JP2006254079A - データ読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでかつ小型化を実現でき、安定した受信が可能なデータ読取装置を提供する。
【解決手段】データ読取装置20は、ICタグ10へ質問波を送信する送信部21、ICタグ10からの応答波を受信する受信部22、制御部23及びアンテナ24を備える。上記送信部21とアンテナ24との間を接続するマイクロストリップライン25上に約λg/16の間隔で4つのポート26a〜26dを設け、このポート26a〜26dに4系統の検波器を有する受信部22を接続する。送信部21から出力される送信波をマイクロストリップライン25によりアンテナ24に送ると共にポート26a〜26dより受信部22に入力して受信部22内の4系統の検波器にバイアス波を与え、検波電圧の変化量を大きくすると共に、ICタグ10からの応答波を確実に検出できるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送信部及び受信部で1つのアンテナを共用するデータ読取装置に関する。
従来、商品や物品等に非接触ICタグ(応答器)を取り付け、データ読取装置(質問器)からICタグに質問波を送信し、ICタグから返送される応答波を受信してICタグ固有の識別データを読取る非接触ICタグシステムが実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記非接触ICタグシステムは、一般に図9に示すように構成されている。図9において、11は非接触ICタグシステムのデータ読取装置で、ICタグ10へ質問波を送信するための発振器、変調器、パワーアンプを内蔵した送信部12、ICタグ10からの応答波を検波する検波器等を備えた受信部13、上記送信部12と受信部13を制御する制御部14、上記送信部12及び受信部13をアンテナ15と電気的に接続するサーキュレータ16により構成されている。そして、上記制御部14は、外部に設けられているホスト機器例えばパーソナルコンピュータ(PC)17に接続される。このパーソナルコンピュータ17は、制御部14と通信し、送信部12への送信開始命令を指示したり、受信部13が受信したICタグ固有のID情報の受渡しを行なう。
上記送信部12は、制御部14の制御に従って動作し、例えば周波数が2.45GHz帯の搬送波とクロック信号を変調した送信波をサーキュレータ16を経由してアンテナ15に出力し、このアンテナ15からICタグ10に送信する。また、上記送信波に基づいてICタグ10から返送される応答波をアンテナ15で受信し、サーキュレータ16を介して受信部13に入力する。
上記サーキュレータ16は、送信部12からアンテナ15へ送られる信号が受信部13に回り込まないように、また、アンテナ15から受信部13に入力される受信波が送信部12に回り込まないように作用する。
特開平11−220424号公報
従来では、上記のようにサーキュレータ16を使用することにより、送信部12から受信部13への信号の回り込みを抑制し、送信側と受信側の信号を分離していた。
しかし、サーキュレータ16は、非常に高価な部品であり、コストを低減する場合の障害になっている。また、サーキュレータ16は、使用周波数帯が低くなると波長の関係でサーキュレータ部品のサイズが大きくなるので、回路部全体が大きくなってしまい、小型化が困難である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、サーキュレータを使用することなく回路を構成でき、極めて低コストでかつ小型化を実現でき、安定した受信が可能なデータ読取装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係るデータ読取装置は、高周波信号を出力する送信部と、該送信部から出力される高周波信号を外部に送信するアンテナと、前記送信部とアンテナとの間に設けられるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップライン上に約λg/16の間隔で設けられる4つのポートと、前記各ポートに接続されてそれぞれ前記アンテナで受信された信号を検波する4系統の検波器を備えた受信部とを具備し、前記送信部からマイクロストリップラインに出力される高周波信号を前記ポートより前記受信部に入力し、該受信部における検波器のバイアス波として使用することを特徴とする。
