JP2006250032A - 回転真空ポンプ、およびそのロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排気性能に影響を与えることなく、ロータ寿命の延長、メンテナンス時間の延長および信頼性向上を図ることができる回転真空ポンプの提供。
【解決手段】 工程1においては、ロータを仕上げ加工における削り代を残した状態まで粗加工を行う。工程2では、粗加工したロータを、例えば、高速回転させることにより、ロータに初期クリープ歪みを生じさせる。次いで、工程3に進み、ロータの仕上げ加工を行って設計値通りの加工精度に仕上げる。そして、仕上げ加工後のロータをポンプに組み付ける。その結果、組み立て後の隙間寸法を設計値通りとすることができるとともに、ポンプ使用時のクリープ歪み変化が緩やかになり、ロータ寿命の延長、メンテナンス時間の延長および信頼性向上を図ることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 工程1においては、ロータを仕上げ加工における削り代を残した状態まで粗加工を行う。工程2では、粗加工したロータを、例えば、高速回転させることにより、ロータに初期クリープ歪みを生じさせる。次いで、工程3に進み、ロータの仕上げ加工を行って設計値通りの加工精度に仕上げる。そして、仕上げ加工後のロータをポンプに組み付ける。その結果、組み立て後の隙間寸法を設計値通りとすることができるとともに、ポンプ使用時のクリープ歪み変化が緩やかになり、ロータ寿命の延長、メンテナンス時間の延長および信頼性向上を図ることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、ターボ分子ポンプ等の回転真空ポンプ、およびそのロータの製造方法に関する。
ターボ分子ポンプでは回転翼が形成されたロータをベース側に固定された固定翼に対して高速回転させることにより、排気作用を生じさせている。ターボ分子ポンプの回転翼には、一般的にアルミ合金が使用されている。アルミ合金にはクリープ歪みという現象があり、そのクリープ歪みには使用初期段階に発生する初期クリープ歪みと、その後に発生する定常クリープ歪みとがある。
定常クリープ歪みは時間経過につれて穏やかに進行するが、初期クリープ歪みは進行速度が速く、ロータとその周囲の固定側との隙間が初期クリープ歪みにより急激に小さくなり、ロータと固定側とが接触するおそれがあった。このような不具合を解決するために、仕上がったロータに初期クリープ歪みを与えてからポンプに組み込む製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、仕上げ加工後の組み付け直前に初期クリープ歪みの付与を行う従来の真空ポンプでは、ロータの寸法にバラツキが生じ易い。すなわち、初期クリープ歪み付与作業によってロータに生じる外径寸法の実際の変化は、材料のバラツキや歪み付与作業時の条件バラツキ等によってロータ毎に異なっている。そのため、ポンプ毎に隙間寸法が異なり、ポンプ毎に真空排気性能がばらつくという不都合が生じる。また、計画した隙間寸法にするためには、ロータの外形寸法に合わせて何種類もの内径寸法を持ったステータを用意する必要がある。
請求項1の発明は、高速回転するロータと隙間を介してロータの周面に対向配置されるステータとを有する回転真空ポンプのロータの製造方法に適用され、仕上げ加工前ロータに初期クリープ歪みを与える第1の工程と、初期クリープ歪みが与えられた仕上げ加工前ロータを機械加工することにより、所定の設計寸法に仕上げ加工する第2の工程とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明による真空ポンプは、請求項1に記載の製造方法で製造したロータと、所定の設計値寸法に加工されたステータとを備え、ステータに対してロータを高速回転することにより真空排気を行うことを特徴とする。
請求項2の発明による真空ポンプは、請求項1に記載の製造方法で製造したロータと、所定の設計値寸法に加工されたステータとを備え、ステータに対してロータを高速回転することにより真空排気を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ロータに予め初期クリープ歪みが付与されるとともに、ロータ外径寸法にバラツキが生じない。そのため、回転真空ポンプの排気性能に影響を与えることなく、ロータ寿命の延長、メンテナンス時間の延長および信頼性向上を図ることができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1はターボ分子ポンプの概略構造を示す図であり、そのロータ5は本発明に係るロータの製造方法により形成されている。図1に示すポンプは磁気軸受式のターボ分子ポンプであり、ロータ5が固定されているシャフト7は、ラジアル磁気軸受を構成する電磁石61,62とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石63とで非接触支持され、モータ8によって回転駆動される。
ターボ分子ポンプ1のポンプ部は、回転翼91と固定翼92とで構成されるターボポンプ部9Aと、ターボポンプ部9Aの下流側(図示下側)に設けられたドラッグポンプ部9Bとによって構成される。ドラッグポンプ部9Bは、ベース2固定され円筒状のステータ93と、そのステータ93の内側で回転するロータ5の回転円筒部94とから構成されている。
磁気浮上状態のロータ5をモータ8により高速回転すると、ケーシング4の吸気口から吸入されたガスはターボポンプ部9Aおよびドラッグポンプ部9Bにより図示下方に排気され、さらに、排気孔24を介してポンプ外へと排出される。排気孔24に設けられた排気口フランジ11にはバックポンプが接続される。
図2はドラッグポンプ部9Bの部分を拡大した図である。ターボ分子ポンプ部9Aは分子領域で排気性能を発揮する部分であり、回転翼91および固定翼92はタービン翼から成る。一方、ドラッグポンプ部9Bは分子領域と粘性領域との中間の領域で排気性を発揮する部分である。ステータ93と回転円筒部94との隙間は非常に狭く設定されており、この隙間寸法によって排気性が左右される。そのため、ステータ93の内径寸法精度および回転円筒部94の外形寸法精度は非常に厳しく管理されている。
なお、図2では説明を簡単にするためにステータ93および回転円筒部94の表面を単純な円筒面で図示したが、これらの面はドラッグポンプ部9Bの排気面を構成しているので、適切な排気性能が得られるように面構造に工夫が凝らされている。
