JP2006239610A - 塗工方法および装置、ならびに硬化層付き板状重合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層膜塗工において、また多層膜の塗工と重合性原料の固化とが連結された硬化層付き板状重合物の製造方法において、低速塗工条件下であっても多層膜の塗工を安定して行うことを容易にしかつ被塗工物の損傷危険性を抑える。
【解決手段】水平に走行するシート状物上に、シート状物の上方から塗工液を供給する工程Aと、塗工液が供給されたシート状物上へエアノズルからエアを吹き付ける工程Bとを有し、工程A及びBの組み合わせを少なくとも2組以上順次行う多層膜の塗工方法。このための装置。2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面に、予め上記塗工方法により形成された多層膜の硬化層を設けておき、硬化層を板状重合物の表面に移行させる硬化層付き板状重合物の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】水平に走行するシート状物上に、シート状物の上方から塗工液を供給する工程Aと、塗工液が供給されたシート状物上へエアノズルからエアを吹き付ける工程Bとを有し、工程A及びBの組み合わせを少なくとも2組以上順次行う多層膜の塗工方法。このための装置。2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面に、予め上記塗工方法により形成された多層膜の硬化層を設けておき、硬化層を板状重合物の表面に移行させる硬化層付き板状重合物の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、シート状物への多層コーティング方法および装置に関する。また本発明は、板状重合物上に塗工液の硬化層を設ける硬化層付き板状重合物の製造方法に関する。
近年、ディスプレイ材料、機能性フィルム等の映像表示分野、磁気テープ類等の情報記録分野等の先端技術においては、多層材料が活用されており、その製造法として種々の塗工方式が生み出されている。
例えば、特許文献1に示されるようなバックアップロールを介したシート基材上に複数の液溜部を作る方法、特許文献2に示されるようなダイの内部に複数の塗工液の流路を設けた多層塗工用ダイを用いる方法、さらには特許文献3に示されるような基材の上方より複層の流体がカーテン状に流下するよう配置したいわゆるカーテンダイコートなどの方法があり、これらの塗工速度は、生産性の観点から0.1m/min以上であるのが一般的である。
一方、近年、塗工工程の前後に種々の工程が連結されていることが多く、前後の工程の関係で塗工速度に制限を受ける場合も少なくない。例えば、塗工工程の後工程として、特許文献4に示されるような、相対する金属ベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にあるベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、その一端より重合性原料を供給し、加熱ゾーン内でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、その他端より板状重合物を取り出すような工程を有する場合は、重合性原料の固化速度の方が塗工速度よりも遅いので、塗工速度は制限を受けることとなる。
これらのような別工程と塗工工程が連結している場合、別工程の都合により塗工速度は10m/min以下という低速に制限されることが多い。
しかしながら、従来の多層コート技術においては、塗工厚みを維持しながらいかに塗工速度を速くするかに着目されており、塗工速度が0.1〜10m/minの範囲の低速塗工条件における好適な塗工方法についてはこれまであまり検討されてこなかった。
また、近年、塗工技術はハイテク産業でも数多く活かされているが、高度技術になればなるほど被塗工物は高価なものとなり、塗工装置の塗工手段(ダイ等)と被塗工物の接触による損傷の被害は大きくなってしまう。さらに、被塗工物が金属やガラス等の高い剛性を有するものである場合は、塗工装置の塗工手段と被塗工物との接触トラブルにより、被塗工物だけでなく塗工装置の損傷にまで至ってしまうため、その被害は極めて大きなものとなる。したがって、高い塗工精度を有しつつ、被塗工物を損傷する危険性の少ない塗工方式が求められている。
特開平2−307562号公報
特開平7−195016号公報
特開平7−124510号公報
特公昭47−33495号公報
特許文献1及び2に示されるような多層コーティング方法においては、塗工装置の塗工手段と被塗工物とのすき間は高々数10μmと非常にせまく、塗工手段と非塗工物との接触危険性が高い。