第2の発明に係るデータ読取装置は、高周波信号を出力する送信部と、該送信部から出力される高周波信号を外部に送信するアンテナと、前記送信部とアンテナとの間に設けられるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップライン上に所定の間隔で設けられる複数のポートと、前記各ポートに接続されてそれぞれ前記アンテナで受信された信号を検波する複数系統の検波器を備えた受信部とを具備し、前記受信部は、前記検波器から出力されるベースバンド信号を増幅し、互いに反転した2つの信号を出力する差動増幅器と、前記差動増幅器から出力される2つの信号が+入力端子と−入力端子に入力されて2値化信号を出力するコンパレータとにより構成したことを特徴とする。
本発明によれば、サーキュレータを使用することなく回路を構成でき、低コストで小型化を実現することができる。また、送信部からマイクロストリップライン上に出力される高周波信号を受信部の検波器にバイアス波として与えることにより、検波電圧の変化量を大きくすることができる。更に、マイクロストリップライン上に約λg/16の間隔で4つのポートを設けて受信部に接続し、アンテナで受信した応答波を受信部における4系統の検波器で検波することにより、応答波を確実に検出することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る非接触ICタグシステムの基本的な構成図である。図1において、20は非接触ICタグシステムにおけるデータ読取装置で、このデータ読取装置20には、ICタグ10へ質問波を送信するための発振器、変調器、パワーアンプを内蔵した送信部21、ICタグ10からの応答波を検波する検波器等を備えた受信部22、上記送信部21と受信部22を制御する制御部23、及びICタグ10へ質問波を送信し、ICタグ10からの応答波を受信するアンテナ24が設けられる。
そして、上記送信部21とアンテナ24との間は、回路基板上に形成されたマイクロストリップライン25により接続される。上記マイクロストリップライン25上には、約λg/16(λgは搬送波周波数の基板上の波長)の間隔で、4つのポート26a〜26dが設けられ、このポート26a〜26dに受信部22が接続される。この受信部22は、4系統の検波器を備えた構成となっているが、その詳細については後述する。
また、上記制御部23は、外部に設けられているホスト機器例えばパーソナルコンピュータ(PC)27に接続される。このパーソナルコンピュータ27は、制御部23と通信し、送信部21への送信開始命令を指示したり、受信部22が受信したICタグ固有のID情報の受渡し等を行なう。
上記の構成において、データ読取装置20の送信部21は、高周波信号例えば2.45GHz帯の搬送波とクロック信号をASK変調した被変調波を質問波としてアンテナ24から外部へ送出する。ICタグ10は、上記データ読取装置20からの質問波を受信すると、固有のIDデータと2.45GHz帯の搬送波をASK変調した被変調波を応答波として返送する。このICタグ10からの応答波は、アンテナ24で受信され、マイクロストリップライン25上のポート26a〜26dを介して受信部22に入力される。
また、上記送信部21からマイクロストリップライン25を介してアンテナ24に送られる送信波の一部は、ポート26a〜26dを介して受信部22に入力され、受信部22に設けられている4系統の検波器のバイアス波として使用される。
一般的に検波器が1系統のものでは受信時にデータ読取装置20とICタグ10との通信距離の変化に対してヌルポイントが発生し、応答波のIDデータを正しく受信できない場合がある。このため本実施形態では、受信部22に4系統の検波器を設けてI/Q、I′/Q′補間型の構成としている。上記I/Qとは互いに90°異なる2つの信号であり、I′/Q′も同様に互いに90°異なる2つの信号である。
以下、上記送信部21及び受信部22を含む送受信系統の詳細な構成について図2を参照して説明する。
