JP2006250920A - クロマトグラフィーカラム - Google Patents

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Abstract

【課題】クロマトグラフィーカラムの固定相の熱安定性を改良する。
【解決手段】重水素化されたポリ(エチレングリコール)又は他の重水素化された重合体からなる固定相を含んだクロマトグラフィーカラムを提供する。固定相の形成は、同等の重水素化されていない重合体からなる固定相を形成するときに使用される方法と、全く同じ方法を使用して行うことができる。重水素化されたポリ(エチレングリコール)又は他の重水素化された重合体は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)又は同等の重水素化されていない重合体に比べて、熱安定性が増大していることが好ましい。これにより、ガスクロマトグラフィーの間、固定相のブリージングが減少し、高い温度で操作できることとなる。
【選択図】図2

Description

この発明は、クロマトグラフィーカラムと、クロマトグラフィーカラムの製造方法とに関するものである。
普通PEGと略称されるポリ(エチレングリコール)を固定相とするガスクロマトグラフィーカラムは知られている。PEGの他の名称は、ポリ(エチレンオキサイド)またはポリ(オキシラン)である。ポリ(エチレングリコール)は種々の形で存在するが、それらはすべて式(3):
Figure 2006250920
で表わされる繰り返し単位が多数結合した重合体である。
ポリ(エチレングリコール)の基本的な形は、各端に水酸基を持った直鎖状の分子であって、式(4):
Figure 2006250920
で表わされる。
この形を以下ではジオールポリ(エチレングリコール)と言う。
しかし、直鎖状のポリ(エチレングリコール)には、ほかに多くの形があって、その場合にはジオールポリ(エチレングリコール)の末端に位置する1個又は2個のヒドロキシル基が、化学的に修飾又は置換されている。普通の形はモノメトキシ又はジメトキシポリ(エチレングリコール)であって、そこではジオールポリ(エチレングリコール)の末端に位置する1個又は2個のヒドロキシル基がメトキシ基で置換されている。下記非特許文献1が記載する別のポリ(エチレングリコール)は、ジオールポリ(エチレングリコール)の末端にヒドロキシル基とこれに近接するエーテル結合との間に追加のメチル基が挿入されている。
下記非特許文献2がポリ(エチレングリコール)を開示しているが、そこでは1個又は2個の末端ヒドロキシル基をエステル化することによって、ジオールポリ(エチレングリコール)の中へアンチオキシダント基(酸化防止剤基)を導入している。また、広い範囲にわたる末端基を持った、そのほかの多くの形の直鎖状のポリ(エチレングリコール)が知られている。特定のポリ(エチレングリコール)中の末端基は、互いに同じであってもよく、また異なっていてもよい。
また、ポリ(エチレングリコール)は枝分れした形(分枝状)にされていてもよい。分枝状ポリ(エチレングリコール)は、普通の核に共有結合によって結合した2個のポリ(エチレングリコール)鎖からなるものである。分枝状ポリ(エチレングリコール)の製造方法はよく知られており、例えば下記特許文献1及び下記特許文献2に記載されている。分枝状ポリ(エチレングリコール)の遊離末端はヒドロキシル基であっても他の基であってもよく、また互いに同じであってもまた異なっていてもよい。
また、ポリ(エチレングリコール)は、マルチアーム(multi-arm)形にすることもできる。このものは3個又はそれより多い「アーム」を持ち、各アームは1個のポリ(エチレングリコール)鎖を含んでいる。マルチアームポリ(エチレングリコール)は、例えば下記特許文献2に記載されている。マルチアームポリ(エチレングリコール)の遊離末端は、ヒドロキシル基であってもその他の基であってもよく、また互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、ポリ(エチレングリコール)は、橋かけ結合された形にすることもできる。橋かけ結合にする1つの方法は、ジオールポリ(エチレングリコール)の両端にあるヒドロキシル基を化学的に修飾又は変化させて(modify)、修飾又は変化した末端が互いに橋かけ結合をするようにすることである。両末端が橋かけ結合に参加するので、ポリ(エチレングリコール)鎖の不溶性の網目構造が形成される。また、下記非特許文献3が記載しているように、熱処理を制御することによってポリエチレン鎖の橋かけ結合を完成させることができる。
直鎖、分枝、マルチアーム及び橋かけ結合された形のポリ(エチレングリコール)は、(適当な場合に)広い範囲の末端基を持ったものが、すべてクロマトグラフィーカラムの固定相として、とくにガスクロマトグラフィーカラムの固定相として使用される。固定相としては、種々な形のPEGの混合物を使用することもできる。橋かけ結合されたポリ(エチレングリコール)の場合には、最初にポリ(エチレングリコール)がカラムに導入され、その後にその場で橋かけ結合が行われる。ポリ(エチレングリコール)は、極性化合物に対して良好な選択性(すなわち分離能力)を持っているので、種々な形でガスクロマトグラフィー用のとくに有用な固定相となる。
