JP2006245452A - 電磁波シールド材 - Google Patents
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Abstract
【課題】伸びなどの機械的特性に優れ、しかも高周波に対する電磁波シールド性に優れた材料を提供する。
【解決手段】多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電解メッキにより、金属メッキ層を各々の面に0.5〜20μm形成してあり、表裏の通電抵抗は40mΩ以下で、引っ張り伸びは1%以上である。当該メッキ下地層はCuまたはNiを主体とする金属からなり、真空蒸着またはスパッタリングで形成される。
【選択図】 なし
【解決手段】多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電解メッキにより、金属メッキ層を各々の面に0.5〜20μm形成してあり、表裏の通電抵抗は40mΩ以下で、引っ張り伸びは1%以上である。当該メッキ下地層はCuまたはNiを主体とする金属からなり、真空蒸着またはスパッタリングで形成される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電磁波シールド材に関するものであり、より詳細には、シールド性能が著しく向上した電磁波シールド材に関する。
近年における携帯電話、パーソナルコンピュータ、電磁レンジ等の各種電子機器の普及や高性能化に伴い、電子機器のノイズ防止や電磁波の人体に対する影響防止等の見地から、電磁波シールド材が使用されている。公知の電磁波シールド材としては、金属箔や金属メッシュなど、及び金属材料を種々の形で樹脂基板中に埋設したものなどが知られている(例えば特許文献1参照)。また、電線やケーブルなどには、金属箔やCu編粗などを巻いて、シールド性を高めている。
特開平2−302098号公報
電磁波シールドを目的として盛んに金属箔が使用されているが、金属箔は、切断しやすく重い等の欠点がある。また、近年における情報技術の発展は、使用周波数帯の高周波化をもたらし、高周波に対するシールド特性のさらなる向上が求められている。上記のような金属箔を用いる場合、必ずしもその厚みを大きくすれば、シールド特性を高めることができるとは限らないどころか、金属箔の厚みの増大は、製品の厚膜化や著しい高重量化をもたらすという不都合を生じる。
したがって本発明の目的は、伸び等の機械的特性に優れていると同時に、高周波に対するシールド効果も向上した電磁波シールド材を提供することにある。
本発明によれば、多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電解メッキにより、金属メッキ層をそれぞれの面に0.5〜20μm形成してあり、表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上であることを特徴とする電磁波シールド材が提供される。
本発明においては、
1.前記金属メッキ層がCuからなること、
2.前記下地金属層が、CuまたはNiを主体とする金属からなり、真空蒸着またはスパッタリングにより形成されていること、
3.前記下地金属層が、樹脂フィルム面に形成されたNi層と、Ni層上に形成されたCu層とからなること、
4.前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、またはアラミド樹脂からなること、
5.電線用または同軸ケーブル用に使用されること、
が好適である。
1.前記金属メッキ層がCuからなること、
2.前記下地金属層が、CuまたはNiを主体とする金属からなり、真空蒸着またはスパッタリングにより形成されていること、
3.前記下地金属層が、樹脂フィルム面に形成されたNi層と、Ni層上に形成されたCu層とからなること、
4.前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、またはアラミド樹脂からなること、
5.電線用または同軸ケーブル用に使用されること、
が好適である。
概説すると、本発明においては、芯材として多数の貫通孔を有する樹脂フィルムを使用し、その樹脂フィルムの両面に、メッキ下地層を介して金属メッキ層を設け、且つ両面の金属メッキ層が電気的に接続されていることが重要な特徴であり、これにより、伸びや強度等の特性を確保しながら、特に高周波に対してのシールド性を著しく向上させることが可能となったものである。
貫通孔は、メッキ下地層を形成する前でも後でも良く、材料等を考慮して選択すれば良い。
