JP2008075132A - スラスト軸受構成部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程を簡素化して製造コストを低減すると共に、機械的性質をさらに向上したスラスト軸受構成部品を提供する。
【解決手段】スラスト軸受構成部品12,13は、0.9wt%〜1.2wt%の炭素と、1.2wt%〜1.7wt%のクロムと、0.1wt%〜0.5wt%のマンガンと、0.15wt%〜0.35wt%のシリコンとを含有する高炭素鋼を冷間圧延して得られる破断時全伸びが25%〜35%のみがき帯鋼から製造される。
【選択図】図1

Description

この発明は、スラスト転がり軸受やスラストすべり軸受の軌道輪、およびスラスト受け機構の軌道輪および中間輪等のスラスト軸受構成部品に関するものである。
スラスト転がり軸受やスラストすべり軸受の軌道輪、およびスラスト受け機構の軌道輪および中間輪等(以下、これらを総称して「スラスト軸受構成部品」という)には、高い機械的性質と高い加工精度が要求される。したがって、スラスト軸受構成部品の製造に際しては、出発材料の選定および材料に応じた最適な加工方法の選択が必要不可欠となる。
例えば、スラスト軸受構成部品と構造が類似するシンクロナイザリングの製造方法が、特開平11−223225号公報(特許文献1)に記載されている。図6を参照して、同公報に記載されているシンクロナイザリングの製造方法を説明する。
まず、同公報に記載されているシンクロナイザリングは、0.6wt%〜1.2wt%の炭素(C)と、0.1wt%〜0.9wt%のマンガン(Mn)と、0.3wt%〜1.0wt%のクロム(Cr)と、0.01wt%〜0.15wt%のシリコン(Si)とを含む炭素鋼を熱間圧延して得られる鋼板を出発材料として使用する。
そして、シンクロナイザリングは、上記の出発材料をプレス加工して所定の形状に加工する工程と、旋削加工等の機械加工によって所定の寸法を得る工程と、焼入および焼戻を含む熱処理によって所定の硬さを得る工程と、および研削加工によって表面を平滑に仕上げる工程とを経て製造されると記載されている。
特開平11−223225号公報
近年、スラスト軸受が使用される環境は苛酷の一途を辿っており、それに伴って、スラスト軌道輪の機械的性質のさらなる向上が求められている。一方で、スラスト軸受の低価格化の要求に伴って、品質を維持したまま製造工程を簡素化する必要に迫られている。
そこで、この発明の目的は、製造工程を簡素化して製造コストを低減すると共に、機械的性質をさらに向上したスラスト軸受構成部品を提供することである。
この発明に係るスラスト軸受構成部品は、0.9wt%〜1.2wt%の炭素(C)と、1.2wt%〜1.7wt%のクロム(Cr)と、0.1wt%〜0.5wt%のマンガン(Mn)と、0.15wt%〜0.35wt%のシリコン(Si)とを含有する高炭素鋼を冷間圧延して得られる破断時全伸びが25%〜35%のみがき帯鋼から形成される。なお、高炭素鋼としては、例えば、JIS G4805に記載のSUJ2がある。
好ましくは、スラスト軸受構成部品は、みがき鋼板をプレス加工によって所定の形状に成形する工程と、浸炭窒化処理および高温焼戻を含む熱処理を行う工程と、表面に生じるスケールを除去する工程とを経て製造される。
上記の化学成分の炭素鋼を使用することにより、スラスト軸受構成部品の機械的性質が向上する。具体的には、焼入性の改善、転動疲労寿命や耐荷重性の向上、摩擦や摩耗の低減、硬さの向上、およびプレス加工等によるスラスト軸受構成部品の破損を防止することができる。特に、みがき鋼帯の伸びを上記範囲内に設定することにより、材料の加工性が向上する。
また、冷間圧延工程を経て製造された鋼板は、所望の寸法、表面の平滑性、および硬さを得ることができるので、スラスト軸受構成部品の製造工程中で寸法を調整する旋削工程や表面を平滑にする研削工程等を省略することができる。これにより、スラスト軸受構成部品の製造工程が簡素化されるので、スラスト軸受構成部品の製造コストを低減することができる。