米国特許第5183660号明細書 米国特許第5932462号明細書 Glastrup、「ポリマー デグラデーション アンド スタビリティ(Polymer Degradation and Stability)」、81(2003)273−278 Dale 他、「ジャーナル オブ クロマトグラフィ(Journal of Chromatography)」、552(1991)161−167 Cardoso 他、「ジャーナル オブ ブラジリアン ケミカル ソサエティ(Journal of Brazilian Chemical Society)」、第11巻 2号(2000)191−194
しかし、ガスクロマトグラフィーにおいて固定相としてポリ(エチレングリコール)を使用する場合の問題は、ポリ(エチレングリコール)があいにく熱安定性が悪いという性質を持っているということである。ガスクロマトグラフィーに普通に用いられる温度では、ポリ(エチレングリコール)は分離し易い。ガスクロマトグラフィーカラム中でポリ(エチレングリコール)の熱劣化から生じる断片は、質量分析法と、フレームイオン化検出法(これらは分析物を検出するのに用いられる主要な方法である)とによって検出される。質量分析法又はフレームイオン化検出法によるポリ(エチレングリコール)固定相の熱分解から生じた断片の検出は、背景雑音を発生させ、それが分析物の検出感度を減少させることとなる。
その上に、ポリ(エチレングリコール)固定相の熱に対する不安定性は、ガスクロマトグラフィーカラムの作動する寿命と、許容された最高操作温度とを低下させる。
ポリ(エチレングリコール)の熱安定性を改良しようとして、多くの試みがなされてきた。上記非特許文献2に記載されているように、ポリ(エチレングリコール)中にアンチオキシダント基を導入したり、上記非特許文献1に記載されているように、メチレン基を導入したり、上記非特許文献3に記載されているように、橋かけ結合を熱により誘導することは、すべてポリ(エチレングリコール)の熱安定性を改良するために必要とされてきた。
この発明の第1の側面によると、式(1):
Figure 2006250920
で表わされる多数の繰り返し単位からなる重合体を含む固定相を持ったクロマトグラフィーカラムが提供される。ここでDは重水素(ジュウテリウム)である。
この発明の第2の側面によると、互いに隣接して配置された多数の成分単位からなる重合体で、その成分単位の中の1つが、おのおの式(2):
Figure 2006250920
で表わされる構造を持った重合体からなる固定相を持ったクロマトグラフィーカラムが提供される。この場合、−R基の1つが、おのおの水素(−H)及び重水素(−D)からなる群から選ばれ、しかもこの場合には重合体中で充分に多数の−R基が重水素であり、そのために実質的にすべての上記−R基が水素である場合よりも、上記重合体の熱安定性が大きくなっている。
ここで使用されているように、「成分単位」という用語は、重合体中で互いに化学的に同一か又は異なっている個々の単量体を指している。「繰り返し単位」という用語は、同一の化学構造を持った成分単位を指している。「隣接する」および「隣接して」という用語は、成分単位が重合体の鎖の中で直接互いに隣接している成分単位の配列を指している。
この発明の第3の側面によると、少なくとも部分的に重水素化されて(これは水素原子が重水素原子で部分的に置換されることを意味する)、熱安定性が増大している重合体からなる固定相を持ったクロマトグラフィーカラムが提供される。
この発明の第4の側面によると、重合体を用いてクロマトグラフィーカラムの固定相を作ることからなるクロマトグラフィーカラムの製造方法が提供されており、この重合体は少なくとも部分的に重水素化されていて、重合体の熱安定性が増大している。
この発明の第3及び第4の側面の好ましい具体例では、重合体が少なくとも1つのポリ(エチレングリコール)の鎖を含んでおり、その少なくとも1つの鎖は少なくとも部分的に重水素化されているものである。
この発明の好ましい具体例では、重水素の使用により、その重水素が水素で置換された場合に現れる熱安定性に比べて、重合体の熱安定性を増大している。熱安定性が増大することは、炭素−水素結合よりも炭素−重水素結合が均一開裂に対して一層安定であること(いわゆる一次重水素同位体効果)に起因している。その上に、重水素の存在により、炭素−炭素結合及び炭素−酸素結合の結合力を増すことができる(いわゆる二次重水素同位体効果)。一次及び二次同位体効果は、PEG劣化の動力学的速度を低下させる結果となる。この一次及び二次同位体効果の寄与は、動力学同位体効果と言われている。しかし、これまでは水素の代わりに重水素を使用すると、ポリ(エチレングリコール)の熱安定性を増大させることができる、という示唆は全くなかった。
この発明の具体例は、実施例により添付の図面を参照して以下に詳しく説明する。
主としてクロマトグラフィーカラムの固定相に重水素化されたポリ(エチレングリコール)を使用する場合について、以下に説明するが、他の重水素化された重合体もこの目的に使用できることは言うまでもない。例えば式(1):
Figure 2006250920
を持った多数の繰り返し単位からなる重合体は、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の定義内に入らないかも知れないが、クロマトグラフィーカラムの固定相材料として有用である。そのような一例は、少なくとも1つの重水素化されたポリ(エチレングリコール)鎖を別の化学組成を持った1つ又は2つ以上の鎖とともに含んでいるブロックヘテロポリマーである。
また、互いに接近して配列された多数の成分単位からなる或る重水素化された重合体であって、その成分単位中の1つが、おのおの式(2):
Figure 2006250920
