JP2006254374A - 画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 画像のダイナミックレンジを圧縮するに際し、彩度が低下しないようにする。
【解決手段】 カラー画像の明度を上げるようにカラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像の画素の色情報の濃度値のうち、低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値がダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を異なる複数の算出方法で算出して、補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で複数の修正値((C1とC3)または(C2とC3))を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施す。
【選択図】 図6

Description

本発明は、カラー画像のダイナミックレンジを圧縮するための画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムに関するものである。
従来より、デジタルカメラ等の撮像装置により被写体を撮影することにより取得された画像や、ネガフイルム、リバーサルフイルム等の写真フイルムや印刷物等に記録された画像を光電的に読み取ることにより得られた画像をプリンタ等の再生装置において再生することが行われている。このように画像を再生装置において再生する場合において、画像上の明部および/または暗部がつぶれてしまうことを防止するために、画像のダイナミックレンジが再生装置のダイナミックレンジ内に収まるように、画像のダイナミックレンジを圧縮することが行われている。
このようなダイナミックレンジ圧縮方法において、画像に対してローパスフィルタによるフィルタリング処理を施して、画像中の空間周波数が低い構造物のみを表すボケ画像を作成し、ボケ画像を用いてダイナミックレンジを圧縮することにより、画像に含まれる明部および暗部内の細かなテクスチャのコントラストを残しつつも、画像の明部および暗部の双方のつぶれを抑える方法が提案されている(特許文献1、2参照)。具体的には、画像の低濃度域を圧縮する場合、画像のダイナミックレンジに基づいて、図8に示すように画像の低濃度域を圧縮するための圧縮テーブルを求めるとともに、画像における各画素のRGB各色情報から各画素のグレイ値を算出する。なお、図8においてY0は入力画素値におけるダイナミックレンジを圧縮する境界を表す基準画素値である。また、横軸は左へ行くほど濃度が低いことを示している。そして、圧縮テーブルを参照して、各画素のグレイ値から各画素の色情報の修正値(C30とする)を決定し、下記の式(1)に示すように、各画素の色情報(すなわちRGB各色の色情報R30,G30,B30)に修正値C30を加算することにより、各画素の色情報がR31,G31,B31からなる処理済み画像を得る。
R31=R30+C30
G31=G30+C30 (1)
B31=B30+C30
特開平9−130609号公報 特開2001−245153号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された方法においては、各画素のグレイ値に基づいて修正値を決定しているため、決定された修正値により画像のダイナミックレンジを圧縮すると、画像に含まれる高彩度の色が飽和してつぶれてしまうという問題がある。以下、この問題点について説明する。
図9は従来の問題点を説明するための図である。図9において実線はAE処理により画像中の濃度が低い明部が出力デバイスのダイナミックレンジ(濃度再現域)外となった入力画像のグレイ階調を示す。このような階調を有する入力画像は、基準画素値Y0を基準として破線に示すように明度側の出力濃度を高く(すなわち暗く)して出力デバイスのダイナミックレンジ内となるように入力画像の各画素の色情報を補正する圧縮テーブルが求められ、入力画像の各画素のグレイ値から圧縮テーブルを参照して修正値が求められ、修正値が各画素のすべての色情報に加算されることにより、処理済み画像が得られる。
ここで簡単のために入力画像がRおよびBの2色からなるものとし、各画素におけるグレイ値がR信号およびB信号の平均値として算出されるものとする。図9に示すようにある画素P30におけるR信号がR30、B信号がB30であったとすると、画素P30のグレイ値Y30は(R30+B30)/2により算出される。この際、画素P30の修正値はC30に決定される。したがって、画素P30のR信号R30およびB信号B30に修正値C30が加算されることにより、画素P30のR信号およびB信号はそれぞれR31,B31に修正される。
