JP2006252631A - ディスク装置およびサーボライト方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】NRRO成分や同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと最後での位置誤差の差によって発生する位置信号の高次振動成分によって記録されるサーボ信号精度の劣化を防止する。
【解決手段】ヘッド1と、アクチュエータ6と、あらかじめヘッド位置信号が記録されたディスク4と、位置信号をもとにヘッドを位置決めする位置決め制御部を備えたディスク装置において、さらに位置信号にもとづいてヘッド1を目標半径位置に移動し、実際のサーボ信号を記録するサーボ信号記録手段12と、1つのトラックごとにサーボ信号記録開始時の位置誤差と終了時の位置誤差が第1のしきい値を超える場合は、開始から再度サーボ信号の記録を繰り返す正常記録判断手段11を有する。このような構成によって、位置信号の高次振動成分が少ない状態でサーボ情報を記録することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクチュエータによってヘッドをディスク上の任意の目標トラックへ高速に移動させるか、あるいはヘッドをディスク上の目標トラックへ高精度に位置決めする磁気ディスク装置等のディスク装置と、これらディスク装置のディスクへ位置信号を記録するための位置信号記録方法(サーボライト方法)に関する。
以下、従来の磁気ディスク装置およびその制御方法について、説明する。
第1の従来例における磁気ディスク装置とその制御方法としては、ヘッドを高精度に目標トラックに追従(フォローイング動作)させて記録再生を行うために、スピンドルモータの非反復性(非回転同期)ランナウト(以下、NRROという)の異常を高精度に検出して、記録再生動作を制御しているものがある(例えば、特許文献1参照)。この磁気ディスク装置においては、ヘッドの位置を検出するごとに、ヘッドの目標位置からの位置誤差を示すヘッド位置誤差信号を検出し、これにもとづくトラック追従制御と並行して、ヘッド位置誤差信号に含まれているスピンドルモータの非反復性ランナウトの特定周波数成分を検出する処理を行い、その特定周波数成分の振幅が基準範囲から外れている場合に、NRRO異常と判定して記録動作を禁止している。
すなわち、磁気ディスク装置におけるセルフサーボライト時においてもこの方法は適用可能で、NRROによるトラックうねりを防ぐことを可能にしている。ここでは、スピンドルモータのNRROはその周波数が特定の周波数に限られていることに着目して、その特定周波数成分を位置誤差信号から検出するようにしている。
また、第2の従来例の磁気ディスク装置およびそのセルフサーボライト方法では、ディスクにあらかじめ記録されたプリサーボ情報を利用してヘッド送り位置決めピッチ量を算出し、このヘッド送り位置決めピッチ量を利用してヘッドをデータエリアの所定位置に位置決めして仮想サーボ情報を書き込み、この仮想サーボ情報にもとづいてヘッドをサーボエリアに位置決め制御してサーボ情報を記録している(例えば、特許文献2参照)。
また、第3の従来例の磁気ディスク装置とその制御方法では、あらかじめサーボ信号を書き込んだ磁気ディスクを装置に組み込み、装置のロータリーポジショナーを機械的に保持してサーボ信号を検出することによって偏心成分を基準信号として記録し、その後、ロータリーポジショナーの機械的保持上状態を解除し、ヘッド位置信号をフィードバックして、検出した偏心成分との差分を求めて、ヘッドを位置決め制御している(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−123419号公報 特開平8−255448号公報 特開2002−208243号公報
上記第1の従来例の磁気ディスク装置では、記録時、すなわちセルフサーボライト時にスピンドルモータによるNRROによって位置誤差が大きくなった場合は、その状態(記録時)の異常を検出することが可能で、記録のやり直しを行うことができる。スピンドルモータのNRROは低周波成分が主で、ある程度、制御で補償が可能であるが、同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと書き終わりでの位置誤差の差は、NRROとともに外部振動等によって発生する。これにより位置信号は不連続信号となって、位置信号検出時に制御で補償できない高次成分が位置信号に含まれるという課題を有している。すなわち、位置信号の品質劣化によって、位置決め精度の劣化、記録密度の低下、記録容量の低下等を生じる場合がある。
