JP2006247472A - インク回収装置及びパターン形成装置 - Google Patents

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Masayuki Murata
村田  正幸
Toshiaki Sato
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Abstract

【課題】予備吐出したインクを色毎に回収可能なインク回収装置及びパターン形成装置を提供する。
【解決手段】吐出穴101b,103b,103bが予備吐出したインクを、インクの色毎にインク受容パン121a,122a,123aが回収し、そして、そのインクを着脱可能に設けられた回収ビン121e,122e,123eが貯留し、さらに、インク受容パン121a,122a,123aの間の範囲に、霧状インクを吸引するインク吸引室126aを設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットタイプ等に適した吐出したインクのインク回収装置及びパターン形成装置に関するものである。
従来から、ガラス基板等のパターン形成体にカラーインクを塗布して、例えばカラーフィルタ等を作製するインクジェットタイプのパターン形成装置(例えば、特許文献1)があった。パターン形成装置は、インクの吐出性能を維持するために、フラッシング及びパージと呼ばれる予備吐出を行なっていた。
以下、図面等を参照して、パターン形成装置のインクジェットヘッド部等の機構と、そのフラッシング及びパージについて説明する。
図6(a)は、従来のパターン形成装置のインクジェットヘッド部分等を模式的に示す図である。
パターン形成装置は、パターン形成体211をその移動ステージ210に載置することにより、インクジェットヘッド200の方向に(図6(a)に示す矢印A1方向)に移動させ、そのインクジェットヘッド200を用いて、パターン形成体211にインクを塗布する。図6(a)の状態は、インクを塗布されたパターン形成体が搬出され、次にインクを塗布するパターン形成体211が移動ステージ210に載置された状態である。
インクジェットヘッド200は、図6(a)に示すように、青色、緑色、赤色のインクをそれぞれ吐出するインクヘッド201,202,203を備えている。
インクヘッド201は、インク吐出面201aにインク吐出穴201bが配置されている。同様に、インクヘッド202,203は、それぞれ、インク吐出面202a,203aに、インク吐出穴202b,203bが配置されている。
図6(b)、図6(c)は、インクヘッド201の一部断面を拡大して示す図である。図6(b)は、インク吐出穴201b内のインクがインク吐出面201aまで充填された状態であり、この状態で、パターン形成体211に塗布を開始すれば、パターン形成体211に塗膜のばらつきは発生しない。しかし、図6(c)に示すように、インクが、インク吐出面201aよりも引き込んだ状態で塗布を開始すると、塗布開始時の塗膜が薄くなり、塗膜のばらつきが発生する可能性がある。
フラッシングとは、この塗膜のばらつきを防止するために、パターン形成体211への塗布直前に、インク吐出穴201b,202b,203b内のインクを、インク吐出面201a,202a,203aまで充填させるために行なうインク吐出である。
また、パターン形成装置は、複数のパターン形成体にインクを塗布した場合、インク内に混入した気泡等が、インクを供給する配管やインクヘッドの内部に残留することがある。パージとは、この気泡等を除去し、インクの所定の圧力を維持して、インク吐出性能を維持するためのインク吐出である。
フラッシング、パージのために吐出されたインクは、インクヘッド201の下側に配置されたインク受容パン205が受容する。
このように、従来のパターン形成装置は、パターン形成体211に塗布する以外にフラッシング、パージ(予備吐出)のために吐出するインクが必要であり、パターン形成体の製作コストが高いという問題があった。また、混色して回収したインクを廃棄したり、あるいは、再利用するために各色に分離したりするために、さらにコストが必要であるという問題があった。
特開2002−361907号公報