特許文献3に示されるような多層コーティング方法においては、塗工手段(カーテンダイ)と被塗工物とのすき間は場合により数10mmも広げることができるため接触危険性は低い。しかしながら、本発明者らが特許文献3に従い追試を行ったところ、塗工液のカーテン状流れを安定して形成するためには、基材の走行速度は10m/minを超える必要があり、これより低速条件では塗工液の表面張力が慣性力に勝るためカーテン状流れが安定せず、長時間にわたる安定塗工が困難という問題がある。
以上のように、従来の多層コート技術では、塗工速度0.1〜10m/minの範囲の低速領域において安定塗工が容易であり、被塗工物と塗工手段との接触危険性が低い塗工方法はこれまで提案されていなかった。
本発明の目的は、0.1〜10m/minの範囲の低速塗工条件下であっても安定塗工が容易であり、被塗工物の損傷危険性が少ない多層膜の塗工方法および装置を提供することにある。
また本発明の別の目的は、多層膜の塗工と重合性原料の固化とが連結された硬化層付き板状重合物の製造方法において、多層膜の塗工を安定して行うことを容易にしかつ被塗工物の損傷危険性を抑えることである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意実験を繰り返した結果、シート状物を水平方向に走行させながら、工程Aとしてシート状物の上方から塗工液を供給した後、工程Bとしてエアナイフでエアを吹き付けると、吹き付けエアの圧力が及ぼす塗工液の堰き止め効果により、幅方向に均一な塗膜が得られること、さらに、再び工程Aとして別の塗工液を既に形成された塗膜の上に供給し、工程Bとしてエアナイフでエアを吹き付けることにより2層構造の新たな塗膜を得るいわゆるウェットオンウェットの連続塗工が可能であることを見出した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
本発明により、実質的に水平方向に走行するシート状物上に、該シート状物の上方から塗工液を供給する工程Aと、塗工液が供給されたシート状物上へエアノズルからエアを吹き付ける工程Bとを有し、
該工程A及び工程Bの組み合わせを少なくとも2組以上順次行うことを特徴とする多層膜の塗工方法が提供される。
該工程A及び工程Bの組み合わせを少なくとも2組以上順次行うことを特徴とする多層膜の塗工方法が提供される。
前記シート状物を0.1m/min以上10m/min以下の速度で走行させる場合に、上記方法は特に好適である。
前記シート状物が、厚み1.0mm以上のステンレス鋼板であることが好ましい。
前記シート状物の塗工側表面が、鏡面研磨されていることが好ましい。
前記シート状物が、エンドレスベルトであることができる。
前記エアノズルとシート状物の表面との距離が、1mm以上20mm以下であることが好ましい。
前記エアノズルのエア噴き出し部が、シート状物の幅方向に伸びたスリットであることができる。
前記スリットのクリアランスが、1.0mm以下であることが好ましい。
本発明により、相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にあるベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、該空間の一端から重合性原料を供給し、該空間内でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、該空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、
前記2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面が、予め上記塗工方法により形成された塗工部の硬化層を設けておき、かつ
該硬化層を板状重合物の表面に移行させることを特徴とする硬化層付き板状重合物の製造方法が提供される。
前記2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面が、予め上記塗工方法により形成された塗工部の硬化層を設けておき、かつ
該硬化層を板状重合物の表面に移行させることを特徴とする硬化層付き板状重合物の製造方法が提供される。
本発明により、シート状物上に多層膜を塗工する塗工装置において、
シート状物を実質的に水平に走行させる走行手段;
該シート状物の上面に塗工液を供給する塗工液供給手段;および
該塗工液供給手段より下流に配された、シート状物上にエアを吹き付けるエアノズルを有し、
該塗工液供給手段およびエアノズルの組が、該シート状物の走行方向に沿って少なくとも二組設けられた塗工装置が提供される。
シート状物を実質的に水平に走行させる走行手段;
該シート状物の上面に塗工液を供給する塗工液供給手段;および
該塗工液供給手段より下流に配された、シート状物上にエアを吹き付けるエアノズルを有し、
該塗工液供給手段およびエアノズルの組が、該シート状物の走行方向に沿って少なくとも二組設けられた塗工装置が提供される。
