JP2006245670A - 適応型音場支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小空間や音響条件が変化する室内空間においても、ハウリングの発生を抑制することができ、初期反射音及び後部残響音の音響効果を良好することができる音場支援装置を提供する。
【解決手段】 適応型音場支援装置1に、適応フィルタ22を備えたハウリングキャンセル部3と、初期反射音生成部4と、後部残響音の音響効果を増強するFIRフィルタ43とFIRフィルタ45とを並列接続して音響ループを創り出す後部残響音生成部5を設ける。また、FIRフィルタ43とFIRフィルタ45のインパルス応答を、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づいて変化させる。これにより、スピーカ53からマイクロフォン11へ至る帰還音を除去してハウリングを抑制するとともに、音源67から放音された音の初期反射音及び後部残響音の音響効果を増強でき、また、小ホール61の音響条件の変化に応じて後部残響音の音響効果を変化させることができる。
【選択図】 図2

Description

既存の室内音響条件をベースに音響効果を増強する音場支援装置に関し、特に設置条件や音場条件が悪い場合でもハウリングの発生を抑制して音響効果を増強できる音場支援装置に関する。
コンサートホール・多目的ホールなどの音響施設では、ロック・ポップス・クラシックなど様々な音楽が演奏される。このような音響施設は、残響感・音量感・拡がり感といった音響効果が良好になるように設計されている。しかし、音響効果は、音響施設の規模や構造、演奏する音楽の種類によって異なっている。そのため、すべての音楽を最適な音響条件で演奏することができるように、音響施設の音響条件を調整することは困難であった。
そこで、従来、建築音響に関わる室内の主要な音響効果を、電気音響の支援により自然に変化させることができる音場制御装置が開示されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許第2737595号公報 特許第2956642号公報
特許文献1,2に開示された音場制御装置は、ハウリングを抑制するために、マイクロフォン・スピーカの組み合わせを時間的に変える、またはフィルタを時間的に変化させる(FM変調)などの時変機能を音響帰還系に導入している。しかし、特許文献1,2に開示された音場制御装置は、施工後に具体的なハウリングの発生条件が決まる。そのため、音場制御装置の施工後にハウリングが発生しないようにする調整が不可欠であり、実際に装置から放音される音を測定しながらループゲインの調整やイコライジングしなければならず、調整に多くの手間と時間が必要になるという問題があった。
また、特許文献1,2に開示された音場制御装置は、スピーカから放音された残響音をマイクロフォンで収音してループさせることで残響成分を増幅して、残響感・音量感・拡がり感などの音響効果を増加させる。そのため、上記の音場制御装置では、小空間のようにマイクロフォン・スピーカ間を所定の距離以上確保できない音場条件であると、上記のようにハウリングの抑制機能を備えていても、ハウリングを制御することが難しくなる。また、上記のような小空間においてハウリングの発生を抑制するためには、音場制御装置のループゲインを低下させる必要がある。しかし、音場制御装置のループゲインを低下させると、十分な音響効果が得られないという問題があった。
さらに、特許文献1,2に開示された音場制御装置では、調整時と実際のホール使用時とで音場条件が異なるという問題があった。例えば、調整時はステージ上には何もない状態で行う。しかし、オペラ公演時にはステージ上に大道具を設置した状態となる。また、オーケストラの公演時にはステージ上に複数の演奏者が着席した状態になる。このように、ステージ上の状態が異なると、ホールの音響条件が変化する。さらに、ホール内の温度や湿度が変化しても、ホールの音響条件が変化する。そのため、音場制御装置の調整時にマージンをかなり取る必要がある。しかし、その結果としてシステムの効果を下げることになるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の各問題を解決して、小空間や音響条件が変化する室内空間においても、ハウリングの発生を抑制することができ、初期反射音及び後部残響音による音響効果を良好にすることができる音場支援装置を提供することを目的とする。
(1)室に設置され、音源が発した音及び周囲から伝搬する音を収音するマイクロフォンと、
前記室の音響を支援する音を放音するスピーカと、
前記スピーカから前記マイクロフォンへ至る音響帰還路の伝達関数を推定して、前記マイクロフォンの収音信号から、前記スピーカからの帰還音信号を除去する適応フィルタを有するハウリングキャンセル手段と、
前記帰還音信号が除去された収音信号を畳み込み、前記音源が発した音に応じて前記室で発生する初期反射音を模した初期反射音支援信号を生成する初期反射音支援信号生成手段と、
