JP2006249072A - タンパク質導入用担体、前記担体を用いたタンパク質導入剤、タンパク質導入方法、およびタンパク質導入細胞ならびにその製造方法 - Google Patents

タンパク質導入用担体、前記担体を用いたタンパク質導入剤、タンパク質導入方法、およびタンパク質導入細胞ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた安全性でタンパク質を細胞に導入できるタンパク質導入方法を提供する。
【解決手段】
粘土鉱物からなるタンパク質導入用担体に目的タンパク質を担持させ、これを細胞に添加することによって前記細胞内に前記目的タンパク質を導入することができる。前記粘土鉱物は、層状粘土鉱物であることが好ましく、モンモリロナイト、バーミキュライト、イライト等が使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞内にタンパク質を導入するためのタンパク質導入用担体、前記担体を用いたタンパク質導入剤に関する。さらに、前記導入剤を用いたタンパク質の導入方法、タンパク質を導入した細胞ならびにその製造方法に関する。
近年、ガンや遺伝子疾患等、種々の疾患の治療法として、例えば、欠損遺伝子や変異遺伝子に対する正常型遺伝子を細胞内に導入することにより遺伝子レベルで治療を行う、いわゆる遺伝子治療が実用化されている。しかしながら、遺伝子治療の場合、遺伝子が細胞に導入されても、確実にタンパク質が発現し且つその機能を奏するか否かが問題となる。
このため、遺伝子治療とは別に、必要なタンパク質そのものを目的細胞に導入する方法が検討されている。その一手段として、目的タンパク質を担持して細胞に導入する担体の研究がなされているが、生体内への導入を想定しているため、安全性が高いことが必要不可欠である。
しかしながら、タンパク質を細胞に導入できる担体は極めて少なく、さらに、ポリエチレンイミン等の公知の担体は、生体に対して毒性を示すため安全性に問題があり、実際に生体に使用できるものは存在しないに等しい状況である(例えば、非特許文献1参照)。
Zelphati, O. et al. J. Biol. Chem. 276, 35103-35110 (2001)Intracellular delivery of proteins with a new lipid-mediated delivery system.
そこで、本発明は、安全性に優れる新たなタンパク質導入用担体、タンパク質導入剤、タンパク質導入方法、タンパク質導入細胞ならびにその製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のタンパク質導入用担体は、細胞にタンパク質を導入するための担体であって、粘土鉱物を含むことを特徴とする。また、本発明のタンパク質導入剤は、前記本発明のタンパク質導入用担体とこれに担持されたタンパク質とを含む導入剤である。
さらに、本発明のタンパク質導入方法は、前記本発明のタンパク質導入剤を細胞に接触させて、前記細胞に前記タンパク質を導入する方法であり、また、この方法によって、外来のタンパク質が導入された本発明の細胞が製造される。
本発明者らは、臨床医療等の分野において、細胞に対する安全性が高い新規のタンパク質導入用担体を開発すべく鋭意研究を行った。その結果、前記粘土鉱物をタンパク質導入用担体として用いれば、容易に細胞内にタンパク質を導入できることを見出した。前記「粘土鉱物」とは、通常、粘土に含まれるケイ酸塩鉱物を言い、従来から、例えば、化粧品の成分として、医薬分野における発布剤の基材や制酸剤として、また光学材料や触媒としても広く利用されている。しかしながら、本発明のように、粘土鉱物を、タンパク質を細胞に導入するための担体として使用できることは、本発明者らが初めて見出したことである。
本発明のタンパク質導入用担体によれば、例えば、前記担体と導入させるタンパク質とを溶液内で混合するだけで、前記タンパク質を担持することができ(前記担体とタンパク質との複合体を形成することができ)、さらに、このタンパク質を担持した前記担体を、目的細胞に接触させれば、細胞内にタンパク質を導入できる。このため、タンパク質導入の操作も極めて簡便になる。また、粘土鉱物は、前述のように従来から広く化粧品や医薬品に使用されているという事実からも、生体に対する、特にヒトに対する安全性は十分に立証されているところである。したがって、このような安全性に極めて優れる粘土鉱物を含む本発明のタンパク質導入用担体は、前記臨床医療の分野等において、広く適用でき、且つ、極めて有用である。なお、本発明のタンパク質導入担体が細胞にタンパク質を導入するメカニズムは明らかではないが、おそらく前記タンパク質導入用担体が、タンパク質を担持した状態で細胞内に取り込まれ、細胞内でタンパク質を遊離すると考えられる。
また、本発明のタンパク質導入剤は、前述のように、例えば、本発明のタンパク質導入担体と目的タンパク質との混合によって、前記タンパク質を前記担体に担持できるため、調製が極めて容易である。そして、このタンパク質導入剤を用いた本発明のタンパク質導入方法によれば、前記導入剤を細胞に接触させるだけで細胞内にタンパク質を導入できるため、その操作も極めて簡便であり、安全性にも優れる。
また、本発明のタンパク質導入細胞は、細胞に対する安全性が非常に高い本発明の導入方法によって作製できるため、例えば、従来のようなポリエチレンイミン等の担体を使用した場合に見られる弊害等も回避できる。このため、外来のタンパク質を導入した細胞を患部の組織細胞に接触させる治療方法等にも、高い安全性で適用できる。なお、本発明において「タンパク質」とは、いわゆるタンパク質には限定されず、後述するようにペプチド等も含まれる。
(実施形態1)
タンパク質導入用担体
本発明のタンパク質導入用担体において、前記粘土鉱物は、特に制限されず、また、メカニズムは不明であるが、前記粘土鉱物によれば、タンパク質を担持することができる。前記粘土鉱物としては、例えば、層状粘土鉱物があげられる。このような層状構造の粘土鉱物は、通常、その層間にイオンや水が挟み込まれた構造をとっている。
前記層状粘土鉱物の層間物質は、例えば、交換性陽イオンであることが好ましい。層間物質が交換性陽イオンの場合、通常、この陽イオンは層の内側面の水酸基(−OH)と結合している。なお、前記交換性陽イオンを層間物質として有する粘土鉱物を、以下、「交換性陽イオン型」の粘土鉱物ともいう。
このような粘土鉱物であれば、例えば、酸性条件下でタンパク質を放出することなく、中性またはアルカリ性条件下でタンパク質を放出(遊離)することもできる。このため、条件に応じて選択的にタンパク質を放出させる際に有用である。
前記交換性陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、第4級アンモニウムイオン等があげられる。これらの中でも、天然型の粘土鉱物の多くが有していることからナトリウムイオンが好ましく、また、大きな立体構造である第4級アンモニウムイオンも好ましい。前記第4級アンモニウムイオンとしては、例えば、塩化テトラメチルアンモニウムイオン、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムイオン等がある。
また、これら以外にも、例えば、α−アミノ酸やβ−アミノ酸等の各種アミノ酸、ドーパミン等のアミン化合物、アクリルアミド等のアミド化合物等の陽イオンでもよいし、アルキルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、アルキルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤や、ルテニウムテトラアンモニウム、トリスフェナンスロリンロジウム等のカチオン性金属錯体の陽イオンでもよい。前記カチオン性金属錯体としては、例えば、ルテニウム等のアンモニア錯体等が使用できる。また、メチルビオロゲン等でもよい。