で表される構造を持った重合体は、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の定義の範囲内に入らないかも知れないが、それでも固定相の材料に有用なものであり、この場合には−R基の各1つは水素と重水素とからなる群から選ばれており、重合体中では充分に多数の−R基が重水素であり、従って重合体の熱安定性が、実質的にすべての−R基が水素である場合の熱安定性よりも大きくなっている。また、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の少なくとも1つの鎖を含むブロックヘテロポリマーは、この範疇に入る1つの例である。
しかし、ポリ(エチレングリコール)成分を持たない重水素化された重合体は、それでもなお固定相の材料として有用である。そのような重水素化された重合体の例としては、重水素化されたポリ(シロキサン)を含んでいる。
重水素化されたポリ(エチレングリコール)
重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、クロマトグラフィーカラム、とくにガスクロマトグラフィーカラムの固定相に用いると有利である。重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、例えば直鎖状の重水素化されたジオールポリ(エチレングリコール)、直鎖状の重水素化されたポリ(エチレングリコール)で、一端又は両端にヒドロキシル基以外の基を持ったもの(そこでは両端がヒドロキシル基であることはなく、その基は互いに同じであっても異なっていてもよい)、枝分れした鎖状の重水素化されたポリ(エチレングリコール)、ポリアームの重水素化されたポリ(エチレングリコール)、又はポリ(エチレングリコール)鎖の重水素化され橋かけ結合された網目構造である。ポリ(エチレングリコール)の重水素化され枝分れした形又は重水素化されたポリアーム形では、遊離末端がヒドロキシル基又は他の基を持っていてもよく、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。固定相は、また種々の重水素化されたポリ(エチレングリコール)の混合物で作られていてもよい。
一般に、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)は、どのようなタイプのものであっても、クロマトグラフィーカラム中の固定相として使用できるものであるが、また重水素化された形で固定相の材料として使用することができる。唯一の相違は、水素原子の一部又は全部が重水素で置換されているということであり、従って上述のように、このことが熱安定性の増大につながっている。
ガスクロマトグラフィーの固定相として使用される重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、少なくとも1000の分子量を持っていることが好ましい。それより低い分子量では、個々の分子の蒸気圧は、分子がクロマトグラフィーカラムから追い出されて検出器に入る(ブリージングと言われる)ようなものになる。橋かけ結合され重水素化されたポリ(エチレングリコール)を固定相として用いない場合には、カラム内の重水素化されたポリ(エチレングリコール)の分子量は1,000,000以下であることが好ましい。それより高い分子量では、塗布溶剤(以下に説明)中の重合体の溶解度が低くて望ましくない。固定相が橋かけ結合された形の重水素化されたポリ(エチレングリコール)である場合には、橋かけ結合された後の分子量は百万以上であって著しく大きい。
1個の重合体分子中に含まれている成分単位の数(n)は、(重水素化されたポリエチレングリコールが橋かけ結合されていない場合には)、約20から約20,000までの範囲内にあることが好ましいが、しかしそれより少なくても多くてもよい。
固定相の材料に用いられる重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、適度に単分散であることが望ましいが、多分散に調製された物を用いることもできる。
種々な形の重水素化されたポリ(エチレングリコール)は市販されている。例えば、直鎖状の重水素化されたジオールポリ(エチレングリコール)は、色々な末端基を持った直鎖状の重水素化されたポリ(エチレングリコール)とともに、カナダのモントリオールのポリマーソース インコーポレイテッドから入手することができる。
その代わりに、重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)が、重水素化されていないエチレンオキサイドの重合によって作られるのと同じ方法で、重水素化された(D4)エチレンオキサイド(これは市販されている)の重合によって作ることができる。これは次式(5)により表わされる。
Figure 2006250920
一般に、直鎖状の重水素化されたジオールポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシル基以外の末端基を1端又は両端に持った直鎖状の重水素化されたポリ(エチレングリコール)、及びすべての形の枝分れしたポリアームを持った、及び橋かけ結合をした重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、適当な重水素化された単量体又は重水素化されたポリ(エチレングリコール)を使用して、また対応する重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を作るのに用いられる方法とまったく同じ方法を使用して作ることができる。重水素化されていないポリ(エチレングリコール)に対して実施することができる末端修飾は、すべて同じように、重水素化されたポリ(エチレングリコール)に対して実施することができる。
