JP2006242349A - 管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】被接続管を差し込むだけで接続出来ながら、安価でシール性の高い管継手を提供することを目的とする。
【解決手段】内筒部と、内筒部の外側に被接続管の挿入部となる所定の隙間部を設けて外筒部とを備え、内筒部は外周にシール部材を有し、シール部材の外周部に拡径ガイドを有し、拡径ガイドの外周には拡径ガイドにて内径を広げた状態の渦巻きバネを有し、拡径ガイドは被接続管の挿入により渦巻きバネから離脱するものであることを特徴とする管継手とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は管継手、特に差し込むだけで被接続管を接続可能な内側シールタイプの管継手に関する。
被接続管の内周側でシールするタイプにおいて、止水性向上を目的に被接続管外周側から弾性環体で締め付ける技術は公知である。
例えば特開2002−031282号公報には図7に示すような環体を開示する。
この種の弾性環体は被接続管が挿入する隙間を確保するために環体にスリット部を形成し、何らかの拡径片を挟み込む方式をとっている。
具体的には図7にて説明すると断面C字状の締め付け環体120は図7(イ)に示すスリット121部分を拡径片122で広げた状態から、被接続管挿入時に拡径片122を取り除いて図7(ロ)に示すように被接続管101の外周を締め付けるものである
しかしその締め付け力はスリット部を有するため締め付け環体120の周方向に不均一となり、例えばA、B部分に比較して、スリット121部分とその対向部であるC、D部分での締め付け力が弱く、C、D部分からの水漏れを生じやすいという問題があった。
特開2002−031282号公報
本発明は上記技術的課題に鑑みて、内側シールタイプの管継手において外周側からの被接続管締め付け力が均一になりシール性が高い管継手の提供を目的とする。
本発明の技術的要旨は、内筒部と、内筒部の外側に被接続管の挿入部となる所定の隙間部を設けて外筒部とを備え、内筒部は外周にシール部材を有し、シール部材の外周部に拡径ガイドを有し、拡径ガイドの外周には拡径ガイドにて内径を広げた状態の渦巻きバネを有し、拡径ガイドは被接続管の挿入により渦巻きバネから離脱するものであることを特徴とする管継手とした点である。
配管接続に用いる管継手には継手本体部の一方に雄ネジ部を形成して螺合等による配管接続をし、他方に樹脂ホース等の配管部材を被接続管として差し込み接続するタイプがある。
この種の管継手において、本発明は被接続管の差し込み構造に、帯状のバネ鋼を複数回渦巻き状に巻いた渦巻きバネを用いた点に特徴がある。
渦巻きバネは弾性復元力で軸方向へ径を小さくするように締め付けるバネ作用を備えている。
この渦巻きバネを被接続管の外周に向けて縮径させるために、例えば略筒状の拡径ガイドの外周に拡径状態で、その弾性復元力で巻き付けた状態で取り付ける。
拡径ガイドは、その筒状の内側に被接続管を挿入させるように隙間部に配設し、拡径ガイドに被接続管の挿入に伴い押し込まれる突当部を備えて、被接続管を挿入すると渦巻きバネの内側から拡径ガイドを離脱させるようにする。
拡径ガイドが離脱すると、渦巻きバネの帯状部分は弾性復元力で外周を短くするように周方向に摺動して渦巻きバネを縮径させて被接続管を締め付けるため、従来の締め付け環体のように縮径時の変形しろとしてのスリットを周方向の一部に設ける必要がなく、締め付け力を均一にすることができる。
渦巻きバネは、巻き付けている拡径ガイドをシール部材の外周部に配設して、拡径ガイドが離脱した時に被接続管をシール部材に向けて締め付けて、被接続管の内周とシール部材とを密着させるようにする。
この渦巻きバネに、滑り止め部を少なくとも最も内側の内周面に備えると、被接続管との間に強い摩擦力を生じさせて、被接続管を渦巻きバネで係止出来る。
この渦巻きバネを被接続管の抜け方向にずれないように外筒部に係止することで、被接続管の抜け止めに出来る。
滑り止めとしては、例えば貫通孔のような凹みが考えられる。
本発明に係る管継手は、内側シールタイプの管継手において、被接続管の外周側からシール部材に向けて押圧する渦巻きバネを拡径ガイドに巻き付けて、被接続管の挿入により拡径ガイドが渦巻きバネ内側から離脱するように配置した。
渦巻きバネは従来のスリットを備えた締め付け構造に比較して均一に外周を押圧する。
渦巻きバネに被接続管の滑り止め部を設けると、渦巻きバネの被接続管の抜け防止効果を大きく出来る。