本発明における前記層状粘土鉱物としては、特に制限されず、例えば、カオリナイト、バイロフィライト−タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、緑泥石およびセピオライト−パリゴスカイトの合計8群の結晶質型粘土鉱物が使用できる。結晶質型の中でも、カオリナイト群はケイ酸塩層の型が「1:1型」であり、その他7つのグループは、「2:1型」である。層電荷のない前記カオリナイト群に属する粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、デイッカイト、ハロイサイト、ナクライト、クリソタイル、リザルダイト、同じく層電荷のないバイロフィライト−タルク群に属する粘土鉱物としては、例えば、バイロフィライト、タルクがあげられる。また、層電荷を有するスメクタイト群としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイトが、バーミキュライト群としては、例えば、di-バーミキュライト、tri-バーミキュライトが、雲母群としては、例えば、白雲母、パラゴライト、イライト、フロゴパイト、黒雲母、レピドライトが、脆雲母群としては、例えば、マーガライト、クリントナイトが、緑泥石群としては、ドンパサイト、スドウ石、クッカイト、クリノクロア、シャモサイトが、それぞれあげられる。また、層電荷のないセピオライト−パリゴスカイト群としては、セピヲライト、パリゴルスカイトがあげられる。これらの中でも、層電荷を有する結晶質粘土鉱物が好ましく、より好ましくは、スメクタイト群、バーミキュライト群、雲母群である。具体的には、モンモリロナイト、バーミキュライト、イライトが好ましく、特にモンモリロナイトが好ましい。
また、前記層状粘土鉱物の他にも、例えば、イモゴライト、アロフェン、ヒシンゲライト等の非結晶質型粘土鉱物も使用できる。また、前記粘土鉱物としては、天然のものには限られず、合成物も使用できる。
前記粘土鉱物は、天然の粘土から採取してもよいが、種々の市販品が使用できる。モンモリロナイトとしては、例えば、モンモリロナイトを主成分とするベントナイトが好ましい。ベントナイトは、日本薬局方「ベントナイト」に準拠した市販品が多数販売されており、生体に対して無害であることは証明済みであるため、本発明のタンパク質導入用担体の原料として極めて有用である。このようなベントナイトの市販品としては、例えば、商品名ベントナイト、商品名クニピアF(共にクニミネ工業社製)等があげられる。サポナイトとしては、例えば、商品名スメクトンSA(クニミネ工業社製)等がある。また、日本粘土学会からも、各種粘土鉱物を入手することもできる。なお、本発明のタンパク質導入用担体は、例えば、単独、複数の粘土鉱物の混合物、もしくは前記粘土鉱物以外の成分を含んでいてもよく、また、前記粘土鉱物の精製度も限定されない。
前記粘土鉱物は、例えば、含有もしくは付着している各種不純物が除去された精製粘土鉱物であってもよい。前記不純物とは、例えば、土壌中の有機物(各種アミノ酸やリグニン等)や、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウム等がある。
精製粘土鉱物の場合は、通常のX線回折または元素分析による純度が、例えば、85%以上であり、好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。このX線回折による純度は、一般に行われるように、標準サンプルとの回折パターンを比較した、回折線の強度比から決定することができる。
前述のような不純物を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、前記有機物を除去する場合には、以下の方法等が適用できる。
有機物の除去処理は、例えば、粘土鉱物に過酸化水素水を添加して分散させ、この分散液を加熱処理することによって行うことができる。過酸化水素水の濃度は、例えば、3〜15重量%であり、好ましくは3〜10重量%であり、より好ましくは5〜7重量%である。過酸化水素水の添加割合は、粘土鉱物1gに対して、例えば、10〜30mlであり、好ましくは15〜30mlであり、より好ましくは15〜20mlである。また、加熱処理の条件は、例えば、温度25〜50℃であり、好ましくは25〜40℃であり、より好ましくは30〜40℃である。加温時間は、特に制限されないが、例えば、加温による発泡(酸素)がなくなるまで行うことが好ましく、発泡終了後、残留した過酸化水素を除去するために、さらに加温処理を行うことがより好ましい。なお、これらの条件には限定されない。
このような有機物処理によって、通常、純度が85〜100%の粘土鉱物を得ることができる。また、使用する粘土鉱物における有機物の含有量は、例えば、5%以下であり、好ましくは2%であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。
前記有機処理後の粘土鉱物をタンパク質導入用担体とする場合は、例えば、ろ過や遠心分離等によって前記分散液から粘土鉱物を回収し、水、緩衝液、生理食塩水等の溶媒で洗浄したものを使用すればよい。なお、このように有機物処理を行った粘土鉱物の層間物質は、原料として用いた処理前の粘土鉱物と同様であり、例えば、ナトリウムイオンの他にも、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の各種交換性陽イオンがあげられる。
また、前記粘土鉱物は、例えば、粘土鉱物に付着または含まれる鉄を除去するために、前記有機物の除去処理に代えて、またはそれに加えて、以下に示す脱鉄処理を施してもよい。この脱鉄処理は、例えば、以下に示す方法によって行うことができる。
前記過酸化水素水で処理した前記粘土鉱物の分散液を加熱し、例えば、ここにクエン酸ナトリウム水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して十分に攪拌する。この混合液に、さらにハイドロサルファイトナトリウム(ハイドロ亜硫酸ナトリウム)水溶液を加えて攪拌し、この混合液を静置する。この脱鉄処理後の粘土鉱物をタンパク質導入用担体とする場合には、前記有機物処理の場合と同様に各種溶媒で洗浄したものを使用すればよい。
前記方法において、粘土鉱物1gに対する各物質の添加割合は、例えば、クエン酸ナトリウム50〜70mmol、炭酸水素ナトリウム15〜30mmol、ハイドロサルファイト20〜35mmolの範囲であり、好ましくはクエン酸ナトリウム55〜65mmol、炭酸水素ナトリウム22〜28mmol、ハイドロサルファイト26〜29mmolの範囲である。
また、有機物処理後または脱鉄処理後の粘土鉱物は、さらに、イオン交換反応による各種交換性陽イオン型への誘導処理を施してもよい。処理前から層間にナトリウム等の交換性陽イオンを含む場合においても、この誘導処理を施してもよい。具体例として、以下に、交換性ナトリウム型への誘導処理の一例を示す。
粘土鉱物を交換性ナトリウム型への誘導処理する場合には、例えば、前記有機物除去処理または脱鉄処理を行った粘土鉱物を、塩化ナトリウム飽和水溶液等のナトリウム塩飽和水溶液に添加・分散し、ろ過や遠心分離によって前記粘土鉱物を回収すればよい。前記ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)の添加と粘土鉱物の回収とは、1回でもよいが、十分にナトリウム型への誘導を行うために2回以上行うことが好ましく、より好ましくは3〜5回である。また粘土鉱物に対する塩化ナトリウム飽和水溶液の添加割合は、粘土鉱物1gに対して、例えば、30〜80mLの範囲であり、好ましくは40〜60mL、より好ましくは50〜60mLの範囲である。塩化ナトリウム飽和水溶液に対する粘土鉱物の懸濁は、特に制限されないが、例えば、10秒以上であることが好ましく、より好ましくは30〜60分である。
交換性ナトリウム型への誘導に使用する溶媒としては、前記塩化ナトリウム水溶液には限定されず、この他にも、例えば、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等のナトリウム塩を含む水溶液が使用できる。また、これらの溶液におけるナトリウム塩濃度は、特に制限されないが、前述のように飽和溶液であることが好ましい。
また、より一層完全にナトリウム型への誘導を行う場合は、前記塩化ナトリウム飽和溶液による誘導処理に代えて、若しくはこれに加えて、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、アジ化ナトリウム等のナトリウム塩の水溶液や、前記ナトリウム塩を二種以上含む水溶液等によって誘導処理を行えばよい。
一方、交換性アンモニウム型への誘導処理を行う場合には、例えば、アンモニア、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩を含む溶液で、前述のナトリウム型への誘導方法と同様に処理を行えばよい。また、第4級アンモニウム型の場合は、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩を含む溶液が使用できる。また、例えば、前述のようなカチオン性界面活性剤を用いたピラー化や、前述のようなアミン化合物、アミド化合物、カチオン性金属錯体等による置換によっても、鉱物機能の修飾が可能である。
