抑制することができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における、解砕装置200aの構成を示す概略図である。第2実施例は、戻り配管410a,412aの出口端が、セラミックスラリー液中に没している点で、第1実施例と異なっている。他の点は、第1実施例と同じである。
一般に、セラミックスラリーが気泡を含んでいると、セラミック粒子の粉砕器管壁との衝突や、セラミック粒子どうしの衝突によってセラミック粒子に加わる衝撃力が緩和される。セラミック粒子に加わる衝撃力が緩和されることにより、気泡を含むセラミックスラリーは、粉砕器により十分に粉砕、解砕されないおそれがある。そのため、粉砕器によるセラミック粒子の粉砕性、解砕性を高めるためには、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制することが望ましい。
第2実施例では、戻り配管410a,412aの出口端の位置をセラミックスラリー液中に没することで、セラミックスラリー上面からの気泡の混入、巻き込みが抑制される。なお、この場合、より一層の気泡の混入、巻き込みを抑制するために、セラミックスラリーに消泡剤を添加することが好ましい。消泡剤としては、例えば、シリコーン系やポリエーテル系の消泡剤を使用することができる。消泡剤は、消泡剤の種類に応じて適量が添加される。例えば、シリコーン系の消泡剤では、セラミックスラリーの重量に対する消泡剤の重量比(消泡剤重量比)を0.005重量%から1重量%の範囲の任意の値とすることができる。また、ポリエーテル系の消泡剤では、消泡剤重量比を0.05重量%から2重量%の範囲の任意の値とすることができる。
図7は、第1実施例と第2実施例とにおけるセラミック粒子の解砕性評価の結果を示している。解砕性評価のため、まず、平均粒径が約65μmのチタン酸バリウム粒子を純水中に分散したセラミックスラリーを準備した。このセラミックスラリーのスラリー濃度は、30重量%とした。次に、準備したセラミックスラリーを、解砕装置200,200a内で150分間循環させ、セラミックスラリーの解砕処理を行った。解砕性評価は、この解砕処理後のチタン酸バリウムの粒度分布を測定することによって行った。
図7の表に示すように、消泡剤を添加したセラミックスラリーの解砕処理後のチタン酸バリウム粒子の平均粒径は、消泡剤を添加しないセラミックスラリーより小さい。同様に、最大粒径も、消泡剤を添加することにより小さくなる。一方、セラミックスラリーに消泡剤を添加しない場合、戻り配管の出口端がスラリー上方にある第1実施例のチタン酸バリウム粒子の最大粒径は、13.2μmとなり、戻り配管の出口端がスラリー液内に没した第2実施例の5.9μmよりも大きく、戻り配管を液内に没することによって粒度は微細になる。
このように、第2実施例では、戻り配管410a,412aの出口端の位置をセラミックスラリー液中に没することで、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制し、粉砕器による粉砕性、解砕性を向上させることができる。また、消泡剤を添加することにより、粉砕性、解砕性をさらに向上させることが可能となる。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例における、解砕装置200bの構成を示す概略図である。第3実施例は、戻り配管410b、412bがセラミックスラリー液中で攪拌翼320,322の回転方向に屈曲している点で、第2実施例と異なっている。
第3実施例では、このように戻り配管410b,412bを屈曲させることにより、戻り配管410b,412bから還流するセラミックスラリーに、攪拌翼320,322の回転方向に沿った速度成分を持たせることができる。そのため、攪拌タンク202b内のセラミックスラリーおよび攪拌翼320,322に対する相対的な速度が低減され、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制することができる。
このように、第3実施例では、戻り配管410b,412bを屈曲させることにより、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みが抑制されるので、粉砕器によるセラミック粒子の粉砕性、解砕性をより高めることができる。
なお、第3実施例では、戻り配管410b,412bを屈曲させることによりセラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制しているが、一般に、戻り配管から還流するセラミックスラリーに攪拌翼320,322の回転方向に沿った速度成分を持たせることができれば、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制することができる。例えば、戻り配管を攪拌翼の回転方向に沿って斜めに攪拌タンクに入れることによっても、セラミックスラリーへの気泡の混入、巻き込みを抑制することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記各実施例では、チタン酸バリウムの仮焼粉末を超硬合金製の粉砕器206を用いて解砕しているが、本発明は、セラミック、金属、鉱物等の任意の粒子の粉砕や、原料粉末の仮焼により生成された種々の仮焼粉末の粉砕、解砕に適用することができる。この場合、粉砕器は、粉砕する粒子よりも高ビッカース硬度(Hv)の材質で形成されていればよい。
D2.変形例2:
上記各実施例では、図3および図4に示す粉砕器206を用いているが、異なる形状の粉砕器を利用することもできる。この場合、粉砕器は、セラミックスラリーが導入される導入口と、セラミックスラリーを外部に送出する送出口と、を連通する迷路状の流路を有していればよい。このようにすれば、セラミック粒子と粉砕器の内壁との衝突や、セラミック粒子どうしの衝突によりセラミック粒子を粉砕、解砕することができる。
本発明の一実施形態としての、チタン酸バリウム造粒粒子製造工程の模式図。 第1実施例における、解砕装置200の構成を示す概略図。 粉砕器206の構成を示す模式図。 粉砕器206内でのセラミックスラリーの流れの様子を示す説明図。 第1実施例と比較例とにおける粉砕器の摩耗の程度の評価結果。 第2実施例における、解砕装置200aの構成を示す概略図。 第1実施例と第2実施例とにおけるセラミック粒子の解砕性評価結果。 第3実施例における、解砕装置200bの構成を示す概略図。
符号の説明
102...混合・乾燥装置
122...仮焼炉
200,200a...解砕装置
202,202a,202b...攪拌タンク
204...ポンプ
206...粉砕器
208...三方弁
212...攪拌タンク
222...造粒装置
300...攪拌槽
310...モータ
312...回転軸
320,322...攪拌翼
402...配管
404...配管
406...配管
408...配管
410,412...戻り配管
410a,412a...戻り配管
410b,412b...戻り配管
414...配管
500...第1の部材
510...フランジ部
520...差込部
530...中間部
532...第1の円筒部
534...円柱部
536...第2の円筒部
540...先端部
560...通し穴
562...貫通孔
564...貫通孔
566...通し穴
600...第2の部材
610...フランジ部
620...差込部
630...挿入部
632...円板部
634...円筒部
660...通し穴
662...貫通孔
700...第3の部材
702...内壁
710...第1の空隙
720...第2の空隙
730...第3の空隙