図9に示すように、修正されたB信号B31は出力デバイスのダイナミックレンジ内にあるが、修正されたR信号R31は、修正されたにも拘わらず出力デバイスのダイナミックレンジ内にはない。このため、出力デバイスにおいて処理済み画像を再生するとR信号R31が出力デバイスが再現可能な最も明るい値にクリップされてしまう。例えば出力デバイスのダイナミックレンジが8ビット(0〜255)である場合において、R31,B31がそれぞれ300,200の画素値であるとすると、R31は255にクリップされてしまう。このため、画素P30についてはダイナミックレンジ圧縮処理により彩度が飽和し、その結果、再生画像においては、彩度が低下してしまうこととなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、彩度が低下しないように画像のダイナミックレンジを圧縮することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力手段と、
前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成手段と、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出手段と、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出手段から得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本願発明の画像処理方法は、
複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力ステップと、
前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成ステップと、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出ステップと、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出ステップから得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮ステップとを備えたことを特徴とするものである。
さらに、また、本願発明のプログラムは、コンピュータを、
複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力手段と、
前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成手段と、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出手段と、
前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出手段から得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮手段として機能させることを特徴とするものである。
ここで、「カラー画像」は各画素の色情報がITU Rec.709などで定める輝度(0〜1の値をとる)を表す場合と、これをlog変換した濃度を表す場合とがあるが、「ダイナミックレンジ圧縮処理」を行うに際し、色信号が輝度を表す場合は修正値を乗算し、色信号が濃度を表す場合は修正値を加算すればよい。したがって、「修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施す」とは、色情報が輝度を表す場合には修正値を乗算し、色信号が濃度を表す場合には修正値を加算することを意味する。
「所定のダイナミックレンジ」とは、プリンタやモニタ等の所定の画像再生装置が信号を再現する再現能力を表わすものである。
「所定のダイナミックレンジを越えた低濃度域の濃度値を前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する」は、カラー画像は各画素の複数の色情報の全てがダイナミックレンジを越えていなくても、そのうちの1つがダイナミックレンジを越えていれば、色情報がダイナミックレンジ内に収まるように修正することをいう。また、「ダイナミックレンジ内に収まるように修正する」とは、ダイナミックレンジ内の値になるように各色情報の値を修正することをいうが、ダイナミックレンジを越えていた濃度値の大部分がダイナミックレンジ内の収まるようにすれば、一部(極めて濃度値が低い部分)にダイナミックレンジを越えた値が残ってもよい。
