本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の記憶装置が有する記憶素子の一構成例に関して図面を用いて説明する。より具体的には、記憶装置の構成がパッシブマトリクス型の場合に関して示す。
図1(A)には本発明の記憶装置が有するメモリセルアレイ22の上面構造を示しており、図1(A)におけるA−B間の断面構造が図1(B)〜(F)に対応している。
メモリセルアレイ22には、メモリセル21がマトリクス状に設けられている(図1(A)参照)。メモリセル21は、記憶素子80を有する。記憶素子80は、絶縁表面を有する基板30上に、第1の方向に延びた第1の導電層31と、第1の導電層31の一部を覆う隔壁(絶縁層)36と、第1の導電層31、基板30、及び隔壁(絶縁層)36を覆う絶縁層29と、第1の方向と垂直な第2の方向に延びた第2の導電層28とを有する。また、ここでは、第2の導電層28を覆うように、保護膜として機能する絶縁層27を設ける(図1(B)参照)。
ここでは、隔壁(絶縁層)36は、第1の導電層31と並行な第1の方向にストライプ状に設けられ、且つ第1の導電層31の一方の第1の端部を覆う。また、絶縁層29は、少なくとも第1の導電層31の端部、基板30表面、及び隔壁(絶縁層)36それぞれの一部を覆う構造である。ここでは、絶縁層29は基板30上全面に設けられている。
第1の導電層31と第2の導電層28の材料には導電性の高い元素や化合物等を用いる。絶縁層29の材料には、電気的作用や光が照射されることにより、結晶状態や導電性、形状が変化する物質を用いる。上記構成を有する記憶素子は、電気的作用や光の照射の前後で導電性が変化するので、「初期状態」と「導電性変化後」とに対応した2値を記憶させることができる。
なお、電気的作用とは、第1の導電層31と第2の導電層28に電圧を印加することである。
ここで、電圧印加前後での記憶素子の導電性の変化について図2を用いて説明する。第1の導電層31と第2の導電層28との間に電圧を印加すると、第1の導電層31と第2の導電層28とが短絡し、記憶素子の導電性が高くなる。これは、電圧を印加すると、絶縁層29に電流が流れてジュール熱が発生するためである。この熱の発生と共に、絶縁層29の温度がガラス転移点以上に上昇し、絶縁層29が流動性を増し、膜厚が不均一になる。特に、第1の導電層31の端部31aにおいて流動性を増した絶縁層29が移動しやすくなる(図2(A)参照)。この結果、絶縁層29及び第2の導電層28が変形し、第1の導電層31と変形した第2の導電層28aとが短絡し、記憶素子の導電性が高くなる。なお、図2(B)において29aは変形した絶縁層である(図2(B)参照)。
また、第1の導電層31と第2の導電層28との間に、電圧を印加すると、絶縁層29で絶縁破壊が生じる場合もある。これは、第1の導電層31の端部において電界が集中しやすいため、絶縁層29において絶縁破壊が生じやすくなるためである。特に、第1の導電層31の端部において、絶縁層29の被覆率が低く膜厚が薄い領域29bにおいては、さらに絶縁破壊を起こしやすい(図2(C)参照)。
これの結果、低電圧で書き込みを行うことができる。すなわち、低消費電力で書き込みを行うことが可能である。
図1(A)に示す第1の導電層の端部31aは、基板30に対して垂直であってもよい。ここで、垂直とは、基板30と第1の導電層の端部の側面とが85度以上90度以下の角度を有することである。
また、エッチング条件を適宜適用することにより、テーパ形状の端部を有する第1の導電層を形成することができる。テーパ形状とは、第1の導電層の下地層(ここでは、基板30)に対して第1の導電層の側面が傾斜していることである。好ましくは、第1の導電層の下地層に対して第1の導電層の側面は、10度以上85度未満、好ましくは60度以上80度以下の傾斜角度、又は95度以上135度以下の傾斜角度を有する。
図1(C)においては、傾斜角度が10度以上85度以下、好ましくは60度以上80度以下のテーパ形状の端部32aを有する第1の導電層32を示す。
また、曲率(曲面)を有する端部33aを有する第1の導電層33を形成することができる。ここでは、液滴吐出法、印刷法等を用いて、導電性ペーストを塗布し焼成して、第1の導電層の断面が、第1の導電層の外側に凸状の曲率を有する(図1(D)参照)。導電性ペーストの代表例としては、径が数nm〜数μmの導電体粒子を溶媒又は分散媒に分散させたものを用いる。導電性粒子としては、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、及びBaのいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、又は分散性ナノ粒子を用いることができる。
また、第1の導電層34の断面が、第1の導電層の内側に凸状の曲率(曲面)を有する端部34aを有してもよい(図1(E)参照)。このような形状の第1の導電層は、導電層をウエットエッチングすることにより形成することができる。
さらには、第1の導電層は、記憶素子の上面から見た端部において、上記の形状を有する端部を複数有してもよい。図1(F)においては、複数の端部35a、35bを有する第1の導電層35を示す。
また、第1の導電層31〜35の表面に撥液層を設けてもよい。撥液層とは、ガラス転移点以上の温度で流動性を有する絶縁層29の接触角が40〜150度、好ましくは60〜120度となる層である。
撥液層の代表例としては、アルキル基やフッ化炭素鎖を有する化合物が挙げられる。
また、フッ化炭素鎖を有する有機樹脂(フッ素系樹脂)を用いることができる。フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;四フッ化エチレン樹脂)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA;四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、パーフルオロエチレンプロペンコーポリマー(PFEP;四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE;四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF;フッ化ビニリデン樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE;三フッ化塩化エチレン樹脂)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE;三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ポリビニルフルオライド(PVF;フッ化ビニル樹脂)等を用いることができる。
また、ガラス転移点以上の温度で流動性を有する絶縁層29を弾きやすくする材料として、Rn−Si−X(4−n)(n=1、2、3)の化学式で表される有機シランが挙げられる。ここで、Rは、フルオロアルキル基やアルキル基などの比較的不活性な基を含む物である。また、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基又はアセトキシ基など、基質表面の水酸基との縮合により結合可能な加水分解基からなる。
