JP2006254365A - 画像信号処理装置、撮影装置、および画像信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数枚の画像を撮影し、画像間の手ぶれによるカメラの移動量を検出し、撮影した複数枚の画像を撮影中に発生したカメラの移動量を補正しながら画像を足し合わせて1枚の画像を作り出す機能からなる手ぶれ補正技術を用いた第1の撮影方式と、通常の1回の露光で1枚の画像を作り出す第2の撮影方式との中から、どちらの方式を用いて撮影するか、すなわち、手ぶれ補正をする撮影を行うか手ぶれ補正をしない撮影を行うかを、たとえば露光時間Tと、光学レンズ系202のズームレンズ202aと撮像素子107の受光面間の焦点距離Lに基づいて(基本式T>(1/L)を基に)判断するカメラ信号処理LSI209を設ける。
【選択図】図6
Description
デジタルカメラ撮影中に、撮影者の手が振れても、その影響を排除して、乱れのない画像を得る技術が、手ぶれ防止技術である。
特許文献1に、手ぶれ防止技術の1つとしての技術が開示されている。
図2は、図1の撮影装置において撮影する際に実行される処理を説明するためのフローチャートである。
なお、近年、撮像素子107が、アナログフロントエンド部108の機能をも持ち合わせている撮像素子もある。
シャッタスピード優先方式撮影とは、ユーザが撮影時に用いたいシャッタスピードの値をカメラ上で設定すると、そのシャッタスピードと、被写体の照度とから、適切なレンズ絞り値をカメラが求め、ユーザが設定したシャッタスピードとカメラが求めたレンズ絞り値とを用いて写真を撮影する方法である。
プログラム方式撮影とは、撮影に適したレンズ絞り値とシャッタスピードとの双方をカメラが求め、写真を撮影する方法である。
マニュアル方式撮影とは、撮影に用いるレンズ絞り値とシャッタスピードとの双方をユーザがカメラ上で設定して、写真を撮影する方法である。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST2)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子107上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST3)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、以下の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
log2(L) − log2(2.5) = log2(F^2) − log2(T) − log2(ISO/100) …(1)
ここでは、露光時間T秒の間に、手ぶれによるカメラの移動距離がカメラの画素の大きさに換算してXピクセル分だけ移動したとする。
露光時間Tをn個に分割した、単位露光時間dt (=T/n) が、十分に小さくなるnを仮定して、撮影中の被写体とカメラの画格との位置関係、および撮影の結果最終的に得られる画像について説明する。
(2)露光時間dt*1秒後から、露光時間dt*2秒後までの間には、図3(B)に示す、撮影開始時の画格122から手ぶれによるカメラの移動距離としてX/n*1ピクセル相当ずれた画格において、露光時間dtで撮影された画像が撮像素子に追加して蓄積される。
(3)露光時間dt*2秒後から、露光時間dt*3秒後までの間には、図3(C)に示す、撮影開始時の画格123から手ぶれによるカメラの移動距離としてX/n*2ピクセル相当ずれた画格において、露光時間dtで撮影された画像が撮像素子に追加して蓄積される。
(n)露光時間dt*(n-1)秒後から、露光時間dt*n秒後までの間には、撮影開始時の画格から手ぶれによるカメラの移動距離としてX/n*(n-1)ピクセル相当ずれた画格において、露光時間dtで撮影された画像が撮像素子に追加して蓄積される。
そして、露光終了後には、上記(1)から上記(n)までの間に撮像素子に蓄積された画像を足し合わせた画像が1枚だけ、撮像素子から出力されることになる。
その結果、得られた1枚の画像は、被写体が静止した画像にはならず、図3(D)に示すように、撮影中に被写体がカメラに対して相対的に移動している状態を撮影した画像、いわゆる手ぶれした画像が1枚だけ、撮像素子から出力されることになる。
特許文献1に開示された手ぶれ防止技術においては、露光時間Tなる画像を1枚だけ撮影して撮像素子から出力するのではなく、露光時間Tを複数の露光時間に分割する露光時間分割数mを定義して、露光時間T/mなる画像をm枚撮影する。
m枚撮影した各画像の中で露光した順番が隣り合う2枚の画像をそれぞれ比較し、各画像を撮影した間にカメラが移動した方向と移動量を表す移動ベクトル(xi, yi)を求める。
露光時間T/mでm枚撮影した画像を足し合わせて、最終的に、露光時間Tで1枚撮影した場合と同じ露光量の画像を得るが、m枚撮影した画像を足し合わせる際に、上記で求めた各画像を撮影した間にカメラが移動した移動ベクトル(xi, yi)を考慮し、移動ベクトル(-xi, -yi)だけ画像をずらして足し合わせる。
その結果、最終的に、露光時間Tで1枚撮影した場合と同じ露光量の画像を得るが、得られた画像は、上記した一般的な写真撮影によって得られた画像よりも、手ぶれによる画像の乱れが少なくなった画像を得ることができる。
以後、本件の中では、上で述べた手ぶれ防止技術を、「開示された手ぶれ防止(補正)技術」、もしくは単に「手ぶれ防止(補正)技術」と呼ぶ。
図5は、図4の撮影装置において撮影する際に実行される処理を説明するためのフローチャートである。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST12)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子107上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST13)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(1)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
