JP2016097344A - 塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布膜厚を薄くすることができ、且つ、良好な塗布膜厚分布を保つことにより、余剰な転写樹脂による金型や被転写材への汚染を抑制できる塗布方法を提供すること。
【解決手段】グラビアロール(14)を回転させながら、周面上に塗布液(11)を転移させる。グラビアロール(14)に転移された余剰の塗布液(11)を、掻き取り部材(15)により掻き取る。グラビアロール(14)から塗布液(11)をフィルム状の被転写基材(16)の表面に転移する。グラビアロール(14)は、被転写基材(16)の表面に接触する塗布部と、塗布部よりも小径で、被転写基材(16)の表面に接触しない非塗布部と、を有し、被転写基材(16)の走行速度Vfが3.0m/min以下であり、グラビアロール(14)の回転速度Vrと被転写基材(16)の走行速度Vfの比(Vr/Vf)が0.10以上0.50以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗布方法に関する。
従来、ナノインプリント等の分野においては、光学素子等に微細構造を賦形するため、予め微細構造が形成された金型を使用し、この金型の微細構造をガラス基板、プラスチック基板又はプラスチックフィルム等の表面に転写する方法が用いられている(特許文献1及び特許文献2参照)。
金型の微細構造を転写する方法としては、微細な溝又は穴等の微細パターンが形成された金型を原版(モールド、テンプレートとも呼ばれる)とし、原版の微細パターンを被転写材に押し当てて機械的にパターンを転写する方法や、原版の微細パターンを熱可塑性樹脂に押し当てて転写する方法等が挙げられている。また、原版の微細パターン上に光硬化性樹脂を塗布して光転写する方法(UVナノインプリント)も提案されている(特許文献3参照)。これらの方法においては、被転写材に転写される微細構造の解像度が原版に形成された微細パターンの精度によって決まる。このため、高精度な微細パターンが形成された金型(原版)を作製できれば、原版を繰り返し使用することにより、安価な装置で微細構造を転写することができる。原版とする金型としては、平行平板型の金型(ウエハ又はプレートとも呼ばれる)と、円筒(ローラー)状の金型とが一般に知られている(特許文献4及び非特許文献1参照)。
円筒状金型は、ロール・ツー・ロールプロセスに適合可能であるため、UVナノインプリントと組み合わせることで、タクトタイムの短縮、大面積化等、ナノインプリントにおける生産性が著しく向上する。
一方、ロール・ツー・ロールプロセスにおける塗布方法には、各種方式があり、近年特に技術革新が進んでいる塗布方法として、ダイコーティングとグラビアコーティングが挙げられる。その用途は、写真感光材、光学補正フィルム、反射防止フィルム又は電池電極用の金属箔への活物質塗布等であり、塗布技術は連続塗布だけでなく間欠塗布も求められる。
基材の任意のエリアに塗布するグラビアコーティングとして、基材と非接触となるように、グラビアロールに研削加工を施すことが提案されている(特許文献5参照)。
また、小径のグラビアロールを用いたグラビアコーティングやバックアップロールを用いたグラビアコーティング、基材とのキス式で接触させるグラビアコーティングなど、多種多様なグラビアコーティング方式が提案されている(非特許文献2参照)。
米国特許第5259926号明細書 米国特許第5772905号明細書 特開2005−238719号公報 特開2006−5022号公報 特開2009−28719公報
Hua Tan, Andrew Gibertson, Stephen Y. Chou, 「Roller nanoimprint lithography」 J. Vac. Sci. Technol. B16(6), 3926(1998) (株)加工技術協会編 「コンバーティング・テクノロジー便覧」 (株)加工技術協会,2006年,P45−84,P169−171