重水素化されたエチレンオキサイド(D4)は、(例えばシグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)から)重水素原子98%の保証純度で入手できる。従って、上に示したように、重水素化されたエチレンオキサイドの分子の大部分は4個の重水素原子を持っているが、分子の若干が重水素の代わりに1つ又は2つ以上の水素原子を持っている。従って、この純度の重水素化されたエチレンオキサイドが重合して、重水素化されたポリ(エチレングリコール)を形成するときには、重合体の成分単位の大部分は次の式(1)を持っている。
Figure 2006250920
しかし、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の成分単位の或るものは、次式(2):
Figure 2006250920
に対応した構造を持っている。ここで、各−R基は水素か又は重水素であり、−R基の1つ又は2つ以上が水素である。市場の出所から得られる重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、それが完全に重水素原子100%の純度を持たない単量体から作られるものであるから、重水素の代わりに少量の水素を含むことになる、と考えられる。
従って、厳密に言うと、多くの重水素化されたポリ(エチレングリコール)は部分的に重水素化されたもので、重水素化されたという用語は、ここで用いられている限り、部分的に又は充分に水素化されている、という意味を含んでいる。
以下に実証するように、例えば重水素原子の純度が98%以上のポリ(エチレングリコール)は、重水素化されていない例外と同じポリ(エチレングリコール)に比べると、熱安定性を高めている。しかし、低い重水素化はまた有用な熱安定性の増大をもたらし、しかも熱安定性の増大は一般に重水素化の程度に比例すると考えられる。
例えば、約50%の重水素と約50%の水素とを含んだポリ(エチレングリコール)は、実質的にすべてが水素であって重水素を含まない比較可能なポリ(エチレングリコール)に比べると、かなりすぐれた熱安定性を示すと考えられている。重水素と水素との両者(例えば50:50)を含んだポリ(エチレングリコール)は、重水素化されたエチレンオキサイド(D4)を重水素化されていないエチレンオキサイドと、適当な割合に共重合させることにより作ることができ、必要な重水素化を実現することができる。この反応は、図式(6)では次のように示すことができる。
Figure 2006250920
従って、こうして作られた部分的に重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、主として式(1):
Figure 2006250920
で表わされる成分単位と、式(3):
Figure 2006250920
で表わされる成分単位とからなるものである。
しかし、その上に、かりに重水素化されたエチレンオキサイドが100%の重水素原子純度のものでないならば、ヘテロ重合体はまた、式(2):
Figure 2006250920
による構造を持った少量の成分単位を持つことになり、その場合、−R基の或るものは水素であり、その他の−R基は重水素であることになる。
こうして作られたヘテロ重合体では、成分単位の分布は不規則である。
重水素化されていないポリ(エチレングリコール)中では、下記式(2)の成分単位
Figure 2006250920
中の−R基はすべて水素であることは言うまでもない。しかし、重水素が天然に存在している(天然の水素は約0.015%の重水素を含んでいる)ために、極めて少量の−R基は重水素となる。このような重水素含有量が起こるのに拘わらず、そのようなポリ(エチレングリコール)は重水素化されているとは考えられない。自然界に存在する重水素の量は極めて少量であるから、4個の−R基すべてが重水素を含んでいる成分単位は発生しない。一般に、重水素と水素との和に対する百分率として、重水素が1%より少ない含有量の重合体は、本願の目的からは重水素化されていると見做すことができない。
上に指摘したように、この発明の重水素化された重合体は、充分な量の重水素を含んでいて、もしその重水素が水素で置換されると現れるような熱安定性に比べると、重合体としての熱安定性を増大させている。熱安定性を増大させるのに必要な重水素の含有量は、重合体の正確な性質によって変化する。重合体中の重水素の量は、水素と重水素との和に対する百分率として、少なくとも10%であることが好ましい。この百分率は少なくとも50%であることが好ましく、又は少なくとも90%であることがさらに好ましい。この百分率は少なくとも98%であることが最も好ましい。
重水素化されたポリ(エチレングリコール)からなる固定相を持ったクロマトグラフィーカラムの製造
重水素化された重合体からなる固定相を持ったクロマトグラフィーカラムは、重水素化されていない類似の重合体からなる固定相を持ったクロマトグラフィーカラムを作るための、どのような方法を用いても作ることができる。
例えば、固定相として重水素化されたポリ(エチレングリコール)を持ったガスクロマトグラフィーカラムは、固定相として重水素化されていない類似のポリ(エチレングリコール)を持ったクロマトグラフィーカラムを作るのに適したどのような方法によっても、作ることができる。ガスクロマトグラフィーカラムは、1mから100mの長さと、0.05から1mmの内径を持つことが好ましい。
