JP2006249683A - 低熱伝導性フレーム材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フランジ部1とウェブ部2を有し、前記ウェブ部2を構成する板材に長さ方向に不連続に多数設けられた長孔3が断熱材5で充填されているフレーム材。長孔3は、その側傍が起こされた補剛リブ4を持ち、この補剛リブ4の面で構成された空隙内を断熱材5が埋めているものが好ましい。
ウェブ部2に設けられた長孔3は、熱流経路を遮断もしくは長くして熱伝導性を低下させる、前記断熱材5が長孔内での対流や輻射を抑制して熱伝導性をさらに低下させる。また、前記補剛リブ4に形成によりフレーム材の剛性低下を抑制する。
【選択図】 図3
Description
ところで、上記のような断熱壁構造において、外気温度が高いときには、前記鉄骨間柱がいわゆる熱橋となって、屋内温度が高くなる。また外気温度が低いと、前記鉄骨間柱がいわゆる冷橋となって内壁材を冷やし、内壁材等に結露を生じさせている。結露が激しくなると、内壁材面やこの内壁材に貼り付けた壁紙をぬらし、シミやカビを発生させたり、壁紙そのものを剥離させたりするという問題があった。
このため、鉄骨間柱からの伝熱を抑制するための検討が各方面でなされている。例えば、特許文献1では、鉄骨間柱として熱伝導性のよい鋼製で、フランジ部とウェブ部を有するフレーム材を用いる場合、熱伝導を低減するために、フランジ部近傍のウェブ部の横断面積に比べて中間のウェブ部の横断面積を小さくしたものを用いることが提案されている。フランジ部で受けた熱を、中間のウェブ部での伝熱を少なくして反対側のフランジ部に伝わるのを押えようとするものである。そして、中間のウェブ部の横断面積を小さくする手段として、ウェブ部の中間の板厚を薄くしたり、ウェブ部の中間を網目状にしたり、ウェブ部の中間に多数の孔をあけたり、ウェブ部の中間の板厚を薄くし且つ網目状にしたりすることが挙げられている。
そこで、本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、壁材等との固定が確実にでき、強度低下が抑制され安定した強度を有するとともに、熱伝導性をより低くしたフレーム材を提供することを目的とする。
長孔は、抜孔と当該抜孔の側傍を起こした補剛リブから構成されており、当該補剛リブ面で形作られた空隙が断熱材で埋められているものが好ましい。
また、ウェブ部に不連続に多数交互に設けられた長孔は複数列で、しかも、隣合せの列の長孔がウェブ部の幅方向に互い違いに縦列配置で設けられていることが好ましい。
また、不連続の長孔は、抜孔とこの抜孔の側傍を起こした補剛リブから構成されているため、当該ウェブ部の強度、特に剛性を高めることができるとともに、補剛リブ面で形作られる空隙部が断熱材で埋められているために、熱伝導性も低くなっている。
さらに、フレーム材のフランジ部に凹凸を形成すると、外壁材及び内壁材と接触する部分の面積が減少し、熱伝達面積が減少して結果的にフレーム材の熱伝導性を低くすることができる。
その結果、フレーム材としてウェブ部に長さ方向に長孔が不連続に多数設けられたものを用いるとともに、前記長孔が断熱材で埋められたものが有効であることを見出した。
空気は対流,輻射等で熱を伝えてしまう。そこで、さらに熱伝導を下げるべく、種々検討した結果、形鋼に設けた長孔を断熱材で埋めることにより、熱伝導率を大幅に下げることができることを見出したものである。
特に強い強度を必要としない場合には、材質的にはアルミニウム合金や普通鋼材で十分である。ただし、前記したように結露が生じることもあるので、耐食性を備えていることが好ましい。この意味からも、防食めっき、防食塗装等が施されたものを用いることが好ましい。
例えば、図4(a)に示すように、抜孔が単純な縦長な矩形であると、その後の補剛リブ形成時にコーナー部に亀裂が発生し易くなる。亀裂が発生すると、フレーム材の強度が低下することにもなるので、図4(b),(c)に示すように長さ方向の両端部は丸く曲面が形成されるように形作られていることが好ましい。
しかし、コスト的な面を考慮すると、抜孔の形状が図4(a),(b)に示すような形状の場合、抜孔と相似形で、補剛リブ形成領域分以上に大きい断面形状を有し、図5に示されるような、先端を尖らせた平板状のパンチPを、前記ウェブ部に形成された抜孔に押し込むことが好ましい。図4(c)に示すような形状であっても、抜孔の形状に拘ることなく、上記図4(b)で示す形状の抜孔に押し込むと同形の平板状パンチが用いられる。
また、起こされる側傍部の幅、すなわち補剛リブ部の高さについては制限する必要はない。ただし、側傍部に幅を広くするほど補剛リブ部の高さが高くなって剛性の高いフレーム材が得られる。一般的には、最初に形成した抜孔の幅と同じ程度の幅とする。
ポリエチレン等の発泡シート等を裁断して埋めても良いし、発泡体又はグラスウール,ロックウール等の断熱材を挿入しても良い。しかしながら、発泡シートや断熱材の挿入は手間がかかる作業となる。したがって、作業効率を考えると、長孔が形成されたフレーム材に、ウレタン等の発泡樹脂を吹き付けることが好ましい。発泡樹脂としては、ウレタン樹脂の他に、フェノール樹脂,ポリスチレン樹種,フェノールウレタン樹脂,ポリエチレン樹脂等が使用できる。発泡樹脂の吹き付けで長孔を充填すると、長孔の周辺に樹脂が付着した状態となって外観上違和感があるが、当該フレーム材は元々目に触れない箇所に設置されるものであるから、外観上の違和感が問題になることはない。
多段ロール成形により凹凸を形成するか、表面に凹凸が形成されたロールを使用してロール成形してもよいし、適宜形状にプレス成形してもよい。
適宜形状に成形された後、前記長孔を断熱材で埋めることが好ましい。
このような長孔をウェブ方向に平行に4列、かつ隣り合った列の分断溝孔は交互に位置するように設けた(図2参照)。
その後、当該補剛リブを設けた長孔のリブ間で形成される空隙部を発泡ウレタン樹脂の吹き付けにより充填した。
熱の伝わり方については、(社)リビングアメニティ協会の熱貫流率計算ソフト「Tb3D/FDM」により、熱貫流率を求め、評価した。
曲げ剛性は、JIS A 1414‐1994に準拠した4点曲げ試験により最大強度を求めた。なお、曲げ試験は、図3に示す断面を有するリップ溝形鋼を試験材とし、その2本を図6に示すようにウェブ面同士を合わせてボルトで固定した“つづり合わせ”で、支点間距離を1000mmにとり、フランジに垂直方向に負荷をかけることで行った。
評価結果を次表に示す。
なお、ウェブ部に長孔を設けたフレーム材では曲げ強度が低下しているが、実際に家屋の建築に用いても全く問題はない。
Claims (3)
- フランジ部とウェブ部を有するフレーム材であって、前記ウェブ部に長さ方向に長孔が不連続に多数交互に設けられるとともに、当該長孔は断熱材で埋められていることを特徴とする低熱伝導性フレーム材。
- 長孔が抜孔と当該抜孔の側傍を起こした補剛リブから構成されており、当該補剛リブ面で形作られた空隙が断熱材で埋められている請求項1に記載の低熱伝導性フレーム材。
- ウェブ部に不連続に多数設けられた長孔が複数列で、しかも、隣合せの列の長孔がウェブ部の幅方向に互い違いに縦列配置で設けられている請求項1又は2に記載の低熱伝導性フレーム材。
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