JP2006241055A - 抗うつ剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 天然資源(植物)であるオケラやホソバオケラの抽出物を種々のストレッサーに起因するストレス、特にうつを解消(抗うつ作用)することができる、新しい抗うつ剤を提供する。
【解決手段】 オケラ(白朮)およびホソバオケラ(蒼朮)のうち少なくともいずれかから抽出される抗うつ作用を有する精油抽出物を有効成分として含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗うつ剤に関するものである。
日本の現代社会は、職業上の不安、高齢化や健康上の不安、機械化・コンピューター化等に伴う情報過多による混乱・適応障害等、種々のストレスに溢れた社会である。そして、これらストレスを起因とする、うつ病や神経症、心身症、動脈硬化、高血圧、脳血管障害等の生活習慣病の発症が重大な問題となってきている。
こうしたストレスに対処することを目的として、近年、日本でも、花や木等の植物を由来とする天然の香りの発する精油や、お香で嗅覚を刺激して、ストレスを解消したり心身をリラックスしたりする「アロマセラピー」が普及してきており、愛好家の数も年々増えてきている。このアロマセラピーで利用される精油は、大半が伝統的に西洋で用いられてきたものであるが、香りに対する嗜好性(快・不快感)は民族の伝統や生活様式によって異なることが知られており、必ずしも日本人の嗜好に合致するものではない。
そこで、アロマセラピーで利用される精油の成分そのものを有効成分として用いることで、民族の伝統や生活様式によって異なる香りに対する嗜好性を問わずに、ストレスを解消し、たとえば、抗ストレス活性や抗うつ活性等の効果を実現できる薬剤についての研究が行われているが、そのほとんどが副作用を有する(たとえば、イミプラミン(imipramine)では排尿困難や幻覚等の副作用を、アモキサピン(amoxapine)では自律神経系症状、口渇、便秘、めまい等の副作用を、マプロチリン(maprotiline)では口渇、便秘、血圧降下、言語障害等の副作用を有する)。そこで、一般に副作用が少ないといわれる天然資源を由来とするものとして、たとえば、シソ植物を用い、これから抽出される抽出成分を有効成分とした、抗うつ剤が提案されている(特許文献1)。
ところで、日本人に馴染み深く、また、京都祇園の八坂神社等で行われる伝統行事に欠かせない天然資源(植物)のオケラ(白朮)は、漢方では、利尿薬や芳香健胃薬等に利用されており、また、オケラ(特に根部)には、豊かな芳香性を有している。そのほかにも、オケラの抽出エキスに加え、トチノキおよびヒバから得られる抽出エキスを配合することを特徴とする口腔用組成物等が提案されている(たとえば、特許文献2)。
特開2002-275061号公報 特開05-213728号公報
しかしながら、オケラから抽出される抽出成分(香気成分)について、自律神経調整機能(すなわち、ストレスやうつ等の解消)を有するか否かは科学的に明らかにされてもいないし、したがって、抗うつ剤の開発にも至っていないのが実状である。
そこで本発明は、以上のとおりの背景から、発明者の鋭意研究のもと、天然資源(植物)であるオケラ(白朮)はもちろん、ホソバオケラ(蒼朮)から抽出される抽出成分が自律神経調整機能を有することを解明し、この解明結果に基づいて、オケラ、ホソバオケラの抽出成分を種々のストレッサーに起因するストレス解消、特にうつ病等に利用できる、新しい抗うつ剤を提供する。
本発明は、上記の課題を解決する手段として、第1には、オケラ(白朮)およびホソバオケラ(蒼朮)のうち、少なくともいずれかから抽出される抗うつ作用を有する精油抽出物を有効成分として含有することを特徴としており、第2には、薬理学的成分を含有することを特徴としている。
本発明によれば、天然資源(植物)であるオケラやホソバオケラの抽出物を種々のストレッサーに起因するストレス、特にうつを解消(抗うつ作用)することができる。