この発明によれば、所定の化学成分の炭素鋼を冷間圧延工程を経て得られたスラスト軸受構成部品用鋼板を出発材料として使用することにより、低コストで機械的性質に優れたスラスト軸受構成部品を得ることができる。
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に係るスラストニードル軸受11およびスラストニードル軸受11の軌道輪12,13の製造方法を説明する。なお、図1はスラストニードル軸受11を示す図、図2はスラスト軸受構成部品の出発材料となるみがき鋼板の主な製造工程を示すフロー図、図3はスラスト軸受構成部品の主な製造工程を示すフロー図である。
まず、図1を参照して、スラストニードル軸受11は、上下一対の軌道輪12,13と、一対の軌道輪12,13の間に放射状に配置される複数の針状ころ14と、隣接する針状ころ14の間隔を保持する保持器15とを備える。
上記構成のスラストニードル軸受11は、単純な形式で負荷容量や剛性を大きくすることができる等の種々の利点を有する一方で、軌道輪12,13と針状ころ14との間に作動すべりが生じる。針状ころ14は、その長さ方向中央部で純転がりとなり、両端に近づくにつれて相対すべりが直線的に増加する。特に、針状ころ軸受14はころ長さが長いので、針状ころ14の両端部における周速の差が大きくなり、他の軸受に比べてすべり量が大きくなる。
このため、大きな作動すべりを生じる部分で軌道輪12,13の摩耗量が大きくなり、転走跡エッジ部で表面起点型の剥離が生じる。特に、スラストニードル軸受11は、ころ本数が多く、内部空間が狭いため、潤滑油が軌道面に行き渡りにくい。その結果、他の軸受に比べて表面起点型の剥離が発生しやすい。
また、上記構成のスラストニードル軸受11に採用される軌道輪12,13には大きなスラスト荷重が負荷される。さらに、針状ころ14が転動する軌道面には、所定の硬さや表面平滑性が求められる。
そこで、図2を参照して、このような環境で使用されるスラスト軸受構成部品12,13の出発材料となるスラスト軸受構成部品用鋼板の製造方法を説明する。まず素材として、0.9wt%〜1.2wt%の炭素(C)と、1.2wt%〜1.7wt%のクロム(Cr)と、0.1wt%〜0.5wt%のマンガン(Mn)と、0.15wt%〜0.35wt%のシリコン(Si)と、その他の不可避不純物および鉄(Fe)とを含む鋼片を用いる(S11)。また、鋼中の酸素濃度は0.0010%以下とする。
炭素(C)は、スラスト軸受構成部品に必要な強度を確保するのに必要不可欠の元素である。なお、スラスト軸受構成部品の表面および芯部の硬さをHRC58以上とするためには0.9wt%以上の炭素が必要となる。一方、炭素含有量が1.2wt%を超えると、スラスト軸受構成部品の表面に大型の炭化物が生成して転動疲労寿命および耐荷重性が低下すると共に、摩擦や摩耗が増大する。そこで、炭素含有量は0.9wt%〜1.2wt%の範囲内とするのが望ましい。なお、「HRC」は、ロックウェル硬さを示す。
また、クロム(Cr)は、スラスト軸受構成部品の焼入性や転動疲労寿命を改善し、炭化物による硬さを確保し、摩擦や摩耗を低減し、かつ耐荷重性を向上するのに必要不可欠な元素である。なお、所定の炭化物を得るためには1.2wt%以上のクロムが必要となる。一方、1.7wt%を超える量を添加しても著しい添加効果は認めらない。さらに、5.0wt%を超えると大型の炭化物を生成して転動疲労寿命や耐荷重性が低下すると共に、摩擦や摩耗が増大する。そこで、クロム含有量は1.2wt%〜1.7wt%の範囲内とするのが望ましい。
また、マンガン(Mn)は、鋼を製造する際の脱酸に用いられる元素であって、スラスト軸受構成部品の出発材料としては必要不可欠の元素である。なお、鋼中の酸素を十分に除去するためには0.1wt%以上のマンガンが必要となる。一方、0.5wt%を超えると材料が脆くなり、プレス加工時にスラスト軸受構成部品が破損する恐れがある。そこで、マンガンの含有量は0.1wt%〜0.5wt%の範囲内とするのが望ましい。
また、シリコン(Si)は、鉄鋼材料に不可避の元素であり、含有量の下限値を0.15%としている。一方、0.35wt%を超えるとプレス加工時にスラスト軸受構成部品が破損する恐れがある。そこで、シリコンの含有量は0.15wt%〜0.35wt%の範囲内とするのが望ましい。
