JP2006239995A - プリントシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 プリントの休止中に溶媒の蒸発によってインクの色材濃度が上昇している場合でも、そのようなインクを自動的に排出する。
【解決手段】 キャリブレーションを実行しようとするとき、まず吐出されるインクの光学濃度を測定し、該光学濃度が規定値を超えているときは、当該インクジェトプリント装置にキャリブレーション用のパッチをプリントさせる前に色材濃度が高くなったインクを排出させる。
【選択図】 図1

Description

本発明はプリントシステムに関し、詳しくは、インクジェットプリンタなどプリント装置のプリント特性を一定のものに維持すべくキャリブレーションを実行するプリントシステムに関するものである。
従来知られるキャリブレーションは、最初にパッチ画像をキャリブレーションの対象となるプリンタでプリント出力し、スキャナや濃度計などでそのパッチ画像の濃度や色度を測定する。そして、この測定結果とパッチ画像をプリント出力するためのプリントデータとの関係に基づいて、画像処理にかかる所定のテーブル等の変換関係を変更することにより行なわれる。
従って、キャリブレーションにおけるパッチ画像のプリントは、そのときのプリンタの特性を忠実に反映するよう正確になされることが望ましい。
又、別の従来例としては、特許文献1をあげることが出来る。
特開平05−131647号公報
しかしながら、インクジェット方式のプリント装置は、プリントヘッドの微細なノズルからインクを吐出してプリントを行うものであり、長期間プリント動作を行わない状態が続くとノズル近傍でインクの溶媒が揮発し、染料などのインク色材の濃度が上昇することがある。このため、キャリブレーションでプリントするパッチ画像が、色材濃度が高いインクによってプリント出力され、測定される光学濃度が高くなる場合があり、この場合パッチ画像はそのときのプリント特性を忠実に反映したものとはならない。特に、この色材濃度が上昇するインクは、プリントを休止していた後最初に行われる所定回数の吐出によるものである。その後は、色材濃度が上昇したインクが既に上記所定回数の吐出により排出されていることから、本来の色材濃度を有したインクが吐出される。
なお、インク溶媒の蒸発を防ぐ構成として、プリントヘッドのノズルが配設される面をキャップによって覆う、キャッピングが知られているが、これによって完全に蒸発を防ぐことはできず、プリントを休止している期間によっては上述の色材濃度の上昇が顕著となる場合がある。
また、インクジェットプリント装置では、上述のような色材濃度の上昇が生じていることを想定していわゆる吐出回復処理を行うことも知られている。この回復処理として、上述のキャッピング状態でキャップ内を負圧としノズルを介してインクを吸引排出する吸引回復や、プリントのため用紙に吐出する以外に例えばキャップ内にインクを吐出する予備吐出などが知られている。従って、キャリブレーションの前にこれらの回復処理を行い、色材濃度の上昇したインクを排出することが考えられる。
しかしながら、この回復処理を、キャリブレーションを行うごとに必ず行うように構成すると、そのために消費されるインクが無駄となることや、比較的頻繁にキャリブレーションが行われた場合排出されたインクで廃インクタンクが溢れるおそれがあるなどの問題がある。
また、オペレーターが必要に応じて回復処理を行うことも考えられる。しかし、オペレーターによって回復処理の必要性の判断が異なり、このため、色材濃度が上昇したインクでパッチ画像をプリントしてキャリブレーションを行う場合もあり、オペレーターによってキャリブレーションの精度が異なることになる。また、必要以上にキャリブレーションを行うオペレタータの場合は、インクの無駄が多くなるという問題もある。
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プリント動作の休止期間にかかわらず、インクの不要な消費をすることなく常に正確なキャリブレーションを行うことができるプリントシステムを提供することにある。
そのために本発明では、ノズルからインクを吐出するヘッドと光学濃度を測定することのできるセンサーを具えたインクジェットプリント装置を用い該装置にプリントを実行させるプリントシステムであって、インクジェットプリント装置で吐出インク濃度測定用のパッチを印刷する手段と、該濃度測定用パッチの光学濃度を前記センサーで逐次測定する手段と、キャリブレーション用のパッチをプリントさせ、該キャリブレーション用パッチにおける所定情報を測定した結果に基づき当該パッチをプリントしたインクジェットプリント装置のキャリブレーションを実行するキャリブレーション手段を具え、前記キャリブレーション手段は、キャリブレーションを実行しようとするとき、前記吐出インク濃度測定手段から得られた吐出インク濃度が予め規定された濃度以上であるときは、当該インクジェットプリント装置に前記キャリブレーションパッチをプリントさせる前に、当該インクジェットプリント装置内のインクを一定量排出させることを特徴とする。