このように交換性陽イオン型への誘導処理を行った粘土鉱物は、例えば、透析を行った後にタンパク質導入用担体として使用すればよい。
また、以上に示した各種粘土鉱物は、例えば、溶液に分散させた状態でそのままタンパク質導入用担体として使用することもできるが、凍結乾燥等により乾燥させた乾燥物をタンパク質導入用担体としてもよい。前記乾燥物であれば、後述する分散液の形態であるタンパク質導入剤を調製する際に、所望の濃度に調製し易いからである。なお、本発明のタンパク質導入担体によれば、タンパク質に限られず、ペプチドを導入することもできる。
(実施形態2)
タンパク質導入剤
本発明のタンパク質導入剤(タンパク質複合体ともいう)は、前述のように、粘土鉱物を含む本発明のタンパク質導入用担体と、これに担持されたタンパク質とを含む。なお、本発明における「タンパク質」とは、アミノ酸のみから構成される一般に言うタンパク質のみならず、前述のペプチドや、糖タンパク質、ムチン等、また、これらの薬学的に許容された塩等も含まれる(本発明においては、「タンパク質」と言う)。前記薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩等の有機酸塩、この他にも、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の塩もあげられる。
前記タンパク質導入剤において、前記タンパク質(A)と粘土鉱物(B)との混合割合(重量比A:B)は、例えば、1:0.1〜5の範囲であり、好ましくは1:0.5〜4の範囲、より好ましくは1:0.5〜3の範囲、特に好ましくは1:1〜2の範囲である。
前記タンパク質導入用担体に担持させるタンパク質は、特に制限されず、種々のタンパク質が使用でき、単独、もしくは複数のタンパク質の混合物でもよい。タンパク質の特性も何ら制限されず、例えば、分子量の小さいペプチドであっても、分子量の大きいタンパク質であっても十分に細胞に導入することができる。分子量の具体例としては、何ら制限されないが、例えば、300Da〜500kDa程度であり(それより大きいタンパク質および小さいペプチドももちろんのこと)、好ましくは、1kDa〜500kDaの範囲、より好ましくは5kDa〜500kDaである。十分に細胞に導入することができる。また、組合せる粘土鉱物の種類も何ら制限されないが、例えば、タンパク質の種類に応じて選択してもよい。
タンパク質の種類は、例えば、細胞に付与したい機能等に応じて適宜決定でき、例えば、医薬の分野においては、疾患の治療剤、予防剤、抑制剤となるタンパク質があげられる。具体例の1つとして、減感作治療に使用するタンパク質があげられる。例えば、花粉症の治療を目的とする場合には、すぎ等の花粉のアレルゲン等を担持させ、食物アレルギーの治療を目的とする場合には、卵白アルブミン(オボアルブミン)等の対象タンパク質(アレルギーの原因タンパク質やその断片)等を担持させ、細胞に導入することが例示できる。また、酵素欠乏による疾患の治療を目的とする場合には、欠損している酵素を担持させればよく、例えば、乳糖不耐症の治療には、β-ガラクトシダーゼ等を担持させて、細胞に導入することが例示できる。また、糖尿病に対しては、インスリンを担持させて、細胞に導入することが例示できる。
このタンパク質導入剤の形態としては、前記タンパク質導入用担体とこれに担持されたタンパク質とを含んでいれば特に制限されず、例えば、これが分散された分散液であってもよいし、凍結乾燥品であってもよい。また、前記分散液を凍結させた形態でもよく、その場合は使用時に解凍すればよい。また、必要に応じて、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤等の医薬品添加物、または、甘味料、香料、保存料、安定剤等の食品添加物等を加えることも可能である。
次に、本発明のタンパク質導入剤の調製方法の一例を示す。まず、目的のタンパク質を含むタンパク質分散液と、前記粘土鉱物(タンパク質導入用担体)を含む粘土鉱物分散液とを調製する。
前記タンパク質分散液におけるタンパク質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.1〜1000μg/mLの範囲であり、好ましくは25〜400μg/mL、特に好ましくは50〜200μg/mLである。この分散液の分散媒は、特に制限されず、例えば、蒸留水、生理食塩水、PBS(phosphate buffered saline)等があげられる。また、後述するように培養細胞へのタンパク質導入に使用する場合には、これらの他に、液体培地等を用いてもよい。なお、前記分散媒は、コンタミネーションを防止するために滅菌処理されていることが好ましい。前記タンパク質分散液のpHは、特に制限されず、例えば、中性付近があげられ、5.5〜7.5の範囲が好ましい。
前記粘土鉱物分散液における粘土鉱物の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.1〜1000μg/mLの範囲であり、好ましくは25〜400μg/mL、特に好ましくは50〜200μg/mLである。この分散液の分散媒としては、前述と同様のものが使用できる。前記粘土鉱物分散液のpHも、前記タンパク質分散液と同様であり、特に制限されない。
そして、前記タンパク質分散液と粘土鉱物分散液とを混合することによって、タンパク質導入剤を調製できる。このように液中でタンパク質と粘土鉱物とを混合することによって、前記粘土鉱物にタンパク質が担持された複合体を形成できる。なお、前記タンパク質分散液と粘土鉱物分散液とを混合した前記タンパク質導入剤において、タンパク質(A)と粘土鉱物(B)との割合(重量比A:B)は、例えば、前述と同様である。
前記タンパク質分散液と粘土鉱物分散液とを混合した混合液(タンパク質導入剤)は、通常、細胞や生体を対象とするため、そのpHは特に制限されないが、例えば、pHは中性付近(例えば、pH約6.5〜7.5)に設定すればよい。また、前述のように、粘土鉱物の層間に交換性陽イオンを含む場合も、同様に制限されず、例えば、中性付近のpHに調整すればよい。なお、このようなタンパク質導入剤によれば、例えば、タンパク質を保持させた状態で、酸性条件下におかれた後であっても、pHの影響を受けることなくタンパク質の導入を行うことができる。このため、例えば、強酸性条件である胃を通過してもタンパク質の導入自体は影響を受けることがなく、後述のような経口投与に適しているといえる。
前記タンパク質分散液と粘土鉱物分散液とを混合した後、直ぐにタンパク質導入剤として使用することもできるが、粘土鉱物にタンパク質を十分に担持させるため、混合後、インキュベートすることが好ましい。インキュベートの温度条件は、特に制限されず、通常、室温で処理でき、また、その時間も特に制限されない。
このような分散液形態のタンパク質導入剤は、そのまま使用してもよいし、前述のように使用時まで凍結させてもよい。また、乾燥状態にする場合には、例えば、凍結乾燥、スプレードライ等の方法が適用でき、使用時に前述のような分散媒に分散させればよい。
本発明における前記粘土鉱物は、例えば、自然療法として内服することが知られており、また、内服製剤に含有されている場合がある。このように生体に対する安全性は十分に確認されていることから、本発明のタンパク質導入剤は、例えば、医薬品、機能性食品、食品添加物として極めて有用である。
つぎに、前記タンパク質導入剤を細胞に接触させてタンパク質を導入する、本発明のタンパク質導入方法について、in vitroおよびin vivoにおける具体例を、以下の実施形態3および4にそれぞれ示す。この方法によれば、外来のタンパク質を導入した細胞を製造することができる。なお、本発明は、これらの形態には制限されない。
(実施形態3)
in vitro でのタンパク質導入方法
本実施形態において、in vitroで、培養細胞に前記タンパク質導入剤を接触させ、前記細胞に目的タンパク質を導入する導入方法の一例を説明する。この方法では、例えば、目的タンパク質を導入する培養細胞に、前記タンパク質導入剤を添加してインキュベートすればよい。
培養細胞は、予め、その種類に応じた液体培地で一定時間プレインキュベートした後に、前記タンパク質導入剤を添加して、さらにインキュベートすることが好ましい。このように、前記導入剤の添加前に予めプレインキュベートすることによって、例えば、培養細胞への前記導入剤によるタンパク質導入をスムーズに行うことができ、また、添加後に一定時間インキュベートを行うことによって、より効率良くタンパク質を導入できる。
