JP2006240354A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブレーキアシスト機能を有する車両において、緊急ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキ操作子を強く操作できる運転者に対して、必要以上に大きな制動力を発生させないこと。
【解決手段】 車両用ブレーキ制御装置Sにおいて、制御ユニット10は、2種類のブレーキアシスト量を設定しておき、ブレーキ操作子の操作履歴から運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別している場合に、緊急ブレーキ操作がなされたときは、弱いほうのブレーキアシスト量に基いてブレーキアシスト制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両用ブレーキ制御装置Sにおいて、制御ユニット10は、2種類のブレーキアシスト量を設定しておき、ブレーキ操作子の操作履歴から運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別している場合に、緊急ブレーキ操作がなされたときは、弱いほうのブレーキアシスト量に基いてブレーキアシスト制御を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ブレーキアシスト機能を有する車両用ブレーキ制御装置に関する。
従来から、車両において、緊急ブレーキが必要なときに通常時よりも大きな制動力を発生させる、いわゆるブレーキアシスト機能に関する技術が用いられている。このブレーキアシスト機能は、特に、ブレーキ操作子を強く操作できない運転者、たとえば、ブレーキペダルを強く踏めない運転者(以下、弱運転者)にとって有効である。
たとえば、ABS(Anti-lock Brake System)を搭載した車両の場合、緊急時に、ブレーキペダルを強く踏める運転者(以下、強運転者)であれば、ブレーキ液圧がタイヤのロック圧を超えるほど強くブレーキペダルを踏むことで、ABSによる最大の制動力を得ることができる。しかし、弱運転者の場合、ブレーキペダルを踏む力が弱いため、ブレーキアシスト機能がないと、ブレーキ液圧をタイヤのロック圧以上にすることが困難である。
そこで、ブレーキ液圧をコントロールするECU(Electronic Control Unit)などの制御ユニットが、緊急ブレーキ操作を検知した場合にブレーキアシスト機能を使用することで、ブレーキ液圧をタイヤのロック圧以上にしてABSを作動させ、それにより、弱運転者であっても、緊急時に最大の制動力を得ることができる。
なお、一般的に、緊急ブレーキ操作は、通常ブレーキ操作よりも高速で行われるものである。したがって、たとえば、ブレーキペダルの操作速度によって、通常ブレーキ操作と緊急ブレーキ操作とを、ある程度区別することができる。つまり、ブレーキペダルの操作速度が所定値よりも高速である場合に、緊急ブレーキ操作があったと判定すればよい。
しかし、この判定方法では、強運転者が速やかに行った微小時間の通常ブレーキ操作を緊急ブレーキ操作とみなしてしまい、不要に大きな制動力が発生してしまうことがあった。
しかし、この判定方法では、強運転者が速やかに行った微小時間の通常ブレーキ操作を緊急ブレーキ操作とみなしてしまい、不要に大きな制動力が発生してしまうことがあった。
そこで、特許文献1の技術によれば、ブレーキペダルの操作速度のほかに、ブレーキペダルの操作量も、緊急ブレーキ操作の判定材料とすることで、緊急ブレーキ操作か否かの判定の精度を向上させている。また、ブレーキペダルの操作速度あるいは操作量が所定値よりも大きいときには運転者が強運転者であると判別し、ブレーキアシスト機能を実行させないことで、強運転者にとって必要以上に大きな制動力の発生割合を減少させることができる。
さらに、別の技術として、ブレーキペダルの操作量の履歴から強運転者/弱運転者を判別して、強運転者の場合にはブレーキアシスト機能を実行させにくく、弱運転者の場合にはブレーキアシスト機能を実行させやすくする学習機能付ブレーキアシスト機能も実現されている。つまり、履歴の統計値から強運転者と判別された場合には、ブレーキアシスト機能を実行するための条件であるブレーキペダルの操作速度や操作量のしきい値を高くしておくことで、強運転者のときにブレーキアシスト機能が実行される確率を減少させることができるのである。
特開平9−272418号公報
しかしながら、前記のいずれの技術においても、強運転者/弱運転者の判別が完全である保証はない。たとえば、弱運転者がたまたま強くブレーキペダルを踏めたり、また、運転者が途中で交替していたりすることがあるからである。
したがって、強運転者であると判別された場合でも、所定の条件が揃えばブレーキアシスト機能を実行するようにしている。そして、強運転者/弱運転者のいずれと判別された場合でも、ブレーキアシスト機能が実行されたときのブレーキアシスト量は、同一に設定されているのである。
したがって、強運転者であると判別された場合でも、所定の条件が揃えばブレーキアシスト機能を実行するようにしている。そして、強運転者/弱運転者のいずれと判別された場合でも、ブレーキアシスト機能が実行されたときのブレーキアシスト量は、同一に設定されているのである。
つまり、強運転者であっても、ある程度速やかで大きな通常ブレーキ操作を行うと、それは緊急ブレーキ操作であるとみなされ、ブレーキアシスト機能の実行によって不要に大きな制動力が発生してしまっていた。そして、それによって、車体に大きな振動や騒音が発生してしまい、また、運転者に操作上の違和感や不快感を与えてしまうという問題が発生していた。
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、ブレーキアシスト機能が実行された場合に、ブレーキ操作子を強く操作できない運転者に対しては最大限の制動力を発生させ、ブレーキ操作子を強く操作できる運転者に対しては必要以上に大きな制動力を発生させない車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明のうち、請求項1に記載の発明は、運転者によるブレーキ操作子の操作量を検出するブレーキ操作量検出手段と、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出された操作量に基づいて緊急ブレーキ操作がされたか否かを判定する緊急ブレーキ操作判定手段と、前記緊急ブレーキ操作判定手段によって緊急ブレーキ操作がされたと判定された場合に、制動力を付加して制動力補助を行うブレーキアシスト手段と、を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、前記ブレーキ操作量検出手段により検出された操作量に基づいて前記運転者が運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かを判別する運転者判別手段と、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は第1ブレーキアシスト量を設定し、強く操作できると判別された場合は前記第1ブレーキアシスト量よりも小さい第2ブレーキアシスト量を設定するブレーキアシスト量設定手段と、を有し、前記ブレーキアシスト手段は、前記ブレーキアシスト量設定手段によって設定された前記第1ブレーキアシスト量または前記第2ブレーキアシスト量に基づいて制動力を付加することを特徴とする。
これにより、ブレーキアシスト手段は、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は、大きなブレーキアシスト量(第1ブレーキアシスト量)の制動力補助を行い、運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別された場合は、小さなブレーキアシスト量(第2ブレーキアシスト量)の制動力補助を行う。
