JP2006253125A - 光源、固体発光素子モジュール、蛍光体モジュール、配光素子モジュール、照明装置及び画像表示装置、並びに、光源の調光方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれ異なる波長の一次光を発する複数の一次光源を備えた光源において、一次光のCIE色度座標の差の最大値を0.05以上にし、一次光が所望の照射面において同一の配光特性を有するようにし、発光効率を30lm/W以上にし、平均演色評価数を60以上にする。固体発光素子2と蛍光体部3とを用いて一次光源1を構成する場合には、固体発光素子2自体が発する光のほか、固体発光素子2が発した光を吸収して蛍光体部3内の蛍光体が発する光を一次光として用いることができる。このため、可視光のほか、蛍光体部3内の蛍光体の励起光として用いることができる可視光以外の光(例えば紫外線)を発する固体発光素子2を用いることもできる。
【選択図】 図3
Description
例えば、画像表示装置の一例としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた画像表示装置が挙げられる。これは、電子ビームを用いてブラウン管表面に塗布した蛍光体を励起し2次元的に発光させ、それにより画像を表示するものである。
また、他の例としては、PDPを用いた画像表示装置が挙げられる。これは、2次元的にパーテーションで区切った微小区間にNe−XeあるいはHe−Xeガスを封入し、プラズマ放電によってガスを励起し、所定の波長の紫外線を発光させ、この紫外線により2次元的に塗布された赤色、緑色及び青色の各蛍光を発する蛍光体を励起・発光させ、画像を表示するようになっている。
例えば、蛍光灯の調光方法としては、パルス幅変調(以下適宜、「PWM」という)回路を用い、PWM電圧で放電電圧のパワーを調整し、発光量を調節することがなされている。これにより、蛍光灯の発光量を照明レベルで調光できる。ただし色温度を可変にする事はできない。
他に、白熱電球に対して可変抵抗等を用い、印加電圧を可変にする事により色温度と発光量を調節できる。
また、例えば、蛍光灯、CRT、PDP、EL、OEL、OLED、LEDなどの光源においても、PWM回路を用いてPWM電圧を調整して発光量を調整することがなされている。
ところが、上記の多点発光を利用した光源においては、合成光の元となる一次光を均一に合成し、照射面を均一な色で照らすことが困難であり、照射面においてしばしば色に歪が生じていた。
また、従来の多点発光を利用した光源は、照射面を照らす合成光の演色性に改善の余地があった。
また、本発明の固体発光素子モジュール、蛍光体モジュール、及び配光素子モジュールによれば、本発明の光源を構成要素毎に交換することが可能となる。
さらに、本発明の別の光源、及び本発明の調光方法によれば、発する光の色温度を調整することが可能となる。
また、本発明の照明及び画像表示装置によれば、高い演色性を有する均一な色の光で、所望の照射面を高い発光効率で照らすこと、又は、発する光の色温度を調整することの少なくともいずれかが可能となる。
本実施形態の光源は、それぞれ異なる波長の一次光を発する複数の一次光源を備え、その一次光源が発する一次光を合成した合成光を発するようになっている。
[1.合成光]
本実施形態にかかる合成光は、本実施形態の光源から発せられる光であり、通常は、所望の照射面を照らすために用いられる。ここで照射面とは、本実施形態の光源が照らそうとする面のことを指す。以下、本実施形態にかかる合成光について詳細に説明する。
本実施形態にかかる合成光の波長はその用途等に応じて任意に設定することができるが、通常400nm以上、好ましくは420nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常750nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは650nm以下である。この範囲を外れると、光源としての輝度が低くなりすぎる虞がある。なお、合成光の波長は、例えば放射輝度計、蛍光分光光度計などにより測定することができる。
また、本実施形態にかかる光源の輝度もその用途等に応じて任意に設定することができるが、通常1000カンデラ/m2以上、好ましくは5000カンデラ/m2以上、より好ましくは10000カンデラ/m2以上、また、通常100万カンデラ/m2以下、好ましくは50万カンデラ/m2以下、より好ましくは10万カンデラ/m2以下である。この範囲の下限を下回ると合成光が弱すぎるため照射面が暗くなりすぎて本実施形態の光源を照明装置(以下適宜、「照明」という)用途に使えなくなる虞があり、上限を上回ると合成光が眩しすぎて本実施形態の光源を照明に使えなくなる虞がある。なお、合成光の輝度は、例えば色彩輝度計などにより測定することができる。
さらに、本実施形態にかかる合成光の色もその用途等に応じて任意に設定することができるが、通常は白色、電球色等の色にすることが好ましく、中でも白色にすることがより好ましい。合成光の色を白色とすることにより、ものが自然に見える、即ち、太陽光によるものの見え方に近い見え方にすることができるという利点を得ることができる。ここで、白色とは、JIS Z8110の色区分に規定する白色のことを指す。
また、合成光の色は、照射面における色を色彩輝度計、放射輝度計などで測定することで確認することができる。なお、照射面とは、本実施形態の光源を用いて照らそうとする面のことを指すが、例えば、本実施形態の光源を室内照明用途に用いる場合には、本実施形態の光源から通常2.5m以上離れた面を照射面として合成光の色を確認することができる。
さらに、本実施形態にかかる合成光の色温度もその用途等に応じて任意に設定することができるが、通常2000K以上、好ましくは2500K以上、より好ましくは4000K以上、また、通常12000K以下、好ましくは10000K以下、より好ましくは7000K以下である。この範囲の光は、寒色、暖色の見え方が良好であるため、一般に良く使用される。また、この範囲を外れると、通常用途の照明器具に本実施形態の光源を用いることが困難となる。なお、合成光の色温度は、例えば色彩輝度計、放射輝度計などにより測定することができる。
