JP2006247543A - 滑水性皮膜の形成方法及び形成用処理剤セット - Google Patents

滑水性皮膜の形成方法及び形成用処理剤セット Download PDF

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Abstract

【構成】カチオン性物質と、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョンを組み合わせて基材表面に塗布することにより、滑水性に優れた皮膜を基材表面に形成する。
【効果】本発明の滑水性皮膜は、単に両者を塗布するだけでよく、加水分解などの反応や焼成などの処理を必要としないので誰でも簡単に皮膜を形成することができ、また処理剤セットは水系組成物で、有機溶剤を使用しなくて済み、強アルカリ性、強酸性でもないことから環境、塗装面、人体に対し安全であり、洗車機を利用して塗布する場合や、スプレー缶を利用して塗布する場合にも安心して使用できる。

Description

本発明は、洗車後及び雨天時などの水滴の滑落を良好にするため、ガラス面や塗膜表面に滑水性の優れた皮膜を形成する方法及び表面に滑水性の優れた皮膜の形成用の処理剤セットに関するものである。
滑水性や發水性に関して、従来から種々の組成物が提案されている。
例えば、アミノ変性シリコーンオイルとカチオン性界面活性剤とを含有する組成物が提案されており(特許文献1)、該組成物は、単にガラス面に噴霧あるいは塗布するだけで、塗り延ばしや拭き取りが一切不要なため作業が容易であり、優れた撥水を示し、現在最も広く普及されている撥水皮膜の形成方法の一つである。しかしながら、この方法は、作業性に優れ、發水生に優れているものの、水滴の滑落、すなわち滑水性は満足のいくものではなかった。
また、末端に加水分解可能な官能基を有するシリコーン化合物、または末端に加水分解可能な官能基を有し他端にフルオロアルキル基を併せ持つシリコーン化合物と、酸と、水とを溶剤に溶解後、混合攪拌によって得られた混合液を、基材表面に塗布し、ついで乾燥させることにより得られる機能層が、基材表面とシロキサン結合により化学的に結合されてなることを特徴とする水滴滑落性に優れた表面処理基材が提案されており(特許文献2)、この基材によれば、50μlの水滴が1〜8°程度の傾斜面で落下するものが得られている。この基材は、滑水性、持続性には優れているものの、シリコーンを溶解するための有機溶剤及び加水分解可能な官能基を加水分解するための酸を必要とし、皮膜形成後焼成しなければならず、処理のための設備を必要とし、だれにでも皮膜を形成できるものではなかった。
さらに、(A)疎水化処理された一次平均粒子径100nm以下の無機微粒子、(B)有機ケイ素化合物、(C)該有機ケイ素化合物が溶解し、1.013×102kPaにおける沸点が50〜150℃、且つ蒸発潜熱が0.2〜1.3kJ/gである有機溶媒を含有する超撥水剤組成物が提案され(特許文献3)、この組成物を、自動車等の塗装面、ガラス面に塗布することにより、無機微粒子が形成する表面のフラクタル構造により、20μlの水滴が10°の斜面で滑落する滑水性を有することが示されている。
しかしながら、この組成物は有機溶剤を必須とするので、塗布に当たり環境汚染を引き起こす可能性があり、一般のユーザが安全に使用することができなかった。
さらに、反応性シリコーンオイル、ポリアルキレンオキサイド変性の反応性シリコーンオイル、界面活性剤、水溶性溶剤、pH調整剤、水からなるシリコーンエマルジョン組成物が提案され(特許文献4)、自動車の塗装面に適用すれば發水性と汚染防止性能に優れた皮膜が形成されることが示され、反応性シリコーンオイルとしてカルボキシル変性シリコーンオイルが例示されている。
しかしながら、この組成物においても少量の有機溶剤が使用され、また滑水性についても満足できるものではなかった。
特開平5−301742号公報 特開2000−144056号公報 特開2003−206477号公報 特開2003−26922号公報
本発明の目的は、自動車などのガラス面や塗装面に、だれでも簡単にしかも環境を汚染することなく、滑水性に優れた皮膜を形成することができる方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、誰にでも簡単に使用可能な、滑水性に優れた皮膜形成用処理剤セットを提供することである。
本発明者らは、従来から發水剤として知られているカルボキシル変性シリコーンオイルに、親水性のカチオン性無機化合物、親水性のカチオン性有機化合物及びカチオン性であるアミノ変性シリコーンオイルを組み合わせるとカルボキシル変性シリコーンを含むシリコーンの滑水性が向上することに着目し本発明に至った。
親水性のカチオン性無機化合物、親水性のカチオン性有機化合物及びカチオン性であるアミノ変性シリコーンオイルには、カルボキシル変性シリコーンへの吸着性及びカルボキシル変性シリコーンの極性基であるカルボキシル基を配向させる性質があり、極性基であるカルボキシル基が前記カチオン性化合物に配向することで、水との水素結合力が弱くなり、水滴の転落角が小さくなるものと考えられる。
カルボキシル変性シリコーンオイルを含むシリコーンオイルに、親水性のカチオン性無機化合物、親水性のカチオン性有機化合物及びカチオン性であるアミノ変性シリコーンオイルを組み合わせ、基材表面に滑水性皮膜を形成するには、それぞれ別個に塗布する必要がある。
カルボキシル変性シリコーンオイルはアニオン性なので、カチオン性の、無機化合物、有機化合物及びアミノ変性シリコーンオイルを混合すると、分散不安定となり、所期の効果が得られない。
カルボキシル変性シリコーンオイルや、親水性のカチオン性無機化合物、親水性のカチオン性有機化合物及びカチオン性であるアミノ変性シリコーンオイルを塗布するために使用する溶媒として、有機溶媒も使用可能であるが、環境汚染や人体への影響の点から水を使用することが望ましい。
塗装表面やガラス表面は普通、負に帯電しているので、静電気的に吸着されやすいカチオン性有機化合物やカチオン性無機化合物であらかじめ表面を塗布しておくと、アニオン性カルボキシル変性シリコーンオイルはこれらカチオン性化合物を介して、より強く表面に接合される。
カチオン性であるアミノ変性シリコーンオイルを使用する場合には、まずアミノ変性シリコーンオイルを表面に塗布すれば表面と静電気的に結合するので強固な塗膜を形成することができ、その後アニオン性であるカルボキシル変性シリコーンオイルを塗布すれば同様な効果が得られる。
本発明において、カルボキシル変性シリコーンオイルと共に使用するシリコーンとしては、従来から撥水剤として知られているものが使用でき、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、シリコーンレジンなどから選択される。
これらのシリコーンはカルボキシル変性シリコーンオイルと混合(アミノ変性シリコーンオイルを除く)して塗布しても、別々に塗布しても、いずれでもよい。
