JP2006250328A - スラストころ軸受およびスラストころ軸受の保持器の製造方法 - Google Patents

スラストころ軸受およびスラストころ軸受の保持器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 保持器強度を維持するために十分な板厚および、ころと、ころ止め部との適正な遊隙量を確保し、耐久性に優れたスラストころ軸受の保持器の製造方法を提供する。
【解決手段】 冷間圧延鋼板等のコイル材にパイロット穴(a工程)、ポケット(b工程)、内径(c工程)、および、外径(d工程)を打ち抜いて円環状部材を形成し、一方面、および、他方面にそれぞれ円環状部材の板厚を減じてリング状溝を形成する。次に、打ち抜き加工により、ころを収容する複数のポケット(g工程)と、ポケット壁面に、第1ころ接触部および第2ころ接触部とを同時に形成する。次に、第1ころ接触部および第2ころ接触部のそれぞれに、ころ止め部と、ころ案内面とを形成し(h,i工程)、内径(j工程)および外径を打ち抜いて(k工程)、スラストころ軸受用保持器の加工が完成する(l工程)。最後に、円環状部材に熱処理とプレステンパを施す。
【選択図】 図10

Description

この発明は、オートマチックトランスミッションやコンプレッサ等に使用されるスラストころ軸受およびその製造方法に関するものである。
自動車のオートマチックトランスミッションやコンプレッサ等に使用されるスラストころ軸受は、例えば、特開2000−192965号公報(特許文献1)に記載されている。同公報に記載されているスラストころ軸受は、ころと、図1に示すような円環状の円周面にころを収容するポケット2を複数有する保持器1とを備え、あるいはさらに軌道輪を有している。
保持器1のA−A´での断面は、図2に示すように、円環状の板材をプレス加工によりW形状とし、ポケット2を打ち抜き形成する。ポケット2には、打ち抜き形成時に、ころ5の脱落を防止する複数のころ止め部3と、ころ5の回転を案内するころ案内面4とが形成される。
隣接するころ止め部3は、軸受回転軸線方向およびころ5の自転軸線方向の位置をずらして設けられる。図2では、ポケット2の中央部上側と、両端部下側とにころ止め部3が形成されている。また、ころ案内面4は、隣接するころ止め部3の間の傾斜部に設けられる。
ここで、軸受回転軸線とは、軸受回転時のころの公転軌道の中心を通る仮想軸線を示す。また、ころの自転軸線とは、ころの自転運動の中心を通る仮想軸線を示す。
ころ止め部3は、図3に示すように、ポケット2の壁面より突出しており、スラストころ軸受の停止時にころ5の脱落を防止する。一方、スラストころ軸受の回転時においては、図4に示すように、ころ5は、ころ止め部3と遊隙量dの間隔を維持して接触せず、ころ案内面4に案内されて回転する。
上記のようなスラストころ軸受は、ころと、転動面とが線接触するので、軸受投影面積が小さい割りに高負荷容量と高剛性が得られるという利点がある。
特開2000−192965号公報
近年、オートマチックトランスミッションやコンプレッサ等のコンパクト化が進んでおり、それに伴って、これらの機器に使用されるスラストころ軸受の軸方向の厚み削減の要望が強くなっている。
一般的に、図4に示したようなスラストころ軸受をサイズダウンする場合、通常は、図5(a)に示すように、ころ径、W型保持器の厚み寸法、W型保持器の板厚をそれぞれφ>φ、w>w、t>tと所定の比率だけ縮小する。
ただし、W型保持器の強度を維持するために、W型保持器の板厚tをあまり薄くすることができない。
そこで、図5(b)に示すように、ころ径φおよびW型保持器の厚み寸法Wを変更せずに、W型保持器の板厚tをt<tとなるように設定すると、ころ5の脱落を防止するためには、遊隙量dを小さくしなくてはならない。遊隙量dが小さくなると、ころ止め部3でころ5の外周面の潤滑油を掻き落とすことになり、回転不良を招く恐れがある。
また、適正な遊隙量を確保するために、ころ止め部3のポケット2の端面からの突出量を減らし、間口を広くすれば、ころ5の脱落を防止することができない。
一方、図5(c)に示すように、板厚tをt>tとなるように設定した場合には、遊隙量dを十分に確保することは可能となるが、保持器の強度がさらに低下する。
さらに、従来からの問題点として、打ち抜き形成されるころ案内面4は、その一部に破断面を含む。その結果、表面の粗い案内面4と、ころ5との接触抵抗が高くなり、磨耗による鉄粉が発生する。また、特に、希薄潤滑下においては、油膜切れ等の潤滑不良により、軸受が破損する恐れがあった。