そして、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST14)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST15)。
そして、DRAM110やフラッシュメモリ111、あるいは記録媒体112に格納(保存)する(ST16)。
撮像素子107は、光電変換するフォトダイオードからなる画素部と、光電変換した信号を読み出すための周辺回路部とからなる。
信号処理回路109Aにおいては、画像を綺麗にするための、明るさの調整や色の調整を行っている。
画素内に蓄えられた電気信号は、読み出し回路によって、読み出される。
読み出された電気信号が、信号処理回路において明るさや色の調整を行った後、記録媒体へ書き込まれて保存される。
発生信号の大きさに依存しないノイズとして、たとえば、画素部において発生する暗電流ノイズ、画素部において発生する画素リセットノイズ、読み出し回路部において発生する、信号線リセットノイズがある。
発生信号の大きさに依存するノイズとしては、たとえば画素部において発生する電荷転送ノイズ、読み出し回路部において発生する、差動アンプノイズがある。
暗電流ノイズは、たとえばフォトダイオードを構成する半導体結晶の格子欠陥から発生する電流により、入射光の光電変換によって発生した電気信号以外の電気信号が発生することに起因する。
画素リセットノイズは、画素の電気信号を読み出した後、理想的にはフォトダイオードの出力信号電圧が接地レベルにリセットされているべきところ、フォトダイオード内部に残留した電荷によって、接地レベル電圧が理想的な信号電圧レベルにならないことに起因する。
電荷転送ノイズは、フォトダイオードから電気信号を読み出す際に、P型半導体とN型半導体とが接触した半導体ジャンクションを乗り越える際に発生するノイズである。
一方、図4および図5に関連付けて説明した開示された手ぶれ防止技術を用いる場合、上記露光時間Tを複数の露光時間に分割する露光時間分割数mを定義して、露光時間T/mなる画像をm枚撮影する。
入射露光量と、撮像素子の光電変換発生信号とは線形な関係にある。
その結果、開示された手ぶれ防止技術を用いる場合、出力される電気信号の最大値は、一般的な写真撮影を行う場合に、出力される電気信号の最大値の1/mとなる。
つまり、開示された手ぶれ防止技術を用いる場合、出力される電気信号の最大値をS_bru_maxと表記すると、(S_bru_max = S_norm_max/m)となる。
また、被写体を撮影した際に発生するノイズのうち、既に述べた発生信号の大きさに依存しないノイズの大きさを、一般的な写真撮影を行う場合、N_norm_const、開示された手ぶれ防止技術を用いる場合、N_bru_constと表記する。
一般的な写真撮影を行う場合に得られる電気信号の最大値をS_norm_maxと表記する。
開示された手ぶれ防止技術を用いる場合に得られる電気信号の最大値をS_bru_maxと表記する。
一般的な写真撮影を行う場合に用いられる露光時間をTと表記する。
開示された手ぶれ防止技術を用いる場合、上記露光時間Tを複数の露光時間に分割する露光時間分割数をmと表記する。
一般的な写真撮影を行う場合に得られる信号/ノイズ比SN_normと表記する。
開示された手ぶれ防止技術を用いる場合に得られる信号/ノイズ比SN_bruと表記する。
SN_norm = S_norm_max / (N_norm_var + N_norm_const)
SN_bru = S_bru_max / (N_ bru_var + N_bru_const)
S_bru_max = S_norm_max/m
N_bru_max = N_norm_max/m
したがって、
SN_norm = S_norm_max / (N_norm_var + N_norm_const)
SN_bru = S_norm_max/m / (N_norm_var/m + N_bru_const)
したがって、以下の関係が成り立つ。
SN_norm = S_norm_max / (N_norm_var + N_norm_var) = (1/2) * (S_norm_max / N_norm_var)
SN_bru = S_norm_max/m / (N_norm_var/m + N_norm_var) = (1/(m+1)) * (S_norm_max / N_norm_var)
したがって、
SN_bru = (2/(m+1)) * (S_norm_max / N_norm_var)
m ≧ 2であるため、開示された手ぶれ防止技術を用いる場合の信号/ノイズ比を最善にする目的で、仮にm = 2と仮定すると、次のようになり、信号/ノイズ比は、一般的な写真撮影を行う場合の、67%に低下してしまう。
SN_bru = (2/3) * (S_norm_max / N_norm_var)
図1および図2に関連付けて説明した手ぶれ防止技術を用いない撮影装置100と、図4および図5に関連付けて説明した手ぶれ防止技術を用いた撮影装置100Aのどちらにおいても、撮像素子107から出力される信号はアナログ信号であり、これをアナログフロントエンド部108においてデジタル信号に変換した後、カメラ信号処理LSI109に入力している。
アナログ信号を、離散的な値しか取り得ないデジタル信号に変換すると、変換の際に丸め誤差が発生する。これが量子化ノイズである。
図4および図5に関連付けて説明した手ぶれ防止技術を用いた撮影装置100Aの場合、一般的な撮影装置100の場合に1枚の画像を撮影する用いる露光時間を、複数個に分割し、複数枚の画像を撮影する。これらの撮影した画像は、それぞれ撮像素子の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換する。m枚の画像を撮影した場合、m回のAD変換を行う。そして変換後にm枚の画像を足し合わせて、1枚の画像を作り出す。