本発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
本発明の抗うつ剤の有効成分は、漢方で利尿薬や芳香健胃薬等に利用され、また、特に根部に豊かな芳香性を有することで知られている天然資源のオケラ(生薬名:白朮、学名:Atractylodes japonica)またはホソバオケラ(生薬名:蒼朮、学名:Atractylodes lancea)を由来としている。つまり、オケラおよびホソバオケラのうち少なくともいずれかから抽出される抽出物であり、抗ストレス作用、特に抗うつ作用を有している。この抽出物を有効成分として含有することを特徴としている。なお、抽出方法にもよるが、通常、本発明における抽出成分は、揮発性を有する精油(エッセンシャルオイル)の状態で抽出される。
本発明における抽出方法は、水蒸気蒸留による抽出やアルコールによる抽出、熱水抽出分離による抽出、また、ヘキサン抽出や超臨界二酸化炭素抽出等、各種の公知の抽出方法を使用することができる。すなわち、たとえば、本発明の抗うつ剤の有効成分である抽出物は、抽出の対象として植物体部分(根部等)を必要に応じて、乾燥して粉砕した後、水(熱水を含む)または有機溶媒、あるいは、これらの2種以上の混合溶媒を用い、通常、加熱処理または加圧処理もしくは加熱加圧処理を行って抽出する。抽出の際の、抽出溶媒の温度としては、通常、3〜100℃である。これらの抽出物は、そのまま、あるいは希釈もしくは濃縮、または乾燥して使用することができる。
抽出溶媒としては、一般的に精油成分の抽出に用いられるものであれば特に制限されるものではない。たとえば、石油エーテル、シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エーテル、ブタノール、n−プロパノール、エタノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、ヘキサン、ピリジン等の有機溶媒、オリーブ油や綿実油等の油脂、超臨界二酸化炭素等、いずれを用いてもよい。特に、ヘキサン、超臨界二酸化炭素は、精油成分の抽出によく用いられている。ヘキサンで抽出する場合は、たとえば、原料である試料にヘキサンを加え、超音波発生器を用いて、50℃で1時間抽出する(加熱超音波処理)。次いで、得られた抽出物を濾布(ミラクロース:ヘキスト社製)で濾過し、抽出液を採取すると同時に、抽出残渣を再び超音波発生器を用いて、50℃で1時間抽出する(2回目の加熱超音波処理)。この操作を3回繰り返し、得られた抽出液を合わせ、エバポレーターを用いて減圧下で濃縮することにより精油成分を得ることができる。なお、加熱超音波処理の代わりに、室温で一晩の攪拌抽出でもよい。
なお、用いる溶媒を変更すれば、極性や沸点の違い等により、不純物の除去等が可能となって、より純度の高い精油を得ることも可能である。
また、熱水抽出分離について説明すると、オケラおよびホソバオケラの少なくともいずれかを原料として、これを好ましくは粉末形態で用い、気体あるいは液体状態の加圧熱水(必要に応じて、抽出速度を上げるために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ等が添加されてもよい)での抽出分離処理を行ってもよい。つまり、加圧熱水(「亜臨界水」ともいい、一般に飽和蒸気圧以上に加圧された、100℃以上の液体状態の熱水)抽出分離で抽出してもよい。
この加圧熱水抽出分離についてさらに詳細に説明すると、適当に粉砕された、オケラおよびホソバオケラの少なくともいずれかを試料とし、試料が流出しないようメッシュ等でカバーした抽出容器内に充填し、これに圧力解放下で高温の熱水を接触させて抽出を行う。この際に負荷する圧力は、熱水が完全な液体状態となるように蒸気圧以上の加圧、好ましくは0.5〜2 MPa程度でよい。熱水の温度は、100℃以上であることが好ましい。