ロール・ツー・ロールナノインプリントにおいて、生産性を向上させるためには、UVナノインプリントが必須である。用いる光硬化性樹脂は、ナノ構造への充填のし易さから、低粘度であることが望ましい。また、光硬化性樹脂の塗布厚みに関しては、薄い方が好ましく、塗布膜厚が厚い場合は、ナノインプリント時の押圧により、樹脂が溢れ、溢れた光硬化性樹脂は、円筒状金型や基材フィルムを汚染するといった課題がある。
ダイコーティングは、塗布膜厚が厚い場合や間欠塗工において有効だが、ナノインプリントにおける塗布技術のような薄膜塗布には、現状技術障壁が高い。数μm塗布する場合、溶剤により10倍以上希釈する必要があるため、残存溶剤を失くすことが大きな課題となる。また、薄膜塗布となった場合、ダイのシム、送液の圧力制御、ダイリップとフィルムとの距離等を精密に制御しなければ、フィルム幅方向だけでなく流れ方向においても塗布厚みのバラツキが発生する。
グラビアコーティングは、塗布膜厚を薄くすることができるため、ナノインプリントにおける塗布に有効である。特許文献5に記載されたグラビアコーティングでは、グラビアロールに基材と接触する塗布部と、グラビアロールの径を削り塗布部より小径とすることで基材と非接触な非塗布部を設け、任意のエリアに塗布する技術が提案されている。しかしながら、特許文献5に記載の用途のように、電極部材のような数十μmの塗布厚みであれば、グラビアロールに小径加工を施すことだけで問題ないが、ナノインプリント装置の塗布技術に求められる数μm以下の塗布膜厚に適用した場合、基材と接触する塗布部の端部において、光硬化性樹脂が厚くなるといった問題がある。
バックアップロールを用いたグラビアコーティングでは、バックアップロール自体の精度と取り付けの精度が求められる。バックアップロールの回転が、偏心している場合、膜厚ムラとなるだけでなく、グラビアロールとバックアップロールで基材を挟んでいるため、キズの発生も問題となる。また、小径のグラビアロールは、薄膜塗布には向いているが、そのウェット膜厚は数μm以上であり、小径グラビアロールの回転速度(Vr)と基材の走行速度(Vf)の比(以下、周速比:Vr/Vf)を制御しなければ、安定な塗布膜面を得ることは難しい。そのため、非特許文献2に記載のとおり、平滑な塗布面を得ようとするならば、周速比1.00から2.00程度までが最適であり、周速比0.60以下では塗布液の供給が追い付かないとされてきた。
本発明者らは、上記記載の公知技術に倣い、周速比1.00から2.00程度を検討した結果、ナノインプリント用の塗布方法としては、塗布膜厚が薄くならず、転写時に樹脂が溢れ、溢れた光硬化性樹脂は、円筒状金型や基材フィルムを汚染するといった課題があった。
本発明は、上記説明した問題点に鑑みてなされたものであり、塗布膜厚を薄くすることができ、且つ、良好な塗布膜厚分布を保つことにより、余剰な転写樹脂による金型や被転写材への汚染を抑制できる塗布方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ロール・ツー・ロールナノインプリント装置における塗布方法において、塗布膜厚を薄くすることができ、且つ、良好な塗布膜厚分布を保つことにより、余剰な転写樹脂による金型や被転写材への汚染を抑制できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。なお、本発明は、ナノインプリント装置に限定されるものではなく、薄膜塗布が必要である用途においても適用することができる。すなわち、本発明は、以下の通りである。
本発明の塗布方法は、液状の転写樹脂を、周面上に複数の溝部が彫刻されたロールを回転させながら、前記周面上に前記転写樹脂を転移させる第1の転移工程と、前記ロールに転移された余剰の前記転写樹脂を、掻き取り部材により掻き取る掻き取り工程と、前記ロールから前記転写樹脂をフィルム状の被転写基材の表面に転移する第2の転移工程と、を具備し、前記ロールは、前記被転写基材の表面に接触する塗布部と、前記塗布部よりも小径で、前記被転写基材の表面に接触しない非塗布部と、を有し、前記被転写基材の走行速度Vfが3.0m/min以下であり、前記ロールの回転速度Vrと前記被転写基材の走行速度Vfの比(Vr/Vf)が0.50以下であることを特徴とする。