送信部21は、例えば2.45GHz帯の搬送波を発生する発振器211、ASK変調器212、増幅器213により構成され、図1の制御部23から送られてくる質問データがASK変調器212に入力される。上記送信部21は、ASK変調器212において、発振器211から出力される2.45GHz帯の搬送波を制御部23から与えられる質問データで変調し、増幅器213で増幅してマイクロストリップライン25を介してアンテナ24へ送出する。なお、マイクロストリップライン25とアンテナ24との間には、ローパスフィルタ(LPF)28が設けられる。このローパスフィルタ28は、質問波の搬送周波数を通過させるように通過域が設定され、高調波の放射を抑える作用を有している。
また、受信部22には、入力側端に4系統のローパスフィルタ(LPF)31a〜31dを設け、マイクロストリップライン25上のポート26a〜26dに接続している。上記ローパスフィルタ31a〜31dには、例えば検波ダイオードを用いて構成した第1〜第4検波器32a〜32dが接続される。上記ローパスフィルタ31a〜31dは、第1〜第4検波器32a〜32dで発生する高調波例えば搬送波周波数f1の2倍高調波と3倍高調波が外部へ放出されるのを防ぐためのものである。
上記第1〜第4検波器32a〜32dは、マイクロストリップライン25上にλg/16の間隔で設けられたポート26a〜26dにより取り出されたベースバンド信号を検波するが、ここで、第1、第2検波器32a、32bで検波された信号をI、I′信号(In Phase Signal:同相信号)とし、第3、第4検波器32c、32dで検波された信号をQ、Q′信号(Quadrature Signal:90°信号)とする。この場合、上記I、I′の同相信号とは、0°を仮定し、I信号とQ信号、また、I′信号とQ′信号とが互いに90°異なる関係となっている。
そして、上記第1〜第4検波器32a〜32dで検波された信号をハイパスフィルタ(HPF)33a〜33dを介して取り出し、ハイパスフィルタ33a、33cから出力されるI/Q信号を差動増幅器34aに入力し、ハイパスフィルタ33b、33dから出力されるI′/Q′信号を差動増幅器34bに入力する。上記ハイパスフィルタ33a〜33dは、ベースバンド信号のフィルタで、ノイズをカットする作用を有している。
上記差動増幅器34a、34bは、それぞれ2つの入力と2つの出力を持ち、2つの入力信号のうち、一方の信号が入力されなくても、他方の信号が入力されると、その非反転信号と反転信号を出力する。
上記差動増幅器34a、34bの出力信号は、更に差動増幅器35a、35bで増幅された後、2値化回路を構成するコンパレータ36a、36bに入力される。そして、コンパレータ36a、36bで2値化された信号が制御部23へ送られる。
図3は、第1検波器32aで検波されたI信号と第3検波器32cで検波されたQ信号を増幅する差動増幅器34a、35a部分の詳細な回路構成図である。
差動増幅器34aは、増幅素子として例えばNPN型のトランジスタTr1、Tr2を用いて構成される。そして、第1検波器32aで検波されたI信号は、ハイパスフィルタ33aを介して差動増幅器34aの入力1として入力され、コンデンサC1を介してトランジスタTr1のベースに入力される。
また、第3検波器32cで検波されたQ信号は、ハイパスフィルタ33cを介して差動増幅器34aの入力2として入力され、コンデンサC2を介してトランジスタTr2のベースに入力される。上記トランジスタTr1、Tr2のベースには、直流電圧Vccがそれぞれ抵抗R1、R2を介してバイアス電圧として与えられる。更に、トランジスタTr1、Tr2には、コレクタに直流電圧Vccがそれぞれ抵抗R3、R4を介して動作電圧として与えられ、エミッタが定電流回路40を介して接地される。そして、トランジスタTr1、Tr2のコレクタから取り出される信号が出力1、2として差動増幅器35aへ送られる。
差動増幅器35aは、上記差動増幅器34aと同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。差動増幅器35aには、差動増幅器34aの出力1が入力3として入力され、コンデンサC1を介してトランジスタTr1のベースに入力される。また、差動増幅器35aには、差動増幅器34aの出力2が入力4として入力され、コンデンサC2を介してトランジスタTr2のベースに入力される。そして、差動増幅器35aのトランジスタTr1、Tr2のコレクタから取り出される信号が出力3、4としてコンパレータ36aへ送られ、+入力端子、−入力端子に入力される。