足し合わせの結果、AD変換の際の量子化ノイズは、従来例その1の場合の√m倍となる。
その結果、開示された手ぶれ防止技術を用いた撮影装置100Aにおける信号/ノイズ比は、先に述べた従来例その1の信号/ノイズ比の67%よりも、さらに低くなってしまう。
したがって、カメラを撮影者が手に持って撮影した場合、手ぶれによる画像の乱れの大きさ、すなわち、手ぶれによって撮像素子上の結像が移動する距離は、露光時間に比例し、かつ、レンズ−撮像素子間の焦点距離に比例する。
露光時間が1/35秒以下のときには、手ぶれによる画像の乱れの大きさが、人が視覚的に認識できる大きさに達しない。
このため、たとえば市販のデジタル一眼レフカメラにおいて最も頻繁に使われているレンズ絞り値=5、ISO感度=200、レンズ−撮像素子間の焦点距離=35mmと言う撮影条件の場合、被写体照度=1000ルクスの時に、適正露光時間が1/35秒となる。
これは、通常、日中、屋外において撮影する場合、手ぶれによる画像の乱れは、人が視覚的に認識できる大きさに達しないことを意味する。
また、三脚を用いて撮影する場合、そもそも、手ブレが発生しないため、手ぶれによる画像の乱れは発生しない。
これらのような撮影環境では、上述した開示されている手ぶれ防止技術を用いても、手ぶれ緩和効果を人が認識できないことが明らかである。
これは、夕方もしくは夜間、屋外においてカメラを撮影者が手に持って撮影する場合、あるいは、屋内でカメラを撮影者が手に持って撮影する場合、手ぶれによる画像の乱れが、人が視覚的に認識できる大きさに達することを意味する。
このような撮影環境では、上述した開示されている手ぶれ防止技術を用いると、手ぶれ緩和効果を人が認識できることが明らかである。
つまり、開示された手ぶれ防止技術による利点がもたらされず、画質が劣化するという不利益がもたらされおそれがある。
図6は、第1の実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロック図である。
(1)複数枚の画像を撮影し、
画像間の手ぶれによるカメラの移動量を検出し、
撮影した複数枚の画像を撮影中に発生したカメラの移動量を補正しながら画像を足し合わせて
1枚の画像を作り出す機能からなる手ぶれ補正技術を用いた第1の撮影方式と、
(2)通常の1回の露光で1枚の画像を作り出す、第2の撮影方式と、を採用し、
第1の撮影方式と第2の撮影方式の中から、どちらの方式を用いて撮影するか、すなわち、手ぶれ補正をする撮影を行うか手ぶれ補正をしない撮影を行うかを、カメラが自動的に判断して、撮影を行うように構成されている。
なお、近年、撮像素子207が、アナログフロントエンド部208の機能をも持ち合わせている撮像素子もある。
カメラ信号処理LSI209は、手ぶれ防止技術の中で用いる演算処理も行う。
また、カメラ信号処理LSI209は、第1の撮影方式と第2の撮影方式の中からいずれか方式を用いて撮影を行うか、すなわち、手ぶれ補正をする撮影を行うか手ぶれ補正をしない撮影を行うかを、自動的に判断して、撮影の制御を行う。
カメラ信号処理LSI209は、手ぶれ補正を行うか行わないかの判断は、たとえば露光時間Tと、光学レンズ系202のズームレンズ202aと撮像素子107の受光面間の焦点距離Lに基づいて(基本式T>(1/L)を基に)判断する。具体的な処理例については後述する。
画像の階調再現処理とは、見た目の良い画像を得るために、デジタル信号処理により、画像のコントラストを意図的に調整する処理をいう。
色再現処理とは、見た目の良い画像を得るために、デジタル信号処理により、画像の色相や彩度を意図的に調整する処理である。
外部記録インタフェース2097は、外部の記録媒体212への圧縮画像の書き込み、読み出しを制御する。
表示装置インタフェース2099は、外部の液晶パネル213に表示させる画像データをアナログLCDドライバ214を通して制御する。
メモリインタフェース2100は、外部のメモリ210,211への画像データの書き込み、読み出しを制御する。
図9は、図6の撮影装置において撮影する際に実行される処理を説明するための図であって、処理時の主要な信号の流れを示す図である。
なお、ここでは、撮影装置が備える各種撮影方式の一例として、絞り優先方式撮影を例にとって、写真撮影の際に実行される処理を説明する。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST102)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST103)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、以下の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
log2(L) − log2(2.5) = log2(F^2) − log2(T) − log2(ISO/100) …(6)
すなわち、一般的には、レンズ−撮像素子間の焦点距離をLmmとすると、露光時間T(sec)が(1/L)(sec)より大きい場合、つまり、T(sec) > (1/L)(L:レンズ−撮像素子間の焦点距離をmmの単位で表示した場合の値)なる場合に、画像の乱れとして人が視覚的に認識できると言われているので、上記で取得した、露光時間T(sec)とレンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値から、式{T > 1/L }の関係にあるか否かを求め、手ぶれ補正するする必要があるか否かを判断する。
そして、第1の撮影方式を採用するか第2の撮影方式を採用するかの選定処理を行う(ST106)。
撮影を行う際に毎回、露光時間T(sec)とレンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値を取得するのではなく、撮影の際には、露光時間T(sec)の値のみを取得し、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値は、固定値を用いても良い。