また、貫通孔を設けると、表裏の金属層が電気的に接続される理由は貫通孔部に表裏の金属層をブリッジする様なメッキ層が形成されたためと推定される。
貫通孔は、メッキ下地層を形成する前でも後でも良く、材料等を考慮して選択すれば良い。
また、貫通孔を設けると、表裏の金属層が電気的に接続される理由は貫通孔部に表裏の金属層をブリッジする様なメッキ層が形成されたためと推定される。
後述する実施例及び比較例での実験結果を示す表1を参照されたい。即ち、実施例1は、多数の貫通孔を有する6μmの厚みの樹脂フィルム(PETフィルム)の両面に、メッキ下地層(1000Å)を介して、2μmの厚みのCuメッキ層を形成し、且つ表裏の通電抵抗(12.7mΩ)をほとんどなくし、表裏を電気的に接続しているものであり、比較例1,2は、樹脂フィルムとして、貫通孔を形成していない6μm厚のPETフィルムを使用したものであり、比較例1では、その片面にメッキ下地層を介して4μmの厚みのCuメッキ層が形成され、比較例2では、その両面にメッキ下地層を介して、2μmの厚みのCuメッキ層が形成されている。表1は、これらのシールド材について、3GHzの周波数での電界シールド性を記したものである。これらの結果から、多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面にメッキ下地層を介してCuメッキ層を形成し、表裏の通電抵抗をほとんどなくすことにより、著しくシールド性が向上することが理解される。
この原因ははっきり判らないが、樹脂フィルムの両面に金属メッキ層を形成することにより、電磁波の反射面が4面となり、反射による電磁波のシールド効果が、片面に金属メッキ層を設けた場合(反射面が2面である)の2倍に高められているばかりか、樹脂フィルムに貫通孔が形成され、この部分を介して導電ブリッジが形成され、両面の金属メッキ層が電気的に接続され、表裏通電抵抗が著しく低減されていると考えられる。このため、表裏の金属層の通電が迂回せず直になされ、電磁波の反射が効率的になされ、電磁波シールド効果が一層高められていると考えられる。
また、本発明の電磁波シールド材は、芯材として樹脂フィルムを用いているため、樹脂に特有の弾性、可撓性を示す。また多数の貫通孔は、電線等に適用した場合の破断等の不都合を有効に回避するために、1%以上の引っ張り伸びを示す様に該孔径や孔密度を選択する必要があるが、要求性能や構成条件に応じて決定すべきで、ここでは特に限定しない。
尚、本発明において、引っ張り伸びとは、テンシロンにて2mm幅でチャック間隔が10cm長のサンプルフィルムを、20mm/分の速度で引っ張り、フィルム或いは金属メッキ層が破断するまでの伸びをチャック間隔距離に対する百分率で示したものである。また、本発明でいう表裏通電抵抗とは、1cm×1cmのサイズの+端子を1.5cm×1.5cmにカットした電磁波シールド材の片面に、1cm×1cmのサイズー端子を、+端子がある位置と同位置の他の面にいずれも1kg/cm2の荷重を掛けて充分接触させて電気抵抗を測定した値である。ここでは該抵抗が1Ω以上である場合を絶縁、40mΩ以下の場合を導通しているとした。
本発明を、詳細に説明する。
本発明の電磁波シールド材は多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電気メッキにより、金属層を各々の面に、0.5〜20μm形成されてあり、表裏の金属メッキ層の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上であることを特徴としている。
本発明の電磁波シールド材は多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電気メッキにより、金属層を各々の面に、0.5〜20μm形成されてあり、表裏の金属メッキ層の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上であることを特徴としている。
表裏の金属メッキ層の通電抵抗が小さい、即ち導通しているのは電気メッキにより、孔の側面に金属層が形成され、該金属層が表裏の金属メッキ層をバイパスしている様に、電気的に接続しているためと考えられる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルムとしては、電磁波シールド材に要求される性能等によって種々の材質のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、一般的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、電子線架橋ポリエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、アラミド樹脂、アクリル酸やマレイン酸等の不飽和カルボン酸などで変性した酸変性オレフィン樹脂等が使用され、経済性、耐熱性及びCu等の下地金属層との密着性のバランスの点でポリエチレンテレフタレートが好適であり、また高耐熱性を有し、使用に際して半田等の加熱処理を伴う用途(例えば電線に使用されているCu編粗の代替)などの点では、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、アラミド樹脂が好適である。
