JP2006248441A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1の目的が蒸発器で発生する液体が送風機側への侵入を防止することができるとともに、第2の目的が空調性能を悪化させることなく蒸発器で発生する液体が送風機側への侵入を防止することができる車両用空調装置を実現する。
【解決手段】 蒸発器13と送風機ユニット12との間の通風路に、蒸発器13側から送風機ユニット12に流れる液体を塞ぎ止めるための段差状の塞ぎ止め用リブ11bが形成され、吸水多孔部材14はその塞ぎ止め用リブ11bに配設され、かつ通風路に凹凸を形成させないように塞ぎ止め用リブ11bを覆うように形成した。これにより、蒸発器で発生する液体が送風機側への侵入を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用空調装置に関するものであり、特に、空調ケース内に溜まった凝縮水などの液体が送風機を駆動させるモータ部に浸入することを防止する手段に関する。
従来、この種の車両用空調装置として、蒸発器と送風機との間の通風路内に、蒸発器側から送風機側に流れる液体を塞ぎ止めるための段差状の塞ぎ止め用リブを形成した空調ケースを備え、その塞ぎ止め用リブの一端の近傍に液体を外部に排出するための排水孔を形成している。
特開平14−144855号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、送風機の通風路内に段差状の塞ぎ止め用リブが形成されることで通風路内の風流れが変化する。つまり部分的に通風路の断面が急拡大されて通風抵抗の増加、風速分布の不均衡、送風騒音の増加およびバラツキ温度の増加など空調性能を悪化させる要因となっている。
また、風の流れの変化を小さくすることの可能な塞ぎ止め用リブの形状を検討するには、多大な開発時間と労力が必要となる問題がある。
そこで、本発明は、上記点を鑑みたものであり、第1の目的が蒸発器で発生する液体が送風機側への侵入を防止することができるとともに、第2の目的が空調性能を悪化させることなく蒸発器で発生する液体が送風機側への侵入を防止することができる車両用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項5に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、空気経路を形成する空調ユニット(10)と、この空調ユニット(10)内に少なくとも蒸発器(13)および送風手段(12)が配置され、蒸発器(13)と送風手段(12)との間の通風路に蒸発器(13)側から送風手段(12)側に流れる液体を塞ぎ止めるための吸水多孔部材(14)が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、蒸発器(13)側から送風手段(12)側に流れる液体が吸水多孔部材(14)で吸水されるため送風手段(12)側に流れることはない。また、吸水多孔部材(14)を、例えば薄肉状に形成すれば、通風路の断面に凹凸が形成されにくいことで、通風路の風流れの変化が小さいため通風抵抗の増加、風速分布の不均衡、送風騒音の増加およびバラツキ温度の増加などの空調性能を悪化させることはない。
また、吸水多孔部材(14)は、車両の急旋回などの非定常時においてのみ液体を吸水するが、定常時には送風によって蒸発乾燥するため常に液体を吸水しているわけではないので、例えばスポンジなどの発泡材、多孔板などでも良い。
請求項2に記載の発明では、空調ユニット(10)には、蒸発器(13)側から送風手段(12)側に流れる液体を塞ぎ止めるための段差状の塞ぎ止め用リブ(11b)が形成され、吸水多孔部材(14)は、通風路に凹凸を形成させないように塞ぎ止め用リブ(11b)を覆うように形成したことを特徴としている。
この発明によれば、段差状の塞ぎ止め用リブ(11b)が形成されるが、その段差を吸水多孔部材(14)で覆うことで通風路に凹凸が形成されることはない。これにより、通風路の風流れの変化を小さくすることができる。
請求項3に記載の発明では、塞ぎ止め用リブ(11b)は、吸水多孔部材(14)で吸水された液体が蒸発器(13)側に流れるように形成したことを特徴としている。この発明によれば、車両の急旋回などの非定常時によって、一旦吸水多孔部材(14)に液体が吸水されるが、その後、その液体が定常時に蒸発器(13)側に流れることで、吸水多孔部材(14)が常時湿気を帯びていないため、殺菌、カビなどの繁殖を抑制することができる。これにより、カビ臭さなど異臭の発生防止が図れる。
請求項4に記載の発明では、塞ぎ止め用リブ(11b)には、送風機(12)側一端の段差に、その段差を覆うための覆い部材(15)が設けられ、吸水多孔部材(14)は、その覆い部材(15)に隣接して塞ぎ止め用リブ(11b)に配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、塞ぎ止め用リブ(11b)の段差を覆い部材(15)と吸水多孔部材(14)とで封鎖しても良い。これにより、塞ぎ止め用リブ(11b)により形成される通風路内の凹凸をなくすることができる。
請求項5に記載の発明では、吸水多孔部材(14)は、スポンジ、ネット、もしくは多孔板のいずれかひとつまたはそれらを組み合わせて形成したことを特徴としている。この発明によれば、スポンジの他にネット、もしくは多孔板などで蒸発器(13)側から流れる流体を吸水することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における車両用空調装置を図1および図2に基づいて説明する。図1は本発明を車両用空調装置に適用させた空調ユニット10の全体構成を示す(a)はエンジンルーム内から見た部分断面図、(b)は側面図である。図2は空調ユニット10の全体構成を示す平面図である。