さらに、本実施形態にかかる合成光のスペクトルは、通常、一次光のスペクトルを組み合わせたものになる。また、合成光のスペクトルは、可視光の連続光になることが良好な演色性を示す照明装置が得られるので好ましく、さらに、可能な限りプランク放射に近いほうが好ましい。
なお、合成光のスペクトルは、分光光度計により測定することができる。
また、本実施形態にかかる合成光は、各一次光源から発せられる一次光を合成した合成光であるにもかかわらず、本実施形態の光源から所望の距離だけ離れた照射面において、その色が均一化するようになっている。即ち、それぞれ異なる波長、及び、異なる色の光として発せられたはずの一次光が、所望の距離以上はなれた照射面においては、均一の色の光として現れる。これは、一次光源の配置、強度、種類などによらずその配光特性を調整することにより実現できる現象であり、従来知られていなかった驚くべき現象である。なお、この現象のメカニズムは、一次光の説明と共に後述する。
[2−1.一次光]
一次光は、一次光源から発せられる光であり、本実施形態の光源では、各一次光源から発せられる一次光を合成して目的とする合成光を合成するようになっている。また、一次光の種類の数(通常は、一次光源の種類の数に一致する)は2以上であれば任意であるが、通常は、装置構成を簡単にする観点から3種類又は4種類を用いる。
以下、一次光について詳細に説明する。
本実施形態にかかる一次光の波長はその用途等に応じて任意に設定することができる。通常用いられる一次光の波長の範囲及びその測定方法は、上記合成光の範囲と同様である。
さらに、本実施形態にかかる一次光の輝度もその用途等に応じて任意に設定することができる。通常用いられる一次光の輝度及びその測定方法も、上記合成光と同様である。
さらに、本実施形態にかかる一次光の色もその用途等に応じて任意に設定することができる。例えば、合成光の色を白色とする場合、橙色(オレンジ)、黄色(イエロー)、緑色(グリーン)、青色(ブルー)を組み合わせることができる。また、例えば、合成光の色を白色とする場合、赤色(レッド)、緑色(グリーン)及び青色(ブルー)を組み合わせることもできる。さらに、ここで例示したものの中でも、通常は、一次光としてレッド、グリーン及びブルーの組み合わせを用いる。ここで、各色の定義は、JIS Z8110の色区分に規定する色のことを指す。
また、一次光の色が緑色(中心波長が515〜535nmの光)である場合、そのCIE色度図における当該一次光の色度座標の値はyができるだけ大きいことが好ましい。
さらに、一次光の色が赤色(中心波長が640〜660nmの光)である場合、そのCIE色度図における当該一次光の色度座標の値はxができるだけ大きいことが好ましい。
これらは、多様な色の合成光を合成することを可能にするためである。
なお、一次光の色は、合成光の色と同様に測定することができる。
さらに、本実施形態にかかる合成光のスペクトルは、通常、一次光のスペクトルを組み合わせたものになる。また、本実施形態の光源を照明用途に用いる場合、一次光のスペクトルは、通常はブロードになるものが好ましい。さらに、合成光のスペクトルは、連続スペクトルとなることがさらに好ましい。一方、本実施形態の光源を画像表示装置や色調を大きく制御して変化させる必要のある特殊照明装置に使用する場合には、一次光のスペクトルは、通常はシャープになるものが好ましい。さらに、合成光のスペクトルは、独立した多数のピークを持つスペクトルとなることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態の光源においては、各一次光のCIE色度座標の差の最大値が、通常0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.4以上であることが望ましい。本実施形態にかかる合成光の色調の調整範囲が広がり、色再現範囲を広げることが可能となるためである。
ここで、CIE色度座標の差の最大値とは、一次光のCIE色度座標の差が2つ以上ある場合に、それらの差のうちの最大値のことを指す。このCIE色度座標の差の最大値が上記の範囲に収まることは、一次光の色が異なっていることを表わす。なお、CIE色度座標の差とは、色度座標xまたは色度座標yについて2種以上の光源間の差の大きい方の座標を現す。
また、本実施形態の光源においては、一次光は、所望の照射面において合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有している。一次光源が上記のように所定の範囲で同一の配光特性を有していることにより、ある方向に着目した場合、その一次光源からの距離が同じでも異なっていても、光の強度比は変わらず一定となる。したがって、上記のように一次光の配光特性を所定の範囲で同一にすることにより、上記合成光の照射面における色を均一化することができるのである。
「条件(A):
また、「ΔIabs(θ,φ)」は、各一次光源間の(θ,φ)方向における規格化された配光分布の差を表わす。規格化された配光分布とは具体的には、例えば、光軸方向への一次光の配光分布を1として、その他の(θ,φ)方向に対して強度の分布を調べ、最大値となる(θ、φ)の値を用いて配光分布の全ての値を割ったものである。あるいは配光分布の(θ,φ)の強度の中で最大値が1となるように、配光分布を計算し直したものともいえる。また、「[]max」は、カッコ([])内の関数の最大値を表わす。
この条件(A)を満たすことにより、本実施形態にかかる一次光の配光特性は、照射面において合成光の色が十分に均一化する程度に同一になるため、これにより、所望の照射面において本実施形態にかかる合成光の色を均一化することができる。
「条件(B):