この様にして得られた、本発明の抗うつ剤は、一般に副作用が少ないといわれている天然資源(植物)を由来とし、種々のストレッサーに起因するストレス、特にうつを解消(抗うつ作用)することができる。本発明の抗うつ剤は、この様に抗ストレス作用、特に抗うつ作用を有することから、ストレスを起因とする疾病、特にうつ病等の改善や予防、治療に効果を発揮する。
また、本発明の抗うつ剤は、薬理学的成分を含んだ製剤としてもよい。特に、ヒトに投与する場合、薬理学的成分を含ませることで、抗ストレス作用、特に抗うつ作用をより効率よく発揮させることができ、しかも、服用しやすくなるため好ましい。
上記のとおりの特徴を有する本発明の抗うつ剤を動物に投与すると、動物の抗ストレス活性はもちろん、特に抗うつ活性を増強させることができる。これにより、種々のストレッサーに起因する動物のストレスを解消(もしくは緩和)することができ、ストレスによる各種疾病、特にうつ病の改善や予防、治療することができる。
なお、本発明の抗うつ剤の投与対象である動物は、たとえば、ニワトリ等の鳥類、トカゲ等の爬虫類、カエル等の両生類、ゼブラフィッシュ等の魚類、さらにヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ネズミ(マウス)、ウマ等の哺乳類等が挙げられ、特に哺乳動物であることが好ましい。さらにまた、種々のストレッサーの影響を受け、ストレスによる種々の生活習慣病(特に、うつ病)が数多くの人たちに発症して社会問題となっていることを考慮すると、哺乳動物はヒトであってもよい。
上記の「薬理学的成分」とは、通常の薬剤製造に用いられる各種の担体を指す。「担体」は、利用目的等や薬剤の投与形態に応じて広い範囲から適宜に選択できる。たとえば、経口投与や注射による投与等が挙げられる。経口投与では、懸濁剤やシロップ剤のような液体調整物(水、シュクロース、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール等のグリコール類、ごま油や大豆油等の油類、また防腐剤やペパーミント、ストロベリー等の各種フレーバー等から調整・製剤される)として、また散剤、丸剤、カプセル剤や錠剤(ラクトース、グルコース、マンニトール等の賦形剤、デンプン等の崩壊剤、マグネシウムステアレート等の潤沢剤、ゼラチン等の結合剤、また表面活性剤、可塑剤等から調整・製剤される)として投与することができる。また、注射による投与には、局所注入、腹腔内投与、選択的静脈注入、静脈注射、皮下注射、臓器灌流液注入等の方法が選択することができる。
注射用の溶液は、塩溶液、グルコース溶液、または塩水とグルコース溶液の混合溶液、各種の緩衝液等からなる担体を用いて製剤化することができる。また粉末状態で製剤化して、使用時に前記の注射用溶液担体と混合して注射液を調整してもよい。「投与量」としては、本発明の抗うつ剤としての効果を発揮する量であれば、特に限定しないが、たとえば、マウスであれば体重1 kgに対して1回の投与当たり、0.01〜30 mg/kgの範囲が好ましい。
こうして調製した製剤の用量は、たとえば、ヒトの場合では、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜増減することができるが、投与されたヒトを含む動物で薬理学的に有効なレベルを達成できる量とする必要がある。
そして、本発明の抗うつ剤は、上記のとおり豊かな芳香性を有するオケラ、ホソバオケラを由来としていることから、アロマテラピー等に活用できる芳香剤としても利用することができる。
また、本発明の抗うつ剤の有効成分は、化粧品に含有させることもできる。このような化粧品類としては、たとえば、洗顔料、乳液、化粧水、クリーム類(スキンクリーム等)、ヘアケア製品(シャンプーやリンス、コンディショナー等)等が例示できる。そして、このような化粧品類には、適宜に、その他の香料や保湿剤、防腐剤、美白剤等を配合してもよい。
