以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わるデジタル一眼レフレックスカメラの正面から見た外観図であり、図2は、このデジタル一眼レフレックスカメラの背面側から見た外観斜視図である。
図1に示すカメラ本体200の前面の略中央には、交換レンズ100を装着するためのボディマウント24が設けてある。このボディマウント24より少し奥まった位置には、交換レンズ100と接続し、通信を行うための通信接点341が配置されている。また、ボディマウント24よりカメラ本体200の内部側はミラーボックスであり、ミラーボックス内には、可動ミラー201等が配置されている。
また、カメラ本体200の正面左側のグリップ部の上部には、レリーズ釦21が配置されている。レリーズ釦21は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子221(図3参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う露光動作を実行する。
また、カメラ本体200の正面左側グリップ部には、前ダイアル22が配置されている。この前ダイアル22は、時計方向および反時計方向に回転自在であり、その回転方向と回転量が検知され出力される。
カメラ本体200の上部には、被写体に補助光を照射するための内蔵フラッシュ50が収納されている。内蔵フラッシュ50をポップアップ状態とすると、使用状態となり、その発光部は被写体に向けた位置となる。
カメラ本体200の上面には、コントロールパネル40が配置されている。このコントロールパネル40は、液晶等の表示装置であって、撮影にあたっての絞り値やシャッタ速度値等の撮影情報が表示される。
図2に示すように、カメラ本体200の背面の右上には、後ダイアル23が配置されている。後ダイアル23も、前ダイアル22と同様、時計方向および反時計方向に回転自在であり、その回転方向と回転量が検知され出力される。
後ダイアル23の下側には、ライブビュー表示釦(以下、LV表示釦と称す)31が配置されている。ライブビュー表示は、撮像素子によって取得した画像データに基づいて被写体像観察用に液晶モニタ等の表示装置に被写体像を表示することをいう。このLV表示釦31を操作することにより、ライブビュー表示モードを設定し、また再度操作するとライブビュー表示モードの解除を行う。
LV表示釦31の下側には、十字釦32が配置されている。この十字釦32は上側十字釦、下側十字釦、右側十字釦、左側十字釦の4つの釦からなり、背面液晶モニタ39上にカーソルが表示されている場合に、このカーソルの移動等に用いる。4つの十字釦32のほぼ中心にOK釦33が配置されている。このOK釦33は、十字釦32によって選択された項目の決定を行うための操作部材である。
十字釦32の下側には、パワースイッチ34が配置されている。このパワースイッチ34は、このカメラのカメラ動作の実行を制御するための操作部材である。すなわち、本実施形態に係わるカメラは、パワースイッチ34がオン状態の場合に、種々の動作を実行し、オフの場合にはカメラ動作を実行しない。
カメラ本体200の背面の略中央の上部には、接眼部38が設けられており、この中に接眼レンズ209が配置されている。カメラ本体200は一眼レフレックスカメラであり、内部には、可動ミラー201やペンタプリズム207等のファインダ光学系(図3参照)が配置され、このファインダ光学系を通過した被写体光束が、この接眼レンズ209より出射する。撮影者は接眼レンズ209を介して、光学的に被写体像を観察することができる。
接眼部38の下側には、背面液晶モニタ(以下、背面LCDと称す)39が配置されている。背面LCD39は、ライブビュー表示を行い、また、記録済みの被写体像を再生表示し、撮影情報やメニューを表示するための表示装置である。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶に限らない。また、本実施形態においては、カメラ本体200の背面に配置しているが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限られない。
背面LCD39の下側であって、パワースイッチ34の左側には、メニュー釦35が配置されている。このメニュー釦35はメニュー(設定)モードに設定し、また解除するための操作部材である。メニューモードは、このカメラの種々のモードやその他の設定を行うモードであり、メニューモードに設定されると、背面LCD39にメニュー表示がなされる。撮影者は、このメニュー表示の中から好みのモード等を十字釦32によって選択し、OK釦33によって確定する。
メニュー釦35の左側には、再生釦36が配置されている。この再生釦36は、記録媒体等に記録された画像データを読み出し、この画像データに基づいて被写体像を背面LCD39に再生表示する再生モードを指示する操作部材である。
再生釦36の左側には、縦横釦37が配置されている。この縦横釦37は縦長画像と横長画像のいずれかを選択するための操作部材である。後述するように、本実施形態に係わるカメラの撮像素子221は、ほぼ正方形状をしており、この撮像素子によって出力される画像データ中から、縦長画像や横長画像の画像データを選択して表示し、記録媒体に記録する。
次に、本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラの電気回路について、図3に示すブロック図を用いて説明する。このデジタル一眼レフカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点341にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101は光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動される。光学系駆動機構107によって駆動された撮影光学系101の焦点位置(ピント位置)は、ピント位置検出機構105によって、また撮影光学系101の焦点距離は、ズーム位置検出機構106によって、それぞれ検出される。
光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、ピント位置検出機構105、およびズーム位置検出機構106は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点341を介してカメラ本体200に接続されている。
また、レンズCPU111には、レンズROM113とレンズRAM115が接続されている。レンズROM113は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、レンズCPU111を実行させるためのプログラムや、交換レンズ100の固有情報等が記憶されている。レンズRAM115は、電気的に書き換え可能な揮発性メモリであり、上述のプログラムの実行に当たって使用される一時的な記憶領域である。
レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、ピント位置検出機構105やズーム位置検出機構106によって検出された焦点距離や焦点位置情報をカメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。
この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン204が配置され、このフォーカシングスクリーン204の上方には、全面液晶板(以下、全面LCDと称す)205が配置されている。この全面LCD205は、部分的に透過と遮光を制御可能であり、フォーカシングスクリーン204上に結像した被写体像の内の任意に部分について、被写体像をファインダ光学系に導くことができる。
全面LCD205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。ペンタプリズム207の前面側の反射面に沿って、ファインダ内表示装置206が配置されている。このファインダ内表示装置206は、液晶表示装置等から構成され、後述するように、光学ファインダ像に対して、視野表示や撮影情報等を重畳させて表示する。このファインダ内表示装置206は、ファインダ内表示駆動回路295に接続されており、これによって駆動制御される。
ペンタプリズム207の出射側(図3で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ209が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路212に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路212によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図3において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201はミラー駆動機構239によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には位相差AFセンサ241が配置されており、この位相差AFセンサ241の出力は位相差AF処理回路243に接続されている。位相差AFセンサ241は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。また、位相差AFセンサ241は、撮影画面内の複数ポイントについて、それぞれ焦点検出可能である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子221としてはCCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることは言うまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間引き処理、拡大表示のための切り出し処理等の画像処理のための前処理を行なう。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。防塵フィルタ215の周囲には圧電素子が固定されており、この圧電素子は防塵フィルタ駆動回路235によって、超音波で振動する。防塵フィルタ215の付着した塵埃は、圧電素子に発生する振動波によって、除塵される。
赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217は、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである。防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217および撮像素子221は、塵埃等が侵入しないように気密に一体に構成されている。これら一体化された撮像素子221等は、シフト機構233によって、撮像素子221の撮像面におけるX軸方向とY軸方向に沿って、それぞれ移動させることができる。
回転機構361は、撮像素子221等を撮影光学系101の光軸に垂直な面内で回動させる。また、回転機構駆動回路362は、ステップモータ365(図5参照)やフォトインタラプタ(PI)364を含み、回転機構361を駆動すると共に、その駆動量を検出する。回転機構361および回転機構駆動回路362の具体的な構成については、図5を用いて後述する。
手ブレセンサ229は、カメラ本体200に加えられた手ブレ等による振動を検出する角加速度センサ等であり、この出力は手ブレ補正回路230に接続している。手ブレ補正回路230は手ブレ等の振動を除去するための手ブレ補正信号を生成し、手ブレ補正回路230の出力は、シフト機構駆動回路231に接続されている。
シフト機構駆動回路231は、手ブレ補正信号を入力し、この信号に基づいて、シフト機構233を駆動する。このシフト機構233によって、カメラ本体200に加えられた手ブレ等の振動を打ち消すように、撮像素子221等を移動させ、防振を行なう。
傾きセンサ227は、3軸回りの角加速度を検出し、カメラ本体200の傾きに応じた値を出力する。傾き検知回路228は、傾きセンサ227に接続されており、傾きセンサ227の定常状態の値から傾き状態を、また傾きセンサ227の変化量から加速度を求め、これらの値を出力する。
光源センサ244は、蛍光灯や太陽光など、被写体の環境光の光源を検出するためのセンサである。光源処理回路245は、光源センサ244に接続され、光源に応じた光源データを出力する。照度センサ246は、カメラ200上での照度を測定するためのセンサである。照度処理回路247は、照度センサ246に接続され、照度に応じた照度データを出力する。
リモコン受信センサ248は、リモコン装置(不図示)からの赤外線等によるリモコン指令を受信するための赤外線センサである。リモコン受信処理回路249は、リモコン受信センサ248に接続され、このセンサからの信号を入力し、リモコン信号を出力する。
前述の前処理回路225は、ASIC(Application SpecificIntegrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されており、このデータバス252を介して、ASIC250内の各回路に接続されている。また、前処理回路225は、コントラストAF回路253およびAE回路255にも接続されている。
コントラストAF回路253は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて高周波成分を抽出し、この高周波成分に基づくコントラスト情報をボディCPU251に出力する。AE回路255は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて、被写体輝度に応じた測光情報をボディCPU251に出力する。
データバス252、コントラストAF回路253、およびAE回路255に接続されているボディCPU251は、フラッシュメモリ277に記憶されているプログラムに従って、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するものである。
データバス252には、ボディCPU251以外に、画像処理回路257、圧縮伸張回路259、ビデオ信号出力回路261、スイッチ検知回路268、入出力回路271、通信回路273、フラッシュメモリ制御回路275、SDRAM制御回路279、記録媒体制御回路283、ダイアル検知回路289が接続されている。
画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成、エッジ強調等の各種の画像処理を行なう。また圧縮伸張回路259はSDRAM281に一時記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸張するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は、LCD駆動回路263を介して背面LCD39に接続され、また接点330aを介して外部表示装置330に接続可能である。このビデオ信号出力回路261は、SDRAM281、記録媒体A285、記録媒体B287に記憶された画像データを、背面LCD39等に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。背面LCD39は、図2に示すように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。
シャッタレリーズ釦21の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、ライブビュー表示釦31の操作によってオンするライブビュー表示スイッチを含む各種スイッチ269は、スイッチ検知回路268を介してデータバス252に接続されている。また、各種スイッチ269としては、この他にも、メニュー釦35に連動するメニュースイッチ、再生釦36に連動する再生スイッチ、縦横釦37に連動する縦横スイッチ、パワースイッチ34等、その他の操作部材に連動する各種スイッチ等を含んでいる。
上述の防塵フィルタ駆動回路235、シャッタ駆動機構237、位相差AF処理回路243、ミラー駆動機構239、光源処理回路245、照度処理回路247、リモコン受信処理回路249、傾き検知回路228、シフト機構駆動回路231、測光処理回路212、回転機構駆動回路362と接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。なお、入出力回路271は、後述するLCD向き検知回路265、充電回路301、フラッシュ発光回路303にも接続される。
レンズCPU111と通信接点341を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
フラッシュメモリ制御回路275は、フラッシュメモリ(Flash Memory)277に接続され、このフラッシュメモリ277は、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されており、前述したように、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ277に記憶されたプログラムに従ってデジタル一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ277は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。
SDRAM281は、SDRAM制御回路279を介してデータバス252に接続されており、このSDRAM281は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
データバス252に接続された記録媒体制御回路283は、記録媒体A285、記録媒体B287に接続され、これらの記録媒体A285、B287への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体A285および記録媒体B287は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。なお、記録媒体A285、B287は、同じ種類の記録媒体であって、記憶容量が異なる組み合わせや、また異なる種類の記録媒体の組み合わせ等、組み合わせ方は自由である。
ダイアル検知回路289は、前述の前ダイアル22と後ダイアル23にそれぞれ接続しており、それぞれのダイアルの回転方向および回転量を検知する。
カメラ本体200内には、本体内の各回路や各機構等に電源を供給するための電源供給回路291が設けられている。この電源供給回路291には、内蔵のバッテリ292および外部電源293が接続可能である。
LCD向き検知回路265は、背面LCD39の向きを検知する。すなわち、背面LCD39は、その向きを縦位置や横位置に変更することができ、この向きを検知し、入出力回路271を介してボディCPU251に伝達される。