また、有機シランの一例として、Rにフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルシラン(以下、FASともいう。)を用いることにより、塗れ性を低下させることができる。FASのRは、(CF3)(CF2)x(CH2)y(x:0以上10以下の整数、y:0以上4以下の整数)で表される構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。代表的なFASとしては、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(FAS)が挙げられる。
また、有機シランの一例として、Rにアルキル基を有するアルコキシシランを用いることにより、塗れ性を低下させることができる。アルコキシシランとしては、炭素数2〜30のアルコキシシランが好ましい。代表的には、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)、エイコシルトリエトキシシラン、トリアコンチルトリエトキシシランがあげられる。なお、長鎖アルキル基を有するシラン化合物は、特に塗れ性を低下させることが可能であり好ましい。
さらには、絶縁層の材料がガラス転移点以上の温度で流動性を有する時に撥きやすくする材料としては、絶縁層の材料がガラス転移点以上の温度で有する接触角が、30度以上、好ましくは40度以上の材料を適宜用いることができる。
なお、隣接する各々のメモリセル間において横方向への電界の影響が懸念される場合は、マスクを用いて絶縁層29を各メモリセルごとに分離してもよい。
次に、図1とは異なるメモリセルアレイの構造を図3を用いて説明する。図3(A)に本発明の記憶装置が有するメモリセルアレイ22の上面構造を示す。また、図3(B)に図3(A)のA−B間の断面構造、図3(C)に図3(A)のC−D間の断面構造をそれぞれ示す。なお、図3(A)は、基板30上に第1の導電層31、層間絶縁層37、隔壁(絶縁層)38を形成したときの上面図であり、図3(B)、(C)は、これらの上に絶縁層29、第2の導電層28、絶縁層39を形成したときの断面図である。
メモリセルアレイ22には、メモリセル21がマトリクス状に設けられている(図3(A)参照)。メモリセル21は、記憶素子80を有する。記憶素子80は、絶縁表面を有する基板30上に、第1の方向に延びた第1の導電層31と、第1の導電層31の一部を覆う層間絶縁層37と、層間絶縁層上に設けられたテーパ形状の隔壁(絶縁層)38が形成される(図3(A))。また、第1の導電層31、基板30、及び隔壁(絶縁層)38を覆う絶縁層29と、第1の方向と垂直な第2の方向に延びた第2の導電層28とを有する。(図3(B)、(C))。
ここでは、テーパ形状の隔壁(絶縁層)38の側面は層間絶縁層表面に対して95度以上135度以下の傾斜角度を有する。
図3(A)において、第1の導電層31の一部を覆う層間絶縁層37は、各記憶素子80ごとに開口部26を有する。層間絶縁層37は、第1の導電層31の一方の端部を覆う。また、開口部26において他方の端部及び絶縁表面を有する基板30は層間絶縁層37に覆われていない。また、隔壁(絶縁層)38は層間絶縁層37において開口部26が形成されない領域に設けられる。
テーパ形状の隔壁(絶縁層)38はフォトリソグラフィ法に従い、未露光部分が残存するポジ型感光性樹脂を用い、パターンの下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって形成する。
テーパ形状の隔壁(絶縁層)38の高さは、絶縁層29及び第2の導電層28の膜厚の和より大きく設定する。この結果、基板30全面に絶縁層29及び第2の導電層28を蒸着する工程のみで、電気的に独立した複数の領域に分離され、且つ第1の方向と交差する方向に伸長するストライプ状の絶縁層29及び第2の導電層28を形成することができる。このため、工程数を削減することが可能である。なお、テーパ形状の隔壁(絶縁層)38上にも絶縁層29a及び導電層28aが形成されるが、絶縁層29及び導電層28とは分断される。
上記記憶素子80の構成において、基板30としては、ガラス基板や可撓性基板の他、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板、繊維質な材料からなる紙等を用いることができる。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、熱圧着可能な接着層を有するフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)を用いることもできる。また、この他にも、Si等の半導体基板上に形成された電界効果トランジスタ(FET)の上部や、ガラス等の基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)の上部にメモリセルアレイ22を設けることができる。
また、第1の導電層31〜35と第2の導電層28には、導電性の高い元素や化合物等用いる。代表的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、インジウム(In)、スズ(Sn)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。上記元素を複数含んだ合金としては、例えば、AlとTiを含んだ合金Al、TiとCを含んだ合金、AlとNiを含んだ合金、AlとCを含んだ合金、AlとNiとCを含んだ合金またはAlとMoを含んだ合金等を用いることができる。
第1の導電層31〜35は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、電解メッキ法、無電解メッキ法、または印刷法等を用いて形成してもよい。
第2の導電層28は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することができる。また、第2の導電層28も図1(B)乃至図1(E)の様な形状の端部31a〜35a、35bを有してもよい。ここでは、メタルマスクを用いた蒸着法によりチタンを蒸着して50〜200nmの第1の導電層31及び第2の導電層28を形成する。また、第1の導電層31〜35と第2の導電層28は別の方法を用いて形成してもよい。
本実施の形態において、メモリセルへのデータの書き込みは外部からの電気的作用または光が照射されることによって行うが、光が照射されることによりデータの書き込みを行う場合、第1の導電層31〜35と第2の導電層28のうち、一方または両方は透光性を有するように設ける。透光性を有する導電層は、透明な導電性材料を用いて形成するか、または、透明な導電性材料でなくても光を透過する厚さで形成する。透明な導電性材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。酸化珪素を含む酸化インジウムスズや、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。