もちろん、本発明抗うつ剤の有効成分は、食品に含有させることもできる。マーガリン、植物性油等の油脂類をはじめ、米飯類、菓子類、麺類、カマボコ・チクワ等の水産練り製品、ハム・ソーセージ等の畜肉加工品、清涼飲料・果実飲料等の飲料類、マヨネーズ、ドレッシングや味付け調味料等の調味料等が例示することができる。
以下に、本発明の抗うつ剤の実施例を示して、さらに詳細、かつ、具体的に説明する。もちろん、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
1.オケラおよびホソバオケラからの精油の抽出
抽出原料であるオケラおよびホソバオケラそれぞれを試料とし、これらから公知の抽出方法である、水蒸気蒸留によりそれぞれの精油(オケラの精油およびホソバオケラの精油)を抽出した。なお、抽出の際には、たとえば、エッセンシャルオイル抽出装置(有限会社東京製作所)もしくは冷却器の冷却機能を強化した同等品を用いて、精油を抽出してもよい。また、オケラおよびホソバオケラを混合して同時に抽出してもよい。
図1に、本発明における抽出装置を一例として模式図を例示した。この図1に沿って、抽出手順を以下に、概略的に説明する。
<1>左側の本体に水500mlを入れ、メッシュ板を設置し、その上に抽出原料の試料としてオケラ500g(またはホソバオケラ500g)を詰めた。
<2>右側の冷却器に冷却水を入れた。
<3>ヒーターの電源を入れ、水を沸騰させると、水の蒸気は、試料(オケラ、ホソバオケラ)と連結管を通り、冷却器で冷やされ、分液ロートに蒸留水と精油が抽出された。
<4>冷却水が熱くなったら、排水口から排水し、氷と水を入れて冷却効率を高めた。
<5>分液ロートに蒸留水が溜まってきたらバルブを開け、上澄みにある精油を落とさないようにして、蒸留水だけを下の蒸留水用容器に排出した。
<6>残った精油を別の精油用容器に抽出、採取した。
したがって、温度は水蒸気(100℃)で、pHは中性、時間は3〜4時間程度、分液ロートで蒸留物中の非水溶性である有機層(上層)を採取した。この有機層は、蒸留可能な揮発性のオイル成分(すなわち、精油)である。
なお、他の抽出方法として、ヘキサンで抽出する場合は、たとえば、オケラ500gにヘキサン10Lを加え、超音波発生器(Ultrasonic Cleaner, Model SUP-20:柴田(株)社製)を用いて、50℃で1時間抽出する。これを濾布(ヘキスト社製、ミラクロース)で濾過し、抽出液を採取すると同時に、抽出残渣を再び超音波発生器を用いて、50℃で1時間抽出する。この操作を3回繰り返し、得られた抽出液を合わせ、エバポレーター(東京理化器械社製)を用いて減圧下で濃縮することにより精油成分を得ることができる。また、加熱超音波処理の代わりに、室温で一晩の攪拌抽出してもよい。
2.オケラおよびホソバオケラの精油の動物投与
投与対象の動物は、マウス(日本チャールズリバー社:マウスICR/crj オス、6週齢)を用い、ストレスを付加させるため、マウスに強制遊泳試験を行った。また、陽性対象として、抗うつ剤であるイミプラミン(Imipramine)を使用した。
実験結果を示したいずれのグラフ図(図2〜図5)も、平均±SEM(N=4〜8)の値を示し、有意検定の結果を、米印一つ(*)はP<0.05で、米印二つ(**)はP<0.01で、米印三つ(***)はP<0.001で示した。また、図中の「IMP30」は抗うつ剤のイミプラミン(30mg/kg)の腹腔内投与群を、「VEH」は強制遊泳ストレス負荷群(本発明の抗うつ剤の投与無し)を、「VEH-STR」は強制遊泳ストレス負荷無し群を示している。
なお、陽性対照として用いた抗うつ剤(IMP30)は、腹腔内投与30mg/kgで、約70%の抗うつ作用(抗ストレス作用)を示した。
(1)腹腔内投与による抗うつ作用の検討
強制水泳試験を行ったマウスに、0.01 mg/kg、0.03 mg/kg、0.1 mg/kg、0.3 mg/kgの抗うつ剤(オケラ(白朮)の精油)を腹腔内投与し、結果を図2に示した。また、0.1 mg/kg、0.3 mg/kg、1 mg/kg、3 mg/kgの抗うつ剤(ホソバオケラ(蒼朮)の精油)を腹腔内投与した結果は、図3に示した。