図1は管継手の実施例の片側断面と外筒部内部を表した説明図を示す。
図1(イ)は樹脂ホース等の被接続管の接続前の状態を示し、図1(ロ)は被接続管の接続状態を示す。
管継手10aは、金属製で例えば銅合金製等の継手本体部11に筒状の内筒部12を形成し、内筒部12の反対側に内筒部12と連通させた接続雄ネジ部14を備えている。
内筒部12には凹周溝12aを設けて、この凹周溝12aにシール部材としてOリング16を嵌め込んでいる。
そして本体部11には内筒部12外側に、円筒状の空間で被接続管を挿入する隙間部15を形成するように、筒状の外筒部13をネジ連結で取り付けている。
隙間部15には挿入口18aから見た奥側に透明筒状スペーサー17を備え、その手前側のOリング16の外周部分に円筒状の拡径ガイド30を備え、拡径ガイドの外筒部側に渦巻きバネ20を備えている。
渦巻きバネ20は拡径ガイド30の円筒体部分であるバネ規制筒部31の外筒部13側にその弾性復元力で巻き付けて装着している。
渦巻きバネ20と拡径ガイド30の実施例の説明図を図2に示す。
図2(イ)は拡径ガイド30に渦巻きバネ(ぜんまい)20を取り付ける状態を表している。
渦巻きバネ20は、帯状のばね鋼などのバネ用素材からなる帯部22を渦巻き状に加工したものでバネの巻き中心方向に対して、渦巻きバネ20の穴21を拡げ拡径となる矢印Aに示す変形に対して、それに抗して矢印B方向に縮径し、穴21を縮めるように弾性復元力が働く。
拡径ガイド30は円筒体状のバネ規制筒部31の奥側の開口端31aを、内側にフランジ状に延出させて管突当部32を形成している。
バネ規制筒部31の径は、内側に被接続管先端部1aを挿入可能で、透明筒状スペーサー17と内筒部12との間の管挿入部18へ挿入可能な大きさとしている。
渦巻きバネ20は矢印A方向に押し広げて渦巻きバネの穴21を拡径させた状態で拡径ガイド30のバネ規制筒部31に図2(ロ)に示すように巻き付けにより取り付ける。
すると渦巻きバネ20には渦巻きバネの穴21を拡げたことにより矢印B方向に縮径する弾性復元力が働く。
図2(ロ)の状態では渦巻きバネ20はその弾性復元動作が拡径ガイドに規制された仮保持状態となっている。
この仮保持状態は、拡径ガイド30が渦巻きバネ内側の穴21から離脱することで解除される。
仮保持が解除となると渦巻きバネ20の穴21は矢印B方向に縮径する。
渦巻きバネ20は巻き付けによりバネ規制筒部31に取り付けているためその巻き中心が、円筒体状のバネ規制筒部31の軸、管突当部32の内周縁部32aの軸と同軸となっている。
渦巻きバネ20は図1に示すように、隙間部15の管挿入口18a部分の外筒部13が内側に突出した突部13bと、透明筒状スペーサー17との間に挟んで取り付けている。
隙間部15にはまた、管挿入口18aから透明筒状スペーサー17と内筒部12との間の隙間へ通じる、被接続管1を挿入するための管挿入部18を形成している。
この管挿入部18は、拡径ガイド30部分はバネ規制筒部31とOリング16間を通っている。
そして、この管挿入部18へバネ規制筒部31の奥側の開口端31aから管突当部32が突出している。
渦巻きバネ20は被接続管1の接続時にOリング16に向けた被接続管の締め付け動作を可能とするように、Oリング16の外周を周状に取り囲むように配設している。
図3は渦巻きバネ20が被接続管1の外周面1cをOリング16に向けて締め付ける状態の要部説明図を示す。
図3ではわかりやすくするため外筒部等を図示省略し要部のみを描いている。
図3(イ)は被接続管の接続前の状態を表し、図1(イ)に対応している。
拡径ガイド30はバネ規制筒部31をOリング16外周部分の管挿入部18を囲むように配置しているため、被接続管1を管挿入部18に挿し込むと被接続管先端1bがバネ規制筒部31に挿入し、管突当部32に突き当たる。
拡径ガイド30は渦巻きバネ20の弾性復元力に抗して渦巻きバネの穴縁部21aを管挿入部18外側位置まで拡げて仮保持している。
よって被接続管1は管挿入口18aから先端1bが拡径ガイド30の管突当部32に当たるまでスムーズに管挿入部18に挿入出来る。
更に被接続管を挿入すると、挿入に伴い被接続管先端1bが管突当部32を押し込む。
渦巻きバネ20は、隙間部15奥側への移動を透明筒状スペーサー17で規制されているが、拡径ガイド30は透明筒スペーサー17の内側に沿って摺動可能であるため、被接続管1の先端1bが管突当部32を押し込むと拡径ガイド30は渦巻きバネ20の穴21から奥側に押し出され、渦巻きバネ内側から離脱する。