これにより、ブレーキアシスト手段は、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は、大きなブレーキアシスト量(第1ブレーキアシスト量)の制動力補助を行い、運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別された場合は、小さなブレーキアシスト量(第2ブレーキアシスト量)の制動力補助を行う。
請求項2に記載の発明は、制動時に所定の車輪ロック条件を満たす場合に、車輪のロック状態を抑制するように制動力を制御するアンチロック制御手段を、さらに備え、前記ブレーキアシスト量設定手段は、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合には、前記操作量の大きさにかかわらず前記車輪ロック条件を満たす制動力を発生させる値に前記第1ブレーキアシスト量を設定し、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別された場合には、前記操作量の大きさが所定値以下のときには前記車輪ロック条件を満たす制動力を発生させない値に前記第2ブレーキアシスト量を設定することを特徴とする。
これにより、ブレーキアシスト量設定手段は、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は、車輪ロック条件を満たす制動力を必ず発生させる値に第1ブレーキアシスト量を設定し、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合には、操作量の大きさが所定値以下のときには車輪ロック条件を満たす制動力を発生させない値に第2ブレーキアシスト量を設定する。
これにより、ブレーキアシスト量設定手段は、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は、車輪ロック条件を満たす制動力を必ず発生させる値に第1ブレーキアシスト量を設定し、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合には、操作量の大きさが所定値以下のときには車輪ロック条件を満たす制動力を発生させない値に第2ブレーキアシスト量を設定する。
請求項3に記載の発明は、前記ブレーキ操作量検出手段は、前記操作量としてマスタシリンダの圧力を検出するマスタシリンダ圧センサであり、前記運転者判別手段は、前記マスタシリンダ圧センサが所定の圧力閾値以上の圧力を検出したときに、運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記ブレーキ操作量検出手段が検出する前記操作量に関する履歴情報を記憶するブレーキ操作履歴記憶手段を、さらに備え、前記運転者判別手段は、前記履歴情報の統計値に基いて運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かを判別することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記運転者判別手段は、前記ブレーキ操作履歴記憶手段に記憶された履歴情報が所定のブレーキ操作回数分に達していない場合には、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ブレーキ操作子を強く操作できる運転者に対して、ブレーキアシスト機能による必要以上に大きな制動力を発生させることがない。
請求項2に記載の発明によれば、ブレーキ操作子を強く操作できる運転者に対して、操作量の大きさが所定値以下のときには、ブレーキアシスト機能によるアンチロックブレーキ制御を起動させることがなく、運転者自身で制動力をコントロールすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、マスタシリンダ圧センサを使用することで、ブレーキ操作子の操作量をより正確に測定することができ、それにより、運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かの判別や緊急ブレーキ操作か否かについての判定を、より正確に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、ブレーキ操作子を強く操作できる運転者に対して、操作量の大きさが所定値以下のときには、ブレーキアシスト機能によるアンチロックブレーキ制御を起動させることがなく、運転者自身で制動力をコントロールすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、マスタシリンダ圧センサを使用することで、ブレーキ操作子の操作量をより正確に測定することができ、それにより、運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かの判別や緊急ブレーキ操作か否かについての判定を、より正確に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かの判別に履歴情報の統計値を使用することで、運転者のブレーキ操作傾向に応じたより適切なブレーキアシスト制御を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、運転者判別のための履歴が少ない状況において、確実に大きなブレーキアシスト制御を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、運転者判別のための履歴が少ない状況において、確実に大きなブレーキアシスト制御を行うことができる。
本発明に係る車両用ブレーキ制御装置の実施形態の一例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1および図2を参照しながら、車両用ブレーキ制御装置の構成と動作について説明する。
図1は、実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置Sのブレーキ液圧回路図を含めた全体構成図の一例である。車両用ブレーキ制御装置Sは、運転者がブレーキペダル(ブレーキ操作子)Pに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダMと、車輪ブレーキFL,RR,RL,FR(以下、4つの車輪ブレーキのときは「各車輪ブレーキ」と記載)との間に配置されている。なお、各車輪ブレーキが取り付けられている各車輪8の近傍には、それぞれの車輪8の回転速度を計測する車輪速センサ8aが設けられている。
マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、車両用ブレーキ制御装置Sの入口ポート20に接続され、車両用ブレーキ制御装置Sの出口ポート30が、各車輪ブレーキに接続されている。そして、通常時は車両用ブレーキ制御装置S内の入口ポート20から出口ポート30までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルPの踏力が各車輪ブレーキに伝達されるようになっている。
ここで、出力ポートM1から始まる油路は、前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は、前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
車両用ブレーキ制御装置Sには、その第一系統において車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統において車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、この車両用ブレーキ制御装置Sには、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、チェック弁3a、ポンプ4、チェック弁4a,4b、吸入弁6およびリニアレギュレータ7が設けられており、さらに、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通の電動モータ5を備えている。また、本実施形態では、第一系統にのみマスタシリンダ圧センサ9が設けられており、さらに、各装置に対する制御等を行う制御ユニット10を備えている。
