JP2010110682A - 塗工方法および硬化層付き板状重合物の製造方法 - Google Patents

塗工方法および硬化層付き板状重合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外観不良が無い塗工部を形成できる塗工方法、及び、その塗工方法によって外観不良が無い硬化層を形成する板状重合物の製造方法を提供する。
【解決手段】実質的に水平に走行するシート状物1の上面に塗工液を供給し、塗工液が供給される位置よりも下流側においてメインエアノズル2からシート状物1へエアを吹き付けることにより、メインエアノズル2の上流側に塗工幅全域に渡る塗工液の溜まり5を生ぜしめ、シート状物1上に均一塗工面を得る塗工方法であって、塗工液を、塗工液の溜まり5の面上へ供給する塗工方法;及び、その塗工方法によって予めエンドレスベルトに形成された塗工部の硬化層を板状重合物表面に移行させる外観不良が無い硬化層付き板状重合物の製造方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、実質的に水平に走行するシート状物に対する塗工方法、及び、その塗工方法によって予めエンドレスベルトに形成された塗工部の硬化層を板状重合物表面に移行させる硬化層付き板状重合物の製造方法に関する。
近年、塗工技術はディスプレイ材料、機能性フィルム等の映像表示分野、磁気テープ類等の情報記録分野、インクジェット用紙等の紙分野、薄膜電池や電子回路基板等の電気・電子関連分野、眼鏡レンズなどの光学関連分野、撥水・防水・消臭といった機能繊維分野など、非常に多くの分野で活用されている。また、様々な被塗工物と塗工液との組み合わせに対応するため、種々の塗工方式が生み出されている。一方、近年のこれらの塗工方式で得られた塗工面及びこれら塗工面を賦与した材料への塗工外観要求は急速に高まっており、塗工外観に影響する被塗工物の表面精度もまた急速に高まっている。そのため被塗工物が高価なものとなり、それらを使用する塗工においては他の設備との接触の危険性を低くする塗工方法が用いられている。その代表的な塗工方法として、スプレーコートやエアナイフコートがある。
ところで、上記の塗工方式において塗工外観を低下させるものの一つに塗工液の供給に起因するものがある。これは、塗工液のレベリング不足から生じるもの、被塗工物へ供給された塗工液と膜厚均整化後の塗膜との間に界面が形成されるために生じるもの、または、膜厚均整化の過程の前段に塗工液の溜まり(以下、「液溜り」という。)を形成するような塗工方式において、その液溜りの流れを供給液が局所的に乱すことで生じるものがある。
このような現象を解決する方法として、例えば特許文献1に示すようなスプレーコートの後、エアナイフによって表面をかきならすことでスプレーコートによる粒子の大きさに対応した凹凸を解決する方法がある。しかしながら、このような方法で検討を実施したところシート状物上に供給された塗工液の形状に近い光学歪が塗工面に生じ、外観不良が無い均一な塗工面を得ることができなかった。また、このような方法では噴霧された塗工液が飛散することから、周辺設備の汚染の懸念や飛散した塗工液の回収設備が必要により塗工液供給部周囲が複雑となる。
さらに、特許文献2に示すようなエアノズルを用いて、シート状物へエアを吹き付けることで該シート状物に液溜りを形成し塗工する方法がある。この方法では塗工液供給方法が塗工幅において一定間隔で多点供給、塗工幅中央に一点供給、もしくはスリットダイなどで全幅に供給する方法が提案されている。しかしながら、このような方法での多点および一点供給では製品内に供給に起因するスジ状の外観不良が発生する場合がある(図5の供給スジ7)。
以上のように、高付加価値の被塗工物に塗工する従来の塗工液供給方法では近年の高レベルな塗工面の外観要求を満足するような簡易的な塗工液供給方式が提案されていなかった。
特開平2−102764号公報 特開2006−231284号公報
本発明の目的は、塗工液供給に起因する外観不良が無い塗工部を形成することができる塗工方法、及び、その塗工方法によって予めエンドレスベルトに形成された塗工部の硬化層を板状重合物表面に移行させる外観不良が無い硬化層付き板状重合物の製造方法に関する。
本発明は、実質的に水平に走行するシート状物の上面に塗工液を供給し、塗工液が供給される位置よりも下流側においてメインエアノズルから該シート状物へエアを吹き付けることにより、メインエアノズルの上流側に塗工幅全域に渡る塗工液の溜まりを生ぜしめ、該シート状物上に均一塗工面を得る塗工方法であって、塗工液を、前記塗工液の溜まりの面上へ供給する塗工方法である。
さらに本発明は、相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にありベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、該空間の一端から重合性原料を供給し、該空間内でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、該空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、該2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面に、予め上記塗工方法によって形成された塗工部の硬化層を設けておき、かつ該硬化層を板状重合物の表面に移行させることを特徴とする硬化層付き板状重合物の製造方法である。