本発明の課題は、予備吐出したインクを色毎に回収可能なインク回収装置及びパターン形成装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、インクを吐出する吐出穴(101b,102b,103b)を有するヘッド部を備え、インクをステージ(114)上のパターン形成体(119)に吐出して所定のパターンを形成するパターン形成装置(10)に設けられるインク回収装置(120)であって、前記吐出穴(101b,102b,103b)が予備吐出のために吐出したインクを受容するインク受容部(121a,122a,123a)と、前記インク受容部(121a,122a,123a)が受容したインクを回収するインク回収部(121,122,123)と、を備えたインク回収装置(120)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のインク回収装置(120)において、前記インク受容部(121a,122a,123a)は、前記ステージ(114)に設けられること、を特徴とするインク回収装置(120)である。
請求項3の発明は、請求項1に記載のインク回収装置(120)において、前記インク受容部(121a,122a,123a)及び前記インク回収部(121,122,123)は、前記吐出穴(101b,102b,103b)が吐出するインクの色毎にそれぞれ設けられ、色毎にインクを回収可能であること、を特徴とするインク回収装置(120)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のインク回収装置(120)において、色毎に設けられた前記インク受容部(121a,122a,123a)の間の範囲に、前記吐出穴(101b,102b,103b)が予備吐出した際に形成される霧状インクを吸引する霧状インク吸引部(126a)を備えること、を特徴とするインク回収装置(120)である。
請求項5の発明は、請求項1に記載のインク回収装置(120)において、前記インク回収部(121,122,123)は、着脱可能に設けられ、前記受容部が受容したインクを貯留するインク貯留部(121e,122e,123e)を備えること、を特徴とするインク回収装置(120)である。
請求項6の発明は、インクを吐出する吐出穴(101b,102b,103b)を有するヘッド部と、パターン形成体(119)を載置するステージ(114)と、前記ヘッド部と前記ステージ(114)とを相対移動させる移動機構とを備え、パターン形成体(119)にインクを吐出して所定のパターンを形成するパターン形成装置(10)において、前記吐出穴(101b,102b,103b)が、予備吐出のために吐出したインクを受容するインク受容部(121a,122a,123a)と、前記インク受容部(121a,122a,123a)が、受容したインクを回収するインク回収部(121,122,123)と、を備えたパターン形成装置(10)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のパターン形成装置(10)において、前記インク受容部(121a,122a,123a)は、前記ステージ(114)と一体で移動すること、を特徴とするパターン形成装置(10)である。
請求項8の発明は、請求項6に記載のパターン形成装置(10)において、前記インク受容部(121a,122a,123a)及び前記インク回収部(121,122,123)は、前記吐出穴(101b,102b,103b)が吐出するインクの色毎にそれぞれ設けられ、色毎にインクを回収可能であること、を特徴とするパターン形成装置(10)である。
請求項9の発明は、請求項8に記載のパターン形成装置(10)において、色毎に設けられた前記インク受容部(121a,122a,123a)の間の範囲に、前記吐出穴(101b,102b,103b)が予備吐出した際に形成される霧状インクを吸引する霧状インク吸引部(126a)を備えること、を特徴とするパターン形成装置(10)である。
請求項10の発明は、請求項6に記載のパターン形成装置(10)において、前記インク回収部(121,122,123)は、着脱可能に設けられ、前記インク受容部(121a,122a,123a)が受容したインクを貯留するインク貯留部(121e,122e,123e)を備えること、を特徴とするパターン形成装置(10)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、吐出穴を有するヘッド部が予備吐出(フラッシング、パージ等)により吐出したインクを受容するインク受容部と、インク受容部が受容したインクを回収するインク回収部とを備えている。
これにより、予備吐出のために吐出したインクを廃棄することなく、簡単な処理をすることによって、再利用することができる。
(2)本発明は、インク受容部が、ステージに設けられる。
これにより、パターン形成装置がパターン形成体にインクを吐出する直前に予備吐出することができ、予備吐出の効果を向上し、また、塗布工程におけるタクトタイムを短縮することができる。
(3)本発明は、インク受容部及びインク回収部が、吐出穴が吐出するインクの色毎にそれぞれ設けられている。