この構成により、周速比が0.10以上0.50以下であっても、被転写基材に対し転写樹脂を薄膜で、且つ、ムラなく転移させることができる。これにより、金型や被転写材への汚染を抑制することができる。
本発明の塗布方法において、前記走行速度Vfが1.0m/min以下であり、且つ、前記比(Vr/Vf)が、0.10以上0.20以下であることが好ましい。
この場合、転写樹脂の粘度に依存せず、低粘度であっても、転写後の基材とロールへの樹脂汚染を低減することができる。
本発明によれば、塗布膜厚を薄くすることができ、且つ、良好な塗布膜厚分布を保つことにより、余剰な転写樹脂による金型や被転写材への汚染を抑制できる塗布方法を提供することができる。
本実施の形態に係る塗布装置を示す模式図である。 本実施の形態に係るグラビアロールの周面上に刻まれた溝を示す模式図である。 本実施の形態におけるナノパタン総容量を示すグラフである。 本実施の形態におけるナノパタン総容量を示すグラフである。 一般的なグラビアロールを示す模式図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールの一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールの他の例を示す模式図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。 本実施の形態に係る塗布装置を示す模式図である。 本実施の形態に係る塗布方法における周速比と塗工重量の相関図である。 本実施の形態に係る塗布方法を用いたナノインプリント装置を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明における塗布方法とは、主にグラビア塗工法、又はマイクログラビア塗布法を指す。グラビア塗布とは、塗布液を被転写基材に塗布する前に塗布量を規定する塗布方式で、その塗布量は、複数の溝部が彫刻されたロール(以下、グラビアロール)の持ち上げ液量と、その持ち上げられた過剰な塗布液を掻き取る機構と、グラビアロール中の塗布液が被転写基材に転移される比率、すなわち、転移率によって決定する。塗布液は、液を溜めた収容部材からでも、アプリケーターロールと呼ばれる塗布液持ち上げ機構からでも、グラビアロールに直接又は間接的に持ち上げることができる。
図1は、本実施の形態に係る塗布装置を示す模式図である。図1に示すように、塗布装置10は、一定量の塗布液(液状の転写樹脂)11を収容する収容部材12を備えている。収容部材12には、塗布液11を供給する塗布液供給手段13が接続されている。塗布液供給手段13は、塗布液11が貯蔵された貯蔵タンク13aと、貯蔵タンク13aから塗布液11を収容部材12へ送出する送液手段13bと、で構成されている。
また、塗布装置10は、収容部材12に収容された塗布液11に、その周面の一部が浸漬されるように、回転自在に配置されたグラビアロール14を備えている。グラビアロール14は、周面上に複数の溝部が彫刻されている。また、グラビアロール14は、図示しない駆動手段により回転する。
このような構成により、グラビアロール14を回転させると、グラビアロール14の周面が塗布液11に浸漬され、グラビアロール14の周面に塗布液11が転移する。
また、グラビアロール14の周面方向外側には、グラビアロール14の周面に転移した余剰の塗布液11を掻き取る掻き取り部材15が設けられている。
また、フィルム状の被転写基材16が、グラビアロール14の周面に対して表面を接触させながら走行するように構成されている。これにより、グラビアロール14の周面上の塗布液11が、被転写基材16の表面に転移する。
上記のような塗布装置10を用いた塗布方法について説明する。まず、塗布液11を、貯蔵タンク13aから送液手段13bにより収容部材12に一定量供給する(供給工程)。次に、塗布液11を、グラビアロール14を回転させながら、その周面上に塗布液11を転移させる(第1の転移工程)。次に、グラビアロール14に転移された余剰の塗布液11を、掻き取り部材15により掻き取る(掻き取り工程)。次に、グラビアロール14から塗布液11をフィルム状の被転写基材16の表面に転移させる(第2の転移工程)。