前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて係数が設定され、前記帰還音信号が除去された収音信号を畳み込み、前記音源が発した音が、前記室に仮想的に連設された第2の室と前記室との間で反響して発生する後部残響音を模した後部残響音支援信号を生成する後部残響音生成手段と、
前前記初期反射音支援信号及び前記後部残響音支援信号を増幅して前記スピーカへ出力するアンプと、
を備えたことを特徴とする。
この構成においては、適応型音場支援装置は、スピーカからマイクロフォンへ至る音響帰還路の伝達関数を適応フィルタによって推定して、スピーカからマイクロフォンへ至る帰還音信号をマイクロフォンの収音信号から除去する。また、適応フィルタは、室の音響条件が変化すると、この変化に応じて帰還音を減衰させるように音響帰還路の伝達関数を更新する。さらに、適応型音場支援装置では、室内空間の音響条件に基づいて、帰還音信号を除去したマイクロフォンの収音信号を畳み込み、室内空間の音源から放音された初期反射音の模擬信号を生成する。加えて、適応型音場支援装置では、適応フィルタが推定した音響帰還路の伝達関数に基づいて後部残響音生成手段の係数が設定される。したがって、ハウリングキャンセル手段によって帰還音信号をキャンセルしてハウリングの発生を防止・抑制しながら、初期反射音及び後部残響音の音響効果、すなわち残響感・音量感・拡がり感を室内空間の音響条件をベースにして増強(支援)できる。また、もしハウリングが発生しても、速やかにハウリングを減衰させることができる。さらに、マイクロフォンとスピーカとの距離が所定の距離以下で、従来の装置であればハウリングが発生する条件となる狭い室内空間においても、ハウリングの発生を抑制できる。さらに、室内空間の音場の条件が変化しても、スピーカからマイクロフォンへ至る帰還音信号をマイクロフォンの収音信号から確実に除去して、ハウリングの発生を抑制できる。加えて、適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて係数を設定することで、適応型音場支援装置が設置された室の音場の状態に応じて後部残響音生成手段を調整することができるので、室の音場の状態やその変化に応じて自然な残響延長を行うことができる。
(2)前記後部残響音支援信号生成手段は、前記第2の室の音響条件に基づくフィルタ係数が設定される第1のFIRフィルタと、前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づくフィルタ係数が設定される第2のFIRフィルタと、をループ状に接続してなり、
前記第1のFIRフィルタの入力端に前記帰還音信号が除去された収音信号が入力され、前記第1のFIRフィルタの出力端から後部残響音支援信号が取り出されることを特徴とする。
この構成においては、第1のFIRフィルタと第2のFIRフィルタとをループ状に接続することで、音響ループを人工的に創り出す。また、第2のFIRフィルタには、適応フィルタが推定した伝達関数に基づくフィルタ係数が設定され、適応フィルタは室の音場の状態に基づいて伝達関数を推定する。したがって、第2のFIRフィルタには、室の音響条件及びその変化に応じて、フィルタ係数を変化させることができる。したがって、第1のFIRフィルタと第2のFIRフィルタから成る音響ループにより、適応型音場支援装置を設置する室と、この室に仮想的に連設された第2の室と、の間で、音源から発した音が反響して発生する後部残響音を模した後部残響音支援信号を生成できる。また、第1のFIRフィルタ及び第2のFIRフィルタのフィルタ係数は、任意の値を設定可能なので、後部残響音の残響時間の延長及びレベルの増強を行うことができるとともに、室内空間の音響効果を増強できる。
(3)前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて、前記第2の室の音響条件を決定し、この決定した音響条件に基づいて前記第1のFIRフィルタに対してフィルタ係数を設定する残響調整手段を備えたことを特徴とする。
適応型音場支援装置では、第1のFIRフィルタと第2のFIRフィルタとをループ状に接続することで、音響ループを人工的に創り出して、適応型音場支援装置を設置する室と、この室に仮想的に連設された第2の室と、の間で、音源から発した音が反響して発生する後部残響音を模した後部残響音支援信号が生成している。後部残響音の残響時間の延長やレベルの増強を適正に行うためには、室の音響条件が変化すると、第2の室の音響条件も変化させる必要がある。この構成においては、残響調整手段によって第1のフィルタ係数を設定できるので、室の音響条件の変化に応じて、第2の室の音響条件を容易に変化させることができる。したがって、後部残響音の残響時間の延長やレベルの増強を適正に行うことができる。
(4)前記残響調整手段は、前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて、前記第2の室の吸音率及び容積の一方または両方を決定することを特徴とする。