これにより、予備吐出したインクを色毎に回収可能であり、回収したインクを簡単な処理をすることによって、再利用することができる。
(4)本発明は、色毎に設けられたインク受容部の間の範囲に、吐出穴が予備吐出した際に形成される霧状インクを吸引する霧状インク吸引部を備えている。
これにより、霧状インクが、他の色のインク受容部に混入することを防止することができる。
(5)本発明は、インク回収部が、インク受容部が受容したインクを貯留し、着脱可能に設けられたインク貯留部を備えている。
これにより、予備吐出したインクを簡単に回収することができる。
本発明は、予備吐出したインクを色毎に回収可能なインク回収装置及びパターン形成装置を提供するという目的を、吐出穴が予備吐出したインクを、インクの色毎にインク受容パンが受容し、そして、そのインクを着脱可能に設けられた回収ビンに貯留させ簡単に回収可能とし、さらに、各インク受容パンとの間の範囲に、霧状インクを吸引するインク吸引室を設け、インクの混色を防止することによって実現した。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明を適用した実施例のパターン形成装置10を示す斜視図である。
パターン形成装置10は、ガラス基板等のパターン形成体にカラーインクを塗布して、例えばカラーフィルタ等を作製するインクジェットタイプの装置である。パターン形成装置10には、インクを塗布したパターン形成体を自動で搬出し、次にインクを塗布するパターン形成体を配置するためのロボットが隣設されている。
パターン形成装置10は、インクジェットヘッドユニット100と、メインベース111と、フレーム112と、ステージベース部113と、移動ステージ114と、吸着テーブル118と、インク回収装置120と、2つのアライメント用カメラ132とを備えている。
インクジェットヘッドユニット100は、パターン形成体にインクを吐出するための複数のインクヘッド(ヘッド部)を備えたユニットである。インクジェットヘッドユニット100は、後述するフレーム112の上側の部分112aに、Y軸方向に移動可能に、Z軸に対して平行な軸Z2を中心に回転可能に保持される。インクジェットヘッドユニット100の構造等の詳細については、後述する。
メインベース111は、パターン形成装置10の基礎となる部材である。
フレーム112は、インクジェットヘッドユニット100等を保持するために、メインベース111に設けられている。
ステージベース部113は、後述する移動ステージ114が載置された基礎となる部材であり、例えば、上面に平滑な面を有する形状等に形成されている。ステージベース部113は、メインベース111の上側に載置されている。なお、ステージベース部113と、メインベース111とは、一体の部材であってもよい。ステージベース部113は、X軸方向に対して平行に2本のX軸レール113aを備え、後述するX軸移動ステージ115を移動可能に載置している。
移動ステージ114は、後述する吸着テーブル118をX軸、Y軸方向に移動可能に、かつ、Z軸に平行な軸Z3を中心に回転可能に支持する移動機構である。移動ステージ114は、パターン形成体119を載置し、パターン形成体119とインクジェットヘッドユニット100とを相対移動させる。移動ステージ114は、ステージベース部113に、X軸移動ステージ115と、Y軸移動ステージ116と、Z軸回転ステージ117とを備えている。
X軸移動ステージ115は、後述する吸着テーブル118をX軸方向に往復移動させる移動機構である。X軸移動ステージ115は、その底面に設けられ、そのY軸方向への移動を規制し、X軸に対して平行な方向への移動をガイドするガイド部115aが、ステージベース部113のX軸レール113aと係合している。X軸移動ステージ115は、その底面に、空気を噴出する微小の空気穴が形成されており、X軸移動ステージ115は、浮上することにより円滑にX軸に対して平行な方向に移動することができる。X軸移動ステージ115は、リニア型のモータユニット115cを備え、この駆動力によりX軸方向に移動する。X軸移動ステージ115は、X軸に対して平行にリニアスケール(図示せず)を有し、このリニアスケールで計測された位置情報がフィードバックされて、モータユニット115cが制御される。また、X軸移動ステージ115は、Y軸方向に対して平行に2本のY軸レール115bを備え、後述するY軸移動ステージ116が移動可能に載置されている。