なお、以下では、マスタシリンダMの出力ポートM1,M2から各リニアレギュレータ7に至る油路を「出力液圧路A」と称し、第一系統のリニアレギュレータ7から各車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統のリニアレギュレータ7から各車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路Aからポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、車輪液圧路Bを遮断しつつ開放路Eを開放する状態、および、車輪液圧路Bと開放路Eの両方を遮断する状態を切り替える機能を有しており、入口弁1、出口弁2、チェック弁1aを備えて構成される。
入口弁1は、車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪がロックしそうになったときに制御ユニット10により閉塞されることで、ブレーキペダルPから各車輪ブレーキに伝達するブレーキ液圧を遮断する。
出口弁2は、車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪がロックしそうになったときに制御ユニット10により開放されることで、各車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキ側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキ側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによってブレーキ液圧を吸収する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4の間に、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路Aに通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3に貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。
ポンプ4の前後には、吸入液圧路Cおよび開放路E側から吐出液圧路D側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁4a,4bが介設されている。
ポンプ4の前後には、吸入液圧路Cおよび開放路E側から吐出液圧路D側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁4a,4bが介設されている。
リニアレギュレータ7は、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り替える機能と、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入が遮断されているときに車輪液圧路Bおよび吐出液圧路Dのブレーキ液圧を設定値以下に調整する機能とを有しており、カット弁7a、リリーフ弁7bを備えて構成される。
カット弁7aは、マスタシリンダMに通じる出力液圧路Aと各車輪ブレーキに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型の電磁弁であり、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り替えるものである。カット弁7aは、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。
リリーフ弁7bは、カット弁7aに並列に接続されており、車輪液圧路Bおよび吐出液圧路Dのブレーキ液圧が設定値以上になると開弁する。
吸入弁6は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り替えるものである。
マスタシリンダ圧センサ(ブレーキ操作量検出手段)9は、ブレーキペダルPの操作量を示す値として、出力液圧路Aのブレーキ液圧を計測するものであり、その計測結果は制御ユニット10に随時取り込まれる。そして、制御ユニット10によって、マスタシリンダMからブレーキ液圧が出力されているか否か、すなわち、ブレーキペダルPが踏まれているか否かが判定される。さらに、制御ユニット10によって、ブレーキ液圧の大きさに基いたブレーキ制御が行われる。
なお、ブレーキ操作量検出手段として、マスタシリンダ圧センサ9の代わりにブレーキペダルPの操作荷重、ストローク、揺動角などを測るセンサなどを用いてもよい。
なお、ブレーキ操作量検出手段として、マスタシリンダ圧センサ9の代わりにブレーキペダルPの操作荷重、ストローク、揺動角などを測るセンサなどを用いてもよい。
続いて、図2を参照しながら、制御ユニット10の構成について説明する(適宜図1参照)。図2は、車両用ブレーキ制御装置S内の各構成および車輪速センサ8aの構成を表わした機能ブロック図である。
図2において、入口弁1、出口弁2、電動モータ5、吸入弁6およびリニアレギュレータ7は、それぞれ、制御ユニット10からの制御によってブレーキ液圧を調整する装置であり、それらをあわせて調圧部40と称す。
図2において、入口弁1、出口弁2、電動モータ5、吸入弁6およびリニアレギュレータ7は、それぞれ、制御ユニット10からの制御によってブレーキ液圧を調整する装置であり、それらをあわせて調圧部40と称す。
制御ユニット10は、マスタシリンダ圧センサ9および車輪速センサ8aからの入力を受け、各種演算処理を行い、調圧部40を制御することで、ブレーキ制御を行うものである。制御ユニット10は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有するECU(Electronic Control Unit)により実現することができる。
制御ユニット10は、ブレーキ操作状態量算出手段11、ブレーキ操作履歴記憶手段12、運転者判別手段13、ブレーキアシスト量設定手段14、緊急ブレーキ操作判定手段15、アンチロック演算手段16およびブレーキ制御手段17を備えて構成される。
制御ユニット10は、ブレーキ操作状態量算出手段11、ブレーキ操作履歴記憶手段12、運転者判別手段13、ブレーキアシスト量設定手段14、緊急ブレーキ操作判定手段15、アンチロック演算手段16およびブレーキ制御手段17を備えて構成される。
ブレーキ操作状態量算出手段11は、マスタシリンダ圧センサ9からの入力に基づいて、ブレーキ操作の状態量を算出する。具体的には、操作状態量のパラメータ値として、マスタシリンダ圧センサ9で検出された圧力、その圧力の時間変化率であるブレーキペダルPの操作速度、といった値を算出する。
ブレーキ操作履歴記憶手段12は、運転者によるブレーキ操作の履歴として、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したパラメータ値を記憶するものである。
運転者判別手段13は、ブレーキ操作履歴記憶手段12に記憶されたブレーキペダルPの操作量の履歴から、運転者がブレーキペダルPを強く踏めるのか否かを判別するものである。
ブレーキアシスト量設定手段14は、運転者判別手段13による運転者判別の結果に応じて、弱運転者(ブレーキペダルPを強く踏めない人)用のブレーキアシスト量(第1ブレーキアシスト量)および強運転者(ブレーキペダルPを強く踏める人)用のブレーキアシスト量(第2ブレーキアシスト量)を設定する。本実施形態では、強運転者用、弱運転者用それぞれに対応するブレーキアシスト量(加圧量)があらかじめ与えられていて、運転者判別の結果に応じて選択し、出力される。
緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキ操作状態量から緊急ブレーキ操作か否かを判定するものであり、たとえば、ブレーキペダルPの操作量や操作速度などの条件のいずれかまたはその組み合わせにより判定することができる。
すなわち、ブレーキペダルPの操作量により、運転者が求めているブレーキ制御の量を判定することができ、ブレーキペダルPの操作速度により、運転者が求めているブレーキ制御の緊急度を推測することができる。そして、それらのいずれかまたは組み合わせにより、緊急ブレーキ操作か否かの判定基準を適宜設定することができる。