前述のコントロールパネル40には、コントロールパネル駆動回路297が接続されており、コントロールパネル駆動回路297はボディCPU251に接続されている。ボディCPU251は、コントロールパネル駆動回路297を介して、コントロールパネル40に撮影情報等の表示を行う。
カメラ本体200内に配置された内蔵フラッシュ50は、充電回路301、フラッシュ発光回路303、発光管305等から構成される。充電回路301はバッテリ292または外部電源293等より、電源供給を受け、電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路303は、所定のタイミングで、充電回路301によって昇圧された電圧を発光管305に印加する等、発光制御を行う。
外部フラッシュ310は、外付けのフラッシュ装置であり、接点310a、310bを介して、カメラ本体200と接続する。この外部フラッシュ310内には、フラッシュCPU311、充電回路313、フラッシュ発光回路315、発光管317、反射傘318、ズーム駆動回路319が配置されている。
フラッシュCPU311は、外部フラッシュ310の制御を行い、また、接点310b、通信回路273を介してボディCPU251と通信を行う。充電回路313は、外部フラッシュ310内に装填された電源電池の電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路315は、ボディCPU251と接点210aを介して受信した発光命令に応じて発光する。ズーム駆動回路319は、撮影光学系101の焦点距離に応じて、発光管317と反射笠318の間隔を駆動制御し、撮影光学系101の焦点距離等に応じた照射角となるように制御する。
外部機器320は、パーソナルコンピュータ(PC)等の機器であり、接点320a、通信回路273を介して、ボディCPU251と通信を行う。外部表示機器330は、テレビ等の表示機器であり、接点330aを通じて、前述のビデオ信号出力回路261に接続されている。外部表示機器330の内部には、表示装置駆動回路331と表示装置333が配置されている。ビデオ信号出力回路261からのビデオ信号に基づき、表示装置駆動回路331は表示装置333に記録画像等の表示を行う。
次に、本実施形態における縦横(アスペクトと称す場合もある)とアスペクト比について、図4を用いて説明する。撮像素子221の撮像面はほぼ正方形をしており、撮像素子221内であって、かつイメージサークル120内において、画像が得られる。このときの縦横の比率をアスペクト比という。本実施形態においては、4:3横長、4:3縦長、16:9横長、16:9縦長の4つのアスペクト比を採用している。もちろん、これとは異なるアスペクト比を採用しても構わない。図示の長手方向360は、カメラ本体200を横位置に構えた際において、横長画像の長手方向にあたる。
なお、ここで説明したアスペクト比は、後述する図11(a)における設定変更1のサブルーチンによって、変更できる。設定されたアスペクト比に基づいて、有効となる画像データ(画像データ出力領域)は、撮像素子駆動回路223から出力される画像データの中から、前処理回路225や画像処理回路257によって、選択される。
次に、回転機構361と回転機構駆動回路362の構成について、図5を用いて説明する。図5は、撮像素子221を保持する撮像素子保持枠367を、撮影光学系101の光軸と垂直な面で横切った断面図である。撮像素子保持枠367の外周には、ウォームギア366を構成するねじ歯車(ウォーム)が設けられている。このねじ歯車は、ウォームギア366を構成するはす歯歯車(ウォームホイール)と噛み合っており、このはす歯車は、ステップモータ365の駆動軸に固着されている。
また、撮像素子保持枠367の外周には、櫛歯状のPI羽根364bが設けられている。このPI羽根364bは、図5(b)に示すように、遮光部と透過部が交互に櫛歯状に形成されている。このPI羽根364bを挟むように、フォトインタラプタ(PI)364がカメラ本体200に固定されている。撮像素子保持枠367には、2つの突起367a、367bが設けられており、これら2つの突起367a、367b間に、カメラ本体200と一体に固定された本体側突起368が配置されている。
このように回転機構361等は構成されているので、撮像素子221は、撮影光学系101の光軸と垂直面内で、自在に回動させることができる。すなわち、ステップモータ365を回転させると、ウォームギア366を介して撮像素子保持枠367が回動する。このときの回動範囲は、突起367a、367bおよび本体側突起368によって決まる角度内である。
撮像素子保持枠367が回動すると、これと一体の撮像素子221も回動する。このときの回動量は、フォトインタラプタ(PI)364によって検出され、回動量に応じてパルス信号が出力される。フォトインタラプタ(PI)364の検知出力は、入出力回路271を通じてボディCPU251に伝達される。
次に、本実施形態における動作について、図6ないし図11に示すフローチャートを用いて説明する。
図6は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作である。カメラ本体200にバッテリ292が装填され、または外部電源293が接続されると、このフローがスタートする。まずカメラ本体200のパワースイッチ34がオンであるかを判定する(#1)。判定の結果、パワースイッチ34がオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(#3)。
このスリープ状態ではパワースイッチ34がオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップ#5以下においてパワーオンのための処理を行う。パワースイッチ34がオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
ステップ#1において、パワースイッチ34がオンであった場合、またはステップ#3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(#5)。次に、防塵フィルタ215における塵埃除去動作を行う(#7)。このステップでは、防塵フィルタ215に固着された圧電素子に防塵フィルタ駆動回路235から駆動電圧を印加し、超音波振動波によって塵埃等を除去する。
次に、前ダイアル22や後ダイアル23等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影モードや撮影条件の読み込みを行う(#9)。なお、このときに、併せて、レンズCPU111から通信回路273を介して交換レンズ100の開放絞り、焦点距離情報等のレンズ情報の読み込みも行う。
撮影モード等の読み込みを行うと、次に、ライブビューを行っているか否かの判定を行う(#11)。本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラのライブビュー表示は、LV表示釦31が一度操作されると、ライブビュー表示モードに設定され、再度操作されると、ライブビュー表示モードが解除される。
ステップ#11における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、すなわち、光学ファインダ表示モードの場合には、ファインダ測光(F測光)および露出量演算を行う(#13)。ライブビュー表示モードでない場合には、可動ミラー201は下降状態にあり、撮影光学系101を通過した被写体光束をペンタプリズム207等のファインダ光学系に反射している。このため、測光素子211に被写体光束が入射し、測光を行うことができる。
ファインダ測光によって測光を行うと、このとき得た被写体輝度に基づいて適正露光を得るための絞り値やシャッタ速度等の露出量の演算を行う。なお、露出量の演算にあたっては、ステップ#9において設定されていた撮影モードや撮影条件に従って行う。
露出量の演算を行うと、次に、ファインダ表示を行う(#15)。ファインダ表示は、ファインダ内表示装置206によって行い、設定されている縦横とアスペクト比に応じた撮影範囲や、また演算または手動設定された絞り値やシャッタ速度等の撮影条件が表示される。また、演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、コントロールパネル40にも表示される。なお、このファインダ表示のサブルーチンの詳細は、図9を用いて後述する。
続いて、ライブビュー表示の消灯を行う(#17)。ライブビュー表示モードから光学ファインダ表示モードに切り替わった際には、ここで、ライブビュー表示の消灯を行う。
なお、ライブビュー表示モードが解除され光学ファインダ表示を繰り返し行っている場合には、ライブビュー表示は消灯されているので、このステップをスキップする。
ステップ11における判定の結果、ライブビュー表示モードに設定されている場合には、可動ミラー201の退避を行い(#31)、シャッタ213を開放する(#33)。ライブビュー表示モードでは、撮像素子221からの画像データに基づいて、被写体像を背面LCD39に表示するので、撮像素子221上に被写体像が形成されるように、可動ミラー201を退避し、シャッタ213を開放する。なお、ライブビュー表示開始後は、このステップ#31、#33をスキップする。
