JP2006251374A - 光学補償シート、楕円偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、楕円偏光板、および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 配向膜と光学異方層間の密着を確保することで、層間剥離の発生を防ぎ、偏光膜との貼り合せ工程及び液晶セルとの貼り合わせ工程を従来よりも容易にして、歩留まりを向上させること。
【解決手段】 液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が一般式(1)〜(4)で表される化合物または一般式(5)〜(8)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする光学補償シート。
【化1】

Description

本発明は、透明支持体上に液晶性化合物を含む液晶性組成物を塗布して形成した光学異方性層を有する光学補償シートに関する。
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、少なくとも一枚の光学補償シートを液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、少なくとも一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光素子の順に配置する。液晶セルは、棒状液晶性化合物、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性化合物に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性化合物の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
光学補償シートは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償シートとしては、延伸ポリマーフィルムが従来から使用されていた。延伸ポリマーフィルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上に液晶性化合物を含む液晶性組成物を塗布して形成した光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。液晶性化合物には、多様な配向形態がある。液晶性化合物を用いることで、従来の延伸ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。液晶性化合物を用いた光学補償シートでは、液晶セルの様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特許文献1〜4に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特許文献5に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、特許文献6,7に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特許文献8に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許文献9に記載がある。
特開平6−214116号公報 米国特許第5583679号明細書 米国特許第5646703号明細書 独国特許出願公開第3911620号明細書 特開平10−54982号公報 米国特許第5805253号明細書 国際公開第96/37804号パンフレット 特開平9−26572号公報 特許第2866372号公報
光学補償シートは、透明支持体上に配向膜及び液晶性組成物である光学異方層を塗布し作製することが出来るが、一方で配向膜と透明支持体と配向膜や配向膜と光学異方層間の密着力が十分でないと、偏光膜との貼り合わせ工程や液晶セルとの貼り合わせ工程で、層間剥離が発生してしまう問題がある。
本発明は、配向膜と光学異方層間の密着を確保することで、偏光膜との貼り合せ工程及び液晶セルとの貼り合わせ工程を従来よりも容易にし、歩留まりを向上させることを目的としたものである。
本発明の目的は、下記[1]〜[8]により達成された。
[1] 透明支持体及び配向層及び液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が下記一般式(1)〜(4)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする光学補償シート。
Figure 2006251374
〔式(1)において、R1はフェニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数1〜20のアルキル基(但し、アルキル基の炭素数が2〜20の場合、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、シアノ基、ニトロ基、−CON(R10)(R11)、炭素数1〜4のハロアルキル基、−S(O)m−R12(但し、R12は炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは1または2である。)、−S(O)m−R13(但し、R13は炭素数6〜12のアリール基を示し、炭素数1〜12のアルキル基で置換されてもよく、mは1または2である。)、炭素数1〜6のアルコキシスルホニル基、炭素数6〜10のアリーロキシスルホニル基、またはジフェニルホスフィノイル基を示し;R2は炭素数2〜12のアルカノイル基(但し、ハロゲン原子もしくはシアノ基の1個以上で置換されてもよい。)、その二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、またはフェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基もしくはハロゲン原子の1個以上で置換されてもよい。)を示し;R3、R4、R5、R6およびR7は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、またはフェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中もしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SO29(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり;R8は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(但し、nは1〜20の整数である。)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、−Si(R14)r(R15)3-r(但し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R15はフェニル基を示し、rは1〜3の整数である。)、下記式で表される基、
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;R9は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、下記式で表される基、
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;R10およびR11は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基(但し、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR10とR11が一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基(但し、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは−NR8−を有するか、および/または水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ基もしくはベンゾイルオキシ基の1個以上で置換されてもよい。)を示すか、あるいはR10が水素原子のとき、R11は下記式で表される基、
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;R16は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)、または炭素数1〜12のアルキル基(但し、ハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは−SR9の1個以上で置換されるか、および/または主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有してもよい。)を示し;M1は直接結合または−R17−O−を示し;M2は直接結合または−R17−S−を示し;M3は直接結合、ピペラジノ基または−R17−NH−を示し;R17は炭素数1〜12のアルキレン基(但し、その炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子、硫黄原子もしくは−NR10−の1〜5個を有してもよい。)を示す。〕