アンチロック演算手段16は、車輪速センサ8aからの入力により、アンチロックブレーキ制御が必要か否かを判定するものである。判定の方法としては、たとえば、車輪速センサ8aから車体速度を推定し、その車体速度と車輪速度とから車輪8のスリップ率を算出し、そのスリップ率が所定以上になったときにアンチロックブレーキ制御が必要と判定する、というものが挙げられる。
ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト量設定手段14、緊急ブレーキ操作判定手段15、および、アンチロック演算手段16から、それぞれ、ブレーキアシスト量、緊急ブレーキ操作か否かの判定結果、および、アンチロックブレーキ制御についての判定結果に関する入力を受け、調圧部40を制御することにより、ブレーキ制御を行うものである。
ブレーキペダルPの操作が行われ、緊急ブレーキ操作判定手段15が緊急ブレーキ操作であると判定した場合、ブレーキ制御手段17は、ブレーキペダルPの操作に起因してマスタシリンダMで発生するブレーキ液圧に、ブレーキアシスト量設定手段14により選択されているブレーキアシスト量を加えて、ブレーキ制御を行う。
一方、ブレーキペダルPの操作が行われ、緊急ブレーキ操作判定手段15が緊急ブレーキ操作でないと判定した場合、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト制御を行わない。
また、いずれの場合であっても、ブレーキ制御手段17は、アンチロック演算手段16からアンチロックブレーキ制御の要求を受けたときは、アンチロックブレーキ制御を行う。
一方、ブレーキペダルPの操作が行われ、緊急ブレーキ操作判定手段15が緊急ブレーキ操作でないと判定した場合、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト制御を行わない。
また、いずれの場合であっても、ブレーキ制御手段17は、アンチロック演算手段16からアンチロックブレーキ制御の要求を受けたときは、アンチロックブレーキ制御を行う。
なお、特許請求の範囲におけるブレーキアシスト手段は、ブレーキアシスト量設定手段14、ブレーキ制御手段17および調圧部40を合わせたブレーキアシスト手段140に相当する。
また、特許請求の範囲におけるアンチロック制御手段は、アンチロック演算手段16、ブレーキ制御手段17および調圧部40を合わせたアンチロック制御手段160に相当する。
また、特許請求の範囲におけるアンチロック制御手段は、アンチロック演算手段16、ブレーキ制御手段17および調圧部40を合わせたアンチロック制御手段160に相当する。
図1に戻って、次に、車両用ブレーキ制御装置Sの動作について説明する。なお、各動作は、制御ユニット10が、マスタシリンダ圧センサ9および車輪速センサ8aからの入力を受け、入口弁1、出口弁2、電動モータ5、吸入弁6およびリニアレギュレータ7を適宜制御することで実現することができる。
<通常ブレーキ時>
各車輪8がロックする可能性のない通常のブレーキ時においては、図1に示すように、リニアレギュレータ7は出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態にあり、吸入弁6は吸入液圧路Cを遮断する状態にあり、また、制御弁手段Vは車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態にある。
つまり、リニアレギュレータ7のカット弁7aと制御弁手段Vの入口弁1とが開放状態にあり、吸入弁6と出口弁2が閉塞状態にある。したがって、ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、そのまま各車輪ブレーキに作用する。なお、入口弁1およびカット弁7aが常開型の電磁弁であり、出口弁2および吸入弁6が常閉型の電磁弁であり、たとえば、通常時においては、すべての電磁弁が非通電の状態(以下、「消磁」という)にある。
各車輪8がロックする可能性のない通常のブレーキ時においては、図1に示すように、リニアレギュレータ7は出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態にあり、吸入弁6は吸入液圧路Cを遮断する状態にあり、また、制御弁手段Vは車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態にある。
つまり、リニアレギュレータ7のカット弁7aと制御弁手段Vの入口弁1とが開放状態にあり、吸入弁6と出口弁2が閉塞状態にある。したがって、ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、そのまま各車輪ブレーキに作用する。なお、入口弁1およびカット弁7aが常開型の電磁弁であり、出口弁2および吸入弁6が常閉型の電磁弁であり、たとえば、通常時においては、すべての電磁弁が非通電の状態(以下、「消磁」という)にある。
<アンチロックブレーキ時>
ブレーキペダルPを踏み込んでいる最中に、車輪がロック状態に入りそうになると、制御ユニット10によりアンチロックブレーキ制御が開始される。ここで、アンチロックブレーキ制御とは、ロック状態に入りそうな車輪の車輪ブレーキに対応する制御弁手段Vを制御して、各車輪ブレーキ(すべてでなくてもよい)に作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持することをいう。
なお、アンチロックブレーキ制御時においても、図1に示すように、リニアレギュレータ7は出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態にあり、吸入弁6は吸入液圧路Cを遮断する状態にある。
ブレーキペダルPを踏み込んでいる最中に、車輪がロック状態に入りそうになると、制御ユニット10によりアンチロックブレーキ制御が開始される。ここで、アンチロックブレーキ制御とは、ロック状態に入りそうな車輪の車輪ブレーキに対応する制御弁手段Vを制御して、各車輪ブレーキ(すべてでなくてもよい)に作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持することをいう。
なお、アンチロックブレーキ制御時においても、図1に示すように、リニアレギュレータ7は出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態にあり、吸入弁6は吸入液圧路Cを遮断する状態にある。
各車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧する場合には、図1において、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bを遮断し、開放路Eを開放すればよい。つまり、制御ユニット10により、入口弁1を励磁して閉塞状態にするとともに、出口弁2を励磁して開放状態にする。このようにすると、各車輪ブレーキに通じる車輪液圧路Bのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ3に流入し、その結果、各車輪ブレーキに作用していたブレーキ液圧が減圧される。
各車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を一定に保持する場合は、図1において、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bおよび開放路Eの両方を遮断すればよい。つまり、制御ユニット10により、入口弁1を励磁して閉塞状態にするとともに、出口弁2を消磁して閉塞状態にする。このようにすると、各車輪ブレーキ、入口弁1および出口弁2で閉じられた油路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、各車輪ブレーキに作用していたブレーキ液圧が一定に保持される。