続いて、イメージャー測光(I測光)および露出量の演算を行う(#35)。ライブビュー表示モードに入ると、可動ミラー201は撮影光学系101の光路から退避し、測光素子211には、被写体光束が入射しない。そこで、撮像素子221からの画像データに基づいて、AE回路255によって被写体輝度の測定を行う。
ここで測定された被写体輝度に基づいて、適正露光を得るための絞り値やシャッタ速度等の露出量の演算を行う。なお、露出量の演算にあたっては、ステップ#13と同様、ステップ#9において設定されていた撮影モードや撮影条件に従って行う。また、ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、背面LCD39やコントロールパネル40に表示される。
続いて、ライブビュー表示を行う(#37)。ライブビュー表示は、撮像素子221からの画像データに基づき、前処理回路225や画像処理回路257によって、画素数を間引く等の画像処理を行い、被写体像を背面LCD39に動画表示する。撮像素子221から画像データの読み出しを行うたびに、被写体像の更新を行う。
ライブビュー表示を行うと、次に、ファインダ表示の消灯を行う(#39)。光学ファインダ表示モードからライブビュー表示モードに切り替わった際には、ここで、ファインダ表示の消灯を行う。なお、ライブビュー表示モードに切り替わり、ライブビュー表示を繰り返し行っている場合には、ファインダ表示は消灯されているので、このステップはスキップする。
ステップ#17におけるライブビュー表示を消灯すると、またはステップ#39におけるファインダ表示を消灯すると、操作部材による操作がなされたか否かの判定を行う(#19)。このステップでは、スイッチ検知回路268によって、1Rスイッチ、設定スイッチ(メニュースイッチ)、再生スイッチ、パワースイッチのいずれかのスイッチが操作されたか否かを判定する。
ステップ#19における判定の結果、操作がなかった場合には、ステップ#11に戻り、前述の動作を実行する。一方、判定の結果、操作がなされていた場合には、次に、レリーズ釦21が半押しされたか否か、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#21)。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影準備と撮影を行う撮影動作1のサブルーチンを実行する(#41)。このサブルーチンの詳細は図7を用いて後述する。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#41における撮影動作1を実行した場合には、次に、設定スイッチがオンか否かの判定を行う。このステップでは、メニュー釦(設定釦)35等が操作され、メニューモード(設定モード)に設定されたか否かの判定を行う。
ステップ#23における判定の結果、メニューモード(設定モード)であった場合には、設定変更1を行う(#43)。この設定変更1のサブルーチンでは、設定されたメニューに従って種々の処理を行う。メニューモードとしては、例えば、アスペクト比を変更するアスペクト変更モードがある。また、レリーズ釦21が押されると1コマ撮影を行う単写モードと、レリーズ釦21が押されている間、連続的に撮影を行う連写モードの切り替えもメニューモード行う。このサブルーチンの詳細については、図11を用いて後述する。
ステップ#23における判定の結果、設定スイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#43における設定変更1のサブルーチンを実行すると、次に、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(#25)。この判定の結果、再生スイッチがオンであった場合には、再生動作を実行する(#45)。再生動作では、記録媒体A285または記録媒体B287に記録されている画像データを読み出し、背面LCD39または外部表示装置330等に再生表示する。
ステップ#25における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#45における再生動作のサブルーチンを実行すると、次に、パワースイッチ34がオンか否かの判定を行う(#27)。この判定の結果、パワースイッチ34がオンであった場合には、ステップ#11に戻り、前述の動作を実行する。
一方、ステップ#27における判定の結果、パワースイッチがオンではなかった場合には、電源供給を停止し(#29)、ステップ#3に戻り、前述のスリープ状態となる。
次に、ステップ#41における撮影動作1のサブルーチンについて、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
撮影動作1のサブルーチンに入ると、まず、ステップ#11と同様にライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#51)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、位相差AFのサブルーチンを実行する(#53)。この位相差AFのサブルーチンでは、撮影光学系101の周辺を通過した2光束を用いて公知の位相差法に基づいて、撮影光学系101の焦点ズレ方向および焦点ズレ量を検出する。そして、この検出された焦点ズレ方向および焦点ズレ量を用いて、撮影光学系101を合焦位置に駆動する。
位相差AFが終わると、次に、ステップ#13と同様にファインダ測光および露出量演算を行う(#55)。ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、ファインダ内表示装置206やコントロールパネル40に表示される。
ステップ#51における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、イメージャーAFのサブルーチンを実行する(#57)。ライブビュー表示モードでは、可動ミラー201が撮影光学系101の光路から退避位置にあり、位相差AFによる測距を行うことができない。そこで、撮像素子221からの画像データに基づいて、イメージャーAFを行う。このイメージャーAFのサブルーチンでは、コントラストAF回路253から出力される画像データの高周波成分がピーク値となるように、撮影光学系101の駆動制御を行う。
イメージャーAFを行うと、次に、ステップ#35と同様にイメージャー測光および露出量演算を行う(#59)。ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、背面LCD39やコントロールパネル40に表示される。
イメージャー測光・露出量演算を行うと、次に、自動傾き補正処理を行う(#60)。このステップでは、撮像素子211から出力される画像データにエッジ強調処理を行い、この時、抽出された補助線と撮像素子211の長手方向360のなす角度を検出し、この角度に基づいて、撮像素子保持枠367を回動させる。画像データが横長の場合、略水平の補助線が水平になり、また、画像データが縦長の場合、略垂直の補助線が垂直とすることができる。この自動傾き補正処理のサブルーチンの詳細については、図8を用いて後述する。
ステップ#55におけるファインダ測光および露出量演算、またはステップ#60における自動傾き補正処理を行うと、次に、レリーズ釦21が半押しされたか否か、すなわち1Rスイッチがオンか否かを判定する(#61)。この判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、2Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#63)。
このステップ#63における判定の結果、2Rスイッチがオンでなければ、レリーズ釦21の半押し状態が続いていることから、ステップ#61と#63を交互に判定する待機状態となる。また、ステップ#61における判定の結果、1Rスイッチがオンでなければ、レリーズ釦21から撮影者の指が離れたことから、撮影動作のサブルーチンを終了し、元のフローに戻る。
ステップ#63における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、レリーズ釦21が全押しされ、露光動作に移る。まず、ステップ#11、#51と同様に、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#65)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、可動ミラー201の退避を行う(#67)。ライブビュー表示モードでない場合、すなわち光学ファインダ表示モードの場合には、可動ミラー201が下降位置にあるので、撮像素子221に被写体光束に導くために、可動ミラー201を退避させる。
一方、ステップ#65における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタ213の閉じ動作を行う(#91)。ライブビュー表示モードの場合には、可動ミラー201は退避位置にあり、シャッタ213は開放のままである。露光動作を実行するにあたって、シャッタ213をチャージする必要があることから、一旦、シャッタ213の閉じ動作を行う。
ステップ#67の可動ミラー退避、またはステップ#91のシャッタ閉を行うと、次に、絞り103の絞り込み動作を行う(#69)。このステップでは、露出量演算に基づいて求められた絞り値または手動設定された絞り値となるように、レンズCPU111に対して、絞り込み指示を行う。