前記走行手段が、シート状物の走行速度を0.1m/min以上10m/min以下にする手段を有することができる。
本発明の塗工方法および装置によれば、低速の塗工条件においてエアの吹き付けによって上流側に塗工液の溜まりを生ぜしめ、これにより被塗工物を損傷することなく、幅方向に均一な塗膜を安定形成でき、しかも同種の工程もしくは設備の繰り返しによって必要な層数の塗工が可能である。したがって、金属製や樹脂製のシート状物の表面に多層膜を塗工する必要がある種々の用途において非常に有用である。
また、多層膜の塗工と重合性原料の固化とが連結された硬化層付き板状重合物の製造方法において、多層膜の塗工を安定して行うことを容易にしかつ被塗工物の損傷危険性を抑えることができる。
以下、図面を用いて本発明について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
図1は、本発明の塗工方法の例を説明するための模式図である。この図に示すように、シート状物1(被塗工物)は実質的に水平方向に走行する。
一回目の工程A(工程A1)にて、シート状物の上方に位置する塗工液供給手段2より1層目の塗工液がシート状物1の上面に供給される。次に一回目の工程B(工程B1)にて、1層目の塗工液が供給されたシート状物上にエアノズル4からエアが吹き付けられる。エアノズル4のせき止め効果によりエアノズル上流に塗工液の溜まり3が形成される。一方、エアノズル4の真下から下流に向かっては、一定量の塗工液が一層目の塗膜5として定常的にシート状物と共に溜まり3から移行していく。これら工程A1及びB1の組み合わせにより1層目の塗工は完了する。
1層目の塗工の下流において、2層目の塗工が行われる。二回目の工程A(工程A2)にて、2層目の塗工液が塗膜5の上方に位置する塗工液供給手段6より供給される。この時1層目の液と2層目の液は混じり合うことなく、1層目の膜形状を保ったままその上部に2層目の液が上乗せされた状態となっている。次に二回目の工程B(工程B2)において、2層目の塗工液が供給されたシート状物上にエアノズル8からエアが吹き付けられる。これにより2層目の塗工液が1層目の時と同様にエアノズル8のせき止め効果により溜まり7を形成し、一部の液がエアノズル8の真下を通過し、2層目の塗膜9が得られる。工程B2も、前工程で形成された第1層目の塗工膜厚、形状にはほとんど影響を与えない。つまり、1層目の塗膜5の厚さは2層目の塗膜9が形成された後でも実質的に不変であり、各層の厚みや幅方向の厚みムラは独立して調整することが可能である。
以上のように、工程A及びBの組み合わせを繰り返すことで、所望の層数の多層膜を得ることが可能であり、また各々のエアノズルの風量を調節することで各層の厚み制御も自由に行うことができる。
上記のように形成する多層膜において、全ての層が異なる組成を有していてもよいが、一部の層同士が同じ組成を有していてもよく、場合によっては全ての層が同じ組成を有することもできる。
塗工液供給手段2及び6としては、中空パイプを1本あるいは幅方向に複数本並べただけの簡素な構造でもよく、またある面積を描くように噴霧する噴霧ノズルを1個あるいは複数本幅方向に並べた形式のものでも良い。噴霧ノズルを用いる場合は、エアノズル4及び8からの気流により塗工液が飛散しないよう、噴霧される塗工液の平均滴径を0.1mm以上に調整することが好ましい。また、幅方向にスリットダイを配して塗工液を供給する方法でも良い。塗工液供給手段2及び6の取り付け位置は、供給手段の先端がそれぞれ塗工液の溜まり3及び7の液面に浸からないようにするという観点からいずれもシート状物1の表面から10mm以上離すことが好ましい。なお、本明細書において単に幅方向と言った場合、シート状物1(被塗工物)の走行方向と直交するシート状物1の面上の方向のことを指し、単に長手方向と言った場合はシート状物1の走行方向のことを指す。また、上流、下流とはシート状物1の走行を流れとして見た場合の意味である。
本発明に用いる塗工液は特に制限されず、非水系および水系の何れの塗工液も使用できる。塗工液の粘度(実際に塗工を行う際の粘度)は、塗工後におけるレベリング性の観点から5000mPa・s以下であることが好ましい。
非水系の塗工液としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル;酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等の重合性モノマーが挙げられる。
特に、塗工液の硬化物の耐擦傷性、透明性、耐候性の観点から1モルの多価アルコールと2モル以上(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物等を挙げることができる。