またこのLに補正係数Aを掛けた値、A * L (mm) を、固定値を用いても良い。
たとえば、レンズが換装不可能なカメラにおいては、備えているレンズにおいて、手ぶれによる画像の乱れが最大となる条件、つまり、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)が最大となる値を用いても良い。
また、レンズの換装が可能なカメラにおいては、装着される可能性が最も高いレンズ、すなわち撮影に用いるカメラに装着可能なレンズのうち、最も販売量が大きいレンズにおいて、手ぶれによる画像の乱れが最大となる条件、つまり、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)が最大となる値を用いても良い。
また、このLに補正係数Aを掛けた値、A * L (mm) を、固定値を用いても良い。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST107)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST108)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST109)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
さらに、手ぶれ補正処理が効果を発揮しない状況においては、手ぶれ補正処理が効果を発揮しないときでも手ぶれ補正処理を実行する場合よりも、消費電力を低減することが可能となる。
図10は、本実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロックである。
なお、ここでは、撮影装置が備える各種撮影方式の一例として、絞り優先方式撮影を例にとって、写真撮影の際に実行される処理を説明する。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST202)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST203)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(6)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
撮影装置(カメラ)200Aの移動量が大きいために、これによる画像の乱れが大きく、このため手ぶれ補正処理を実施した方が、良好な画像を得られるか、それとも、カメラの移動量が小さいために、これによる画像の乱れが小さく、このため手ぶれ補正処理を実施しない方が、ノイズが少ない良好な画像を得られるか、を判断するための閾値を、予め定めておく。
この閾値は、カメラを製造する際に、製造者が予めカメラ内部に設定しておいても良いし、あるいは、ユーザがカメラ使用時に、手ブレがどの様な大きさ以上であったら手ぶれ補正処理機能を用いるか、ユーザの好みで任意の値に設定できる様にしておいても良い。
取得したカメラの移動量が、その閾値より小さい場合は、手ぶれ補正が不必要と判断する。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST207)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、
取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST208)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST210)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST209)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST210)。
説明の前に、手ぶれの方向と、それによる画像の乱れの大きさとの関係を、図12および図13の(A),(B)に関連付けて説明する。
図17(A)において、300はカメラ(撮影装置200A)を表し、301はカメラのレンズ(光学系202)を表し、302はカメラ内の撮像素子(207)を表している。
303は撮像素子302上に写る像のY方向の位置を表し、303中に図示した水平方向の2本の実線が、撮像素子上でのY方向の画格つまり撮影領域の最外周を表している。
304は、撮像素子上に写る像の全体像を表し、307はレンズ−撮像素子間の距離を表し、308はレンズ−被写体間の距離を表し、309は被写体を表している。
図12(B)において、320はカメラを表し、321はカメラのレンズを表し、322は回転運動が無い場合のカメラ内の撮像素子を表しており、これは図12(A)の302と同意である。
325は回転運動した場合の、カメラ内の撮像素子を表し、326Aは回転運動により回転した角度を表している。
326Bは、回転運動が無かった場合に撮像素子に写る領域の、被写体上におけるY方向の上限位置と、回転運動が有った場合に撮像素子に写る領域の、被写体上におけるY方向の上限位置との、差を距離で表している。
323は、撮像素子上に写る像のY方向の位置を表し、323中に図示した斜め方向の2本の実線が、回転運動した場合の、撮像素子上でのY方向の画格つまり撮影領域の最外周を表している。
323中に図示した斜め方向の2本の点線が、回転運動が無い場合の、撮像素子上でのY方向の画格つまり撮影領域の最外周を表しており、これは図12(A)の303における2本の実線と同意である。
324は、撮像素子上に写る像の全体像を表し、327はレンズ−撮像素子間の距離を表し、328は、ンズ−被写体間の距離を表し、329は被写体を表している。
レンズ−撮像素子間の距離307=35mm、
レンズ−被写体間の距離308=10m、
撮像素子323における撮像可能領域のY方向長さ=15mmと仮定し、
回転運動により回転した角度326A=1度と仮定する。