続いて、露出動作を行う(#71)。このステップでは、シャッタ213の先幕を走行させると共に、撮像素子221において電荷蓄積を開始する。そして、所定時間が経過すると、シャッタ213の後幕を走行させると共に、撮像素子221における電荷蓄積を終了する。
露出動作が終了すると、次に、絞り103の開放を行う(#73)。すなわち、ボディCPU251は、レンズCPU111に対して、絞り103が開放絞り値となるように指示を送信する。
絞りを開放にすると、次に、ステップ#11、#51、#65と同様に、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#75)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、可動ミラー201の復帰を行う(#77)。すなわち、ステップ#67において可動ミラー201は撮影光学系101の光路から退避していたので、光路中に挿入するように下降させる。
一方、ステップ#75における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタ213の開放を行う(#93)。すなわち、ライブビュー表示を再開するために、撮影光学系101からの被写体光束を撮像素子221に導くべく、シャッタ213の先幕を走行させ、シャッタを開放する。
ステップ#77における可動ミラー復帰、またはステップ#93におけるシャッタ開を行うと、次に、画像の読み出しを行う(#79)。このステップでは、撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読み出しを行う。
続いて、画像処理を行う(#81)。すなわち、撮像素子221から読み出された画像信号を前処理回路225、画像処理回路257や圧縮伸張回路259等によって種々の画像処理を行う。なお、設定変更1のサブルーチン(図11参照)によって、設定されたアスペクト比に基づく画像データ出力領域の画像データが、前処理回路225、画像処理回路257等によって選択され、画像処理される。
画像処理を行うと、次に、画像記録を行う(#83)。画像記録は、画像処理された画像データ出力領域の画像データを、記録媒体制御回路283によって、記録媒体A285または記録媒体B287に記録する。
画像記録を行うと、次に、単写か連写かの判定を行う(#85)。前述したように、単写/連写の設定は、メニューモード(#43)で行うので、このステップでは、メニューモードでの設定状態を判定する。この判定の結果、連写が設定されていた場合には、ステップ#60と同様に、自動傾き補正処理を実行する(#87)。連続的に撮影を行っている場合、本実施形態においては、自動傾き補正を行うことにより、横長画像の場合、撮影コマの水平線が、撮像素子221の長手方向360と略一致させることができる。自動傾き補正を行うと、ステップ#61に戻り、前述の動作を実行する。
ステップ#85における判定の結果、単写であった場合には、撮影動作のサブルーチンを終了し、元のフローに戻る。
次に、ステップ#60および#87における自動傾き補正処理のサブルーチンについて、図8を用いて説明する。傾き自動補正処理のサブルーチンに入ると、まず、撮像画をエッジ強調する画処理を行う(#201)。このステップでは、撮像素子211から読み出された画像データを画像処理回路257においてエッジ強調処理を行う。
続いて、アスペクトが縦位置か横位置の判定を行う(#203)。縦横釦37によって縦位置か横位置を設定するので、このステップでは、縦横釦37によって、いずれのアスペクトが設定されているかを判定する。この判定の結果、アスペクトが横位置にあった場合には、図12(a)に示すように、横の補助線371を表示する(#205)。すなわち、背面LCD39中における表示画面に、撮像素子211の長手方向360に一致する補助線371を表示し、撮影者にこの方向に傾き補正を行うことを告知する。
ステップ#203における判定の結果、アスペクトが縦位置であった場合には、図12(b)に示すように、縦の補助線371を表示する(#207)。すなわち、背面LCD39中における表示画面に、撮像素子211の長手方向360(背面LCD39としては、縦長方向)に一致する補助線372を表示し、撮影者にこの方向に傾き補正を行うことを告知する。
横または縦の補助線371、372の表示を行うと、次に、傾き補正パルスを演算する(#209)。このステップでは、ステップ#201において求められたエッジに基づく補助線と、撮像素子211の長手方向360のなす角度を求める。そして、この角度に基づいて、撮像素子211の長手方向360をエッジに基づく補助線の方向と略一致させるために必要な撮像素子保持枠367の回動量を、フォトインタラプタ364のパルス数に換算して求める。
傾き補正パルスを演算すると、次に、モータ駆動量を演算する(#211)。このステップでは、ステップモータ365の駆動ステップ数(駆動量)を求める。続いて、ここで演算された駆動量が判定値より小さいか否かを判定する(#213)。この判定の結果、駆動量が判定値よりも大きかった場合には、モータ駆動を行う(#215)。ここでは、演算されたステップ数分、ステップモータ365を駆動する。撮像素子保持枠367の回動量はフォトインタラプタ364からの出力パルス数でカウントしフィードバック制御をしながら、モータの駆動制御を行う。撮像素子221に直結したフォトインタラプタ364の信号でフィードバック制御を行う方が、より正しく位置制御を行える。ステップモータ365のパルス数だけで制御を行うと、ステップモータ365の回転方向が反転した際
に機構のガタ分が正しく制御されない虞がある。モータ駆動を行うと、またはステップ#213における判定の結果、駆動量が判定値よりも小さかった場合には、元のフローに戻る。
このように、傾き自動補正処理のサブルーチンでは、撮影画像の画像データに基づいて、この画像中の横長方向の線(縦位置の場合には縦長方向の線)と、撮像素子211の横長方向のラインが一致するように、撮像素子211を回動させている。
なお、本実施形態においては、フォトインタラプタ364から撮像素子保持枠367の回動量を検出し、フィードバック制御を行ったが、ステップモータ365の駆動ステップのみで、オープン制御としても良い。
次に、ステップ#15におけるファインダ表示のサブルーチンについて、図9を用いて説明する。このファインダ表示では、光学ファインダで被写体像を光学的に表示し、この場合に撮影情報や撮影範囲の表示を行う。
図9(a)に示すファインダ表示のフローに入ると、まず、情報表示液晶の駆動を開始する(#121)。このステップでは、ファインダ内表示装置206の情報表示液晶206a、206bの駆動を開始する。この情報表示液晶206a、206bは、プログラム撮影モード(P)等の撮影モード、シャッタ速度(図中では「250」)、絞り値(図中では「F5.6」)、露出補正(図中では「+0.7」)、フラッシュ状態等を表示する。なお、このステップで情報表示液晶206a、206bが駆動開始されるが、バックライトが未点灯のため、撮影者は、この段階では、視認することができない。
続いて、横位置が選択されているか否かの判定を行う(#123)。縦位置か横位置かは、縦横釦37によって設定できるので、このステップでは縦横の設定状態に基づいて判定する。なお、縦横釦37で操作されるたびに、縦位置と横位置が交互に変化するので、このフローでは最新の設定状態を確認する。
ステップ#123における判定の結果、横位置が選択されていた場合には、横位置液晶バックライトを点灯する(#125)。この横位置液晶バックライトを点灯すると、図9(b)に示すように、情報表示液晶206aが照明され、横一列に並んだ撮影情報を視認することができる。
一方、ステップ#123における判定の結果、横位置が選択されていなかった場合には、縦位置液晶バックライトを点灯する(#127)。この縦位置液晶バックライトを点灯すると、図9(c)に示すように情報表示液晶206bが照明され、縦一列に並んだ撮影情報を視認することができる。
ステップ#125における横位置液晶バックライトの点灯を行うと、またはステップ#127における縦位置液晶バックライトの点灯を行うと、次に、選択アスペクト罫線の点灯を行う(#129)。このステップでは、設定されているアスペクト比および縦横位置に応じて、図9(b)(c)に示すように、全面LCD205によって、撮影範囲を示す罫線206c、206dを表示する。すなわち、横位置が設定されている場合には図9(b)に示すように罫線206cのいずれか上下の2本の罫線を表示し、縦位置が設定されている場合には、図9(c)に示すように罫線206dのいずれか左右の2本の罫線を表示する。ここで表示する罫線206c、206dは、後述するステップ#103、#107(図11参照)において、設定された画像データ出力領域に基づいて行う。
選択アスペクト罫線の点灯を行うと、元のフローに戻る。このように、本実施形態においては、縦位置か横位置に応じて、撮影情報の表示位置を変えている。また、光学ファインダ中に、撮影範囲を罫線206c、206dによって表示するようにしている。このため、縦位置や横位置、またアスペクト比を変更しても、光学ファインダ中でその撮影範囲や、必要な撮影情報を確認することができ、大変便利である。
なお、本実施形態においては、撮影範囲を罫線で示すようにしているが、全面LCD205によって、撮影範囲のみを透過させ、撮影範囲以外は遮光するようにしても勿論かまわない。本実施形態のように罫線のみとし、それ以外を透過させた場合には、撮影範囲以外の周囲も含めて観察することができ、撮影範囲のみを透過させた場合には、出来上がりの画像のみを容易に把握することができる。
