JP2006247947A - 液体噴射装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシング動作時におけるメニスカスの破壊を防止し、良好な印刷を行うことができる液体噴射装置及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】プリンタ1は、インクを噴射する記録ヘッド10と、記録ヘッド10に駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させるCPU51と、記録ヘッド10によるインクの噴射休止時間を計時するタイマ53とを備えている。そして、CPU51はインクの粘弾性特性と噴射休止時間からフラッシング動作の動作モードを複数種類の動作モードの中から選択し、その選択した動作モードでフラッシング動作を実行させるための駆動信号を出力する。その結果、フラッシング動作は、動作モードに応じて記録ヘッド10から噴射されるインクの噴射量を変化させて実行される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体噴射ヘッドのノズルから液体を噴射させてフラッシングを実行させる液体噴射装置及びその駆動方法に関する。
液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、プリンタと言う)は、キャリッジに記録ヘッドを備えており、この記録ヘッドから記録媒体に液体としてのインクを噴射(吐出)することで印刷を行っている。また、記録ヘッドはノズル及び圧電振動子(ピエゾ素子)を備えており、前記圧電振動子の駆動によりノズル内にインクを充填し、該インクをノズルから噴射している。
上記プリンタにおいて、ノズルの開口からはノズル内のインク溶媒が蒸発しやすく、インクの粘度が上昇してインクが噴射不能となり印刷不良が生じてしまう。また、ノズルの開口から気泡が混入することにより、ドット抜け等の印刷不良が生じてしまうこともある。
このため、プリンタにおいては、印刷不良を防止するために印刷開始前にフラッシング動作を実行させている。そして、フラッシング動作を実行させることによりノズルからは高粘度のインクが除去され、また、ノズル開口における目詰まりや気泡の滞留等が防止される。
また、インクは、ノズル内での放置時間によってインク溶媒の蒸発量が異なり、その蒸発量に応じてインクの粘度も異なってくる。このため、プリンタでは、インクの放置時間に基づいて前記フラッシング動作を実行させるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−191496号公報
ところで、前記フラッシング動作を実行する際、噴射されるインク滴のドットが大きいほど、ドットが小さいインク滴を噴射する場合と比較してノズル内のインク除去に要する時間の短縮を図ることができ、フラッシング動作完了に要する時間を短縮することができる。しかし、大ドットのインク滴を噴射させるには、小ドットのインク滴を噴射させる場合に比して圧電振動子の変形量が大きくなることから、その圧電振動子の変形によってインクにも大きな力(せん断力)が加えられる。このため、大きなせん断力が加わると粘度が低下する粘弾性特性を有するインク、すなわち、チキソトロピー挙動を示すインクの場合には、大ドットのインク滴を噴射させるための圧電振動子の変形によってインクの粘度が低下してしまうことになる。このような状態でフラッシング動作を行った場合、インクの噴射に伴ってノズルの開口に形成されるメニスカスが破壊され(メニスカスが乱れることを含む)、印刷不良を招く虞があった。
本発明は、フラッシング動作時におけるメニスカスの破壊を防止し、良好な印刷を行うことができる液体噴射装置及びその駆動方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることにより前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させる制御手段と、前記液体噴射ヘッドによる前記液体の噴射休止時間を計時する計時手段とを備え、前記制御手段は、前記液体の粘弾性特性と前記噴射休止時間から前記フラッシング動作の動作モードを複数種類の動作モードの中から選択し、その選択した動作モードで前記フラッシング動作を実行させるための駆動信号を出力し、前記フラッシング動作は、前記動作モードに応じて前記液体噴射ヘッドから噴射される前記液体の噴射量を変化させて実行される。