この条件(B)を満たすことによっても、本実施形態にかかる一次光の配光特性は照射面において合成光の色が十分に均一化する程度に同一になるため、これにより、所望の照射面において本実施形態にかかる合成光の色を均一化することができる。
「条件(C):
したがって、上記の条件(C)は、本実施形態の光源が備える任意の2つの一次光源を選び、その一次光源から発せられる一次光の規格化された配光分布の差を全方向において積分した場合に、全一次光源に対する積分値の最大値が上記の範囲内に収まることを表わす。これは、他の一次光源と最も異なる配光特性を有する一次光を発する一次光源であっても、他の一次光源が発する一次光の強度に近い強度の一次光を放出方向全体として発していることを表わしている。
この条件(C)を満たすことによっても、本実施形態にかかる一次光の配光特性は照射面において合成光の色が十分に均一化する程度に同一になるため、これにより、所望の照射面において本実施形態にかかる合成光の色を均一化することができる。
さらに、本実施形態にかかる一次光の配光分布においての光の広がり方を示す広がり角は本実施形態の効果を著しく損なわない限り任意であるが、少なくともその一部、好ましくは全部の広がり角が、通常5°以上、また、通常180°以下であることが望ましい。広がり角は、いかに広い範囲を照らせるか、また、いかに強く照らせるかを規定するものであり、上記の範囲の中でも、本実施形態の光源を室内照明等に用いる場合は広がり角を広くし、スポットライト等に用いる場合は広がり角を狭くすることが好ましい。
なお、一次光の広がり角は、一次光の強度をθ方向に測定した場合に、その強度が50%になるところを調べることで測定することができる。
本実施形態にかかる一次光源は、上記の一次光を発することができ、それにより、本実施形態の光源に本実施形態にかかる合成光を発することができるものであれば他に制限は無く、フィールドエミッション光源や冷陰極蛍光ランプなど、任意の光源を用いることができる。よって、気体発光素子や液体発光素子などを含めた発光素子を広く適用することができるが、例えば、固体発光素子を用いたものを用いることが望ましい。中でも好ましくは、図2に示すように固体発光素子2自体に一次光源1を構成させたもの、及び、図3に示すように固体発光素子2と固体発光素子2からの光を吸収して発光する蛍光体を含有する蛍光体部3とを備えたものが挙げられる。また、一次光源1は、適宜、配光制御素子4を備えていることが望ましい。なお、図2は固体発光素子及び配光制御素子により構成された一次光源の構成を表わす模式的な分解斜視図であり、図3は固体発光素子、蛍光体部及び配光制御素子により構成された一次光源の構成を表わす模式的な分解斜視図である。なお、図2及び図3において、同様の符号を用いて示す部材は、同様のものを表わす。
以下、それぞれについて説明する。
まず、図2に示すように、固体発光素子2で一次光源1を構成する場合について説明する。
(i)固体発光素子
固体発光素子2は、外部からエネルギーを供給されて発光する素子であり、通常、電力を供給されて発光する素子を用いることができる。
さらに、一次光源1が備える固体発光素子2の数に制限は無いが、通常は、一つの一次光源1について一つの固体発光素子2を用いる。
また、固体発光素子2で一次光源1を構成する場合、固体発光素子2が発する光自体が一次光源1の一次光となる。したがって、この場合、固体発光素子2としては、上記一次光の説明で詳述した一次光を発するものを用いるようにする。また、この場合、本実施形態の光源において、固体発光素子2としては、それぞれ異なる波長の光を発するものを用いることになる。
上記のように固体発光素子2により一次光源1を形成すれば、発光効率を向上させることができるという利点を得ることができる。
次に、図3に示すように、固体発光素子2と蛍光体部3とを用いて一次光源1を構成する場合について説明する。
(i)固体発光素子
固体発光素子2と蛍光体部3とを用いて一次光源1を構成する場合、固体発光素子2としては、固体発光素子2で一次光源を構成する場合の説明において上述した固体発光素子2と同様のものを用いることができる。
蛍光体部3は、固体発光素子2が発する光を吸収して光を発する蛍光体を含有する部材である。
蛍光体部3の数、形状、寸法等に制限は無く、本実施形態の効果を著しく損なわない限り任意に設定することができる。ただし、通常は、一つの一次光源1に対して一つの蛍光体部3を設けるように構成する。
さらに、各蛍光体部3において、蛍光体は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ただし、上記の結晶母体及び付活剤または共付活剤は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもできる。また、得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば任意に用いることが可能である。
赤色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「赤色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、また、通常700nm以下、好ましくは680nm以下が望ましい。
緑色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「緑色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常490nm以上、好ましくは500nm以上、また、通常570nm以下、好ましくは550nm以下が望ましい。
青色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「青色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常420nm以上、好ましくは440nm以上、また、通常480nm以下、好ましくは470nm以下が望ましい。