この構成においては、残響調整手段は、室の音響条件に応じて第2の室の吸音率や容積を決定する。したがって、第2の室の音響条件を所望の値に設定することができる。
(5)前記ループ状に接続された第1のFIRフィルタ及び第2のFIRフィルタのループゲインを測定し、このループゲインを予め設定した値に調整するループゲイン調整手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、ループゲイン調整手段によって、後部残響音生成手段のループゲインを予め設定した値に調整される。したがって、従来の装置の設置時に必要であったループゲインの測定やイコライジングといった現場での調整作業を大幅に減らすことができる。
この発明によれば、スピーカからマイクロフォンへ帰還する帰還音を除去するために音場の状態や変化を推定した伝達関数を、後部残響音生成手段のインパルス応答の調整に用いるので、音場の状態や変化に応じて自然な残響延長を行うことができ、安定な状態で室内空間の音響を支援することができる。
また、適応型音場支援装置を設置する室に第2の室を仮想的に併設した状態を創り出すことができるので、例えば、第2の室を適応型音場支援装置を設置する室と同様の条件に設定することも可能であり、所望の音場を設定して好みの残響を生成することも可能である。
さらに、スピーカからマイクロフォンへ帰還する帰還音信号を取り除くことにより、小空間のようにマイクロフォンやスピーカの設置条件が制限される場合でも、既存の室内音響条件をベースに音響効果を増強して音場を支援することができる。
加えて、適応フィルタは、スピーカからマイクロフォンへ至る帰還音が変化すると、この帰還音を減衰させるように、音響帰還路の伝達関数を更新するので、温度・気温により音場が変化する場合や、オペラ公演などのように舞台の条件が変わる場合でも、その変化に応じてハウリング音の発生を抑制することができる。
また、ハウリングの要因となる初期の強い反射音を取り除くことで、音響帰還路のループゲインを最小限にすることができ、十分な制御範囲を確保することができる。
さらに、FIRフィルタにより音響ループを人工的に創り出すことにより、事前にループゲインを推定することが可能となる。また、音響ループのループゲインを測定し、このループゲインを予め設定した値に調整するので、従来の音場支援装置の設置時に必要であったループゲインの測定やイコライジングといった現場での調整作業を大幅に減らすことができる。
以下の説明では、本発明の適応型音場支援装置を小ホールに設けた場合を一例として説明する。
図1は、適応型音場支援装置の概略の配置図である。音響施設(室)の一例である小ホール61は、ステージ65と客席66を備えている。また、ステージ65の中央部に楽器とその奏者(以下、音源67と称する。)が位置し、客席66の中央部に聴取者68が着席している。なお、同図には、音源67を円形で表示している。
図1には、8組の適応型音場支援装置を小ホール61に設置した場合を示している。すなわち、小ホール61内を伝搬する音を収音できるように、小ホール61の天井面62にマイクロフォン11−1〜11−8を所定の間隔で配置する。また、小ホール61の音響を支援するために、つまり、残響時間の延長やレベル増強などを行った初期反射音及び後部残響音を客席66に対して放音するために、小ホール61の側壁面63にスピーカ53−1〜53−4を、側壁面64に複数のスピーカ53−5〜53−8を、それぞれ所定の間隔で配置している。また、適応型音場支援装置の本体は、図外の舞台裏や調整室などに設置している。なお、マイクロフォン及びスピーカの配置、並びに使用する適応型音場支援装置の数量は、音響施設の規模や形状によって異なる。例えば、スピーカを側壁面だけでなく天井面に設けたりスピーカの放音面を天井に向けたりしたスピーカから初期反射音や後部残響音を支援する音を放音するように配置する場合もある。
図2は、適応型音場支援装置の概略のブロック図である。図3は、適応型音場支援装置が生成する初期反射音及び後部残響音の状態を示す図である。
適応型音場支援装置1は、収音部2、ハウリングキャンセル部3、初期反射音生成部4、後部残響音生成部5、加算器6、及び放音部7を備えている。
収音部2は、マイクロフォン11、ヘッドアンプ12、及びA/Dコンバータ13を備えている。ハウリングキャンセル部3は、遅延回路21、フィルタ部23及び伝達系推定部24を備えた適応フィルタ22、並びに加算器25を備えている。初期反射音生成部4は、FIRフィルタ31及びイコライザ32を備えている。後部残響音生成部5は、残響音生成フィルタ41、加算器42、FIRフィルタ43、イコライザ44、FIRフィルタ45、イコライザ46、残響音再生フィルタ47、ループゲイン測定部48、及び残響調整部49を備えている。放音部7は、D/Aコンバータ51、パワーアンプ52、及びスピーカ53を備えている。