前記液体培地の種類は、前述のように細胞に応じて適宜決定でき、特に制限されないが、例えば、細胞の成育環境を安定化できることから、血清を含むことが好ましい。
培養細胞に対する前記タンパク質導入剤の添加割合は特に制限されないが、例えば、細胞1×106個に対する粘土鉱物の添加割合が0.01〜100μgの範囲となるように、前記タンパク質導入剤を添加することが好ましく、より好ましくは粘土鉱物の添加割合が0.1〜50μg、特に好ましくは0.2〜25μgである。また、細胞1×106に対するタンパク質の割合が0.01〜100μgの範囲となるように、前記タンパク質導入剤を添加することが好ましく、より好ましくはタンパク質の添加割合0.1〜50μg、特に好ましくは0.2〜25μgである。
目的タンパク質を導入する培養細胞としては、制限されないが、例えば、小腸、鼻粘膜、皮膚組織、皮下組織、骨組織、軟骨組織および歯周等の種々の細胞に本発明の方法を適用できる。また、ヒト細胞やヒト以外の動物細胞(哺乳類細胞)、これらの他にも、例えば、微生物、魚類、爬虫類、両生類、鳥類、昆虫等、全ての生物種の細胞にも適用できる。前記細胞培養に関しても、前述のように特に制限されず、細胞の種類に応じた公知の液体培地を用いて、公知の培養条件に従って行うことができる。
以下に培養条件の具体例を示すが、前述のように培養細胞の種類に応じて適宜決定できるため、これらには限定されない。例えば、培養細胞に前記タンパク質導入剤を添加する前、予め、細胞を培養(プレインキュベート)してもよく、その培養時間は、例えば、18〜30時間であることが好ましく、より好ましくは18〜24時間、特に好ましくは22〜24時間である。一方、前記タンパク質導入剤添加後のインキュベート時間は、例えば、前記タンパク質が細胞内に導入されればよく、特に制限されないが、例えば、3時間程度であり、上限も特に制限されず、48時間程度である。培養温度は、通常、37℃であり、5%二酸化炭素の存在下で培養することが好ましい。
以上の方法によって得られたタンパク質を導入した細胞は、以下のような治療への使用が可能である。例えば、遺伝子欠損によりある疾患が発症している場合、欠損遺伝子がコードするタンパク質を本発明の導入方法によって培養細胞に導入する。そして、得られたタンパク質導入細胞をその疾患の患部に投与する。そうすれば、投与した細胞における導入タンパク質によって、疾患の症状の緩和や治癒を図ることができる。なお、前記投与方法としては、例えば、患部への注射、担体に前記タンパク質導入細胞を担持させて患部や皮下もしくは腹腔に埋め込む外科的処置等がある。
(実施形態4)
つぎに、in vivo でのタンパク質導入、すなわち、細胞が生体細胞であって、生体に前記タンパク質導入剤を投与して、前記導入剤により器官または組織の細胞にタンパク質を導入する一例を説明する。この方法では、前記タンパク質導入剤を、例えば、経口投与によって、または目的の器官や組織に外科的処置や注射等により投与するだけで、生体内の目的細胞に目的タンパク質を導入することができる。
生体の中でも、例えば、小腸細胞にタンパク質を導入する場合には、前記タンパク質導入剤を経口投与することが好ましい。経口投与は簡便であり、また投与量も治療の結果に応じて調整し易いことからも好ましい。しかも、本発明のタンパク質導入剤を使用した場合、目的タンパク質を選択的に確実に小腸細胞へ導入できる。このように小腸に選択的にタンパク質を導入できるのは、以下の理由によると考えられる。
前述のように、前記粘土鉱物とタンパク質を混合させること等によって、前記タンパク質は前記粘土鉱物に担持される。このようにタンパク質を担持した導入用担体は、通常、pHが酸性条件であると、電荷が大きくなることにより、前記タンパク質をしっかりと担持し、一方、中性またはアルカリ性条件下では、電荷が小さくなることにより、タンパク質を遊離し放出する。前記粘土鉱物はこのようなメカニズムを持つため、前記タンパク質導入剤を経口投与すると、タンパク質を放出することなく酸性条件の胃を通過し、小腸へと達するのである。また、粘土鉱物であるため胃で消化されることもない。そして、小腸は中性付近のpHであって、胃に比べて電荷が小さくなるため、前記タンパク質導入剤の粘土鉱物からタンパク質が放出されるのである。このように、本発明のタンパク質導入用担体(タンパク質導入剤)を経口投与すれば、タンパク質が胃で消化されることがなく、また、静脈注射のように様々な細胞に入り込んで小腸への選択的投与が困難となる問題もない。つまり、本発明によれば、簡便な経口投与によって、小腸への選択的投与を容易に行うことが可能となる。
このような小腸への選択的なタンパク質導入剤の接触により、腸管免疫を利用したアレルギー治療(減感作治療)を、簡便な経口投与で実現することもできる。例えば、各種アレルギーの原因となるタンパク質をタンパク質導入用担体に担持させて、タンパク質導入剤を調製し、これを定期的にアレルギー患者に経口投与する。すると、前記タンパク質導入剤は小腸に運ばれ、小腸細胞内で選択的に目的タンパク質を放出するため、腸管免疫において免疫寛容の現象がおき、アレルギー症状が減退されるのである。このような方法は、従来の減感作治療に比べて、例えば、注射による頻回投与の必要性がなく、患者への負担が少ない優れた療法といえる。また、腸内細胞は、通常、二週間程度で剥がれ落ちるため、タンパク質導入された細胞が長期間にわたって体内に残ることもない。したがって、本発明を適用すれば、より一層安全性に優れた予防方法・治療方法を提供できるといえる。
in vivo での前記タンパク質導入方法は、例えば、ヒトの生体にも適用でき、また、ヒト以外の哺乳類の生体にも適用できる。また、前記タンパク質導入剤の投与量は、その目的や生体の種類等に応じて適宜決定できるが、例えば、細胞と粘土鉱物またはタンパク質との割合は、前述のin vitro での導入と同じ割合でもよい。
以上のようにin vivo でのタンパク質導入方法によれば、安全性に優れたタンパク質の導入が可能になり、さらに経口投与を行えば、外科的処置や注射を行うことなしに、例えば、選択的に小腸へのタンパク質導入が可能になるため、臨床治療に有用な方法といえる。
(実施形態5)
医薬組成物および疾患の予防方法ならびに治療方法
本発明の医薬組成物は、疾患の治療剤、予防剤または抑制剤としてタンパク質を含む医薬組成物であって、さらに、本発明のタンパク質導入用担体を含むことを特徴とする(すなわち、本発明のタンパク質導入剤を含む医薬組成物である)。疾患の治療剤、予防剤、抑制剤となる有効成分がタンパク質である場合、前記タンパク質導入用担体を含む本発明の医薬組成物を投与することによって、優れた安全性で簡便に、ヒトやヒトを除く哺乳動物等の予防・治療を行うことができる。タンパク質の種類は何ら制限されず、疾患に応じて選択でき、例えば、減感作治療の場合は、花粉やアルブミン等のタンパク質等、糖尿病の場合には、インスリン等が選択できる。また、医薬組成物の投与の方法も、特に制限されず、経口投与、注射等の非経口投与を疾患に応じて選択できる。また、本発明の医薬組成物は、前述のようなタンパク質導入細胞でもよく、外科的処置で生体内に埋め込むことにより投与してもよい。
粘土鉱物を用いて、in vitroでの小腸上皮細胞へのβ-ガラクトシダーゼの導入を行った。
1.タンパク質導入用担体とタンパク質の複合化
タンパク質導入用担体として、モンモリロナイトを含む商品名クニピアおよび商品名ベントナイト、サポナイトを含む商品名スメクトンSA(全てクニミネ工業株式会社製)の3種類の粘土鉱物を使用し、これらをPBS(−)(Ca2+,Mg2+ − free リン酸緩衝生理食塩水:pH7.2)で1mg/mlとなるように分散して、担体分散液をそれぞれ調製した。一方、大腸菌由来β-ガラクトシダーゼ(CALBIOCHEM社製)をmili−Q水で1mg/mlに懸濁し、タンパク質分散液を調製した。そして、DMEM(Dullbecco's Modified Eagle's Medium : serum - free)100μlに、前記担体分散液5μlおよびタンパク質分散液1μlを添加して混合した。前記混合液を25℃で1時間インキュベートして、タンパク質導入剤とした。
2.in vitro でのタンパク質導入
細胞として、ATCCより分譲されたラット小腸上皮細胞IEC−6(ATCC−CRL1592)を使用した。まず、12 well plate(ファルコン社製)に下記液体培地2.5mlを加え、各ウェルに小腸上皮細胞を1×105個播種して37℃で24時間培養した。なお、培養時には、炭酸ガス濃度を炭酸ガスインキュベーターで5%となるように調整した。
(液体培地組成)
DMEM(Dulbecco's modified Eagle medium:日水製薬社製)