絶縁層29は、有機絶縁物、外部からの電気的作用または光が照射されることにより導電性が変化する有機化合物、無機絶縁物、又は有機化合物と無機化合物とが混合してなる層で形成する。絶縁層29は、単層で設けてもよいし、複数の層を積層させて設けてもよい。また、有機化合物と無機化合物との混合層及び他の外部からの電気的作用または光が照射されることにより導電性が変化する有機化合物からなる層とを積層させて設けてもよい。
なお、絶縁層29は、外部からの電気的作用又は光が照射されることにより記憶素子の導電性が変化する膜厚で形成する。絶縁層29の代表的な膜厚は、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nmである。
絶縁層29としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等を用いることができる。
絶縁層29としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、エポキシ等に代表される有機樹脂を用いることができる。
また、絶縁層29を構成することが可能な、外部からの電気的作用または光が照射されることにより導電性が変化する有機化合物としては、正孔輸送性が高い有機化合物又は電子輸送性が高い有機化合物を用いることができる。
正孔輸送性の高い有機化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上10−2cm2/Vs以下の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性が高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
なお、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、正孔輸送性の高い有機化合物と電子を受け取りやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、キャリアをほとんど有さない有機化合物に多くのホールキャリアが発生し、極めて優れたホール注入性または輸送性を示す。その結果、絶縁層29は優れた導電性を得ることが可能となる。
電子を受け取りやすい無機化合物として、周期表第4族乃至第12族のいずれかの遷移金属の金属酸化物、金属窒化物または金属酸化窒化物を用いることができる。具体的には、チタン酸化物(TiOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、バナジウム酸化物(VOx)、モリブデン酸化物(MoOx)、タングステン酸化物(WOx)、タンタル酸化物(TaOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、コバルト酸化物(Cox)、レニウム酸化物(ReOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、亜鉛酸化物(ZnO)、ニッケル酸化物(NiOx)、銅酸化物(CuOx)等を用いることができる。また、ここでは具体例として酸化物を例に挙げたが、もちろんこれらの窒化物や酸化窒化物を用いてもよい。
電子輸送性の高い有機化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上10−2cm2/Vs以下の電子移動度を有する物質である。但し、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
なお、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、電子輸送性の高い有機化合物と電子を与えやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くの電子キャリアが発生し、極めて優れた電子注入性または輸送性を示す。その結果、有機化合物層は優れた導電性を得ることが可能となる。
電子を与えやすい無機化合物として、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、希土類金属窒化物を用いることができる。具体的には、リチウム酸化物(LiOx)、ストロンチウム酸化物(SrOx)、バリウム酸化物(BaOx)、エルビウム酸化物(ErOx)、ナトリウム酸化物(NaOx)、リチウム窒化物(LiNx)、マグネシウム窒化物(MgNx)、カルシウム窒化物(CaNx)、イットリウム窒化物(YNx)、ランタン窒化物(LaNx)等を用いることができる。
さらには、無機化合物として、有機化合物から電子を受け取りやすい無機化合物または有機化合物に電子を与えやすい無機化合物であれば何でもよく、アルミニウム酸化物(AlOx)、ガリウム酸化物(GaOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、ゲルマニウム酸化物(GeOx)、インジウム錫酸化物(ITO)等のほか、種々の金属酸化物、金属窒素化物または金属酸化窒化物を用いることができる。
また、絶縁層29が金属酸化物または金属窒化物の中から選ばれた化合物と正孔輸送性の高い化合物とから形成される場合、さらに立体障害の大きな(平面構造とは異なり空間的な広がりを有する構造をもつ)化合物を加えた構成としてもよい。立体障害の大きな化合物としては、5,6,11,12−テトラフェニルテトラセン(略称:ルブレン)が好ましい。但し、これ以外に、ヘキサフェニルベンゼン、t−ブチルペリレン、9,10−ジ(フェニル)アントラセン、クマリン545T等も用いることができる。この他、デンドリマー等も有効である。
さらには、電子輸送性の高い有機化合物で形成される層と、正孔輸送性の高い有機化合物で形成される層との間に、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−エニル)イル)エテニル]−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等の発光物質を設けてもよい。
また、絶縁層29には、光が照射されることにより、電気抵抗が変化する材料を用いることができる。例えば、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることができる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
絶縁層29は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いて形成することができる。また、有機化合物と無機化合物とを含む混合層は、各々の材料を同時に堆積させることにより形成することができ、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。
また、他の絶縁層29の形成方法として、スピンコート法、ゾル−ゲル法、印刷法または液滴吐出法等を用いてもよいし、上記方法とこれらを組み合わせてもよい。
また、本実施の形態では、上記構成において、第1の導電層31〜35と絶縁層29との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、またはダイオードである。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、読み出し誤差が減少し、読み出し電圧の幅(マージン)が向上する。なお、整流性を有する素子は、絶縁層29と第2の導電層28との間に設けてもよい。