さらに、各蛍光体部3において、バインダは1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
固体発光素子2と蛍光体部3とを用いて一次光源1を構成する場合、一次光源1が一次光を発することができる限り、固体発光素子2と蛍光体部3との位置関係は任意である。したがって、一次光源1は、固体発光素子2が発した光が蛍光体部3を透過する途中で蛍光体に吸収されて蛍光体が発光する透過型に構成しても良く、固体発光素子2が発した光が蛍光体部3で反射する際に蛍光体部3の蛍光体に吸収されて蛍光体が発光する反射型に構成しても良い。
上記のように、本実施形態にかかる一次光源1を固体発光素子2と蛍光体部3とを備えて構成することにより、一次光の配光特性を揃えやすいという利点を得ることができる。これは、蛍光体部3を用いた場合、一次光の軸対称性を容易にとることができるためである。また、蛍光体部3を使用することにより、一次光が蛍光体粒子により散乱されるため、一次光のスペクトルがブロードになりやすく、したがって、本実施形態にかかる合成光の上記演色性を良化させることが可能となるという利点も得ることができる。
さらに、蛍光体の中央粒度が1μmより小さいと蛍光強度が小さくなり効率の高い光源が得られない虞があり、また、中央粒度が50μmより大きいと光源の全方位に均一な蛍光を得ることが難しくなる虞があるために好ましくない。したがって、蛍光体の中央粒度は、通常2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下が望ましい。
さらに、光の散乱効果の大きい粒度の細かな蛍光体粒子の含有率についても、蛍光色の異なる蛍光体粉末における粒度の細かな蛍光体粒子の含有率は、異なる蛍光体の間での最大値と最小値の比率が3倍以下となるように、使用される複数の蛍光体の間で調整することが好ましく、最大値と最小値がほぼ同一となるようにすることがより好ましい。
一次光源1は、図2や図3に示すように、一次光の配光特性を上述したように同一とするため、適宜、配光制御素子4を有していることが好ましい。
配光制御素子4は、一次光源1から発せられる一次光の配光特性を制御することができれば任意のものを用いることができる。
特に、配光制御素子4は、一次光を集光しうる集光機能を備えることが望ましい。これにより、本実施形態にかかる合成光で照射面を照射した場合に、その照度を向上させることができる。
配光制御素子4を用いることにより、一次光の配光特性を揃えることが容易になるという利点を得ることができる。
ところで、本実施形態にかかる一次光は、上述した程度にほぼ同一の配光特性を備える。これを実現するため、本実施形態にかかる一次光源1は、以下のような点に留意して構成するようにすることが望ましい。即ち、一次光源1の種類を、配光特性が同じタイプとなる光源に揃えることが望ましい。また、各一次光源1のθ方向及びφ方向の配光特性は揃えるようにすることが望ましい。これらは、例えば、各一次光源1に用いる配光制御素子4の種類や形状等を同一にすることで達成できる。
さらに、各一次光源1は、温度特性を揃えることが好ましい。具体的には、発光時の温度、使用に適した温度、劣化が進行しやすい温度などの温度条件ができるだけ近いものを用いるようにすることが望ましい。
本実施形態の光源において、各一次光源1間の距離は、本実施形態の効果を損なわない限り任意である。通常は、一次光源1間の距離は、本実施形態の光源から照射面までの距離に応じて変わる。具体的には、色の異なる一次光源1間の距離の最大値が、本実施形態の光源と照射面との距離の1/144以下となるように構成する。ここで、光源と照射面との距離は、本実施形態の合成光の均一化の説明において上述したものと同様である。
さらに、これに関連し、一次光源1は、できるだけ広く空間を埋めることができる形状とすることが望ましい。したがって、一次光を発する面部は、円形に形成するより、矩形等に形成するほうが望ましい。
本実施形態の光源を構成する固体発光素子2、蛍光体部3、及び配光制御素子4の内の全部又は一部は、それぞれ、例えば図4や図5に示すようにモジュール化して用いても良い。以下適宜、固体発光素子2をモジュール化したものを「固体発光素子モジュール」といい、蛍光体部3をモジュール化したものを「蛍光体モジュール」といい、配光制御素子4をモジュール化したものを「配光素子モジュール」という。なお、図4は、固体発光素子モジュール及び配光素子モジュールにより構成した光源について説明するための模式的な分解斜視図であり、図5は、固体発光素子モジュール、蛍光体モジュール及び配光素子モジュールを用いた光源について説明するための模式的な分解斜視図である。なお、図4において、図2,図3に用いた符号と同様の符号で示す部位は、図2,図3と同様のものを表わす。また、図5において、図2〜図4に用いた符号と同様の符号で示す部位は、図2〜図4と同様のものを表わす
以下、各モジュールについて説明する。
図4や図5に示すように、固体発光素子モジュール5は、本実施形態の光源を、蛍光体部3、配光制御素子4、及び、その他の部材とともに構成するものであり、上記の固体発光素子2を備えるものである。
固体発光素子モジュール5は、基部51と、固体発光素子2とを備える。
(i)基部
固体発光素子モジュール5の基部51は、固体発光素子2を固定化するものである。
固体発光素子モジュール5の基部51に制限は無く、温度条件などの、本実施形態の光源の使用時の条件に耐えうるものであれば、本実施形態の効果を著しく損なわない範囲で任意の素材、形状、寸法で構成することができる。
また、基部51には、適宜、蛍光体部3、配光制御素子4、蛍光体モジュール6、配光素子モジュール7などを装着できるように装着部を設けておくようにしてもよい。
固体発光素子2は、一次光源を構成するものとして上述したものと同様のものを用いることができる。したがって、通常は、図4に示すように、固体発光素子2自体を一次光源とする場合には固体発光素子モジュール5には少なくとも一次光の種類の数と同数の固体発光素子2を設けるようにする。