特定の具体例によれば、固定相に重水素化されたポリ(エチレングリコール)を用い、これを壁面に塗装した開放管形(WCOT)のガスクロマトグラフィーカラムは、固定相として重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を持ったWCOTカラムを製造するのに広く用いられている静電塗装方法を用いて作ることができる。この方法では、溶融シリカ製の毛細管または金属製の毛細管に、易揮発性溶剤に溶解した重水素化されたポリ(エチレングリコール)の均一溶液を充満させる。重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、直鎖状、分枝状、又はポリアーム状の何れであってもよく、また末端がヒドロキシル基又はその他の基の形をしていてもよい。充満させた毛細管カラムの一端をシールし、毛細管カラムの他端を真空室に接続する。重水素化されたポリ(エチレングリコール)を溶解している溶剤が蒸発して、毛細管カラムの内壁に重水素化されたポリ(エチレングリコール)を薄い塗膜として残す。
こうして作られた重水素化されたポリ(エチレングリコール)塗膜(すなわち固定相)は、0.1ミクロメートルから10ミクロメートルまでの範囲内の厚みを持っている。
その代わりに、固定相として重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだガスクロマトグラフィーWCOTカラムは、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)の固定相の塗膜を作るのに知られている動的塗装方法を使用して作ることができる。この方法では空の毛細管カラムは、溶融シリカ製の毛細管又は金属製の毛細管の何れであってもよく、容易に蒸発する溶剤に溶解した重水素化されたポリ(エチレングリコール)の濃厚溶液で部分的に満たされる。栓状の溶剤を毛細管カラムの中へ押し込んで、重水素化されたポリ(エチレングリコール)溶液を含んでいる溶剤の薄層を毛細管の壁面上に残す。栓状の溶剤が毛細管の出口から出たあとで、毛細管カラム内を通るガスの流れによって毛細管内の溶剤を蒸発させる。溶剤が蒸発するにつれて、重水素化されたポリ(エチレングリコール)は毛細管の内壁面上に塗膜として残り、固定相を形成する。こうして形成された塗膜もまた、約0.1ミクロメートルから約5ミクロメートルまでの厚みを持っている。
ポリ(エチレングリコール)の固定相を形成するために用いられるその他のどのような方法も、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の固定相を形成するために用いることができる。
また、重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、橋かけ結合された形で用いることができる。この場合、とくにガスクロマトグラフィーカラムのようなクロマトグラフィーカラムにするには、直鎖状、分枝鎖状又はマルチアーム形の重水素化されたポリ(エチレングリコール)を使用して、(以下に記載するように)カラム内に固定相を作り、その後にその直鎖状、分枝鎖状又はマルチアーム形のものをその場で同時に橋かけ結合させることができる。その代わりに、種々のタイプのポリ(エチレングリコール)の混合物、例えば直鎖状、分枝状及びマルチアーム形のものの2種以上の混合物を、同時に橋かけ結合させて橋かけ結合した固定相を形成することができる。こうして橋かけ結合された重水素化されたポリ(エチレングリコール)を形成することは、重水素化されたポリ(エチレングリコール)が不溶性となるので有利である。このことは、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の固定相を移動させないで不純物を取り除くために、溶剤で洗浄することができることを意味している。さらに、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の固定相を溶解しないで、大量の液体をカラム上に注入することができる。さらに、橋かけ結合は固定相の機械的安定性を増大させ、また熱安定性を増大させ、ブリージング(にじみ)を減少させる。
重水素化された重合体を使用して、他のタイプのカラム内に固定相を形成することもできる。例えば、重水素化された重合体を使用して、充填カラムの固定相を形成することができた。この場合には、例えばガラス製のカラムのようなカラム内に充填された多孔性の固体粒子上に、重水素化された重合体を塗膜として形成する。その代わりに、重水素化された重合体を使用して、ガスクロマトグラフィー用の支持物塗布開口チューブ状(SCOT)のカラム内に固定相を形成することができる。この場合には、支持材料を毛細管カラムの壁面に接着し、その後に重水素化された重合体を支持材料上に塗布する。また、重水素化された重合体を使用して、多孔性層開口チューブ状カラム内に固定相を形成することができる。
以下の実施例は、この発明を具体的に示している。
この実施例では、重水素化された直鎖状のジオールポリ(エチレングリコール)を、これと比較できる重水素化されていない直鎖状のジオールポリ(エチレングリコール)と並べて熱重量測定に付した。その重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、Mnが22,000で、Mwが20,000(Mw/Mn=1.10)であった。その重水素化されていないポリ(エチレングリコール)はMnが19,000でMwが20,400(Mw/Mn=1.07)であった。この2つの重合体は、同じ方法(但し、適当な場合には重水素化された単量体と重水素化されていない単量体とを使用して)で作られており、同じ化学的背景を持ち、同じ供給者から得られた。その重水素化されたポリ(エチレングリコール)は、重水素原子の純度百分率が98%以上であった。
