JP2006254597A - 信号線路用避雷器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来と同程度の保護性能が得られ、然も、雷サージ電圧以外の信号によって三極管型放電管の放電動作が開始されることを防止することが出来る信号線路用避雷器を提供する。
【解決手段】 本発明に係る信号線路用避雷器においては、三極管型放電管ASの第1電極aと第3電極cとが第1の抵抗素子R1を介して互いに接続されると共に、第2電極bと第3電極cとが第2の抵抗素子R2を介して互いに接続されており、第2の抵抗素子R2の両端には容量素子Cが接続されている。該容量素子Cは、そのインピーダンスが一対の信号線路から入力される信号の周波数では第2の抵抗素子R2に比べて大きく、且つ雷サージ電圧の周波数及び雷サージ電流の周波数では第1及び第2の抵抗素子R1、R2に比べて小さくなる静電容量を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一対の信号線路と該一対の信号線路を流れる信号が入力されるべき電子機器との間に設けられ、一対の信号線路に発生する雷サージ電圧から該電子機器を保護する信号線路用避雷器に関するものである。
従来、ADSL回線に発生する雷サージ電圧からモデム等の通信機器を保護すべく、ADSL回線と通信機器との間に避雷器が設けられている。
高速回線であるADSL回線においては、信号の減衰や反射が起こりやすいため、線間の静電容量が小さいことが要求される。そこで、サージ吸収素子として、静電容量の小さいサージ防護用サイリスタを具えた避雷器が知られている。
図4は、3つのサージ防護用サイリスタを具えた避雷器を表わしており、図示の如く、ADSL回線から入力される信号が通過すべき一対の直列線路L1、L2及び接地線Gが3つのサイリスタS1、S2、S3を介して互いに連結されている。該避雷器においては、2本の線路間に発生した雷サージ電圧V1、V2、V3はそれぞれ、各線路間に介在するサイリスタS1、S2、S3によって吸収される。
しかしながら、市販されているサージ防護用サイリスタのサージ耐量は、8/20μsの波形表示で表わされる図6に示す標準雷サージ電流に対して400A程度であり、5kA程度のサージ耐量が要求されるADSL回線用の避雷器においては、サージ耐量が不足している問題があった。
そこで、サージ吸収素子として、サイリスタよりもサージ耐量の大きい不活性ガス封入型アレスタを具えた避雷器が知られている。
図5は、三極の不活性ガス封入型アレスタを具えた避雷器を表わしており、図示の如く、ADSL回線から入力される信号が通過すべき一対の直列線路L1、L2の間に、三極不活性ガス封入型アレスタASが介在し、該アレスタASの第1電極a及び第2電極bがそれぞれ一対の直列線路L1、L2に接続される一方、第3電極cが接地線Gに接続されている。該避雷器においては、一対の直列線路L1、L2の間の電圧V1、一方の直列線路L1と接地線Gとの間の電圧V2、或いは他方の直列線路L2と接地線Gとの間の電圧V3がアレスタASの動作開始電圧を超えたときに、アレスタASの放電動作が開始される。
尚、出願人は、三極管型放電管を具えた直流電源用避雷器回路を出願中である(特許文献1参照)。
特願2004−357070明細書
しかしながら、三極不活性ガス封入型アレスタを具えた従来の避雷器においては、後述の問題があった。
受話器を置いている状態では、42〜53Vの直流電圧がADSL回線に印加されているのであるが、受話器を上げて呼出信号を伝送している状態では、更に15〜20Hzの周波数を有する65〜83Vrmsの交流電圧が印加されることとなり、最大で170Vの電圧が印加されることとなる。そこで、従来の避雷器においては、市販の三極不活性ガス封入型アレスタの内、前記最大電圧との差が最も小さい230Vの動作開始電圧を有するアレスタが採用されているのであるが、アレスタの動作開始電圧は許容差が±20%であると共に放電動作の実行回数が増大するにつれて変動するため、呼出信号によってアレスタの放電動作が開始される虞がある問題があった。
動作開始電圧が230Vの次に高い350Vのアレスタを採用すれば、上記問題を解決することが出来るが、動作開始電圧の上昇に伴なって制限電圧が高くなり、雷サージ電圧からの保護性能が低下することになる。
本発明の目的は、従来と同程度の保護性能が得られ、然も、雷サージ電圧以外の信号によって三極管型放電管の放電動作が開始されることを防止することが出来る信号線路用避雷器を提供することである。