10重量% FBS(fetal bovine serum:大日本製薬社製)
前記24時間の培養後、培養細胞を前記PBS(−)で2回洗浄し、前記DEME(serum-free)1mlを各ウェルに添加した。さらに、β-ガラクトシダーゼが1μg(905mU)/wellとなるように、前記タンパク質導入剤100μlを各ウェルに添加した。そして、37℃で3時間インキュベートした後、血清(FBS)111μlを添加して培地中のFBS濃度を10重量%とし、37℃で24時間インキュベートした。
また、コントロールとして、前記タンパク質導入剤を添加していない細胞を、比較例1として、β-ガラクトシダーゼを単独で導入した細胞を、それぞれ同様に培養した。なお、比較例1においては、前記タンパク質導入剤に代えて、前記タンパク質分散液(1mg/ml)をDMEM100μlで希釈したものを添加した。
前記インキュベート後、全細胞の回収を行った。まず、培養細胞を前記PBS(−)で2回洗浄してから、前記PBS(−)100μlを添加し、Cell Scraperにより細胞を回収した。そして、前記細胞を−80℃で凍結させた後、37℃で融解し、遠心分離(14,500rpm、5分間)に供することによって細胞抽出液を回収した。
3.タンパク質導入の確認
96 well plateに、下記組成のZ buffer 90μl、回収した細胞抽出液10μlおよび4mg/ml ONPG(o-ニトロフェニル β-D-ガラクトピラノシド)溶液20μlを添加して37℃で1時間インキュベートした後、100μlの反応停止液(1M Na2CO3)を添加して、この反応液の波長415nmにおける吸光度を測定した。そして、得られた吸光度と予め準備した検量線とから、各細胞におけるβ-ガラクトシダーゼ活性(mU)を算出した。これらの結果を図1に示す。なお、同図の「β-gal only」とは、比較例1においてβ-ガラクトシダーゼのみを導入したことを示す(図2において同様)。
(Z buffer)
Na2HPO4 851.76mg
NaH2PO4 623.89mg
KCl 74.55mg
MgSO4 12.04mg
2-メルカプトエタノール 350.6μl
mili-Q水 1000ml
図示のように、比較例1に比べて実施例1−1(クニピア)、1−2(スメクトンSA)、1−3(ベントナイト)は、極めて高い活性を示した。つまり、これらのタンパク質導入担体を用いることによって、極めて効率良くβ-ガラクトシダーゼを細胞内に導入できたといえる。
粘土鉱物を用いて、in vivoでの小腸上皮細胞へのβ-ガラクトシダーゼの導入を行った。なお、タンパク質導入用担体としては、実施例1と同じ商品名スメクトンSAおよび商品名ベントナイトを使用した。
1.タンパク質導入用担体とタンパク質の複合化
実施例1と同様にして調製した担体分散液(1mg/ml)50μlおよび前記タンパク質分散液(1mg/ml)50μlを、それぞれmili−Q水100μlで希釈した。そして、両希釈液を混合して、25℃で1時間インキュベートし、タンパク質導入剤を調製した。
2.In vivo でのタンパク質導入
6週齢のddYマウス(オス:日本SLC)にβ-ガラクトシダーゼ50μg(45.25U)/マウスとなるように、経口ゾンデを用いて前記タンパク質導入剤を強制的に経口投与した。なお、前記マウスは、タンパク質導入剤の投与前日から絶食させた。コントロールは、前記タンパク質導入剤に代えてmili−Q水300μlを投与し、比較例2は、前記タンパク質導入剤に代えて、タンパク質分散液(1mg/ml)50μlをmili−Q水250μlで希釈した希釈液を経口投与した。
3.タンパク質導入の確認
経口投与の3時間後、エーテル麻酔してマウスの頚椎を脱臼させた。そして、マウス小腸を取り出し、胃側より4cmずつ切り出して、合計3個の切片をそれぞれ5mM EGTA含有PBS(−)200μlに浸漬した。前記小腸をホモジナイズ(フィスコトロンホモジナイザ:NITI-ON社製)し、遠心分離(14,500rpm、5分、4℃)により回収した上澄みを細胞抽出液とした。これらの細胞抽出液について、前記実施例1と同様にしてβ-ガラクトシダーゼ活性を測定した。大腸に近い部分の切片からの細胞抽出液について、その結果を図2に示す。
図2において、コントロールについて活性が見られるが、これは細胞が本来有するβ-ガラクトシダーゼ活性である。したがって、実施例2および比較例2は、それぞれコントロールとの差が導入されたタンパク質による活性値と判断できる。すると、図2に示すように、比較例2比べて、実施例2−1(クニピア)、2−2(ベントナイト)は、極めて高い活性を示した。つまり、これらのタンパク質導入担体を用いることによって、in vivoにおいても、極めて効率良くβ-ガラクトシダーゼを小腸細胞に導入できたといえる。また、このようにin vivoにおいてβ-ガラクトシダーゼが導入され、且つ、生体内で活性を示していることから、このようなβ-ガラクトシダーゼを担持する導入剤は、例えば、乳糖不耐症用の医薬品もしくは機能性食品として使用できるといえる。
粘土鉱物へのオボアルブミン(OVA)の吸着を確認した。まず、OVAとベントナイト(商品名Bengel Fw;ホージュン社製)を、実施例1の前記PBS(−)にそれぞれ懸濁し、OVA分散液(1mg/ml)および担体分散液(1mg/ml)を調製した。これらの分散液を下記割合で混合して室温で1時間インキュベートした後、遠心分離(4℃、13,000rpm、30分)を行った。そして、上清画分の吸光度(260nm、280nm)を測定し、タンパク濃度を定量した(n=3)。この結果を図3に示す。図3(A)は、前記上清におけるタンパク質濃度を示すグラフであり、同図(B)は、OVA単独を100%とし、OVA単独からのタンパク質減少量の割合、すなわち、ベントナイトへの吸着率(%)を示すグラフである。
図示のように、ベントナイトとOVAを混合することによって、ベントナイトへのOVAの吸着が確認された。また、ベントナイト量を増加させることによってOVAの吸着率が向上した。
卵アレルギーの主要アレルゲンであるオボアルブミン(OVA)を含むタンパク質と粘土鉱物とを用いてタンパク質導入剤を調製し、in vivoでのマウス血液へのOVAの導入を確認した。
1.タンパク質導入剤の調製
前記実施例3と同様にして、OVAとベントナイト(商品名Bengel Fw)を、実施例1の前記PBS(−)にそれぞれ懸濁し、OVA分散液(100mg/ml)および担体分散液(100mg/ml)を調製した。エッペンドフルチューブ内で、これらの分散液を下記割合で混合して室温で1時間インキュベートし、タンパク質導入剤とした。
2.In vivo でのタンパク質導入
6週齢のddYマウス(メス:日本SLC)に、経口ゾンデを用いて前記タンパク質導入剤300μlを経口投与した(経口投与0日、n=3)。経口投与は、さらに、1回目の投与から7日後、14日後にも行った。なお、前記マウスは、タンパク質導入剤の投与前日から絶食させた。コントロールは、前記タンパク質導入剤に代えて実施例1のPBS(−)300μlを投与し、比較例4は、前記タンパク質導入剤に代えて、前記表2に示すOVA単独の溶液300μlをそれぞれ経口投与した。
3.タンパク質導入の確認
(血清サンプルの調製)
1回目の経口投与から14日後および21日後に、マウスの眼底より、パスツールピペットを用いて採血を行った。採取後すぐに、血液を遠心分離(4℃、6,000rpm、5分)し、血清を回収した。血清サンプルは、後述のアッセイまで−20℃で保存した。
(ELISA法)
OVAをコーティングしたウェルプレートに、血清サンプルに含まれるOVA特異的IgG抗体を作用させ、HRP標識抗体を2次抗体として用いることにより、前記サンプルに含まれるOVA特異的IgG抗体を検出した。
アッセイ前日に、ウェルプレートに、下記Coating Bufferを100μl/wellとなるように添加し、封をしてから4℃で1晩インキュベートした。翌日、下記Wash buffer で前記ウェルプレートを3回洗浄し、下記blocking buffer を300μl/wellとなるように添加した。1時間インキュベートした後、前記ウェルプレートを前記wash bufferで3回洗浄した。血清サンプルを下記Sample diluent で500倍に希釈し、この希釈サンプルを前記ウェルプレートに100μl/wellとなるように加え、2時間インキュベートした。インキュベート後、前記ウェルプレートを前記wash bufferで5回洗浄した。さらに、下記HRP detection antibodyと前記sample diluentを1:100,000の割合で混合し、これを100μm/wellとなるように前記ウェルプレートに添加して、1時間インキュベートした。前記ウェルプレートを前記wash bufferで5回洗い、下記TMB Solutionを100μl/wellとなるように添加し、30分インキュベートした後、2M 硫酸を100μl/wellとなるように加えて、吸光度を測定した(450nm,ref 595nm)。この結果を、図4に示す。