Figure 2006251374
〔式(2)において、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は式(1)のそれぞれR2、R3、R4、R5、R6およびR7と同義であり;Mは炭素数1〜12のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、−COO−R18−OCO−、−COO−(CH2CH2O)n−CO−(但し、nは1〜20の整数である。)、または−CO−R18−CO−を示し;R18は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。〕
Figure 2006251374
〔式(3)において、R2は式(1)のR2と同義であり;R19は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、または置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)を示すか、あるいはR20、R21およびR22を有するフェニル環中の炭素原子と結合して、基R9を介し5−員環もしくは6−員環を形成してもよく、あるいはR20、R21およびR22の少なくとも1個が−SR9のとき、炭素数1〜12のアルキル基{但し、炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有するか、および/またはハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは置換フェニル基(但し、置換基は−SR9である。)の1個以上で置換されてもよい。}を示し;R20、R21およびR22は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または水酸基の1個以上で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9、−SO29、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR20、R21およびR22の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり、;R8,R9、R10およびR11は式(1)のそれぞれR8,R9、R10およびR11と同義である。〕
Figure 2006251374
〔式(4)において、R2およびMはそれぞれ式(1)のR2および式(2)のMと同義であり;R20、R21およびR22は式(3)のそれぞれR20、R21およびR22と同義である。〕
[2] 透明支持体及び配向層及び液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が下記一般式(5)〜(8)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする光学補償シート。
Figure 2006251374
〔一般式(5)において、Xはハロゲン原子を表す。Yは−CX3、−NH2、−NHR′、−NR′2、−OR′を表す。ここにR′はアルキル基、アリール基を表す。またRは、−CX3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表す。〕
Figure 2006251374
〔一般式(6)において、Aはフェニル基、ナフチル基、置換フェニル基または置換ナフチル基を表す。ここで置換基とはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはメチレンジオキシ基である。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
Figure 2006251374
〔一般式(7)において、Wは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、フェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
Figure 2006251374
〔一般式(8)において、Aは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
[3] 液晶性分子が重合により配向した状態のまま固定されていることを特徴とする[1]又は[2]に記載の光学補償シート。
[4] 液晶性分子がディスコティック液晶であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の光学補償シート。
[5] 透明支持体及び配向層及び液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が[1]乃至[4]のいずれかに記載している特徴を有する光学補償シート。
[6] 配向層が有機化合物であり、重合性基を有することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の光学補償シート。
[7] 透明支持体がセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の光学補償シート。
[8] 透明保護膜、偏光膜、光学補償シートが積層されており、該光学補償シートが[1]から[7]のいずれかに記載の特徴を有する楕円偏光板。
[9] TN型液晶セル及びその両側に配置された二枚の楕円偏光板を有するTN型液晶表示装置であって、該楕円偏光板が[8]に記載の特徴を有する液晶表示装置。
[10] ベンド配向モードの液晶セル及びその両側に配置された二枚の楕円偏光板を有するベンド配向モード型液晶表示装置であって、該楕円偏光板が[8]に記載の特徴を有する液晶表示装置。
本発明者は研究の結果、光学異方層に特定の構造の光重合開始剤を加える事で、配向膜と光学異方層の相関密着を著しく向上させる事が可能となった。
光学異方層に添加する物質は、液晶性化合物の配向や光学異方性層の光学的性質に影響を与えない高分子化合物を選択して使用する必要がある。液晶性組成物には、下記の液晶性化合物および上記の有機溶媒または高分子化合物に加えて、任意の添加剤(例、重合開始剤、可塑剤、モノマー、界面活性剤、配向温度低下剤、カイラル剤)を加えてもよい。
[液晶性化合物]
液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物が好ましく、ディスコティック液晶性化合物が特に好ましい。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。高分子液晶性化合物は、以上のような低分子液晶性化合物に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性化合物を用いた光学補償シートについては、特開平5−53016号公報に記載がある。
円盤状化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page2655(1994))に記載されている。円盤状化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
円盤状化合物を重合により固定するためには、円盤状化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有する円盤状化合物は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。

(I) D(−L−P)n

式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
式(I)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好まし。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(I)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。
式(I)において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
光学異方性層は、円盤状化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
光学異方性層の厚さは、0.5乃至100μmであることが好ましく、0.5乃至30μmであることがさらに好ましい。
配向させた円盤状化合物を、配向状態を維持して固定する。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至5質量%であることがさらに好ましい。