これによれば、液体の粘弾性特性と、フラッシング動作が実行される液体の状態(噴射休止時間に依存)に適したフラッシング動作の動作モードが選択され、液体の粘弾性特性と状態に適した噴射量で液体が噴射される。このため、例えば、大きな力(せん断力)が加わると粘度が低下する粘弾性特性を有する液体が、噴射量を多くするために大きなせん断力を加えられてフラッシング動作が実行されることがなくなる。したがって、フラッシング動作によって液体の粘度が低下することが防止され、メニスカスの破壊を防止することができ、良好な印刷を行うことができる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記制御手段は、前記液体がチキソトロピー挙動を示す場合、前記液体が前記チキソトロピー挙動を示さない場合に比して前記液体の噴射量が少なくなる動作モードを選択し、前記フラッシング動作を実行させる。
これによれば、チキソトロピー挙動を示す液体は、液体の噴射量を多くすると該液体には大きな力(せん断力)が加わって粘度が低下してしまい、メニスカスが破壊されてしまうこととなる。したがって、チキソトロピー挙動を示す液体のフラッシング動作を実行させる際には、制御手段は、液体の噴射量を少なくする動作モードを選択することにより、液体に大きな力(せん断力)が加わることを回避し、粘度低下を回避するようにした。その結果として、メニスカスを破壊してしまうことを防止することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記液体の粘弾性特性と前記噴射休止時間に対して前記動作モードを対応付けたモード選択テーブルを記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記モード選択テーブルを参照して前記動作モードを選択する。
これによれば、記憶手段にモード選択テーブルを記憶させたため、制御手段はモード選択テーブルを参照して動作モードを選択することができる。したがって、例えば、モード選択テーブルが記憶手段に記憶されておらず、制御手段が液体の粘弾性特性と噴射休止時間とから動作モードを演算処理して決定する場合と比してフラッシング動作を行うための制御を簡素化することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記液体を収容する液体収容体には、前記液体の粘弾性特性を記憶した記憶媒体が設けられており、前記制御手段は、前記記憶媒体から前記液体の粘弾性特性を取得する。
これによれば、制御手段は、液体の粘弾性特性に関する情報をフラッシング動作を実行する際に記憶媒体から取得することができる。したがって、例えば、液体収容体に記憶媒体が取着されておらず、液体噴射装置に液体収容体を装着した際に粘弾性特性に関する情報を、制御手段に接続された媒体等に記憶させる場合と比して、フラッシング動作を実行させるための準備が容易となる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記制御手段は、電源投入時に前記動作モードを選択し、前記フラッシング動作を実行させる。
これによれば、例えば、液体噴射ヘッドから液体を噴射させて印刷等が実行される前に、高粘度化した液体をフラッシング動作によって除去することができる。
本発明の液体噴射装置の駆動方法は、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることにより前記液体を噴射する液体噴射ヘッドに駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させる液体噴射装置の駆動方法において、前記液体の粘弾性特性に関する情報と前記液体の噴射休止時間に関する情報を取得し、得られた情報から前記フラッシング動作の動作モードを複数種類の動作モードの中から選択し、その選択した動作モードで前記フラッシング動作を実行させるための駆動信号を出力して、前記動作モードに応じて前記液体噴射ヘッドから噴射される前記液体の噴射量を変化させてフラッシング動作を実行させる。
これによれば、液体の粘弾性特性と、フラッシング動作が実行される液体の状態(噴射休止時間に依存)に適したフラッシング動作の動作モードが選択され、液体の粘弾性特性と状態に適した噴射量でフラッシング動作が実行される。このため、例えば、大きな力(せん断力)が加わると粘度が低下する粘弾性特性を有する液体が、噴射量を多くするために大きなせん断力を加えられてフラッシング動作が実行されることがなくなる。したがって、フラッシング動作によって液体の粘度が低下することが防止され、メニスカスの破壊を防止することができ、良好な印刷を行うことができる。
以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式記録装置に具体化し、そのインクジェット式記録装置の駆動方法を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。図1は、本実施形態のインクジェット式記録装置(以下、単に「プリンタ」という)の要部を説明する斜視図である。なお、図1に示す矢印Xが延びる方向をプリンタの主走査方向とし、前記矢印Xと直交する矢印Yが延びる方向をプリンタの副走査方向とする。