ターボ分子ポンプのロータは一般的にアルミ合金が用いられるが、アルミ合金にはクリープ歪み現象がある。そのため、ロータ5が高速回転したときの遠心力によるクリープ歪みにより、時間の経過とともにロータ5は径が大きくなる方向に歪む。図3は、一定温度で一定の応力が加わったときのクリープ歪み曲線の一例を示したものである。横軸はポンプの使用時間、縦軸はクリープによる歪み量を表している。歪みは使用開始時には大きく変化し、その後は一定の割合で緩やかに変化する。この大きく変化する変化速度の速い領域は初期クリープ歪みと呼ばれ、緩やかに変化する領域は定常クリープ歪みと呼ばれる。
上述したように、排気性能の面で図2の隙間寸法T1の管理は重要であり、ステータ93の内径寸法および回転円筒部94の外径寸法は高精度に加工されている。しかしながら、ロータ回転によりクリープ歪みが発生すると、隙間寸法T1が減少して排気性が変化してしまう。特に、初期クリープ歪み速度が速いため、性能変化も著しくなる。
そこで、本実施の形態では、使用開始後の初期クリープ歪みによる隙間減少を防止するために、最終的なロータ加工を行う前に予め初期クリープ歪みを与えておくようにした。図4は、そのようなロータ製造手順を示す図である。工程1ではアルミ材を加工してロータ5の粗加工を行う。例えば、回転円筒部94の部分の外径を、仕上げ加工における削り代を残した状態まで加工する。
工程2では、粗加工したロータ5に初期クリープ歪みを与える。例えば、ロータ5を高速回転させることにより初期クリープ歪みを生じさせる。この場合、初期クリープ歪みから定常クリープ歪みに移行するまで、ロータ回転動作を行う。クリープ歪みの進行状況はロータ温度、ロータ回転数および回転時間に依存するので、初期クリープ歪みの付与が完全に行われるようにこれらを設定する。
工程2においてクリープ歪みの付与が終了したならば工程3に進み、ロータ5の仕上げ加工を行って設計値通りの加工精度に仕上げる。工程3の仕上げ加工が終了したならば、工程4に進んでロータ5をポンプ本体に組み付ける。なお、図4に示した加工工程は、新規にポンプを製作する場合も、メンテナンスにおいてロータ5を組み替える場合にも同様に採用することができる。
本実施の形態におけるターボ分子ポンプ1では、歪み付与後にロータ5を仕上げ加工しているため、組み立て後の隙間寸法T1を設計値通りにすることができる。その結果、ポンプ排気性能に影響を与えることなく、ロータ寿命の延長、メンテナンス時間の延長および信頼性向上を図ることができる。
一方、従来のポンプでは、仕上げ加工後の組み付け直前に初期クリープ歪みの付与を行っているため、上述したようにロータ5の寸法にバラツキが生じ易い。また、そのような不都合を避けるために、回転円筒部94の寸法バラツキに対応するように内径寸法の異なるステータ93を複数種類用意しておき、回転円筒部94の外径に合わせてステータ93を選んで使用することにより、隙間寸法T1を許容範囲に収めることも可能である。しかし、この場合には、複数種類のステータ93を用意しておくためにコストアップとなるとともに、組み立て工数が増えてしまうという欠点がある。また、メンテナンス等でロータ5を交換する場合には、ステータ93も一緒に交換する必要があるため、メンテナンスコストの増加を招く。
なお、上述した実施の形態ではターボ分子ポンプのロータを例に説明したが、本発明によるロータの製造法はターボ分子ポンプに限らずその他の回転真空ポンプのロータにも適用することができる。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、工程2は第1の工程を、工程3は第2の工程をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
1 ターボ分子ポンプ
2 ベース
5 ロータ
7 シャフト
8 モータ
9A ターボポンプ部
9B ドラッグポンプ部
91 回転翼
92 固定翼
93 ステータ
94 回転円筒部
2 ベース
5 ロータ
7 シャフト
8 モータ
9A ターボポンプ部
9B ドラッグポンプ部
91 回転翼
92 固定翼
93 ステータ
94 回転円筒部
Claims (2)
- 高速回転するロータと隙間を介して前記ロータの周面に対向配置されるステータとを有する回転真空ポンプのロータの製造方法において、
仕上げ加工前ロータに初期クリープ歪みを与える第1の工程と、
前記初期クリープ歪みが与えられた前記仕上げ加工前ロータを機械加工することにより、所定の設計寸法に仕上げ加工する第2の工程とを備えたことを特徴とする回転真空ポンプのロータの製造方法。 - 請求項1に記載の製造法で製造したロータと、
所定の設計値寸法に加工されたステータとを備え、前記ステータに対して前記ロータを高速回転することにより真空排気を行うことを特徴とする回転真空ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005067542A JP2006250032A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | 回転真空ポンプ、およびそのロータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005067542A JP2006250032A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | 回転真空ポンプ、およびそのロータの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006250032A true JP2006250032A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37090787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005067542A Withdrawn JP2006250032A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | 回転真空ポンプ、およびそのロータの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006250032A (ja) |
-
2005
- 2005-03-10 JP JP2005067542A patent/JP2006250032A/ja not_active Withdrawn
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Effective date: 20070612 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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