(試薬の調製方法)
Coating buffer:OVAが10μg/mlの濃度となるように、100mM炭酸 緩衝液(pH9.6)に溶解。
Wash buffer:50mM Tris、0.14M NaClおよび0.05% T ween20(商品名)を混合(pH8.0)。
Blocking buffer:Blocking one(商品名)と50mM Tris−HClとが 体積比1:3となるように混合。
Sample diluent:Blocking one(商品名)と前記Wash solutionとが体積比1: 19となるように混合。
TMB solution:TMB solution(商品名)とPeroxidase solution(商品名)とが 体積比1:1となるように、使用直前に混合。
図4に示すように、OVAを単独で投与したモデル(比較例4)では、PBSのみを投与したモデル(コントロール)とほぼ同程度の結果であった。これは、胃内の酸性条件やタンパク分解酵素により、抗原タンパクであるOVAが変性もしくは消化されたためと推測される。これに対して、タンパク質導入剤(ベントナイト−OVA複合体)を投与したモデル(実施例4)においては、前記コントロールおよび比較例4の結果と比較して、血清中において有意なOVA特異的IgG量の増加が確認された。この結果から、実施例4のタンパク質導入剤により、腸管内にOVAが導入されたことがわかる。つまり、実施例4のタンパク質導入剤において、OVAはベントナイトとの複合体を形成しているため、OVAは、前述のような胃内の障害から保護された状態で腸管に導入され、その結果、腸管からの免疫応答を引き起こし、血清におけるOVA特異的IgGの増加が確認されたと考えられる。以上の結果から、本発明のタンパク質導入担体は、例えば、食物アレルギー等に対する経口減感作治療において、タンパク質デリバリー用担体として有用であることがわかる。
実施例5〜実施例7において、タンパク質導入用担体を用いて、5kDa〜500kDa(例えば、6〜465kDa)のペプチドおよびタンパク質の導入を確認した。
各種タンパク質導入用担体を用いて、in vitro での小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)株への分子量約13kDのタンパク質の導入を行った。
1.タンパク質導入用担体とタンパク質の複合化
タンパク質導入用担体として、モンモリロナイトを含む商品名クニピアF(クニミネ工業株式会社製)、商品名ベンゲルFW(株式会社ホージュン製)および商品名ベンゲル ブライト25(株式会社ホージュン製)、サポナイトを含む商品名スメクトンSA(クニミネ工業株式会社製)の4種類の粘土鉱物を使用し,これらをPBS(−)溶液(Ca2+,Mg2+ − free リン酸緩衝生理食塩水:pH7.2)で2mg/mlとなるように分散して、担体分散液をそれぞれ調製した。一方、担体と複合化させる分子量約13kDのタンパク質の一例として、(株)ペプチド研究所より購入したミッドカイン(以下、「MK」ともいう)を用いた。このMKタンパク質をmili−Q水で1mg/mlとなるように分散し、タンパク質分散液を調製した。
なお、MKは、例えば、大腸菌を宿主とした組換え体を作製し、発現したMKを精製した標品を実験に用いることも可能である。具体的には、基本的に、武らの方法(J.Biochem.116,pp1063-1068(1994))に従うが、ウイルムス腫瘍由来の培養株細胞G−401を用いて、PCR法によりヒトMKcDNAを常法によって調製し、このヒトMKcDNAを大腸菌へ形質導入し、組換え体を作製する。そして、培養により増殖した組み換え大腸菌の封入体より、前記武らの方法に従って、ヒトMKタンパク質を精製することで標品を準備することができる。また、 (株)ペプチド研究所(大阪)、R&D Systems(MN,USA)等より市販品を購入することによって準備することも可能である。
そして、DMEM(Dullbecco's Modified Eagle's Medium : serum - free)270μlに、前記担体分散液15μlおよびタンパク質分散液15μlを添加して混合した。前記混合液を室温で1時間静置した後、さらに前記DMEM 1mlを添加混合し、タンパク質導入剤とした。
2.in vitro でのタンパク質導入
細胞として、ATCCより分譲されたラット小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)を使用した。まず、12 well plate(コーニング社製)に下記液体培地1.5mlを加え、各ウェルにラット小腸上皮細胞IEC−6を5×104個播種して37℃で4日間培養した。なお,すべての細胞は、5%炭酸ガス濃度の条件下で培養した。
(液体培地の組成)
DMEM(インビトロジェン社製)
5% FBS(fetal bovine serum:ハイクローン社製)
0.1 units/ml インスリン(インビトロジェン社製)
100 units/ml ペニシリンGナトリウム(インビトロジェン社製)
100μg/ml ストレプトマイシン(インビトロジェン社製)
0.05μg/ml アンホテリシンB(大日本住友製薬社製)
前記4日間の培養後、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄し、前記タンパク質導入剤1.3mlを各ウェルに添加した。その後、各ウェルを37℃で2時間インキュベートして、これらのタンパク質(MK)を培養細胞に導入した。
また、コントロールとして、前記タンパク質導入剤を添加していない細胞を、比較例5として、MKを単独で導入した細胞を、それぞれ同様に培養した。なお、比較例5においては、前記タンパク質導入剤に代えて、前記担体分散液15μlを前記DMEM 1270μlとmili−Q水15μlで希釈したものを添加した。
前記前記インキュベート後、全細胞の回収を行った。まず、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄した。洗浄後、下記サンプル処理液100μlを添加し、Cell Scraperにより細胞を回収し、−80℃で凍結させた。
(サンプル処理液組成)
9容量(体積比) トリス SDS サンプル処理液(第一化学薬品社製)
1容量(体積比) 2-メルカプトエタノール(ナカライテスク社製)
10容量(体積比) mili−Q水
3.タンパク質導入の確認
ラット小腸上皮細胞内へのタンパク質導入の確認は、前記「2.」において回収、凍結した各サンプルをウェスタンブロット解析により行った。
まず、各サンプルについて、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)をLaemmliらの方法に従って行った。泳動用ゲルとして商品名PAGミニ「第一」15/25(第一化学薬品(株))を用い、泳動条件は、20mA定電流にて、約90分間とした。各ウェルには、マーカータンパク質溶液、ミッドカイン+スメクトンSA、ミッドカイン+クニピアF、ミッドカイン+ベンゲルFW、ミッドカイン+ベンゲルブライト25、比較例5(ミッドカインのみ)、コントロールの計7種類のサンプルをアプライした。1レーンあたりのサンプル量は、2×105cellsのタンパク量とした。陽性対照としては、化学合成ミッドカイン(ヒト)((株)ペプチド研究所)を1レーンあたり200〜500ngとなるに調製して泳動した(図5において図示せず)。分子量マーカーは、商品名Kaleidoscope Prestained Standards(BIO-RAD)を使用した。
SDS−PAGE終了後、常法に従い、ウェスタンブロット解析を行った。ブロッティング用メンブレンには、商品名Immobilon(MILLIPORE;MA,U.S.A.)を使用し、150mAで2時間転写した。転写終了後、非特異的反応を抑えるため、前記メンブレンをブロッキング溶液(4% スキムミルクおよび0.05%Tween20を含むPBS溶液)に、ゆっくりとシェイクしながら一晩浸漬した。一晩ブロッキング操作を行った前記メンブレンを抗ヒトMK抗体(R&D Systems(MN,USA))と室温で2時間反応させた。反応終了後、前記メンブレンを0.05% Tween20を含むPBS溶液で4回(各10分間)洗浄した。続いて、前記メンブレンをロバ抗ヤギIgGペルオキシダーゼ標識抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc.;CA,U.S.A.)と室温で1時間反応させた。反応終了後、前記メンブレンを、0.05% Tween20を含むPBS溶液で4回(各10分間)洗浄し、その後、PBS溶液にて1回(10分間)洗浄した。