円盤状化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20乃至5000mJ/cm2であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2であることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
[光学異方性層]
光学異方性層は、液晶性組成物を後述する配向膜の上に、塗布して形成する。液晶組成物の塗布は、公知の方法(例、バーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。液晶性化合物の重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2乃至50J/cm2であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方性層の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.2乃至15μmであることがさらに好ましく、0.3乃至10μmであることが最も好ましい。
[光重合開始剤]
本発明では、光重合開始剤として、一般式(1)〜(4)で表される化合物の少なくとも一種または一般式(5)〜(8)で表される化合物の少なくとも一種を含有する。
Figure 2006251374
〔式(1)において、R1はフェニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数1〜20のアルキル基(但し、アルキル基の炭素数が2〜20の場合、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、シアノ基、ニトロ基、−CON(R10)(R11)、炭素数1〜4のハロアルキル基、−S(O)m−R12(但し、R12は炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは1または2である。)、−S(O)m−R13(但し、R13は炭素数6〜12のアリール基を示し、炭素数1〜12のアルキル基で置換されてもよく、mは1または2である。)、炭素数1〜6のアルコキシスルホニル基、炭素数6〜10のアリーロキシスルホニル基、またはジフェニルホスフィノイル基を示し;
2は炭素数2〜12のアルカノイル基(但し、ハロゲン原子もしくはシアノ基の1個以上で置換されてもよい。)、その二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、またはフェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基もしくはハロゲン原子の1個以上で置換されてもよい。)を示し;
3、R4、R5、R6およびR7は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、またはフェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中もしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SO29(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり;
8は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(但し、nは1〜20の整数である。)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、−Si(R14)r(R15)3-r(但し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R15はフェニル基を示し、rは1〜3の整数である。)、
下記式で表される基、
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;
9は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、
下記式で表される基
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;
10およびR11は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基(但し、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR10とR11が一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基(但し、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは−NR8−を有するか、および/または水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ基もしくはベンゾイルオキシ基の1個以上で置換されてもよい。)を示すか、あるいはR10が水素原子のとき、R11
下記式で表される基
Figure 2006251374
または下記式で表される基
Figure 2006251374
を示し;
16は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)、または炭素数1〜12のアルキル基(但し、ハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは−SR9の1個以上で置換されるか、および/または主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有してもよい。)を示し;
1は直接結合または−R17−O−を示し;M2は直接結合または−R17−S−を示し;M3は直接結合、ピペラジノ基または−R17−NH−を示し;R17は炭素数1〜12のアルキレン基(但し、その炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子、硫黄原子もしくは−NR10−の1〜5個を有してもよい。)を示す。〕
Figure 2006251374
〔式(2)において、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は式(1)のそれぞれR2、R3、R4、R5、R6およびR7と同義であり;Mは炭素数1〜12のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、−COO−R18−OCO−、−COO−(CH2CH2O)n−CO−(但し、nは1〜20の整数である。)、または−CO−R18−CO−を示し;R18は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。〕
Figure 2006251374
〔式(3)において、R2は式(1)のR2と同義であり;R19は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、または置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)を示すか、あるいはR20、R21およびR22を有するフェニル環中の炭素原子と結合して、基R9を介し5−員環もしくは6−員環を形成してもよく、あるいはR20、R21およびR22の少なくとも1個が−SR9のとき、炭素数1〜12のアルキル基{但し、炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有するか、および/またはハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは置換フェニル基(但し、置換基は−SR9である。)の1個以上で置換されてもよい。}を示し;
20、R21およびR22は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または水酸基の1個以上で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9、−SO29、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR20、R21およびR22の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり、;R8,R9、R10およびR11は式(1)のそれぞれR8,R9、R10およびR11と同義である。〕
Figure 2006251374
〔式(4)において、R2およびMはそれぞれ式(1)のR2および式(2)のMと同義であり;R20、R21およびR22は式(3)のそれぞれR20、R21およびR22と同義である。〕
開始剤の使用量に特に制限はないが、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。また(1)〜(8)の開始剤は複数種を使用しても良いし、他のラジカル重合開始剤や光増感剤などと併用して使用しても良い。