一方、上記に示したようなスラストころ軸受の保持器には、一般的に炭素含有量0.15%以下の低炭素構造用合金鋼板や冷延プレス用鋼板が使用されている。これらの材料は、炭素含有量が低いので加工性が良い反面、強度が低い。そこで、製造工程においては、保持器強度を維持するために熱処理を行う。ここで、保持器の厚み寸法wを小さくすると、熱処理時の反りやうねり等の変形が大きくなり、ころの転動面と、保持器との偏接触等による回転不良、または、保持器の摩耗による早期破損の恐れがある。
そこで、本発明の目的は、保持器の厚み寸法を小さくしても、保持器強度を維持できる構造で、かつ、保持器の熱処理による変形を最小限に抑えることにより、耐久性に優れたスラストころ軸受を提供することである。
また、保持器の熱処理による変形を修正可能なスラストころ軸受用保持器の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係るスラストころ軸受は、ころと、一方面および他方面を有する円環状部材であり、軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備える。保持器の一方面および他方面には、それぞれ板厚を減じてリング状溝が形成されており、ころの外周面に対面するポケットの壁面には、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられており、保持器は、プレステンパを施したことを特徴とする。
上記構成とすることにより、保持器の板厚を保持器の厚み寸法まで厚くすることができる。その結果、従来の保持器と比較して極めて強度の高いスラストころ軸受を得ることができる。
また、保持器にプレステンパを施すことによって、熱処理時の反りやうねり等の変形を修正することが可能となるので、ころの転動面と、保持器との偏接触等による回転不良、または、保持器の摩耗による早期破損を抑制することが可能となる。なお、「プレステンパ」とは、材料に熱を加えてプレスを行い、曲がり等の変形を矯正する方法を指すものとする。
この発明に係るスラストころ軸受の保持器の製造方法は、鋼板から打ち抜き加工により円環状部材を形成し、円環状部材の一方面および他方面に、プレス加工により、それぞれ板厚を減じてリング状溝を形成し、円環状部材の軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットと、ポケットの壁面に、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部とを打ち抜き加工により形成し、円環状部材の熱処理後にプレステンパを施すことを特徴とする。
上記方法により製造したスラストころ軸受の保持器は、板厚を保持器の厚み寸法まで厚くすることができる。その結果、従来の保持器と比較して極めて強度の高い保持器を得ることができる。また、熱処理後の保持器にプレステンパを施すことによって、熱処理時の反りやうねり等の変形を修正することが可能となるので、加工精度の高い保持器を得ることができる。
好ましくは、プレステンパは、10分〜5時間行う。また、好ましくは、プレステンパは、焼戻し温度より低温で行う。これらの諸条件は、保持器の板厚および変形の程度によって調整することにより、変形の少ないスラストころ軸受を得ることができる。
この発明は、保持器の厚み寸法を小さくしても、保持器強度を維持でき、かつ、保持器の熱処理による変形を最小限に抑えることにより、耐久性に優れたスラストころ軸受を得ることができる。
また、スラストころ軸受用保持器の熱処理による変形を修正可能な製造方法とすることにより、高品質なスラストころ軸受用保持器を得ることができる。
図6〜図9を参照して、この発明に係る製造方法により製造された、スラストころ軸受の一実施形態を説明する。
この発明に係るスラストころ軸受は、ころ17と、保持器11とを備える。保持器11は、その両面に板厚を減じてリング状溝12が設けられている。この実施形態においては、図6に示すように、中央部下側面と両端部上側面にそれぞれコイニング加工等によってリング状溝12を設けている。
また、保持器11は、軸受回転軸線に対して交差する面に、図7に示すようなころ17を収容する複数のポケット13を有している。ポケット13は、ころ17の外周面に対面する壁面から突出した複数のころ接触部14,15と、ころ接触部14,15から後退した位置に設けられたころ非接触部16とを備える。