樹脂フィルムとしては、電磁波シールド材に要求される性能等によって種々の材質のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、一般的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、電子線架橋ポリエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、アラミド樹脂、アクリル酸やマレイン酸等の不飽和カルボン酸などで変性した酸変性オレフィン樹脂等が使用され、経済性、耐熱性及びCu等の下地金属層との密着性のバランスの点でポリエチレンテレフタレートが好適であり、また高耐熱性を有し、使用に際して半田等の加熱処理を伴う用途(例えば電線に使用されているCu編粗の代替)などの点では、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、アラミド樹脂が好適である。
また、樹脂フィルムは、未延伸であってもよいし、延伸されていてもよいが、特に機械的強度を高め、高い伸び性を付与するためには、延伸されていることが好ましく、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。
また、樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、電磁波シールド材に要求される特性、例えば機械的強度、軽量性、薄膜性等に応じて、2μm〜200μmの範囲に設定されるのがよい。
さらに、樹脂フィルムに形成される貫通孔の径や数は、電磁波シールド材の引っ張り伸びが1%以上となるように、樹脂フィルムの素材や厚みに応じて定められ、特に限定するものではないが、一般的には、その径が1乃至300μm、その数密度が20乃至3万個/cm2の範囲とするのがよい。即ち、貫通孔の径や数密度が小さすぎると、前述したシールド特性向上効果が低下してしまい、また、必要以上に径や数密度を大きくすると、強度低下が大きくなってしまい、1%の引っ張り伸びを確保することが困難となったり、シールド特性向上効果が低下するおそれがある。
尚、このような貫通孔は、例えば表面に凹凸を有するロール(例えば、ダイヤモンド粉を表面に有するロール)に樹脂フィルムを通すことにより、容易に形成することができる。また、貫通孔は、予め樹脂フィルムに形成しておいてもよいし、以下に述べるメッキ下地層を形成した後に、貫通孔を形成することもできる。
(メッキ下地層)
メッキ下地層は、樹脂フィルム上に金属メッキ層を形成させるために設けられるものであり、一般的には、Cu,Ni,Ag等を主体とする金属の真空蒸着やスパッタリング等により形成される。また、導電塗料を表面に塗布することによっても形成される。
メッキ下地層は、樹脂フィルム上に金属メッキ層を形成させるために設けられるものであり、一般的には、Cu,Ni,Ag等を主体とする金属の真空蒸着やスパッタリング等により形成される。また、導電塗料を表面に塗布することによっても形成される。
本発明においては、特にCuやNiを主体とする金属によりメッキ下地層を形成することが好ましい。特にCuは、高い導電性を確保するという点で好ましく、Niは、樹脂フィルムに対して良好な密着性を示すという点で好ましい。また、、このメッキ下地層は、例えばNi層とCu層との2層の様な複層で形成されてあっても良い。
また、メッキ下地層は、表面電気抵抗が1.3Ω/cm以下であることが好ましい。表面電気抵抗が1.3Ω/cmを越えると、この上に、以下に述べる金属めっき層を形成することが容易ではなくなるからである。
なお、この表面電気抵抗とは、樹脂フィルムの両面に下地金属層が形成されている複合体を1cm幅の大きさに切り出し、このサンプルの測定面上に、1cmの間隔をおいて4mm2の面積の+端子と−端子を充分に接触させて電気抵抗を測定した値である。