カルボキシル変性シリコーンオイルと混合使用する場合には、1:3〜3:1(重量比)の範囲が好ましい。
本発明で使用されるカチオン性有機化合物としては、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、EO付加型アンモニウムクロライド、アミン酢酸塩類などのカチオン性界面活性剤、あるいはポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重合体、カチオン性セルロース誘導体などのカチオン性高分子化合物の中から選択することができ、これらを水溶液として使用する。
カチオン性無機化合物としては、粒径10〜100nmのアルミナ微粒子や、粒径25〜50nmのカチオン性シリカ微粒子から選択することができ、これらを水分散液にして使用する。また、シリカの微粒子をカチオン性とするには周知の帯電手段が適用できる。
本発明の実施の態様は以下のとおり。
(1)カチオン性物質の水溶液または分散液を基材表面に塗布し、該カチオン性物質でコートされた表面に、カルボキシル変性シリコーンオイルを含むシリコーンエマルジョンを塗布することにより、1種以上のシリコーンからなる滑水性皮膜を基材表面に形成する方法。
(2)カチオン性物質がカチオン性無機化合物である(1)記載の方法。
(3)カチオン性物質がカチオン性有機化合物である(1)記載の方法。
(4)カチオン性物質がカチオン性無機化合物及びカチオン性有機化合物の混合物である(1)記載の方法。
(5)カチオン性有機化合物がアミノ変性シリコーンオイルである(3)または(4)記載の方法。
(6)塗布が、スプレー法で行われることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の方法。
(7)カチオン性物質の水溶液または分散液、及びカルボキシル変性シリコーンオイルを含む1種以上のシリコーンエマルジョンからなる、滑水性皮膜形成用の処理剤セット。
(8)カチオン性物質がカチオン性無機化合物である(7)記載の処理剤セット。
(9)カチオン性物質がカチオン性有機化合物である(7)記載の処理剤セット。
(10)カチオン性物質がカチオン性無機化合物及びカチオン性有機化合物の混合物である(7)記載の処理剤セット。
(11)カチオン性有機化合物がアミノ変性シリコーンオイルである(9)または(10)記載の処理剤セット。
(12)カチオン性物質の水溶液または分散液、及びカルボキシル変性シリコーンオイルを含むシリコーンエマルジョンが、それぞれ別の容器に収容されている(7)ないし(11)のいずれかに記載の処理剤セット。
(13)容器がスプレー缶である(12)記載の処理剤セット。
本発明によれば、環境を汚染したり人体に対して有害な有機溶剤を使用しなくて済み、また基材及び人体に対して危険な酸やアルカリを一切使用していないので、一般のユーザが安心して使用することができ、また、2種以上の処理剤を単に塗布するだけで、誰でも簡単に皮膜を形成することができ、しかも形成された皮膜は滑水性に優れているので、洗車時の洗浄水量や洗浄時間を大幅に少なくすることができ、雨天の場合にも水滴が残らないので、窓ガラスの視野を良好に保つことができ、塗装の耐久性も増す。
本発明の実施例で使用したテスト用基板、噴霧装置及び測定機器は以下のとおりである。
テスト用基板
ガラス板:松浪硝子工業(株)製マイクロスライドガラスS−1215(76×26mm)
塗装板:アクリル樹脂塗装鉄板(50×50mm)
噴霧装置
スプレーノズル:Canyon Corp.製「CHS−3AN−Bu/W ストレーナーなし 2C22」
測定機器
接触角、転落角:Kyowa Interface Science Co. LTD.製 Model:CA−DT
(1)塗装板をアルミナゾル「アルミナゾル−200」(日産化学工業(株)製、粒径100nm×10nm、Al10%)の0.5%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 (東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、有効成分37%)の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板をアルミナゾル「アルミナゾル−200」の0.5%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(3)上記塗装板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、有効成分15%)の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)ガラス板をアルミナゾル「アルミナゾル−200」の1.0%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記ガラス板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(3)上記ガラス板を、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、有効成分35%)の0.2%水溶液に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)ガラス板を、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の1.0%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記ガラス板を、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液と、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%の混合水溶液(1:1重量比)に浸漬し水洗する操作を2回繰り返し、常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)ガラス板を、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の1.0%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記ガラス板を、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(3)上記ガラス板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。