隣接するころ接触部14,15は、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向の位置をずらして複数個所に設けられる。この実施形態においては、図8に示すように、ポケット13の中央部上側に第1ころ接触部14と、両端部下側に第2ころ接触部15とが形成されている。
さらに、図9に示すように、第1ころ接触部14は、ころ17の上方への抜けを防止する第1ころ止め部14aと、その加工面にころ17の回転を案内する第1ころ案内面14bとを有し、第2ころ接触部15は、ころ17の下方への抜けを防止する第2ころ止め部15aと、その加工面にころ17の回転を案内する第2ころ案内面15bとを有する。
上記構成とすることにより、保持器11の板厚tを保持器11の厚み寸法まで厚くすることができる。その結果、従来の保持器と比較して極めて強度の高い保持器11を得ることができる。
また、ころ止め部14a,15aの大きさは、保持器11の板厚tの範囲内で自由に決定することができるので、保持器11の強度を確保するために必要な板厚tを維持すると共に、ころ17と、ころ止め部14a,15aとの遊隙量を適正な値とすることができる。その結果、スラストころ軸受の潤滑性能の低下を防止することができる。
ころ案内面は、隣接するころ接触部14,15の間に設けてもよいが、ころ接触部14,15の加工面をころ案内面14b、15bとすることにより、従来、ころ案内面としていた打ち抜き加工時の切断面部分をころ非接触部16とすることができる。
ころ非接触部16は、ころ案内面14b,15bから大きく後退させることができるので、図7に示すように、ころ非接触部16と、ころ17との間隔を大きくすることが可能となる。これにより、軸受内部への通油性が高まり、潤滑性能の高いスラストころ軸受を得ることができる。
上記の保持器11のリング状溝12は、コイニングまたはその他の冷間鍛造により形成されるため、保持器強度が高く、加工や熱処理等による変形が極めて少ない。また、変形が生じた場合であっても、プレステンパによって矯正することが可能である。
なお、本明細書中で「コイニング」とは、冷間鍛造の一形態で、上下から型を押し付けることにより、材料表面に凹凸を形成する加工法を指すものとする。
また、保持器11の板厚tと、ころ17のころ径φの関係は、t/φ≧0.6,φ≦2である。保持器11の板厚tを薄くすると、ころ17と、ころ接触部14,15との遊隙量dが小さくなり、ころ接触部14,15でころ17の外周面の潤滑油を掻き落とすことになり、回転不良を招く恐れがある。
そこで、ころ径φが2mm以下であるスラストころ軸受においては、保持器11の板厚tと、ころ17のころ径φとの関係を、t/φ≧0.6とすることにより、上記の問題を回避することが可能となる。
上記の実施形態に示す保持器11は、例えば、炭素含有量が0.1%以上の低炭素構造用合金鋼板や冷延プレス用鋼板等が使用される。低炭素鋼は、加工性が非常に高いので、プレス加工が容易となる点で有利である。
また、上記の実施形態に示す保持器11には、加工工程の最後に熱処理を施す。熱処理は、例えば、浸炭焼入れおよび焼戻し、または、これらに代えて、浸炭窒化処理や軟窒化処理等であってもよいが、高周波熱処理を行ってもよい。
高周波熱処理は、局部加熱が可能で硬化層の深さの選定が自由であり、また、硬化層以外への熱影響が少ないので、母材の性能を保持することができる。その結果、高品質の保持器11を得ることができる。
また、保持器11の表面硬さをHv350〜850とすることにより、オートマチックトランスミッションやコンプレッサ等に使用するスラストころ軸受用の保持器11として十分な強度を得ることができる。特に、高い保持器強度を必要としない環境で使用される場合には、炭素含有量が0.1%〜0.15%の低炭素鋼を使用することで加工性が高まるので、さらに製造コストを削減することが可能となる。
さらに、保持器11は、上記の熱処理後にプレステンパが施されている。これにより、熱処理時の反りやうねり等の変形を修正することが可能となるので、ころ17の転動面と、保持器11との偏接触等による回転不良、または摩耗による保持器の早期破損を抑制することが可能となる。
上記の実施形態では、ころ17と、保持器11とを備えるスラストころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、さらに軌道輪を備えるスラストころ軸受としてもよい。
次に、図10を参照して、本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の保持器の製造方法により、図8に示すような保持器11を製造する手順を説明する。
この発明に係るスラストころ軸受の保持器の原材料は、炭素含有量が0.1%以上の低炭素構造用合金鋼板や冷延プレス用鋼板等が使用される。