次に、ステップ#37におけるライブビュー表示のサブルーチンについて、図10を用いて説明する。このサブルーチンでは、撮像素子221からの画像データから、設定変更のサブルーチンによって設定した画像データ出力領域の画像データに基づいて、背面LCD39に被写体象を表示する。
図10(a)に示すライブビュー表示のフローに入ると、まず、選択アスペクト表示座標の設定を行う(#131)。このステップでは、設定されている縦横位置とアスペクト比情報に基づいて、被写体像として表示すべき範囲を示す座標を設定する。
続いて、画像領域外を黒塗りする(#133)。このステップでは、ステップ#131において設定した表示座標を基に、図10(b)〜(e)に示すように、画像領域外を黒塗り、すなわち、画像の表示領域外とする。なお、図10(b)は4:3横長画像であり、(c)は16:9横長画像であり、(d)は2:3縦長画像であり、(e)は9:16縦長画像を示す領域である。
画像領域外を黒塗りにすると、次に、情報表示座標の設定を行う(#135)。このステップでは、画像が横長位置の場合には、図10(b)(c)に示すように、画像領域の下側に横一列に撮影情報を表示するための座標の設定を行う。また、縦長位置の場合には、図10(d)(e)に示すように、画像領域の右側に縦一列に撮影情報を表示するための座標の設定を行う。
情報表示領域座標を設定すると、次に、情報表示を開始する(#136)。このステップでは、撮影情報を画像領域の下側または右側に表示する。続いて、ライブビュー画像表示を開始する(#137)。このステップでは、背面LCD39の画像領域に、撮像素子221からの画像データに基づいて、観察用に被写体像を動画表示する。続いて、液晶バックライトの点灯を行う(#139)。これによって、背面LCD39におけるライブビュー表示と撮影情報を視認することができる。撮影者は、被写体像を観察しながら構図を決定し、撮影を行うことができる。
このように、本実施形態においては、背面LCD39にライブビュー表示を行うにあたって、設定された縦横位置やアスペクト比を考慮して、被写体像を表示するようにしている。また、画像の縦横位置に合わせて撮影情報の表示位置を変更している。このため、縦位置や横位置、またアスペクト比を変更しても、ライブビュー表示によって、その撮影範囲や、必要な撮影情報を確認することができ、大変便利である。
なお、本実施形態においては、画像領域外は黒塗りにして、画像を全く表示しないようにしていたが、これに限らず、例えば、罫線で表示してもよく、また、画像領域外を半透明で表示する等の変形を行っても勿論かまわない。罫線で表示する場合や半透明で表示する場合には、ライブビュー表示用の画像データとしては、画像データ出力領域に限定せずに、周囲の画像データも含めて、背面LCD39に出力する。
次に、ステップ#43における設定変更1のサブルーチンについて、図11(a)に示すフローチャートを用いて説明する。メニューモードにおいて、種々の設定変更を行うことができるが、図11(a)に示すフローチャートは、その一部のみを示している。
すなわち、図11(a)に示すフローは、上位の設定変更のフローによって、十字釦32や縦横釦37等の操作部材の操作によってアスペクト比を変更するモードが選択された場合を示す。
図11(a)に示す設定変更のフローに入ると、まず、アスペクト変更操作がなされたか否かの判定を行う(#101)。このアスペクト変更操作は、背面LCD39のメニュー画面上において、十字釦32を操作することによりアスペクト変更を選択し、さらに、OK釦33によってこの選択したアスペクト比を決定することにより行う。
ステップ#101における判定の結果、アスペクト設定変更であった場合には、アスペクト設定変更が行われる(#103)。すなわち、十字釦32のうちの右側十字釦が操作されるたびに、図11(b)に示すように、アスペクト比が、4:3、3:2、16:9と順次、変更される。なお、左側十字釦が操作されると、これとは逆の順番で変更される。
ステップ#103におけるアスペクト設定変更が終了すると、またはステップ#101における判定の結果、アスペクト変更操作がなされていなかった場合には、次に、縦横位置変更操作がなされたか否かの判定を行う(#105)。このステップでは、縦横釦37が操作されたか否かを判定する。
ステップ#105における判定の結果、縦横位置変更操作がなされた場合には、縦横設定変更を行う(#107)。ここでは、図11(b)に示すように、4:3横長に設定されていた場合には、3:4縦長に設定変更を行う。また、3:2横長に設定されていた場合には、2:3縦長に、16:9横長に設定されていた場合には、9:16縦長に設定変更を行う。
ステップ#107における設定変更1を行うと、またはステップ#105における判定の結果、縦横位置変更操作がなされていなかった場合には、元のフローに戻る。
このように、本実施形態においては、撮像素子221の長手方向360と、撮影画像の長手方向が略一致するように、撮像素子221を回動させている。このため、建築物等の撮影であっても、撮影画像と撮像素子の水平線を合わせることが可能である。すなわち、撮影画像の水平線が斜めになってしまい、見苦しい画像となることを防止することができる。特に、本実施形態においては、ライブビュー表示した際に、画像データを画像処理することにより傾きを補正しており、わざわざ撮影者が意識しなくても自動的に補正されることから大変便利である。
また、本実施形態においては、連写モードに設定されている場合には、1コマ撮影が終わる、次の撮影を行う前に傾き自動補正処理を行っている。連写を行っている最中に次第にカメラが傾いても、自動的に撮像素子の傾きが補正され、水平線と撮影画像が一致する写真を撮影することができる。
さらに、本実施形態においては、横位置や横長画像の場合には、画像の横長方向と撮像素子221の長手方向360が一致するようにし、縦位置や縦長画像の場合には、画像の縦長方向と撮像素子221の長手方向360が一致するようにしている。このように撮像素子221の長手方向が一致するように画処理を行っていることから、精度を向上させやすい。
なお、本実施形態においては、撮像素子221の長手方向360と、撮像画像の長手方向を一致させるようにしたが、長手方向と垂直な方向について、一致するようにしても、若干精度が落ちるものの勿論かまわない。
また、本実施形態においては、光学ファインダ表示モードで被写体像を表示するようにもしていたが、光学ファインダ表示モードを省略し、ライブビュー表示モードとしても良く、この場合でも自動傾き補正処理を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図13ないし図16を用いて説明する。第1実施形態においては、ライブビュー表示した際や連写した際に、傾きを自動補正するようにしていた。第2実施形態においては、カメラ本体をパワーオンリセットした際に、撮像素子221とファインダの水平垂直の傾きのずれを、工場出荷時にあらかじめ補正値を記憶し、この予め記憶された補正値に従って傾き補正を行う。また、傾き調整用の操作部材を操作すると、ユーザにて傾き補正値を上記工場出荷時の補正値を置き換えて記憶することで、調整することができるようにしている。
第2実施形態に係わるデジタル一眼レフレックスカメラの構成は、図1ないし図5、および図12と同様であるので、詳しい説明は省略する。ただし、本実施形態においては、カメラ本体200の背面に傾き調整釦が配置されている。この傾き調整釦に連動する傾き調整スイッチは、各種スイッチ269のひとつであり、スイッチ検知回路268によって検知される。
次に、本実施形態における動作を、図13ないし図16に示すフローチャートを用いて説明する。図13は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作であり、図7に示した第1実施形態と同様の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
パワーオンリセットのフローに入り、ステップ#7における塵埃除去の動作を行うと、次に、撮像素子回転を行う(#8)。このステップでは、工場出荷時に調整され記憶されている傾きデータに基づいて、撮像素子221の傾きを初期位置に駆動する。すなわち、工場出荷時に、カメラ本体200を水平に位置させ、このときテストチャートに基づいて撮像素子221の長手方向360が水平線方向と一致するようにするための傾きデータを求め、不揮発性のフラッシュメモリ277等に記憶する。このとき記憶される傾きデータは、突起367aまたは367bと本体側突起368の係合位置からの移動量である。
撮像素子を回転させると、第1実施形態と同様に、ステップ#9以下を実行する。続いて、ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンの場合には、撮影動作2を実行する(#42)。この撮影動作2は、後述するステップ#47における傾き調整動作においても実行される。このため、傾き調整動作でコールされた場合には、画像記録を実行しない。この撮影動作2のサブルーチンについては、図15を用いて後述する。
撮影動作2のサブルーチンを実行すると、またはステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオフであった場合には、第1実施形態と同様、設定スイッチがオンか否かの判定を行う(#23)。この判定の結果、設定スイッチがオンであった場合には、設定変更2を行う(#44)。この設定変更のサブルーチンは第1実施形態の設定変更1と略同様であるが、本実施形態では、撮像素子221の回動を行っている。すなわち、設定された縦位置や横位置に応じて、後述するステップ#251、#253において記憶した補正パルス(傾きデータ)に基づいて、撮像素子221の位置を初期化している。この設定変更2のサブルーチンについては、図16を用いて後述する。