各車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を増圧する場合は、図1に示すように、制御弁手段Vにより車輪液圧路Bを開放し、開放路Eを遮断すればよい。つまり、制御ユニット10により、入口弁1を消磁して開放状態にするとともに、出口弁2を消磁して閉塞状態にする。このようにすると、ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧が各車輪ブレーキに直接作用することになり、その結果、各車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧が増圧される。
なお、アンチロックブレーキ制御中は、電動モータ5を駆動させてポンプ4を作動させる。そして、ポンプ4によりリザーバ3に貯留されたブレーキ液が吐出液圧路Dを介して車輪液圧路Bに還流される。
また、ポンプ4の近傍に、ポンプ4の作動により吐出液圧路D等に発生する脈動を吸収し、ブレーキペダルPの操作フィーリングの悪化を防止するためのダンパやオリフィスなどを設けてもよい。
また、ポンプ4の近傍に、ポンプ4の作動により吐出液圧路D等に発生する脈動を吸収し、ブレーキペダルPの操作フィーリングの悪化を防止するためのダンパやオリフィスなどを設けてもよい。
<ブレーキアシスト制御時>
ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧よりも高いブレーキ液圧によるブレーキ制御であるブレーキアシスト制御を行う場合は、図1に示すように、入口弁1を消磁して開放状態にするとともに、出口弁2を消磁して閉塞状態にする。
そして、図1において、吸入弁6を励磁して開放状態とするとともに、カット弁7aを励磁して閉塞状態とし、電動モータ5の駆動によりポンプ4を作動させる。このようにすると、ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、出力液圧路Aから吸入弁6およびポンプ4を経由して各車輪ブレーキまで伝達されることになる。
ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧よりも高いブレーキ液圧によるブレーキ制御であるブレーキアシスト制御を行う場合は、図1に示すように、入口弁1を消磁して開放状態にするとともに、出口弁2を消磁して閉塞状態にする。
そして、図1において、吸入弁6を励磁して開放状態とするとともに、カット弁7aを励磁して閉塞状態とし、電動モータ5の駆動によりポンプ4を作動させる。このようにすると、ブレーキペダルPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、出力液圧路Aから吸入弁6およびポンプ4を経由して各車輪ブレーキまで伝達されることになる。
また、ポンプ4の作動により出力液圧路Aのブレーキ液が吸入され、吐出液圧路Dに吐出されることで、各車輪ブレーキに伝達されるブレーキ液圧を高くすることができる。また、そのとき、車輪液圧路Bにかかるブレーキ液圧が設定値以上になった場合には、リリーフ弁7bが開弁され、車輪液圧路Bのブレーキ液が出力液圧路Aに逃がされるので、その結果、各車輪ブレーキに設定値を超えた過剰なブレーキ液圧が作用することが回避される。
したがって、リリーフ弁7bが開弁する設定値を適宜変更することで、ブレーキアシスト量を変更することができる。
なお、ブレーキアシスト制御は、4つの車輪8が停止したときやマスタシリンダ圧が所定圧以下になったとき、などに終了するようにしておけばよい。
なお、ブレーキアシスト制御は、4つの車輪8が停止したときやマスタシリンダ圧が所定圧以下になったとき、などに終了するようにしておけばよい。
次に、図3を参照しながら、ブレーキアシスト制御を行うときの制御ユニット10の処理について説明する(適宜図2参照)。図3は、ブレーキアシスト制御を行うときの制御ユニット10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、運転者判別手段13は、ブレーキ操作履歴記憶手段12に記憶されているブレーキ操作の履歴から、運転者がブレーキペダルPを強く踏むことができる人であるか否かを判別する(S1)。ここで、このS1の運転者判別について、図4を参照しながら説明する。
まず、運転者判別手段13は、ブレーキ操作履歴記憶手段12に記憶されているブレーキ操作の履歴から、運転者がブレーキペダルPを強く踏むことができる人であるか否かを判別する(S1)。ここで、このS1の運転者判別について、図4を参照しながら説明する。
図4は、ブレーキ操作の履歴の概要図である。図4は、縦軸がマスタシリンダ圧を表わし、横軸が履歴(時間)を表わしている。そして、縦軸において、運転者がブレーキペダルPを強く踏むことができるか否かを判別するための圧力閾値が、P1に設定されている。
なお、この圧力閾値P1は、学習機能により変動させてもよい(図示なし)。たとえば、ブレーキペダルPの操作速度が遅くて、操作量が大きい場合は、強運転者であると判別して、圧力閾値P1を上げておく。また、ブレーキペダルPの操作量が連続して弱い場合は、弱運転者である可能性が高いとして、圧力閾値P1を下げることが考えられる。
また、一度圧力閾値P1を上げた後でも、その後にブレーキペダルPの弱い操作量がある程度続いた場合は、再び圧力閾値P1を下げてもよいし、また、その下げ方も段階的などであってもよい。
また、一度圧力閾値P1を上げた後でも、その後にブレーキペダルPの弱い操作量がある程度続いた場合は、再び圧力閾値P1を下げてもよいし、また、その下げ方も段階的などであってもよい。
さらに、運転開始直後は、安全性確保のため、圧力閾値P1を高く設定しておき、その後、ブレーキペダルPの弱い操作量がある程度続いた場合は、少しずつ圧力閾値P1を下げるようにしてもよい。
また、ブレーキアシスト制御が開始直後に制御停止となったときは、その運転者にとって不要なブレーキアシスト制御が行われた可能性があるので、圧力閾値P1を上げるようにしてもよい。
なお、学習機能による圧力閾値P1の変更方法は、これらに限定されず、他の変更方法によるものであってもよい。
また、ブレーキアシスト制御が開始直後に制御停止となったときは、その運転者にとって不要なブレーキアシスト制御が行われた可能性があるので、圧力閾値P1を上げるようにしてもよい。
なお、学習機能による圧力閾値P1の変更方法は、これらに限定されず、他の変更方法によるものであってもよい。
ここでは、マスタシリンダ圧が圧力閾値P1を超えた場合に、強運転者であると判別する。なお、この図4においては、時間0から運転が開始されたものとし、ブレーキペダルPの操作が所定回数(ここでは5回とする)行われるまでは、無条件で、弱運転者であると判別する。これにより、履歴が少ないことに起因する誤判別の可能性を低減することができる。
ここでは、1回目のブレーキ操作を(i)、2回目のブレーキ操作を(ii)、・・・、と表わし、また、便宜上、各ブレーキ間の間隔を狭く記載している。そして、3回目のブレーキ操作((iii):時間T1)でマスタシリンダ圧が圧力閾値P1を超えているが、まだ5回目のブレーキ操作((v):時間T2)以内であるので、弱運転者であると判別される。そして、8回目のブレーキ操作((viii):時間T3)で圧力閾値P1を超えたので、この時点から強運転者であると判別される。なお、10回目のブレーキ操作((x):時間T4)においても、マスタシリンダ圧が圧力閾値P1を超えているが、すでに強運転者であると判別されているため、運転者判別に影響はない。
また、強運転者であると判別された後、所定時間あるいは所定ブレーキ操作回数の間、マスタシリンダ圧が圧力閾値P1を超えないときには、弱運転者であると判別するようにしてもよい。そうすれば、運転者が強運転者から弱運転者に替わったときなどでも、強運転者であると判別し続けることを回避できる(図示なし)。
なお、履歴により強運転者/弱運転者を判別する場合は、直近の所定回数分の履歴に関して、最大値、最大値の所定比率値(80%など)、平均値、中央値、最頻値などの統計値から判別を行うようにしてもよい。そのように、直近の所定回数分の履歴から随時判別することで、より適切な判別を行うことができる。
なお、履歴により強運転者/弱運転者を判別する場合は、直近の所定回数分の履歴に関して、最大値、最大値の所定比率値(80%など)、平均値、中央値、最頻値などの統計値から判別を行うようにしてもよい。そのように、直近の所定回数分の履歴から随時判別することで、より適切な判別を行うことができる。