十分に洗浄したメンブレンを、発色キット(商品名イムノステインHRP-1000;コニカミノルタエムジー(株))を用いて反応させた。発色反応を開始後、数分でMKの分子量の位置にバンドが確認された。その結果の代表的な確認例を図5の写真に示す。同図において、レーン1および8は、マーカータンパク質溶液、レーン2〜5はタンパク質導入剤を使用した結果であり、レーン2はミッドカイン+スメクトンSA、レーン3はミッドカイン+クニピアF、レーン4はミッドカイン+ベンゲルFW、レーン5はミッドカイン+ベンゲルブライト25の結果、レーン6は、比較例5(ミッドカインのみ)、レーン7はコントロール(−)の結果である。同図に示すように、前記4種類のいずれのタンパク質導入担体を使用した場合でも、単独で導入したもの(比較例5)よりも濃いバンドが確認された。
各種タンパク質導入用担体を用いて、in vitro での小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)株への分子量約18kDのタンパク質の導入を行った。
1.タンパク質導入用担体とタンパク質の複合化
タンパク質導入用担体として、前記実施例6と同様に、モンモリロナイトを含む商品名クニピアF、商品名ベンゲルFWおよび商品名ベンゲルブライト25、サポナイトを含む商品名スメクトンSAの4種類の粘土鉱物を使用し、同様の担体分散液(2mg/ml)を調製した。一方、担体と複合化させる分子量約18kDのタンパク質の一例として、(株)ペプチド研究所より購入したプレイオトロフィン(以下、「PTN」ともいう)を用いた。このPTNタンパク質をmili−Q水で1mg/mlとなるように分散し、タンパク質分散液を調製した。なお、PTNもMKと同様に、組換え体を作製し、組換えPTNタンパク質を調製し、これを標品としてもよく、また、(株)ペプチド研究所(大阪)、R&D Systems(MN,USA)等の市販品を使用してもよい。
そして、DMEM(Dullbecco's Modified Eagle's Medium : serum - free)270μlに、前記担体分散液15μlおよびタンパク質分散液15μlを添加して混合した。前記混合液を室温で1時間静置した後、さらに前記DMEM 1mlを添加混合し、タンパク質導入剤とした。
2.in vitro でのタンパク質導入
細胞として、ATCCより分譲されたラット小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)を使用した。まず、12 well plate(コーニング社製)に、実施例5と同様の液体培地1.5mlを加え、各ウェルにラット小腸上皮細胞IEC−6を5×104個播種して37℃で4日間培養した。なお,すべての細胞は、5%炭酸ガス濃度の条件下で培養した。
前記4日間の培養後、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄し、前記タンパク質導入剤1.3mlを各ウェルに添加した。その後、各ウェルを37℃で2時間インキュベートして、これらのタンパク質(MK)を培養細胞に導入した。
また、コントロールとして、前記タンパク質導入剤を添加していない細胞を、比較例6として、PTNを単独で導入した細胞を、それぞれ同様に培養した。なお、比較例6においては、前記タンパク質導入剤に代えて、前記担体分散液15μlを前記DMEM 1270μlとmili−Q水15μlで希釈したものを添加した。
前記前記インキュベート後、全細胞の回収を行った。まず、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄した。洗浄後、実施例5と同様のサンプル処理液100μlを添加し、Cell Scraperにより細胞を回収し、−80℃で凍結させた。
3.タンパク質導入の確認
ラット小腸上皮細胞内へのタンパク質導入の確認は、特に示さない限り前記実施例5と同様にウェスタンブロット解析することにより行った。なお、陽性対照としては、化学合成プレイオトロフィン(ヒト)((株)ペプチド研究所(大阪))を1レーンあたり200〜500ngとなるように調製して泳動した(図6において図示せず)。また、メンブレンとの反応に使用する抗体は、抗ヒトPTN抗体(R&D Systems(MN,USA))とした。その結果を、図6に示す。
同図において、レーン1および8は、マーカータンパク質溶液、レーン2〜5はタンパク質導入剤を使用した結果であり、レーン2はプレイオトロフィン+スメクトンSA、レーン3はプレイオトロフィン+クニピアF、レーン4はプレイオトロフィン+ベンゲルFW、レーン5はプレイオトロフィン+ベンゲルブライト25の結果、レーン6は、比較例6(プレイオトロフィンのみ)、レーン7はコントロール(−)の結果である。同図に示すように、前記4種類のいずれのタンパク質導入担体を使用した場合でも、単独で導入したもの(比較例6)よりも濃いバンドが確認された。
各種タンパク質導入用担体を用いて、in vitro での小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)株への分子量約5kDのポリペプチドの導入を行った。
1.タンパク質導入用担体とタンパク質の複合化
タンパク質導入用担体として、前記実施例6と同様の、サポナイトを含む商品名スメクトンSAの粘土鉱物を使用し、同様の担体分散液(2mg/ml)を調製した。一方、担体と複合化させる分子量約5kDのポリペプチドの一例として、インスリン(SIGMA-ALDRICH;MO,U.S.A.)(以下、「INS」ともいう)を用いた。このINSを5mmol/l塩酸水溶液で1mg/mlに分散し、ポリペプチド分散液を調製した。
そして、DMEM(Dullbecco's Modified Eagle's Medium : serum - free)270μlに、前記担体分散液15μlおよびポリペプチド分散液15μlを添加して混合した。前記混合液を室温で1時間静置した後、さらに前記DMEM 1mlを添加混合し、ポリペプチド導入剤とした。
2.in vitro でのポリペプチド導入
細胞として、ATCCより分譲されたラット小腸上皮細胞IEC−6(ECACC−88071401)を使用した。まず、12 well plate(コーニング社製)に、実施例5と同様の液体培地1.5mlを加え、各ウェルにラット小腸上皮細胞IEC−6を5×104個播種して37℃で4日間培養した。なお,すべての細胞は、5%炭酸ガス濃度の条件下で培養した。
前記4日間の培養後、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄し、前記ポリペプチド導入剤1.3mlを各ウェルに添加した。その後、各ウェルを37℃で2時間インキュベートして、INSを培養細胞に導入した。
また、コントロールとして、前記タンパク質導入剤を添加していない細胞を同様に培養した。
前記前記インキュベート後、全細胞の回収を行った。まず、培養細胞を前記PBS(−)溶液で2回洗浄した。洗浄後、前記実施例5と同様のサンプル処理液100μlを添加し、Cell Scraperにより細胞を回収し、−80℃で凍結させた。
3.タンパク質導入の確認
ラット小腸上皮細胞内へのポリペプチドの確認は、前記「2.」において回収、凍結した各サンプルの電気泳動により行った。
まず、各サンプルについて、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)をLaemmliらの方法に従って行った。泳動用ゲルとして18% Isocratic Gel(Invitrogen;CA,U.S.A.)を用い、泳動条件は、50mA定電流にて、約50分間とした。各ウェルには、マーカータンパク質溶液、インスリン+スメクトンSA、コントロールの計3種類のサンプルをアプライした。1レーンあたりのサンプル量は、2×105cellsのタンパク量とした。陽性対照としては、インスリン(SIGMA-ALDRICH;MO,U.S.A.)を1レーンあたり500〜1000ngとなるに調製して泳動した。分子量マーカーは、商品名Kaleidoscope Prestained Standards(BIO-RAD)を使用した。