本発明の塗工方法によれば、塗工液を塗工液の溜まりの面上へ供給することによって、塗工液供給に起因する外観不良が無い塗工部を形成することができる。
本発明の板状重合物の製造方法によれば、外観不良が無い硬化層を有する板状重合物を提供でき、その品質及び生産性を向上させることができる。
図1は、本発明の塗工方法の一例を説明するための模式図である。この図に示すように、シート状物1(被塗工物)は水平方向に走行し、塗工液供給手段より塗工液がシート状物1の上面に供給される。塗工液が供給される位置よりも下流側に配置されたメインエアノズル2からシート状物1上の塗工液にエアを吹き付けることで、メインエアノズル2の下流側に塗工液の厚みが均一な塗工部を形成するとともに、メインエアノズル2の上流側に塗工液の溜まり(液溜まり5)を形成することができる。さらにシート状物1の幅方向における両端部に近接して配設された一対のサイドエアノズル3からシート状物1上の液溜まり5へエアを吹き付けることにより、塗工液の前記幅方向への広がりを制御しやすくなる。
従来技術においては、図5に示すように塗工液の供給位置が液溜まり5よりも上流側にあったが、本発明においては、図1に示すように塗工液を液溜まり5の面上へ供給する。本発明者は、このように塗工液を特定の位置に供給することによって、図5の供給スジ7等の外観不良を有しない塗工部を連続して形成できることを見出したのである。
塗工液は、液溜まり5の面上へ供給するのであれば特に制限されない。また、塗工部6の両端近辺を製品として使用しない場合は、塗工液は液溜まり5の面へ供給し且つ塗工部6の両端近辺を除く幅(以下、適宜「塗工幅」という)の範囲内へ供給することが好ましい。これにより、製品となる塗工幅の範囲内において、塗工液供給に起因する外観不良を有しない塗工部を連続して形成することができる。
シート状物1の材質には特に制限は無く、例えば、樹脂、金属等を使用できる。金属としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、銅などが挙げられる。また、これらの塗工側の表面を研磨処理したものも使用できる。シート状物1が水平状態での走行を維持するためには、高い剛性を有することが好ましい。特に金属製のシート状物1は、一般に、薄くても比較的高い剛性を有するので好ましい。シート状物1の反り、撓み等の影響を抑えてフラット性を保つ観点から、シート状物1の厚さは、0.1mm以上であることが好ましい。また、シート状物1の水平方向のフラット性を保つため、シート状物1に、その走行方向に沿って張力をかけることもできる。
図1では、シート状物1の幅方向において中央部分に配置された1本の塗工液供給パイプ4が、塗工液供給手段として用いられている。ただし、本発明はこれに限定されない。例えば、シート状物の幅方向において一定ピッチで配した複数本の塗工液供給パイプを、塗工液供給手段として用いることもできる。
塗工液供給手段としては、配管から成るものが代表的である。例えば、塗工液供給パイプ4が好適に使用できる。特に、塗工液を供給する配管の先端部の内径が、該先端部に直結する配管の内径の半分以上、同一以下であることが好ましい。前記先端部としてはノズルを使用することができる。このような構成にすることにより、供給配管内部が塗工液で十分充填され、塗工液を供給する際の泡の巻き込みが防止できる。したがって、液溜まり5内に泡が入りこまず、外観不良が更に少ない塗工面を連続的に形成できる。
また、塗工液の供給前に塗工液供給配管の内部容積に対して3倍以上8倍以下で、かつ定常時の供給量の1.5倍以上で塗工液を配管先端から排出した後、シート状物の上面への塗工液の供給を開始することが好ましい。この塗工液の供給前の塗工液の排出は、いわゆる塗工液の供給前のブロー工程である。そして、上記のような条件を採用することにより、供給配管内部に存在する気層部を十分払い出すことができる。したがって、液溜まり5中に泡溜りが形成されることなく、外観不良が更に少ない塗工面を連続的に形成できる。なお、「定常時の供給量」の意味は後述する。「塗工液供給配管の内部容積」とは、塗工液の送液装置(ポンプ等)から先端部までの配管の内部容積のことをいう。
また、塗工液を供給する配管の先端部の設置位置は、シート状物の表面から鉛直上方へ30mm以上80mm以下であることが好ましい。配管の先端部をこの範囲内に設置することにより、塗工液の飛散や泡の巻き込みを防止でき、外観不良が更に少ない塗工面を連続的に形成できる。
また、塗工液の供給位置は、メインエアノズル2からのエアにより生じる塗工液の波立ちに起因する塗工液の溜まり5の厚みの変動がエアが無いときの静的な液溜まり5の厚みXに対してX±1mm以下の範囲内の領域にあることが好ましい。液溜まり5の厚みの変動が少ない領域を、塗工液の供給位置とすることにより、揺らいだスジ状の外観不良を防止でき、外観不良が更に少ない塗工面を連続的に形成できる。ここで、液溜まり5の厚みの変動X±αmmは、塗工液の溜まり内に目盛付きゲージ等を浸漬して、目視にて観察することにより測定することができる。