そして、渦巻きバネ20の穴縁部21aの仮保持が解除される。
図1(ロ)、図3(ロ)は被接続管1が拡径ガイド30を渦巻きバネ穴21から押し出した被接続管の接続状態を示す。
渦巻きバネ穴21から拡径ガイド30が離脱することで、渦巻きバネ20が内筒部12側へ向けてその外周を短くするように、図2(イ)における帯部22を周方向に摺動させて矢印Bのように縮径し、バネ作用によって被接続管外周面1cを周状に押圧する。
渦巻きバネ30の弾性復元力による縮径の方向はOリング16方向で、従来のようにスリットを設けていないため、Oリング16と被接続管1との接触部分に向けて均等に被接続管1の外周面1cを締め付ける。
渦巻きバネ20はOリング16に沿って配設しているため、被接続管1の内周面1dがOリング16に向けてOリング16に沿って押圧される。
これにより被接続管に通水し、内圧がかかり管がふくらむのを抑え、内径シールを確実に維持する。
また、渦巻きバネは被接続管の断面形状に合わせて変形しながら締め付け可能であるため、被接続管の断面形状が例え真円でない場合においても周方向に均等に被接続管をシール部材に向けて締め付けて止水効果を得ることが出来る。
挿入した被接続管1の挿入状態は図1(ロ)に示すように透明な筒状スペーサー17を通し、外筒部13の確認用の開口窓13aから見て確認出来るため、挿入不良を防止出来る。
図1に示す管継手の実施例では被接続管を係止するためのロック環40を管挿入口18a部分に取付用の袋ナット41を外筒部13へ螺合させることで取り付けている。
ロック環の実施例を図6に示す。
ロック環40はばね鋼などのばね用素材からなり、内向きの係止爪40aを内周に周状に備えている。
係止爪40aは奥側へ向けて傾斜させて、被接続管1の外周面1cに奥向きに先端40bを食い込ませることで図1(ロ)のように被接続管を係止する。
一方渦巻きバネ20は、被接続管1を締め付けることから管継手10aからの被接続管1の抜け止めとしても作用する。
そこで、渦巻きバネには図5に示すように被接続管との間の摩擦を増大させる滑り止めとしての貫通孔24等を被接続管へ当接する内周面23部分に設けても良い。
この滑り止めは帯部22全体に設けても良いが、強度や渦巻きバネの収縮性から少なくとも最も内側の内周面に設ければ良い。
渦巻きバネの被接続管抜け止め機能を強くすると、一つの渦巻きバネで被接続管と管継手との間の止水性向上と被接続管の係止を行えるため、コスト低減効果がある。
図4にはロック環を備えない場合の管継手の実施例を示す。
本発明に係る管継手の実施例の片側断面と外筒部内部を表した説明図を示す。 渦巻きバネと拡径ガイドの説明図を示し、(イ)は分解した状態を示し(ロ)は拡径ガイドに渦巻きバネを巻き付けた状態を示す。 渦巻きバネが被接続管を締め付ける状態の説明図を示す。。 ロック環を備えない管継手の実施例の説明図を示す。 滑り止めを備えた渦巻きバネを示す。 ロック環の側面図を示す。 従来の締め付け環体の説明図を示す。
符号の説明
1 被接続管
1a 被接続管先端部
1b 被接続管先端
1c 被接続管外周面
1d 被接続管内周面
10a、10b 管継手
11 継手本体部
12 内筒部
12a 凹周溝
12b 内筒部外周面
13 外筒部
13a 確認用の開口窓
13b 突部
14 接続用雄ネジ部
15 隙間部
16 Oリング(シール部材)
17 透明筒状スペーサー(透明カバー)
18 管挿入部
18a 管挿入口
20、20a 渦巻きバネ(ぜんまい)
21 渦巻きバネ穴
21a 渦巻きバネ穴縁部
22 帯部
22a 帯部内方端
23 内周面
24 貫通孔(滑り止め))
30 拡径ガイド
31 バネ規制筒部(拡径ガイド円筒体)
31a バネ規制筒部開口端(拡径ガイド円筒体開口端)
32 管突当部
32a 管突当部内縁部
40 ロック環
40a 係止爪
40b 係止爪先端
41 袋ナット

Claims (2)

  1. 内筒部と、内筒部の外側に被接続管の挿入部となる所定の隙間部を設けて外筒部とを備え、内筒部は外周にシール部材を有し、シール部材の外周部に拡径ガイドを有し、拡径ガイドの外周には拡径ガイドにて内径を広げた状態の渦巻きバネを有し、拡径ガイドは被接続管の挿入により渦巻きバネから離脱するものであることを特徴とする管継手。
  2. 渦巻きバネは少なくとも最も内側の内周面に滑り止め部を有していることを特徴とする請求項1記載の管継手。
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