Y軸移動ステージ116は、吸着テーブル118をY軸方向に往復移動させる移動機構であり、その構造は、基本的には、X軸移動ステージ115と同様である。すなわち、Y軸移動ステージ116は、そのX軸方向への移動を規制し、空気を噴出する微小の空気穴が形成されたガイド部116aがY軸レール115bと係合し、浮上することにより円滑にY軸に対して平行な方向に移動することができる。Y軸移動ステージ116は、リニア型のモータユニット(図示せず)を備え、この駆動力により、Y軸方向に移動する。また、Y軸移動ステージ116は、その上面に、後述するZ軸回転ステージ117が回転可能に載置されている。
Z軸回転ステージ117は、吸着テーブル118を軸Z3回りに回転させる回転機構である(図1に示す回転方向θ3参照)。Z軸回転ステージ117は、その上面に吸着テーブル118が固定されている。Z軸回転ステージ117は、その底面に、サーボモータ(図示せす)が設けられ、これにより鉛直方向(Z軸方向)に対して平行な軸Z3を中心に回転する。
吸着テーブル118は、ガラス基板等のパターン形成体119を吸引して固定する部材である。吸着テーブル118は、その上面に微細な空気吸引穴(図示せず)が設けられており、その空気吸引穴によってパターン形成体119を吸着固定する。
インク回収装置120は、後述するように、インクジェットヘッドユニット100がフラッシング、パージのために吐出したインクを回収する装置である。インク回収装置120は、移動ステージ114に取り付けられている。本実施例では、図1に示すように、Z軸回転ステージ117のインクジェットヘッドユニット100側、すなわち、ロボットによるパターン形成体119の搬入側に対して反対側に取り付けられている。このため、インクジェットヘッドユニット100は、パターン形成体119にインクを塗布する直前に、インク回収装置120の上側に移動することができ、後述するフラッシング、パージを効率よく行いタクトタイムを短縮することができる。インク回収装置120の構造等については、後述する。
2つのアライメント用カメラ132は、吸着テーブル118に載置されたパターン形成体119の基準マーク(図示せず)を撮像して、その情報に基づいて移動ステージ114を作動させて、位置を補正する装置である。2つのアライメント用カメラ132は、フレーム112の上側の部分112bに、取付けステー132aを介して、Y軸方向に移動可能に保持されている。
次に、パターン形成装置10のインクジェットヘッドユニット100と、インク回収装置120の構造について詳細に説明する。
図2は、図1における正面(すなわちZ−X平面)におけるインクジェットヘッドユニット100、インク回収装置120等の位置関係を示す図である。図3は、図1における平面(すなわちX−Y平面)におけるインクジェットヘッドユニット100、インク回収装置120等の位置関係を示す図である。
最初に、インクジェットヘッドユニット100の構造について説明する。
インクジェットヘッドユニット100は、図2に示すように、Bインクヘッド101と、Gインクヘッド102と、Rインクヘッド103とから構成される。
Bインクヘッド101は、図2に示すようにインク回収装置120側の側面である吐出面101aに、青色インクを吐出する吐出穴101bを有している。Bインクヘッド101は、図3(a)に示すように、Bインクヘッド101−1〜101−3から構成される。
Bインクヘッド101−1は、図3(b)に拡大して示すように、長方形に形成された吐出面101a−1の長手方向の中心線上に、複数(例えば128個程度)の吐出穴101b−1が配列されている。Bインクヘッド101は、パターン形成体に形成するパターンに応じて、軸Z2回りに回転し(図1参照)、吐出穴101b−1を、その配列が移動方向(矢印A方向)に対して所定の角度傾くように配置する。同様に、Bインクヘッド101−2,101−3は、それぞれ複数の吐出穴101b−2,101b−3が配列されている。
Gインクヘッド102、Rインクヘッド103は、それぞれ、緑色のインク、赤色のインクを吐出するインクジェットヘッドである。図3(a)に示すように、Gインクヘッド102、Rインクヘッド103は、Bインクヘッド101と同様に、Gインクヘッド102−1〜102−3、Rインクヘッド103−1〜103−3から構成され、それぞれ、吐出穴102b−1〜102b−3、103b−1〜103b−3が配列されている。
次に、インク回収装置120の構造について説明する。
インク回収装置120は、図2に示すように、インク受容パン121a,122a,123a(インク受容部)と、Bインク回収部121と、Gインク回収部122と、Rインク回収部123と、真空源125と、インク飛散防止装置126とを備えている。