コンパレータ36aは、差動増幅器35aからの信号を2値化して制御部23へ出力する。
また、第2検波器32bで検波されたI′信号と第4検波器32dで検波されたQ′信号を増幅する差動増幅器34b、35bも、上記差動増幅器34a、35aと同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
次に上記実施形態の全体の動作を説明する。
データ読取装置20の送信部21は、例えば周波数が2.45GHz帯の搬送波とクロック信号をASK変調した被変調波を質問波としてアンテナ24からICタグ10へ送信する。
ICタグ10は、データ読取装置20からの質問波を受信すると、固有のIDデータと2.45GHz帯の搬送波をASK変調した被変調波を応答波としてデータ読取装置20へ返送する。このICタグ10からの応答波は、データ読取装置20のアンテナ24で受信され、マイクロストリップライン25上のポート26a〜26dを介して受信部22に入力される。
データ読取装置20は、送信部21から出力される質問波を送信しながらICタグ10からの応答波を受信部22で受信し、検波して応答データを取り出す動作を行なっている。このとき送信部21から出力される搬送波電力がマイクロストリップライン25上のポート26a〜26dから受信部22の検波器32a〜32dに供給され、検波ダイオードに順方向バイアスを与えて検波出力の振幅が大きくなるように作用する。
図4(a)は検波ダイオードにバイアス波を与えない場合の検波電圧特性曲線を示し、同図(b)は検波ダイオードにバイアス波(順方向バイアス)を与えた場合の検波電圧特性曲線を示している。上記図4(a)、(b)は、横軸に検波器に入力される信号の電力P、縦軸に検波電圧Vを示している。
検波ダイオードにバイアス波を与えない場合は、図4(a)に示すように電力Pの変化に対し、検波電圧Vの変化が小さい範囲を使用することになり、検波電圧Vの変化量が小さくなる。図4において、Poff、Ponは応答波電力がOFFとONの時のレベルを示している。
検波ダイオードにバイアス波を与えた場合は、図4(b)に示すように検波特性の歪みが改善される直線性のある部分で検波されることになり、検波電圧VのPoff−Pon間の変化量が大きくなる。
上記のように送信部21から出力される搬送波電力を利用して受信部22の検波器32a〜32dに順方向バイアスを与えることにより、検波電圧Vの変化量を大きくすることができる。
また、マイクロストリップライン25上のポート26a〜26dは、λg/16の間隔、すなわち22.5°の間隔で設けられているので、第1〜第4検波器32a〜32dからは順次一定間隔の位相差を持つ信号が出力される。従って、第1検波器32aと第3検波器32cからはI信号(In Phase Signal:同相信号)とQ信号(Quadrature Signal:90°信号)という互いに90°位相がずれている信号が出力される。また、同様に第2検波器32bと第4検波器32dからはI′信号とQ′信号という互いに90°位相がずれている信号が出力される。
この場合、送信部21から第1〜第4検波器32a〜32dに与えられるバイアス波の位相が固定であるのに対し、同時に入力される応答波の位相はアンテナ24とICタグ10との通信距離Lに依存する。応答波は質問波のICタグ10における反射であるので、通信距離Lがλ/8(λは搬送波周波数の空間波長)変化した時、電波の伝搬経路長はその2倍のλ/4変化したことになる。
図5は、データ読取装置20のアンテナ24とICタグ10との通信距離Lを変化させた場合において、第1検波器32aと第3検波器32cのI/Q信号に対する検波電圧レベルと通信距離Lとの関係を示したものである。