この場合、回転運動が無かった場合に撮像素子に写る領域の、被写体上におけるY方向の下限位置と、紙面上の反時計回り方向に回転運動が有った場合に撮像素子に写る領域の、被写体上におけるY方向の下限位置との差326Bは、これを簡単のために円周上の弧の長さで近似すると、{2 x 3.14 x 10 x ( 1 / 360 ) = 0.17m = 170mm}となる。
一方、1度の回転運動を発生させる原因となったカメラの移動量は、これを簡単のために円周上の弧の長さで近似すると、{2 x 3.14 x 35 x ( 1 / 360 ) = 0.61mm}となる。
つまり、回転運動による手ぶれの場合、手ぶれによりカメラの位置が、0.6mm移動すると、被写体上では、撮影している対象領域が170mm移動したことになる。
図13(B)において、340はカメラを表し、341はカメラのレンズを表し、345は直線移動した場合のカメラ内の撮像素子を表し、346Aは直線移動した場合の移動量を表している。
346Bは、直線移動が無かった場合に撮像素子に写る領域の被写体上におけるY方向の上限位置と、直線移動が有った場合に撮像素子に写る領域の、被写体上におけるY方向の上限位置との、差を距離で表している。
343は、撮像素子上に写る像のY方向の位置を表し、343中に図示した水平方向の2本の実線が、直線移動した場合の、撮像素子上でのY方向の画格つまり撮影領域の最外周を表している。
343中に図示した水平方向の2本の点線が、直線移動が無い場合の、撮像素子上でのY方向の画格つまり撮影領域の最外周を表しており、これは図12(A)の303における2本の実線と同意である。
344は撮像素子上に写る像の全体像を表し、347はレンズ−撮像素子間の距離を表し、348はレンズ−被写体間の距離を表し、349は被写体を表している。
図13(B)において、直線移動によって、カメラの位置が、上記と同様に0.6mm移動すると、被写体上での撮影している対象領域の移動量は、カメラの移動量と同じ0.6mmにしかならない。
これは、上記の回転運動によりカメラが移動した場合の撮影対象領域の変化量と比較して著しく小さい。
つまり、写真撮影の際、手ぶれ運動の方向はいろいろ想定できるが、被写体の撮影領域が変化による画像の乱れの大きさに関して言えば、レンズ中心を回転中心とした回転運動による手ぶれが支配的であると言える。
そこで、カメラのX軸を中心とした回転運動の角速度が、2°/秒である場合に、写真撮影の間に撮像素子が移動する距離を、図12(B)を用いて求める。
したがって、上記の式におけるレンズ−撮像素子間の距離L、すなわち、図12(B)における327が、35mmである場合、
露光時間T > (1/35) (sec)
すなわち、
露光時間T > 29msec
となる露光時間で撮影を行うと、
手ぶれによる画像の乱れを、人が視覚的に認識する。
・撮像素子上での撮像領域のX方向の大きさ=22.7mm、
・撮像素子上での撮像領域のY方向の大きさ=15.1mm、
・撮像素子上での撮像領域のX方向の画素数=3520個、
・撮像素子上での撮像領域のY方向の画素数=2342個、
・撮像素子上の各画素のX方向の大きさ=6.4μm、
・撮像素子上の各画素のY方向の大きさ=6.4μm、
という撮像素子が用いられている。
・レンズ−撮像素子間の距離327=35mm、
・露光時間中にカメラが回転運動により移動する量326A=0.058°、
である場合、撮像素子上での撮影領域のY方向の位置に関しての変化量は、これを簡単のために円周上の弧の長さで近似すると、{2 x 3.14 x 35 x ( 0.058 / 360 ) = 0.035mm = 35μm}、である。
つまり、写真撮影の際の、露光時間をT(sec)、レンズ−撮像素子間の距離をLmmと表記した時に、式{T > (1/L) }(ここで、T:露光時間を、秒の単位で表示した場合の値、L:レンズ−撮像素子間の距離をmmの単位で表示した場合の値)の関係を満たす露光時間T秒で撮影した場合、手ぶれによる画像の乱れを、乱れとして人が視覚的に認識できること経験的に判っているが、これは、手ぶれにより撮像素子の撮像領域が、撮像領域の一辺の大きさと比較して、その0.2%以上の距離を移動すると、画像の乱れとして人が視覚的に認識できることと同意であることが判る。
・露光時間をT(sec)、
・レンズ−撮像素子間の距離をL(mm)、
・撮像素子における撮像領域の一辺の幅をW(mm)、
・手ぶれ量を検出するための角速度センサーにて検出された手ぶれ量をB(°/sec)、と表記すると、
手ぶれにより撮像素子の撮像領域が0.2%変化する場合の手ぶれ量B、つまり、先に述べた説明と同様の計算式を用いて、{2 x 3.14 x L x ( ( B x T ) / 360 ) = W x ( 0.2 / 100 )}、なる関係を満たす、手ぶれ量B、を閾値とする。
図14は、本実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロック図である。
図15(B)は、図15(A)に示したカメラ400を三脚450に固定した状を示す。
また、図15(D)が、カメラ400が三脚450に固定されているか否かを検出する検出器225を示す。
カメラ400を三脚に固定するための凹型のねじ山401の壁面に、切り欠き402が形成され、そこに、たとえば赤外線などの発光素子410と、これに対応した受光素子411が備えられている。この例では、これら発光素子410と受光素子411により検出器225が構成されている。
発光素子410からの発光が、受光素子411において受光されるか否かにより、カメラが三脚に固定されているか否かを検出する。
図16(A)においてはカメラ400を三脚450に固定していないと検出され、図16(B)においてはカメラ400を三脚450に固定していると検出される。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST102)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST103)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(6)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