本実施形態の空調ユニット10の通風系は、図1および図2に示すように、大別して、空気流を発生する送風手段である送風機ユニット12と、空気通路を形成する空調ケース11との2つの部分に分かれている。送風機ユニット12は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ケース11は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。
送風機ユニット12は周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入する図示しない内外気切替箱と、この内外気切替箱を通して空気を吸入して送風する送風機12aおよび送風モータ12bとから構成されている。
また、空調ケース11内には、少なくとも蒸発器13が、図1(b)に示すように、その蒸発器13の車室内側方向に頭部がやや傾斜した状態で配設されている。この蒸発器13は風流れ方向には薄型の形態で空調ケース11内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器13の風流れ方向に延びる前面に送風機ユニット12からの送風空気が流入するように空調ケース11内に配設している。
そして、空調ケース11の下方端には、つまり蒸発器13の底部下方側に位置する近傍に排水口11cを形成している。排水口11cは、蒸発器13で凝縮された凝縮水を外部に排水するための排水口である。
そして、蒸発器13の空気流れ上流側と、送風機ユニット12の空気流れ下流側とを連結するための連結ダクト11aが設けられている。この連結ダクト11aは、送風機ユニット12と蒸発器13との間の通風路を形成する通風ダクトであって、図1(a)および図2に示すように、空調ケース11と同じ樹脂材料で形成され、送風機ユニット12から送風された送風空気が蒸発器13の前面に風速分布が均等に流れるように形成している。
つまり、連結ダクト11aは、送風機ユニット12から吹き出される送風空気が蒸発器13の前面に向けて安定した風流れを起こす通風路を形成している。そして、その連結ダクト11aの送風機ユニット12側の下方端には、蒸発器13側から送風機ユニット12側に流れる凝縮水(液体)を塞ぎ止めるための段差状からなる塞ぎ止め用リブ11bを形成するとともに、通風路に凹凸を形成させないように塞ぎ止め用リブ11bを覆うように形成した吸水多孔部材14をその段差に配設している。
本実施形態の塞ぎ止め用リブ11bは、より具体的には、その段差が送風機ユニット12側の送風ダクト下方端よりもさらに下方側に凝縮水が溜まるように形成している。そして、スポンジなどからなる吸水多孔部材14を通風路が急拡大とならないようにその段差を覆うように形成して塞ぎ止め用リブ11bに配設している。
次に、以上の構成による車両用空調装置の作用について説明する。この種の車両用空調装置では、車両走行が定常時においては、蒸発器13に凝縮された凝縮水は、空調ケース11に形成された排水口11cから車室外に排水される。車両が急旋回などで車両が傾き、送風モータ12bよりも蒸発器13側が上方に位置したときは、蒸発器13側から送風機ユニット12側に凝縮水が流れるが、連結ダクト11aに形成した塞ぎ止め用リブ11bにより塞ぎ止めることができる。
さらに、この塞ぎ止め用リブ11bに設けた吸水多孔部材14により凝縮水(液体)が吸水されることで送風機ユニット12側に凝縮水が浸入することはない。ところで、この吸水多孔部材14の形状が塞ぎ止め用リブ11bの段差を覆うように形成したことにより通風路が凹凸に形成されることがなく、風流れの変化が小さく通風抵抗の増加、風速分布の不均衡、送風騒音の増加およびバラツキ温度の増加などの空調性能を低下させることはない。
なお、本実施形態では、吸水多孔部材14として、スポンジ材で形成したが、これに限らず、スポンジの他に、ネット、もしくは多孔板のいずれかひとつ、またはそれらを組み合わせて形成しても良い。因みに、金網とスポンジとを組み合わせても良い。
また、塞ぎ止め用リブ11bは、蒸発器13の大きさ、送風機ユニット12と空調ユニット11との搭載形態により送風機ユニット側に流れる凝縮水量が異なるため、その凝縮水量に応じた保水量を確保することのできる段差の大きさとする。さらに、吸水多孔部材14はその保水量を吸水できる大きさとする。
以上の第1実施形態による車両用空調装置によれば、空調ユニット10内に少なくとも蒸発器13および送風機ユニット12が配置され、蒸発器13と送風機ユニット12との間の通風路に蒸発器13側から送風機ユニット12側に流れる液体を塞ぎ止めるための段差状の塞ぎ止め用リブ11bが形成され、さらに、通風路に凹凸を形成させないように塞ぎ止め用リブ11bを覆うように形成した吸水多孔部材14が配設されている。
これにより、蒸発器13側から送風機ユニット12側に流れる凝縮水が塞ぎ止め用リブ11bで塞ぎとめられるとともに、吸水多孔部材14で吸水されるため送風機ユニット12側に流れることはない。また、吸水多孔部材14は、車両の急旋回などの非定常時においてのみ凝縮水を吸水するが、車両の定常時には送風によって蒸発乾燥するため常に液体を吸水しているわけではないので、例えばスポンジなどの発泡材、ネット、もしくは多孔板などでも良い。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、蒸発器13と送風機ユニット12との間の通風路に段差状の塞ぎ止め用リブ11bを形成し、その段差を吸水多孔部材14で覆うように配設したが、これに限らず、吸水多孔部材14で吸水した凝縮水が排水口11cに流れるように塞ぎ止め用リブ11bを形成しても良い。