図2および図3に示したとおり、本発明の抗うつ剤は、オケラおよびホソバオケラいずれの由来でも、顕著な抗ストレス作用、すなわち抗うつ作用を示した。特に強い活性を示した抗うつ剤においては、0.01〜0.1mg/kgの範囲において用量依存的な抗ストレス作用(抗うつ作用;抑うつ行動の抑制)を示し、0.1mg/kgでは抗うつ剤無処理群(VEH)に比べ40.9%の統計的に有意な改善が認められた。
(2)経口投与による抗うつ作用の検討
上記(1)と同様に、強制水泳試験を行ったマウスに、1 mg/kg、3 mg/kg、10 mg/kg、30 mg/kgの抗うつ剤(オケラの精油)を経口投与し、結果を図4に示した。
図4に示したとおり、1〜30mg/kgの範囲において用量依存的な抗ストレス作用、特に抗うつ作用を示し、30mg/kgでは46.3%の統計的に有意な抗ストレス作用、特に抗うつ作用を示した。
(3)経口投与による血中セロトニン量への影響の検討
セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリン等の神経伝達物質の情報をコントロールし、精神を安定させる作用がある。このセロトニン量が不足すると、うつ病になりやすい等といった指摘がなされている。そこで、抗うつ剤(オケラの精油)の、血中におけるセロトニン量(ng/ml)に対する影響を検討した。
結果は、図5に示したとおりであった。マウスに強制遊泳試験を行い、ストレスを与えると、血中セロトニン量は顕著に減少した(VEH参照)。一方、強制遊泳試験によるストレス負荷の無い群(VEH−STR)の血中セロトニン量は、VEHと比べ明らかに多いことが確認できた。
そして、VEHに抗うつ剤(オケラの精油)を経口投与(1 mg/kg、3 mg/kg、10 mg/kg、30 mg/kg)すると、用量依存的に血中セロトニン量の回復効果を示した。特に、30mg/kg経口投与群では、陽性対照群の30mg/kgイミプラミン腹腔内投与群(IMP30)と同等のレベルにまで回復した。
以上の結果から、日本人に馴染み深く、また、京都祇園の八坂神社等で行われる伝統行事に欠かせない、豊かな芳香性を有する天然資源であるオケラやホソバオケラから、従来の化学合成等で得る抗うつ剤と同等以上の抗ストレス作用(特に、抗うつ作用)を発揮する抽出物(すなわち、抗うつ剤)を得ることできることが確認できた。
本発明において利用できる抽出装置の一例を例示した模式図である。 マウス強制遊泳試験における、本発明の抗うつ剤(オケラの精油)腹腔内投与(0.01 mg/kg、0.03 mg/kg、0.1 mg/kg、0.3 mg/kg)による抗うつ作用の検討結果を示した図である。 マウス強制遊泳試験における、本発明の抗うつ剤(ホソバオケラの精油)腹腔内投与(0.1 mg/kg、0.3 mg/kg、1 mg/kg、3 mg/kg)による抗うつ作用の検討結果を示した図である。 マウス強制遊泳試験における、本発明の抗うつ剤(オケラの精油)経口投与(1 mg/kg、3 mg/kg、10 mg/kg、30 mg/kg)による抗うつ作用の検討結果を示した図である。 マウス強制遊泳試験における、本発明の抗うつ剤(オケラの精油)経口投与(1 mg/kg、3 mg/kg、10 mg/kg、30 mg/kg)による血中セロトニン量への影響の検討結果を示した図である。

Claims (2)

  1. オケラ(白朮)およびホソバオケラ(蒼朮)のうち、少なくともいずれかから抽出される抗うつ作用を有する精油抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗うつ剤。
  2. さらに薬理学的成分を含有する請求項1記載の抗うつ剤。
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