ここで、本発明の記憶装置の構成とデータの書き込み方法について説明する。
図4に本発明の記憶装置の構成を示す。本発明の記憶装置508はカラムデコーダ501、ローデコーダ502、読み出し回路504、書き込み回路505、セレクタ503、メモリセルアレイ22を有する。メモリセルアレイ22は複数のメモリセル21を有する。メモリセル21は、記憶素子80を有する。記憶素子の各々は、ビット線Bm(1≦m≦x)を構成する第1の導電層、ワード線Wn(1≦n≦y)を構成する第2の導電層、ビット線とワード線との間に設けられた絶縁層を有する。なお、ここで示す記憶装置508の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
カラムデコーダ501はメモリセルアレイの列を指定するアドレス信号を受けて、指定列のセレクタ503に信号を与える。セレクタ503はカラムデコーダ501の信号を受けて指定列のビット線を選択する。ローデコーダ502はメモリセルアレイの行を指定するアドレス信号を受けて、指定行のワード線を選択する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つのメモリセル21が選択される。読み出し回路504は選択されたメモリセルが有するデータを読み出し、増幅して出力する。書き込み回路505は書き込みに必要な電圧を生成し、選択されたメモリセルの記憶素子に電圧を印加することでデータの書き込みを行う。
図4(B)に本発明の記憶装置が有する書き込み回路505の構成を示す。書き込み回路505は電圧発生回路701、タイミング制御回路702、スイッチSW0、SW1、出力端子Pwを有する。電圧発生回路701は昇圧回路等で構成され、書き込みに必要な電圧V1を生成し、出力端子Paから出力する。タイミング制御回路702は、書き込み制御信号(WEと記載する)、データ信号(DATAと記載する)、クロック信号(CLKと記載する)等からスイッチSW0、SW1をそれぞれ制御する信号S0、S1を生成し、それぞれ出力端子P0、P1から出力する。スイッチSW0は接地とPwとの接続、SW1は電圧発生回路701の出力端子PaとPwとの接続をON/OFFして、書き込み回路の出力端子Pwからの出力電圧Vwを切り替えることができる。
次に記憶素子の導電性を変化させていない初期状態を「0」とし、記憶素子の導電性を変化させる短絡状態の場合を「1」としたときの書き込み動作について説明する。まず入力信号WEがHiになると、列を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ501は指定列のセレクタ503に信号を与え、セレクタ503は指定列のビット線を書き込み回路の出力端子Pwに接続する。指定されていないビット線は非接続(フローティングと記載する)状態となっており、書き込み回路の出力電圧VwはV1となる。同様に行を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ502は指定行のワード線に電圧V2を印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つの記憶素子が選択される。
入力信号WEがLoになると、全てのワード線は0Vとなり、全てのビット線は Floating状態となる。同時にタイミング制御回路は信号S0、S1=Loを生成して出力端子P0、P1から出力し、書き込み回路の出力端子PwはFloating状態となる。上記動作により、書き込みは行われなくなる。
このようにして「1」の書き込みを行うことができる。
続いて、光が照射されることによりデータの書き込みを行う場合について説明する。この場合、レーザ照射装置により、透光性を有する導電層側から、絶縁層に対して、レーザ光を照射することにより行う。
絶縁層に選択的にレーザ光を照射することにより、絶縁層が酸化又は炭化して絶縁化する。そうすると、レーザ光が照射された記憶素子80の抵抗値は増加し、レーザ光が照射されない記憶素子80の抵抗値は変化しない。
次に、データの読み出しについて説明する。図11には、読み出しを説明するために必要な部分を抽出した記憶装置を示す。記憶装置はカラムデコーダ2001、ローデコーダ2002、読み出し回路2003、セレクタ2005、メモリセルアレイ2006を有する。メモリセルアレイ2006はビット線Bm(1≦m≦x)、ワード線Wn(1≦n≦y)、ビット線とワード線との交点にx×y個のメモリセル2011を有する。本実施の形態では、メモリセル2011は記憶素子2013を有する。読み出し回路2003は電圧発生回路2007、センスアンプ2008、抵抗素子2009、データ出力回路2010、入出力端子Prを有し、抵抗素子2009と入出力端子Prとの間からセンスアンプ2008に入力する点をαとする。
電圧発生回路2007は読み出し動作に必要な電圧Vread、Vrefを生成し、それぞれP1、P2から出力する。データの読み出しは低い電圧を使用するため、電圧Vreadは電源電圧(VDD)を使用することも可能である。電圧Vrefは電圧Vreadよりも低い電圧であり、電源電圧と接地電圧との間の電圧の抵抗分割により生成する。したがって読み出し回路2003が有する電圧発生回路2007は、書き込み回路が有する電圧発生回路とは異なる構成を有する。センスアンプ2008は点αの電圧と電圧Vrefとの大小を比較してその結果を出力する。データ出力回路2010は読み出し制御信号(以降REと記す)により制御され、センスアンプ2008の出力からメモリセルが有するデータを取得し、当該データを増幅して出力する。
次に、m列n行目のメモリセル2011が有するデータを読み出す動作を説明する。まず、列を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ2001はm列のセレクタ2005に信号を与え、セレクタ2005はm列のビット線Bmを読み出し回路の入出力端子Prに接続する。指定されていないビット線は非接続(Floating)状態となる。同様に行を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ2002はn行のワード線Wnに電圧Vreadを印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。同時に電圧発生回路2007の出力端子P1、P2から電圧Vread、Vrefを出力する。上記動作によって抵抗素子2009と記憶素子2013の直列抵抗に電圧Vreadを印加した状態となり、点αの電圧はこれら二つの素子によって抵抗分割により得られた値を取る。