重水素化されたポリ(エチレングリコール)の試料(約11mg)を70ミクロリットル容量のアルミナカップに入れた。試料の重量を測定した。重水素化されていないポリ(エチレングリコール)の試料(約11mg)を、同様に別の70ミクロリットル容量のアルミナカップに入れて重量を測定した。その後、この2つのカップを熱重量測定器に入れた。熱重量測定器は、プログラムによって30分間25℃の一定温度にカップを保持し、その直後に1分あたり10℃の割合で25℃から900℃まで温度を上昇させ、その直後にカップの温度を900℃に15分間保持するようにされた。各コップからの重量損失を連続的に監視し、同じ熱試験に付された70ミクロリットルの空カップにより補正して、試料の大きさに標準化した。この熱重量測定は窒素の下で行った。
結果を図1に示すが、図1はX軸上の温度(及び時間)に対して、Y軸上の残留重量の百分率を示している。重水素化されたポリ(エチレングリコール)の残留重量百分率は、Aの符号を付けた線によって示され、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)の残留重量百分率は、Bの符号を付けた線によって示されている。
図1に見られるように、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の曲線は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)に比較すると、20℃で熱安定性が向上していることを示している。
実施例2では、重水素化されたポリ(エチレングリコール)を固定相に使用して、2つのWCOTガスクロマトグラフィーカラムを作り、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を使用して、2つのWCOTカラムを作った。重水素化されたポリ(エチレングリコール)と、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)とは、実施例1で用いたものと同じであった。
ガスクロマトグラフィーカラムを作るのに用いた毛細管は、同じものであって、長さが30mで内径が0.25mmの溶融シリカ製の毛細管であった。
同じ方法を用いて重水素化されたポリ(エチレングリコール)の固定相塗膜を重水素化されたカラム内に作り、また重水素化されていないポリ(エチレングリコール)の固定相塗膜を重水素化されていないカラム内に作った。各溶融シリカ製の毛細管内に(重水素化されているか、又は重水素化されていない)適当な重合体の0.4%(w/v)蟻酸メチル溶液を充填した。その後、毛細管の一端をシールし、他の開口端に真空を適用した。蟻酸メチルが蒸発したあとに、0.25ミクロメートルの薄い重合体層が溶融シリカ製の毛細管の内面上に残った。
実施例3では、実施例2で作られ重水素化されたポリ(エチレングリコール)を固定相として含んでいる2つのカラムと、実施例2で作られ重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を固定相として含んでいる2つのカラムとの各々を使用して、7種の無極性物質の混合物を分離し、そのクロマトグラフィーとしての性能を比較した。
各カラムをCP9000ガスクロマトグラフとともに使用した。オーブンの温度を120℃とした。キャリヤーガスを72kPa(10psi)で供給される水素とした。インジェクター温度を250℃とした。インジェクターはスプリットタイプのインジェクター(100ml/分)であった。検出器は275℃で操作されたフレームイオン化検出器であった。注入体積を0.1ミクロリットルとした。
使用された試料は、シクロへキサンに溶解した5−ノナノン、1−オクタノール、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、ナフタレン、n−オクタデカン及び2,6−ジメチルアニリンからなる標準試験混合物であった。各分析物は0.1%で存在した。
重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含むカラムと、重水素化されないポリ(エチレングリコール)を含むカラムとのクロマトグラフとしての性能は、表1に示されている。表1に見られるように、重水素化された固定相を含んでいるカラムと重水素化されていない固定相を含んでいるカラムとは、同じ選択性を示している(すなわち、試験試料中の成分は同じ順序で溶離した)。また、保持特性(容量比)は2つのカラムで同様である。従って、ポリ(エチレングリコール)の水素原子が重水素で置換されるときには、選択性又は透過性の変化は起こらない。
Figure 2006250920
実施例4では、実施例2で作った固定相として重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだカラムと、固定相として重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んだカラムとをブリードテストに付したが、その間温度を着実に上昇させた。
カラム温度を50℃から250℃へ着実に上昇させる間に、各カラムに72kPaの水素ガスを通した。フレームイオン化検出器を使用してカラムからブリードする物質を検出した。