収音部2は、小ホール61のような室内空間において伝搬する音を収音して、ディジタル信号に変換して出力する。マイクロフォン11は、周囲から伝搬する音、すなわち音源67から放音された音(直接音)や、この音が小ホール61の壁面・ステージ65上の大道具などで反射して発生する初期反射音及び後部残響音、並びにスピーカ53から放音された音など、周囲から伝搬する音を収音する。そして、マイクロフォン11から出力された収音信号は、ヘッドアンプ12で増幅され、A/Dコンバータ13でディジタル化されて、ハウリングキャンセル部3の加算器25に出力される。
ハウリングキャンセル部3は、スピーカ53からマイクロフォン11へ至る音響帰還路の伝達関数を推定して、前記マイクロフォンの収音信号から、マイクロフォン11が収音したスピーカ53からの帰還音信号を除去する。ここで、適応型音場支援装置1においてハウリングキャンセル部3を設けていない場合、マイクロフォン11とスピーカ53との間が所定の距離以下であると、スピーカ53から放音された音をマイクロフォン11が収音して、1以上のゲインで増幅する動作を繰り返すので、ハウリングが発生する。しかし、適応型音場支援装置1では、ハウリングキャンセル部3によって、マイクロフォン11の収音信号から、マイクロフォン11が収音したスピーカ53からの帰還音信号が除去されるので、ハウリングの発生を抑制することができる。
遅延回路21は、スピーカ53からマイクロフォン11へ帰還する帰還音の時間遅延を推定して、加算器6の出力信号に時間遅延を付与する。そして、遅延回路21は、適応フィルタ22のフィルタ部23及び伝達系推定部24に信号を出力する。
適応フィルタ22は、スピーカ53からマイクロフォン11に帰還する音響帰還路における音の伝達関数を模擬するフィルタであり、遅延回路21が遅延した信号をフィルタリングする。そして、適応フィルタ22は、このフィルタリングした信号を模擬信号として加算器25へ出力する。
フィルタ部23は、伝達系推定部24が推定した音響帰還路の伝達関数に基づいて、遅延回路21が出力した信号をフィルタリングし、模擬信号として加算器25へ出力する。
伝達系推定部24は、遅延回路21で遅延された過去の音の信号と、加算器25の出力信号である現在の音の信号と、に基づいて帰還音信号の消去誤差を検出する。そして、伝達系推定部24は、模擬信号を帰還音信号に一致または近似させるべくフィルタ部23の伝達関数を推定して自動更新する。伝達系推定部24は、例えばLMS(Least Mean Square )アルゴリズムのような適応アルゴリズムを用いて、伝達関数の更新を行う。また、伝達系推定部24は、推定した伝達関数を、FIRフィルタ45と残響調整部49に出力する。
加算器25は、収音部2が出力した収音信号から適応フィルタ22の出力信号を差し引いて出力する。つまり、加算器25は、マイクロフォン11の収音信号から、スピーカ53からマイクロフォン11へ帰還する帰還音信号を差し引いて出力する。加算器25は、伝達系推定部24、初期反射音生成部4のFIRフィルタ31、及び後部残響音生成部5の残響音生成フィルタ41へ信号を出力する。
初期反射音生成部4は、音源67から放音された音が小ホール61の壁面などで反射して発生する初期反射音を模した初期反射音支援信号を生成する。また、初期反射音生成部4は、既存の室内音響条件をベースに、残響時間の延長やレベル増強を行って、音響効果を増強(改善)する。
FIRフィルタ31は、小ホール61の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されている。FIRフィルタ31は、スピーカ53からマイクロフォン11へ帰還する帰還音信号が除去されたマイクロフォン11の収音信号を畳み込んで、小ホール61内で発生する初期反射音を模した信号を生成する。また、FIRフィルタ31は、既存の室内音響条件、つまり小ホール61の音響条件に基づいて初期反射音のレベル増強や残響時間の延長を行う。したがって、図3(B)に示すように、小ホール61内の空間が拡張されたように聞こえる初期反射音がスピーカ53(図3(B)には不図示。)から放音される。
イコライザ32は、適応型音場支援装置1の設置時などに初期反射音の周波数特性やゲイン、各タップの時間間隔などを調整するためのものである。
後部残響音生成部5は、音源67から放音される音の後部残響音を模した後部残響音支援信号を生成する。また、後部残響音生成部5は、既存の室内音響条件をベースに残響時間の延長やレベル増強を行って、音響効果を増強(改善)する。
ここで、以下の説明におけるクリティカルディスタンスとは、音源67から放音される直接音と、その後部残響音と、のエネルギーバランスが等しくなる距離のことである。ステージ65とマイクロフォン11との距離がクリティカルディスタンス以下であると、音源67から放音される直接音の方がその後部残響音よりもエネルギーが大きくなる。このときには、マイクロフォン11で音源67の後部残響音を十分に収音することができない。また、スピーカ53と客席66との距離がクリティカルディスタンス以下であると、スピーカ53から放音される直接音の方がその後部残響音よりもエネルギーが大きくなる。このときには、客席66が設置された空間に対してスピーカ53から残響音を十分に放音することができない。