(1)〜(4)の開始剤として、具体的な化合物としては、特開2000−80068号公報あるいは特開2001−264530号公報記載の化合物などを使用できるが、特にこれに限定されるものではない。
以下に、特開2000−80068号公報に記載の化合物を例示する。(例示化合物1〜21)
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
〔一般式(5)において、Xはハロゲン原子を表す。Yは−CX3、−NH2、−NHR′、−NR′2、−OR′を表す。ここにR′はアルキル基、アリール基を表す。またRは、−CX3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表す。〕
一般式(5)で表される化合物の具体例は以下の通りである。
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
Figure 2006251374
〔一般式(6)において、Aはフェニル基、ナフチル基、置換フェニル基または置換ナフチル基を表す。ここで置換基とはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはメチレンジオキシ基である。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
一般式(6)で表される化合物の具体例は以下の通りである。
Figure 2006251374
Figure 2006251374
〔一般式(7)において、Wは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、フェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
一般式(7)で表される化合物の具体例は以下の通りである。
Figure 2006251374
Figure 2006251374
〔一般式(8)において、Aは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
一般式(8)で表される化合物の具体例は以下の通りである。
Figure 2006251374
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に垂直(ダイレクターが透明支持体面の法線方向に平行)に配向している表示モード(例、VA、OCB、HAN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に水平(ディスコティック液晶性分子ではダイレクターが透明支持体面の法線方向に平行)に配向させる機能を有する配向膜を用いる。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に水平に配向している表示モード(例、STN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する配向膜を用いる。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に斜めに配向している表示モード(例、TN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に斜めに配向させる機能を有する配向膜を用いる。
具体的なポリマーの種類については、液晶セルの表示モードに対応する液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。配向膜に使用するポリマーに架橋性基を導入して架橋性基を反応させることにより、配向膜の強度が上がるとともに層間の密着も改良することが可能となる。なお、配向膜に使用する有機化合物の重合については、特開平8−338913号公報に記載がある。配向膜の厚さは、0.01乃至5μmであることが好ましく、0.05乃至2μmであることがさらに好ましい。本発明の配向膜に使用されるポリマーは、上記有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。
好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものであり、一般に鹸化度80〜100%のものであり、より好ましくは鹸化度85乃至95%のものである。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基として、例えば、COONa、Si(OX)3、N(CH3)3・Cl、C919COO、SO3Na、C1225等が導入される)、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、C1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH2、COOR、C65等が導入される)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変性乃至変性ポリビニルアルコールであり、より好ましくは鹸化度85乃至95%の未変性ないしアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
[透明支持体]
光学補償シートの透明支持体として、光学異方性を制御したポリマーフィルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明支持体を形成する材料としては、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂が用いられる。ポリマーフィルムを延伸することによって、光学異方性を得る。なお、セルロースエステルフィルムにレターデーション上昇剤(欧州特許出願公開第0911656号明細書記載)を添加することで、光学的異方性の高いセルロースエステルフィルムを製造することもできる。セルロースエステルまたは合成ポリマーのフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、鹸化処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)からなる。偏光素子は、一般に偏光膜と保護膜からなる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。保護膜は偏光膜の両面に設けられる。光学補償シートの透明支持体を、偏光膜の一方の側の保護膜としても機能させることができる。他方の側の保護膜としては、光学的等方性が高いセルロースエステルフィルムを用いることが好ましい。
[比較例1]
(透明支持体の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
<セルロースアセテート溶液組成>
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製 360FP)
0.0009質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部にレターデーション上昇剤溶液36質量部、およびシリカ微粒子(アイロジル製 R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
Figure 2006251374
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、乾燥風で、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(CA−1)(厚さ109μm)を製造した。
作成したセルロースアセテートフィルム(CA−1)について、レターデーションを測定したところ、厚み方向のレターデーションRthは85nm、面内のレターデーションReは7nmであった。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
セルロースアセテートフィルム(CA−1)上に、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S−1)をロッドコーターを用いて塗布量15cc/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に15秒滞留させた後に、同じくロッドコーターを用いて純水を3cc/m2塗布した。この時のフィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥した。
<アルカリ溶液(S−1)組成>
水酸化カリウム 8.55質量%
水 23.235質量%
イソプロパノール 54.20質量%
界面活性剤(K−1:C1429O(CH2CH2O)20H)
1.0質量%
プロピレングリコール 13.0質量%
消泡剤サーフィノールDF110D(日信化学工業(株)製)
0.015質量%
この表面処理したフィルム上に、下記の組成の配向膜塗布液をロードーコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
<配向膜塗布液>