本発明に係る信号線路用避雷器は、一対の信号線路に接続されるべき一対の入力端子と電子機器が接続されるべき一対の出力端子とを具え、一対の入力端子から一対の出力端子に伸びる一対の直列線路の間に三極管型放電管が介在しており、該放電管の第1電極が一方の直列線路に接続されると共に第2電極が他方の直列線路に接続され、第3電極がグランド端子に接続されている。そして、三極管型放電管の第1電極と第3電極とが抵抗素子を含む第1のインピーダンス回路を介して互いに接続されると共に、第2電極と第3電極とが抵抗素子を含む第2のインピーダンス回路を介して互いに接続されており、第2のインピーダンス回路の両端には容量素子が接続され、該容量素子は、そのインピーダンスが一対の信号線路から入力される信号の周波数では第2のインピーダンス回路に比べて大きく、且つ雷サージ電圧の周波数及び雷サージ電流の周波数では第1のインピーダンス回路及び第2のインピーダンス回路に比べて小さくなる静電容量を有している。
上記本発明に係る信号線路用避雷器を、例えばADSL回線用の避雷器に実施した場合、前記容量素子のインピーダンスは、ADSL回線から入力される呼出信号の周波数20Hzでは第2のインピーダンス回路の例えば10倍以上と十分に大きくなるので、第2のインピーダンス回路と容量素子との関係では該容量素子を無視することが出来る。従って、三極管型放電管の第1電極と第3電極の間の電圧V1は、一対の直列線路間の電圧をV、第1のインピーダンス回路と第2のインピーダンス回路のインピーダンスの比をm:nとして、下記数1によって表わされる。
(数1)
V1={m/(m+n)}・V
そして、三極管型放電管の第1電極と第3電極の間の動作開始電圧をVsとすると、三極管型放電管が放電動作を開始するためには、第1電極及び第3電極の間の電圧V1と該動作開始電圧Vsとの間に次の関係式が成り立つことが必要である。
(数2)
V1≧Vs
上記の数1及び数2から、一対の直列線路間の電圧Vと動作開始電圧Vsとの間に次の関係式が得られる。
(数3)
V≧{(m+n)/m}・Vs
上記数3は、呼出信号の伝送時には、一対の直列線路間の電圧Vが三極管型放電管の動作開始電圧Vsの{(m+n)/m}倍の値を超えたときに、三極管型放電管の放電動作が開始されることを表わしている。
一方、雷サージ電圧の周波数及び雷サージ電流の周波数は10kHzを上回り、前記容量素子のインピーダンスは、該周波数では第2のインピーダンス回路の例えば1/10以下と十分に小さくなるので、第2のインピーダンス回路と容量素子との関係では第2のインピーダンス回路を無視することが出来る。又、前記容量素子のインピーダンスは、雷サージ電圧の周波数及び雷サージ電流の周波数では第1のインピーダンス回路に比べて十分に小さくなるので、第1のインピーダンス回路と容量素子との関係では該容量素子を無視することが出来る。従って、三極管型放電管の第1電極と第3電極の間の電圧V1は、一対の直列線路間の電圧Vと略等しくなり、一対の直列線路間の電圧Vと三極管型放電管の前記動作開始電圧Vsとの間には次の関係式が成り立つ。
(数4)
V≧Vs
上記数4は、雷サージ電圧の発生時には、一対の直列線路間の電圧Vが動作開始電圧Vsを超えたときに、三極管型放電管の放電動作が開始されることを表わしている。
上述の如く、三極管型放電管の放電開始電圧は、呼出信号に対しては三極管型放電管の動作開始電圧Vsの{(m+n)/m}倍の値となり、雷サージ電圧及び雷サージ電流に対しては三極管型放電管の動作開始電圧Vsとなる。従って、従来と同じ動作開始電圧を有する三極管型放電管を採用すれば、従来と同レベルの保護性能を得ることが出来、然も、呼出信号に対する放電開始電圧は該動作開始電圧よりも大きな値となるので、呼出信号によって三極管型放電管の放電動作が開始されることを防止することが出来る。
具体的には、前記第1のインピーダンス回路及び前記第2のインピーダンス回路はそれぞれ抵抗素子から構成され、第1のインピーダンス回路は、第2のインピーダンス回路と同じ抵抗値或いは第2のインピーダンス回路よりも大きな抵抗値を有している。