以上の構成によれば、キャリブレーションを実行しようとするとき、最初に吐出されるインクの光学濃度を測定し、該光学濃度が規定値を超えているときは、当該インクジェトプリント装置にキャリブレーショ用のパッチをプリントさせる前に高濃度になったインクを排出させるので、プリントの休止中に溶媒の蒸発によってインクの色材濃度が上昇している場合でも、そのような濃度が高いインクを自動的に排出することができる。
以上説明したように本発明によれば、キャリブレーションを実行しようとするとき、まず吐出されるインクの光学濃度を測定し、該光学濃度が規定値を超えているときは、当該インクジェトプリント装置にキャリブレーション用のパッチをプリントさせる前に色材濃度が高くなったインクを排出させるので、プリントの休止中に溶媒の蒸発によってインクの色材濃度が上昇している場合でも、そのようなインクを自動的に排出することができる。
この結果、必要に応じて色材濃度が高いインクが排出され、インクジェットプリンタなどのプリント動作の休止期間にかかわらず、インクの不要な消費をすることなくプリンタの正確なキャリブレーションを行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリントシステムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態のプリントシステムは、基本的にパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」ともいう)101に出力装置としてのインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ともいう)102およびキャリブレーションの際の測定機として用いることができる濃度計103が接続されて構成されるものである。また、プリンタ102はキャリブレーションバッチ測定用濃度計103とは別に、吐出インクの光学濃度(以下、単に「濃度」ともいう)を測定するためのセンサー108を具えている。
PC101は、情報処理装置として、以下に示すようにプリンタ102および測定機としての濃度計103の制御に関して種々の処理を行うものである。CPU105は、記憶装置107に格納された、図2にて後述される処理等のプログラムに従い上記制御のための処理を実行し、作業メモリ106はその処理の際のワークエリアとして用いられる。ユーザーインターフェースとなる操作部(以下、単に「UI」ともいう)104は、上記処理の実行に関してユーザーによる入力やユーザーに対する表示などに関する処理を行い、キーボード等の入力機器や表示器を含むものである。
濃度計103は、図2にて後述されるキャリブレーションにおいて、PC101のキャリブレーションプログラムによって所定の測定用画像としてのパッチの濃度測定を行い、その測定データをPC101に入力する。そして、PC101ではこの測定データに基づいてキャリブレーションを行う。
プリンタ102は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびブラック(K)のインクを吐出するそれぞれのプリントヘッドを具えており、これらのヘッドおよび対応するインクカートリッジをキャリッジに着脱自在に装着し、これにより、各ヘッドはプリント媒体としての用紙に対する走査を行うことによりプリントを行う、いわゆるシリアルタイプのプリンタである。また、キャリッジの移動領域の端部には、前述したキャップが設けられ、吸引回復や予備吐出を行うことができる。
以上説明した構成に基づく本実施形態のキャリブレーションの処理について説明する。図2は、本実施形態に係るキャリブレーション処理を示すフローチャートである。本実施形態のキャリブレーション処理は、例えば、ユーザーがUI104を介してプリントアプリケーションによるキャリブレーションの選択、実行を指示することによって起動される。
図2において、先ずステップS201で、プリンタ102で吐出インク濃度測定用のパッチをプリントする。次に、ステップS202では、ステップS201でプリントしたパッチの濃度をセンサー108で測定し、記憶装置107に記録する。