(4)上記ガラス板を、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%水溶液に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)ガラス板を、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の1.0%水分散液に浸漬し、水洗後常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記ガラス板を、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液と、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%の混合水溶液(1:1重量比)に浸漬し、水洗する。
(3)上記ガラス板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液と、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%の混合水溶液(1:1重量比)に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板をカチオン性シリカゾル「クレボゾール30CAL25」(AZエレクトロニクス・マテリアルズ(株)製、粒径25nm、SiO30%)の1.3%水分散液に浸漬し、常温で乾燥させる。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板をカチオン性高分子化合物の水溶液「リポフローMN」(ライオン(株)製、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重合体水溶液、濃度5.5%)の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する操作を2回繰り返す。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板をカチオン性高分子化合物の水溶液「リポフローMN」の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(3)上記塗装板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。
(2)上記塗装板をカルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液に浸漬し、水洗する。
(3)上記塗装板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬し水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板に、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の0.5%水分散液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗後、常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記塗装板に、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する。
(3)上記塗装板に、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)ガラス板に、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の1.0%水分散液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗後、常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記ガラス板に、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液とジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%の混合水溶液(1:1重量比)をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する。
(3)上記ガラス板を、アミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液とジメチルシリコーンオイルエマルジョン「LE−45」の0.2%の混合水溶液(1:1重量比)をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板に、カチオン性高分子化合物の水溶液「リポフローMN」の0.2%水溶液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する
(2)上記塗装板に、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する操作を2回繰り返す。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
(1)塗装板に、アルミナゾル「アルミナゾル−200」の0.5%水分散液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗後、常温で乾燥させる操作を2回繰り返す。
(2)上記塗装板に、カルボキシル変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−840」 の0.2%水溶液をスプレーノズルより噴霧し、スプレーノズルで水洗する。常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
[比較例]
(1)ガラス板及び塗装板をアミノ変性シリコーンオイルエマルジョン「BY22−830」の0.3%水溶液に浸漬する。
(2)上記ガラス板及び塗装板を水洗し、常温で乾燥した後、接触角と転落角を測定した。
上記各実施例及び比較例における接触角と転落角の測定値を表1に示す。
表の結果から明らかなように、カルボキシル変性シリコーンとカチオン性化合物を併用しない比較例と比べ本発明の実施例では転落角が小さくなっている。
Figure 2006247543
本発明の滑水性皮膜は、カチオン性物質のカルボキシル変性シリコーンオイルへの吸着性及びカルボキシル変性シリコーンオイルの極性基であるカルボキシル基を配向させる性質を利用しているので、単に両者を塗布するだけでよく、加水分解などの反応や焼成などの処理を必要としないので誰でも簡単に皮膜を形成することができる。
また、処理剤セットは水系組成物で、有機溶剤を使用しなくて済み、強アルカリ性、強酸性でもないことから環境、塗装面、人体に対し安全であり、洗車機を利用して塗布する場合や、スプレー缶を利用して塗布する場合にも安心して使用できるものであり、産業上の利用性は高い。