ここで、グラビアロール14は、被転写基材16の表面に接触する塗布部と、塗布部よりも小径で、被転写基材16の表面に接触しない非塗布部を有し、且つ、掻き取り部材15がグラビアロール14の塗布部と実質的に同じ幅にすることが好ましい。
以下、本実施の形態に係る塗布方法について詳細に説明する。まず、供給工程において、ある一定量とは、収容部材12に供給された塗布液11の最表面液面が、グラビアロール14と接する高さのことを言う。一定量以上を保つことにより、連続的にグラビアロール14に塗布液11が転移され、同様に被転写基材16に塗布することができる。また、グラビアロール14は、被転写基材16の搬送方向に対し、逆回転であることが好ましい。
グラビアロールが逆回転であることは、被転写基材との間に存在する転写樹脂が、グラビアロールと被転写基材の両方から引っ張られるため、シェアがかかり、より平滑で均一な塗布面を得ることができる。
収容部材12は、特に限定されるものではなく、塗布液11に耐性のある材料で構成され又はコーティングがされている容器である。その容積も本発明においては限定しない。グラビアロール14の下端が、塗布液11の最表面に接触する位置に収容部材12を配置してあればよい。
送液手段13bは、特に限定されるものではなく、汎用のポンプ、すなわち、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、チュービングポンプ、プランジャーポンプ、ベローズポンプ、渦巻きポンプ又はヘイシンモーノポンプ(登録商標)等が用いられる。また、圧縮空気による圧送によって送液することもできる。また、圧縮空気やモーターを駆動に用い、シリンジによって送液することもできる。動力等は使用せず、手動でシリンジを圧縮し送液することもできる。送液は、連続的である必要はなく、塗布液11の最上面液面高さが、グラビアロール14の下端に触れてさえいれば、断続的に間欠式で送液してもかまわない。
図2は、本実施の形態に係るグラビアロールの周面上に刻まれた溝を示す模式図である。グラビアロール14の周面に刻まれた溝21の形状は、図2A〜図2Dにそれぞれ示すように、例えば、(a)ピラミッド型、(b)格子型、(c)斜線型及び(d)亀甲型を用いることができる。
溝21の体積(以下、溝体積という)は、1cm/m以上20cm/m以下であることが好ましい。1cm/m以上であれば、全て被転写基材16側に転移したとして、膜厚が1μm以上となる。一般的なグラビアロールの転移率である30%とすると、膜厚が300nm以上となるため、0.3cm/m以上の金型のナノ形状体積を転写することができる。1cm/m以下の場合、被転写基材16の塗布面の安定性が著しく低下するとともに、0.3cm/m以上のナノ形状体積を有する金型の転写が実質不可能となる。一方、20cm/m以下であれば、全て被転写基材16側に転移したとして、膜厚が20μm以下となる。膜厚が20μmあれば、余程アスペクト比の大きい形状以外ほぼすべてのナノ形状を転写することができる。また、全て被転写基材16に転移することはなく、一般的な転移率である30%とすると、塗布膜厚は6μmとなるため、6.0cm/m以下の一般的なナノ形状の金型を転写することができる。
さらに、グラビアロール14の溝体積が20cm/m以下であれば、ナノ形状体積にもよるが、過剰の塗布液11が被転写基材16のフィルム幅方向に溢れることを抑制することができる。これは、ナノ形状体積対し、プラス6.0cm/m以下であれば、フィルム幅方向に塗布液11が溢れることを抑制できると言い換えることができる。好ましくは、塗布膜厚t(μm)がナノ形状体積プラス6.0μm以下であれば、幅方向の溢れを抑制することができ、金型及び転写フィルムの汚染を防ぐことができる。より好ましくは、塗布膜厚t(μm)がナノ形状体積プラス3.0μm以下であれば、転写樹脂粘度に依存することなく幅方向の溢れを抑制することができる。