また、固体発光素子2が一次光源として機能すると共に、蛍光体部3への励起光源としても機能するように構成しても良い。この場合も、固体発光素子モジュール5は固体発光素子を少なくとも1つ備えるように構成すれば良い。
また、固体発光素子モジュール5には、基部51及び固体発光素子2以外の部材を備えていても良い。例えば、固体発光素子2に電力を供給するための配線52を設けるようにしてもよい。通常、この配線52は、固体発光素子モジュール5の基部51に設けられる。
図4や図5に示す例においては、固体発光素子モジュール5は、基部51に4個のLEDを備え、これらに対して基部51に設けられた配線52から電力を供給できるようになっているものとする。
固体発光素子モジュール5は、それ自体で本実施形態の光源とすることも可能であるが、通常は、図4に示すように、配光制御素子4(配光素子モジュール7を含む)と組み合わせて本実施形態の光源を構成するようにしても良く、また、図5に示すように、配光制御素子4(配光素子モジュール7を含む)及び蛍光体部3(蛍光体モジュール6を含む)と組み合わせて本実施形態の光源を構成するようにしてもよい。
図5に示すように、蛍光体モジュール6は、本実施形態の光源を、固体発光素子2、配光制御素子4、及び、その他の部材とともに構成するものであり、上記の蛍光体部3を備えるものである。
蛍光体モジュール6は、基部61と、蛍光体部3とを備える。
(i)基部
蛍光体モジュール6の基部61は、蛍光体部3を固定化するものである。
蛍光体モジュール6の基部61に制限は無く、温度条件などの、本実施形態の光源の使用時の条件に耐えうるものであれば、本実施形態の効果を著しく損なわない範囲で任意の素材、形状、寸法で構成することができる。
また、基部61には、適宜、固体発光素子2、配光制御素子4、発光素子モジュール5、配光素子モジュール7などを装着できるように装着部を設けて置くようにしてもよい。
蛍光体部3としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
また、蛍光体モジュール6には、基部61及び蛍光体部3以外の部材を備えていても良い。
なお、図5に示す例においては、蛍光体モジュール6は、基部61に、固体発光素子2からの光により励起されて別々の色の蛍光を発する蛍光体を含有する4個の蛍光体部3を設けて構成され、背面(図中左側の面)から対応する固体発光素子2が発した励起光を受光して正面(図中右側の面)から蛍光(即ち、一次光)を発するようになっているものとする。
蛍光体モジュール6は、通常は、固体発光素子2(固体発光素子モジュール5を含む)、若しくは、固体発光素子2(固体発光素子モジュール5を含む)及び配光制御素子7(配光素子モジュール7を含む)と組み合わせて、本実施形態の光源を構成する。
図4や図5に示すように、配光素子モジュール7は、本実施形態の光源を、固体発光素子2、蛍光体部3、及び、その他の部材とともに構成するものであり、通常、上記の配光制御素子4を備えるものである。ただし、配光素子モジュール7の使用は任意であり、本実施形態の光源に必須のものでは無いが、配光特性などを向上させる観点からは、使用することが望ましい。
配光素子モジュール7は、基部71と、配光制御素子4とを備える。
配光素子モジュール7の基部71は、配光制御素子4を固定化するものである。
配光素子モジュール7の基部71に制限は無く、温度条件などの、本実施形態の光源の使用時の条件に耐えうるものであれば、本実施形態の効果を著しく損なわない範囲で任意の素材、形状、寸法で構成することができる。
また、基部71には、適宜、固体発光素子2、蛍光体部3、発光素子モジュール5、蛍光体モジュール6などを装着できるように装着部を設けて置くようにしてもよい。
配光制御素子4としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
また、配光素子モジュール7には、基部71及び配光制御素子4以外の部材を備えていても良い。
なお、図4や図5に示す例においては、配光素子モジュール7は、基部71に、固体発光素子2や蛍光体部3からの光の配光特性を同一にするための配光制御素子4を4個設けて構成され、背面(図中左側の面)から光を受光して正面(図中右側の面)からその光の配光特性を揃えて発するようになっているものとする。
配光素子モジュール7は、通常は、固体発光素子2(固体発光素子モジュール5を含む)、若しくは、固体発光素子2(固体発光素子モジュール5を含む)及び蛍光体部3(蛍光体モジュール6を含む)と組み合わせて本実施形態の光源を構成する。
図4や図5に示すように、固体発光素子モジュール5、蛍光体モジュール6及び配光素子モジュール7を適切に組み合わせることにより、上述した本実施形態の光源を構成することができる。
これらのモジュール5〜7を組み合わせた光源は、上述した本実施形態の光源と同様のものである。
本実施形態の光源によれば、所望の照射面を、高い演色性を有する均一な色の光で、高い発光効率で照らすことができる。
また、蛍光灯は水銀を用いるために環境面を考慮すれば代替の光源を用意することが望まれるが、本実施形態の光源は、蛍光灯と同等以上の性能を有する光源として、しかも環境面への影響を抑えながら活用することが可能である。
上述した本実施形態の光源において、一次光源の交換を行なうようにするか、又は、一次光源を制御して一次光のうちの少なくとも一部の光量を調整しうる一次光量制御手段を備えるようにすることにより、本実施形態の光源が発する光の調光を行なうことができる。調光を行なうことにより、合成光の色を調整することができるほか、合成光の色温度を調整することができる。
以下、調光可能とした場合の本実施形態の光源について、それぞれ説明する。