インク受容パン121aは、Bインクヘッド101の吐出穴101bがフラッシング、パージのために吐出した青色のインクを受容する部材である(フラッシング、パージについては、後述する)。インク受容パン121aは、移動ステージ114と一体で移動可能に、パターン形成装置10に設けられている。吐出面101a,102a,103aとインク受容パン121a,122a,123aの開口部との隙間Dは、約1mm程度が望ましい。なお、インク受容パン121aの内表面には、付着したインクが効率よく流下するように撥水処理等を施してもよい。
インク受容パン122a,123aは、それぞれ、吐出穴102b,103bがフラッシング、パージのために吐出した緑色、赤色のインクを受容する、インク受容パン121aと同様な部材である。
ここで、フラシッング、パージとは、パターン形成装置10がパターン形成体119にインクを塗布する工程内において、パターン形成体119へのインク塗布直前に行なう予備吐出である。
フラシッングは、吐出穴101b,102b,103b内のインクが、吐出面101a,102a,103aよりも引き込んだ状態で、パターン形成体119に塗布されることを防止するためのインク吐出である。フラシッングは、通常の塗布工程と同様に、インクジェットヘッドユニット100に駆動信号を印加してインクを捨て打ちする。これにより、ノズル内のインクは、吐出面101a,102a,103aまで満たされ、インク吐出穴毎のインク充填量の不揃いを解消することができる。そして、パターン形成装置10は、安定したインクの吐出が可能となり、塗布開始時における塗膜のばらつきを防止することができる。
これに対して、パージとは、例えば、所定枚数のパターン形成体にインクを塗布したときに、インクに混入しインクを供給する配管内に残留した気泡等をインクとともに、ポンプ等を用いて、又は、圧送することにより送り出し、吐出穴101b,102b,103bから排出するためのインク吐出である。パターン形成装置10は、パージによってインクの配管、各インクヘッド内の気泡を除去しインクの圧力を維持することにより、所定の吐出性能を維持することができる。パージは、塗布工程におけるパターン形成体119の搬出、交換時等の他に、例えば、パターン形成装置10の稼動開始時に、空の配管、インクヘッドにインクを初期充填するとき等にも行なわれる。
Bインク回収部121は、配管121bと、エアオペレートバルブ121cと、配管121dと、回収ビン121e(インク貯留部)と、アタッチメント121fと、配管121gとを備えている。
配管121bは、インク受容パン121aと、後述するエアオペレートバルブ121cとを接続する部材である。
エアオペレートバルブ121cは、必要に応じて(例えば、所定量インクが受容されたとき等)、エアバルブ(図示せず)を駆動し、空気圧によりインク流動バルブ(図示せず)を開閉して、インク受容パン121aが受容したインクを、後述する回収ビン121eへと流動させる。エアバルブは、例えば、電気的な開閉スイッチで操作される。また、エアオペレートバルブ121cの代わりに、DCモータ等を用いて、直接、インク流動バルブを駆動するタイプのバルブ開閉装置を用いてもよい。
配管121dは、エアオペレートバルブ121cと後述する回収ビン121eとを接続する部材である。
回収ビン121eは、インク受容パン121aが受容したインクを、配管121b,121d等を介して、貯留する部材である。回収ビン121eは、後述する真空源125と接続されており、インク受容パン121aからインクを吸引して貯留する。回収ビン121eには、アタッチメント121fが例えばネジ結合等を用いて設けられ、これに配管121d、後述する配管121gが接続されている。これにより、回収ビン121eは、簡単にアタッチメント121fと着脱することができ、フラッシング、パージのために吐出したインクを簡単に回収することができる。
配管121gは、回収ビン121eと後述する真空源125とを接続する部材である。
Gインク回収部122と、Rインク回収部123は、Bインク回収部121と同様に、それぞれ、エアオペレートバルブ122c,123cと、回収ビン122e,123eと、アタッチメント122f,123fと,配管122g,123gとを備え、緑色のインク、赤色のインクを回収する。
真空源125は、インク受容パン121a,122a,123aに受容されたインクを吸引するための吸引力を発生する真空吸引装置である。真空源125は、配管121g,122g,123gを介して、回収ビン121e,122e,123eと接続されている。
以上の構造により、インク回収装置120は、フラッシング、パージのために吐出したインクを色毎に回収することができる。例えば、青色のインクを回収するときは、エアオペレートバルブ121cを駆動することにより、真空源125の吸引力が、配管121d、回収ビン121e、配管121g等を介して、インク受容パン121aに伝達される。そして、インク受容パン121aに受容された青色インクが吸引され、回収ビン121eに貯留する。同様にして、緑色のインク、赤色のインクは、回収ビン122e,123eに貯留する。