また、塗工液の溜まり5として、塗工幅全域且つメインエアノズル2からのエアにより生じる塗工液の波立ちに起因する塗工液の溜まり5の厚みの変動がエアが無いときの静的な液溜まり5の厚みXに対してX±1mm以下の範囲内の領域がシート状物の走行方向において50mm以上の長さを有するまで定常時の供給量の1倍以上5倍以下で塗工液を供給し、それ以後は定常時の供給量で供給することが好ましい。すなわち、液溜まり5内の厚みの変動が少ない領域が走行方向の50mm以上に広がるまで、定常時の供給量以上の供給量で塗工液を供給することが好ましいのである。供給量を多くすれば液溜まりの形成の時間を短縮でき、供給量を5倍以下にすれば、供給速度の高速化による泡の咬み込みや液の飛散などを防止できる。
塗工液供給量において、メインエアノズル2の上流側に所定の塗工幅全域に渡る液溜まり5を形成した後の定常時の供給量(定常時の単位時間当たりの塗工液供給量)は、シート状物の走行速度×塗工幅×塗工膜厚によって算出される。
なお、本明細書において単に幅方向と言った場合、シート状物1の面上においてシート状物1の走行方向と直交する方向のことを指し、長手方向とはシート状物1の走行方向のことを指す。また、上流、下流とはシート状物1の走行を流れとして見た場合の意味である。
ここで、塗工液供給パイプ4から塗工液をシート状物1上に供給した段階で塗工液が存在すべき所定幅内に未塗工部分が存在していても、後に詳述するように、液溜まり5が未塗工部分を消失せしめることができる。
本発明に用いる塗工液は特に制限されず、非水系および水系の何れの塗工液も使用できる。塗工液の粘度は、メインエアノズル2、サイドエアノズル3からのエアによるシート状物1上の塗工液の飛散防止の観点から1mPa・s以上が好ましく、塗工液がシート状物1上を幅方向に広がる速度の観点から5000mPa・s以下が好ましい。
非水系の塗工液としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル;酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等の重合性モノマーが挙げられる。
特に、塗工液の硬化物の耐擦傷性、透明性、耐候性の観点から1モルの多価アルコールと2モル以上のポリ(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物等を挙げることができる。
1モルの多価アルコールと2モル以上のポリ(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物において、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組み合わせとしては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸または無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等の組み合わせによる縮合物等が挙げられる。
その他の例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類とを、イソシアネート1分子当たり3モル以上の(メタ)アクリレート類を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;およびトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレートもしくはトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートを挙げることができ、更には従来より知られるエポキシポリアクリレート、ウレタンポリアクリレートなどが挙げられる。これらは、一種を単独であるいは二種以上を混合して用いることができる。
ここで「(メタ)アクリ---」とは、「メタクリ---」または「アクリ---」を表す。
また、さらにアセトン、メタノール、エール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の溶剤を粘度調整等の目的で塗工液に適宜加えることも可能である。
また、塗工液に重合開始剤を加えることもできる。その具体例としては、tert−ヘキシルパーオキシピバレ−ト、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物が挙げられる。
さらに、光重合開始剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;およびテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物が挙げられる。
またさらに、塗工液に2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイドなどの助剤や、無機系フィラーなどを適宜加えることも可能である。
メインエアノズル2としては、例えば、エア吹き出し形状がスリット型のものや、円形型、楕円型のものを幅方向に複数本配列したもの等が挙げられる。スリット型の場合、スリットのクリアランスはメインエアノズル2への供給される圧縮空気の流量の観点から1mm以下が好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。またスリット部での圧力損失を抑制する観点からクリアランスは0.05mm以上であることが好ましい。