また、上記第2の従来例の磁気ディスク装置では、セルフサーボライトにおけるサーボトラックピッチの決定方法と、あらかじめ記録されたサーボ情報を用いた位置決めを行いながら最終のサーボ信号を記録する手順が記述されている。しかし、NRRO成分や同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと書き終わりでの位置誤差の差によって発生する位置信号の高次振動成分による最終のサーボ信号の精度が劣化することについては何も言及していない。すなわち、第2の従来例でも位置信号の品質劣化によって、位置決め精度の劣化、記録密度の低下、記録容量の低下等を生じる場合がある。
また、上記第3の従来例の磁気ディスク装置では、セルフサーボライトにおけるディスクにあらかじめ記録されたサーボ情報の偏心成分については補償しているが、NRRO成分や同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと書き終わりでの位置誤差の差によって発生する位置信号の高次振動成分については何も言及していない。すなわち、第3の従来例でも位置信号の品質劣化によって、位置決め精度の劣化、記録密度の低下、記録容量の低下等を生じる場合がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、セルフサーボライト時のヘッド位置制御において、NRRO成分や同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと書き終わりでの位置誤差の差によって発生する位置信号の高次振動成分が少ない状態でサーボ情報を記録することによって信頼性を向上させたディスク装置、およびそのセルフサーボライト方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明におけるディスク装置は、情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、位置信号をもとにヘッドをアクチュエータで位置決めするための位置決め制御部を有するディスク装置において、さらに、位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくサーボ信号記録手段と、1つのトラックごとにサーボ信号記録開始時の位置誤差と終了時の位置誤差が第1のしきい値を超える場合は、開始から再度サーボ信号の記録を繰り返す正常記録判断手段を有する。
このような構成によって、セルフサーボライト時のヘッド位置制御において、NRRO成分や同心円に記録されるサーボトラックのサーボ情報の書き始めと最後での位置誤差の差によって発生する位置信号の高次振動成分が少ない状態でサーボ情報を記録することが可能となる。
したがって、本発明によれば、セルフサーボライトによって高精度のサーボ信号を記録することができ、そのサーボ信号を利用して高精度にヘッドの位置制御をすることが可能となる。
また、本発明における他のディスク装置は、情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、位置信号をもとにヘッドをアクチュエータで位置決めする位置決め制御部を有するディスク装置において、位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくサーボ信号記録手段と、隣接トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差と現トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差の差が第2のしきい値を超える場合は、現トラックにおいて再度サーボ信号の記録を繰り返す隣接位置誤差最小化手段を有する。
このような構成によって、セルフサーボライト時のヘッド位置制御において、NRRO成分や外部振動によって発生する同心円に記録される隣接したサーボトラックのサーボ情報を、記録時の位置誤差が少ない状態で記録することが可能となる。
したがって、本発明によれば、セルフサーボライトによって高精度のサーボ信号を記録することができ、そのサーボ信号を利用して高精度にヘッドの位置制御をすることが可能となる。