図3及び図4は、本実施の形態におけるナノパタン総容量を示すグラフである。図3に、金型の微細凹凸(ナノパタン)形状が、楕円錘形状の凹部、つまり、ホール形状であり、六方格子に配列され、且つ、その充填率(ホール開口部の開口面積/微細構造がない場合の平面面積)が58%とした時の、アスペクト比(ホール深さ(h)/開口部直径(R))に対する、ピッチP300nm、P700nm、P1000nmのナノパタン総容量(cm/m)を示す。
また、図4に、図3から導出された本実施の形態における塗布可能エリアを示す。幅方向の溢れを抑制できる塗布可能エリアは、各構造の実線部と点線部の間の領域となる。
幅方向に抑制できれば、金型及び被転写基材を汚染することも抑制することができる。ただし、上記転移率は、後述するが、グラビアロール14の径や転写液(転写樹脂)の粘度、グラビアロール14の回転速度Vr及び被転写基材の搬送速度V2、グラビアロール14の溝形状等の影響を受ける。
次に、塗布液(液状の転写樹脂)11を、グラビアロール14を回転させながら、グラビアロール14の周面上に塗布液11を転移させる(第1の転移工程)。
第1の転写工程において、グラビアロール14に転移した塗布液11の量を持ち上げ量Q0とすると、持ち上げ量Q0は、下記式1に示す通りになる。
Figure 2016097344
グラビアロール14の持ち上げ量Q0を低減するためには、式1より、塗布液粘度μを下げること、グラビアロール14の速度Vrを下げること、セル容積Cを下げること、グラビアロール14のロール径Rを小さくすることが挙げられる。グラビアロール14の速度Vrは、下記式2で表されるため、ロール径Rを小さくすることは、持ち上げ量低減に有効である。
Figure 2016097344
つまり、ロール径Rを30mm以下にすることで、持ち上げ量Q0を低減し、さらにその後の工程の第2の転移工程を経た際の被転写基材16への塗布量を低減することができる。ロール径を30mm以下にすれば、過剰の塗布液11がフィルム幅方向に溢れることを抑制することができ、金型及び被転写基材を汚染することも抑制することができるため、好ましい。回転数を下げることもできるが、数rpmまで下げた場合、駆動系に起因する脈動塗布ムラや、モーター及び減速機に支障をきたすことがある。よって、薄膜塗布の場合は、できる限りロール径Rを小さくすることが好ましい。
次に、第1の転移工程において、グラビアロール14に転移した余剰の塗布液11を、掻き取り部材15によって掻き取る(掻き取り工程)。掻き取り部材15とは、一般的にブレード又はドクターブレードと呼ばれ、金属や樹脂製の薄い板状又は刃状の機械部品を指す。
ブレードの材質は、特に限定されるものではなく、金属製又は樹脂製を選択することができる。樹脂製を用いる場合、掻き取り性能、転写樹脂及び洗浄液に対する耐薬品性、グラビアロール14との耐摩耗性を考慮し、選択することができる。
金属製のブレードとして、SK製(炭素工具鋼)、SUS製(ステンレス鋼)、炭素鋼及びVelbo製(ハイグレード炭素工具鋼)を選択することができる。塗布液11が水系塗布液であれば、SUS製が好ましい。また、各種焼入れ加工や、ニッケルメッキ等を施し、耐摩耗性を上げたブレードを選択することができる。
樹脂製のブレードとして、例えば、ポリエステル製、ポロエチレン製及びポリアセタール製を選択することができる。
また、ブレードの形状は、特に限定されるものではなく、刃先が丸みを帯びたラウンド形状や、刃先がグラビアロール14に対し接線方向にフラットになるベベル型等を選択することができる。ブレードの厚みは特に限定しない。ブレードの背面、すなわち、グラビアロール14と接するブレード面の逆側に、バックアップブレードを配置することができる。バックアップブレードは、ブレードの固定化と撓りの抑制及び調整を兼ねる。
グラビアロール14に対するブレードの当て方については、特に限定されることなく、ブレード先端でグラビアロール表面を当てることや、ブレードの平面部でグラビアロール14のロール径Rの接線方向に当てることができる。また、その当てる角度(当て角ともいう)や圧力(当て圧ともいう)については特に限定しない。ただし、グラビアロール14が回転することにより、ブレードの接地面が削られ、転写樹脂中に異物として混入する場合があるので、適宜当て角や当て圧を調整する必要がある。例えば、ブレード先端でグラビアロール14を押し付ける場合や当て圧が大きい場合は、余剰な転写樹脂の掻き取り効率が向上するが、ブレード表面が削られやすくなるため、ブレードの摩耗により発生した粉じんが転写樹脂中に混入するおそれがある。一方、ブレードの平面部でグラビアロールを押し付ける場合や当て圧が小さい場合は、掻き取り効率は低下するが、ブレードから樹脂中への粉じんの混入を抑制することができる。