また、前記複数の修正値算出手段の1つが、肌色用の修正値を算出するものであり、 前記複数の修正値算出手段の1つが、非肌色用の修正値を算出するものであれば、
前記ダイナミックレンジ圧縮手段は、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色の肌色らしさを表す肌色率と非肌色らしさを表す非肌色率とに応じて、肌色用の修正値と非肌色用の修正値を加重平均した修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すようにしてもよい。
本発明によれば、ダイナミックレンジを越えた低濃度域の値をダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を複数の算出方法で求め、カラー画像の画素の色に応じた割合で複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すようにすれば、ターゲットとなる対象物の色を適したダイナミックレンジ圧縮を行うことが可能である。
また、肌色と非肌色によって修正値を変えるようにすることで、人物の顔が撮影された画像を、人物の顔が自然な感じに仕上がるようにダイナミックレンジ圧縮を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態による画像処理装置1は、RGBの各色データからなるカラー画像(以下、原画像という)S0を入力する画像入力手段2と、原画像S0の画像全体の明度をあげるようにAE補正して補正画像S1を作成する補正画像作成手段3と、ダイナミックレン圧縮するための修正値を算出方法が異なる複数の修正値算出手段4と、補正画像の画素に対応する原画像の画素の色に応じた割合で複数の修正値算出手段から得られた修正値を加算してダイナミックレンジ圧縮処理を施した処理済み画像データS2を生成するダイナミックレンジ圧縮手段5とを備える。また、画像処理装置1にはダイナミックレンジ圧縮処理を施した処理済み画像データS2を再生するプリンタやモニタ等の画像出力部7が接続されている。なお、本実施形態においては、画像出力部7を処理済み画像データS2のプリントPを得るプリンタとする。
画像入力手段2は、原画像データS0をメディアから読み出すメディアドライブや、ネットワーク経由で送信された画像データS0の入力を受け付ける各種インターフェースである。原画像データS0はデジタルカメラ等の撮像装置により取得されたものであってもよく、フイルムや原稿に記録された画像を光電的に読み出すことにより取得されたものであってもよい。
補正画像作成手段3は、原画像データS0にAE補正を行なって補正画像データS1を作成する。例えば、原画像S0中に含まれる被写体が逆光等により暗くなっている場合は、原画像S0全体を明るくするために原画像S0全体の濃度を下げる。具体的には、原画像S0の各画素におけるRGB各色情報に一定値を加算することによりAE補正処理を施して補正画像S1を作成する。補正前と補正後の画像データからの入力値と画像出力部7の出力濃度の関係をグラフであらわすと、図2に示すようにAE補正前のlからAE補正後のlになる。
また、画像処理装置1には画像出力部7が再生可能な最低濃度Dminの情報が入力されており、最低濃度Dminよりも大きい色情報となる画素が補正画像S1に含まれているか否かを判定し、この判定が否定されると補正画像データS1をそのまま画像出力部7へ出力するが、この判定が肯定されると、修正値算出手段4で修正値を算出する。
修正値算出手段4は、以下のようにして修正値を算出する。まず、下記の式(2)により補正画像S1の各画素のグレイ値Yを算出する。なお、R1,G1,B1は、補正画像S1の各画素のRGBの各色情報である。
Y=0.3125R1+0.3750G1+0.3125B1 (2)
次いで修正値算出手段4はグレイ値Yのヒストグラムを求める。図3はグレイ値YのヒストグラムHを示す図である。修正値算出手段4は、ヒストグラムHにおいて、ハイライト側からの累積相対度数が3%を示す濃度を画像データS0のハイライトグレイ値Yhとして求める。なお、補正画像S1が8ビットで表される場合、RGB各色情報は0〜255の値をとるが、AE補正処理により明部の画素値が255よりも大きくなっている場合がある。
一方、修正値算出手段4には画像出力部7が再生可能な最低濃度Dminの情報が入力されており、ハイライトグレイ値Yhと最低濃度Dminとを比較して、ハイライトグレイ値Yhの方が低い、すなわちハイライトグレイ値Yhが最低濃度Dminよりもより明るくなる場合には、あらかじめ設定されている基準グレイ値Y0を中心として、ハイライトグレイ値Yhが最低濃度Dmin内に収まるようにするためのダイナミックレンジ圧縮率を算出する。すなわち、図4(a)に示す入力値と出力濃度との関係を示すグラフにおいて、実線に示すように補正画像S1のグレイ階調における低濃度域が最低濃度Dminよりも明るくなる場合に、図4(a)の破線に示すように低濃度域が最低濃度Dminに収まるようにするためのダイナミックレンジ圧縮率P0を算出する。具体的には、下記の式(3)に示すようにダイナミックレンジ圧縮率P0を算出する。