本発明のディスク装置およびサーボライト方法によれば、セルフサーボライトにおいて高精度にサーボ信号をディスクに記録することができるため、そのサーボ信号を利用して、高精度にヘッドの位置制御を行うことができる。例えば、外部振動を受ける場所でセルフサーボライトを行った場合であっても、1トラックのサーボ情報を不連続点がないように記録することができる。その結果、ディスク装置の信頼性を向上させることができ、かつヘッドを高精度に位置決め制御することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素については、同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる第1のディスク装置の構成図である。図1において、1は磁気記録ヘッドとGMRヘッドである再生ヘッドとの複合ヘッド、2はヘッド1を保持するヘッドスライダ、3はヘッドスライダ2を支持するヘッド支持機構、4はサーボ情報が記録されており、かつ情報が記録されるディスク、5はディスク4を回転させるスピンドルモータ、6は先端にヘッドスライダ2を有してヘッド1を目標位置へ位置決めするか、あるいはディスク4の所定の位置へヘッド1を移動させるためのアクチュエータ、7はヘッド信号によって現在のヘッド位置を検出する位置検出手段、7Sはヘッド位置Xと目標位置Rとの差よりヘッド位置誤差PEを求める位置誤差生成手段、8はヘッド位置誤差PEより制御量Uを計算して出力する制御手段、10は制御量Uをもとにアクチュエータ6を制御駆動する駆動手段、11は位置検出手段7の出力である位置誤差信号をもとに、サーボ信号の記録の開始・停止・書き直しを判断する正常記録判断手段、12はディスク4へサーボ情報を記録するために磁気記録ヘッド1へ記録信号を出力するサーボ信号記録手段である。
図1に示すように、磁気記録ヘッド1のGMRヘッドによりディスク4上のサーボ信号Pを検出する。サーボ信号Pはディスク4上に等間隔にあらかじめ記録され、変調された位置信号である。この位置信号には、アクチュエータ6やディスク4の振動による位置誤差とスピンドルモータ5の流体軸受け等機械構造に起因する振動による位置誤差Prroが含まれおり、サーボ信号P1となる。
このサーボ信号P1は位置検出手段7によって復調されて位置信号Xとなるが、この位置信号にも電気ノイズPnoiseが含まれ、位置信号X1となる。この位置信号X1と目標位置Rとの差より位置誤差PEを検出している。この位置誤差PEは制御手段8に入力され、制御量Uが出力される。そして、その制御量Uは駆動手段10に入力され、制御量Uに応じた電流でアクチュエータ6が制御駆動される。
なお、位置誤差PEは離散信号であり、1回転でサーボウェッジの数だけカウントされる。ここでは、サーボウェッジ数は180である。この位置誤差PEは正常記録判断手段11にも入力される。ここでは1番目のサーボウェッジでの位置誤差と180番目のサーボウェッジでの位置誤差を比較し、その差がトラックピッチの5%以下の場合、正常に記録されたと判断し、その差がトラックピッチの5%より大きい場合、正常に記録されていないと判断する。正常に記録されていないと判断した場合、サーボ信号記録手段12にその結果を出力し、再度サーボパターンの記録を行っている。
次に、制御手段8について説明する。図2は、制御手段8の詳細ブロック図である。制御手段8は、制御器82と状態推定器84を有している。ヘッドの位置信号X1と目標位置Rより減算器81Sが位置誤差PEを算出し、出力する。位置誤差PEの積分した信号に積分フィードバックゲインKi821を乗じた信号と、位置信号X1に位置誤差フィードバックゲインKp822を乗じた信号と、状態推定器84の出力である推定速度Veに速度フィードバックゲインKv823を乗じた信号とから、加算器83Aで制御量Uが算出され、出力される。状態推定器84には、検出位置Pheadと状態推定器84の出力である推定位置Xeの差である推定誤差Peeと制御量Uが入力され、ヘッドの推定位置Xeと推定速度Veが出力される。また、外乱力の推定値も場合よっては出力される。なお、634Sは減算器である。
次に、状態推定器84について説明する。図3は、状態推定器84の詳細ブロック図である。その中には、制御対象であるアクチュエータ6を含む運動方程式より計算される状態変数行列A、入力変数行列B、出力変数行列Cを含んでいる。入力変数は制御量U、状態変数はヘッド位置および速度である。制御量Uを入力とした入力変数行列Bの出力と、推定誤差Peeに状態推定ゲイン84gを乗じた信号と、状態変数行列Aの出力の3つの信号を加算器84A2で加算し、その加算信号の積分値を状態変数行列Aの入力とするとともに、出力変数行列Cへの入力とする。そして、その出力変数行列Cの出力が推定位置Xeと推定速度Veとなる。