まず、打ち抜き加工により、各加工工程の加工位置を決めるためのパイロット穴を形成し(a工程)、予備的にポケット(b工程)、内径(c工程)、および、一部を残して外径(d工程)を打ち抜いて円環状部材を形成する。なお、図10の各工程を別々に行う場合などは、d工程において、円環状部材を完全に打ち抜いてもよい。また、上記のa工程〜d工程は、以降の加工工程の便宜のための準備工程であるので、場合によっては省略してもよい。
次に、プレス加工により円環状部材の一方面および他方面に円環状部材の板厚を減じてリング状溝を形成する。具体的には、断面図に示すように、円環状部材の下面のポケット中央部と(e工程)、円環状部材の上面のポケット内周側および外周側(f工程)に、リング状溝を作成する。この実施形態でプレス加工とは、例えば、コイニング加工を指す。
コイニングにより形成された保持器は、曲げ加工によって形成した場合に比べて、保持器の強度が高く、加工や熱処理等による変形が極めて少ない。また、変形が生じた場合であっても、プレステンパによって矯正することが可能である。
次に、打ち抜き加工により、円環状部材の軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットを形成する(g工程)。打ち抜き加工は、1〜数箇所のポケットを部分的に加工してもよいが、全てのポケットを同時に形成することとしてもよい。これにより、ポケットの位置ずれの発生を抑制することが可能となる。
g工程では、ポケット壁面の軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部とがポケットと同時に形成される。例えば、ポケットの中央部上側に第1ころ接触部と、両端部下側に第2ころ接触部とが形成される。
次に、ころ接触部のころの接触側の角部を面押し加工して、ころ止め部およびころ案内面を形成する。具体的には、断面図に示すように、第1ころ接触部には、工具を下から挿入することにより、ころの上方向への抜けを防止する第1ころ止め部と、その加工面にころの回転を案内する第1ころ案内面とを形成する(h工程)。
なお、第2ころ接触部についても、工具を上から挿入することにより、ころの下方向への抜けを防止する第2ころ止め部と、その加工面にころの回転を案内する第2ころ案内面とを形成する(i工程)。
なお、上記実施形態では、第1ころ接触部の加工後、第2ころ接触部の加工を行う例を示したが、これに限ることなく、第2ころ接触部を先に加工し、その後、第1ころ接触部を加工することとしてもよい。また、ころ止め部およびころ案内面の加工方法は、後述するバニシ加工等によって行う。
最後に仕上げ工程として、内径を所定寸法に打ち抜き(j工程)、コイル材から保持器を打ち抜いて(k工程)、スラストころ軸受用保持器が完成する(l工程)。
図10に示したようなスラストころ軸受の保持器の製造工程においては、円環状部材に熱処理を施す。熱処理は、例えば、浸炭焼入れおよび焼戻し、または、これらに代えて、浸炭窒化処理や軟窒化処理等であってもよいが、高周波熱処理を行ってもよい。このとき、保持器の表面硬さは、Hv350〜850に設定する。
高周波熱処理は、局部加熱が可能で硬化層の深さの選定が自由であり、また、硬化層以外への熱影響が少ないので、母材の性能を保持することができる。さらに、高周波熱処理とすることにより、従来のような大規模な雰囲気炉を必要とせずコンパクトな設備で熱処理を行うことができる。
さらに、小ロットでの熱処理が可能となることから、仕掛品を縮小し、リードタイムも短縮することができる。その結果、上記のいずれのスラストころ軸受用保持器の製造方法においても、製品品質を容易に確保することができるので、高品質で低価格のスラストころ軸受を得ることができる。
また、保持器の表面硬さをHv350〜850とすることにより、オートマチックトランスミッションやコンプレッサ等に使用するスラストころ軸受用の保持器として十分な強度を得ることができる。特に、高い保持器強度を必要としない環境で使用される場合には、炭素含有量が0.1%〜0.15%の低炭素鋼を使用することにより、さらに加工コストを削減することが可能となる。
さらに、熱処理後の保持器には、プレステンパを施す。図11を参照して、プレステンパの工程を説明する。
プレステンパは、図11に示すように、保持器21の上下を治具23で挟み込んで、加熱する。このときの温度は、熱処理における焼戻し温度よりも低温とする。また、処理時間は、10分〜5時間程度とし、保持器21の板厚および変形の程度によって調整するものとする。これにより、熱処理時の反りやうねり等の変形を修正することが可能となるので、変形の少ない高品質な保持器を得ることができる。