下記変性ポリビニルアルコール 20質量%
水 360質量%
メタノール 120質量%
グルタルアルデヒド 0.5質量%
Figure 2006251374
次に、配向膜を形成した表面の長手方向にラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
下記の組成のディスコティック液晶塗布液(DA−1:固形分濃度32.6%;MEK溶媒)を#3.2のワイヤーバーコーターを使用し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償シート(KS−1)を作成した。
<ディスコティック液晶塗布液(DA−1)>
下記のディスコティック液晶DLC−A 9.1質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)) 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート 0.2質量部
(CAB551−0.2 イーストマンケミカル)
セルロースアセテートブチレート 0.05質量部
(CAB531−1 イーストマンケミカル)
イルガキュアー907 0.3質量部
カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 0.1質量部
Figure 2006251374
<セルロースアセテート溶液組成>
[実施例1]
(透明支持体の作製)
比較例1と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−1)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例1と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−1)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例1のディスコティック液晶塗布液(DA−1)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物1に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−2)を作製した。塗布条件は比較例1と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−2)を作成した。
[比較例2]
(透明支持体の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
<セルロースアセテート溶液組成>
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製 360FP)
0.0009質量部
別のミキシングタンクに、上記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部にレターデーション上昇剤溶液36質量部、およびシリカ微粒子(アイロジル製 R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、乾燥風中で幅方向に延伸し、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(CA−2)(厚さ88μm)を製造した。
作成したセルロースアセテートフィルム(CA−2)について、レターデーションを測定したところ、厚み方向のレターデーションRthは175nm、面内のレターデーションReは36nmであった。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例1と同様の処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
下記の組成のディスコティック液晶塗布液(DA−3:固形分濃度35.5%;MEK溶媒)を#3.2のワイヤーバーコーターを使用し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償シート(KS−3)を作成した。
<ディスコティック液晶塗布液(DA−3)>
下記のディスコティック液晶DLC−A 9.1質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)) 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート 0.15質量部
(CAB531−1 イーストマンケミカル)
イルガキュアー907 0・3質量部
カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 0.1質量部
[実施例2]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物8に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−4)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−4)を作成した。
[実施例3]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物19に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−5)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−5)を作成した。
[実施例4]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物21に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−6)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−6)を作成した。
[実施例5]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物28に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−7)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−7)を作成した。
[実施例6]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物30に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−8)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−8)を作成した。
[実施例7]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物41に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−9)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−9)を作成した。
[実施例8]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例2のディスコティック液晶塗布液(DA−3)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物42に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−10)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−10)を作成した。
[実施例9]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
実施例2のディスコティック液晶塗布液(DA−4)を用い、塗布条件は#3.6のワイヤーバーコーターを使用し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償シート(KS−11)を作成した。
[実施例10]
(透明支持体の作製)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−2)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
実施例5のディスコティック液晶塗布液(DA−7)を用い、塗布条件は#3.6のワイヤーバーコーターを使用し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償シート(KS−12)を作成した。
[比較例3]
(透明支持体の作製)
比較例2で得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、乾燥風で、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(CA−3)(厚さ80μμm)を製造した。