Claims (13)

  1. カチオン性物質の水溶液または分散液を基材表面に塗布し、該カチオン性物質でコートされた表面に、カルボキシル変性シリコーンオイルを含むシリコーンエマルジョンを塗布することにより、1種以上のシリコーンからなる滑水性皮膜を基材表面に形成する方法。
  2. カチオン性物質がカチオン性無機化合物である請求項1記載の方法。
  3. カチオン性物質がカチオン性有機化合物である請求項1記載の方法。
  4. カチオン性物質がカチオン性無機化合物及びカチオン性有機化合物の混合物である請求項1記載の方法。
  5. カチオン性有機化合物がアミノ変性シリコーンオイルである請求項3または請求項4記載の方法。
  6. 塗布が、スプレー法で行われることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. カチオン性物質の水溶液または分散液、及びカルボキシル変性シリコーンオイルを含む1種以上のシリコーンエマルジョンからなる、滑水性皮膜形成用の処理剤セット。
  8. カチオン性物質がカチオン性無機化合物である請求項7記載の処理剤セット。
  9. カチオン性物質がカチオン性有機化合物である請求項7記載の処理剤セット。
  10. カチオン性物質がカチオン性無機化合物及びカチオン性有機化合物の混合物である請求項7記載の処理剤セット。
  11. カチオン性有機化合物がアミノ変性シリコーンオイルである請求項9または請求項10記載の処理剤セット。
  12. カチオン性物質の水溶液または分散液、及びカルボキシル変性シリコーンオイルを含むシリコーンエマルジョンが、それぞれ別の容器に収容されている請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の処理剤セット。
  13. 容器がスプレー缶である請求項12記載の処理剤セット。
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