ここで、FIRフィルタ43、イコライザ44、FIRフィルタ45、イコライザ46、及び加算器42によって構成される音響ループを、残響音生成ループ50と称する。
残響音生成フィルタ41は、小ホール61の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されている。すなわち、適応型音場支援装置1を設置する小ホール61の音場をシミュレートしたインパルス応答、または小ホール61において実測したインパルス応答を用いる。
残響音生成フィルタ41は、小ホール61の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されている。残響音生成フィルタ41は、スピーカ53からマイクロフォン11へ帰還する帰還音信号が除去されたマイクロフォン11の収音信号を畳み込んで、小ホール61内で発生する後部残響音を模した疑似信号を生成する。例えば、残響音生成フィルタ41は、マイクロフォン11とステージ65上の音源67との距離がクリティカルディスタンス以下となり、マイクロフォン11が収音した収音信号に残響音がほとんど含まれていない場合に、後部残響音の疑似信号を生成して付加する。一方、マイクロフォン11とステージ65との距離がクリティカルディスタンスを超えている場合には、音源67から放音される音の後部残響音の方が直接音よりもエネルギーが大きくなる。この場合には、マイクロフォン11は、音源67から放音される音の後部残響音を収音できるので、残響音生成フィルタ41の機能をオフにしておき、加算器25が出力した信号が残響音生成フィルタ41を通過するように設定する。
加算器42は、残響音生成フィルタ41から出力された信号と、FIRフィルタ45からイコライザ46を介して出力された信号と、を加算して、FIRフィルタ43へ信号を出力する。
FIRフィルタ43は、小ホール61に仮想的に併設した所定の大きさのカップルドルーム(Coupled Room)71の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されている。また、FIRフィルタ43は、残響調整部49によってフィルタ係数が設定・変更される。FIRフィルタ43は、イコライザ44を介してFIRフィルタ45及び残響音再生フィルタ47へ信号を出力する。
イコライザ44は、適応型音場支援装置1の設置時などに後部残響音の周波数特性やゲイン、各タップの時間間隔などを調整するためのものである。
FIRフィルタ45は、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づいてフィルタ係数が設定される。伝達系推定部24は、スピーカ53からマイクロフォン11へ至る音響帰還路の伝達関数を推定しており、小ホール61の音場(音響条件)が変化すると、それに応じて伝達関数を変化させる。したがって、FIRフィルタ45は、小ホール61の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されるとともに、小ホール61の音響条件が変化すると、フィルタ係数が更新される。FIRフィルタ45は、イコライザ46を介して加算器42へ信号を出力する。
なお、FIRフィルタ45には、小ホール61において実測したインパルス応答によりフィルタ係数を設定し、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づいてフィルタ係数を変更することもできる。
イコライザ46は、適応型音場支援装置1の設置時などに後部残響音の周波数特性やゲイン、各タップの時間間隔などを調整するためのものである。
ここで、本発明では、FIRフィルタ43とFIRフィルタ45をループ状に並列に接続して、FIRフィルタ43の入力側から加算器25が出力した信号が入力され、FIRフィルタ43の出力側から信号が取り出されるように構成することで、FIRフィルタ43とFIRフィルタ45との間で後部残響音を模した信号を循環させながら出力させることができる。これにより、図3(A)に示すように、オリジナル空間である小ホール61とカップルドルーム71との間で後部残響音が反響しながら、後部残響音が客席の聴取者に届いている状態をシミュレートしたものとなる。したがって、音源67が発した音が、小ホール61に連設されたカップルドルーム71と小ホール61との間で反響して発生する後部残響音を模した音をスピーカ53から放音させることができる。また、FIRフィルタ45において、後部残響音のレベル増強や残響時間の延長を行うようにフィルタ係数を設定することで、小ホール61内の空間が拡張されたように聞こえる後部残響音をスピーカ53から放音させることができる。また、FIRフィルタ43には任意のフィルタ係数を設定可能なので、フィルタ係数に応じてカップルドルーム71の音場を自由に設定することができ、小ホール61のカップルドルームとして任意の音場を設定できる。