メインエアノズル2の材質には特に制限は無く、例えば、樹脂、金属等を使用できる。樹脂としては、例えば、ABS、PPS、金属としては、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、銅、亜鉛などが挙げられる。
メインエアノズル2は、塗工幅全幅にわたって塗工液を堰き止め、塗工幅全幅にわたる液溜まり5を形成可能な位置に設けられる。例えばエア吹き出し形状がスリット型の場合、シート状物1の幅より長いスリットを有し、シート状物1の幅方向に平行に設けられたメインエアノズルであり、シート状物1の幅方向に平行な鉛直面と、メインエアノズル2のエア噴出方向とのなす角度は、シート状物1上の塗工液の飛散防止の観点から、鉛直下向きを0°として−60°以上60°以下が好ましい。
メインエアノズル2の取り付け位置については、液溜まり5がメインエアノズル2の先端に接触する危険を回避するなどの観点からメインエアノズル2のノズル先端をシート状物1の表面から1mm以上離すことが好ましく、液溜まり5を安定させて優れたエアの堰き止め効果を得るなどの観点からメインエアノズル2のノズル先端とシート状物1の表面との距離は20mm以下が好ましい。
メインエアノズル2から吹き出すエア風量は、メインエアノズル2の取り付け位置、角度、塗工液の粘度、塗工部6の塗工厚みによって適宜調整されるが、メインエアノズル2先端に塗工液が接触することを防止する観点から塗工幅1mあたり0.1m3/min以上が好ましく、シート状物1上の塗工液が飛散することを防止する観点から、塗工幅1mあたり30m3/min以下が好ましい。
メインエアノズル2から吹き出すエア温度は塗工液の粘度の観点から10℃以上150℃以下が好ましく、作業環境の観点から、10℃以上40℃以下がより好ましい。
サイドエアノズル3の形状は特に制限は無く、例えば、エア吹き出し口形状がスリット型のものや、円形型、楕円型のものが挙げられる。特に、帯状に塗工された塗工部の両端部ラインを、走行するシート状物の両端部ラインと平行にすることがより容易である観点から、スリット状の噴出口、または直線状に配置された複数の噴出口を有するノズルを用いることが好ましい。
図2はサイドエアノズル3の取り付け状態を示す幅方向から見た模式図である。メインエアノズル2と、サイドエアノズル3の噴出口の先端の一部とが接触して配置されることが、幅方向における液溜まり5の両端部(塗工部エッジ8)ラインの形状安定化と平行化の観点から好ましい。
シート状物1の幅方向に平行な鉛直面とサイドエアノズル3のエア噴出方向とのなす角度θ1は、サイドエアノズル3の形状等により適宜決めることができる。該角度θ1は、メインエアノズル2のカーテン状のエアをサイドエアノズル3によってシート状物1の走行方向に沿って塗工液を堰き止める効果を発現する観点から0°以上が好ましく、サイドエアノズル3の先端がシート状物1と接触する危険を回避するなどの観点から30°以下であることが好ましい。
なお、本明細書においてメインエアノズル2の長手方向とは、メインエアノズル2がシート状物1の走行方向と直交する方向(シート状物1の幅方向)のことを指し、メインエアノズル2の幅方向とはシート状物1の走行方向のことを指す。
次に、図3はサイドエアノズル3の取り付け状態を示す上流側から装置側面を見た模式図であり、サイドエアノズル3の取り付け方向については、シート状物1上に供給された塗工液及び液溜まり5の塗工部エッジ8を安定させてエアの堰き止め効果を得るなどの観点から、シート状物1の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズル3のエア噴出方向とのなす角度θ2が−70°(シート状物1の内側に向かう方向)以上0°以下であることが好ましい。
また、図4はサイドエアノズル3の取り付け状態を示す上方向からの模式図であり、シート状物1の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズル3のスリット長方向または直列に配置された複数の噴出口を結ぶ直線方向とのなす角度θ3については、メインエアノズル2の上流側では、メインエアノズル2から噴出するエアによる影響がメインエアノズル2からシート状物1の走行方向に沿って遠ざかるに従って少なくなることから、メインエアノズル2に近いスリット端を基点として60°(サイドエアノズル3のスリットがシート状物1の上流側よりも下流側の方が内側にある)以下が好ましく、液溜まり5の形状をシート状物1の内側に向かって形成する際、サイドエアノズル3のエアによる液飛びを防止する観点から−60°(サイドエアノズル3のスリットがシート状物1の上流側よりも下流側の方が外側にある)以上が好ましい。
サイドエアノズル3の噴出口の先端とシート状物1の上面との距離は、シート状物1にサイドエアノズル3の先端が接触する危険を回避するなどの観点から、10mm以上が好ましく、シート状物の幅方向における液溜まり5の塗工部エッジ8を安定させてエアの堰き止め効果を得るなどの観点から50mm以下が好ましい。
サイドエアノズル3のシート状物の幅方向における設置位置は、液溜まりからの液飛びを抑制する観点から幅方向における塗工部の端から外側30mm以上が好ましく、安定して液溜まり端を制御する観点から液溜まり端から外側100mm以下の位置に設けることが好ましい。
さらに、サイドエアノズル3の取り付け位置、角度および/または方向を、塗工液の粘度やシート状物1の材質により適宜調節して連続することにより、シート状物の走行方向に対して平行である塗工部エッジ8を所望の位置に形成することができる。