Claims (12)

  1. 粉末粒子を粉砕する粉砕器であって、
    前記粉末粒子が溶媒中に分散したスラリーを前記粉砕器に導入する導入口と、
    前記スラリーを前記粉砕器から前記粉砕器の外部に送出する送出口と、
    前記導入口と前記送出口とを連通する迷路状の連通流路と、
    を有し、
    前記粉砕器を形成する材質が、前記粉末粒子よりも高硬度の材質である、粉砕器。
  2. 請求項1記載の粉砕器であって、
    前記粉末粒子が、セラミック原料を仮焼することにより生成された仮焼粉末の粒子である、粉砕器。
  3. チタン酸バリウム粒子を粉砕する粉砕器であって、
    前記チタン酸バリウム粒子が溶媒中に分散したスラリーを前記粉砕器に導入する導入口と、前記スラリーを前記粉砕器から前記粉砕器の外部に送出する送出口と、
    前記導入口と前記送出口とを連通する迷路状の連通流路と、
    を有し、
    前記粉砕器を形成する材質が、タングステンカーバイドの超硬合金である、粉砕器。
  4. 請求項3の粉砕器であって、前記超硬合金は、前記超硬合金中のタングステンカーバイド粒子が1μm未満の超微粒子である、粉砕器。
  5. 請求項1から4のいずれか記載の粉砕器であって、スラリー圧送の粉砕圧力が、0.5〜1.5MPaである、粉砕器。
  6. 請求項1から5のいずれか記載の粉砕器であって、
    前記迷路状の連通流路は、前記粉砕器の中心部から外周部に向かう複数の分岐流路と、前記粉砕器の外周部から中心部に向かう複数の合流流路と、を有する流路である、粉砕器。
  7. 請求項1から6のいずれか記載の粉砕器であって、
    前記粉砕器に供給される前記スラリーは、スラリー濃度が20重量%から40重量%の範囲内となるように調製されたスラリーである、粉砕器。
  8. 請求項1から7のいずれか記載の粉砕器であって、
    前記粉砕器に供給される前記スラリーは、消泡剤を含むスラリーである、粉砕器。
  9. 粉末粒子を粉砕する粉砕装置であって、
    請求項1から8のいずれか記載の粉砕器と、
    前記スラリーを攪拌する攪拌タンクと、
    前記攪拌タンクから前記粉砕器に前記スラリーを供給するポンプと、
    前記スラリーを前記粉砕器から前記攪拌タンクに還流する戻り配管と、
    を備え、
    前記戻り配管の前記攪拌タンク側の出口端が、前記攪拌タンクスラリー液内に没する、粉砕装置。
  10. 請求項9記載の粉砕装置であって、
    前記攪拌タンクは、前記スラリーを攪拌するための回転する攪拌翼を備えており、
    前記戻り配管は、前記戻り配管から還流する前記スラリーが、前記攪拌翼の回転方向に沿った速度成分を有する形状に加工されている、粉砕装置。
  11. 粉末粒子の粉砕方法であって、
    前記粉末粒子を溶媒中に分散し、スラリーを生成する工程と、
    前記スラリーを請求項1記載の粉砕器に供給し、前記粉砕器が有する連通流路を通過させることにより前記粉末粒子を粉砕する工程と、
    を備える、粉末粒子の粉砕方法。
  12. チタン酸バリウム粒子の粉砕方法であって、
    前記チタン酸バリウム粒子を溶媒中に分散し、スラリーを生成する工程と、
    前記スラリーを請求項3から4記載の粉砕器に供給し、前記粉砕器が有する連通流路を通過させることにより前記チタン酸バリウム粒子を粉砕する工程と、
    を備える、チタン酸バリウム粒子の粉砕方法。
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JP2018047407A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社常光 微粒化ユニット、微粒化装置及び微粒化方法

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