次に、本発明の第1の実施の形態にかかる第2のディスク装置について、説明する。図4は、第2のディスク装置の構成図である。
図4に示す第2のディスク装置が図1に示す第1のディスク装置と異なる点は、学習制御手段9を追加したことにある。学習制御手段9は位置誤差信号をもとに回転同期外乱の振幅と位相を推定してフィードフォワード補償量を演算する。
ここでは、位置誤差PEを学習制御手段9へ入力する。学習制御手段9では、回転同期成分(以下、RROと記す)補償のための制御量を計算する。なお、図5は、学習制御手段9の内容を説明する図で、回転同期1次成分の場合である。回転同期成分は下記式のように定義できる。
RRO=A・cosφ+B・sinφ (φ=(2π/N)Wn)
なお、Nはウェッジの総数であり、Wnはウェッジ番号である。
ここで、A、Bはsinφおよびcosφのモデルに各ウェッジごとの誤差を乗じた値の1回転分を積分することで計算できる。すなわち、1回転ごとにRROを学習できることになる。この学習した値を制御手段の出力にフィードフォワード補償で加算して制御量を計算している。
ここで、位置誤差信号はディスク4にあらかじめ記録された位置情報をヘッド1で再生し、位置検出手段でトラック番号等の位置信号として検出し、目標位置との差より計算されている。
以上のように、ヘッド1は、ディスク4に記録された位置情報をもとに、ディスク上の目標トラックに対して、位置決め制御されている。ここで、磁気ディスクにおいては、位置情報は離散的かつ等間隔に記録されている。
次に、ヘッド位置決めのための位置情報をディスクに記録するセルフサーボライトについて説明する。
セルフサーボライトとは、何らかの手段であらかじめ高精度に位置情報をディスクに記録しておき、その信号をもとにヘッドを位置決めしながら、最終のヘッド位置決めのための位置情報をディスクに記録していく手法である。
その利点は、磁気転写やスピンスタンドにより片面にのみ位置情報を記録したディスクを他のディスクといっしょに装置に組み込むことで、上記位置情報をもとにヘッドを位置決め制御して、全ディスクに位置情報を記録することが可能となる。従来のような、外部のセンサとアクチュエータでヘッドを位置決め制御するような専用装置なしで、位置情報の記録(サーボライトという)が可能となる。
ここでは、線記録密度は最終の位置情報のように高密度に記録することはできないが、トラック方向の精度としては高精度に位置情報を記録することができる磁気転写方式により、あらかじめの位置情報を記録する。その位置情報を用いて、ヘッドを高精度に位置決めしながら最終の位置情報を記録していく。
図6に、ディスク4に記録されている位置情報とそれを検出してヘッドを位置決め制御した場合のヘッドの応答を示す。
トラック41は同心円状に記録され、位置情報42は等間隔かつ離散的に配置されている。ヘッド1が位置情報の上にあるときのみヘッド位置を検出することが可能で、ディスク4は等速回転制御されていることから、等間隔時間等サンプリングで位置情報42を検出することになる。位置情報42が記録されている部分をサーボウェッジといい、ここでサーボウェッジは180個/周である。また、ディスクは3600rpmで回転させている。
図7は、セルフサーボライトを行う場合、あるトラックでの検出した1周分の位置信号を示している。図7において、位置情報の記録開始サーボウェッジは点Aで、最終サーボウェッジが点Bである。
図7(a)では、記録開始サーボセクタでの位置誤差と最終サーボセクタでの位置誤差がほぼ等しい。一方、図7(b)では、“○囲み”で示したが、位置誤差が開始と最終で大きく、第1のしきい値以上の場合である。図7(b)のように、開始と最終のサーボセクタで位置誤差に大きな差があると位置信号が不連続となってしまう。
図8と図9は、図7(a)、(b)に対応する位置信号の時間応答とFFT解析した結果を示している。ここでは、位置信号が回転同期成分の1次成分のみを含んだ例で、不連続部分は1次成分の5%とした。なお、図8は図7(a)の場合を、図9は図7(b)の位置信号で不連続信号の場合を、それぞれ示している。
図8(a)は連続した正弦波形信号、図8(b)と図8(c)はFFT解析結果であり、図8(c)が詳細部分の結果である。このように、2次、3次成分は幾分残っているが4次成分以上はほとんど検出されず、主成分の1/1000以下である。