第3の実施の形態においては、図14に示した三脚使用状況検出器224からカメラが三脚に固定されているか否かの情報を取得する。
次いで、上記の情報を基に、カメラの移動量が大きいために、これによる画像の乱れが大きく、このため手ぶれ補正処理を実施した方が、良好な画像を得られるか、それとも、カメラの移動量が小さいために、これによる画像の乱れが小さく、このため手ぶれ補正処理を実施しない方が、ノイズが少ない良好な画像を得られるか、を判断する(ST104〜ST106)。
第3の実施の形態においては、三脚使用状況検出器225から、カメラが三脚に固定されていないと検出されれば、手ぶれ補正が必要と判断する。
カメラが三脚に固定されていると検出されれば、手ぶれ補正が不必要と判断する。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST107)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST108)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST109)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
図17は、第4の実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロック図である。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST102)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST103)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(6)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
第4の実施の形態においては、露光を行う前に、たとえば、上で述べた被写体の明るさを測定している間に、図17に示した撮像素子207から、複数枚の画像を、カメラ信号処理LSI209に入力する。
入力された複数枚の画像を比較することにより、これらの画像を撮影した間に、カメラが移動した大きさの情報を取得する。
複数枚の画像データを基にして、これらの画像を撮影した間に、撮影したカメラが移動した大きさを求める。
複数枚の画像を基にして、これらの画像を撮影した間に、撮影したカメラが移動した大きさを求める手法としては、より簡単には、1枚目に撮影した画像において、たとえば輝度の大きい画素を、大きい方から順にたとえば100画素抽出し、2枚目に撮影した画像においても、同様に輝度の大きい画素を、大きい方から順に100画素抽出し、2枚の画像を比較して、抽出した100画素の移動量を求め、その移動量の平均値を、近似的に、撮影中にカメラが移動した大きさとしても良い。
この判断は、第2の実施形態と同様にして行う。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST107)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST108)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST109)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
図17は、第5の実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロック図である。
光学レンズ系202のレンズは、一般的に円形であるため、レンズ系202から撮像素子207に入射する光路の断面形状は円形である。
一方、撮像素子207は四角形である。
このため、レンズ系202からの入射する円形の入射光のうち、撮像素子の外側の領域に入射する光は、これまで写真撮影に利用されていなかった。
第5の実施形態においては、一例として、この領域へ、撮像素子207と水平の方向、および垂直の方向に、小型撮像素子2071および2072を配置する。
このため、撮影前に被写体の照度を測定して露光時間を求める際には、レンズからの入射光を、鏡を用いて、撮像素子領域以外に反射させ、反射光が当たる部分に配置してある測光用のエリアセンサーを用いて、被写体の照度を測定している。
このような構造のカメラにおいて、第5の実施形態を実施する場合は、図18に示した小型撮像素子2071および2072を、上記の測光用エリアセンサーが配置してある領域の、余地に、配置する。
まず、ユーザが撮影に用いるレンズ絞り値を設定する(ST101)。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST102)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST103)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(6)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
第5の実施の形態においては、露光を行う前に、たとえば、上で述べた被写体の明るさを測定している間に、図18に示した小型撮像素子2071および2072を用いて、複数枚の画像を撮影し、カメラが移動している大きさの情報を取得する。
この判断は、第2の実施形態と同様にして行う。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST107)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST108)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST109)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST110)。