インク飛散防止装置126は、霧状インクを吸引するための装置である。霧状インクとは、インクジェットヘッドユニット100がフラッシングのためにインクを吐出した際に形成される微細なインク粒子である。霧状インクは、空中を浮遊し、パターン形成体にインクを塗布するときに、パターン形成体の表面に付着し、品質を低下させる可能性がある。また、霧状インクが他の色のインク受容パンに混入すると、インクが混色し、回収したインクを各色に分離する必要があるため好ましくない。そこで、本実施例のパターン形成装置10は、インク飛散防止装置126を備え、霧状インクが浮遊することを防止する。
インク飛散防止装置126は、図2に示すようにインク吸引室126a(霧状インク吸引部)と、配管126bと、エアオペレートバルブ126cと、配管126dと、回収ビン126eと、アタッチメント126fと、配管126gと、真空源126hとを備えている。
インク吸引室126aは、後述する真空源126hによる吸引力を用いて、インクの吐出穴101b,102b,103bがフラッシングのためにインクを吐出したときに形成された霧状インクを吸引する。インク吸引室126aは、移動ステージ114と一体で移動可能に、パターン形成装置10に設けられている。インク吸引室126aは、図2に示すように、吐出穴101b,102b,103bと、パターン形成体119、移動ステージ114との間の範囲に設けられている。また、図3(a)に示すように、インク受容パン121a,122a,123aの全周に設けられている。すなわち、インク吸引室126aは、色毎に設けられたインク受容パンの間の範囲に設けられているので、霧状インクが他の色のインク受容パンに混入することを、効果的に防止することができる。
配管126bは、図2に示すように、インク吸引室126aと後述するエアオペレートバルブ126cとを接続する部材である。配管126bは、インク吸引室126aの吸引力を均一にするために、エアオペレートバルブ126cから数本に枝分かれしてインク吸引室126aに接続している。
図2に示すように、エアオペレートバルブ126c、配管126d、回収ビン126e、アタッチメント126f、配管126g、真空源126hは、それぞれ、前述したエアオペレートバルブ121c、配管121d、回収ビン121e、アタッチメント121f、配管121gと同様な部材である。
インク飛散防止装置126は、フラッシング等のためのインク吐出時に、エアオペレートバルブ121cのエアバルブを駆動して、真空源126hの吸引力をインク吸引室126aに伝達し、インク吸引室126aが霧状インクを吸引する。また、回収ビン121eは、アタッチメント121fに着脱可能に設けられているため、貯留したインクを簡単に回収することができる。
次に、パターン形成装置10がインク回収装置120等を用いて、インクを色毎に回収する動作について説明する。
図4は、図1における正面(すなわちZ−X平面)におけるインクジェットヘッドユニット100、インク回収装置120等の動作を模式的に示す図である。
図5は、図1における平面(すなわちX−Y平面)におけるインクジェットヘッドユニット100、インク回収装置120等の動作を模式的に示す図である。
図4(1)、図5(a−1)は、インクジェットヘッドユニット100がフラッシング、パージのためにインクを吐出する前の状態を示す図である。すなわち、パターン形成装置10が、パターン形成体119にインクを塗布する工程内において、塗布されたパターン形成体がロボットによって搬出され、次にインクを塗布するパターン形成体119が移動ステージ114に載置された状態である。この状態から、移動ステージ114は、X軸方向におけるインクジェットヘッドユニット100側(図4に示す矢印A1方向)に移動する。
図4(2)、図5(a−2)は、インクジェットヘッドユニット100が、フラッシング、パージのためにインク吐出を開始した状態を示す図である。図5(b)は、この状態における一部拡大図である。図4(2)に示すように、吐出穴101b−1,102b−1,103b−1は、それぞれ、青、緑、赤のインクを吐出する。このとき、インク吸引室126aは、フラッシングのためにインクを吐出した際に形成された霧状インクを吸引して、他の色のインク受容パンへの混入と、パターン形成体119への付着を防止する。また、図5(b)に示すように、X−Y平面における位置関係において、複数(例えば、128個程度)設けられた吐出穴101b−1,102b−1,103b−1は、それぞれ、インク受容パン121a,122a,123aの内側で一斉に、フラッシング、パージのためにインクを吐出する。これにより、インクジェットヘッドユニット100は、効率よくインク吐出を行うことができ、また、フラッシングのために吐出したインクが他の色のインク受容パンへ混入することを効率よく防止することができる。