一般的な当て角については、60°±10°の範囲で選択されるが、本実施の形態においては、ブレードの平面部又はラウンド部でグラビアロール14に接するため、40°以下の低角を選択している。また、耐摩耗性の観点からも40°以下で当てることが好ましい。ただし、ブレードの当て角や当て圧については、本発明から展開される用途や塗布される転写樹脂により、適宜選択することができる。
本実施の形態に係る塗布装置10において、グラビアロール14は、フィルム状の被転写基材16の表面に接触する塗布部と、塗布部よりも小径で、被転写基材16の表面に接触しない非塗布部を有する。また、掻き取り部材15が、グラビアロール14の塗布部と実質的に同じ幅を有することが好ましい。
ここで、掻き取り部材15が、グラビアロール14の塗布部と実質的に同じ幅を有するとは、グラビアロール14の溝部に転移した塗布液11の幅と、掻き取り部材15の幅が同じであることを指す。
通常のグラビアロールは、無垢のロールに対し、ある種の溝が彫刻されている。その彫刻された溝の円筒方向の幅が、第1の転移工程における転移幅及び第2の転移工程における転移幅、すなわち、塗布幅となる。
図5は、一般的なグラビアロールを示す模式図である。図5に示すように、グラビアロール50の溝部が彫刻された部分50aの直径をR1とすると、溝部が彫刻されていない部分50bの直径もR1となる。この際、溝部が彫刻されていない部分50bは、本来塗布液が転移しないはずだが、無垢のグラビアロール50の表面は、ある一定以上の表面粗さを有しているため、必ず、塗布液が転移する。掻き取る場合においても、その表面粗さにより粗面の溝部に存在する塗布液は、掻き取られずに残存し、第2の転移工程によって、被転写基材に転移されてしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1の転移工程において収容部材12に収容された塗布液11の最表面と接しない、又は、第2の転移工程において被転写基材16の表面には接しないように、グラビアロール14に非接触部を設けることとした。
図6は、本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールの一例を示す模式図である。図6に示すように、グラビアロール14の塗布部14aの直径R1より小さな直径R2を有する非塗布部14bを設ける。
図7は、本実施の形態に係る塗布方法におけるグラビアロールの他の例を示す模式図である。図7に示すように、同一のグラビアロール70に対し、塗布部70aを分割し、複数の非塗布部70bを設けることで、被転写基材16に対し、複数の領域で塗布を実施することができる。
上述のように、グラビアロール14の塗布部14aの幅と、掻き取り部材15、すなわち、ブレードの幅を実質的に同じにすることによって、被転写基材16の幅方向に均一に塗布液11を塗布することができる。
図8は、本実施の形態に係る塗布装置におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。「掻き取り部材15が、グラビアロール14の塗布部14aと実質的に同じ幅を有する」とは、図8に示すように、グラビアロール14の塗布部14aの幅(塗布幅ともいう)(W1)と掻き取り部材15の幅(W2)が下記式3で表されることを意味する。なお、図7に示すように複数の塗布部70aを設ける場合は、一つの塗布部70aの幅について下記式3を当てはめる。つまり、複数の塗布部70aを設ける場合は、塗布部70bの幅の合計ではなく、各々の塗布部70aの幅に下記式3を適用する。
式3 W1≦W2≦(W1×1.02)
(W1は、W1≦1000mmを満たす)
W1 :塗布部の幅(グラビアロール14の直径R1の部分の円筒方向の幅)
W2 :掻き取り部材の幅(ブレードの幅)