サイドエアノズル3は上流側及び下流側でエア風量を分けることができるように、シート状物の走行方向に複数組配設されることが好ましい。
サイドエアノズル3のエア風量はサイドエアノズル3の取り付け位置、角度、塗工液の粘度、シート状物1の材質および搬送速度、メインエアノズル2の風量により適宜調節しても良い。
サイドエアノズルをシート状物の走行方向に複数組配設する場合、下流側のサイドエアノズル3'はシート状物へ供給された液への影響を少なくする観点から、液溜まりの走行方向における上流側端部から上流50mmの位置を超えない幅にすることが好ましい。
上流側のサイドエアノズル3"から吹き出すエア風量は、シート状物1上に供給された塗工液の自由界面(流動先端)の外側への広がりに打ち勝って塗工液を堰き止める程度の風量以上が好ましく、シート状物1の上部から供給される塗工液を内側に飛ばさない程度の風量以下が好ましい。
下流側のサイドエアノズル3'から吹き出すエア風量は、下流側のサイドエアノズル3'では吹き付けエア風量がメインエアノズル2の吹き付けエア風量に打ち勝って液溜まり5を堰き止める程度の風量以上が好ましく、液溜まり5の端から液飛びをしない程度の風量以下が好ましい。
下流側のサイドエアノズル3'のエア風量を上流側のサイドエアノズル3"のそれより多く供給することが好ましい。
サイドエアノズル3から吹き出すエア温度は塗工液の粘度の観点から10℃以上150℃以下が好ましく、作業環境の観点から、10℃以上40℃以下がより好ましい。
サイドエアノズル3の材質には特に制限は無く、例えば、樹脂、金属等を使用できる。樹脂としては、例えば、ABS,PPS、金属としては、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、銅、亜鉛などが挙げられる。使用する塗工液にもよるが、溶剤洗浄に適したステンレス鋼を用いることが好ましい。
図1に示すように、塗工液は、水平方向に走行するシート状物1の上に形成された液溜まり5の面上へ供給する。この液溜まり5の量は塗工液の供給量によって調整することが可能で、帯状に塗工された塗工部エッジ8ラインが、走行するシート状物1の両端部ラインと平行となるように適宜調整できる。
本発明において、液溜まり5は幅方向に広がることで所定範囲に未塗工部分の無い平滑な塗工部を得るために有効であるが、さらに液溜まり5のシート状物1の走行方向である長手方向における長さや液位も意味を持つ。例えば、この液溜まり5への塗工液が一時的に過剰になった場合、液溜まり5の量は変化するが、液溜まり5の幅方向の両端をサイドエアノズル3で堰き止めているため、液溜まり5の長手方向が長く、液位が高くなる。その結果、液溜まり5の両端を堰き止めない方法と比べて、液溜まり5の量を所定の塗工幅全域に渡ってほぼ均一に増やすことができるという効果がある。すなわち、液溜まり5を、塗工液供給の増減ムラに対する緩衝機構として機能させることが可能である。
なお、本発明の塗工方法では、液溜まり5の形状、量を安定させる観点から、被塗工物であるシート状物1が走行方向において長い方が効率よく塗工できる。さらに、シート状物1が走行方向における端部を有しないエンドレスシート状であって、連続的に走行するものであれば最も効率よく塗工できる。
また、シート状物1上の液溜まり5の形状をシート状物1の幅方向、走行方向に対して安定させる観点から、シート状物1は水平方向に走行させることが好ましいが、僅かに傾いた方向で走行する場合であっても、液溜まり5の両端をサイドエアノズル3で堰き止めているため、液溜まり5の両端の液位に差がでる程度で水平方向の場合と同様に塗工部エッジ8ラインとシート状物の両端部ラインとが平行になる。つまり、シート状物1は実質的に水平方向に走行すればよい。
以上説明した本発明の塗工方法によれば、均一な塗工部6を有するシート状物1を安定して得ることができる。このシート状物1の面積1m2あたりの塗工量は適宜設定できるが、例えば1g/m2以上100g/m2以下である。
また、塗工液に熱もしくは紫外線で硬化する材料を用い、この塗工部6を更に加熱したり、紫外線を照射したりすることによって硬化させ、硬化層を有するシート状物1を得ることもできる。
塗工部6またはその硬化層を有するシート状物1は、塗工部端に発生する供給に起因する外観不良の部分を除去後、所望のサイズに適宜切断して、種々の用途に使用できる。
また例えば、塗工部6の硬化層付きの金属製のシート状物1の硬化層側に、別の樹脂層や樹脂成形体を付着させ、金属製のシート状物1から硬化層を剥離移行させることにより、硬化層を有する樹脂積層体を得ることもできる。この方法は、特に連続製板装置を用いた板状重合物の製造方法において非常に有用である。例えば、シート状物としてベルトを用い、相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にありベルト面で挟まれた状態で走行する連続した2本のガスケットとで囲まれた空間に、その空間の一端から重合性原料(例えばメタクリル酸メチルを含む重合性原料)を供給し、その空間内でベルトの走行と共に、例えばこの空間に近接された加熱ゾーン内にて重合性原料を固化させ、その空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、上記2個のエンドレスベルト(例えば厚み1.0mm以上のステンレス鋼板からなる鏡面研磨されたエンドレスベルト)の外側の面の少なくとも一方の面に、予め本発明の塗工方法によって塗工部を形成し、塗工部の塗工液を硬化させて硬化層を設けておき、その硬化層を板状重合物の表面に移行させることによって、表面に硬化層を有する板状重合物を安定して且つ効率良く製造できる。