結果を図2に示しているが、そこでは重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだカラムが線Aで表わされ、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んだカラムが、線Bで表わされている。Y軸はフレームイオン化検出信号を表わし、X軸は50℃から250℃まで上昇する温度を表わしている。
図2に示したように、フレームイオン化検出信号は、重水素化されたポリ(エチレングリコール)カラムに対してよりも、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)カラムに対して、低温で増大し始めた。さらに、重水素化されていないカラムに対するフレームイオン化検出信号は、重水素化されたポリ(エチレングリコール)カラムによって表わされる信号よりも遥かに高い平坦部分に到着した。
これらの結果は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)の固定相が低い温度で熱劣化を受け、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の固定相に比べると、より一層大きく熱劣化を受けることを示している。フレームイオン化検出器信号は、カラムからブリードする固定相の断片を表わしている。
さらに実施例3で得られた重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだ2つのカラムと、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んだ2つのカラムとの250℃におけるブリード値が表1に示されている。この表から判ることは、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んだカラムからのブリード値が、この温度で重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだカラムからのブリード値の約10倍であったということである。
これらの結果は、重水素化されたポリ(エチレングリコール)をガスクロマトグラフィーの固定相として使用するときには、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の示す熱安定性の増大が、ブリード値の低下を招いて有利であることを示している。
実施例5では、重水素化されていないメタクリレートポリ(エチレングリコール)(分子量6k)からなる固定相を含んだカラムと、重水素化されたポリ(エチレングリコール)(分子量20k)からなる固定相を含んだカラムとについて、ブリード値を比較し、最初にフレームイオン化検出法(FID)を使用し、次いで四重極子質量分光法(MS)を使用して、ブリード値を比較した。このカラムは何れも長さが30mで、内径が0.25mmで、固定相の厚みが0.25μmであった。カラム温度は250℃であった。
結果を表2と図3a、3b、4a及び4bに示す。
Figure 2006250920
表2に示すように、重水素化されたポリ(エチレングリコール)カラムでは、FIDにより検出すると、ブリードの割合は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)カラムでのブリードの割合の約13%である。
表2から判るように、図3a(これは重水素化されていないPEGカラムに関するものである)を、図4a(これは重水素化されたPEGカラムに関するものである)と比較すると、質量分光法によって検出される重水素化されたポリ(エチレングリコール)カラムのブリード値は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)カラムのブリード値の約28%であった。
従って、重水素化されたポリ(エチレングリコール)の使用は、FIDによる検出でも質量分光法による検出でも、固定相を一層大きく安定化し、またブリード量を減少させたことになっている。
図3b(これは重水素化されていないPEGカラムに関するものである)と、図4b(これは重水素化されたPEGカラムに関するものである)とを比較すると、重水素化されたポリ(エチレングリコール)からブリードする重水素化されたポリ(エチレングリコール)断片は、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)カラムからブリードするポリ(エチレングリコール)断片よりも、大きい質量を持っていることが示されている。これは重水素の原子量が水素の原子量の2倍だからである。
重水素化されたポリ(エチレングリコール)と、重水素化されていないポリ(エチレングリコール)との熱重量分析プロファイルを示すグラフである。 固定相として重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んでいるカラムと、固定相として重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んでいるカラムとについて、カラム温度を50℃から250℃まで上昇させたときに、フレームイオン化検出法によって検出した背景雑音(ブリード)を示す。 図3aは、固定相として重水素化されていないポリ(エチレングリコール)を含んだカラムから生じるポリ(エチレングリコール)断片のブリージング(bleeding)を質量分析法によって検出した結果を示す。図3bは、図3aで検出した断片の分子量/電荷の比を示している。 図4aは、固定相として重水素化されたポリ(エチレングリコール)を含んだカラムから生じる重水素化されたポリ(エチレングリコール)断片のブリージングを質量分析法によって検出した結果を示す。図4bは、図4aで検出した断片の分子量/電荷の比を示す。