1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物の例としては、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物において、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組合わせとしては、
マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸または無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、等の組み合わせによる縮合物などが挙げられる。
マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸または無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、等の組み合わせによる縮合物などが挙げられる。
その他の例としては、
トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類とを、イソシアネート1分子当たり3モル以上の(メタ)アクリレート類を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;および
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、更には従来より知られるエポキシポリアクリレート、ウレタンポリアクリレートなどが挙げられる。これらは、一種を単独あるいは二種以上を混合して用いる事ができる。
トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類とを、イソシアネート1分子当たり3モル以上の(メタ)アクリレート類を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;および
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、更には従来より知られるエポキシポリアクリレート、ウレタンポリアクリレートなどが挙げられる。これらは、一種を単独あるいは二種以上を混合して用いる事ができる。
また、さらに塗工液にアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の溶剤を粘度調整等の目的で適宜加えることも可能である。
また、塗工液に重合開始剤を加えることもできる。その具体例としては、tert−ヘキシルパーオキシピバレ−ト、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;および
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物が挙げられる。
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物が挙げられる。
さらに、光重合開始剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;および
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物が挙げられる。
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物が挙げられる。
またさらに、塗工液に2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイドなどの助剤や、無機系フィラーなどを適宜加えることも可能である。
被塗工物であるシート状物1の材質には特に制限は無く、例えば、樹脂、金属等を使用できる。金属としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、銅などが挙げられる。また、これらの塗工側の表面を研磨処理したものも使用できる。シート状物が水平状態での走行を維持するためには、高い剛性を有することが好ましい。特に金属製のシート状物は、一般に、薄くても比較的高い剛性を有するので好ましい。シート状物の厚さは、0.1mm以上であることが望ましく、0.5mm以上であることがより望ましく、1.0mm以上であることがさらに望ましい。また、シート状物の水平方向のフラット性を保つため、シート状物の走行方向に沿って張力をかけることもできる。
本発明ではシート状物と塗工装置との接触危険性が実質的にないため、例えば厚み1mm以上の金属帯のようにシート状物の剛性が高く、塗工装置と接触した場合に装置側へのダメージが大きいような場合や、逆に例えばステンレス製のシート状物のような高価な材料のシート状物を用いる場合、さらには塗工面側が鏡面研磨されたシート状物のようなより高価な材料のシート状物を用いる場合は特にその効果を発揮できる。ここで、鏡面研磨においてJISの粗さ形状パラメータ(JIS B0601−1994)で規定される表面粗さRaの値が0.2μm以下になるよう表面処理されたシート状物を用いる場合、塗工装置と一旦接触すればシート状物表面に発生したキズを修復することが実質的に困難になるため、特に本発明の意義は大きい。