そして、ステップS203において、ステップS202で算出した濃度が予め規定した値以上か否かを判断する。濃度値が規定の値以上である場合は、ステップS204に進み、プリンタ102にヘッドの吸引回復や予備吐出によるクリーニングを行わせる。すなわち、各ヘッドのノズルから色材濃度が上昇したインクを排出することができる。この際、測定値が既定値以下になるまでステップS201からの動作を繰り返せば、より確実に色材濃度が上昇したインクを排出することができる。
なお、このプリントは、PC101に接続されているプリンタで、上記UI104を介してキャリブレーションの対象として指定されたプリンタに行わせることはもちろんである。また、上記の吐出インク濃度の既定値はそれぞれのプリンタごと、特に用いているプリントヘッドごとに定めることができる。ヘッドの仕様が異なれば色材濃度の上昇の仕方も異なることがあるからである。さらにプリント用紙ごとに定めることもでき、これも用紙が異なればプリントした時の濃度が異なるからである。
図3は、この吐出インク濃度測定用パッチを模式的に示す図である。
同図に示すように、吐出インク濃度測定用パッチは、各色100%デューティーでプリントされる。すなわち、センサー108は各色100%インクを吐出した場合の濃度を測定することになる。また、本実施例ではキャリブレーション用のパッチをプリントする紙の余白に吐出インク濃度測定用パッチをプリントするため紙の上端にプリントしている。
図4はこのキャリブレーション用パッチを模式的に示す図である。同図に示すように、キャリブレーションパッチのパッチパターンは、各色0から15の16段階の階調値(C0〜C15、M0〜M15、Y0〜Y15、K0〜K15)についてそれぞれ1つのパッチがプリントされるものである。次に、S206で、濃度計103を用いてプリント出力したキャリブレーション用パッチの読みとりを行う。
そして、ステップS207で、測定した各パッチの濃度値に基づきキャリブレーションデータを計算する。そして、このデータによって画像処理における所定の変換テーブルの内容が更新される。すなわち、各階調値とこれに対応したそれぞれの測定濃度データとの関係に基づき、上記変換テーブルの内容となるキャリブレーションデータを作成する。なお、このキャリブレーションデータの計算は公知の方法によって実行でき、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS208では、ステップS207で計算したキャリブレーションデータを記憶装置107に格納して本処理を終了する。
以上説明したように本実施形態によれば、吐出インクの濃度を測定し、濃度が規定値以上の場合には、吸引回復や予備吐出によるクリーニングを行う。これにより、色材濃度が高くなっているインクを自動的に排出することができ、オペレーターが特に意識せずに安定したキャリブレーションを行うことができる。
本発明に関わる実施例におけるプリントシステムの構成を示すブロック図である。 同実施例におけるキャリブレーションの処理を示すフローチャートである。 同実施例における吐出インク濃度測定用パッチを模式的に示す図である。 同実施例におけるキャリブレーション用パッチを模式的に示す図である。
符号の説明
101 PC
102 プリンタ
103 キャリブレーションテーブル測定用濃度計
104 UI
105 CPU
106 作業メモリ
107 記憶装置
108 吐出インク濃度測定用センサー

Claims (3)

  1. ノズルからインクを吐出するヘッドと光学濃度を測定することのできるセンサーを具えたインクジェットプリント装置を用い該装置にプリントを実行させるプリントシステムであって、インクジェットプリント装置で吐出インク濃度測定用のパッチをプリントする手段と、該濃度測定用パッチの光学濃度を前記センサーで逐次測定する手段と、キャリブレーション用のパッチをプリントさせ、該キャリブレーション用パッチにおける所定情報を測定した結果に基づき当該パッチをプリントしたインクジェットプリント装置のキャリブレーションを実行するキャリブレーション手段を具え、前記キャリブレーション手段は、キャリブレーションを実行しようとするとき、前記吐出インク濃度測定手段から得られた吐出インク濃度が予め規定された濃度以上であるときは、当該インクジェットプリント装置に前記キャリブレーションパッチをプリントさせる前に、当該インクジェットプリント装置内のインクを一定量排出させることを特徴とするプリントシステム。
  2. 請求項1に記載のプリントシステムにおいて、キャリブレーション用のパッチの余白部分に吐出インク濃度測定用のパッチをプリントすることを特徴とするプリントシステム。
  3. 請求項1に記載のインクジェットプリント装置内のインクを排出させる方法が、前記センサーでの測定値が前記予め規定した濃度以下になるまで排出することを特徴とするプリントシステム。
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