本実施の形態において、グラビアロール14の塗布幅(W1)と掻き取り部材15の幅(W2)とは、必ず対面に位置し、互いに位置がずれることはないこととする。図9に示すように、グラビアロール14の塗布幅(W1)と掻き取り部材15の幅(W2)との位置がずれることは、グラビアロール14の、塗布液11が塗布された表面(塗布面ともいう)の一部が、掻き取り部材15に掻き取られることなく、第2の転移工程において被転写基材16に転移されることになるため、余剰の塗布液11が塗布されることになる。余剰の塗布液11は、塗布膜厚のムラとなるだけでなく、金型との転写時に溢れ、被転写基材16や金型を汚染する場合や、転写後の膜厚が異なるため、所望の物性が得られない可能性がある。
図10に示すように、W1>W2の場合、掻き取り部材15の幅(W2)よりグラビアロール14の塗布部14aの幅(W1)が大きいため、掻き取り部材15により掻き取られないエリアが発生する。そのため、第2の転移工程において被転写基材16に転移されることになるため、余剰の塗布液11が塗布されることになる。余剰の塗布液11は、塗布膜厚のムラとなるだけでなく、金型との転写時に溢れ、被転写基材16や金型を汚染する場合や、転写後の膜厚が異なるため、所望の物性が得られない場合がある。
一方、図11及び図12に示すように、(W1×1.02)<W2の場合、且つ、W1≧1000mmの際、ブレード15の幅が塗布部の幅よりかなり大きいため、ブレード15によってグラビアロール14の塗布部14aを押圧する際、塗布部14aの平面ではなく、塗布部14aの小径加工した角部14cにブレード15の押圧が集中し、ブレード15が見かけ上撓んだようになり、グラビアロール14の塗布部14aの平面部とブレード15が均一に接しないため、塗布部14aの平面部の掻き取り効率が低下する。
また、W1≧1000mmの場合、そのブレード15の取り付け精度及び製作精度を達成することが実質的に困難となる。
W1≦W2≦(W1×1.02)、且つ、W1≦1000mmの範囲内にあれば、塗布部14aの小径加工した角部14cにブレード15の押圧が集中することなく、グラビアロール14の塗布部14aの平面に均一のブレードが当たり、押圧できるので、被転写基材16に対し、均一に塗布することができる。
また、ブレード15によって均一に押圧するために、ブレード15の撓みを抑制することが好ましい。W1に相当する幅のブレード15の撓み量は、下記式4で表される。図13は、本実施の形態に係る塗布装置におけるグラビアロールと掻き取り部材との関係を示す説明図である。図13に下記式4で用いる記号を示す。
Figure 2016097344
ブレード15の撓み量σABを小さくするためには、式4の通り、a及びbの値を小さくすることが最も簡便で好ましい。aとbの総和は、W1≦W2≦(W1×1.02)の範囲におけるW2−W1に相当する。また、lを小さくすることも好ましく、lはW1に相当するため、l=W1≦1000mmの範囲内にあれば、ブレード15の撓みを充分に抑制することができる。その他、ブレード15の弾性率を上げること、ブレード15の厚みを厚くすることが、撓み量の抑制に効果がある。しかしながら、ブレード15の弾性率を上げた場合、その硬さから、グラビアロール14の微細形状を破壊することがあり、ブレード15の厚みを厚くする場合においては、幅方向の撓みを抑制できるが縦方向のブレード15の撓りが低下するため、第1の転移工程における転写樹脂量が低下又は乱れる要因となる。一般的なブレード材料として、SK製(200GPa)を用いる場合、その厚みは、0.3mm以下が好ましい。0.3mm以下であれば、縦方向の撓りを担保しつつ、幅方向の撓みを抑制することができる。
ブレード15の幅方向の撓み量は、式4より、好ましくは0〜1.5mmであり、より好ましくは0〜1.0mmである。0〜1.5mmであれば、塗布ムラなく塗布できるので、転写時の転写不良を抑制することができる。0〜1.0mmであれば、塗布ムラを抑制するとともに、グラビアロール14やブレード15の摩耗に伴う異物の混入を防ぐことができる。