Claims (25)

  1. 式(1):
    Figure 2006250920
    で表わされる多数の繰り返し単位を含んだ重合体からなる固定相を含んでいる、クロマトグラフィーカラム。
  2. 前記繰り返し単位の少なくとも一部が、互いに隣接して配置されている請求項1に記載のカラム。
  3. 前記重合体が、式(2):
    Figure 2006250920
    で表される構造を持った少なくとも1つの成分を含んでいる、請求項1又は2に記載のカラムであって、この場合、−R基の1つが、おのおの水素(−H)及び重水素(−D)からなる群から選ばれ、上記成分単位の中には少なくとも1つの−R基が水素であるものが含まれているカラム。
  4. 前記重合体中の重水素原子の数は、重合体中の重水素原子の数と水素原子の数との合計数に対する割合として、少なくとも10%であり、好ましくは少なくとも50%であり、さらに好ましくは少なくとも90%であり、最も好ましくは少なくとも98%である、請求項3に記載のカラム。
  5. 少なくとも1つの成分単位が多数の成分単位からなり、その成分単位の少なくとも一部が式(3):
    Figure 2006250920
    で表わされる、請求項3に記載のカラム。
  6. 前記重合体が少なくとも部分的に重水素化されているポリ(エチレングリコール)である、請求項1〜5の何れか1つの項に記載のカラム。
  7. 互いに隣接して配置された多数の成分単位を含んだ重合体であって、その成分単位の1つが、おのおの式(2):
    Figure 2006250920
    で表される構造を持っている重合体からなる固定相を含んでいるクロマトグラフィーカラムであり、その場合、−R基の1つが、おのおの水素(−H)と重水素(−D)とからなる群から選ばれたものであり、重合体中の充分に多数の−R基が重水素であって、そのため重合体の熱安定性が、かりに実質的に全−R基が水素である場合の熱安定性よりも大きくなっているクロマトグラフィーカラム。
  8. 実質的にすべての−R基が重水素である、請求項7に記載のカラム。
  9. 上記多数の成分単位が、式(1):
    Figure 2006250920
    の構造を持った成分単位の第1の集合と、式(3):
    Figure 2006250920
    の構造を持った成分単位の第2の集合とからなる、請求項7に記載のカラム。
  10. −R基の少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも98%が重水素である、請求項7に記載のカラム。
  11. 前記重合体が、少なくとも部分的に重水素化されているポリ(エチレングリコール)である、請求項7〜10の何れか1つの項に記載のカラム。
  12. 少なくとも部分的に重水素化された重合体であって、熱安定性が増大している重合体からなる固定相を含んでいるクロマトグラフィーカラム。
  13. 重合体が少なくとも1つのポリ(エチレングリコール)の鎖を含み、その少なくとも1つの鎖が少なくとも部分的に重水素化されている、請求項12に記載のカラム。
  14. 前記少なくとも1つの鎖中の重水素原子の数が、その少なくとも1つの鎖中での重水素原子数と水素原子数との和に対する百分率として少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも98%を占めている、請求項13に記載のカラム。
  15. 前記重合体が実質的に成分単位、式(1):
    Figure 2006250920
    と、式(3):
    Figure 2006250920
    との共重合体である、請求項5、9又は13に記載のカラム。
  16. 前記重合体が直鎖状重合体である、請求項1〜15の何れか1つの項に記載のカラム。
  17. 前記重合体が枝分かれした鎖形の重合体又はマルチアーム形の重合体である、請求項1〜15の何れか1つの項に記載のカラム。
  18. 前記重合体が1000から1,000,000の分子量を持っている、請求項1〜17の何れか1つの項に記載のカラム。
  19. 前記カラムがガスクロマトフィーカラムである、請求項1〜18の何れか1つの項に記載のカラム。
  20. 前記カラムが壁面に重合体を塗布された開口チューブ状(WCOT)のものである、請求項19に記載のカラム。
  21. 前記カラムが溶融シリカ製の毛細管を含んでおり、その内部に固定相が付設されている、請求項1〜20の何れか1つの項に記載のカラム。
  22. 前記カラムが金属製の毛細管を含んでおり、その内部に固定相が付設されている、請求項1〜20の何れか1つの項に記載のカラム。
  23. 重合体を使用してカラムの固定相を作り、その重合体は少なくとも部分的に重水素化されており、重合体の熱安定性が増大している、ことからなるクロマトグラフィーカラムの製造方法。
  24. 前記重合体が少なくとも1つのポリ(エチレングリコール)の鎖を含んでおり、その少なくとも1つの鎖が少なくとも部分的に重水素化されている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの鎖中の重水素原子の数が、その少なくとも1つの鎖中の重水素原子の数と水素原子の数との和に対し、少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも98%を占めている、請求項24に記載の方法。
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