第1のインピーダンス回路が第2のインピーダンス回路よりも小さな抵抗値を有している場合には、三極管型放電管の第1電極と第3電極の間よりも先に第2電極と第3電極の間で放電が開始されて、雷サージ電流は、三極管型放電管の第2電極及び第3電極を経て第1のインピーダンス回路に流れ込もうとする。この雷サージ電流は大きいことが望ましいが、第1のインピーダンス回路の抵抗値は該インピーダンス回路がADSL回線を流れる信号に悪影響を及ぼすことを防止すると共に漏れ電流を小さく抑えるために大きな値に設定されているため、雷サージ電流が小さくなり、三極管型放電管の動作がスムーズに開始されない虞がある。
これに対し、第1のインピーダンス回路が第2のインピーダンス回路と同じ抵抗値或いは第2のインピーダンス回路よりも大きな抵抗値を有している場合には、三極管型放電管の第1電極と第3電極の間で放電が開始されたとき、雷サージ電流の周波数及び雷サージ電圧の周波数では容量素子のインピーダンスは第2のインピーダンス回路に比べて十分に小さくなるので、雷サージ電流は三極管型放電管の第1電極及び第3電極を経て容量素子に流れ込むこととなり、雷サージ電流が小さくなることはない。従って、三極管型放電管の動作がスムーズに開始される。
そこで、第1のインピーダンス回路の抵抗値は、第2のインピーダンス回路と同じ値或いは第2のインピーダンス回路よりも大きな値に設定される。
本発明に係る信号線路用避雷器によれば、従来と同程度の保護性能が得られ、然も、雷サージ電圧以外の信号によって三極管型放電管の放電動作が開始されることを防止することが出来る。
以下、本発明を、ADSL回線用避雷器に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るADSL回線用避雷器は、図1に示す如く、一対のADSL回線に接続されるべき一対の入力端子(1)(1)と、モデム等の通信機器が接続されるべき一対の出力端子(2)(2)とを具えており、一対の入力端子(1)(1)から一対の出力端子(2)(2)に伸びる一対の直列線路(3)(3)の間には、三極の不活性ガス封入型アレスタASが介在している。該アレスタASの第1電極aは一方の直列線路(3)に接続されると共に第2電極bは他方の直列線路(3)に接続され、第3電極cはグランド端子に接続されている。そして、該アレスタASの第1電極aと第3電極cは第1抵抗器R1を介して互いに接続されると共に、第2電極bと第3電極cは第2抵抗器R2を介して互いに接続されており、第2抵抗器R2の両端には、コンデンサCが接続されている。
コンデンサCのインピーダンスをZ、ADSL回線から入力される呼出信号の周波数をf[Hz]、雷サージ電流の周波数をf[Hz]とすると、第1抵抗器R1の抵抗値r[MΩ]と、第2抵抗器R2の抵抗値r[MΩ]と、コンデンサC1の静電容量x[pF]との間には、次の関係式が成り立つ。
(数5)
Z=1/(2π・f・x)≧10r
Z=1/(2π・f・x)≦r/10
>r
但し、呼出信号の周波数fは20Hzであり、雷サージ電流の周波数fは、図6に示す標準雷サージ電流の立ち上がり時間(=8μs)を1/4周期として下記数6により算出される。
(数6)
=1/(32×10−6)=31.25[kHz]
尚、上記数5において、雷サージ電流の周波数fを雷サージ電圧の周波数fに置換することが可能であり、該周波数fは、1.2/50μsの波形表示で表わされる標準雷サージ電圧の立ち上がり時間(=1.2μs)を1/4周期として下記数7により算出される。
(数7)
=1/(4.8×10−6)=208.3[kHz]
又、上記2つの抵抗器R1、R2の抵抗値r、rは、これらの抵抗器がADSL回線を流れる信号に悪影響を及ぼすことを防止すると共に漏れ電流を小さく抑えるために大きな値に設定されている。
上記数5の第3の関係式に示す如く、第1抵抗器R1の抵抗値rが第2抵抗器R2の抵抗値rよりも大きな値に設定されている理由は次の通りである。
第1抵抗器R1の抵抗値rを第2抵抗器R2の抵抗値rよりも小さな値に設定した場合には、不活性ガス封入型アレスタASの第1電極aと第3電極cの間よりも先に第2電極bと第3電極cの間で放電が開始されて、雷サージ電流は、図2に実線及び破線の矢印で示す如く、アレスタASの第2電極b及び第3電極cを経て第1抵抗器R1に流れ込もうとする。この雷サージ電流は大きいことが望ましいが、第1抵抗器R1の抵抗値rは上述の如く大きな値に設定されているので、雷サージ電流が小さくなり、アレスタASの動作がスムーズに開始されない虞がある。