具体的には、図3(a)および図3(b)に示すように、まず、連結ダクト11aの底板面を蒸発器13側が送風機ユニット12側よりも下方になるように傾けて形成している。そして、その途中に塞ぎ止め用リブ11bを形成するとともに、その塞ぎ止め用リブ11bの形状が、図3(b)に示すように、吸水多孔部材14で吸水された凝縮水が蒸発器13側に流れやすいように溝部を形成している。
これにより、車両の急旋回などの非定常時によって、一旦吸水多孔部材14に凝縮水が吸水されるが、その後、その凝縮水が車両の定常時に蒸発器13側に流れることで、吸水多孔部材14が常時湿気を帯びていないため、殺菌、カビなどの繁殖を抑制することができる。これにより、カビ臭さなど異臭の発生防止が図れる。
なお、本実施形態では、塞ぎ止め用リブ11bに溝部を形成させたが、これに限らず、吸水多孔部材14をスポンジ材と金網とを組み合わせて塞ぎ止め用リブ11bに配設させても良い。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、段差状の塞ぎ止め用リブ11bに吸水多孔部材14で覆うように配設させたが、これに限らず、具体的には、図4および図5に示すように、連結ダクト11aの底板面を蒸発器13側が送風機ユニット12側よりも下方になるように傾けて形成している。
そして、その途中に塞ぎ止め用リブ11bを形成するとともに、送風機ユニット12側一端の段差に、その段差を覆うための覆い部材15が設けられ、さらに、その覆い部材15に隣接するように吸水多孔部材14を配設して良い。なお、覆い部材15は、樹脂板で形成しても良く。金網などのネットで形成しても良い。これによれば、吸水多孔部材14および覆い部材15により通風路に凹凸を形成させない。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、段差状の塞ぎ止め用リブ11bに吸水多孔部材14で覆うように配設させたが、これに限らず、具体的には、図6に示すように、連結ダクト11aの底板面を蒸発器13側が送風機ユニット12側よりも下方になるように傾けて形成し、その中途に吸水多孔部材14を配設して良い。また、吸水多孔部材14を、例えば薄肉状に形成すれば、通風路が凹凸を形成させることはない。
また、以上の実施形態では、塞ぎ止め用リブ11bを連結ダクト11aに形成し、塞ぎ止め用リブ11bに吸水多孔部材14を配設させたが、これに限らず、空調ケース11の蒸発器13の空気流れ上流側、もしくは、送風機ユニット12側の吹出側末端近傍に塞ぎ止め用リブ11bおよび吸水多孔部材14を配設させても良い。
本発明の第1実施形態における空調ユニット10の全体構成を示す(a)はエンジンルーム内から見た部分断面図、(b)は側面図である。 図1(a)に示す空調ユニット10の平面図である。 (a)および(b)は本発明の第2形態における塞ぎ止め用リブ11b、吸水多孔部材14の配設形態を示す模式図である。 本発明の第3実施形態における空調ユニット10の全体構成を示す部分断面図である。 図4に示す空調ユニット10の平面図である。 他の実施形態における空調ユニット10の全体構成を示す部分断面図である。
符号の説明
10…空調ユニット
11b…塞ぎ止め用リブ
12…送風機ユニット(送風手段)
13…蒸発器
14…吸水多孔部材
15…覆い部材

Claims (5)

  1. 空気通路を形成する空調ユニット(10)と、
    前記空調ユニット(10)に少なくとも蒸発器(13)と送風手段(12)とが配置され、
    前記蒸発器(13)と前記送風手段(12)との間の通風路に前記蒸発器(13)側から前記送風手段(12)側に流れる液体を塞ぎ止めるための吸水多孔部材(14)が配設されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調ユニット(10)には、前記蒸発器(13)側から前記送風手段(12)側に流れる液体を塞ぎ止めるための段差状の塞ぎ止め用リブ(11b)が形成され、
    前記吸水多孔部材(14)は、前記通風路に凹凸を形成させないように前記塞ぎ止め用リブ(11b)を覆うように形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記塞ぎ止め用リブ(11b)は、前記吸水多孔部材(14)で吸水された液体が前記蒸発器(13)側に流れるように形成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記塞ぎ止め用リブ(11b)には、前記送風手段(12)側一端の段差に、その段差を覆うための覆い部材(15)が設けられ、
    前記吸水多孔部材(14)は、前記覆い部材(15)に隣接して前記塞ぎ止め用リブ(11b)に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 前記吸水多孔部材(14)は、スポンジ、ネット、もしくは多孔板のいずれかひとつまたはそれらを組み合わせて形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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