上記検波器32a、32cの検波出力は、入力される応答波とバイアス波が同相の時は極大となり、逆相の時は極小となるが、90°の位相差の場合には検波電圧のPoffとPonが略等しくなり、検波電圧の変化量が得られなくなる。図5に示すI信号において、P点は応答波とバイアス波の位相が90°の関係で合成されたときで、検波電圧レベルが得られない。このポイントをヌルポイントといい、L=λ/4の距離毎に発生する。しかし、上記I信号に対し、Q信号は位相が90°シフトされているので、上記I信号のP点におけるヌルポイントに対してQ信号のP’点では極大の検波電圧が得られ、I信号での受信IDデータの読取エラーをQ信号で補うことができる。
また、図6(a)〜(c)は、バイアス波と応答波の合成位相に応じて検波器に入力する電力Pの変化量をベクトルで表したもので、(a)が同相合成、(b)が90°合成、(c)が逆相(180°)合成の場合である。図6(a)に示すバイアス波と応答波が同相合成された時、及び図6(c)に示す逆相(180°)合成された時は、検波器に入力する電力Pの変化量(最大値)が得られる。しかし、図6(c)に示すようにバイアス波と応答波が90°(又は270°)の位相差で合成された時は、検波器に入力する電力Pの変化量が得られず、その結果、検波電圧が得られない。すなわち、バイアス波と応答波が90°と270°の位相差で合成された場合は検波器から検波電圧が得られないが、その他の位相差ではその位相差に応じて検波器から検波電圧を得ることができる。
上記図6に示したバイアス波と応答波の合成位相、及び検波器に入力する電力Pの変化量の関係を、図2に示した第1〜第4検波器32a〜32dにおいてベクトルで表すと図7(a)〜(d)のようになる。この場合、バイアス波は第4検波器32dから第1検波器32aの方向に進み、ICタグ10からの応答波はバイアス波とは逆に第1検波器32aから第4検波器32dの方向に進むので、上記第1〜第4検波器32a〜32dに対するバイアス波と応答波の位相の進み方向を逆時計回りと仮定し、第4検波器32dにおけるバイアス波の位相を0°とすると、λg/16(22.5°)ずつ位相がずれた時の信号の合成状態は図7(a)〜(d)に示すようになる。また、上記バイアス波のICタグ10からの返送波が応答波であることから、図7では応答波のベクトルの大きさをバイアス波に対して小さく表している。
第1〜第4検波器32a〜32dは、上記したようにλg/16(22.5°)の間隔で配置されるので、図7(a)に示す第1検波器32aにおいてバイアス波と応答波が同相合成されるものとすると、電力Pの変化量は極大値となる。なお、この電力Pの変化量の極大値を10とする。
図7(c)に示す第3検波器32cでは、バイアス波と応答波が90°の位相差で合成されるので、電力Pの変化量が得られず、検波電圧は0となる。その他の第1、第2、第4検波器32a、32b、32dは、電力Pの変化量が得られる為、検波電圧が得られることになる。
図7(b)に示す第2検波器32bはバイアス波と応答波が45°の位相差で合成され、図7(d)に示す第4検波器32dではバイアス波と応答波が135°の位相差で合成されて電力Pの変化量は7.07となる。また、上記第1〜第4検波器32a〜32dで得られる電力Pの変化量は、向きが異なるため絶対値の表示にしている。
上記第1検波器32aと第3検波器32cの電力Pの変化量は、図7(a)、(c)に示したように「極大値」と「0」であるので、sin波で考えると、第1検波器32aと第3検波器32cにおける位相差は90°となり、I/Qの関係になっている。また、同様に第2検波器32bと第4検波器32dの電力Pの変化量においても、sin波で考えると位相差が90°となり、I′/Q′の関係になっている。
上記図7では、第3検波器32cに入力される電力Pの変化量が得られない場合(ヌルポイント)を想定しているが、このとき第1検波器32aで電力Pの変化量が十分に得られる(極大になる)ので、第1検波器32a、第3検波器32cの検波出力を増幅する差動増幅器34a、35aの系統ではI/Q信号を十分に補間することが可能になる。
また、同様に第2検波器32b、第4検波器32dの検波出力を増幅する差動増幅器34b、35bの系統においても、I′/Q′信号を十分に補間することが可能になる。