図3に戻って、強運転者であると判別された場合(S1でYes)、ブレーキアシスト量設定手段14は、弱いブレーキアシスト量を選択・出力する(S2)。
なお、この強弱2つのブレーキアシスト量は、最初から、適宜好適な数値に設定しておいてもよい。また、ブレーキペダルPの操作量の履歴から、決定するようにしてもよい。たとえば、ブレーキペダルPをかなり強く踏む強運転者に対しては、弱いブレーキアシスト量としてゼロまたはゼロに近い数値を設定するようにしてもよいし、また、それよりはブレーキペダルPを強く踏まない強運転者に対しては、もう少し大きな弱いブレーキアシスト量を設定するようにしておけばよい。
いずれにしても、ブレーキアシスト量設定手段14は、常に、強運転者用と弱運転者用の2種類のブレーキアシスト量を設定可能であり、運転者判別手段13による運転者判別結果に応じて、いずれか1つのブレーキアシスト量を選択して出力するものである。
なお、この強弱2つのブレーキアシスト量は、最初から、適宜好適な数値に設定しておいてもよい。また、ブレーキペダルPの操作量の履歴から、決定するようにしてもよい。たとえば、ブレーキペダルPをかなり強く踏む強運転者に対しては、弱いブレーキアシスト量としてゼロまたはゼロに近い数値を設定するようにしてもよいし、また、それよりはブレーキペダルPを強く踏まない強運転者に対しては、もう少し大きな弱いブレーキアシスト量を設定するようにしておけばよい。
いずれにしても、ブレーキアシスト量設定手段14は、常に、強運転者用と弱運転者用の2種類のブレーキアシスト量を設定可能であり、運転者判別手段13による運転者判別結果に応じて、いずれか1つのブレーキアシスト量を選択して出力するものである。
次に、ブレーキ操作状態量算出手段11は、マスタシリンダ圧センサ9からの入力に基づいてブレーキ操作の状態量を算出することにより、ブレーキペダルPの操作があったか否かを判定する(S3)。
ブレーキペダルPの操作があった場合(S3でYes)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S4)。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S4でNo)、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト制御を行わない通常のブレーキ制御を行う(S6)。つまり、本実施形態では、マスタシリンダMで発生したブレーキ液圧が、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに供給される。
ブレーキペダルPの操作があった場合(S3でYes)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S4)。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S4でNo)、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト制御を行わない通常のブレーキ制御を行う(S6)。つまり、本実施形態では、マスタシリンダMで発生したブレーキ液圧が、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに供給される。
緊急ブレーキ操作であった場合(S4でYes)、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト量設定手段14から選択・出力される弱いブレーキアシスト量に基いてブレーキ制御を行う(S5)。すなわち、弱いブレーキアシスト量の分だけ、さらに車輪液圧路Bの液圧を高める。液圧を高める手法としては、たとえば、加圧と電動モータ5との相関をあらかじめテーブルデータとして制御ユニット10内に記憶しておき、目標とする加圧が得られる回転数を参照して電動モータ5を駆動制御する。
これにより、強運転者によるブレーキペダルPの操作を緊急ブレーキ操作と判定してブレーキアシスト制御を行う場合でも、ブレーキアシスト量が少ないため、従来のようにブレーキアシスト量が強運転者/弱運転者にかかわらず一定である場合に比べて、必要以上に大きな制動力を発生させることがなく、ブレーキアシストにともなう振動や騒音が低減される。
これにより、強運転者によるブレーキペダルPの操作を緊急ブレーキ操作と判定してブレーキアシスト制御を行う場合でも、ブレーキアシスト量が少ないため、従来のようにブレーキアシスト量が強運転者/弱運転者にかかわらず一定である場合に比べて、必要以上に大きな制動力を発生させることがなく、ブレーキアシストにともなう振動や騒音が低減される。
S5およびS6のいずれのブレーキ制御がなされるときでも、アンチロック演算手段16は、アンチロックブレーキ制御が必要か否かを判定する(S12)。
そして、アンチロックブレーキ制御が必要なときは(S12でYes)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御が不要なときは(S12でNo)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行わない。
そして、アンチロックブレーキ制御が必要なときは(S12でYes)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御が不要なときは(S12でNo)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行わない。
このように、強運転者によるブレーキペダルPの操作を緊急ブレーキ操作と判定してブレーキアシスト制御を行う場合でも、ブレーキアシスト量が少ないため、運転者が操作上の違和感や不快感を覚える可能性を低くすることができる。また、強運転者の場合の弱いブレーキアシスト量をゼロにしておけば、ブレーキアシスト制御によりアンチロックブレーキ制御が行われてしまう可能性をゼロにすることができる。
図3に戻って、弱運転者であると判別された場合(S1でNo)、ブレーキアシスト量設定手段14は、強弱2つのブレーキアシスト量のうち、弱運転者向けの強いブレーキアシスト量を選択する(S7)。
次に、新たなブレーキペダルPの操作があった場合(S8でYes)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S9)。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S9でNo)、ブレーキ制御手段17は通常のブレーキ制御を行う(S11)。
緊急ブレーキ操作であった場合(S9でYes)、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト量設定手段14によって選択・出力された強いブレーキアシスト量に基いてブレーキ制御を行う(S10)。
これにより、弱運転者によるブレーキペダルPの操作を緊急ブレーキ操作と判定してブレーキアシストを行う場合、従来と同様、大きな制動力を発生させることができる。
次に、新たなブレーキペダルPの操作があった場合(S8でYes)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S9)。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S9でNo)、ブレーキ制御手段17は通常のブレーキ制御を行う(S11)。
緊急ブレーキ操作であった場合(S9でYes)、ブレーキ制御手段17は、ブレーキアシスト量設定手段14によって選択・出力された強いブレーキアシスト量に基いてブレーキ制御を行う(S10)。
これにより、弱運転者によるブレーキペダルPの操作を緊急ブレーキ操作と判定してブレーキアシストを行う場合、従来と同様、大きな制動力を発生させることができる。
そして、S10およびS11のいずれのブレーキ制御がなされるときでも、アンチロック演算手段16は、アンチロックブレーキ制御が必要か否かを判定する(S10)。