メッキ下地層の厚みは、特に制限されるものではないが、一般的には、200〜2000Åの範囲であることが好ましい。この厚みが、200Å未満であると、導電性が不安定となり、金属メッキ層の形成に支障を来たすおそれがあり、また、2000Åを超えると、経済性が劣ってくるからである。
(金属メッキ層)
上記のメッキ下地層上には、電解メッキにより、金属メッキ層が形成される。金属メッキ層を構成する金属としては、Cu,Ni,Al等を挙げることができる。メッキの容易さや経済性の点からは、Cuが最も好適である。また、この電解メッキにより、樹脂フィルムの両面に位置する表裏の金属メッキ層間の抵抗は、顕著に小さく、互いに電気的に接続されている。これは該電解メッキにより、導通孔側面にも金属層がメッキされ、該側面がメッキされた導通孔が、表裏の金属メッキ層のバイパスとなっているためと考えられる。
上記のメッキ下地層上には、電解メッキにより、金属メッキ層が形成される。金属メッキ層を構成する金属としては、Cu,Ni,Al等を挙げることができる。メッキの容易さや経済性の点からは、Cuが最も好適である。また、この電解メッキにより、樹脂フィルムの両面に位置する表裏の金属メッキ層間の抵抗は、顕著に小さく、互いに電気的に接続されている。これは該電解メッキにより、導通孔側面にも金属層がメッキされ、該側面がメッキされた導通孔が、表裏の金属メッキ層のバイパスとなっているためと考えられる。
本発明において、樹脂フィルムの両面に形成されている金属メッキ層の厚みは、特に制限されるものではなく、その用途に応じて適宜の厚みとされるが、一般に、0.5〜20μmの範囲とすることが好ましい。この厚みが0.5μm未満だと、十分な電磁波シールド特性を得ることが困難となるおそれがあり、また、金属メッキ層の厚みが20μmより厚くしても、それ以上の効果を期待することができず、むしろ、経済性、軽量性等の点で不利となり、さらには、所望の引っ張り伸びを付与することが困難となるおそれも生じる。
本発明で重要なのは、樹脂フィルムに多数の貫通孔を設け、該樹脂フィルムに、メッキ下地層を介して両面に形成された金属メッキ層の表裏通電抵抗を40mΩ以下にすることにより顕著に電磁波シールド性の良好な材料が得られることである。表裏通電抵抗が40mΩを超えると十分に多孔化効果が得られなくなり好ましくない。
(電磁波シールド材)
上述した構造を有する本発明の電磁波シールド材は、優れたシールド特性を有しており、例えば3GHz以上の高周波領域においても、多孔化していず、表裏通電性がない以外は同一構成の材料に比べ、顕著に良好なシールド性を得ることができる。さらに、金属メッキ層の厚み等を考慮すれば、超高シールド材を得ることができる。
上述した構造を有する本発明の電磁波シールド材は、優れたシールド特性を有しており、例えば3GHz以上の高周波領域においても、多孔化していず、表裏通電性がない以外は同一構成の材料に比べ、顕著に良好なシールド性を得ることができる。さらに、金属メッキ層の厚み等を考慮すれば、超高シールド材を得ることができる。
また、本発明の電磁波シールド材は、電線等に適用時の破断発生を防止するには先に述べたように、引っ張り伸びが1%以上好ましくは6%以上となるように、貫通孔の径や数密度が適宜の範囲に調整されていることが必要である。
尚、貫通孔の径や数密度を大きくすると、引っ張り強度や引っ張り伸びは低下する傾向にある。また、これらをあまり小さくすると、表裏通電抵抗が大きくなり、シールド特性向上効果も低下する。従って、要求特性や樹脂フィルム等の構成材料条件に応じて、所定のシールド性や引っ張り伸びが得られるように、貫通孔の径や数密度を適宜設定すればよいわけである。また、貫通孔の中に導電塗料や導電ポリマー等の導電体を充填して表裏通電抵抗をより低く、より安定した表裏通電性を得るために行うことも有効な手段である。
また、本発明においては、上述した金属メッキ層の表面には、必要により、適当な保護樹脂皮膜を形成することにより、その酸化を防止することも可能である。
以下の実施例及び比較例において、クロストーク法によるシールド性は、以下の方法で測定した。
クロストーク法によるシールド性評価方法:
1)図1に示すように、中央部に外部導体を剥いた部分(30cm長を有す1m長のマイクロ波ケーブル1に3GHzの高周波を入力し、マイクロ波ケーブル1に近接して置かれた、前記ケーブルと同様のマイクロ波ケーブル2に乗り移った高周波の出力(P1)を測定する。
2)次に上記1)と同様にして、マイクロ波ケーブル2に15mm幅のサンプルを剥き出し部(但し、左右の外部導体はリード線で電気的に接合されている)を中心に、少なくともCu層を内側に且つ表裏の約1/3の面積が互いに重なるようにスパイラル状に剥き出し部の15cm手前から60cm長(40回巻き)巻いたケーブルに乗り移った高周波の出力(P2)を測定する。