そして、上記第1検波器32a及び第3検波器32cで検波されたI/Q信号は、図3に詳細を示す差動増幅器34aの入力1、2に入力されて増幅される。差動増幅器34aは、トランジスタTr1、Tr2が互いに向き合っていて定電流回路40により電流が制限されている。このためトランジスタTr1、Tr2の入力信号が同レベル、同位相で入力されたときは出力が入力の1/2となり、それ以外はトランジスタTr1、Tr2の入力のどちらか振幅の大きい方の信号のみが増幅されて出力される。仮に第1検波器32aの出力信号が第3検波器32cの出力信号より大きかった場合、トランジスタTr1の入力信号が反転増幅されて出力1より出力されると共に、非反転増幅されて出力2により出力される。
また、第2検波器32b及び第4検波器32dで検波されたI′/Q′信号は、差動増幅器34bに入力され、上記差動増幅器34aと同様にトランジスタTr1、Tr2の入力信号が同レベル、同位相で入力されたときは出力が入力の1/2となり、それ以外はトランジスタTr1、Tr2の入力のどちらか振幅の大きい方の信号のみが増幅されて出力される。
従って、通常では第1〜第4検波器32a〜32dのうち、第1検波器32aと第3検波器32cの検波電圧の大きい方と、第2検波器32bと第4検波器32dの検波電圧の大きい方が1段目の差動増幅器34a、34bで選択され、2段目の差動増幅器35a、35bに伝送される。
そして、上記差動増幅器35a、35bで増幅された後、出力3、4から出力される信号がそれぞれ2値化回路を構成するコンパレータ36a、36bに入力される。
コンパレータ36a(36b)は、−入力端子より+入力端子のレベルが高い場合にはハイレベル(highレベル)の信号、低い場合にはローレベル(Lowレベル)信号を出力する。この場合、差動増幅器35a(35b)の各出力3、4から出力される互いに反転した信号、すなわち非反転信号と反転信号がコンパレータ36a(36b)に入力されるので、コンパレータ36a(36b)は差動増幅器35a(35b)の例えば出力3から出力される信号レベルの倍の検知能力で1/0を判別することができる。
従来の一般的な2値化回路では、図8(a)に示すようにコンパレータ41の一方の入力端子例えば+入力端子に基準電源42を接続している。そして、上記コンパレータ41は、基準電源42をスレッショルドレベルth1として入力信号のレベルを判別し、“0”、“1”の2値化信号を出力する。すなわち、スレッショルドレベルth1を中心として入力信号のハイレベル(H)及びローレベル(L)を検出している。
一方、本実施形態では、図8(b)に示すように差動増幅器35a(35b)の各出力3、4から出力される互いに反転した信号をコンパレータ36a(36b)の+入力端子と−入力端子に入力しているので、両入力信号のハイレベル(H)とローレベル(L)との差がコンパレータ36a(36b)で識別される。従って、コンパレータ36a(36b)は、入力信号のハイレベル(H)とローレベル(L)を識別する振幅範囲が2倍、すなわち入力信号の検出感度が従来の2倍となる。また、入力信号の振幅が1/2であっても従来のコンパレータと同じレベルの信号を出力できるので、ダイナミックレンジが広くとれることになる。
そして、上記コンパレータ36a、36bで2値化された信号は、制御部23を経由してパーソナルコンピュータ27へ送られて処理される。
上記実施形態によれば、サーキュレータを使用することなく回路を構成でき、また、送信部21とアンテナ24とを接続するマイクロストリップライン25上に受信部22へのポート26a〜26dを設けているので、データ読取装置20の小型化を図ることができる。
また、マイクロストリップライン25上にポート26a〜26dを設けて受信部22に接続し、送信部21から出力される送信波を受信部22の第1〜第4検波器32a〜32dにバイアス波として与えているので、検波電圧の変化量を大きくすることができる。
また、マイクロストリップライン25上にλg/16(=22.5°)の間隔で4つのポート26a〜26dを設けて受信部22に接続し、ICタグ10からの応答波を第1〜第4検波器32a〜32dで検波して復調しているので、1つの検波器に入力される電力Pの変化が得られない状態、すなわち判別不能な状態になったとしても、他の検波器によりICタグ10からの応答波を確実に検出することができる。