P0=(Y0−Yh)/(Y0−Dmin) (3)
ここで、基準グレイ値Y0の値としては、例えば画像S0に含まれる被写体が人物である場合、肌色と略同一の濃度である0.50〜0.70の間の値(ビット数に対する割合として)、好ましくは0.6に設定される。
さらに修正値算出手段4は、ダイナミックレンジ圧縮率P0に基づいて圧縮テーブルT0を生成する。図4(b)は圧縮テーブルの例を示す図である。図4に示すように圧縮テーブルT0において、Y0は上述した基準グレイ値であり、直線部分の傾きは1/P0−1となっている。このような圧縮テーブルを用いることにより、画像S0のグレイ階調における低濃度域が図4(a)の実線に示すように最低濃度Dminよりも小さい場合に、図4(b)の破線に示すように、低濃度域が最低濃度Dmin内に収まることとなる。
なお、圧縮テーブルT0において、傾きが変化するところ(すなわち基準グレイ値Y0の点)が不連続に変化すると、処理済み画像にアーチファクトが生じる場合があるため、傾きが連続するような関数を設定することにより、アーチファクトの発生を防止することができる。
修正値算出手段4は、以下のようにして補正画像データS1各画素の色情報の修正値C0を算出する。
まず、第1の算出方法について説明する。第1の算出方法では、画像S0の各画素におけるRGB各色情報のうち最明色の色情報から修正値を求める。ここで、最明色とは、画像S0の各画素におけるRGB各色情報のうち、最も値が大きい色のことをいう。例えば、画像データS0が8ビットである場合、RGB各色情報は0〜255の値をとるが、AE処理により明部の画素値が255よりも大きくなっている場合があるため、最明色の色情報は255よりも大きい値となる場合がある。
例えば、ある画素P1におけるRGB各色情報R1,G1,B1のうち最明色がRである場合、圧縮テーブルT0における横軸の色情報R1に対応する修正値をその画素P1におけるすべての色情報R1,G1,B1に加算する修正値C0に決定する。
なお、最明色の色情報が基準グレイ値Y0以下である場合には、修正値C0は0となる。このため、処理の対象となる画素の最明色の色情報が基準グレイ値Y0より大きいか否かを判定し、この判定が肯定された場合にのみ圧縮テーブルT0を参照して修正値C0を決定する。
この修正値C0を用いた場合、各画素のすべての色情報R1,G1,B1に加算することにより、処理済みの色情報R2,G2,B2を得ることができる。
R2=R1+C0 (4)
G2=G1+C0 (5)
B2=B1+C0 (6)
ここで簡単のために原画像S0および補正画像S1がRおよびBの2色からなるものとし、図5に示す入力値と出力濃度との関係を示すグラフを用いて説明する。画素P1におけるRの値がR1、BがB1であったとすると、最明色はRであるため、画素P1の修正値はRの値R1の修正値であるC0に決定される。したがって、画素P1の他の色情報の値R1およびB1に修正値C0が加算されることにより、画素P1のRおよびBの色情報はそれぞれR2,B2に修正される。これにより、修正されたR2およびB2は双方とも画像出力部7のダイナミックレンジ内に収まることになる。
このような修正は低濃度域で行われ、図5からもわかるように、低濃度域(破線部分)では階調による変化が緩やかになり画像の濃淡が少なくなる。被写体の顔などが撮影されている肌色の領域はこの低濃度域内に入ることが多く、このように修正処理をおこなうと諧調による変化が緩やかになり、顔の凹凸がなくなり平面的に見えることがある。
そこで、肌色の領域は上述と異なる第2の算出方法で修正値を決定する。まず、第2の算出方法では、第1の算出方法と同様に式(3)に示すようなダイナミックレンジ圧縮率P0を算出する。第2の算出方法では、全ての色情報を同じ値で修正を行わずに、色情報ごとに異なる修正値を求める。
まず、図5の破線と実線の間に破線(一点鎖線)を引いて、図6に示すようなグラフを作成する。第1段階として、色情報Rを修正する修正値C1と、色情報Gを修正する修正値C2を決定する。修正値C1は、AE補正後のRの色情報R1(l上の値)を一点鎖線l上の濃度値まで修正する修正値であり、修正値C2は、AE補正後のBの色情報B1(l上の値)を一点鎖線l上の濃度値まで修正する修正値である。さらに、第2段階として、グレイ値D(ここでは、簡単のため色情報RとBの平均値をグレイ値とする)を一点鎖線l上の濃度値まで修正するように修正値C3を決定し、R1およびB1の双方をさらに修正値C3を用いて修正する。