SDS−PAGE終了後、ゲルをクーマシーブリリアントブルー染色し、各レーンにおけるインスリンバンドの濃さを確認した。その結果の代表的な確認例を図7の写真に示す。同図において、レーン1は、マーカータンパク質溶液、レーン2はポリペプチド導入剤を使用した結果(インスリン+スメクトンSA)、レーン3はコントロール(−)、レーン4は、標準溶液(陽性対照インスリン)の結果である。同図に示すように、サポナイトを含むスメクトンSAを使用した結果、インスリンの導入を示す濃いバンドが確認された。
このように、本発明のタンパク質導入用担体を用いれば、高い安全性で細胞に目的タンパク質を導入することができる。このため、前記タンパク質導入用担体を用いた本発明のタンパク質導入方法は、臨床医療の分野において非常に有用である。
本発明の一実施例において、タンパク質導入細胞におけるβ-ガラクトシダーゼ活性を示すグラフである。 本発明の他の実施例において、タンパク質導入細胞におけるβ-ガラクトシダーゼ活性を示すグラフである。 本発明のさらにその他の実施例において、タンパク質導入担体に対するタンパク質の吸着性を示すグラフであり、同図(A)は上清画分におけるタンパク質量、同図(B)はタンパク質導入担体におけるタンパク質の吸着率をそれぞれ示す。 本発明のさらにその他の実施例において、OVAをタンパク質導入担体により導入した場合における、マウス血清中のOVA特異的IgG量を示すグラフである。 本発明のさらにその他の実施例において、ミッドカインをタンパク質導入担体により導入した場合における、細胞内OVAの有無を示すウェスタンブロットの電気泳動写真である。 本発明のさらにその他の実施例において、プレイオトロフィンをタンパク質導入担体により導入した場合における、細胞内PTNの有無を示すウェスタンブロットの電気泳動写真である。 本発明のさらにその他の実施例において、インスリンをタンパク質導入担体により導入した場合における、細胞内OVAの有無を示すウェスタンブロットの電気泳動写真である。

Claims (34)

  1. 細胞内にタンパク質を導入するための担体であって、
    粘土鉱物を含むことを特徴とする、タンパク質導入用担体。
  2. 前記粘土鉱物が層状粘土鉱物である、請求項1記載のタンパク質導入用担体。
  3. 前記粘土鉱物が、カオリナイト群、バイロフィライト−タルク群、スメクタイト群、バーミキュライト群、雲母群、脆雲母群、緑泥石群およびセピオライト−パリゴスカイト群からなる群から選択された少なくとも一つの結晶質型粘土鉱物である、請求項1または2記載のタンパク質導入用担体。
  4. 前記粘土鉱物が、モンモリロナイト、バーミキュライトおよびイライトからなる群から選択された少なくとも一つの粘土鉱物である、請求項3記載のタンパク質導入用担体。
  5. 前記粘土鉱物が、有機物が除去された粘土鉱物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  6. 前記粘土鉱物が、脱鉄処理された粘土鉱物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  7. 前記粘土鉱物の純度が、85%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  8. 前記粘土鉱物が、層間に交換性陽イオンを有する、請求項2〜7のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  9. 前記交換性陽イオンが、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンおよび第4級アンモニウムイオンからなる群から選択された少なくとも一つの陽イオンである、請求項8記載のタンパク質導入用担体。
  10. 前記交換性陽イオンが、アミノ酸、アミン化合物、アミド化合物、カチオン性界面活性剤およびカチオン性金属錯体からなる群から選択された少なくとも一つの物質の陽イオンである、請求項8記載のタンパク質導入用担体
  11. 前記粘土鉱物が前記タンパク質を担持し、酸性条件下では前記タンパク質を保持し、中性またはアルカリ性条件下で前記タンパク質を遊離する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  12. 生体細胞へタンパク質を導入するための担体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質導入担体。
  13. 小腸細胞へタンパク質を導入するための担体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のタンパク質導入担体。
  14. 経口投与用の担体である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  15. 経口減感作治療において、タンパク質を経口投与するための担体である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  16. 培養細胞へタンパク質を導入するための担体である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体。
  17. 担体とタンパク質とを含むタンパク質導入剤であって、
    前記担体が請求項1〜16のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体であり、前記タンパク質が前記タンパク質導入用担体に担持されていることを特徴とする、タンパク質導入剤。
  18. 前記タンパク質(A)と前記タンパク質導入用担体に含まれる粘土鉱物(B)との混合割合(重量比A:B)が、1:0.1〜5の範囲である、請求項17記載のタンパク質導入剤。
  19. タンパク質導入剤の形態が分散液の形態である、請求項17または18記載のタンパク質導入剤。
  20. 前記分散液のpHが、5.5〜7.5の範囲である、請求項19記載のタンパク質導入剤。
  21. 疾患の治療剤、予防剤または抑制剤としてタンパク質を含む医薬組成物であって、
    さらに、請求項1〜16のいずれか一項に記載のタンパク質導入用担体を含むことを特徴とする、医薬組成物。
  22. 経口投与用の医薬組成物である、請求項21記載の医薬組成物。
  23. 減感作治療の医薬組成物である、請求項21または22記載の医薬組成物。
  24. 担体とタンパク質とを含むタンパク質導入剤を細胞に接触させて、前記細胞に前記タンパク質を導入するタンパク質の導入方法であって、
    前記タンパク質導入剤が、請求項17〜20のいずれか一項に記載のタンパク質導入剤であることを特徴とする、タンパク質導入方法。
  25. 前記細胞と前記タンパク質導入剤に含まれる粘土鉱物との割合が、細胞1×106個に対して粘土鉱物0.01〜100μgの範囲である、請求項24記載のタンパク質導入方法。
  26. 前記細胞と前記タンパク質導入剤に含まれるタンパク質との割合が、細胞1×106個に対してタンパク質0.01〜100μgの範囲である、請求項24または25記載のタンパク質導入方法。
  27. 前記細胞が培養細胞である、請求項24〜26のいずれか一項に記載のタンパク質導入方法。
  28. 前記培養細胞と前記タンパク質導入剤との接触に先立って、前記培養細胞をインキュベートする工程を含む、請求項27記載のタンパク質導入方法。
  29. 前記タンパク質導入剤を前記培養細胞に3〜48時間接触させる、請求項27または28記載のタンパク質導入方法。
  30. 前記細胞が生体細胞であり、生体内に前記タンパク質導入剤を投与して、生体の器官細胞または組織細胞にタンパク質を導入する、請求項24〜29のいずれか一項に記載のタンパク質導入方法。
  31. 前記生体内への前記タンパク質導入剤の投与方法が経口投与である、請求項30記載のタンパク質導入方法。
  32. 前記タンパク質を導入する器官が小腸である、請求項30または31記載のタンパク質導入方法。
  33. 細胞に外来のタンパク質を導入してタンパク質導入細胞を製造する方法であって、前記タンパク質の導入方法が、請求項24〜32のいずれか一項に記載の導入方法であることを特徴とする、タンパク質導入細胞の製造方法。
  34. 外来のタンパク質を導入したタンパク質導入細胞であって、請求項33記載の方法により製造されることを特徴とする、タンパク質導入細胞。
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