アンチロックブレーキ制御が必要なときは(S10でYes)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御が不要なときは(S10でNo)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行わない。
なお、弱運転者のための強いブレーキアシスト量は、確実にアンチロックブレーキ制御が行われる(S12でYes→S13)ほど大きな値に設定しておくことが望ましい。それにより、緊急ブレーキ操作時に最大の制動力が得られるからである。
アンチロックブレーキ制御が必要なときは(S10でYes)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御が不要なときは(S10でNo)、ブレーキ制御手段17はアンチロックブレーキ制御を行わない。
なお、弱運転者のための強いブレーキアシスト量は、確実にアンチロックブレーキ制御が行われる(S12でYes→S13)ほど大きな値に設定しておくことが望ましい。それにより、緊急ブレーキ操作時に最大の制動力が得られるからである。
前記のように、弱運転者および強運転者のそれぞれについて、ブレーキアシスト制御が行われるときのホイールシリンダ圧(車輪液圧路Bの圧力)の変化について、図5を参照しながら説明する。
図5において、(a)は、弱運転者がブレーキ操作をした場合、(b)は、強運転者が強いブレーキ操作をした場合、(c)は、強運転者が少し弱いブレーキ操作をした場合、のホイールシリンダ圧の変化の様子を表わしたタイムチャートである。
図5において、(a)は、弱運転者がブレーキ操作をした場合、(b)は、強運転者が強いブレーキ操作をした場合、(c)は、強運転者が少し弱いブレーキ操作をした場合、のホイールシリンダ圧の変化の様子を表わしたタイムチャートである。
なお、図5(a)、図5(b)および図5(c)のグラフにおいて、横軸は時間を表わし、縦軸はホイールシリンダ圧を表わしている。また、縦軸において、P1は図4の弱運転者/強運転者を判別するための圧力閾値P1と同じ値であることを表わし、P2は車輪のロック圧を表わしている。
図5(a)において、弱運転者用のブレーキアシスト量(加圧量)をΔPwとし、これは、従来のブレーキアシスト量と同程度の値である。
そして、弱運転者がブレーキ操作をして、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧(ここではP3)がP1よりも小さくても、このブレーキアシスト量ΔPwによるブレーキアシスト制御により、ホイールシリンダ圧がP2に達してアンチロックブレーキ制御を行わせることができる。
したがって、弱運転者が緊急ブレーキ操作を行った場合には、最大の制動力を得ることができる。
そして、弱運転者がブレーキ操作をして、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧(ここではP3)がP1よりも小さくても、このブレーキアシスト量ΔPwによるブレーキアシスト制御により、ホイールシリンダ圧がP2に達してアンチロックブレーキ制御を行わせることができる。
したがって、弱運転者が緊急ブレーキ操作を行った場合には、最大の制動力を得ることができる。
図5(b)において、強運転者用のブレーキアシスト量(加圧量)をΔPsとし、これは、ブレーキアシスト量ΔPwよりも小さな値に設定される。より具体的には、ΔPsは、圧力閾値P1より大きいが、ロック圧P2よりも圧力閾値P1に近い所定の仮想ブレーキ液圧に対して、ブレーキアシスト量ΔPsだけ加圧してもロック圧P2に達しないような値に設定されている。なお、仮想ブレーキ液圧は、圧力閾値P1に近いほど好ましい。
そして、強運転者が強いブレーキ操作を行い、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧がP2よりも少し小さいP4であっても、ΔPsが付加されることによってホイールシリンダ圧
がP2に達し、その結果、図5(a)のときと同様、アンチロックブレーキ制御が行われることになる。
これは、従来の技術と同じ作用であるが、この場合は、元々、運転者が車輪のロック圧P2にかなり近い程度のブレーキ操作を行っているので、運転者が違和感や不快感を覚えることもない。
そして、強運転者が強いブレーキ操作を行い、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧がP2よりも少し小さいP4であっても、ΔPsが付加されることによってホイールシリンダ圧
がP2に達し、その結果、図5(a)のときと同様、アンチロックブレーキ制御が行われることになる。
これは、従来の技術と同じ作用であるが、この場合は、元々、運転者が車輪のロック圧P2にかなり近い程度のブレーキ操作を行っているので、運転者が違和感や不快感を覚えることもない。
図5(c)において、強運転者用のブレーキアシスト量(加圧量)は、図5(b)の場合と同じΔPsである。
そして、強運転者がブレーキ操作を行い、その強運転者には緊急ブレーキ操作の意思がなかったにもかかわらず、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧がP2よりもある程度小さいP5であるときは、ブレーキアシスト量のΔPsを加圧してもホイールシリンダ圧はP2に達せず、アンチロックブレーキ制御は行われない。
これにより、従来のようにアンチロックブレーキ制御が行われるまでブレーキアシスト制御を行う場合に比べて、ポンプ4(図1参照)の駆動量や駆動時間が少なくなり、その分、振動や騒音が少なくて済む。また、運転者は、操作上の違和感や不快感をあまり感じることがなく、さらに、アンチロックブレーキ制御が行われないので、自分で所望のブレーキコントロールを行うことができる。
そして、強運転者がブレーキ操作を行い、その強運転者には緊急ブレーキ操作の意思がなかったにもかかわらず、それが緊急ブレーキ操作であると判定された場合、そのブレーキ操作によるホイールシリンダ圧がP2よりもある程度小さいP5であるときは、ブレーキアシスト量のΔPsを加圧してもホイールシリンダ圧はP2に達せず、アンチロックブレーキ制御は行われない。
これにより、従来のようにアンチロックブレーキ制御が行われるまでブレーキアシスト制御を行う場合に比べて、ポンプ4(図1参照)の駆動量や駆動時間が少なくなり、その分、振動や騒音が少なくて済む。また、運転者は、操作上の違和感や不快感をあまり感じることがなく、さらに、アンチロックブレーキ制御が行われないので、自分で所望のブレーキコントロールを行うことができる。
次に、図6を参照しながら、図3に示したブレーキ制御の処理の変形例について説明する。図6は、ブレーキ制御の処理の変形例を示したフローチャートである。
図6によるブレーキ制御の処理は、図3によるブレーキ制御の処理と比べて、最新のブレーキ操作が弱運転者/強運転者の判別にも影響する点で異なっている。
図6によるブレーキ制御の処理は、図3によるブレーキ制御の処理と比べて、最新のブレーキ操作が弱運転者/強運転者の判別にも影響する点で異なっている。
まず、ブレーキ操作状態量算出手段11は、マスタシリンダ圧センサ9からの入力に基づいてブレーキ操作の状態量を算出することにより、新たなブレーキペダルPの操作があったか否かを判定する(S21)。
そして、新たなブレーキペダルPの操作があった場合(S21でYes)、運転者判別手段13は、ブレーキ操作履歴記憶手段12に記憶されているブレーキ操作の履歴およびこの最新のブレーキ操作から、運転者がブレーキペダルPを強く踏むことができる人であるか否かを判別する(S22)。
強運転者であると判別された場合(S22でYes)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S23)。
緊急ブレーキ操作であった場合(S23でYes)、ブレーキアシスト量設定手段14は、弱いブレーキアシスト量を選択・出力し(S24)、その後、S25以下の処理が行われるが、これは、図3のS5以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S23でNo)、その後、S26以下の処理が行われるが、これは、図3のS6以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S23でNo)、その後、S26以下の処理が行われるが、これは、図3のS6以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