この第1段階の修正値C1、C2と第2段階の修正値C3を用いて、各画素のすべての色情報R1,B1に加算することにより、処理済みの色情報R2,B2を得る。
R2=R1+C1+C3 (7)
B2=B1+C2+C3 (8)
第1の算出方法のように、同じ修正値C0を用いて全ての色情報を修正する場合には色合い(色相)が維持されることになる。一方、第2の算出方法のように修正すると、修正値C1,C2の差によって本来の色合いとは若干異なった色合いになる可能性があるが、第1の算出方法より階調の違いによる濃度の変化が大きくなり濃淡が表れる。しかし、修正値C1,C2の差を非常に大きくして修正値C3の割合を小さくすると、本来の色からかなり異なった色合いとなる可能性が高くなるため、この色合いが大きくずれて不自然にならないような修正値C1,C2,C3を求める。
肌色はRの色情報が最も大きい値を持つが、修正値C3はグレイ値(色情報の平均値)を基準に算出しているため、Rは低濃度域の一部(極めて低濃度で明るい部分)で最低濃度Dminを超えた値となることがあり、そこでは彩度が低下することになる。しかし、このように彩度が低下しても顔の一部であって広い部分に現われなければ、むしろ彩度が低下しても顔の凹凸がわかるように階調による変化が大きい画像のほうが好ましい。
一方、空の部分に第2の算出手段を用いると、空の明度が非常に高く白に近い青の場合には、空全体の彩度が低下してグレーがかった空になり不自然な画像となる。そこで、このような青色の部分には第1の算出方法を用いるようにすれば、ダイナミックレンジ内に濃度値が収まり彩度が低下しない。
つまり、第1の算出手段は、原画像S0の画素の色情報の色に応じて、階調による濃度の変化よりも色相が変わらないことを優先して決められるものであり、一方、第2の算出手段は、色相が変わらないことより、原画像S0の階調による濃度の変化に近くなるように各色情報の修正値を決めるものである。各算出手段から得られた修正値を修正する対象に応じて変えることにより、好ましい画像に修正することが可能になる。
ダイナミックレンジ圧縮手段5は、補正画像S1の画素に対応する原画像S0の画素の色が肌色であるか肌色以外の色(非肌色)であるかによって、第1の算出手段によって求めた修正値と第2の算出手段によって求めた修正値を加重平均した修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施した処理済み画像S2を生成する。
画像に現れる色が、肌色であるか否かを明確に判定することは困難であるので、ある色空間の中で肌色らしさを表す肌色率rを求めることにする。図7に示すように、色情報Gの画素値から色情報Bの画素値を差し引いた値を示す軸(G−B)と、色情報Rの画素値から色情報Gの画素値を差し引いた値を示す軸(R−G)とからなる肌色率マップMap上の濃度値で肌色率を表すものとし、まっ白なところは肌色率がr=1、真っ黒なところは肌色率がr=0、グレーは中間の肌色率(0<r<1)を表すものとする。また、非肌率は、1−rとなる。
補正画像S1上の画素に対応する原画像S0の画素の色情報から、G−Bの値とR−Gの値を求め、肌色率マップMap上のグレー値より肌色率rを求める。修正値は肌色率rと非肌色率1−rに応じて、第1の算出方法で得られた修正値と、第2の算出方法で得られた修正値を加算して求める。例えば、原画像S0の画素が図7の肌色率マップMapの矢印の示す点にあり、この点のグレー値の示す肌色率が0.3である場合には、非肌率は0.7となり、第1の算出方法と第2の算出方法の修正値を非肌率と非肌率に応じて加重平均して、Rの修正値D1と,Bの修正値D2とを求める。
D1=r(C1+C3)+(1−r)C0
=0.3(C1+C3)+0.7×C0 (9)
D2=r(C2+C3)+(1−r)C0
=0.3(C2+C3)+0.7×C0 (10)
この修正値D1、D2を用いて、補正画像の各画素のすべての色情報R1,B1に加算することにより、処理済みの色情報R2,B2を得ることができる。
R2=R1+D1 (11)
B2=B1+D2 (12)
このように、肌色率を求めて修正値を変えることにより、顔のように彩度が低下したところが多少あっても諧調が現れた方がよい部分には、諧調を優先したダイナミックレンジ圧縮をし、空のように彩度が低下しない方がよいところでは、色相が変わらないようにダイナミックレンジ圧縮をすることが可能になる。
上述では、圧縮テーブルの算出をグレイ値から求める場合について説明したが、最明色の色情報から求めるようにしてもよい。具体的には、補正画像S1の各画素におけるRGBの各色情報から最明色の画素値を抽出して、図10に示すように、全画素から最明色のヒストグラムH1を求めて、修正値算出手段4で、ヒストグラムH1におけるハイライト側からの累積相対度数が3%を示す値Ch3%を、図4(a)に示す画像データS0のYhとして求めるようにしてもよい。