なお、本発明の塗工方法では、被塗工物であるシート状物が長い方が効率よく塗工できる。さらに、シート状物が長さ方向における端部を有しないエンドレスシート状であって、連続的に走行するものであれば最も効率よく塗工できる。
ここで、シート状物を「実質的に」水平方向に走行させるとは、僅かに傾いた方向で走行する場合であっても、水平方向の場合と同様に所望の均一さを有する塗膜が形成できるのであれば、そのような場合をも含む意味である。
エアノズル4及び8としては、例えば、エア吹き出し形状がスリット型のものを用いることができ、また円形型や楕円型のものを幅方向に複数本配列したもの等を用いることもできるが、幅方向における風速均一性の観点からはスリット型のほうがより好ましい。
スリット型の場合、所望の膜厚を得るための必要風量の増大を抑制する観点からスリットのクリアランスは1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。スリット全域に渡りクリアランスの均一性を確保する観点からクリアランスは0.05mm以上であることが好ましく、0.07mm以上であることがより好ましい。
エアノズル4及び8の取り付け位置は、塗工液の溜まり3及び7がそれぞれエアノズル4および8の先端に接触する危険を抑制する観点からシート状物1の表面から好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上離した位置とし、塗工液の溜まり3及び7を安定させて優れたエアの堰き止め効果を得る観点から好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、さらに好ましくは12mm以下離した位置が好ましい。
エアノズル4及び8の取り付け角度、即ちシート状物の幅方向に平行な鉛直面とエア吹き出し方向とのなす角度は、所望の膜厚を得るための必要風量の増大を抑制する観点から鉛直下向きを0°として−60°以上60°以下の範囲内が好ましい。
エアノズル4および8のそれぞれから吹き出す塗工幅1mあたりのエア量は、良好な塗膜形成機能を得る観点から0.1m3/min以上が好ましく、塗工液の溜まり3及び7を吹き飛ばすことを抑制する観点から30m3/min以下が好ましい。エア温度は常温でも良く、また塗工液の粘度を下げるなどの目的で、150℃以下の熱風を用いても良い。
1層目と2層目の工程の境目となるエアノズル4と塗工液供給手段6との間の距離は、エアノズル4からの気流が塗工液供給手段6より流下する塗工液を吹き飛ばすことを抑制する観点から200mm以上とることが好ましい。
以上説明した本発明の塗工方法によれば、均一性が良好な多層膜を有するシート状物を安定して得ることができる。このシート状物1の面積1m2あたりの塗工量は、多層膜の合計の量として例えば1g/m2以上100g/m2以下の範囲内である。
また、塗工液に熱もしくは紫外線で硬化する材料を用い、得られた多層膜を更に加熱したり、紫外線を照射したりすることによって硬化させ、硬化層付きのシート状物を得ることもできる。
多層膜またはその硬化層付きのシート状物は、そのままで、または所望のサイズに適宜切断して、種々の用途に使用できる。
また例えば、多層膜の硬化層付きの金属製のシート状物の硬化層側に、別の樹脂層や樹脂成形体を付着させ、金属製のシート状物から硬化層を剥離移行させることにより、硬化層付きの樹脂積層体を得ることもできる。この方法は、特に連続製板装置を用いた板状重合物の製造方法において非常に有用である。例えば、相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にありベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、その空間の一端より重合性原料(例えばメタクリル酸メチルを含む重合性原料)を供給し、その空間内(例えばこの空間に設けられた加熱ゾーン内)でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、その空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、上記2個のエンドレスベルト(例えば厚み1.0mm以上のステンレス鋼板からなる鏡面研磨されたエンドレスベルト)の相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面に、予め本発明の塗工方法により形成された多層膜の硬化層を設けておき、かつその硬化層を板状重合物の表面に移行させることによって、硬化層付き板状重合物を安定して且つ効率良く製造できる。つまり、エンドレスベルトのベルト面に硬化可能な塗工液の多層膜を本発明の塗工方法によって形成し、次いでその多層膜を硬化させ、エンドレスベルト上に多層膜の硬化層を形成する。このように少なくとも一方に硬化層が形成された一組の相対するエンドレスベルトと、側部をシールするためのガスケットとで囲まれる空間に、重合性原料を供給し、硬化層に接触している重合性原料を連続的に重合させ、重合性原料が重合して得られる板状重合物に硬化層をエンドレスベルトから移行させることにより、硬化層を少なくとも一方の面に有する板状重合物を得ることができる。