ここで点αの取りうる電圧を説明するために、図14に「1」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2115、「0」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2116、抵抗素子2009のI−V特性2117を示す。ここで抵抗素子2009はトランジスタとする。また図14の横軸は点αの電圧を示す。「1」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2115は、記憶素子2113の電気抵抗が小さいため、点αの電圧が低くても電流値が急激に増大する。「0」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2116は、記憶素子2113がダイオード特性を示すため、点αの電圧がある値以上になると電流値が変化する。抵抗素子2009のI−V特性2117は、点αの電圧が上昇すると電流値が減少し、点αの電圧がVreadで電流値が0となる。
図14から点αの取りうる電圧は次のように説明できる。記憶素子2113に「1」が書き込まれているときは、「1」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2115と抵抗素子2009のI−V特性2117との交点Aの電圧VAが点αの電圧となる。また記憶素子2113に「0」が書き込まれているときは、「0」の書き込みを行った記憶素子のI−V特性2116と抵抗素子2009のI−V特性2117との交点Bの電圧VBが点αの電圧となる。
またセンスアンプ2008は点αの電圧とVrefとの大きさを比較する機能を有している。ここで電圧Vrefは電圧VAよりも大きく電圧VBよりも小さい電圧とし、望ましくは(VA+VB)/2とする。このように電圧を設定することで、センスアンプ2008により点αの電圧がVrefよりも小さいと判断された場合、点αの電圧は電圧VAであると考えられ、記憶素子2113には「1」が書き込まれていることが分かる。逆に点αの電圧がVrefよりも大きいと判断された場合、点αの電圧は電圧VBであると考えられ、記憶素子2113には「0」が書き込まれていることが分かる。
点αの電圧がVrefよりも小さい場合、センスアンプは「1」を示す信号を出力し、点αの電圧がVrefよりも大きい場合、センスアンプは「0」を示す信号を出力する。データ出力回路2110は、外部から入力される制御信号REを基に、センスアンプ2008の出力信号からデータを取り込み、当該データを増幅して出力する機能を有している。上記の動作により読み出しを行うことができる。
本実施の形態は記憶素子の抵抗値を電圧の大きさに置き換えて読み取っているが、本発明はこれに限定されずに実施することができる。例えば記憶素子の抵抗値を電流の大きさに置き換えて読みとる方法や、ビット線をプリチャージする方法を採用することも可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1とは異なる構成を有する記憶装置について説明する。具体的には、記憶装置の構成がアクティブマトリクス型の場合に関して示す。
本実施の形態で示す記憶装置の一構成例は、実施の形態1に示す記憶装置508と同様に、カラムデコーダ501、ローデコーダ502、読み出し回路504、書き込み回路505、セレクタ503、メモリセルアレイ222を有する。メモリセルアレイ222はビット線Bm(1≦m≦x)、ワード線Wn(1≦n≦y)、ビット線とワード線との交点にx×y個のメモリセル221を有する(図5参照))。
メモリセル221は、ビット線Bm(1≦m≦x)を構成する第1の配線と、ワード線Wn(1≦n≦y)を構成する第2の配線と、トランジスタ240と、記憶素子241とを有する。記憶素子241は、一対の導電層の間に、絶縁層が挟まれた構造を有する。なお、ここで示す記憶装置216の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
次に、上記構成を有するメモリセルアレイ222の上面図と断面図の一例に関して図6を用いて説明する。なお、図6(A)はメモリセルアレイ222の上面図の一例を示しており、図6(B)は図6(A)におけるA−B間の断面図を示している。
メモリセルアレイ222は、絶縁表面を有する基板230上にスイッチング素子として機能するトランジスタ240および当該トランジスタ240に接続された記憶素子241とを複数有している(図6(A)、図6(B)参照。)。記憶素子241は、絶縁層247上に形成される第1の導電層243と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)249と、第1の導電層243の端部、絶縁層247、及び隔壁(絶縁層)249を覆う絶縁層244と、第2の導電層245とを有する。また、絶縁層244は第1の導電層243と第2の導電層245間に挟まれて設けられている。また隔壁(絶縁層)249は、開口部242を有する。また、当該開口部242において絶縁層244は、第1の導電層243の端部及び絶縁層247の一部を覆っている。また、トランジスタ240として、TFTを用いている(図6(B)参照。))。
さらには、トランジスタ240はスイッチング素子として機能し得るものであれば、どのような構成で設けてもよい。代表的には、有機化合物を用いて有機トランジスタを形成してもよい。図6(A)では、絶縁性を有する基板上にプレーナ型の薄膜トランジスタを設けた例を示しているが、スタガ型や逆スタガ型等の構造でトランジスタを形成することも可能である。
また、単結晶基板やSOI(silicon on insulator)基板を用いて、トランジスタを形成し、その上に記憶素子を設けてもよい。SOI基板はウェハの貼り合わせによる方法や酸素イオンをSi基板内に打ち込むことにより内部に絶縁層を形成するSIMOX(separation by implanted oxygen)と呼ばれる方法を用いて形成すればよい。ここでは、図6(C)に示すように、単結晶半導体基板260上に設けられた電界効果トランジスタ262に記憶素子241が接続されている。また、電界効果トランジスタ262のソース電極およびドレイン電極を覆うように絶縁層250を設け、当該絶縁層250上に記憶素子241を設けている。
記憶素子241は、絶縁層250上に形成される第1の導電層263と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)249と、第1の導電層263の端部、絶縁層250、及び隔壁(絶縁層)249を覆う絶縁層244と、第2の導電層245とを有する。また、絶縁層244は第1の導電層263と第2の導電層245間に挟まれて設けられている。また隔壁(絶縁層)249は、開口部242を有する。また、当該開口部242において絶縁層244は、第1の導電層263の端部及び絶縁層250の一部を覆っている。
このように、絶縁層250を設けて記憶素子241を形成することによって第1の導電層263を自由に配置することができる。つまり、図6(A)、(B)の構成では、トランジスタ240のソースまたはドレイン電極を避けた領域に記憶素子241を設ける必要があったが、上記構成とすることによって、例えば、素子形成層251に設けられたトランジスタ240の上方に記憶素子241を形成することが可能となる。その結果、記憶装置216をより高集積化することが可能となる。
なお、図6(B)、(C)に示す構成において、絶縁層244は基板全面に設けた例を示しているが、各メモリセルのみに絶縁層244を選択的に設けてもよい。この場合、液滴吐出法等を用いて選択的に設けることにより材料の利用効率を向上させることが可能となる。