図1に示すように、プリンタ1は、いわゆるオンキャリッジタイプである。プリンタ1は、直方体形状のフレーム2を備えている。フレーム2には、プラテン3が前記矢印Xに示す主走査方向に沿って架設されており、図示しない紙送り機構により、プラテン3上を印刷紙21が矢印Yに示す副走査方向に給装される。また、フレーム2には、プラテン3と平行にガイド部材4が架設されている。ガイド部材4には、該ガイド部材4の軸線方向(主走査方向)に沿って移動可能なキャリッジ5が挿通支持されている。
また、フレーム2には、駆動プーリ6と従動プーリ7とが設けられている。駆動プーリ6には、正逆回転可能なキャリッジモータ8が接続されている。駆動プーリ6と従動プーリ7には、タイミングベルト9が掛け渡されている。キャリッジ5には、タイミングベルト9を介してキャリッジモータ8が連結されている。そして、キャリッジ5は、キャリッジモータ8の駆動によりガイド部材4に沿って主走査方向に往復移動される。
また、キャリッジ5には、複数(本実施形態では4つ)の液体収容体としてのカートリッジ20が着脱自在に装着される。各カートリッジ20には、それぞれ液体としてのインクが収容されている。前記インクとしては、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどの4色が設定されている。また、各カートリッジ20には、その外面にメモリチップMが取着されている。メモリチップMは、接触型メモリ等から構成されている。そして、各メモリチップMには、カートリッジ20の製造番号や製造年月日、インクの種類(色、粘弾性特性(分類)など)を示したインクデータが記憶されている。
前記キャリッジ5のプラテン3に対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド10が搭載されている。記録ヘッド10には、インクを噴射(吐出)する複数列のノズル46が設けられている(図2参照)。
また、プリンタ1には、非印刷時にノズル46を封止するための非印刷領域が設けられ、その非印刷領域には、キャップホルダ11が設けられている。前記キャップホルダ11には、記録ヘッド10のノズル形成面(ノズルプレート42。図2参照)と対向するように、キャップ部材12が設けられている。そして、キャップホルダ11は、駆動機構(図示せず)を介して、キャップ部材12をノズル形成面(ノズルプレート42)に密着させることによって、各ノズル46を封止するようになっている。そして、キャップ部材12は、ノズル46から吐出されるインクを受け止めるようになっている。
次に、本実施形態のプリンタ1に使用する記録ヘッド10の一構成例を図2に基づき詳しく説明する。図2は、記録ヘッド10の主要部分を示す断面図である。この記録ヘッド10は、アクチュエータとしての圧電振動子31と、その圧電振動子31の背面(上面)に設けられる上部電極32と、同圧電振動子31の前面(下面)に設けられる下部電極33と、圧力発生ユニット34と、流路ユニット35とを備えている。
圧力発生ユニット34は、圧力室形成基板36と、同基板36の両側に接合される振動板37と流路形成基板38とから構成され、圧力室形成基板36には、圧電振動子31に対応する位置に圧力室39が形成されている。
振動板37は、圧力室形成基板36の上面に接合されており、この振動板37の上面に下部電極33を介在させて圧電振動子31が積層されている。流路形成基板38は、圧力室形成基板36の下面に接合されており、この流路形成基板38には、圧力室39と連通する第1インク流路40と第2インク流路41とが形成されている。
流路ユニット35は、ノズルプレート42と、リザーバ形成基板43と、供給口形成板44とから構成され、リザーバ形成基板43を間に挟むようにして、その下面にノズルプレート42、上面に供給口形成板44がそれぞれ接合されている。そして、この流路ユニット35が上記圧力発生ユニット34の下面に接合されている。
リザーバ形成基板43には、インクを貯留するインクリザーバ45と、ノズルプレート42に形成されたノズル46と連通する第1ノズル連通孔47とが形成されている。供給口形成板44には、インクリザーバ45と第1インク流路40とに連通し、インクリザーバ45内に貯留されているインクを圧力室39へと供給するためのインク供給口48と、第1ノズル連通孔47と第2インク流路41とに連通する第2ノズル連通孔49とが形成されている。
このように構成された記録ヘッド10では、インクリザーバ45から圧力室39を通ってノズル46に至る一連のインク流路が形成される。なお、この記録ヘッド10において、各基板36,38,43は、例えばシリコンウェハをエッチング加工することによって作り付けられるものであるが、この構成に限られず、例えば金属プレート等に圧力室39やインク流路40,41やインクリザーバ45等を形成し、それらを積層し接着させることでインク流路を形成するようにしてもよい。