シート状物を走行させる走行手段には、巻き取りローラーを駆動させる方法や、シート状物をニップし走行させる方法、エンドレスベルトの場合はプーリーを駆動させる方法など、シート状物を実質的に水平に走行させることができる公知の機構を適宜利用できる。シート状物の走行速度を0.1m/min以上10m/min以下にする手段についてもシート状物の搬送速度を設定もしくは調節することのできる公知の手段を適宜利用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。以下の記載において「部」は「質量部」を示す。
<実施例1>
図1に示したような装置を用いて2層連続塗工を行った。
図1に示したような装置を用いて2層連続塗工を行った。
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM309)20部、平均分子量約1146のウレタンアクリレート(新中村化学(株)製、商品名:NKオリゴU−6HA)30部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名:ビスコート#230)47部、ベンゾインエチルエーテル(精工化学(株)製、商品名:セイクオールBEE)3部を混合したものを1層目の塗工液として用いた。
トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル(大阪有機化学(株)製、商品名:TAS)50部、メチルメタクリレート20部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名:ビスコート#230)27部、ベンゾインエチルエーテル(精工化学(株)製、商品名:セイクオールBEE)3部を2層目の塗工液として用いた。
鏡面研磨された幅500mm、厚さ1.5mm、周長50mのオーステナイト系ステンレス製エンドレスベルトをシート状物1として用い(鏡面研磨された面に塗工)、シート状物1の両端から20mm内側を塗工端とし、塗工幅を460mmとした。
塗工液供給手段2及び6として、それぞれ平均液滴径1mmになるよう調整した円形噴霧ノズルパイプを4本幅方向に115mmのピッチで1列になるよう、シート状物1の表面より150mm離して配した。
エアノズル4及び8としては、幅方向に600mmのスリット型エアノズルであってスリットクリアランス0.15mmのものを用い、エアノズル取り付け位置はシート状物1の表面から10mm離れた位置で、エアノズル取り付け角度が鉛直下向きよりも上流側に5°傾けてなるよう配した。エアノズル4及び8のエア風量はそれぞれ1.2m3/min、1.4m3/minとした。
エアノズル4と塗工液供給手段6の間の距離は700mmにした。
塗工温度は25℃、塗工液の25℃における粘度は1層目の液が60mPa・s、2層目の液が80mPa・sであった。
塗工速度(シート状物1の走行速度)は、エンドレスベルトが掛かっているプーリ−の一方をモーターで駆動させ、2m/minとなるよう調整した。また、塗工液の供給量はパイプ4本の合計で1層目が13g/min、2層目が11g/minで行った。すなわち、各層の厚みは1層目が13μm、2層目が11μmとなるように設定した。
塗工して得られた2層膜に紫外線を照射し硬化させ、得られた硬化膜を粘着テープにてシート状物1より剥離後、幅方向に10箇所各層の厚みを偏向顕微鏡で確認したところ、1層目が13μm±1.5μm、であり、2層目が11μm±1μmであり、高い膜厚精度の2層膜が得られたことが分かった。
<実施例2>
塗工速度を6m/minとし、塗工液の供給量をパイプ4本の合計で1層目が45g/min、2層目が38g/minで、エアノズル4及び8のエア風量をそれぞれ1.6m3/min、1.9m3/minとした以外は実施例1と同様にして連続塗工をおこなった。本塗工条件において、各層の厚みは1層目が15μm、層目が13μmとなるように設定した。
塗工速度を6m/minとし、塗工液の供給量をパイプ4本の合計で1層目が45g/min、2層目が38g/minで、エアノズル4及び8のエア風量をそれぞれ1.6m3/min、1.9m3/minとした以外は実施例1と同様にして連続塗工をおこなった。本塗工条件において、各層の厚みは1層目が15μm、層目が13μmとなるように設定した。