パワーオンリセットのフロー中、ステップ#25における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合には、傾き調整スイッチがオンか否かの判定を行う(#26)。この判定の結果、傾き調整スイッチがオンであった場合には、傾き調整動作を行う(#47)。この傾き調整動作は、レリーズ釦21を半押ししたタイミングで、撮像素子221の傾きを、画像データに基づいて水平線に合わせる。この傾き調整動作のサブルーチンについては、図14を用いて後述する。
傾き調整動作を実行すると、または、ステップ#26における判定の結果、傾き調整スイッチがオンでなかった場合には、第1実施形態と同様に、ステップ#27以下を実行する。
次に、ステップ#47における傾き調整動作のサブルーチンについて、図14に示すフローチャートを用いて説明する。傾き調整動作のサブルーチンに入ると、まず、ステップ#13(図6参照)と同様に、ファインダ測光および露出量演算を行い(#221)、ステップ#15と同様に、ファインダ表示を行う(#223)。このあと、ステップ#17と同様に、ライブビュー表示を消灯する(#225)。
続いて、ステップ#203と同様に、アスペクトの判定を行う(#227)。この判定の結果、横向きであった場合には、ファインダ表示を横向きにする(#229)。このステップでは、ファインダ内表示装置206によって、図9(b)に示すような表示を行う。一方、判定の結果、縦向きであった場合には、ファイン表示を縦向きにする(#231)。このステップでは、ファインダ内表示装置206よって、図9(c)に示すような表示を行う。
ステップ#229または#231におけるファインダ表示を行うと、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#233)。この判定の結果、オフの場合には、オンとなるのを待つ。判定の結果、オンとなると、初期位置に駆動する(#235)。すなわち、撮像素子221が初期位置となるように、撮像素子保持枠367を駆動する。初期位置としては、ステップ#8において駆動した位置である。
続いて、撮影動作2のサブルーチンを実行する(#237)。このステップでは、撮像素子221から画像データを取得する。なお、前述したように、傾き調整動作中に実行する撮影動作2においては、読み出された画像データは記録されない。この撮影動作2のサブルーチンは、図15を用いて後述する。
撮影動作2のサブルーチンを実行すると、次に、エッジ強調の画処理を行う(#239)。このステップでは、ステップ#237における撮影動作2で取得した画像データを用いて、直線部分を抽出しやすいように、エッジ強調処理を行う。続いて、傾きドット数の演算を行う(#241)。すなわち、撮像素子221の長手方向360と、エッジ強調処理で抽出した水平方向(横向きの場合)の直線とのなす角度を傾きドット数として算出する。
次に、算出されたドット数を用いてモータ駆動量を演算する(#243)。そして、このモータ駆動量と判定値を比較し、駆動量が判定値よりも小さいか否かの判定を行う(#245)。この判定の結果、駆動量が判定値よりも大きかった場合には、モータ駆動を行う(#247)。すなわち、ステップモータ365を駆動し、撮像素子221の長手方向360が水平方向となるまで駆動する。本実施形態においては、ステップモータ365の駆動量で判定したが、傾きドット数と、所定の判定値で判定しても構わない。その際、演算した結果、モータ駆動量が0になり、無限ループの処理にならないように判定処理を追加する必要がある。モータ駆動を行うと、ステップ#237に戻り、再び、前述の動作を実行する。
ステップ#245における判定の結果、駆動量が判定値よりも小さくなると、次に、ステップ#203、#227と同様に、アスペクトの判定を行う(#249)。この判定の結果、横位置であった場合には、ステップ#241において算出された傾きドット数を、横位置での補正パルスとして記憶する(#251)。一方、ステップ#249における判定の結果、アスペクトが縦位置であった場合には、ステップ#241において算出された傾きドット数を、縦位置での補正パルスとして記憶する(#253)。補正パルスを記憶すると、元のフローに戻る。
このように、傾き調整動作のサブルーチンでは、レリーズ釦21が半押しされると、画像データを取り込み、この画像データを用いて、横長画像の場合には、撮像素子221の長手方向360が水平線方向と一致させるための補正パルスを求め、縦長画像の場合には、撮影画像の垂直線が撮像素子221の長手方向360と一致させるための補正パルスを求め、これを記憶する。
次に、ステップ#42(図13参照)および#237において実行される撮影動作2のサブルーチンについて、図15を用いて説明する。この撮影動作のサブルーチンは、図7に示した撮影動作1のサブルーチンにおいて、ステップ#60の自動傾き補正処理を省略し、ステップ#61、#63に代えて、ステップ#62、#64を実行し、ステップ#82を追加しただけであるので、この相違点を中心に説明する。
ステップ#51においてライブビューか否かを判定し、この結果、ライブビューであった場合には、イメージャーAFを行い(#57)、イメージャー測光および露出量の演算を行う(#59)。このあと、撮影動作1では自動傾き補正処理を行っていたが(#60)、本実施形態では、このステップを省略する。
ステップ#55におけるファインダ測光および露出量演算を行うと、またはステップ#59におけるイメージャー測光および露出量演算を行うと、次に、2Rスイッチがオンか否かを判定する(#62)。この判定の結果、2Rスイッチがオンでなかった場合には、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#64)。
ステップ#64における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、レリーズ釦21が半押しのままであるので、ステップ#62に戻り、このステップ#62とステップ#64を交互に判定する待機状態となる。ステップ#64における判定の結果、1Rスイッチがオフとなると、レリーズ釦21から撮影者の指が離れたことから、撮影動作2のフローを終了し、元のフローに戻る。
ステップ#62における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、ステップ#65以下において、第1実施形態と同様に撮像動作を開始する。撮像動作を実行し、ステップ#81において、画像処理を行うと、次に、傾き調整中か否かの判定を行う(#82)。このステップでは、図14に示した傾き調整動作のフローにおいて、ステップ#237の撮影動作2を実行している最中か否かを判定する。
ステップ#82における判定の結果、傾き調整中でなかった場合には、通常の撮影なので、ステップ#81において画像処理された画像データを記録媒体A285または記録媒体B287に記録し(#83)、元のフローに戻る。一方、判定の結果、傾き調整中であった場合には、ステップ#83をスキップし、そのまま、元のフローに戻る。傾き調整はレリーズ釦21を半押しすることによって開始するので、この場合には、画像記録の必要がないからである。
次に、ステップ#44における設定変更2のサブルーチンについて、図16に示すフローチャートを用いて説明する。ステップ#101〜#107の処理は、図11の設定変更1のサブルーチンと同様であるので、同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付し、詳しい説明は省略する。
ステップ#105における判定の結果、縦横位置変更操作がなされていなかった場合、またはステップ#107において縦横設定変更を行うと、撮像素子回動を行う(#109)。このステップでは、ステップ#251または#253において記憶された補正パルスに基づいて、ステップモータ365を駆動し、縦位置または横位置に応じて、撮像素子221の水平線方向と、撮影画像の水平線方向とを一致させる。撮像素子の回動を行うと、元のフローに戻る。
このように、本発明の第2実施形態においては、光学ファインダ表示している状態で、このときの画像のエッジ強調によって抽出された直線と撮像素子221の水平線方向との角度を求め、この角度に基づいて、撮像素子221の回動制御を行っている。このため、建築物等の撮影であっても、撮影画像と撮像素子221の水平線を合わせることが可能である。
また、本実施形態においては、工場出荷段階で暫定的ではあるが、撮像素子221がファインダ内の水平線に合わせられているので、使いやすい。また、傾き調整モードにするとユーザにより補正値の再調整を行い、撮像素子221とファインダとの水平線を一致させているので、撮影画像がファインダ水平線に対して正しくなり、見苦しくなることはない。
なお、本実施形態においては、ライブビュー表示モードを設けていたが、ライブビュー表示モードを省略しても良い。この場合でも、傾き調整モードを実行することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図17ないし図21を用いて説明する。第1および第2実施形態では、撮像素子221の回動量は、撮像素子221からの画像データを処理してエッジを抽出し、このエッジを用いて撮影画像の水平線を自動的に求め、傾きを算出していた。第3実施形態では、傾きを求めるための撮影画像の水平線を表示し、撮影者が手動で選択できるようにした。