さらに、酸素は、鋼中で酸化物を形成して非金属介在物として疲労破壊の起点となるので、転動疲労寿命や耐荷重性が低下すると共に、摩擦や摩耗が増大する。そこで、鋼中の酸素濃度は0.0010%以下とするのが望ましい。
次に、熱間圧延加工によって上記の素材から鋼板を得る(S12)。加熱状態で圧延することにより、巨大な鋳造組織が微細かつ良質な圧延組織となる。また、再結晶温度以上の温度領域で圧延することにより材料の加工硬化を防止することができるので、厚みを一気に薄くすることができる。
なお、熱間圧延工程の後に圧延加工された鋼板を焼鈍しする工程をさらに追加してもよい。焼鈍しによって結晶粒を微細化されると共に、結晶の方向性が調整されるので、表面の精度および加工性が向上する。
次に、防錆や鋼板の表面に付着した酸化被膜(スケール)の除去を目的として酸洗を行う(S13)。酸化被膜は、機械加工における工具の寿命を短くして生産効率を低下させると共に、鋼板の表面に物理的および化学的変化を生じさせて表面処理の効果を低下させる。そこで、酸洗によって酸化被膜を除去しておくことにより、以降の工程における生産効率および製品品質を向上することができる。なお、酸洗液には、塩酸、硫酸、硝酸等があり、5%〜15%の希塩酸水を40℃〜50℃程度で使用することが多い。
次に、冷間圧延加工によって、所定の寸法の鋼板を得ると共に、スラスト軸受構成部品に必要な硬さや表面平滑性等の機械的性質を得る(S14)。常温で圧延を行うことにより、正確に所定の板厚を得ることができると共に、高い平滑性が得られる。また、再結晶温度未満の温度領域で圧延を行うことにより鋼板が加工硬化するので、鋼板の硬さが向上する。
なお、スラスト軸受構成部品の軌道面となる表面は、針状ころ14の円滑な転動の観点からRmax≦1.6μmの表面粗さが要求される。後述するように、スラスト軸受構成部品の形状加工後は、面粗さの山が取れる程度のバレル加工しかできないため、冷間圧延工程後の表面粗さはRmax≦2μmとするのが望ましい。さらに、プレス成形時の破損を防止する観点から、冷間圧延工程後の硬さはHv220以下とするのが望ましい。ここで、「Rmax」はJIS B 0601:1982に記載の表面粗さの最大高さを、「Hv」はビッカース硬さを示す。
ここで、冷間圧延工程によって得られる鋼板の表面粗さ、硬さ、および板厚は、圧延ロールの表面粗さ、圧延ロールの撓み、圧延率(圧延前後の板厚の比)、圧延ロール間の隙間(ギャップ)および回転速度等の影響を受ける。したがって、所望の表面粗さ、硬さ、および板厚を得るためには、これらの要素を適切に設定する必要がある。
また、上記の熱間圧延工程および冷間圧延工程は、それぞれ1回の圧延工程で所定の厚みを得ることとしてもよいが、粗圧延、中間圧延、および仕上圧延等、複数回に分けて所定の厚みを得ることとしてもよい。
上記の化学成分の鋼片を上記工程で加工したことによって、機械的性質が非常に高いスラスト軸受構成部品用鋼板(冷間圧延みがき特殊帯鋼)を得ることができる。そこで、この発明の効果を確認するために、上記のスラスト軸受構成部品用鋼板の引張強さ、0.2%耐力、破断時全伸び、加工硬化指数(n値)、および塑性ひずみ比(r値)を測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1は、各ロット(No.1〜No.3)毎に最小値、最大値、および平均値を示している。
Figure 2008075132
表1を参照して、上記鋼板の引張強さは550N/mm以上となった。また、0.2%耐力は350N/mm以上となった。なお、引張強さおよび0.2%耐力が高くなると後述する破断時全伸び、加工硬化指数、および塑性ひずみ比が低くなる。これらの値は、鋼板の加工性に大きな影響を与えるので、スラスト軸受構成部品を製造する材料としては好ましくない。したがって、表1中の引張強さの最大値は638N/mm、0.2%耐力の最大値は462N/mmであるが、この発明においては、引張強さが550N/mmに近い値、0.2%耐力が350N/mmに近い値が望ましい。