S22に戻って、弱運転者であると判別された場合(No)、緊急ブレーキ操作判定手段15は、ブレーキ操作状態量算出手段11が算出したブレーキペダルPの操作の状態量から、それが緊急ブレーキ操作であるか否かを判定する(S27)。
緊急ブレーキ操作であった場合(S27でYes)、ブレーキアシスト量設定手段14は、強いブレーキアシスト量を選択・出力し(S28)、その後、S29以下の処理が行われるが、これは、図3のS10以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S27でNo)、その後、S30以下の処理が行われるが、これは、図3のS11以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
緊急ブレーキ操作でなかった場合(S27でNo)、その後、S30以下の処理が行われるが、これは、図3のS11以下の処理と同様であるので、説明を省略する。
図6のフローチャートに示した処理を行うことで、弱運転者/強運転者を判別するときに、最新のブレーキ操作も判別材料とすることができ、より正確な運転者判別を行うことができる。
このように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置Sによれば、強運転者の場合にはブレーキアシスト量を小さくすることで、必要以上に大きな制動力を発生させることがない。また、弱運転者の場合にはブレーキアシスト量を大きくすることで、アンチロックブレーキ制御を作動させることができ、最大限の制動力を得ることができる。
さらに、ブレーキペダルPの操作をマスタシリンダ圧で算出することで、より正確なブレーキ操作状態量の算出を行うことができる。また、ブレーキペダルPの操作の履歴における統計値を用いることで、より正確な運転者判別を行うことができる。さらに、運転開始直後は、ブレーキペダルPの操作の履歴が所定回数分に達していない場合には、ブレーキ操作の操作量に関係なく弱運転者と判別することで、誤った運転者判別による誤ったブレーキアシスト制御の可能性を低減することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
たとえば、車輪液圧路Bに液圧センサを設け、その液圧センサの出力をモニタリングして、ブレーキアシスト量(加圧量)を調整する構成としてもよい。
また、本発明は、トラクション制御や横滑り防止制御など、他の技術と併用してもよい。
さらに、ブレーキ液を用いてブレーキ制御を行うものでなく、たとえば、モータなどによって直接ブレーキ制御を行う電気自動車などにも適用することができる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
たとえば、車輪液圧路Bに液圧センサを設け、その液圧センサの出力をモニタリングして、ブレーキアシスト量(加圧量)を調整する構成としてもよい。
また、本発明は、トラクション制御や横滑り防止制御など、他の技術と併用してもよい。
さらに、ブレーキ液を用いてブレーキ制御を行うものでなく、たとえば、モータなどによって直接ブレーキ制御を行う電気自動車などにも適用することができる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
9 マスタシリンダ圧センサ
12 ブレーキ操作履歴記憶手段
13 運転者判別手段
14 ブレーキアシスト量設定手段
15 緊急ブレーキ操作判定手段
S 車両用ブレーキ制御装置
12 ブレーキ操作履歴記憶手段
13 運転者判別手段
14 ブレーキアシスト量設定手段
15 緊急ブレーキ操作判定手段
S 車両用ブレーキ制御装置
Claims (5)
- 運転者によるブレーキ操作子の操作量を検出するブレーキ操作量検出手段と、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出された操作量に基づいて緊急ブレーキ操作がされたか否かを判定する緊急ブレーキ操作判定手段と、前記緊急ブレーキ操作判定手段によって緊急ブレーキ操作がされたと判定された場合に、制動力を付加して制動力補助を行うブレーキアシスト手段と、を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、
前記ブレーキ操作量検出手段により検出された前記操作量に基づいて前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かを判別する運転者判別手段と、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合は第1ブレーキアシスト量を設定し、強く操作できると判別された場合は前記第1ブレーキアシスト量よりも小さい第2ブレーキアシスト量を設定するブレーキアシスト量設定手段と、を有し、
前記ブレーキアシスト手段は、前記ブレーキアシスト量設定手段によって設定された前記第1ブレーキアシスト量または前記第2ブレーキアシスト量に基づいて制動力を付加する
ことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。 - 制動時に所定の車輪ロック条件を満たす場合に、車輪のロック状態を抑制するように制動力を制御するアンチロック制御手段を、さらに備え、
前記ブレーキアシスト量設定手段は、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別された場合には、前記操作量の大きさにかかわらず前記車輪ロック条件を満たす制動力を発生させる値に前記第1ブレーキアシスト量を設定し、前記運転者判別手段によって前記運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別された場合には、前記操作量の大きさが所定値以下のときには前記車輪ロック条件を満たす制動力を発生させない値に前記第2ブレーキアシスト量を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記ブレーキ操作量検出手段は、前記操作量としてマスタシリンダの圧力を検出するマスタシリンダ圧センサであり、
前記運転者判別手段は、前記マスタシリンダ圧センサが所定の圧力閾値以上の圧力を検出したときに、運転者がブレーキ操作子を強く操作できると判別する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記ブレーキ操作量検出手段が検出する前記操作量に関する履歴情報を記憶するブレーキ操作履歴記憶手段を、さらに備え、
前記運転者判別手段は、前記履歴情報の統計値に基いて運転者がブレーキ操作子を強く操作できるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記運転者判別手段は、前記ブレーキ操作履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報が所定のブレーキ操作回数分に達していない場合には、運転者がブレーキ操作子を強く操作できないと判別する
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015081075A (ja) * | 2013-10-24 | 2015-04-27 | トヨタ自動車株式会社 | 制動装置 |
WO2024202282A1 (ja) * | 2023-03-30 | 2024-10-03 | 本田技研工業株式会社 | 制動力制御装置 |
-
2005
- 2005-03-01 JP JP2005055745A patent/JP2006240354A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2024202282A1 (ja) * | 2023-03-30 | 2024-10-03 | 本田技研工業株式会社 | 制動力制御装置 |
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