3)下記式によりシールド効果を算出し、マイクロ波ケーブル2に巻いたサンプルのシールド性を評価する。
シールド効果(dB)=−10Log(P2/P1)
クロストーク法によるシールド性評価方法:
1)図1に示すように、中央部に外部導体を剥いた部分(30cm長を有す1m長のマイクロ波ケーブル1に3GHzの高周波を入力し、マイクロ波ケーブル1に近接して置かれた、前記ケーブルと同様のマイクロ波ケーブル2に乗り移った高周波の出力(P1)を測定する。
2)次に上記1)と同様にして、マイクロ波ケーブル2に15mm幅のサンプルを剥き出し部(但し、左右の外部導体はリード線で電気的に接合されている)を中心に、少なくともCu層を内側に且つ表裏の約1/3の面積が互いに重なるようにスパイラル状に剥き出し部の15cm手前から60cm長(40回巻き)巻いたケーブルに乗り移った高周波の出力(P2)を測定する。
3)下記式によりシールド効果を算出し、マイクロ波ケーブル2に巻いたサンプルのシールド性を評価する。
シールド効果(dB)=−10Log(P2/P1)
(実施例1)
樹脂フィルムとして、長径が平均27μmの貫通孔が150個/cm2の密度で形成された6μm厚みの二軸延伸PETフィルムを用意した。このPETフィルムの両面に、真空蒸着によって厚みが100ÅのNi層を形成し、さらにその上に厚みが900ÅのCu層を形成し、トータル厚みが1000Åのメッキ下地層を形成した。
樹脂フィルムとして、長径が平均27μmの貫通孔が150個/cm2の密度で形成された6μm厚みの二軸延伸PETフィルムを用意した。このPETフィルムの両面に、真空蒸着によって厚みが100ÅのNi層を形成し、さらにその上に厚みが900ÅのCu層を形成し、トータル厚みが1000Åのメッキ下地層を形成した。
それぞれの下地金属層上に、電解メッキにより、厚みが2μmのCuメッキ層を形成し、電磁波シールド材を作製した(Cuメッキ層のメッキ総厚;4μm)。
このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
(実施例2)
電解メッキにより、めっき下地層上に、厚みが4μmのCuメッキ層を形成した以外は、実施例1と全く同様にして、電磁波シールド材を作製した(Cuメッキ層のメッキ総厚;8μm)。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
電解メッキにより、めっき下地層上に、厚みが4μmのCuメッキ層を形成した以外は、実施例1と全く同様にして、電磁波シールド材を作製した(Cuメッキ層のメッキ総厚;8μm)。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
(実施例3)
PETフィルムの両面に、乾燥厚みで0.2μmの共重合ポリエステル系プライマー(主剤:東洋紡績(株)製バイロンUR8200、硬化剤:日本ポリウレタン(株)製コロネートL…主剤の20重量%添加)を形成後、1,000ÅのCu層を形成し、トータル厚みが1,000ÅのCu層のみからなるメッキ下地層上に電解メッキする以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得た。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
PETフィルムの両面に、乾燥厚みで0.2μmの共重合ポリエステル系プライマー(主剤:東洋紡績(株)製バイロンUR8200、硬化剤:日本ポリウレタン(株)製コロネートL…主剤の20重量%添加)を形成後、1,000ÅのCu層を形成し、トータル厚みが1,000ÅのCu層のみからなるメッキ下地層上に電解メッキする以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得た。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
(実施例4)
無貫通孔の二軸延伸PETフィルムの両面に、真空蒸着により1,000ÅのCu層を形成した後、実施例3と同様の貫通孔を開けた樹脂フィルムを使用する以外は、実施例3と同様にして電磁波シールド材を得た。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
無貫通孔の二軸延伸PETフィルムの両面に、真空蒸着により1,000ÅのCu層を形成した後、実施例3と同様の貫通孔を開けた樹脂フィルムを使用する以外は、実施例3と同様にして電磁波シールド材を得た。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