しかしながら、図9を見ると、図7(b)に示したように○囲み部分に不連続部分を含み、その結果、図9(c)のように4次以降の高次成分を含むことになる。例えば、1次成分5μmで、不連続信号部分が5%で0.25μmの場合、5nmの成分は1kHz近傍まで含まれることになる。また、回転同期成分は2次以上もあり同様の影響を受けることになる。
以上の結果より、図4に示す正常記録判断手段11では、あらかじめ記録された転写信号の位置情報をもとにヘッド1を位置決め制御して、1トラックずつ(1/2トラックずつ移動しながら)最終の位置情報を記録する。記録開始のサーボセクタでの位置誤差PES(0)と記録最終のサーボセクタでの位置誤差PES(179)(ここでは179番サーボセクタ)での位置誤差との差が第1のしきい値α1であるトラックピッチの10%以下の場合、1つのトラックでのセルフサーボライトが正常に終了したと判断して次の隣接トラックでのサーボライトを行い、10%を超える場合は再度、同一トラックでセルフサーボライトを行うように制御する。なお、関係式を下記式に示した。
|PES(0)−PES(179)|≦α1
なお、PES(0)は0番サーボセクタでの位置誤差であり、PES(179)は、179番サーボセクタでの位置誤差である。また、α1は第1のしきい値である。
次に、図1に示す第1のディスク装置におけるサーボ信号の記録方法について、説明する。図10は、サーボ信号記録のフローチャートである。
まず、ステップS1で、目標のトラック番号をセットする。次に、ステップS2で、目標のトラック位置にシーク制御(速度制御)でヘッドを移動させ、トラックフォローイング制御(位置制御)でヘッドを目標トラックに位置決めする。ステップS3で、ヘッドを目標トラックに追従させたままの状態で、計数するウェッジ数のカウントをゼロにする。
次に、ステップS4で、ウェッジごとに位置誤差を計測しながらサーボパターンを記録するにあたり、計測および記録したウェッジ数が180未満かどうかを判断する。ウェッジ数が180未満の場合、ステップS5で、そのウェッジにおいて位置誤差PEを計測し、メモリ記録する。次に、ステップS6で、そのウェッジにおいて、サーボ信号の記録を行い、ステップ4に戻る。
もし、ステップS4でウェッジ数が180以上の場合、ステップS7に進み、ウェッジ0での位置誤差PE(0)とウェッジ179での位置誤差PE(179)を比較する。もし、|PE(0)−PE(179)|がα1以上の場合は、ステップS3に戻る。一方、|PE(0)−PE(179)|がα1未満の場合はステップS8に進み、次の目標トラック番号をセットする。次に、ステップS9で、セットした目標トラックが最終トラック(最終のサーボパターン記録トラック+1)かどうかを判断し、最終トラックの場合は終了する。セットした目標トラックが最終トラックでない場合は、ステップS2に戻る。
このようなシーケンスをセルフサーボライト時に導入することで、全トラックにおいて位置信号が不連続信号となって位置信号に高次のノイズ成分が含まれることを防ぐことができる。すなわち、位置信号の品位を向上させることが可能となり、ひいてはヘッドの位置決め精度を向上させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態におけるディスク装置の構成図である。
ディスク装置の機構的な構成については、第1の実施の形態と同様のため、ここでは、機構的な説明は省略する。また、第1の実施の形態と同一の構成要素については、図1と同一の符号を付している。
図11が図1と異なるところは、隣接位置誤差最小化手段13が追加されているところである。隣接位置誤差最小化手段13は、隣接するトラックの位置誤差信号をサーボウェッジごとに比較して、位置誤差が第2のしきい値α2であるトラックピッチの5%以上の場合、後に記録したトラックの上記しきい値を超えたサーボウェッジの位置信号を再度記録するように制御している。
以下に、隣接位置誤差最小化手段13の動作について説明する。まず、位置誤差生成手段7Sで生成された位置誤差PEを隣接位置誤差最小化手段13へ入力する。隣接位置誤差最小化手段13では、第Nトラックのサーボ信号記録時の各ウェッジでの位置誤差PE(N)をメモリに記憶しておき、次に第N+1トラックのサーボ信号記録時の各ウェッジでの位置誤差PE(N+1)と比較する。
その結果、|PE(N)−PE(N+1)|がトラックピッチの5%を超える場合は、正常に記録されていないと判断してサーボ信号記録手段12へ、その結果を出力し、そのウェッジにおいて再度サーボパターンの記録を行う。