また、トランジスタに含まれる半導体層の構造もどのようなものを用いてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型またはnチャネル型のどちらで形成してもよい。また、ゲート電極の側面と接するように絶縁層(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース、ドレイン領域とゲート電極の一方または両方にシリサイド層を形成してもよい。シリサイド層の材料としては、ニッケル、タングステン、モリブデン、コバルト、白金等を用いることができる。
第1の導電層243、263と第2の導電層245の材料および形成方法は、上記実施の形態1で示した材料および形成方法のいずれかを用いて同様に行うことができる。
また、絶縁層244は、上記実施の形態1で示した絶縁層29と同様の材料および形成方法を用いて設けることができる。
また、第1の導電層243、263と絶縁層244との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。なお、整流性を有する素子は、絶縁層244と第2の導電層245との間に設けてもよい。
また、基板230上に剥離層を設け、剥離層上に複数のトランジスタを有する層248及び記憶素子241を形成した後、複数のトランジスタを有する層248及び記憶素子241を剥離層から剥離し、基板461上に接着層462を介してトランジスタを有する層248及び記憶素子241を貼り合わせても良い(図9参照))。なお剥離方法としては、(1)耐熱性の高い基板と複数のトランジスタを有する層の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該複数のトランジスタを有する層を剥離する方法、(2)透光性を有する基板と複数のトランジスタを有する層の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、水素を含む非晶質珪素膜にレーザ光を照射する方法、またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該複数のトランジスタを有する層を透光性を有する基板から剥離する方法、(3)複数のトランジスタが形成された耐熱性の高い基板を機械的に削除する方法、(4)耐熱性の高い基板と複数のトランジスタを有する層の間に剥離層及び金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、剥離層の一部を溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において物理的に剥離する方法、(5)基板230に、耐熱性を有する基板を用い、当該基板230と複数のトランジスタを有する層248との間に剥離層及び金属酸化膜を設け、金属酸化膜を脆弱化し、トランジスタ240の導電層を絶縁する絶縁層及び絶縁層249の一部にレーザ光を照射して、開口部(剥離層の一部を露出する開口部)を形成した後、脆弱化された金属酸化膜を用いて物理的に基板230から複数のトランジスタを有する層248及び記憶素子241を剥離する方法等を用いればよい。
また、基板461としては、実施の形態1で示した基板30で示した可撓性基板、熱圧着可能な接着層を有するフィルム、繊維質な材料からなる紙等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
次に、記憶装置216にデータの書き込みを行うときの動作について説明する(図5)。書き込み回路は図4(B)と同じ構成を有する。
図5に示すように、メモリセルはトランジスタ240と記憶素子241とを有する。本明細書の添付図において記憶素子は長方形を用いて表す。トランジスタ240はゲート電極にワード線が接続され、一方の高濃度不純物領域にビット線が接続され、もう一方の高濃度不純物領域に記憶素子241の第1の導電層が接続されている。記憶素子241の第2の導電層はメモリセルアレイ内の全記憶素子の第2の導電層と導通しており、記憶装置の動作時、つまり書き込み時、読み出し時に一定の電圧が印加される。したがって、本明細書において第2の導電層を共通電極と記載する場合がある。
次に記憶素子の導電性を変化させていない初期状態を「0」とし、記憶素子の導電性を変化させる短絡状態の場合を「1」としたときの書き込み動作について説明する。まず入力信号WEがHiになると、列を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ501は指定列のセレクタ503に信号を与え、セレクタ503は指定列のビット線を書き込み回路の出力端子Pwに接続する。指定されていないビット線は非接続(フローティングと記載する)状態となっており、書き込み回路の出力電圧VwはV1となる。同様に行を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ502は指定行のワード線に電圧V2を印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つの記憶素子241が選択される。このとき共通電極には、0Vが印加される。
同時に入力信号DATA=Hiを受けることにより、電圧発生回路701は電圧V1を生成し、出力端子Paから出力することができる。タイミング制御回路702は入力信号WE、DATA、CLK、電源電位(VDD)等から、スイッチSW0、SW1を制御する信号S0、S1を生成し、出力端子P0、P1から出力することができる。当該信号によりスイッチSW0、SW1のON/OFFが切り替わり、書き込み回路505は出力端子Pwから出力電圧Vwとして電圧V1を出力することができる。
選択された記憶素子は、上記動作によりワード線に電圧V2が印加され、ビット線に電圧V1が印加され、共通電極に0Vが印加されることとなる。するとトランジスタ240の不純物領域が導通して、ビット線の電圧V1が記憶素子の下部電極に印加される。その結果、記憶素子の導電性が変化し、短絡状態となり「1」が書き込まれる。
また入力信号WEがLo(書き込み不許可となる低い電圧)になると、全てのワード線は0Vとなり、全てのビット線と共通電極は フローティング状態となる。このときタイミング制御回路は信号S0、S1としてそれぞれLoを生成し、出力端子P0、P1から出力し、出力端子Pwはフローティング状態となる。上記動作により、書き込みは行われなくなる。
次に、「0」の書き込みを説明する。「0」の書き込みは記憶素子の導電性を変化させない書き込みであり、これは記憶素子に電圧を印加しない、つまり初期状態を維持することで実現される。まず「1」の書き込みと同様に入力信号WEがHi(書き込み許可となる高い電圧)になると、列を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ501は指定列のセレクタに信号を与え、セレクタ503は指定列のビット線を書き込み回路の出力端子Pwに接続する。このとき指定されていないビット線はフローティング状態となる。同様に行を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ502は指定行のワード線に電圧V2を印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つの記憶素子507が選択される。このとき共通電極には、0Vが印加される。