次に、上記鋼板の破断時全伸びは25%〜35%となった。また、加工硬化指数は0.12〜0.18となった。さらに、塑性ひずみ比は1.20〜1.30となった。なお、破断時全伸び、加工硬化指数、および塑性ひずみ比は、値が大きいほど成形限界が向上し、スラスト軸受構成部品の製造には優位であるが、この発明においては、引張強さおよび0.2%耐力との関係から上記の範囲内としている。
なお、上記の引張強さ、0.2%耐力、および破断時全伸びは、JIS Z 2241(Japanese Industrial Standards)に基づいて測定を行った。同様に上記の加工硬化指数(n値)はJIS Z 2253に基づいて、塑性ひずみ比(r値)はJIS Z 2254に基づいてそれぞれ測定を行った。
次に、図3を参照して、この発明の一実施形態に係るスラスト軸受構成部品を製造する方法を説明する。なお、図3はスラスト軸受構成部品の主な製造工程を示すフロー図である。まず、図2を参照して説明したスラスト軸受構成部品用鋼板(みがき鋼板)を出発材料として採用する(S21)。
次に、プレス加工によって鋼板をスラスト軸受構成部品の形状に成形する(S22)。上記の出発材料は、冷間圧延工程によって板厚や表面粗さ等が既に所望の状態になっているので、旋削加工等の工程を省略することが可能となる。その結果、製造工程を簡素化することができるので、スラスト軸受構成部品の製造コストを低減することが可能となる。なお、このプレス加工工程は、1度のプレス加工によって所望の形状としてもよいが、プレス加工を複数回行って所望の形状を得ることとしてもよい。また、プレス加工後にバリ取り加工を行ってもよい。
次に、スラスト軸受構成部品に必要な機械的性質を得るために、浸炭窒化処理と高温焼戻とを含む熱処理を施す(S23)。なお、浸炭窒化処理を行うことにより、スラスト軸受構成部品の表面に窒素富化層が形成される。この窒素富化層は、転動疲労寿命や耐荷重性の向上、および摩擦や摩耗の低減に有効である。
また、高温焼戻を行うことにより、対高温特性が向上するばかりでなく、残留オーステナイトが焼戻マルテンサイトと微細な炭化物とに分解される。これにより、特に高荷重条件での転動疲労寿命や耐荷重性の向上、および摩擦や摩耗の低減に有効である。
なお、残留オーステナイトを5%以下とするためには焼戻温度を230℃以上とする必要がある。一方、焼戻温度が280℃以上になると、硬さHRC60以下となってスラスト軸受構成部品に必要な硬さを維持できないおそれがある。そこで、230℃〜280℃の範囲内で高温焼戻を行うのが望ましい。
最後に、熱処理によってスラスト軸受構成部品の表面に生じた酸化被膜(スケール)を除去する(S24)。スケール除去加工としては、バレル処理やブラストクリーニング等の機械的方法と、前述した酸洗等の化学的方法がある。
ここで、「バレル処理」とは、容器(バレル)にスラスト軸受構成部品、コンパウンド、およびメディアを入れた状態で、容器を回転若しくは振動させる処理である。この方法によれば、スケールを除去することができると共に、スラスト軸受構成部品のバリ取りや表面粗さの改善効果も期待できる。前述の通りスラスト軸受構成部品の出発材料の表面粗さは、冷間圧延工程後の段階で既にRmax≦2μmとなっているので、独立した研削工程を設けなくともスラスト軸受構成部品に必要な表面粗さRmax≦1.6μmを得ることができる。
この発明によれば、上記の化学成分の炭素鋼を用いることにより、スラスト軸受構成部品の様々な機械的性質が向上する。その結果、転動疲労寿命や耐荷重性が向上し、摩擦や摩耗が低減されたスラスト軸受構成部品を得ることができる。
また、出発材料の製造工程(図2に示す工程)に冷間圧延工程を含めることによって、スラスト軸受構成部品に必要な板厚、硬さ、および表面粗さ等を得ることができる。そうすると、スラスト軸受構成部品の製造工程(図3に示す工程)において、旋削加工や研削加工の工程を省略することが可能となる。その結果、スラスト軸受構成部品の製造工程が簡素化され、スラスト軸受構成部品の製造コストを低減することができる。