つまり、エンドレスベルトのベルト面に本発明の塗工方法によって硬化可能な塗工液の塗工部6を形成し、次いでその塗工部6を硬化させ、エンドレスベルト上に硬化層を形成する。このように少なくとも一方に硬化層が形成された一組の相対するエンドレスベルトと、側部をシールするためのガスケットとで囲まれる空間に、重合性原料を供給し、硬化層に接触している重合性原料を連続的に重合させ、重合性原料が重合して得られる板状重合物に硬化層をエンドレスベルトから移行させることにより、硬化層を少なくとも一方の面に有する板状重合物を得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、これらは本発明を限定するもので
はない。以下の記載において「部」は質量部を示す。
<実施例1>
水平方向に同一速度で走行する上下に位置した2個のエンドレスベルトを具備するベルト式連続製板装置を用いて、以下の通り連続塗工を行った。
トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル(大阪有機化学(株)製、商品名:TAS)50部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名:ビスコート#230)42.3部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名:ビスコート#300)10部を混合したものを塗工液として用いた。
上記2個のエンドレスベルトは、いずれも鏡面研磨されたベルト幅500mmオーステナイト系ステンレス鋼板(厚さ1.5mm)であり、上下に位置した2個のベルトのうち下側の方をシート状物1として、塗工速度(シート状物1の走行速度)は2m/min、シート状物1の両側端から50mm内側を塗工部エッジとし、塗工幅400mm、膜厚20μmの連続塗工を図1に示した方法に従い5時間行った。尚、塗工液はベルト下流端で拭き取りながら装置を稼動した。
ここで、塗工液、メインエアノズル2、サイドエアノズル3のエア温度、シート状物1の温度を30℃となるように調整した。塗工液の30℃における粘度は49mPa・sであった。
また、塗工液供給パイプ4として、塗工液供給配管内径より2mm小さい、内径φ6mmのステンレス製の中空パイプを供給配管の先端部とし、かつシート状物1からの設置高さを50mm、シート状物走行方向においてはメインエアノズル2から100mm上流の位置に配した。
塗工液供給前に供給配管内部の気層部を払い出すため、塗工液供給配管の容積に対し、5倍の塗工液を最大供給量で塗工液供給パイプ4の先端からブローした。
塗工液の供給量は、液溜まり5がメインエアノズル上流側に幅400mm、かつシート状物走行方向に120mm程度で形成されるまでは定常供給量の1.5倍の供給量で供給し、静的液溜まり5の厚みXに対し、X±1mm以下の厚み変動である領域はシート状物走行方向においてメインエアノズル2から上流側に長さ60mm以上の領域が形成された。
メインエアノズル2としては、幅方向に700mmのスリット型エアノズルであってスリットクリアランス0.1mmのものを用い、エア風量を1m3/minと設定した。また、メインエアノズル取り付け位置は、ノズル先端がシート状物の表面から5mm離れた位置で、メインエアノズル角度がシート状物の幅方向に平行な鉛直面と、メインエアノズルのエア噴出方向とのなす角度が5度上流側に傾けて配した。
また、サイドエアノズル3はオリフィス呼び径0.86mmの噴出口が直列に5個配置されたステンレスSUS316製フラットエアノズル(スプレーイングシステムジャパン(株)製、商品名:ウィンドジェットAAB727−SS)を3個直列に並べたものであって、その先端はシート状物1の表面から鉛直上方へ40mm離れ、塗工部6の両側端から70mm外側へ離れ、シート状物の幅方向に平行な鉛直面とサイドエアノズルのエア噴出方向とのなす角度θ1は0°(垂直)、シート状物1の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズルのエア噴出方向とのなす角度θ2は−45°、シート状物の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズル3のスリットとのなす角度θ3は−30°とした。
シート状物1の両端から50mm内側に塗工面エッジが形成されるようにサイドエアノズル3の吹きつけエア風量を調整した結果、サイドエアノズル3のエア風量は0.005m3/minであった。
上記の1.5倍の塗工液供給量で、上記規定のサイズの液溜まり5を5minほどで形成でき、その後定常の供給量に減らしてもほぼそのサイズを維持でき、塗工部の目視評価では未塗工部分や極端な薄膜部分は皆無であった。
また、供給開始から塗工終わりの供給終了まで、供給される塗工液中と液溜まり5内に泡が混入することは無かった。
さらに、メインエアノズル通過後の塗工部には供給に起因するスジなどの外観不良は皆無であった。
<実施例2>
本実施例では、実施例1よりもさらに大型の連続製板装置を用いて、以下に示すこと以外は実施例1と同様な連続塗工を行った。