また、図11(a)に示すように、ヒストグラムH1におけるハイライト側の最大値Chmaxが最低濃度Dmin内に収まるようにダイナミックレンジ圧縮率を求めることにより、非肌は全ての画像の色情報が最低濃度Dmin内に収まるように圧縮テーブル(図11(b))を決めることができる。あるいは、図11(a)における最大値Chmaxが累積相対度数が3%を示す値Ch3%であってもよい。
また、上記各手段をコンピュータ上に機能させるようなプログラムを記録した媒体を用いてコンピュータにインストールすることによって、画像処理装置として動作させることができる。また、このプログラムはネットワークを介して提供することも可能である。
以上詳細に説明したように、彩度をなるべく低下をしないようにしつつも、顔が自然な仕上がりとなって不快な感じを与えないようにすることが可能になる。
本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図 AE補正処理を説明するための図 グレイ値のヒストグラムを示す図 ダイナミックレンジを圧縮する圧縮テーブルの生成を説明するための図(その1) ダイナミックレンジを圧縮を説明するための図(その1) ダイナミックレンジを圧縮を説明するための図(その2) 肌率のマップを表す図 圧縮テーブルを示す図 従来のダイナミックレンジ圧縮処理を説明するための図 最明色の値のヒストグラムを示す図 ダイナミックレンジを圧縮する圧縮テーブルの生成を説明するための図(その2)
符号の説明
1 画像処理装置
2 画像入力手段
3 補正画像作成手段
4 複数の修正値算出手段
5 ダイナミックレンジ圧縮手段
7 画像出力部

Claims (4)

  1. 複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力手段と、
    前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成手段と、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出手段と、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出手段から得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数の修正値算出手段の1つが、肌色用の修正値を算出するものであり、
    前記複数の修正値算出手段の1つが、非肌色用の修正値を算出するものであり、
    前記ダイナミックレンジ圧縮手段が、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色の肌色らしさを表す肌色率と非肌色らしさを表す非肌色率とに応じて、肌色用の修正値と非肌色用の修正値を加重平均した修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力ステップと、
    前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成ステップと、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出ステップと、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出ステップから得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮ステップとを備えたことを特徴とする画像処理方法。
  4. コンピュータを、
    複数の色情報を有する画素からなるカラー画像を入力する画像入力手段と、
    前記カラー画像の明度を上げるように該カラー画像の画素の色情報の濃度を補正した補正画像を作成する補正画像作成手段と、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値のうち低濃度域の濃度値を、所定のダイナミックレンジを越えた濃度値が前記ダイナミックレンジ内に収まるように修正する修正値を算出する算出方法を互いに異にする複数の修正値算出手段と、
    前記補正画像の画素の色情報の濃度値が前記低濃度域内にあるときは、前記補正画像の画素に対応する前記カラー画像の画素の色に応じた割合で前記複数の修正値算出手段から得られた複数の修正値を用いてダイナミックレンジ圧縮処理を施すダイナミックレンジ圧縮手段として機能させるプログラム。
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