同時に入力信号DATA=Loを受け、タイミング制御回路702はそれぞれ制御信号S0=Hi、S1=Loを生成し、当該制御信号を出力端子P0、P1からそれぞれ出力する。当該制御信号によりスイッチSW0はオン、SW1はオフとなり、出力端子Pwから出力電圧Vwとして0Vを出力する。
選択されたメモリセルは、上記動作によりワード線にV2が印加され、ビット線と共通電極に0Vが印加される。すると記憶素子には電圧が印加されず、導電性は変化しないので、初期状態である「0」を維持する。
入力信号WEがLoになると、全てのワード線は0V、全てのビット線と共通電極は フローティング状態となる。同時にタイミング制御回路は信号S0、S1としてLoを生成して、それぞれ出力端子P0、P1から出力し、出力端子Pwはフローティング状態となる。
このようにして「1」又は「0」の書き込みを行うことができる。
本実施の形態の記憶装置はカラムデコーダ2001、ローデコーダ2002、読み出し回路2003、セレクタ2005、メモリセルアレイ2006を有する。メモリセルアレイ2006はビット線Bm(1≦m≦x)、ワード線Wn(1≦n≦y)、ビット線とワード線との交点にx×y個のメモリセル2011を有する。本実施の形態では、メモリセル2011はトランジスタ2012、記憶素子2013、共通電極2014を有する(図11(B)参照))。なお、読み出し動作は実施の形態1と同様である。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
第1の導電層の端部を覆う絶縁層を有する記憶素子を有することによって、データの書き込み時の駆動電圧を低下することが可能である。この結果、低消費電力の記憶装置及び半導体装置を提供することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示す記憶装置を有する半導体装置の一例に関して図面を用いて説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データの伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合がある。
まず、複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合の半導体装置の一構成例を図7を用いて説明する。
図7(A)はパッシブマトリクス型で構成される記憶装置を有する半導体装置を示しており、基板350上にトランジスタ451、452を含む素子形成層351が設けられ、素子形成層351の上方に記憶素子352とアンテナとして機能する導電層353が設けられている。ここでは、記憶装置を構成するトランジスタ452と、電源回路、クロック発生回路、またはデータ復調・変調回路を構成するトランジスタ451を示す。
なお、ここでは素子形成層351の上方に記憶素子352及びアンテナとして機能する導電層353、360を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子352またはアンテナとして機能する導電層353を、素子形成層351の下方や同一の層に設けることも可能である。
記憶素子352は、絶縁層247上に形成される第1の導電層361と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層361の端部、絶縁層247、及び隔壁(絶縁層)374を覆う絶縁層362と、第2の導電層363とを有する。また、絶縁層362は第1の導電層361と第2の導電層363間に挟まれて設けられている。また隔壁(絶縁層)374は、開口部を有する。また、当該開口部において絶縁層362は、第1の導電層361の端部及び絶縁層247の一部を覆っている。また、トランジスタ451に接続される導電層360及び導電層360上に形成される導電層353を有する。なお、導電層360、353はアンテナとして機能する。また、第2の導電層363及びアンテナとして機能する導電層353を覆って保護膜として機能する絶縁層366が形成されている。また、記憶素子352が形成される第1の導電層361は、一つのトランジスタのソース電極またはドレイン電極に接続する。なお、図7(A)においては、記憶素子352一つを示すが、第1の導電層361の他の一辺の端部においても記憶素子が形成されている。また、記憶素子352は上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。
また、記憶素子352において、上記実施の形態で示したように、第1の導電層361と絶縁層362との間、または絶縁層362と第2の導電層363との間に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子も上述したものを用いることが可能である。
ここでは、アンテナとして機能する導電層353は第2の導電層363と同時に形成された導電層360上に設けられている。
アンテナとして機能する導電層353の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、アンテナとして機能する導電層353の形成方法は、蒸着、スパッタ、CVD法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
素子形成層351に含まれるトランジスタ451、452は、実施の形態2で示すトランジスタ240、262を適宜用いることができる。
また、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いて素子形成層351、記憶素子352、及びアンテナとして機能する導電層353を基板350から剥離し、基板461上に接着層462を用いて貼り付けてもよい(図10(A)参照))。基板461としては、実施の形態1の基板30で示した可撓性基板、熱圧着可能な接着層を有するフィルム、繊維質な材料からなる紙等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
図7(B)にアクティブマトリクス型の記憶装置を有する半導体装置の一例を示す。なお、図7(B)については、図7(A)と異なる部分に関して説明する。
図7(B)に示す半導体装置は、基板350上にトランジスタ451、452を含む素子形成層351が設けられ、素子形成層351の上方に記憶素子部356とアンテナとして機能する導電層353、360が設けられている。なお、ここではトランジスタ451と同一の層に記憶素子部356のスイッチング素子として機能するトランジスタ452を設け、素子形成層351の上方に記憶素子部356とアンテナとして機能する導電層353を設けた場合を示しているが、この構成に限られずトランジスタ452を素子形成層351の上方や下方に設けてもよいし、記憶素子部356やアンテナとして機能する導電層353を、素子形成層351の下方や同一の層に設けることも可能である。