実施例1で用いたトリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル50部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート42.3部、ペンタエリスリトールトリアクリレート10部を混合したものを塗工液として用い、鏡面研磨されたベルト幅3000mmオーステナイト系ステンレス鋼板(厚さ1.5mm)をシート状物1として、塗工速度(シート状物1の走行速度)は4m/min、シート状物1の両側端から150mm内側を塗工端とし、塗工幅2700mm、膜厚20μmの連続塗工を図1に示した方法に従い20時間行った。
ここで、塗工液、メインエアノズル2、サイドエアノズル3のエア温度、シート状物1の温度を40℃となるように調整した。塗工液の40℃における粘度は36mPa・sであった。
また、塗工液供給パイプとして、塗工液供給配管内径と同一径の内径8mm、外径10mmのステンレス製中空パイプ3本を塗工部中央と中央から左右に700mmの位置に1本づつ配し、かつシート状物1からの設置高さを70mm、シート状物1走行方向においてはメインエアノズル2から130mm上流の位置に配した。
塗工液供給前に供給配管内部の気層部を払い出すため、塗工液供給配管の容積に対し、7倍の塗工液を最大供給量で塗工液供給パイプ先端からブローした。
塗工液の供給量は、液溜まり5がメインエアノズル上流側に幅2700mm、かつシート状物走行方向に150mm程度で形成されるまでは定常供給量の2倍の供給量で供給し、静的液溜まり5の厚みXに対し、X±1mm以下の厚み変動である領域はシート状物走行方向においてメインエアノズル2から上流側に長さ100mm以上の領域が形成された。
メインエアノズル2としては、幅方向に3000mmのスリット型エアノズルであって、スリットクリアランス0.1mmのものを用い、エア風量2.5m3/minと設定した。また、メインエアノズル2の取り付け位置は、ノズル先端がシート状物1の表面から鉛直上方へ5mm離れた位置で、メインエアノズル角度がシート状物の幅方向に平行な鉛直面と、メインエアノズル2のエア噴出方向とのなす角度が5度上流側に傾けて配した。
また、サイドエアノズル3は実施例1で用いたオリフィス呼び径0.86mmの噴出口が直列に複数個配置されたステンレスSUS316製フラットエアノズルを4個直列に並べたものであって、その先端はシート状物の表面から鉛直上方へ30mm離れ、塗工部の両側端から60mm離れ、シート状物の幅方向に平行な鉛直面とサイドエアノズルのエア噴出方向とのなす角度θ1は0°(垂直)、シート状物の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズルのエア噴出方向とのなす角度θ2は−55°、シート状物の走行方向に平行な鉛直面とサイドエアノズルのスリットとのなす角度θ3は0°とした。
シート状物1の両端から150mm内側に塗工面エッジが形成されるようにサイドエアノズル3の吹きつけエア風量を調整した結果、サイドエアノズル3のエア風量は0.015m3/minであった。
上記の2倍の塗工液供給量で、上記規定のサイズの液溜まり5を10minほどで形成でき、その後定常の供給量に減らしてもほぼそのサイズを維持でき、塗工部の目視評価では未塗工部分や極端な薄膜部分は皆無であった。
20時間の塗工中、供給される塗工液中と液溜まり5内に泡が混入することは無かった。
さらに、メインエアノズル通過後の塗工部には供給に起因するスジなどの外観不良は皆無であった。
<実施例3>
以下の通り、実施例1と同様にして10時間の連続塗工を行いながら、製板を実施した。なお、本実施例では塗工部を硬化させるため、実施例1の塗工液にビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:BAPO)0.2部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:IRGACURE 184)3部を光開始剤として混合し、紫外線硬化用光源装置(アイグラフィクス(株)製)を用いて硬化させた。
10時間の塗工中、エンドレスベルトのベルト面に形成された塗工部を硬化させ、エンドレスベルト上に硬化層を形成した。一方のエンドレスベルト面に硬化層が形成された一組の相対するエンドレスベルトと、未塗工部である側部(シート状物両側端よりそれぞれ内側に25mmまでの位置)にシールするためのガスケットとを配し、ガスケットで囲まれる空間に、重合率20質量%のメタクリル酸メチルシラップ(粘度1Pa・s、20℃)100部に、重合開始剤としてtert−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキシルPV)0.35部、離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.005部を加えて均一に混合した液状の重合性原料を真空容器内で脱泡したうえで供給し、硬化層に接触している重合性原料を連続的に重合させ、重合性原料が重合して得られる板状重合物に硬化層をエンドレスベルトから移行させることにより、420mm±5mm以内の幅の硬化層を一方の面に有する板状重合物を得た。
得られた板状重合物の両側端部を切断する際、板状重合物のエッジから15mmを切断することで、光学歪が無い板状重合物を無駄無く得ることができた。