これに対し、第1抵抗器R1の抵抗値rを第2抵抗器R2の抵抗値rよりも大きな値に設定した場合には、不活性ガス封入型アレスタASの第1電極aと第3電極cの間で放電が開始されたとき、後述の如く雷サージ電流の周波数ではコンデンサC1のインピーダンスZは第2抵抗器R2に比べて十分に小さくなるため、雷サージ電流は、図3に実線の矢印で示す如く、アレスタASの第1電極a及び第3電極cを経てコンデンサCに流れ込むこととなり、雷サージ電流が小さくなることはない。従って、アレスタASの動作がスムーズに開始される。
そこで、第1抵抗器R1の抵抗値rは第2抵抗器R2の抵抗値rよりも大きな値に設定されている。
次に、上記ADSL回線用避雷器の動作について説明する。
図1に示す第2抵抗器R2の抵抗値rとコンデンサCの静電容量xとの間には、上記数5の第1の関係式が成り立っており、呼出信号の周波数fではコンデンサCのインピーダンスZは抵抗器R2の抵抗値rの10倍以上と十分に大きくなるため、第2抵抗器R2とコンデンサCとの関係ではコンデンサCを無視することが出来る。従って、不活性ガス封入型アレスタASの第1電極aと第3電極cの間の電圧V1は、一対の直列線路(3)(3)間の電圧をVとして、下記数8によって表わされる。
(数8)
V1={r/(r+r)}・V
不活性ガス封入型アレスタASの第1電極aと第3電極cの間、及び第2電極bと第3電極cの間の動作開始電圧をVsとすると、該アレスタASが放電動作を開始するためには、第1電極aと第3電極cの間の電圧V1と動作開始電圧Vsとの間に次の関係式が成り立つことが必要である。
(数9)
V1≧Vs
上記の数8及び数9から、一対の直列線路(3)(3)間の電圧Vと動作開始電圧Vsとの間に次の関係式が得られる。
(数10)
V≧{(r+r)/r}・Vs
上記数10は、呼出信号の伝送時には、一対の直列線路(3)(3)間の電圧Vが不活性ガス封入型アレスタASの動作開始電圧Vsの{(r+r)/r}倍の値を超えたときに、該アレスタASの放電動作が開始されることを表わしている。
又、第2抵抗器R2の抵抗値rとコンデンサCの静電容量xとの間には、上記数5の第2の関係式が成り立っており、雷サージ電流の周波数fではコンデンサCのインピーダンスZは第2抵抗器R2の抵抗値rの1/10以下と十分に小さくなるため、第2抵抗器R2とコンデンサCとの関係では第2抵抗器R2を無視することが出来る。又、上記数5の第3の関係式に示す如く第1抵抗器R1の抵抗値rは第2抵抗器R2の抵抗値rよりも大きな値に設定されているので、コンデンサC1のインピーダンスZは、第1抵抗器R1の抵抗値rに比べて十分に小さな値となり、第1抵抗器R1とコンデンサCとの関係ではコンデンサCを無視することが出来る。従って、不活性ガス封入型アレスタASの第1電極aと第3電極cの間の電圧V1は、一対の直列線路(3)(3)間の電圧Vと略等しくなり、一対の直列線路間の電圧Vと動作開始電圧Vsとの間には次の関係式が成り立つ。
(数11)
V≧Vs
上記数11は、雷サージ電圧の発生時には、一対の直列線路間の電圧Vが不活性ガス封入型アレスタASの動作開始電圧Vsを超えたときに、該アレスタASの放電動作が開始されることを表わしている。
本発明に係るADSL回線用避雷器においては、上述の如く、呼出信号に対する放電開始電圧は、不活性ガス封入型アレスタASが有する動作開始電圧Vsの{(r+r)/r}倍の値となり、雷サージ電圧に対する放電開始電圧は、アレスタASが有する動作開始電圧Vsとなる。
実施例
市販されている三極不活性ガス封入型アレスタの内、仮に、90Vの動作開始電圧を有するアレスタを採用し、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2として同じ抵抗値を有する抵抗器を採用した場合、上記数10から呼出信号に対する放電開始電圧は180Vとなるが、上述の如くアレスタの動作開始電圧は許容差が±20%であると共に放電動作の実行回数が増大するにつれて変動するため、呼出信号によってアレスタの放電動作が開始される虞がある。
そこで、本実施例においては、動作開始電圧が90Vの次に高い230Vのアレスタが採用されている。
第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2はそれぞれ9MΩ及び1MΩの抵抗値を有している。又、第1抵抗器R1は、アレスタASが放電動作を開始するまでは雷サージ電圧がかかるため、2kV程度の耐電圧を有している。コンデンサCは、100pFの静電容量及び500Vの耐電圧を有している。