図19は、第6の実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロック図である。
図20は、本第7の実施形態に係る撮影装置(カメラ)の構成例を示すブロックである。
カメラを用いて写真撮影を行う際、手ぶれによる画質の乱れが発生するか否かを判断材料として撮影方式の選択を行うよりも、それ以外の事象を判断材料として撮影方式の選択を行うことを優先する必要が、場合によっては発生する。
したがって、たとえばカメラが使用しているバッテリーの残量が少なくなった場合は、手ぶれによる画質の乱れが発生するか否かの判断よりも、電力消費を抑制するか否かの判断を優先して、撮影方式の選択を行うことが必要となる。
このように、手ぶれによる画質の乱れが発生するか否かを判断材料として撮影方式の選択を行うよりも、それ以外の事象を判断材料として撮影方式の選択を行うことを優先する必要がある状況において、これを可能とするため、第7の実施形態は、手ぶれ補正処理およびこれを前提とした写真撮影の実行を、強制的に阻止するスイッチ216を備えている。
あるいは、バッテリーの残量を計測して、カメラのハードウエアもしくはソフトウエアが電力消費を抑制するか否かの判断を行い、スイッチ226のオンオフをカメラのハードウエアもしくはソフトウエアが行なっても良い。
このため、第7の実施形態においては、スイッチ226へのオンオフの設定を、ユーザが手動で行う構成にして良いし、あるいは、カメラのハードウエアもしくはソフトウエアが行う構成にしても良い。
次に、ユーザがカメラを被写体に向け、被写体からの反射光もしくは発光をカメラ内に入射させる。ここで被写体の照度を測定する(ST112)。たとえばカメラ上の測光センサを用いて被写体の明るさを求める。もしくは、撮像素子207上の結像の明るさのデータから被写体の明るさを求める。
被写体からの光が入射すると、カメラ上で適正な露光時間あるいは露光時間の逆数であるシャッタスピードが求められる(ST113)。
一般的に、被写体照度をL、レンズ絞り値をF、露光時間をT、ISO感度をAと表記すると、上記(6)式の関係を満たす露光時間Tが適正な露光時間とされている。
すなわち、一般的には、レンズ−撮像素子間の焦点距離をLmmとすると、露光時間T(sec)が(1/L)(sec)より大きい場合、つまり、T(sec) > (1/L)(L:レンズ−撮像素子間の焦点距離をmmの単位で表示した場合の値)なる場合に、画像の乱れとして人が視覚的に認識できると言われているので、上記で取得した、露光時間T(sec)とレンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値から、式{T > 1/L }の関係にあるか否かを求め、手ぶれ補正するする必要があるか否かを判断する。
そして、第1の撮影方式を採用するか第2の撮影方式を採用するかの選定処理を行う(ST117)。
撮影を行う際に毎回、露光時間T(sec)とレンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値を取得するのではなく、撮影の際には、露光時間T(sec)の値のみを取得し、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)の値は、固定値を用いても良い。
またこのLに補正係数Aを掛けた値、A * L (mm) を、固定値を用いても良い。
たとえば、レンズが換装不可能なカメラにおいては、備えているレンズにおいて、手ぶれによる画像の乱れが最大となる条件、つまり、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)が最大となる値を用いても良い。
また、レンズの換装が可能なカメラにおいては、装着される可能性が最も高いレンズ、すなわち撮影に用いるカメラに装着可能なレンズのうち、最も販売量が大きいレンズにおいて、手ぶれによる画像の乱れが最大となる条件、つまり、レンズ−撮像素子間の焦点距離L(mm)が最大となる値を用いても良い。
また、このLに補正係数Aを掛けた値、A * L (mm) を、固定値を用いても良い。
すなわち、適正露光時間を、複数の時間に分割し、撮影する(ST118)。
露光分割数をmとすると、上記適正露光時間の1/mの露光時間でm枚の画像を撮影する。
撮影したm枚の画像の中から、露光時刻が隣り合う2枚の画像をm−1組取り上げ、取り上げた2枚の画像データを比較して、2枚の画像の撮影の間で、どの程度手ぶれによりカメラの画角が移動したかを求める。その移動量を補正しながら、m枚の画像を重ね合わせ、1枚の画像を作り出す(ST1198)。
そして、手ぶれ補正の処理を行い、手ぶれによる画像の乱れを改善した後の画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST121)。
すなわち、ユーザがシャッタボタンを押すと、上記のレンズ絞り値および露光時間を用いて撮影が行われ(ST120)、得られた画像を、DRAM210やフラッシュメモリ211、あるいは記録媒体212に格納(保存)する(ST121)。
この実施形態の構成、および、この構成の装置において写真を撮影する際に実行される処理のフローは、第7の実施形態と類似のものであるため、その説明は省略する。
さらに、手ぶれ補正処理が効果を発揮しない状況においては、手ぶれ補正処理が効果を発揮しない時でも手ぶれ補正処理を実行する場合よりも、消費電力を低減することが可能となる。
Claims (20)
- 撮像素子による画像信号を処理する画像信号処理装置であって、
上記撮像素子による画像信号に対するぶれ補正機能を有し、所定の信号と所定の閾値に基づいてぶれ補正の適用の可否を自動的に判定し、閾値の範囲外にあると判定すると上記ぶれ補正を行わないように処理し、閾値の範囲内にあると判定するとぶれ補正を伴うように処理する信号処理回路