図12は、本実施の形態のディスク装置における隣接するトラックでの位置信号の関係図であり、2つのトラックに関する1周期分のサーボ信号記録時位置誤差を示している。図12(a)は、“○囲み”部分のように、隣接トラックの各サーボウェッジでの位置誤差がトラックピッチの5%以下の場合であり、図12(b)は“○囲み”部分のように、位置誤差が5%以上のサーボウェッジがあった場合である。
図12(b)のような場合、位置誤差がしきい値を超えたサーボウェッジのみ、再度ヘッドを位置決めしてサーボ信号の記録を行う。この動作は、しきい値以下で全サーボウェッジの信号が記録されるまで繰り返す。
次に、本実施の形態のディスク装置におけるサーボ信号の記録方法について、説明する。図13は、同ディスク装置におけるサーボ信号記録のフローチャートである。
まず、ステップS1で、目標のトラック番号をセットする。次に、ステップS2で、目標のトラック位置にシーク制御(速度制御)でヘッドを移動させ、トラックフォローイング制御(位置制御)でヘッドを目標トラックに位置決めする。ステップS3で、ヘッドを目標トラックに追従させたままの状態で、計数するウェッジ数のカウントをゼロにする。
次に、ステップS4で、ウェッジごとに位置誤差を計測しながらサーボパターンを記録するにあたり、計測および記録したウェッジ数が180未満かどうかを判断する。
ウェッジ数が180未満の場合、ステップS5で、そのウェッジにおいて位置誤差PEを計測し、メモリ記録する。次に、ステップS6で、そのウェッジにおいてサーボ信号の記録を行った後、ステップS4に戻る。
一方、ステップS4で計測および記録したウェッジ数が180の場合、ステップS7へ進み、隣接するトラックの各ウェッジでの位置誤差について、その差を計算する。次に、ステップS8において、第nトラックの位置誤差PE(nトラック)と第n+1トラックの位置誤差PE(n+1トラック)との差について判断する。このとき、|PE(nトラック)−PE(n+1トラック)|がα2未満の場合(ここでは、α2=トラックピッチの5%とする)、ステップS9で次の目標トラック番号をセットする。次に、ステップS10で、セットした目標トラックが最終トラック(最終サーボパターン記録トラック+1)かどうかを判断する。最終トラックと判断された場合は終了し、最終トラックでないと判断された場合はステップS2に戻る。
また、ステップS8で、|PE(nトラック)−PE(n+1トラック)|がα2以上の場合(ここでは、α2=トラックピッチの5%とする)、ステップS11へ進み、再度各ウェッジにおいて位置誤差PEを計測し、メモリ記録する。次にステップS12で、ステップS11のウェッジにおいて、再度サーボ信号の記録を行う。次にステップS13で、5%以上のウェッジで再記録の必要なウェッジ数が残っているかどうかを判断する。残っている場合はステップS11に戻り、残っていない場合(再記録の必要なウェッジ数がゼロの場合)はステップS11へ戻る。
このようなシーケンスをセルフサーボライト時に導入することで、全トラックにおいて位置信号が不連続信号となって位置信号に高次のノイズ成分が含まれることを防ぐことが可能となる。
すなわち、位置信号の品位を向上させることが可能となり、ひいてはヘッドの位置決め精度を向上させることが可能となる。
なお、上記の実施の形態においては、サーボウェッジ数を180としたが、他のウェッジ数でもよい。
また、第2の実施の形態では、隣接する2つのトラックの相対的位置誤差が第2のしきい値を超える場合、該当するサーボウェッジのみ再記録しているが、全サーボウェッジについて再記録してもよい。
以上説明した本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態において、第1のしきい値α1をトラックピッチの10%としているが、位置誤差の回転非同期成分における分散の3倍の値等としてもよい。
また、第2のしきい値α2をトラックピッチの5%としているが、位置誤差の回転非同期成分における分散の3倍の値等としてもよい。
ここでは、トラック番号は外周側から内周側に増加し、サーボライトは外周側から内周側に記録しているが、内周側から外周側へ、あるいは外周から中央と内周側から中央等としてもよい。特に、中央にむけて記録する場合、中央での書きつなぎには本発明の第2の実施の形態が有効である。
また、ここではサーボウェッジという概念を用い、サーボ信号を等間隔に離散的に記録しているが、1つのトラックで連続に(非間欠に)記録してもよい。