こうした構成の記録ヘッド10では、圧電振動子31を充電により変形(収縮)させると、振動板37に撓みが生じて圧力室39が収縮する。また、この圧力室39の収縮状態から圧電振動子31を放電により変形(伸張)させると、振動板37の弾性によって圧力室39が膨張する。こうした圧電振動子31の充放電に伴う変形によって圧力室39を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力室39内のインク圧力が高められ、ノズル46からインクが吐出される。
次に、本実施形態のプリンタ1の電気的構成を図3に基づき説明する。
プリンタ1は、プリンタエンジン50を備えている。プリンタエンジン50は、制御手段としてのCPU(中央演算処理装置)51と、記憶手段としてのメモリ52と、計時手段としてのタイマ53と、入出力回路54とを備えている。CPU51は、入出力回路54を介してキャリッジモータ8と記録ヘッド10と電気的に接続されている。また、CPU51は、各カートリッジ20のメモリチップMと電気的に接続されている。メモリ52には、各種の制御プログラム(印刷プログラムやメンテナンスプログラム等)が記憶されている。タイマ53では、プリンタ1の電源がオフされてからオンされるまでの時間となる噴射休止時間が計時される。
そして、CPU51は、印刷実行時、印刷プログラムにしたがってキャリッジモータ8に駆動信号を出力し、該キャリッジモータ8の回転制御によってキャリッジ5を主走査方向に沿って往復動作させる。また、CPU51は、印刷実行時、印刷プログラムにしたがって記録ヘッド10に駆動信号を出力し、圧電振動子31を駆動制御する。圧電振動子31は、駆動信号中のパルス波形が直接印加されることにより、該パルス波形に応じて変形する。この変形により圧力室39に圧力変動が生じ、ノズル46からインクが噴射される。また、CPU51は、非印刷実行時(電源投入時など)、メンテナンスプログラムにしたがって記録ヘッド10に駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させる。
以下、本実施形態のプリンタ1にてフラッシング動作を実行させるための構成及び制御内容について図5及び図6に基づき詳しく説明する。図5は、メモリ52に記憶されたマップデータを示す図であり、図6は、フラッシング動作の処理手順を示すフローチャートである。
メモリ52には、各種の制御プログラムに加えて、フラッシング動作の動作モードを選択する際に参照するマップデータ(モード選択テーブル)が記憶されている。本実施形態では、2種類の動作モードの何れかでフラッシング動作が実行されるようになっている。2種類の動作モードでは、ノズル46から噴射されるインクの噴射量(インク滴の体積)を異ならせてフラッシング動作が実行される。そして、CPU51は、メンテナンスプログラムにしたがってインクの粘弾性特性と噴射休止時間から動作モードを選択するようになっており、マップデータは粘弾性特性と噴射休止時間に対して動作モードを対応付けて構成されている。
マップデータでは、インクの粘弾性特性を3つに分類している。
第1分類は、インクにせん断力が作用された場合に、そのせん断力の大きさに関係無く常に一定の粘度を示す特性のインクが属する分類とされている(図4参照)。以下の説明及び図5では、第1分類に属するインクを「インクA」と示す。インクAは、せん断力が作用すると流動性を増し、一定時間静置すると流動性を失うといったチキソトロピー挙動を示さない特性である。そして、インクAは、該インクAの水分蒸発量に関わらず、せん断力が作用しても粘度が一定である特性を有する。このような特性を持つインクとしては、染料系のインクが挙げられる。
第2分類は、インクにせん断力が作用された場合に、そのせん断力の大きさに応じて粘度が変化する特性のインクが属する分類とされている(図4参照)。以下の説明及び図5では、第2分類に属するインクを「インクB」と示す。インクBは、せん断力が作用すると、粘度が小さくなって流動性を増し、一定時間静置してせん断力を小さくすると流動性を失うチキソトロピー挙動を示す特性である。そして、インクBは、該インクBの水分蒸発量に関わらず、せん断力が作用すると粘度が低下する特性を有する。このような特性を持つインクとしては、顔料系のインクが挙げられる。
第3分類は、所定条件を境界としてチキソトロピー挙動を示す場合と示さない場合が混在する特性のインクが属する分類とされている(図4参照)。以下の説明及び図5では、第3分類に属するインクを「インクC」と示す。インクCは、水分蒸発量が所定の値未満のときと所定の値以上の場合とでその特性が異なる。すなわち、インクCは、水分蒸発量が所定の値未満の場合にはせん断力が作用しても粘度がほとんど変化せずにチキソトロピー挙動を示さない特性を有する(図4ではインクAのグラフと重なる)。一方、インクCは、水分蒸発量が所定の値以上の場合にはせん断力が作用すると粘度が低下してチキソトロピー挙動を示す特性である(図4ではインクBのグラフの上側に位置する)。すなわち、インクCは、水分蒸発量が所定の値未満のときにインクAに近い粘弾性特性を示し、水分蒸発量が所定の値以上のときにインクBに近い粘弾性特性を示す。