を有する画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、所定の信号と所定の閾値に基づいて上記ぶれ補正処理による画像改善効果が視覚的に認識し難い撮影状況下にあるか否かを自動的に判定し、認識し難い状況下にあると判定すると上記ぶれ補正を行わないように処理し、認識し難い状況下にないと判定するとぶれ補正を伴うように処理する
請求項1記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、
複数枚の画像を撮影し、画像間のぶれによる装置の移動量を検出し、撮影した複数枚の画像を撮影中に発生した移動量を補正しながら画像を足し合わせて1枚の画像を作り出す機能からなるぶれ補正技術を用いた第1の撮影方式と、
通常の1回の露光で1枚の画像を作り出す第2の撮影方式と、を選定可能で、
ぶれ補正を行うと判定した場合には上記第1の撮影方式を選定し、
ぶれ補正を行わないと判定した場合には上記第2の撮影方式を選定する
請求項1記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、ぶれ補正をするか否かを露光時間T、または/および光学系の焦点距離Lに基づいて判断する
請求項1、2、または3記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、ぶれ補正をするか否かを、装置の移動量に関する情報に基づいて判断する
請求項1、2、または3記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、移動量としてはぶれ検出器の検出したぶれ量に基づいて取得し、当該移動量と所定の閾値とを比較してぶれ補正をするか否かを判断する
請求項5記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、移動量としては複数の画像信号に基づいて取得し、当該移動量と所定の閾値とを比較してぶれ補正をするか否かを判断する
請求項5記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、撮影装置を固定する部材に取り付けられた否かの検出器の検出結果に応じてぶれ補正するか否かを判断する
請求項1、2、または3記載の画像信号処理装置。 - 上記信号処理回路は、ぶれ補正する否かを強制的に指示する信号を受けると、当該指示に応じてぶれ補正するか否かを判断する
請求項1、2、または3記載の画像信号処理装置。 - 光学系による被写体の像を受けて画像信号を出力する撮像素子と、
上記撮像素子による画像信号に対するぶれ補正機能を有し、所定の信号と所定の閾値に基づいてぶれ補正の適用の可否を自動的に判定し、閾値の範囲外にあると判定する記ぶれ補正を行わないように処理し、閾値の範囲内にあると判定するとぶれ補正を伴うように処理する信号処理回路と、
を有する撮影装置。 - 上記信号処理回路は、所定の信号と所定の閾値に基づいて上記ぶれ補正処理による画像改善効果が視覚的に認識し難い撮影状況下にあるか否かを自動的に判定し、認識し難い状況下にあると判定すると上記ぶれ補正を行わないように処理し、認識し難い状況下にないと判定するとぶれ補正を伴うように処理する
請求項10記載の撮影装置。 - 上記信号処理回路は、
複数枚の画像を撮影し、画像間のぶれによる移動量を検出し、撮影した複数枚の画像を撮影中に発生した移動量を補正しながら画像を足し合わせて1枚の画像を作り出す機能からなるぶれ補正技術を用いた第1の撮影方式と、
通常の1回の露光で1枚の画像を作り出す第2の撮影方式と、を選定可能で、
ぶれ補正を行うと判定した場合には上記第1の撮影方式を選定し、
ぶれ補正を行わないと判定した場合には上記第2の撮影方式を選定する
請求項10記載の撮影装置。 - 上記信号処理回路は、ぶれ補正をするか否かを露光時間T、または/および光学系の焦点距離Lに基づいて判断する
請求項10、11、または12記載の撮影装置。 - 上記信号処理回路は、ぶれ補正をするか否かを、装置の移動量に関する情報に基づいて判断する
請求項10,11、または12記載の撮影装置。 - 装置のぶれを検出するぶれ検出器を有し、
上記信号処理回路は、移動量としてはぶれ検出器の検出したぶれ量に基づいて取得し、当該移動量と所定の閾値とを比較してぶれ補正をするか否かを判断する
請求項14記載の撮影装置。 - 上記信号処理回路は、移動量としては複数の画像信号に基づいて取得し、当該移動量と所定の閾値とを比較してぶれ補正をするか否かを判断する
請求項14記載の撮影装置。 - 撮影装置を固定する部材に取り付けられた否かの検出器を有し、
上記信号処理回路は、上記撮影装置を固定する部材に取り付けられた否かの検出器の検出結果に応じてぶれ補正するか否かを判断する
請求項10、11、または12記載の撮影装置。 - ぶれ補正する否かを強制的に指示するスイッチを有し、
上記信号処理回路は、上記スイッチによりぶれ補正する否かを強制的に指示する信号を受けると、当該指示に応じてぶれ補正するか否かを判断する
請求項10、11、または12記載の撮影装置。 - 撮像素子による画像信号を処理する画像信号処理方法であって、
所定の信号と所定の閾値に基づいてぶれ補正の適用の可否を自動的に判定するステップと、
閾値の範囲外にあると判定すると上記ぶれ補正を行わないように処理するステップと、
閾値の範囲内にあると判定するとぶれ補正を伴うように処理するステップと
を有する画像信号処理方法。 - 撮像素子による画像信号を処理する画像信号処理方法であって、
所定の信号に基づいてぶれ補正処理による画像改善効果が視覚的に認識し難い撮影状況下にあるか否かを自動的に判定するステップと、
認識し難い状況下にあると判定すると上記ぶれ補正を行わないように処理するステップと、
認識し難い状況下にないと判定するとぶれ補正を伴うように処理するステップと
を有する画像信号処理方法。
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-
2005
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