本発明におけるディスク装置およびサーボライト方法は、高精度に位置情報の記録されたディスクとそれを再生してヘッド位置制御するためのサーボ情報を高精度に記録するための、位置検出手段、制御手段と正常記録判断手段、サーボ信号記録手段を有し、磁気ディスク装置等として有用である。また広く他のディスク装置等の用途にも応用できる。
本発明の第1の実施の形態にかかる第1のディスク装置の構成図 同ディスク装置における制御手段のブロック図 同ディスク装置における状態推定器のブロック図 同実施の形態にかかる第2のディスク装置の構成図 同ディスク装置における学習制御手段の内容説明図 同ディスク装置におけるヘッド位置決めの概略説明図 同ディスク装置におけるトラック1周分の位置信号を示す図 同ディスク装置における位置信号のFFT解析結果を示す図 同ディスク装置における不連続部分を含む位置信号のFFT解析結果を示す図 同ディスク装置におけるサーボ信号記録のフローチャート 本発明の第2の実施の形態にかかるディスク装置の構成図 同ディスク装置における隣接するトラックでの位置信号の関係図 同ディスク装置におけるサーボ信号記録のフローチャート
符号の説明
1 ヘッド
2 ヘッドスライダ
3 ヘッド支持機構
4 ディスク
5 スピンドルモータ
6 アクチュエータ
7 位置検出手段
7S 位置誤差生成手段
8 制御手段
9 学習制御手段
10 駆動手段
11 正常記録判断手段
12 サーボ信号記録手段
13 隣接位置誤差最小化手段
41 トラック
42 位置情報
634S 減算器
81S 減算器
82 制御器
821 積分フィードバックゲインKi
822 位置誤差フィードバックゲインKp
823 速度フィードバックゲインKv
83A 加算器
84 状態推定器
84A2 加算器
84g 状態推定ゲイン

Claims (14)

  1. 情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、
    前記ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、
    あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、
    前記位置信号をもとに前記ヘッドを前記アクチュエータで位置決めするための位置決め制御部を有するディスク装置において、
    前記位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくサーボ信号記録手段と、
    1つのトラックごとにサーボ信号記録開始時の位置誤差と終了時の位置誤差が第1のしきい値を超える場合は、開始から再度サーボ信号の記録を繰り返す正常記録判断手段を有することを特徴とするディスク装置。
  2. 前記サーボ信号は、同心円状に等間隔かつ離散的に記録されて複数のサーボウェッジで構成され、前記正常記録判断手段は、サーボ信号記録開始ウェッジでの位置誤差とサーボ信号記録最終ウェッジでの前記位置誤差が第1のしきい値を超える場合に、開始サーボウェッジから再度サーボ信号の記録を繰り返すように前記サーボ信号記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
  3. 前記第1のしきい値は、記録時のトラックにおいて1回転分以上の位置誤差より求まる前記位置誤差における回転非同期成分の分散の3倍以下、もしくは記録するサーボ信号のトラックピッチの10%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスク装置。
  4. 情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、
    前記ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、
    あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、
    前記位置信号をもとに前記ヘッドを前記アクチュエータで位置決めするための位置決め制御部を有するディスク装置において、
    前記位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくサーボ信号記録手段と、
    隣接トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差と現トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差の差が第2のしきい値を超える場合は、現トラックにおいて再度サーボ信号の記録を繰り返す隣接位置誤差最小化手段を有することを特徴とするディスク装置。