残響音再生フィルタ47は、小ホール61の音響条件に基づくフィルタ係数が設定されている。すなわち、適応型音場支援装置1を設置する小ホール61の音場をシミュレートしたインパルス応答、または小ホール61において実測したインパルス応答を用いる。残響音再生フィルタ47は、スピーカ53と客席66との距離がクリティカルディスタンス以下となり、残響音を客席66に対して十分に放音することができない場合などに、FIRフィルタ43から出力された信号を畳み込んで、小ホール61で発生する後部残響音を模した信号を生成して出力する。一方、スピーカ53と客席66との距離がクリティカルディスタンスを超えている場合には、音源67から放音される音の後部残響音の方が直接音よりもエネルギーが大きくなる。この場合には、音源67から放音される音の後部残響音を模した音をスピーカ53から放音できるので、残響音再生フィルタ47の機能をオフにしておき、後部残響音を模した信号が残響音再生フィルタ47を通過するように設定する。
ループゲイン測定部48は、残響音生成ループ50の入力信号レベルと出力信号レベルとに基づいて、残響音生成ループ50のループゲインを測定する。そして、ループゲイン測定部48は、後部残響音生成部5のループゲインが予め設定した値となるように、イコライザ44とイコライザ46に信号を出力して設定値を調整する。また、ループゲイン測定部48は、イコライザ44とイコライザ46を調整した際に、後部残響音の模擬信号のレベルと初期反射音の模擬信号のレベルとが所定の比率となるように、初期反射音生成部4のイコライザ32を調整する。
残響調整部49は、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づいて、カップルドルーム71の音響条件を決定し、この音響条件に基づいてFIRフィルタ43のフィルタ係数を設定・変更する。例えば、オペラ公演などでステージ65上に大道具を設置した場合と、オーケストラの公演で演奏者のみがステージ65上に居る場合と、では音響条件が異なるそのため、小ホール61の音響条件(音場)の変化に応じて、カップルドルーム71の音響条件も変える必要がある。このような場合に、本発明では、残響調整部49によってFIRフィルタ43のフィルタ係数を変更し、この音場の変化に応じて後部残響音の支援信号の音響効果を調整する。
図4は、FIRフィルタによる音響効果の改善の状態を示すグラフである。残響調整部49は、図4(A)に示すように、伝達系推定部24が推定した伝達関数に対して、時間軸で指数関数ファクタをかける。これにより、FIRフィルタ43のインパルス応答特性において、残響減衰カーブの傾斜が変化するので、カップルドルーム71の平均吸音率を変更したように後部残響音の音響効果を変化させることができる。また、残響調整部49は、図4(B)に示すように、伝達系推定部24が推定した伝達関数に対して、サンプリング周期を変更する。これにより、FIRフィルタ43のインパルス応答特性は、時間軸で伸縮するので、カップルドルーム71のルームサイズ(室の容積)を変更したように後部残響音の音響効果を変化させることができる。このように、カップルドルーム71の音響条件を所望の値に設定することができる。
加算器6は、初期反射音生成部4の出力信号である初期反射音支援信号及び後部残響音生成部5の出力信号である後部残響音支援信号を加算する。そして、加算器6は、放音部7及びハウリングキャンセル部3へ両信号を出力する。
加算器6から放音部7へ出力されたディジタル信号は、D/Aコンバータ51でアナログ信号に変換される。そして、パワーアンプ52は、初期反射音を模した初期反射音支援信号及び後部残響音を模した後部残響音支援信号を増幅して、スピーカ53へ両信号を出力する。スピーカ53は、音源67から放音された音の初期反射音及び後部残響音を模した音を放音する。
次に、本発明の適応型音場支援装置1を設置時の調整動作について説明する。小ホール61に適応型音場支援装置1を設置した際に、マイクロフォン11とステージ65との距離がクリティカルディスタンス以下となる場合には、前記のように、マイクロフォン11で音源67の後部残響音を十分に収音することができない。この場合には、残響音生成フィルタ41の機能をオンにしておき、マイクロフォン11の収音信号から、音源67から放音された音の後部残響音の模擬信号を生成するように設定する。これにより、小ホール61とカップルドルーム71との間で反響して残響時間が延長され、レベルが増強された後部残響音を生成することができる。
一方、マイクロフォン11とステージ65との距離がクリティカルディスタンスを超えている場合には、音源67から放音される音の後部残響音の方が直接音よりもエネルギーが大きくなる。この場合には、音源67から放音される音の後部残響音をマイクロフォン11で収音できるので、残響音生成フィルタ41をオフにしておき、信号が残響音生成フィルタ41を通過するように設定する。これにより、マイクロフォン11で収音した後部残響音が、さらにカップルドルーム71で反響した状態、及びカップルドルーム71と小ホール61との間で反響した状態を模した後部残響音をスピーカ53から放音させることができる。