記憶素子部356は、記憶素子356a、356bで構成される。記憶素子356aは、絶縁層247上に形成される第1の導電層371aと、第1の導電層371aの一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層371aの端部、絶縁層247、及び隔壁(絶縁層)374を覆う絶縁層372と、第2の導電層373とを有する。また、絶縁層372は第1の導電層371aと第2の導電層373間に挟まれて設けられている。また隔壁(絶縁層)374は、開口部を有する。また、当該開口部において絶縁層372は、第1の導電層371aの端部及び絶縁層247の一部を覆っている。記憶素子356bは、絶縁層247上に形成される第1の導電層371bと、第1の導電層371bの一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層371bの端部、絶縁層247、及び隔壁(絶縁層)374を覆う絶縁層372と、第2の導電層373とを有する。また、絶縁層372は第1の導電層371bと第2の導電層373間に挟まれて設けられている。また隔壁(絶縁層)374は、開口部を有する。また、当該開口部において絶縁層372は、第1の導電層371bの端部及び絶縁層247の一部を覆っている。また、ここでは、トランジスタそれぞれのソース電極またはドレイン電極に、第1の導電層371a、第1の導電層371bが接続されている。すなわち、記憶素子はそれぞれひとつのトランジスタに接続されている。
なお、記憶素子356a、356bは上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。また、記憶素子356a、356bにおいても、上述したように、第1の導電層371a、371bと絶縁層372との間、または絶縁層372と第2の導電層373との間に整流性を有する素子を設けてもよい。
また、素子形成層351、記憶素子部356、アンテナとして機能する導電層353は、上述したように蒸着、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。なお、各場所によって異なる方法を用いて形成してもかまわない。
また、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いて素子形成層351、記憶素子部356、及びアンテナとして機能する導電層353を基板から剥離し、基板461上に接着層462を用いて貼り付けてもよい(図10(B)参照))。
なお、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。センサとしては、温度、湿度、照度、ガス(気体)、重力、圧力、音(振動)、加速度、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出する素子が挙げられる。センサは、代表的には抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード、ピエゾ素子、静電容量型素子、圧電素子などの素子で形成される。
次に、複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合の半導体装置の一構成例に関して図8を用いて説明する。なお、図8に関しては図7と異なる部分に関して説明を行う。
図8(A)はパッシブマトリクス型の記憶装置を有する半導体装置を示しており、基板350上に素子形成層351が設けられ、素子形成層351の上方に記憶素子352が設けられ、基板365に設けられたアンテナとして機能する導電層357が素子形成層と電気的に接続するように設けられている。なお、ここでは素子形成層351の上方に記憶素子352またはアンテナとして機能する導電層357を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子352を素子形成層351の下方や同一の層に、またはアンテナとして機能する導電層357を素子形成層351の下方に設けることも可能である。
記憶素子352は、図7(A)に示す構成の記憶素子352で構成することができる。
また、素子形成層351と記憶素子352とが設けられた基板350と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365は、接着性を有する樹脂375により貼り合わされている。そして、接続端子358と導電層357とは樹脂375中に含まれる導電性微粒子359を介して電気的に接続されている。また、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合を行う方法を用いて素子形成層351と記憶素子352が設けられた基板350と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365とを貼り合わせてもよい。
図8(B)は実施の形態2に示した記憶装置が設けられた半導体装置を示しており、基板350上にトランジスタ451、452を含む素子形成層351が設けられ、素子形成層351の上方に記憶素子部356が設けられ、基板365に設けられたアンテナとして機能する導電層357が素子形成層と接続するように設けられている。なお、ここでは素子形成層351においてトランジスタ451と同一の層にトランジスタ452を設け、素子形成層351の上方にアンテナとして機能する導電層357を設けた場合を示しているが、この構成に限られない。記憶素子部356を素子形成層351の下方や同一の層に、またはアンテナとして機能する導電層357を素子形成層351の下方に設けることも可能である。
また、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いて素子形成層351、記憶素子部356、及びアンテナとして機能する導電層357を基板350から剥離し、基板461上に接着層462を用いて貼り付けてもよい。(図15(A)参照))。
記憶素子部356は、図7(B)に示す構成の記憶素子356a、356bで構成することができる。
また、図8(B)においても素子形成層351と記憶素子部356が設けられた基板と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365は、導電性微粒子359を含む樹脂375により貼り合わせることにより設けることができる。
また、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いて素子形成層351、記憶素子部356、及びアンテナとして機能する導電層357を基板350から剥離し、基板461上に接着層462を用いて貼り付けてもよい。(図15(B)参照))。
さらには、記憶素子352、356a、356bを、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365に設けてもよい。また、図7(A)及び(B)に示す半導体装置と同様に、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
第1の導電層の端部を覆う絶縁層を有する記憶素子を有することによって、データの書き込み時の駆動電圧を低下することが可能である。この結果、低消費電力の記憶装置及び半導体装置を提供することができる。