なお、上記の実施形態においては、スラストニードル軸受11の軌道輪12,13を製造する方法を説明したが、これに限ることなく、この発明は他のスラスト軸受構成部品の製造にも適用することができる。例えば、転動体が円筒ころや玉であるスラスト転がり軸受であってもよいし、転動体を有さないスラストすべり軸受であってもよい。図4および図5を参照して、この発明の他の実施形態に係るスラスト軸受を説明する。なお、両図とも上段が斜視図、下段が側断面図を示す。
まず、図4を参照して、この発明の他の実施形態に係るスラストすべり軸受21は、2枚の軌道輪22,23を備える。この軌道輪22,23は、それぞれ中央部に穴22a,23aを有する円板形状の部材であって、互いの軌道面22b,23bを当接させるように重ね合わせる。
このスラストすべり軸受21は、例えば、軌道輪22を回転軸(図示省略)に固定し、軌道輪23をハウジング(図示省略)に固定する。軌道輪22は軌道輪23上をすべりながら回転運動するので、回転軸を回転自在に支持することができる。なお、上記の回転軸は一定方向に回転するものだけでなく、揺動運動するものも含むものとする。また、軌道輪23は回転軸と相対回転する他の回転軸に固定されている場合も含むものとする。
次に、図5を参照して、この発明のさらに他の実施形態に係るスラストすべり軸受31は、2枚の軌道板32,33を備える。この軌道板32,33は、矩形形状の部材であって、互いの軌道面32a,33aを当接させるように重ね合わせる。
このスラストすべり軸受31は、例えば、軌道板32を往復部材(図示省略)に固定し、軌道板33をハウジング(図示省略)に固定する。軌道板32は、軌道板33上ですべりながら往復運動(図5中の矢印)するので、一定範囲内を直線運動する往復部材を支持することができる。なお、軌道板33は往復部材と相対運動する他の往復部材に固定されている場合も含むものとする。
スラストすべり軸受21,31を構成する軌道輪22,23,32,33にも大きなスラスト荷重が負荷されると共に、軌道面22b,23b,32a,33aには所定の硬さや表面平滑性が求められる。そこで、スラストすべり軸受21の軌道輪22,23のうちの少なくとも一方、およびスラストすべり軸受31の軌道輪32,33のうちの少なくとも一方を図2および図3に示す製造方法で製造することにより、この発明の効果を得ることができる。
なお、本明細書中における「スラスト軸受構成部品」は、図1および図4に示したような円板形状の軌道輪12,13,22,23だけでなく、図5に示したような矩形形状の軌道板32,33をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、スラスト転がり軸受やスラストすべり軸受の軌道輪等の製造に有利に利用される。
この発明の一実施形態に係るスラストニードル軸受を示す図である。 スラスト軸受構成部品用鋼板を製造する主な工程を示すフロー図である。 スラスト軸受構成部品用鋼板からスラスト軸受構成部品を製造する主な工程を示すフロー図である。 この発明の他の実施形態に係るスラストすべり軸受を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るスラストすべり軸受を示す図である。 シンクロナイザリングを製造する主な工程を示すフロー図である。
符号の説明
11 スラストニードル軸受、12,13,22,23 軌道輪、14 針状ころ、15 保持器、21,31 スラストすべり軸受、22a,23a 穴、22b,23b,32a,33a 軌道面、32,33 軌道板。

Claims (2)

  1. 0.9wt%〜1.2wt%の炭素と、1.2wt%〜1.7wt%のクロムと、0.1wt%〜0.5wt%のマンガンと、0.15wt%〜0.35wt%のシリコンとを含有する高炭素鋼を冷間圧延して得られる破断時全伸びが25%〜35%のみがき帯鋼から形成されるスラスト軸受構成部品。
  2. 前記スラスト軸受構成部品は、前記みがき鋼板をプレス加工によって所定の形状に成形する工程と、浸炭窒化処理および高温焼戻を含む熱処理を行う工程と、表面に生じるスケールを除去する工程とを経て製造される、請求項1に記載のスラスト軸受構成部品。
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