また、小ホール61に適応型音場支援装置1を設置した際に、スピーカ53と客席66の聴取者68との距離がクリティカルディスタンス以下となる場合には、前記のように、スピーカ53から後部残響音を十分に放音することができない。この場合には、残響音再生フィルタ47の機能をオンにしておき、ステージ65上の音源67から放音された音の後部残響音の模擬信号を生成して出力するように設定する。これにより、小ホール61及びカップルドルーム71で反響し、最終的に小ホール61で反響して客席66に伝搬する後部残響音を生成してスピーカ53から放音させることができる。
一方、スピーカ53と客席66の聴取者68との距離がクリティカルディスタンスを超えている場合には、音源67から放音される音の後部残響音の方が直接音よりもエネルギーが大きくなる。この場合には、音源67から放音される音の後部残響音をスピーカ53から放音できるので、残響音再生フィルタ47をオフにしておき、後部残響音支援信号が残響音再生フィルタ47を通過するように設定する。これにより、小ホール61及びカップルドルーム71で反響した後部残響音をスピーカ53から放音させて、この音を最終的に小ホール61で反響させて客席66に伝搬させることができる。
次に、FIRフィルタ31、FIRフィルタ43、及びFIRフィルタ45の周波数特性などの調整は、イコライザ32、イコライザ44、及びイコライザ46のイコライジングにより行う。このとき、音源67から放音された音、及び周囲から伝搬した残響音をマイクロフォン11で収音させて、スピーカ53から放音された初期反射音及び後部残響音を確認しながら、所望の音響効果が得られるように調整を行う。
適応型音場支援装置1では、FIRフィルタ31、FIRフィルタ43、及びFIRフィルタ45に設定するインパルス応答特性を変更・調整して、図4(A)に示すようにインパルス応答の各タップにおける残響減衰カーブの傾きを変更することで、室内空間における平均吸音率を変更したような音響効果が得られる。また、図4(B)に示すようにインパルス応答の各タップの間隔を変更することで、ルームサイズを変更したような音響効果が得られる。
例えば、FIRフィルタ43には、カップルドルーム71に相当するインパルス応答を設定するので、FIRフィルタ43に設定するインパルス応答特性を変えることで、音場を変化させることができ、後部残響音の音響特性を変化させることができる。また、FIRフィルタに実測したインパルス応答を用いることで、より自然な音を創り出すことができる。さらに、FIRフィルタ43及びFIRフィルタ45によって音響ループを人工的に創り出しているので、事前にループゲインを推定することが可能となる。したがって、従来の音場支援装置では調整に時間が必要であったループゲインの測定やイコライジングといった現場での調整作業を大幅に減らすことができる。
次に、適応型音場支援装置1の動作について説明する。適応型音場支援装置1は、ステージ65上の音源67から放音された音、周囲から伝搬した音、及びスピーカ53から放音された音(音源67から放音された音の初期反射音及び後部残響音を模した音)をマイクロフォン11で収音する。ハウリングキャンセル部3は、スピーカ53からマイクロフォン11へ至る音響帰還路の伝達関数を推定して、マイクロフォン11が収音したスピーカ53からの帰還音信号を模擬する模擬信号を生成する。加算器25は、マイクロフォン11の収音信号から、マイクロフォン11が収音した帰還信号を取り除いて、初期反射音生成部4及び後部残響音生成部5へ信号を出力する。
初期反射音生成部4は、音源67の初期反射音支援信号を生成して、加算器6へ出力する。また、後部残響音生成部5は、伝達系推定部24から出力された伝達関数に基づいて、小ホール61の音場の変化に応じて音源67の後部残響音の模擬信号を生成して加算器6へ出力する。加算器6は、音源67の初期反射音及び後部残響音を模した後部残響音支援信号をスピーカ53へ出力する。スピーカ53からは、音源67の初期反射音及び後部残響音を模した音が出力される。
以上のように、本発明の適応型音場支援装置1は、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づいて後部残響音を模した音を生成するので、室内空間の音場の変化に応じて後部残響音を模した音を変化させることができる。したがって、適応型音場支援装置の設置時に行う調整作業を大幅に削減できる。また、小ホール61の音響条件が変化しても、自動的に後部残響音や初期反射音の音響効果を変更することができるので、装置の調整時にマージンを取る必要が無く、システムの効果を向上させることができる。
また、本発明の適応型音場支援装置1では、適応フィルタ22を用いたハウリングキャンセル部3を備えているので、気温の変化や音場の変化が発生したり、ステージ65上に設置する大道具などの条件が変わったりしても、ハウリングの発生を防止できる。また、本発明の適応型音場支援装置1では、ハウリングキャンセル部3により、スピーカ53からマイクロフォン11への帰還信号を取り除くことができるので、マイクロフォンとスピーカとの距離がクリティカルディスタンス以下となる小空間であっても、ハウリングが発生することなく、既存の室内音響条件をベースに残響音の響きを豊かにすることができる。