作成したセルロースアセテートフィルム(CA−3)について、レターデーションを測定したところ、厚み方向のレターデーションRthは83nm、面内のレターデーションReは6nmであった。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例2と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−3)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
下記の組成のディスコティック液晶塗布液(DA−11:固形分濃度34.0%;MEK溶媒)を#3.2のワイヤーバーコーターを使用し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償シート(KS−13)を作成した。
<ディスコティック液晶塗布液(DA−11)>
下記のディスコティック液晶DLC−A 9.1質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)) 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.08質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.03質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−1) 0.05質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−2) 0.005質量部
イルガキュアー907 3.0質量部
カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 0.1質量部
Figure 2006251374
[実施例11]
(透明支持体の作製)
比較例3と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−3)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例3と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−3)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例3のディスコティック液晶塗布液(DA−11)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物1に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−12)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−14)を作成した。
[実施例12]
(透明支持体の作製)
比較例3と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−3)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例3と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−3)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例3のディスコティック液晶塗布液(DA−11)の光重合開始剤であるイルガキュアー907を例示化合物28に当質量置き換えてディスコティック液晶塗布液(DA−13)を作製した。塗布条件は比較例2と同様の方法を用い、光学補償シート(KS−15)を作成した。
実施例1乃至12及び比較例1乃至3で得られた光学補償フィルムの剥離結果(密着評価)の結果を表1に示す。
(光学補償フィルムの剥離評価) 光学補償フィルムの剥離評価は、JIS K 5400の8.5.2基盤目テープ法に順じて試験片を作製し評価した。但し、評価には日東電工製ポリエステル粘着テープNO31RHを使用した。
Figure 2006251374

Claims (10)

  1. 液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が下記一般式(1)〜(4)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする光学補償シート。
    Figure 2006251374
    〔式(1)において、R1はフェニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数1〜20のアルキル基(但し、アルキル基の炭素数が2〜20の場合、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、シアノ基、ニトロ基、−CON(R10)(R11)、炭素数1〜4のハロアルキル基、−S(O)m−R12(但し、R12は炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは1または2である。)、−S(O)m−R13(但し、R13は炭素数6〜12のアリール基を示し、炭素数1〜12のアルキル基で置換されてもよく、mは1または2である。)、炭素数1〜6のアルコキシスルホニル基、炭素数6〜10のアリーロキシスルホニル基、またはジフェニルホスフィノイル基を示し;R2は炭素数2〜12のアルカノイル基(但し、ハロゲン原子もしくはシアノ基の1個以上で置換されてもよい。)、その二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、またはフェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基もしくはハロゲン原子の1個以上で置換されてもよい。)を示し;R3、R4、R5、R6およびR7は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、またはフェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中もしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SO29(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり;R8は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(但し、nは1〜20の整数である。)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、−Si(R14)r(R15)3-r(但し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R15はフェニル基を示し、rは1〜3の整数である。)、下記式で表される基、
    Figure 2006251374
    または下記式で表される基
    Figure 2006251374
    を示し;R9は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基{但し、置換基は、水酸基、メルカプト基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、2−シアノエトキシ基、炭素数4〜7の2−(アルコキシカルボニル)エトキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、カルボキシル基もしくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基の1個以上からなる。}、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキル基、フェニル基(但し、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい。)、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、下記式で表される基、
    Figure 2006251374
    または下記式で表される基
    Figure 2006251374
    を示し;R10およびR11は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基(但し、炭素数1〜12のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基の1個以上で置換されてもよい。)、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR10とR11が一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基(但し、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子もしくは−NR8−を有するか、および/または水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ基もしくはベンゾイルオキシ基の1個以上で置換されてもよい。)を示すか、あるいはR10が水素原子のとき、R11は下記式で表される基、