塗工して得られた2層膜に紫外線を照射し硬化させ、得られた硬化膜を粘着テープにてシート状物1より剥離後、幅方向に10箇所各層の厚みを偏向顕微鏡で確認したところ、1層目が15μm±1.2μm、であり、2層目が13μm±1.6μmであり、高い膜厚精度の2層膜が得られたことが分かった。
<比較例1>
図2に示すように、2層塗工が可能なカーテンダイ10を用いて、実施例1と同様の1層目及び2層目の塗工液を用い、塗工速度(シート状物1の走行速度)も実施例1と同じく2m/minという条件にて実施例1と同じステンレス鋼板(シート状物1)への連続塗工を試みた。
図2に示すように、2層塗工が可能なカーテンダイ10を用いて、実施例1と同様の1層目及び2層目の塗工液を用い、塗工速度(シート状物1の走行速度)も実施例1と同じく2m/minという条件にて実施例1と同じステンレス鋼板(シート状物1)への連続塗工を試みた。
しかし、カーテンダイの先端部11において、塗工液が滴状になってしまい、カーテン形状を形成することはできなかったため、連続塗工を断念した。
本発明の塗工方法および装置は、情報記録分野や電気・電子関連分野などにおいて、多層膜を必要とする場合に広く利用することができる。
本発明の硬化層付き板状重合物の製造法は、例えば光学樹脂分野において好適に利用することができる。
1 シート状物(被塗工物)
2 1層目塗工液供給手段
3 1層目塗工液の溜まり
4 1層目用エアノズル
5 1層目塗膜
6 2層目塗工液供給手段
7 2層目塗工液の溜まり
8 2層目用エアノズル
9 2層目塗膜
10 カーテンダイ
11 カーテンダイの先端部
2 1層目塗工液供給手段
3 1層目塗工液の溜まり
4 1層目用エアノズル
5 1層目塗膜
6 2層目塗工液供給手段
7 2層目塗工液の溜まり
8 2層目用エアノズル
9 2層目塗膜
10 カーテンダイ
11 カーテンダイの先端部
Claims (11)
- 実質的に水平方向に走行するシート状物上に、該シート状物の上方から塗工液を供給する工程Aと、塗工液が供給されたシート状物上へエアノズルからエアを吹き付ける工程Bとを有し、
該工程A及び工程Bの組み合わせを少なくとも2組以上順次行うことを特徴とする多層膜の塗工方法。 - 前記シート状物を0.1m/min以上10m/min以下の速度で走行させる請求項1記載の塗工方法。
- 前記シート状物が、厚み1.0mm以上のステンレス鋼板である請求項1または2記載の塗工方法。
- 前記シート状物の塗工側表面が、鏡面研磨されている請求項3記載の塗工方法。
- 前記シート状物が、エンドレスベルトである請求項3または4記載の塗工方法。
- 前記エアノズルとシート状物の表面との距離が、1mm以上20mm以下である請求項1〜5の何れか一項記載の塗工方法。
- 前記エアノズルのエア噴き出し部が、シート状物の幅方向に伸びたスリットである請求項1〜6の何れか一項記載の塗工方法。
- 前記スリットのクリアランスが、1.0mm以下である請求項7記載の塗工方法。
- 相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にあるベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、該空間の一端から重合性原料を供給し、該空間内でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、該空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、
前記2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面が、予め請求項1〜7の何れか一項記載の塗工方法により形成された多層膜の硬化層を設けておき、かつ
該硬化層を板状重合物の表面に移行させることを特徴とする硬化層付き板状重合物の製造方法。 - シート状物上に多層膜を塗工する塗工装置において、
シート状物を実質的に水平に走行させる走行手段;
該シート状物の上面に塗工液を供給する塗工液供給手段;および
該塗工液供給手段より下流に配された、シート状物上にエアを吹き付けるエアノズルを有し、
該塗工液供給手段およびエアノズルの組が、該シート状物の走行方向に沿って少なくとも二組設けられた塗工装置。 - 前記走行手段が、シート状物の走行速度を0.1m/min以上10m/min以下にする手段を有する請求項10記載の塗工装置。
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- 2005-03-04 JP JP2005060362A patent/JP2006239610A/ja active Pending
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