なお、室の音響条件は、公演の開演直前や開幕時には確定する。そのため、伝達系推定部24が推定した伝達関数に基づくFIRフィルタ45の調整、及び残響調整部49によるFIRフィルタ43の調整は、公演の開演直前や幕が開いた時に一回だけ実施するように構成すると良い。
また、以上の説明では、本発明の適応型音場支援装置を小ホールに設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、音響施設やリスニングルームなど音が反響して初期反射音や後部残響音が発生する室であればどのような室でも適用可能である。例えば、本発明の適応型音場支援装置を大ホールや中ホールに設けた場合でも、わずかな調整で、初期反射音及び後部残響音の響きを豊かにすることができる。
また、以上の説明では、初期反射音生成部4及び後部残響音生成部5にFIRフィルタを用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく他のフィルタを用いても良い。例えば、IIRフィルタなどを用いることが可能である。
適応型音場支援装置の概略の配置図である。 適応型音場支援装置の概略構成を示すブロック図である。 適応型音場支援装置が生成する初期反射音及び後部残響音の状態を示す図である。 FIRフィルタによる音響効果の改善の状態を示すグラフである。
符号の説明
1−適応型音場支援装置 2−収音部 3−ハウリングキャンセル部
4−初期反射音生成部 5−後部残響音生成部 6−加算器 7−放音部
11−マイクロフォン 12−ヘッドアンプ 13−A/Dコンバータ
21−遅延回路 22−適応フィルタ 23−フィルタ部
24−伝達系推定部 25−加算器
31,43,45−FIRフィルタ 32,44,46−イコライザ
41−残響音生成フィルタ 42−加算器 47−残響音再生フィルタ
48−ループゲイン測定部 49−残響調整部 50−残響音生成ループ
51−D/Aコンバータ 52−パワーアンプ 53−スピーカ
61−小ホール 65−ステージ 66−客席 67−音源
68−聴取者 71−カップルドルーム

Claims (5)

  1. 室に設置され、音源が発した音及び周囲から伝搬する音を収音するマイクロフォンと、
    前記室の音響を支援する音を放音するスピーカと、
    前記スピーカから前記マイクロフォンへ至る音響帰還路の伝達関数を推定して、前記マイクロフォンの収音信号から、前記スピーカからの帰還音信号を除去する適応フィルタを有するハウリングキャンセル手段と、
    前記帰還音信号が除去された収音信号を畳み込み、前記音源が発した音に応じて前記室で発生する初期反射音を模した初期反射音支援信号を生成する初期反射音支援信号生成手段と、
    前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて係数が設定され、前記帰還音信号が除去された収音信号を畳み込み、前記音源が発した音が、前記室に仮想的に連設された第2の室と前記室との間で反響して発生する後部残響音を模した後部残響音支援信号を生成する後部残響音生成手段と、
    前前記初期反射音支援信号及び前記後部残響音支援信号を増幅して前記スピーカへ出力するアンプと、
    を備えたことを特徴とする適応型音場支援装置。
  2. 前記後部残響音支援信号生成手段は、前記第2の室の音響条件に基づくフィルタ係数が設定される第1のFIRフィルタと、前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づくフィルタ係数が設定される第2のFIRフィルタと、をループ状に接続してなり、
    前記第1のFIRフィルタの入力端に前記帰還音信号が除去された収音信号が入力され、前記第1のFIRフィルタの出力端から後部残響音支援信号が取り出される請求項1に記載の適応型音場支援装置。
  3. 前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて、前記第2の室の音響条件を決定し、この決定した音響条件に基づいて前記第1のFIRフィルタに対してフィルタ係数を設定する残響調整手段を備えた請求項2に記載の適応型音場支援装置。
  4. 前記残響調整手段は、前記適応フィルタが推定した伝達関数に基づいて、前記第2の室の吸音率及び容積の一方または両方を決定する請求項3に記載の適応型音場支援装置。
  5. 前記ループ状に接続された第1のFIRフィルタ及び第2のFIRフィルタのループゲインを測定し、このループゲインを予め設定した値に調整するループゲイン調整手段を備えた請求項2乃至4のいずれかに記載の適応型音場支援装置。
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