    Figure 2006251374
    または下記式で表される基
    Figure 2006251374
    を示し;R16は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)、または炭素数1〜12のアルキル基(但し、ハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは−SR9の1個以上で置換されるか、および/または主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有してもよい。)を示し;M1は直接結合または−R17−O−を示し;M2は直接結合または−R17−S−を示し;M3は直接結合、ピペラジノ基または−R17−NH−を示し;R17は炭素数1〜12のアルキレン基(但し、その炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子、硫黄原子もしくは−NR10−の1〜5個を有してもよい。)を示す。〕
    Figure 2006251374
    〔式(2)において、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は式(1)のそれぞれR2、R3、R4、R5、R6およびR7と同義であり;Mは炭素数1〜12のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、−COO−R18−OCO−、−COO−(CH2CH2O)n−CO−(但し、nは1〜20の整数である。)、または−CO−R18−CO−を示し;R18は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。〕
    Figure 2006251374
    〔式(3)において、R2は式(1)のR2と同義であり;R19は炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または1個以上の水酸基で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基(但し、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、−OR8もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されていてもよい。)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、−CON(R10)(R11)、シアノ基、または置換されたフェニル基(但し、置換基は−SR9である。)を示すか、あるいはR20、R21およびR22を有するフェニル環中の炭素原子と結合して、基R9を介し5−員環もしくは6−員環を形成してもよく、あるいはR20、R21およびR22の少なくとも1個が−SR9のとき、炭素数1〜12のアルキル基{但し、炭素数が2〜12の場合、主鎖炭素原子間に酸素原子もしくは−NH(CO)−の1個以上を有するか、および/またはハロゲン原子、水酸基、−OR2、フェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくは置換フェニル基(但し、置換基は−SR9である。)の1個以上で置換されてもよい。}を示し;R20、R21およびR22は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(但し、−OR8、−SR9もしくは−N(R10)(R11)の1個以上で置換されてもよい。)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(但し、アルコキシ基の炭素数が2〜11の場合、該アルコキシ基は主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するか、および/または水酸基の1個以上で置換されてもよい。)、フェノキシカルボニル基、−OR8(但し、R8はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−SR9(但し、R9はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)、−S(O)R9、−SO29、または−N(R10)(R11)(但し、R10および/またはR11はフェニル環中のもしくはフェニル環への置換基中の炭素原子の一つと共に、5−員環もしくは6−員環を形成してもよい。)を示し、かつR20、R21およびR22の少なくとも一つは−OR8、−SR9または−N(R10)(R11)であり、;R8,R9、R10およびR11は式(1)のそれぞれR8,R9、R10およびR11と同義である。〕
    Figure 2006251374
    〔式(4)において、R2およびMはそれぞれ式(1)のR2および式(2)のMと同義であり;R20、R21およびR22は式(3)のそれぞれR20、R21およびR22と同義である。〕
  2. 液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が下記一般式(5)〜(8)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする光学補償シート。
    Figure 2006251374
    〔一般式(5)において、Xはハロゲン原子を表す。Yは−CX3、−NH2、−NHR′、−NR′2、−OR′を表す。ここにR′はアルキル基、アリール基を表す。またRは、−CX3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表す。〕
    Figure 2006251374
    〔一般式(6)において、Aはフェニル基、ナフチル基、置換フェニル基または置換ナフチル基を表す。ここで置換基とはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはメチレンジオキシ基である。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
    Figure 2006251374
    〔一般式(7)において、Wは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、フェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
    Figure 2006251374
    〔一般式(8)において、Aは無置換もしくは置換されたフェニル基又は無置換のナフチル基を表し、フェニル基の置換基はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基の数はハロゲン原子のときは1つ又は2つであり、その他の場合は1つである。Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基を表す。Yはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を示す。〕
  3. 上記液晶性分子が重合により配向した状態のまま固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償シート。
  4. 上記液晶性分子がディスコティック液晶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学補償シート。
  5. 透明支持体及び配向層及び液晶性分子から形成された光学異方層からなる光学補償シートにおいて、該光学異方層が請求項1乃至4のいずれかに記載している特徴を有する光学補償シート。
  6. 配向層が有機化合物であり、重合性基を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光学補償シート。
  7. 透明支持体がセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光学補償シート。
  8. 透明保護膜、偏光膜、光学補償シートが積層されており、該光学補償シートが請求項1から7のいずれかに記載の特徴を有する楕円偏光板。
  9. TN型液晶セル及びその両側に配置された二枚の楕円偏光板を有するTN型液晶表示装置であって、該楕円偏光板が請求項8に記載の特徴を有する液晶表示装置。
  10. ベンド配向モードの液晶セル及びその両側に配置された二枚の楕円偏光板を有するベンド配向モード型液晶表示装置であって、該楕円偏光板が請求項8に記載の特徴を有する液晶表示装置。
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