<実施例4>
塗工液供給パイプを塗工液供給配管内径より2mm大きくし、内径φ10mmのステンレス製の中空パイプを塗工部中央に設置したこと以外は、実施例1と同様にして5時間の連続塗工を行った。
5時間の塗工中、メインエアノズルから上流側のシート状物上に実施例1と同様のバンクが形成され、所望の塗工幅で未塗工部分や極端な薄膜部分は皆無であった。しかしながら、供給配管内部が液で充填されないため、供給液に気泡を巻き込み、シート状物上に供給されることで、バンク内に常時泡が入り、泡溜りを形成するため、それより円形状の外観不良が塗工面に連続的に生じた。
<比較例1>
図5に示すように、塗工液供給パイプを液溜まり5の位置よりさらに上流であるメインエアノズルから300mmに設置する以外は、実施例1と同様にして5時間の連続塗工を行った。
5時間の塗工中、メインエアノズルから上流側のシート状物上に実施例1と類似の液溜まりが形成され、所望の塗工幅で未塗工部分や極端な薄膜部分は皆無であったが、塗工液供給位置に幅10mmのスジ状の外観不良が塗工面に連続的に生じた。
<比較例2>
比較例1と同様にして5時間の連続塗工を行いながら、実施例3に示したのと同様にして製板を実施したところ、420mm±5mm以内の幅の硬化層を一方の面に有する板状重合物を得た。
一方の全面に硬化層を有する板状重合物が得たが、比較例1と同様の光学歪が生じ幅方向に外観不良が無い板状重合物を得ることが出来なかった。
本発明の塗工方法を実施しうる装置の一例を示す模式的斜視図である。 サイドエアノズルの取り付け状態を説明するための、本発明の塗工方法を実施しうる装置の模式的側面図である。 サイドエアノズルの取り付け状態を説明するための、本発明の塗工方法を実施しうる装置の上流側から見た模式的側面図である。 サイドエアノズルの取り付け状態を説明するための模式的上面図である。 従来の液溜まりの面外(上流)からの塗工液供給での塗工方法の一例を説明するための、模式的上面図である。
符号の説明
1 シート状物(被塗工物)
2 メインエアノズル
3 サイドエアノズル
3' 下流側サイドエアノズル
3" 上流側サイドエアノズル
4 塗工液供給パイプ
5 液溜まり
6 塗工部
7 供給スジ
8 塗工部エッジ

Claims (8)

  1. 実質的に水平に走行するシート状物の上面に塗工液を供給し、塗工液が供給される位置よりも下流側においてメインエアノズルから該シート状物へエアを吹き付けることにより、メインエアノズルの上流側に塗工幅全域に渡る塗工液の溜まりを生ぜしめ、該シート状物上に均一塗工面を得る塗工方法であって、
    塗工液を、前記塗工液の溜まりの面上へ供給する塗工方法。
  2. シート状物の幅方向における両端部に近接して配設された一対のサイドエアノズルから該シート状物上の塗工液の溜まりへエアを吹き付ける請求項1記載の塗工方法。
  3. 塗工液を供給する手段が配管から成り、塗工液を供給する配管の先端部の内径が、該先端部に直結する配管の内径の半分以上、同一以下である請求項1又は2記載の塗工方法。
  4. 塗工液を供給する手段が配管から成り、塗工液の供給前に塗工液供給配管の内部容積に対して3倍以上8倍以下で、かつ定常時の供給量の1.5倍以上で塗工液を配管先端から排出した後、シート状物の上面への塗工液の供給を開始する請求項1〜3の何れか一項記載の塗工方法。
  5. 塗工液を供給する手段が配管から成り、塗工液を供給する配管の先端部の設置位置がシート状物の表面から鉛直上方へ30mm以上80mm以下であり、かつメインエアノズルからのエアにより生じる塗工液の波立ちに起因する塗工液の溜まりの厚みの変動がエアが無いときの静的な塗工液の溜まりの厚みXに対してX±1mm以下の範囲内の領域に、塗工液の供給位置がある請求項1〜4の何れか一項記載の塗工方法。
  6. 塗工液を供給する手段が配管から成り、塗工液を供給する配管の先端部の設置本数が、シート状物の幅方向において中央部分に配置された1本であり、もしくは幅方向において一定ピッチで配した複数本である請求項1〜5の何れか一項記載の塗工方法。
  7. 塗工液の溜まりとして、塗工幅全域且つメインエアノズルからのエアにより生じる塗工液の波立ちに起因する塗工液の溜まりの厚みの変動がエアが無いときの静的な塗工液の溜まりの厚みXに対してX±1mm以下の範囲内の領域がシート状物の走行方向において50mm以上の長さを有するまで定常時の供給量の1倍以上5倍以下で塗工液を供給し、それ以後は定常時の供給量で供給する請求項1〜6の何れか一項記載の塗工方法。
  8. 相対するベルト面が同方向へ同一速度で走行するように配設された2個のエンドレスベルトの相対するベルト面と、それらの両側辺部にありベルト面で挟まれた状態で走行する連続したガスケットとで囲まれた空間に、該空間の一端から重合性原料を供給し、該空間内でベルトの走行と共に重合性原料を固化させ、該空間の他端から板状重合物を取り出す板状重合物の製造方法において、該2個のエンドレスベルトの相対するベルト面のうちの少なくとも一方の面に、予め請求項1〜7の何れか一項記載の塗工方法によって形成された塗工部の硬化層を設けておき、かつ該硬化層を板状重合物の表面に移行させることを特徴とする硬化層付き板状重合物の製造方法。
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