本実施形態の構成は、第2実施形態と同様であり、図13に示したパワーオンリセットのフローを図17に代え、これに伴い図18に示す傾き補正処理のサブルーチンを実行する点が相違する。この相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態においては、各種スイッチ269のひとつとして、傾き調整スイッチを設けていたが、本実施形態においては、傾き補正釦に連動する傾き補正スイッチを備えている。また、この傾き補正スイッチがオンとなることによって行う傾き補正モードにおいては、オート補正とマニュアル補正があり、この設定はメニューモードにおいて行う。
図17に示すパワーオンリセットのフローに入ると、第2実施形態と同様、ステップ#1以下を実行する。ステップ#25において、再生スイッチがオンでなかった場合には、次に、傾き補正スイッチがオンか否かの判定を行う(#26A)。この判定の結果、傾き補正スイッチがオンであった場合には、傾き補正処理を実行する(#48)。このステップでは、ステップ#47における傾き調整動作と同様であるが、この処理では、オート補正以外に、マニュアル補正を選択することもできる。傾き補正処理のサブルーチンについては、図18を用いて後述する。
傾き補正処理のフローに入ると、まず、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#261)。ここでは、ステップ#11における判定の結果、ライブビュー表示が実行されているか否かを判定する。ステップ#261における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、このまま、傾き補正処理のサブルーチンを終了し、元のフローに戻る。
ステップ#261における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、次に、オート補正かマニュアル補正のいずれが設定されているかを判定する(#263)。前述したように、傾き補正処理におけるオート補正/マニュアル補正は、メニューモードで設定されている。
ステップ#263における判定の結果、マニュアル補正が設定されていた場合には、次に、撮像画のエッジ強調の画処理を行う(#265)。ステップ#261においてライブビュー表示モードであると判定されており、撮像素子221からライブビュー表示用に画像データが出力され、背面LCD39には、例えば、図19(a)に示すような被写体像がライブビュー表示されている。このステップでは、このライブビュー表示用画像データを用いて、画像処理回路257によってエッジ強調の画像処理を行う。
エッジ強調を行うと、次に、ステップ#227、#249と同様に、アスペクトを判定する(#267)。この判定の結果、カメラ本体200が横位置に設定されていた場合には、横の補助線を表示する(#269)。ここでは、例えば、図19(b)に示すように、エッジ強調によって抽出した水平方向の補助線374、375を表示する。
ステップ#267における判定の結果、カメラ本体200が縦位置に設定されていた場合には、縦の補助線を表示する(#271)。ここでは、例えば、図20(b)に示すように、エッジ強調によって抽出した水平線に対して直交する方向の補助線377、378、379を表示する。
ステップ#269または#271において補助線を表示すると、次に、補助線の選択入力を行う(#273)。このステップでは、撮影者は背面LCD39に表示されている補助線374、375の中から水平線とするライン、または補助線377〜379の中から水平線と直交するラインとして、いずれかを選択する。
すなわち、図19(b)に示すように2つの補助線374、375が抽出され、表示された場合、図19(c)に示すような橋の欄干の上の線が水平線となるように撮影したい場合には、撮影者は補助線374を選択すれば良い。一方、図19(d)に示すように橋の欄干の下の線が水平線となるように撮影したい場合には、撮影者は補助線375を選択すれば良い。
また、図20(b)に示すように3つの補助線377、378、379が抽出され、表示された場合、図20(c)に示すような左側の建物のラインが、撮像素子221の長手方向360に沿うように撮影したい場合には、撮影者は補助線377を選択すれば良い。
一方、図20(d)に示すような右側の建物のラインが、撮像素子221の長手方向360に沿うように撮影したい場合には、撮影者は補助線379を選択すれば良い。
なお、選択にあたっては、十字釦32を操作してカーソルを移動させ、OK釦33で補助線を確定し、入力する。続いて、ステップ#273で選択された補助線の傾きを演算する(#275)。このステップでは、撮像素子221の長手方向360と、選択された補助線のなす角度を演算する。
ステップ#263における判定の結果、オート補正であった場合には、ステップ#265と同様に、撮像画のエッジ強調画処理を行う(#291)。続いて、ステップ#267と同様に、アスペクトの判定を行う(#293)。この判定の結果、横位置が設定されていた場合には、図21(a)に示すような横の補助線381の傾きを演算する(#295)。一方、判定の結果、縦位置が設定されていた場合には、図21(b)に示すような縦の補助線382の傾きを演算する(#297)。ここで、エッジ強調処理の結果、ステップ#269や#271の場合と同様、複数の補助線が抽出される場合がある。この場合には、複数の補助線の中から、水平方向に対して、一番、傾きが小さい補助線または長い補助線等を選択する。
ステップ#273において、選択された線の傾きを演算すると、またはステップ#295または#297において補助線の傾きを演算すると、次に、傾き補正パルスを演算する(#277)。このステップでは演算された傾きに基づいて、フォトインタラプタ364で換算した補正パルスの数を求める。
補正パルスを求めると、次に、モータ駆動量の演算を行う(#279)。このステップでは、補正パルスの数に基づいて、ステップモータ365を駆動するためのステップ数、すなわち、駆動量を演算する。続いて、ステップ#279で演算された駆動量と判定値を比較し、駆動量が判定値より小さいか否かを判定する(#281)。
ステップ#281における判定の結果、駆動量が判定値よりも大きかった場合には、モータ駆動する(#283)。すなわち、ステップ#279で求めた駆動量に基づいて、ステップモータ265を駆動する。
モータ駆動すると、次に、撮像を行う(#285)。このステップでは、撮像素子221から、ライブビュー表示用の画像データを傾き補正処理のために取得する。撮像によって画像データを取得すると、ステップ#263や#291と同様に、撮像画のエッジ強調の画処理を行う(#287)。画処理を行うと、ステップ#277に戻り、前述の動作を行う。すなわち、前回のステップ#277において演算した補助線に対応し、ステップ#287におけるエッジ強調処理で得た補助線を用いて、再度、モータ駆動量を求め、ステップ#281において判定を行う。
ステップ#281における判定の結果、駆動量が判定値より小さくなると、次に、補正完了表示を行う(#289)。このステップでは、背面LCD39に傾き補正が終了したことを表示する。
このように、本発明の第3実施形態においては、撮像素子221の傾き補正を、自動的に行うオート補正以外に、手動で行うマニュアル補正を設けている。このため、エッジ強調等の画処理により、補助線が複数、抽出される場合には、撮影者の意図にそった補助線を選択することができる。
なお、第1、2実施形態においても、本実施形態と同様に、傾き調整スイッチを設け、マニュアル補正を行うようにしても良い。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、画像データを用いて、補助線を抽出し、この補助線が撮像素子221の長手方向と略一致するように撮像素子221の向きを調整している。このため、建築物等の撮影であっても、撮影画像と撮像素子の水平線を合わせることが可能となる。
なお、本発明の各実施形態においては、縦横位置(縦長画像と横長画像)の切り換えに応じて撮像素子221の画像出力から有効領域を切り換えることが可能なカメラであったが、縦横位置の切り換えを有さない通常のカメラにおいても、本発明を適用することができる。
また、本発明の各実施形態においては、ステップモータ365を用いて、撮像素子保持枠367の駆動を行っていたが、これに限らず、DCモータや超音波モータ等、他の駆動機構を用いても良い。
さらに、本発明の各実施形態においては、補助線の抽出にあたって、エッジ強調処理を行っていたが、これに限らず、水平線や垂直線を抽出できる画像処理であれば良い。
さらに、本発明の各実施形態においては、縦横位置やアスペクト比によって有効となる画像データは、前処理回路225や画像処理回路257によって、撮像素子駆動回路223から出力される画像データの中から選択していた。しかし、これに限らず、例えば、撮像素子221から読み出す際に、縦横位置やアスペクト比によって決まる範囲についてのみ、画像データを読み出すようにしても良い。
さらに、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも構わない。
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。