(比較例1)
貫通孔が形成されていない6μm厚の二軸延伸PETフィルムを使用し、その片面に、実施例1と同様にしてメッキ下地層(Ni層−Cu層)を形成し、さらに下地金属層上に、電解メッキにより厚みが4μmのCuメッキ層を形成した。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
貫通孔が形成されていない6μm厚の二軸延伸PETフィルムを使用し、その片面に、実施例1と同様にしてメッキ下地層(Ni層−Cu層)を形成し、さらに下地金属層上に、電解メッキにより厚みが4μmのCuメッキ層を形成した。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
(比較例2)
貫通孔が形成されていない6μm厚の二軸延伸PETフィルムを使用し、その両面に、実施例1と同様にしてメッキ下地層(Ni層−Cu層)を形成した。
それぞれの下地金属層上に、実施例1と同様にして、電解メッキにより、、厚みが2μmのCuメッキ層を形成し、電磁波シールド材を作製した(Cuメッキ層のメッキ総厚;4μm)。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
貫通孔が形成されていない6μm厚の二軸延伸PETフィルムを使用し、その両面に、実施例1と同様にしてメッキ下地層(Ni層−Cu層)を形成した。
それぞれの下地金属層上に、実施例1と同様にして、電解メッキにより、、厚みが2μmのCuメッキ層を形成し、電磁波シールド材を作製した(Cuメッキ層のメッキ総厚;4μm)。このシールド材の引っ張り伸び、表裏通電抵抗、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りである。
表1の結果から、樹脂フィルムに貫通孔が形成され、表裏導通化された実施例
1〜4の電磁波シールド材は、樹脂フィルムに貫通孔が形成されていない比較例1,2の電磁波シールド材に比して、顕著なシールド効果を示し、優れたシールド特性を有していることが判る。
1〜4の電磁波シールド材は、樹脂フィルムに貫通孔が形成されていない比較例1,2の電磁波シールド材に比して、顕著なシールド効果を示し、優れたシールド特性を有していることが判る。
本発明によれば、多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電解メッキにより、金属メッキ層をそれぞれの面に0.5〜20μm形成してあり、表裏の通電抵抗が40mΩ以下で、引っ張り伸びが1%以上であり、格段にシールド性が優れた材料が提供できる。また、電線用またはケーブル用等に使用することができる。
Claims (6)
- 多数の貫通孔を有した樹脂フィルムの両面に設けられたメッキ下地層を介して電解メッキにより、金属メッキ層をそれぞれの面に0.5〜20μm形成してあり、表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上であることを特徴とする電磁波シールド材。
- 前記金属メッキ層がCuからなる請求項1に記載の電磁波シールド材。
- 前記メッキ下地層が、CuまたはNiを主体とする金属からなり、真空蒸着またはスパッタリングにより形成されている請求項1乃至2の何れかに記載の電磁波シールド材。
- 前記メッキ下地層が、樹脂フィルム面に形成されたNi層と、Ni層上に形成されたCu層とからなる請求項3に記載の電磁波シールド材。
- 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、またはアラミド樹脂からなる請求項1乃至4の何れかに記載の電磁波シールド材。
- 電線用またはケーブル用に使用される請求項1乃至5の何れかに記載の電磁波シールド材。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007216586A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Nippon Shizai Kk | 積層両面導通フィルム |
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2005
- 2005-03-07 JP JP2005061852A patent/JP2006245452A/ja not_active Withdrawn
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