本実施例のADSL回線用避雷器において、呼出信号の周波数におけるコンデンサCのインピーダンスZを算出すると、該インピーダンスZは約79.6MΩとなり、第2抵抗器R2の抵抗値に比べて十分に大きな値となる。そして、上記数10から呼出信号に対する放電開始電圧を算出すると、該放電開始電圧は約256Vとなる。
一方、雷サージ電流の周波数におけるコンデンサCのインピーダンスZを算出すると、該インピーダンスZは約50.9kΩとなり、第2抵抗器R2の抵抗値に比べて十分に小さな値となる。又、雷サージ電圧の周波数におけるコンデンサCのインピーダンスZを算出すると、該インピーダンスZは、約7.76kΩとなり、第2抵抗器R2の抵抗値に比べて十分に小さな値となる。尚、雷サージ電圧に対する放電開始電圧は、上記数11から230Vとなる。
本実施例のADSL回線用避雷器においては、従来のADSL回線用避雷器と同じ230Vの動作開始電圧を有する不活性ガス封入型アレスタASが採用されているので、従来と同レベルの保護性能を得ることが出来、然も、上述の如く呼出信号に対しては約256Vと高い放電開始電圧が得られるので、呼出信号によってアレスタASの放電動作が開始されることを防止することが出来る。
又、サージ吸収素子として不活性ガス封入型アレスタASが採用されているので、サイリスタを具えた従来のADSL避雷器に比べて高いサージ耐量を得ることが出来る。
尚、呼出信号に対する放電開始電圧は、第1抵抗器R1の抵抗値rと第2抵抗器R2の抵抗値rを変えることによって任意の値に変えることが出来る。
本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、本発明をADSL回線用の避雷器に実施しているが、HDSL回線やVDSL回線など、ADSL回線以外のxDSL回線用の避雷器や、その他の種々の高周波回線用の避雷器に実施することが可能である。
又、上記実施の形態においては、図1に示す如く、アレスタASの第1電極aと第3電極cとを互いに接続する第1インピーダンス回路は第1抵抗器R1から構成されると共に、第2電極bと第3電極cとを互いに接続する第2インピーダンス回路は第2抵抗器R2から構成されているが、これらのインピーダンス回路は、抵抗器とインダクタの組合せ、抵抗器とコンデンサの組合せ、或いは抵抗器とインダクタとコンデンサの組合せから構成することも可能である。
本発明に係るADSL回線用避雷器の構成を表わす回路図である。 第1抵抗器の抵抗値が第2抵抗器の抵抗値よりも小さい場合の電流経路を表わす回路図である。 第1抵抗器の抵抗値が第2抵抗器の抵抗値よりも大きい場合の電流経路を表わす回路図である。 サイリスタを具えた従来のADSL回線用避雷器の構成を表わす回路図である。 三極不活性ガス封入型アレスタを具えた従来のADSL回線用避雷器の構成を表わす回路図である。 標準雷サージ電流の波形を表わす波形図である。
符号の説明
(1) 入力端子
(2) 出力端子
(3) 直列線路
AS 三極不活性ガス封入型アレスタ
R1 第1抵抗器
R2 第2抵抗器
C コンデンサ

Claims (2)

  1. 一対の信号線路に接続されるべき一対の入力端子と電子機器が接続されるべき一対の出力端子とを具え、一対の入力端子から一対の出力端子に伸びる一対の直列線路の間に三極管型放電管が介在しており、該放電管の第1電極が一方の直列線路に接続されると共に第2電極が他方の直列線路に接続され、第3電極がグランド端子に接続されている信号線路用避雷器において、三極管型放電管の第1電極と第3電極とが抵抗素子を含む第1のインピーダンス回路を介して互いに接続されると共に、第2電極と第3電極とが抵抗素子を含む第2のインピーダンス回路を介して互いに接続されており、第2のインピーダンス回路の両端には容量素子が接続され、該容量素子は、そのインピーダンスが一対の信号線路から入力される信号の周波数では第2のインピーダンス回路に比べて大きく、且つ雷サージ電圧の周波数及び雷サージ電流の周波数では第1のインピーダンス回路及び第2のインピーダンス回路に比べて小さくなる静電容量を有していることを特徴とする信号線路用避雷器。
  2. 前記第1のインピーダンス回路及び前記第2のインピーダンス回路はそれぞれ抵抗素子から構成され、第1のインピーダンス回路は、第2のインピーダンス回路と同じ抵抗値或いは第2のインピーダンス回路よりも大きな抵抗値を有している請求項1に記載の信号線路用避雷器。
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