なお、水分蒸発量は、噴射休止時間と関係しており、噴射休止時間が長くなれば水分蒸発量が増加し、噴射休止時間が短くなれば水分蒸発量が減少する。そして、ノズル46内のインクは、噴射休止時間が長くなるほど、水分蒸発量の増加に伴って高粘度化する。
また、マップデータでは、噴射休止時間を、第1時間範囲、第2時間範囲及び第3時間範囲の3つの時間範囲に分類している。これらの時間は、第1時間範囲よりも第2時間範囲の方が設定されている時間が長く、第2時間範囲よりも第3時間範囲の方が設定されている時間が長くなっている。本実施形態では、168時間(24時間×7日)を目安として第1〜第3時間範囲が設定されている。
次に、2種類の動作モードについて説明する。
第1の動作モードは、第2の動作モードに比してインクの噴射量を多くしてフラッシング動作が実行されるパターンである。そして、第1,第2の動作モードには、CPU51が記録ヘッド10に出力する駆動信号が対応付けられている。この駆動信号は、圧力室39を膨張させて内部を減圧する電圧の供給部位と、その減圧状態を維持する電圧の供給部位と、圧力室39を収縮させて内部を加圧する電圧の供給部位と、その加圧状態を維持する電圧の供給部位と、圧力室39を復元させる電圧の供給部位を含むパルス波形から構成される。
このパルス波形が圧電振動子31に印加されると、インクには、圧電振動子31の変形に連動して一旦圧力室39側に引き込まれた後に押し出され、その後に再び引き込まれるという動作が付与され、この動作を経てノズル46からインクが噴射される。このとき、パルス波形の示す電圧値が高いほど、前述したインクの動作量が大きくなり、多量のインクが噴射されることになる。
したがって、第1及び第2の動作モードは、CPU51が出力する駆動信号中のパルス波形の示す電圧値の大小によってインクの噴射量が異なるモードとされている。第1の動作モードでフラッシング動作が実行された場合、ノズル46から噴射されるインクの大きさ(ドットの大きさ)は、第2の動作モードでフラッシング動作が実行されときに噴射されるインクよりも大きくなる。
なお、インクの動作量が大きくなるということは該インクに大きな力(せん断力)が加わることとなる。このため、フラッシング動作を実行するということは、前記チキソトロピー挙動を示す特性を有するインクB及びインクCの粘度を低下させることに繋がる。
そして、マップデータでは、インクAのとき、第1〜第3時間範囲の何れにも第1の動作モードが対応付けられている。インクAは、チキソトロピー挙動を示さない特性を有するので、第1の動作モードではフラッシング動作時に噴射されるインクの噴射量を多くする。また、マップデータでは、インクBのとき、第1〜第3時間範囲の何れにも第2の動作モードが対応付けられている。インクBは、チキソトロピー挙動を示す特性を有するので、第2の動作モードではフラッシング動作時に噴射されるインクの噴射量を少なくする。
また、マップデータでは、インクCのとき、第1時間範囲に第1の動作モードが対応付けられ、第2,第3時間範囲に第2の動作モードが対応付けられている。インクCは、水分蒸発量に応じてチキソトロピー挙動を示す場合と示さない場合とが混在するので、水分蒸発量の目安となる噴射休止時間の時間範囲によって異なる動作モードを対応付けている。すなわち、水分蒸発量が少ないとき(水分蒸発量が所定の値未満のとき)には第1の動作モードでフラッシング動作を実行させ、水分蒸発量が多いとき(水分蒸発量が所定の値以上のとき)には第2の動作モードでフラッシング動作を実行させる。
次に、フラッシング動作時にCPU51が実行する制御内容を図6に基づき説明する。本実施形態においてCPU51は、プリンタ1の電源投入時にフラッシング動作を実行させる。
CPU51は、プリンタ1の電源がオンされると(ステップS101)、各カートリッジ20のメモリチップMから各カートリッジ20のインクデータ、すなわちインクの粘弾性特性に関する情報を取得する(ステップS102)。次に、CPU51は、タイマ53の計時結果を読み出し、噴射休止時間に関する情報である計時データを取得する(ステップS103)。次に、CPU51は、前記インクデータと計時データ(噴射休止時間)とからマップデータ(図5)を参照してフラッシング動作時の動作モードを選択する(ステップS104)。例えば、CPU51は、インクデータが「インクA」を示し、タイマ53の計時結果が「第1時間範囲」を示す場合、第1の動作モードを選択する。
続いて、ステップS104で動作モードを選択したCPU51は、その動作モードに対応する駆動信号を記録ヘッド10に出力する(ステップS105)。その後、CPU51は、タイマ53の計時をストップさせ、その計時している時間を「0(零)」にリセットする(ステップS106)。
次に、フラッシング動作が実行される態様を説明する。