なお、プレステンパは、図11に示すように保持器1個ずつに対して行ってもよいが、図12に示すように複数個の保持器21を重ねて行ってもよく、または、図13に示すように複数個の保持器21を大きな治具上に並べて行ってもよい。これにより、作業の効率化を図ることができる。
また、上記の実施形態では、保持器21の上下を平坦な治具23で挟んでプレステンパを行った例を示したが、これに限ることなく、図14に示すように保持器21のリング状溝22に対応する凹凸を有する治具24,25を使用することとしてもよい。
さらに、プレステンパは、軟窒化処理、浸炭焼入、高周波焼入等の熱処理後、焼戻しをしながら行ってもよいし、焼戻しを行った後、改めて加熱してプレステンパすることとしてもよい。
図10に示したようなスラストころ軸受の保持器の製造工程(a〜l工程)は、それぞれ別々の工程として行ってもよいが、順送プレスによって行うこととしてもよい。これにより、各工程を連続的に行うことができるので、生産性を高めることができ、結果としてスラストころ軸受の製品価格を抑えることができる。
なお、本明細書中で「順送プレス」とは、プレス内に複数の加工工程を持ち、材料をプレス入口のフィーダにより各工程を移動させることによって、材料を連続的に加工する方法を指すものとする。
または、上記の各工程(a〜l工程)をトランスファプレスによって行ってもよい。なお、本明細書中で「トランスファプレス」とは、複数の加工工程を必要とする場合に、各工程を行うステージを必要数分設け、搬送装置によって工程品を移動させながら、各ステージで加工を行う方法を指すものとする。
次に、図13および図14を参照して、バニシ加工により、第2ころ接触部15に第2ころ止め部15aおよび第2ころ案内面15bを形成する手順について説明する。なお、本明細書中で「バニシ加工」とは、加工品表面に工具を押し付けて滑らせ、表面を平滑にする加工法を指すものとする。
第2ころ止め部15aおよび第2ころ案内面15bは、図13に示すようにバニシ加工により形成する。具体的には、図13(a)に示すように、第2ころ接触部15を加工台18の端面から幅Lだけ後退した位置に載置し、工具19を第2ころ接触部15の端面から幅Lだけ重なる位置にセットして加工する。これにより、図13(b)に示すように、第2ころ止め部15aおよびころ案内面15bが形成される。
加工後の第2ころ接触部15に関しては、図14に示すように、第2ころ案内面15bが、加工前の第2ころ接触部15の端面から幅Lだけ後退し、バニシ加工によって押し下げられた部分によって、第2ころ止め部15aが、加工前の第2ころ接触部15の端面から幅Lだけ突出して形成される。
上記のように、バニシ加工により第2ころ案内面15bを形成することにより、表面粗さの低い平滑なころ案内面が得られるので、案内面ところとの接触抵抗を緩和し、磨耗による鉄粉の発生を抑制することができる。また、希薄潤滑下においても、油膜切れ等を起こさず、高い潤滑性能を維持することができる。その結果、耐久性および静粛性に優れたスラストころ軸受を得ることができる。
なお、加工時の幅L,Lの値を変更することにより、ころと、ころ接触部との遊隙量を容易に調整することが可能となる。
また、突出幅Lの誤差を小さくするために、図10に示すバニシ加工工程(h工程)の前に、位置決め工程を設けてもよい。
上記の実施形態において、バニシ加工に使用する工具19には、一般に工具鋼等が使用されているが、工具19の耐摩耗性を向上させるため、超硬合金等を使用することとしてもよい。
上記の実施形態では、第2ころ止め部15aおよび第2ころ案内面15bを、バニシ加工により形成した例を示したが、これに限ることなく、しごき加工、または、つぶし加工によって形成してもよい。
さらには、ころ接触部14,15のころ接触側の角部を面押し加工することにより、ころ止め部14a,15aおよびころ案内面14b,15bを形成してもよい。
なお、本明細書中で「面押し加工」とは、加工品表面を塑性加工により、所望の形状のとする加工法を指すものとする。この加工法によると、加工品表面は平滑な面となり、また、加工工具の形状によって種々の形状とすることができる。さらに、面押し加工は、工具の形状をバニシ加工用工具と比較して簡素なものとすることができる点で有効である。
図7に示した実施形態では、第2ころ接触部15が、保持器11の径方向に見て内側と外側の2箇所に設けられているが、第2ころ止め部15aおよび第2ころ案内面15bの加工は、2箇所同時に行ってもよいし、1箇所ずつ別々に行うこととしてもよい。