目的とする色や色温度を有する光を本実施形態の光源が発することができるよう、一次光のCIE色度座標の差の最大値を上記の範囲とし、また、上記一次光が、所望の照射面において合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有するようにしながら、適切に一次光源の交換を行なうことで、本発明の光源が発する光を調光することができる。例えば調光により合成光の色温度を調整する場合、合成光を構成する一次光のうちの相対的に短波長の光の強度が大きくなると色温度が上がり、逆に、一次光のうちの相対的に長波長の光の強度が大きくなると色温度が下がることを利用し、調光を行なうことができる。
図6に示すように、この光源は、固体発光素子モジュール5と、蛍光体モジュール6,6′を備えたターンテーブル8と、配光素子モジュール7とを備える。
ただし、蛍光体モジュール6′の蛍光体部3′においては、蛍光体モジュール6の蛍光体部3にくらべ、その橙色蛍光体及び黄色蛍光体の量が多く、また、その青色蛍光体の量が少なくなっている。
この光源は以上のように構成されている。したがって、固体発光素子2を発光させて、その光により蛍光体モジュール6,6′に設けられた蛍光体部3,3′内の蛍光体を発光させ、発生した蛍光を一次光として用いるようになっている。この場合、蛍光体部3,3′から発せられた蛍光を合成することにより合成光が作成されるため、上記一次光が変化すれば、その色温度も変化することになる。具体的には、ターンテーブル8を回転させることにより蛍光体モジュール6を固体発光素子5と配光素子モジュール7との間に配置させると、比較的色温度が高い合成光が得られる。逆に、蛍光体モジュール6を固体発光素子5と配光素子モジュール7との間に配置させると、比較的色温度が低い合成光が得られる。これを利用し、ターンテーブル8を用いて蛍光体モジュール6と蛍光体モジュール6′とを交換して、蛍光体部3と蛍光体部3′とを交換することにより、この光源が発する合成光の色温度を調整する調光を行なうことができる。このような構成を採用することにより、例えば、昼間は蛍光体モジュール6を使用して事務などが行いやすい色温度5000Kの昼白色や色温度6500Kの昼光色とし、夜間は蛍光体モジュール6′を使用して寛ぎの得られやすい色温度2850Kの電球色として、一つの照明を昼夜で切り替えて使用することが可能となる。
目的とする色や色温度を有する光を本実施形態の光源が発することができるよう、一次光のCIE色度座標の差の最大値を上記の範囲とし、また、上記一次光が、所望の照射面において合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有するようにしながら、一次光源を制御して一次光のうちの少なくとも一部の光量を調整しうる一次光量制御手段を本実施形態の光源に備えさせることで、本実施形態の光源が発する合成光を調光することができる。例えば、固体発光素子の発光量を制御することなどにより、調光により合成光の色温度を調整する場合、交換による調光と同様、合成光を構成する一次光のうちの相対的に短波長の光の強度が大きくなると色温度が上がり、逆に、一次光のうちの相対的に長波長の光の強度が大きくなると色温度が下がることを利用し、調光を行なうことができる。
図7に示すように、この光源は、固体発光素子モジュール5と、蛍光体モジュール6と、配光素子モジュール7と、一次光量制御手段9とを備える。
供給電力制御部91は、スイッチ(図示省略)などにより外部からこの光源が発する合成光の色温度を変更する旨の指示があった場合に、その指示内容に応じた供給電力量情報を電力量記憶部92から読み出し、読み出した供給電力量情報に応じて、固体発光素子モジュール5に設けられた各固体発光素子2に供給する電力の量を制御するようになっている。
また、電力量記憶部92は、色温度と、その色温度に応じて各固体発光素子2に供給すべき電力量とを供給電力量情報として記憶している。具体的な供給電力量情報の値は、例えば、実験的に求めて予め記憶させておくようにすれば良い。
上記のような本実施形態の調光方法及び光源により、発する合成光の色温度を連続的に自由に調整することが可能となる。
さらに、上記の本実施形態の調光方法及び光源によれば、白熱電球でも実現できなかった、黒体放射軌跡の外の色度の調整をも連続的に自由に行なうことができる。
なお、上記の調光方法及び調光可能な光源は、一次光のCIE色度座標の差の最大値が上記範囲内、即ち、0.05以上であり、かつ、上記一次光が、所望の照射面において合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有している状態を維持しながら一次光を変化させる限り、他に制限は無く、異なる波長の一次光源を用いた任意の光源において適用することができる。
上述した本実施形態の光源は、例えば、照明に用いることができる。
上記の光源を照明に用いることにより、色温度可変という、従来無かった新たな機能を有する照明を提供することができる他、本実施形態の光源及びそれを構成する固体発光素子モジュール、蛍光体モジュール及び配光素子モジュールの説明で上述した利点と同様の利点を得ることができる。
また、本実施形態の照明によれば、蛍光灯よりも照明の小型化を行なうことが可能となり、したがって、均一な色で照らすことができる照射面までの距離を縮めることができる。
さらに、本実施形態の光源を用いた照明は、発光効率、耐用寿命、演色性などの点において、従来よりも優れた照明を得ることも可能である。
上述した本実施形態の光源は、例えば、画像表示装置にも用いることができる。
上記の光源を画像表示装置に用いることにより、上述した本実施形態の光源と同様の利点を得られるほか、発光効率の向上、省電力化、色再現範囲の拡大化、大型ディスプレイの実現などの利点を得ることもできる。
また、従来のPDPを用いた画像表示装置と比較した場合、本実施形態の光源を用いて画像表示装置を構成することにより、省エネ化を達成することができ、また、物理的破壊に対する耐性をより高めることが可能となる。さらに、PDPは通常は、蛍光灯等よりもストークスシフトが大きな発光機構なので、発光効率向上の物理限界が厳しかったが、本実施形態の技術を用いれば、上記の発光効率向上の物理限界を突破することができる。さらに、PDPを使用した照明の発光強度を高めることも可能となる。