この状態から、移動ステージ114は、さらにX軸方向(矢印A1方向)に移動する。そして、吐出穴101b−2,102b−2,103b−2は、吐出穴101b−1,102b−1,103b−1と同様にフラッシング、パージのためにインクを吐出する。(図示せず)。
図4(3)は、移動ステージ114がさらに移動して、吐出穴101b−3,102b−3,103b−3が、フラッシング、パージのためにインクを吐出する状態を示す図である。移動ステージ114は、吐出穴101b−3,102b−3,103b−3が、前述した吐出穴101b−1,102b−1,103b−1と同様にフラッシング、パージのためにインクを吐出した後、さらにX軸方向(矢印A1方向)に移動する。そして、図4(4)、図5(a−4)に示すように、インクジェットヘッドユニット100は、パターン形成体119の上側に配置され、パターン形成体119へのインク塗布を開始する。
以上説明したように、本実施例のパターン形成装置10は、色毎にインクを回収可能なインク回収装置120を備えている。インク回収装置120は、吐出穴101b,102b,103bがフラッシング、パージ(予備吐出)のために吐出し、インク受容パン121a,122a,123a(インク受容部)が受容したインクを、そのインク回収部121,122,123が回収する。インク回収部121,122,123には、インク受容パン121a,122a,123aに受容されたインクを貯留する回収ビン121e,122e,123e(インク貯留部)が、着脱可能に設けられている。
これにより、パターン形成装置10は、フラッシング、パージのために吐出したインクを色毎に効率よく、かつ、簡単に回収可能であり、回収したインクを廃棄することなく、簡単な処理をすることにより、再利用することができる。
また、本実施例のインク回収装置120は、そのインク受容パン121a,122a,123aが、パターン形成体119を移動可能に載置する移動ステージ114と一体で移動可能に設けられている。
これにより、パターン形成装置10は、パターン形成体119にインクを塗布する直前にフラッシング、パージのために吐出することができ、塗布工程におけるタクトタイムを短縮することができる。
さらに、本実施例のインク回収装置120は、色毎に設けられたインク受容パン121a,122a,123aの間の範囲に、吐出穴101b,102b,103bがフラッシングのためにインクを吐出した際に形成される霧状インクを吸引するインク吸引室126a(霧状インク吸引部)を備えている。
これにより、インク回収装置120は、霧状インクが他の色のインク受容パン121a,122a,123aに混入することを防止することができる。また、霧状インクがパターン形成体119に付着することを防止することができる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、複数(例えば、128個程度)設けられた吐出穴101b−1,102b−1,103b−1等が、フラッシング、パージのために、一斉にインクを吐出する例を示したが、これに限定されない。例えば、それぞれの吐出穴は、移動ステージ114の移動にともなって、X−Y平面におけるインク受容パンの中心位置に移動したときに、順にインクを予備吐出してもよい。これにより、フラッシング、パージのために吐出したインクをより確実に回収でき、また、霧状インクが浮遊することを、より効果的に防止することができる。
(2)本実施例において、インク吸引室126aは、インク受容パン121a,122a,123aの全周に設けられた例を示したが、これに限定されない。例えば、インク吸引室126aは、移動ステージ114の全周に設けても、同様な効果が得られる。また、霧状インクの浮遊経路等に応じて、インクの吐出穴とパターン形成体との間の範囲に、移動ステージ114又はインク受容パン121a,122a,123aの周囲の一部に設けてもよい。これによっても、霧状インクを効果的に吸引することができ、さらに、装置を小型にすることができる。
(3)本実施例において、インクジェットタイプのパターン形成装置が、フラッシング、パージのために吐出したインクを回収する例を示したが、これに限定されない。例えば、ディスペンサタイプの装置が、吐出したインクを回収してもよい。