インクAが、第1の動作モードにてフラッシング動作が実行されると、インクAの噴射量は多く、該インクAには大きなせん断力が加わる。このとき、インクAはチキソトロピー挙動を示さない特性を有するため、噴射量を多くしてもインクAは低粘度化せず、一定の粘度を示したままである。このため、フラッシング動作によって多量のインクが噴射されてもノズル46の開口に形成されるメニスカスが破壊されることがない。
インクBが、第2の動作モードにてフラッシング動作が実行されると、インクBの噴射量は、第1の動作モードにてフラッシング動作を実行させたときと比して少なく、該インクBに加わるせん断力は小さくなる。このため、インクBはチキソトロピー挙動を示す特性を有していても、インクBが低粘度化することがほとんどない。このため、フラッシング動作が実行されてもノズル46の開口に形成されるメニスカスが破壊されることがない。
インクCが、第1の動作モードにてフラッシング動作が実行されると、インクCの噴射量は、第1の動作モードにてフラッシング動作を実行させたときと同じで多くなり、該インクCには大きなせん断力が加わる。このとき、インクCは、水分蒸発量が少ないとき(水分蒸発量が所定の値未満のとき)にはチキソトロピー挙動を示さない特性を有するため、噴射量を多くしてもインクCは低粘度化せず、一定の粘度を示したままである。このため、フラッシング動作によって多量のインクが噴射されてもノズル46の開口に形成されるメニスカスが破壊されることがない。
インクCが、第2の動作モードにてフラッシング動作が実行されると、インクCの噴射量は、第1の動作モードにてフラッシング動作を実行させたときと比して少なくなり、該インクCに加わるせん断力は小さくなる。このとき、インクCは、水分蒸発量が多いとき(水分蒸発量が所定の値以上のとき)にはチキソトロピー挙動を示す特性を有するため、噴射量を少なくすることによりインクCが低粘度化することがほとんどない。このため、フラッシング動作が実行されてもノズル46の開口に形成されるメニスカスが破壊されることがない。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)インクの粘弾性特性と、フラッシング動作が実行される際のインクの水分蒸発量に適したフラッシング動作の動作モードが選択され、インクの粘弾性特性と水分蒸発量に適した噴射量でインクが噴射される。このため、チキソトロピー挙動を示すインクを噴射量を多くしてフラッシング動作が実行されることがなくなる。したがって、フラッシング動作によってインクの粘度が低下することが防止され、メニスカスの破壊を防止することができ、良好な印刷を行うことができる。
(2)インクA、及び水分蒸発量が少ない場合のインクCのようにチキソトロピー挙動を示さないインクは、第1の動作モードを選択してフラッシング動作を実行させた。このため、第2の動作モードを選択してフラッシング動作を実行する場合と比してインクの噴射量を多くしてフラッシング動作を実行することができる。その結果、インクの噴射量を少なくしてフラッシング動作を実行させる場合と比較してインク除去の短縮を図ることができ、フラッシング動作完了に要する時間を短縮することができる。
(3)インクB、及び水分蒸発量が多い場合のインクCのようにチキソトロピー挙動を示すインクは、第2の動作モードを選択してフラッシング動作を実行させた。このため、第1の動作モードを選択してフラッシング動作を実行する場合と比してインクの噴射量を少なくしてフラッシング動作を実行することができる。すなわち、チキソトロピー挙動を示すインクに大きな力(せん断力)が加わることを回避しながらフラッシング動作を実行させることができ、メニスカスを破壊してしまうことを防止することができる。
(4)インクの粘弾性特性と噴射休止時間に対して動作モードを対応付けたマップデータをメモリ52に記憶させ、CPU51にマップデータを参照して動作モードを選択させる構成とした。このため、例えば、動作モードを、インクデータと計時データ(噴射休止時間)とから演算処理して決定する場合と比してフラッシング動作を行うための制御を簡素化することができる。
(5)カートリッジ20にメモリチップMを取着し、メモリチップMにインクのインクデータを記憶させた。そして、フラッシング動作を実行させる際には、メモリチップMからインクの粘弾性特性に関する情報(インクデータ)をその都度取得することができる。したがって、例えば、カートリッジ20にメモリチップMが取着されておらず、プリンタ1にカートリッジ20を装着した際にインクデータをメモリ52に記憶させる場合と比して、フラッシング動作を実行させるための準備が容易となる。
(6)CPU51は、プリンタ1の電源がオンされると動作モードを選択してフラッシング動作を実行させる。このため、プリンタ1の電源がオフされてから電源がオンされるまでの間に高粘度化したインクを印刷開始前にフラッシング動作によって除去することができる。したがって、電源オン後の印刷を良好にすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、動作モードを選択するタイミングを、例えば、印刷開始の選択がなされた後等に変更してもよい。