  5. 前記隣接位置誤差最小化手段は、隣接トラックと現トラックとのサーボ信号記録時の相対的な位置誤差と第2のしきい値との比較を記録する各サーボウェッジで行い、前記位置誤差が第2のしきい値を超える場合は現トラックの全サーボウェッジについてサーボ信号の記録を繰り返すことを特徴とする請求項4に記載のディスク装置。
  6. 前記隣接位置誤差最小化手段は、隣接トラックと現トラックとのサーボ信号記録時の位置誤差と第2のしきい値との比較を記録する各サーボウェッジで行い、位置誤差が第2のしきい値を超える場合はしきい値を超えたサーボウェッジのみサーボ信号の記録を繰り返すことを特徴とする請求項4に記載のディスク装置。
  7. 前記第2のしきい値は、記録時のトラックにおいて1回転分以上の位置誤差より求まる前記位置誤差の回転非同期成分の分散の3倍以下、もしくは記録するサーボ信号のトラックピッチの10%以下であることを特徴とする請求項4、請求項5および請求項6のいずれかに記載のディスク装置。
  8. あらかじめディスクに記録された位置信号は、磁気転写で記録された信号であることを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
  9. あらかじめディスクに磁気転写で記録された前記位置信号は、位相サーボ信号を含むことを特徴とする請求項8に記載のディスク装置。
  10. 情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、
    前記ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、
    あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、
    前記位置信号をもとに前記ヘッドを前記アクチュエータで位置決めするための位置決め制御部を有するディスク装置におけるサーボライト方法であって、
    前記位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくステップと、
    1つのトラックごとにサーボ信号記録開始時の位置誤差と終了時の位置誤差が第1のしきい値を超える場合は、開始から再度サーボ信号の記録を繰り返すステップを有することを特徴とするサーボライト方法。
  11. 前記サーボ信号は同心円状に等間隔かつ離散的に記録されて複数のサーボウェッジで構成され、サーボ信号記録開始ウェッジでの位置誤差とサーボ信号記録最終ウェッジでの位置誤差が第1のしきい値を超える場合に、開始ウェッジから再度サーボ信号の記録を繰り返すステップを有することを特徴とする請求項10に記載のサーボライト方法。
  12. 情報の記録および再生の少なくとも一方を行うヘッドと、
    前記ヘッドをディスク上の目標位置へ移動させるアクチュエータと、
    あらかじめヘッド位置決めのための位置信号が記録されたディスクと、
    前記位置信号をもとに前記ヘッドを前記アクチュエータで位置決めするための位置決め制御部を有するにおけるサーボライト方法であって、
    前記位置信号にもとづいてヘッドを目標半径位置に移動して位置決めしながら実際のサーボ信号を同心円に記録していくステップと、
    隣接トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差と、現トラックでのサーボ信号記録時の位置誤差の差が第2のしきい値を超える場合は、現トラックにおいて再度サーボ信号の記録を繰り返すステップとを有することを特徴とするサーボライト方法。
  13. 隣接トラックと現トラックとのサーボ信号記録時の位置誤差と第2のしきい値との比較は記録する各サーボウェッジで行い、位置誤差が第2のしきい値を超える場合は現トラックの全サーボウェッジのサーボ信号の記録を繰り返すステップを有することを特徴とする請求項12に記載のサーボライト方法。
  14. 隣接トラックと現トラックとのサーボ信号記録時の位置誤差と第2のしきい値との比較は記録する各サーボウェッジで行い、位置誤差が第2のしきい値を超える場合はしきい値を超えたサーボウェッジのみサーボ信号の記録を繰り返すステップを有することを特徴とする請求項12に記載のサーボライト方法。
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