さらに、OELやOLEDを用いた画像表示装置は発光強度が低くなりがちであったが、本実施形態の光源を画像表示装置に用いれば、この課題を解決することも可能である。
さらに、本発明の光源を用いた画像表示装置の場合、照明装置にモードシフトした場合に、従来のLEDディスプレイよりも色再現範囲を拡大させることができる。
また、従来のAlInGaP:Red−LED,InGaN:Green−LED、InGaN:Blue−LED等という発光材料は、通常、それぞれのMOCVD成長装置でLEDを製造していたためにプロセスラインが煩雑化高騰化していたが、本発明の光源を用いて画像表示装置を構成した場合、例えば、励起源である近紫外InGaN−LEDのプロセスラインを1つだけ集中的に研究して低コスト量産システムを開発し、製造コストの安い蛍光体と結合する事により、全体の開発コストを安くする事が出来るので、プロセスラインが煩雑化する虞を無くすことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
例えば、上記の光源、固体発光素子モジュール、蛍光体モジュール及び配光素子モジュール、並びに、照明装置及び画像表示装置の構成要素は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において任意に組み合わせて用いても良い。
以下の要領により、赤色、緑色及び青色の一次光を発する一次光源からなる光源を想定し、その光源が発する合成光が照射面を照らした場合について計算を行ない、合成光が照射面において均一化しているか否かの評価を行なった。
また、各一次光源は、上記の正三角形の中心からの各一次光源の中心までの距離が1cmとなるように設定した。一次光源の配置の様子を模式的に示すと、図8のようになる。
なお、本実施例では、赤色の一次光を発する一次光源(以下、適宜「赤多点光源」という)としてはInAlGaAsを用いた赤色LEDを用い、緑色の一次光を発する一次光源(以下、適宜「緑多点光源」という)としてはInGaNを用いた緑色LEDを用い、青色の一次光を発する一次光源(以下、適宜「青多点光源」という)としてはInGaNを用いた青色LEDを想定することとした。赤多点光源、緑多点光源および青多点光源それぞれのスペクトルを図10に示す。
これらの定数値と計算値とは、スペクトル強度や配置と測定面との空間状態が決まる毎に一定の結果を算出する部分であり、重要なパラメーターであるが副主的な因子である。
これらの式を用いて、X−Y平面の放射照度を計算し、放射照度よりCIE色度座標を計算した。
また、計算の結果得られた、Z=250cmの照射面の様子を図13に示し、この照射面で算出された(x=0,y=0〜250cm)までのCIE色度座標をCIE色度図にプロットしたものを図14に示す。なお、色度を計算した線分の位置を、図13に破線で示した。
これらの結果から、Z=10cmの照射面においては、照射面の位置によってCIE色度座標が変化し合成光の色が均一化していないものの、Z=250cmの照射面においては照射面全体においてCIE色度座標が一定で合成光の色が均一化していることが確認された。
θ方向への一次光の強度
また、計算の結果得られた、Z=250cmの照射面の様子を図17に示し、この照射面で算出された(x=0,y=0〜250cm)までのCIE色度座標をCIE色度図にプロットしたものを図18に示す。なお、色度を計算した線分の位置を、図17に破線で示した。
これらの結果から、Z=10cmの照射面においては、照射面の位置によってCIE色度座標が変化し合成光の色が均一化していないものの、Z=250cmの照射面においては照射面全体においてCIE色度座標が一定で合成光の色が均一化していることが確認された。
各一次発光がランバート配光となることにより一次光源の配光特性が同一となっているものと設定したほかは実施例1と同様にして、合成光が照射面において均一化しているか否かの評価を行なった。なお、配光特性についての上記条件(A)の判定を行なうと、これらはすべて0となる。
また、計算の結果得られた、Z=250cmの照射面の様子を図21に示し、この照射面で算出された(x=0,y=0〜250cm)までのCIE色度座標をCIE色度図にプロットしたものを図22に示す。なお、色度を計算した線分の位置を、図21に破線で示した。
これらの結果から、Z=10cmの照射面においては、照射面の位置によってCIE色度座標が変化し合成光の色が均一化していないものの、Z=250cmの照射面においては照射面全体においてCIE色度座標が一定で合成光の色が均一化していることが確認された。
一次光源である、赤多点光源の強度
また、計算の結果得られた、Z=250cmの照射面の様子を図25に示し、この照射面で算出された(x=0,y=0〜250cm)までのCIE色度座標をCIE色度図にプロットしたものを図26に示す。なお、色度を計算した線分の位置を、図25に破線で示した。
これらの結果から、Z=10cmの照射面及びZ=250cmの照射面のいずれにおいても、照射面の位置によってCIE色度座標が変化し合成光の色が均一化していないことが確認された。
励起ピーク波長399nmの表面実装型InGaN系半導体発光素子上に、いずれも中央粒度が5〜10μmであり粒径が5μm以下の粒子が10重量%以上含有している青色蛍光体(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6(Cl,F)2:Euの92mgと、緑色蛍光体(Zn,Cd)S:Cu,Alの92mgと、黄色蛍光体(Zn,Cd)S:Au,Alの98mgと、橙色蛍光体(Zn,Cd)S:Ag,Clの23mgと赤色蛍光体LiW2O8:Euの297mgの混合物の4種類の蛍光体を、それぞれエポキシ樹脂500mgを使用して個別に塗布し、発光のCIE色度座標値が青色(0.163,0.129)緑色(0.322,0.599)、黄色(0.482,0.508)、橙赤色(0.562,0.434)であり、ランバート配光となる(即ち、配光特性が同一の)1次光を発する表面実装型LEDを同一基板上に同一方向に向けて中心位置を2.2cmの間隔を空けて作製した。各蛍光体部の寸法は、1.4cm×1.5cm×0.45mmの略直方体状に形成した。