また、上記の実施形態では、第2ころ接触部15に第2ころ止め部15aおよび第2ころ案内面15bを形成する方法を示したが、第1接触部についても、工具19を下から当てることにより、同様の方法で第1ころ止め部14aおよび第1ころ案内面14bを形成することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、オートマチックトランスミッションやコンプレッサ等に使用されるスラストころ軸受の製造方法に有利に利用される。
スラストころ軸受用保持器の概略平面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器の図1におけるA−A´断面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器のポケット部分の概略平面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器の図2におけるB−B´断面図である。 ころ径を小さくしたスラストころ軸受用保持器の図2におけるB−B´断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の図1におけるC−C´断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器のポケット部分の概略平面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の図1におけるA−A´断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の図8におけるD−D´断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受用保持器の製造工程を示す図である。 スラストころ軸受用保持器にプレステンパを施す図解的断面図である。 複数個のスラストころ軸受用保持器を重ねてプレステンパを施す図解的断面図である。 複数個のスラストころ軸受用保持器を並べてプレステンパを施す図解的断面図である。 スラストころ軸受用保持器のリング状溝に対応する凹凸を有する治具によりプレステンパを施す図解的断面図である。 ころ止め部およびころ案内面の加工方法を示す図解的断面図である。 ころ止め部およびころ案内面を形成した前後の、ころ接触部の拡大断面図である。
符号の説明
1,11,21 保持器、2,13 ポケット、3,14a,15a ころ止め部,4,14b,15b ころ案内面、5,17 ころ、12,22 リング状溝、14,15 ころ接触部、16 ころ非接触部、18 加工台、19 工具、23,24,25 治具。

Claims (4)

  1. ころと、
    一方面および他方面を有する円環状部材であり、軸受回転軸線に対して交差する面に、前記ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備えるスラストころ軸受において、
    前記保持器の一方面および他方面には、それぞれ板厚を減じてリング状溝が形成されており、
    前記ころの外周面に対面する前記ポケットの壁面には、前記軸受回転軸線方向および前記ころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられており、
    前記保持器は、プレステンパが施されていることを特徴とする、スラストころ軸受。
  2. 鋼板から打ち抜き加工により円環状部材を形成し、
    前記円環状部材の一方面および他方面に、プレス加工により、それぞれ板厚を減じてリング状溝を形成し、
    前記円環状部材の軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットと、前記ポケットの壁面に、前記軸受回転軸線方向および前記ころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部とを打ち抜き加工により形成し、
    前記円環状部材の熱処理後にプレステンパを施す、スラストころ軸受の保持器の製造方法。
  3. 前記プレステンパは、10分〜5時間行う、請求項2に記載のスラストころ軸受の保持器の製造方法。
  4. 前記プレステンパは、焼戻し温度より低温で行う、請求項2または3に記載のスラストころ軸受の保持器の製造方法。
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