・ 実施形態において、カートリッジ20にメモリチップMを取着せず、インクデータをメモリ52に記憶させてもよい。
・ 実施形態において、プリンタ1に備えられるインクを第1分類に属するインク(インクA)、第2分類に属するインク(インクB)、第3分類に属するインク(インクC)のいずれか1つ又は2つとしてもよい。そして、インクの粘弾性特性(チキソトロピー挙動)と噴射休止時間から選択する動作モードを選択して駆動信号を出力させてもよい。
・ 実施形態において、マップデータにおける時間範囲を細分化してもよい。さらには、動作モードを3種類以上設定してもよい。
・ 実施形態において、CPU51によって噴射休止時間を計測して、CPU51を計時手段としてもよい。
・ 実施形態において、カートリッジ20をキャリッジ5に搭載したオンキャリッジタイプのプリンタ1としたが、カートリッジ20をキャリッジ5に搭載しないオフキャリッジタイプのプリンタ1としてもよい。
実施形態のプリンタを説明する要部斜視図。 記録ヘッドを示す概略断面図。 プリンタの制御構成を示すブロック図。 インクの粘度とせん断力の関係を示すグラフ。 マップデータを説明する図。 フラッシング動作の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
A〜C…液体としてのインク、M…記憶媒体としてのメモリチップ、1…液体噴射装置としてのプリンタ、10…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、20…液体収容体としてのカートリッジ、39…圧力室、46…ノズル、51…制御手段としてのCPU、52…記憶手段としてのメモリ、53…計時手段としてのタイマ。

Claims (6)

  1. ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることにより前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドに駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させる制御手段と、
    前記液体噴射ヘッドによる前記液体の噴射休止時間を計時する計時手段とを備え、
    前記制御手段は、前記液体の粘弾性特性と前記噴射休止時間から前記フラッシング動作の動作モードを複数種類の動作モードの中から選択し、その選択した動作モードで前記フラッシング動作を実行させるための駆動信号を出力し、
    前記フラッシング動作は、前記動作モードに応じて前記液体噴射ヘッドから噴射される前記液体の噴射量を変化させて実行されることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記制御手段は、前記液体がチキソトロピー挙動を示す場合、前記液体が前記チキソトロピー挙動を示さない場合に比して前記液体の噴射量が少なくなる動作モードを選択し、前記フラッシング動作を実行させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記液体の粘弾性特性と前記噴射休止時間に対して前記動作モードを対応付けたモード選択テーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記モード選択テーブルを参照して前記動作モードを選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記液体を収容する液体収容体には、前記液体の粘弾性特性を記憶した記憶媒体が設けられており、
    前記制御手段は、前記記憶媒体から前記液体の粘弾性特性を取得することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記制御手段は、電源投入時に前記動作モードを選択し、前記フラッシング動作を実行させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることにより前記液体を噴射する液体噴射ヘッドに駆動信号を出力し、フラッシング動作を実行させる液体噴射装置の駆動方法において、前記液体の粘弾性特性に関する情報と前記液体の噴射休止時間に関する情報を取得し、得られた情報から前記フラッシング動作の動作モードを複数種類の動作モードの中から選択し、その選択した動作モードで前記フラッシング動作を実行させるための駆動信号を出力して、前記動作モードに応じて前記液体噴射ヘッドから噴射される前記液体の噴射量を変化させてフラッシング動作を実行させることを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。
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