通常に市販されているAlInGaP赤色LEDと、InGaN緑色LED、及びInGaN青色LEDを用いて、3波長LEDをクラスター状態にした光源を作り、これを測定した。LEDは直径5mmの発光面を有する光源で赤色、緑色及び青色それぞれの一次光を発する一次光源とし、これらをそれぞれ平面上で正三角形の頂点に位置するように配置した。また、各一次光源は、上記の正三角形の中心からの各一次光源の中心までの距離が0.6928mmになるように配置した。
さらに、各一次光源から発せられる一次光のCIE色度座標は、赤色LEDが(0.702,0.300)であり、緑色LEDが(0.169,0.718)であり、青色LEDが(0.124,0.083)であった。
また、この際の平均演色評価数は、色彩が白色付近に無い為計算値が実行できず数値が存在しない。
さらに、図29に示すように激しい色彩の分離が観測されており、したがって、本比較例の光源は、照明用途に用いることが困難である。
2 固体発光素子
3,3′ 蛍光体部
4 配光制御素子
5 固体発光素子モジュール
6,6′ 蛍光体モジュール
7 配光素子モジュール
8 ターンテーブル
9 一次光量制御手段
21 LED本体
22,51,61,61′,71 基部
52 配線
91 供給電力制御部
92 電力量記憶部
Claims (16)
- それぞれ異なる波長の一次光を発する複数の一次光源を備え、該一次光源が発する一次光を合成した合成光を発する光源であって、
上記一次光のCIE色度座標の差の最大値が0.05以上であり、
上記一次光が、所望の照射面において上記合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有し、
発光効率が30lm/W以上であり、
平均演色評価数が60以上である
ことを特徴とする、光源。 - 上記の複数の一次光源が、それぞれ異なる波長の光を発する、固体発光素子を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の光源。 - 上記の複数の一次光源のうちの少なくとも1個が、固体発光素子と、該固体発光素子からの光を吸収して発光する蛍光体を含有する蛍光体部とを備える
ことを特徴とする、請求項1記載の光源。 - 該一次光源が発する一次光の広がり角が、5°以上180°以下である
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源。 - 該一次光源が、配光制御素子を備える
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源。 - 該配光制御素子が、上記一次光を集光しうる集光機能を備える
ことを特徴とする、請求項5記載の光源。 - 少なくとも2.5m離れた位置において観察される上記合成光の色が白色である
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源。 - 請求項2又は請求項3に記載の光源を構成するための該固体発光素子モジュールであって、
基部と、
該基部に設けられた該固体発光素子とを備える
ことを特徴とする、固体発光素子モジュール。 - 請求項3に記載の光源を構成するための蛍光体モジュールであって、
基部と、
該基部に設けられた該蛍光体部とを備える
ことを特徴とする、蛍光体モジュール。 - 請求項5又は請求項6に記載の光源を構成するための配光素子モジュールであって、
基部と、
該基部に設けられた該配光制御素子とを備える
ことを特徴とする、配光素子モジュール。 - それぞれ異なる波長の一次光を発する複数の一次光源を備え、該一次光源が発する一次光を合成した合成光を発する光源であって、
上記一次光のCIE色度座標の差の最大値が0.05以上であり、
上記一次光が、所望の照射面において上記合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有し、
さらに、
該一次光源を制御して上記一次光のうちの少なくとも一部の光量を調整しうる一次光量制御手段を備える
ことを特徴とする、光源。 - 該一次光源のうちの少なくとも1個が固体発光素子を備え、
該一次光量制御手段が、
該固体発光素子の発光量を制御する
ことを特徴とする、請求項11記載の光源。 - 請求項1〜7、請求項11及び請求項12のいずれか1項に記載の光源を備えた
ことを特徴とする、照明装置。 - 請求項1〜7、請求項11及び請求項12のいずれか1項に記載の光源を備えた
ことを特徴とする、画像表示装置。 - それぞれ異なる波長の一次光を発する複数の一次光源を備え、上記一次光源が発する一次光を合成した合成光を発する光源の調光方法であって、
上記一次光のCIE色度座標の差の最大値が0.05以上であり、且つ、上記一次光が、所望の照射面において上記合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有するようにしながら、上記一次光源を交換する
ことを特徴とする、光源の調光方法。 - それぞれ異なる波長の一次光を発する、固体発光素子を備えた複数の一次光源を備え、上記一次光源が発する一次光を合成した合成光を発する光源の調光方法であって、
上記一次光のCIE色度座標の差の最大値が0.05以上であり、且つ、上記一次光が、所望の照射面において上記合成光の色が均一化する程度に同一の配光特性を有するようにしながら、上記一次光の光量を調整する
ことを特徴とする、光源の調光方法。
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