本発明を適用した実施例のパターン形成装置の斜視図である。 本実施例のパターン形成装置の正面における位置関係を示す図である。 本実施例のパターン形成装置の平面における位置関係を示す図である。 本実施例のパターン形成装置の正面における動作を模式的に示す図である。 本実施例のパターン形成装置の平面における動作を模式的に示す図である。 従来のパターン形成装置の動作を模式的に示す図である。
符号の説明
10 パターン形成装置
100 インクジェットヘッドユニット
101,101−1〜101−3 Bインクヘッド
101a 吐出面
101b,101b−1〜101b−3 吐出穴
102,102−1〜102−3 Gインクヘッド
102a 吐出面
102b,102b−1〜102b−3 吐出穴
103,103−1〜103−3 Rインクヘッド
103a 吐出面
103b,103b−1〜103b−3 吐出穴
114 移動ステージ
120 インク回収装置
121 Bインク回収部
122 Gインク回収部
123 Rインク回収部
121a,122a,123a インク受容パン
121c,122c,123c エアオペレートバルブ
121e,122e,123e 回収ビン
121f,122f,123f アタッチメント
125 真空源
126 インク飛散防止装置
126a インク吸引室
126c エアオペレートバルブ
126e 回収ビン
126f アタッチメント
126h 真空源
132 アライメント用カメラ

Claims (10)

  1. インクを吐出する吐出穴を有するヘッド部を備え、インクをステージ上のパターン形成体に吐出して所定のパターンを形成するパターン形成装置に設けられるインク回収装置であって、
    前記吐出穴が予備吐出のために吐出したインクを受容するインク受容部と、
    前記インク受容部が受容したインクを回収するインク回収部と、
    を備えたインク回収装置。
  2. 請求項1に記載のインク回収装置において、
    前記インク受容部は、前記ステージに設けられていること、
    を特徴とするインク回収装置。
  3. 請求項1に記載のインク回収装置において、
    前記インク受容部及び前記インク回収部は、前記吐出穴が吐出するインクの色毎にそれぞれ設けられ、色毎にインクを回収可能であること、
    を特徴とするインク回収装置。
  4. 請求項3に記載のインク回収装置において、
    色毎に設けられた前記インク受容部の間の範囲に、前記吐出穴が予備吐出した際に形成される霧状インクを吸引する霧状インク吸引部を備えること、
    を特徴とするインク回収装置。
  5. 請求項1に記載のインク回収装置において、
    前記インク回収部は、着脱可能に設けられ、前記受容部が受容したインクを貯留するインク貯留部を備えること、
    を特徴とするインク回収装置。
  6. インクを吐出する吐出穴を有するヘッド部と、
    パターン形成体を載置するステージと、
    前記ヘッド部と前記ステージとを相対移動させる移動機構とを備え、
    パターン形成体にインクを吐出して所定のパターンを形成するパターン形成装置において、
    前記吐出穴が、予備吐出のために吐出したインクを受容するインク受容部と、
    前記インク受容部が、受容したインクを回収するインク回収部と、
    を備えたパターン形成装置。
  7. 請求項6に記載のパターン形成装置において、
    前記インク受容部は、前記ステージと一体で移動すること、
    を特徴とするパターン形成装置。
  8. 請求項6に記載のパターン形成装置において、
    前記インク受容部及び前記インク回収部は、前記吐出穴が吐出するインクの色毎にそれぞれ設けられ、色毎にインクを回収可能であること、
    を特徴とするパターン形成装置。
  9. 請求項8に記載のパターン形成装置において、
    色毎に設けられた前記インク受容部の間の範囲に、前記吐出穴が予備吐出した際に形成される霧状インクを吸引する霧状インク吸引部を備えること、
    を特徴とするパターン形成装置。
  10. 請求項6に記載のパターン形成装置において、
    前記インク回収部は、着脱可能に設けられ、前記インク受容部が受容したインクを貯留するインク貯留部を備えること、
    を特徴とするパターン形成装置。

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JP7528726B2 (ja) 2020-10-30 2024-08-06 セイコーエプソン株式会社 液体受容装置および液体吐出装置

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