また、2段の差動増幅器34a、34b、35a、35bを設けることにより、ICタグ10からの応答波の受信レベルが低くても、応答データの波形レベルを大きくすることができ、ダイナミックレンジを広くすることができる。
更に、差動増幅器35a、35bから出力される非反転信号と反転信号をコンパレータ36a、36bの−入力端子、+入力端子に入力することにより、入力信号のレベル差が大きくなり、コンパレータ36a、36bにおける信号検知能力を向上することができる。
なお、上記実施形態では、マイクロストリップライン25上にポート26a〜26dを約λg/16の間隔で設けた場合について説明したが、その他、ポート26a〜26dを約λg/8の間隔で設けてもICタグ10からの応答波を受信することが可能である。すなわち、ポート26a〜26dに接続される第1〜第4検波器32a〜32dの1つにヌルポイントが発生しても、他の検波器のどれか1つでも検波電圧が得られれば受信可能である。
また、上記実施形態では、非接触ICタグシステムのデータ読取装置に実施した場合について説明したが、その他の無線通信においても実施し得るものである。
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
本発明の一実施形態に係る非接触ICタグシステムの基本的な構成図である。 同実施形態において、データ読取装置の送信部及び受信部含む送受信系統の詳細な構成を示す図である。 同実施形態において、受信部における差動増幅器部分の詳細な構成例を示す図である。 (a)は検波器にバイアス波を与えない場合の検波電圧特性曲線を示す図、(b)は検波器にバイアス波を与えた場合の検波電圧特性曲線を示す図である。 検波器のI/Q信号に対する検波電圧レベルと通信距離Lとの関係を示す図である。 バイアス波と応答波の合成位相に応じて検波器に入力する電力Pの変化量をベクトルで表した図である。 図6に示したバイアス波と応答波の合成位相及び検波器に入力する電力Pの変化量の関係を受信部の第1〜第4検波器においてベクトルで表した図である。 2値化回路の動作を説明するための図である。 従来の非接触ICタグシステムの構成例を示す図である。
符号の説明
20…データ読取装置、21…送信部、22…受信部、23…制御部、24…アンテナ、25…マイクロストリップライン、26a〜26d…ポート、27…パーソナルコンピュータ(PC)、28、31a〜31d…ローパスフィルタ(LPF)、32a〜32d…第1〜第4検波器、33a〜33d…ハイパスフィルタ(HPF)、34a、34b、35a、35b…差動増幅器、35…コンパレータ、40…定電流回路、211…発振器、212…ASK変調器、213…増幅器。

Claims (2)

  1. 高周波信号を出力する送信部と、該送信部から出力される高周波信号を外部に送信するアンテナと、前記送信部とアンテナとの間に設けられるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップライン上に約λg/16の間隔で設けられる4つのポートと、前記各ポートに接続されてそれぞれ前記アンテナで受信された信号を検波する4系統の検波器を備えた受信部とを具備し、
    前記送信部からマイクロストリップラインに出力される高周波信号を前記ポートより前記受信部に入力し、該受信部における検波器のバイアス波として使用することを特徴とするデータ読取装置。
  2. 高周波信号を出力する送信部と、該送信部から出力される高周波信号を外部に送信するアンテナと、前記送信部とアンテナとの間に設けられるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップライン上に所定の間隔で設けられる複数のポートと、前記各ポートに接続されてそれぞれ前記アンテナで受信された信号を検波する複数系統の検波器を備えた受信部とを具備し、
    前記受信部は、前記検波器から出力されるベースバンド信号を増幅し、互いに反転した2つの信号を出力する差動増幅器と、前記差動増幅器から出力される2つの信号が+入力端子と−入力端子に入力されて2値化信号を出力するコンパレータとにより構成したことを特徴とするデータ読取装置。
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