ただし、ブレード幅が大きくなる場合、それに伴い、撓み量も増加するため、ブレード厚みを厚くし、式4より導出される撓み量を抑制することが好ましい。
第2の転移工程において、第1の転移工程でグラビアロール14の溝部に転移した塗布液11を被転写基材16の表面に転移させる。
グラビアロール14の溝部に存在する塗布液11、すなわち、転写樹脂が、全て被転写基材16に転移したとすると、転移量Qfは、下記式5で表される。図14は、本実施の形態に係る塗布装置を示す模式図である。図14に、下記式5で用いる記号を示す。
Figure 2016097344
ただし、式5は、S<1の時に成立する。S>1の時は、下記式6となる。
Figure 2016097344
基材に転移した転移量Qfを低減するためには、式4より、走行速度Vfを上げること、ロール速度Vrを下げること、ロール径Rを下げること、セル部の塗布液体積(h1、Q1)を下げることが挙げられる。セル部の塗布液体積を下げることは、持ち上げ量Q0を下げることと、持ち上げた塗布液11を掻き取る量を多くすることによって達成できる。
ロールの回転速度Vrは下記式7で与えられる。
Figure 2016097344
一般に、ロールの回転速度Vrと基材の走行速度Vfの比(Vr/Vf)は、周速比と呼ばれ、この値が小さいほど、転移量Qfを低減することができる。図15は、本実施の形態に係る塗布方法における周速比と塗工重量の相関図である。図15に示すように、周速比が0.6から2.0までの間は、塗工重量、すなわち膜厚が比例的に増加するが、周速比が2.0以上では、基材側に転移することなく、むしろ、低下する傾向が見られる。また、周速比が0.6以下の場合、均一に塗布できないとしている。
しかしながら、ナノインプリントにおける精密薄膜塗布においては、数ミクロンメートル以下の膜厚が求められ、本発明では、周速比が0.10以上0.50以下でも均一に塗布できることを見出した。周速比は、0.10以上0.50以下が好ましく、0.10以上0.20以下がより好ましい。周速比が0.10以上0.50以下であれば、均一な薄膜塗布を得ることができ、転写後の基材とロールへの樹脂汚染を低減することができる。また、周速比が0.10以上0.20以下であれば、転写樹脂の粘度に依存せず、低粘度であっても、転写後の基材とロールへの樹脂汚染を低減することができる。ただし、周速比が0.10以下の場合、転写樹脂の粘度及び走行速度Vfに依存せず、均一な塗布膜面を得ることは難しい。周速比0.10以下の場合や塗布膜面に気泡などが存在し、塗布膜面が荒れている場合、ナノインプリント時の充填不良や転写直前に発生する樹脂溜まりの乱流が生じ、転写硬化後の物性面の低下の要因となる。
本実施の形態において、上記周速比を達成し、均一な薄膜塗布面を得るためには、被転写基材16の走行速度Vfを低下することが好ましい。走行速度Vfを3.0m/min以下にすることが好ましく、走行速度Vfが3.0m/min以下であれば、上記周速比でも塗布することができる。また、走行速度Vfを1.0m/min以下にすることがより好ましく、走行速度Vfが1.0m/min以下であれば、転写樹脂の粘度に依存せず、周速比0.2以下でも塗布することができ、転写後の基材とロールへの樹脂汚染を低減することができる。
また、グラビアロール14の溝部に存在する塗布液11は、全て被転写基材16側に転移することはなく、これまでの経験及び実験的に、転移率はおおよそ30%と言われている。これは、彫刻された溝部の形状や、塗布液11の粘度及びロール速度等に起因して、被転写基材16に転移する転写樹脂と、転移せずに溝部に留まる転写樹脂とに分かれるためである。
上記塗布液11は、本発明における転写樹脂に相当する。ナノインプリント時の押圧による樹脂溢れを防止するためには、被転写基材への転写樹脂の転移量を下げる必要がある。
まず、転写樹脂の転移量を下げるために、式1及び式3より、塗布液の粘度を下げることが好ましい。転写樹脂の粘度を下げることは、薄膜塗布以外に、ナノインプリント時のナノ構造への充填のし易さからも好ましい。転写樹脂の粘度は、200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましい。200mPa・s以下であれば、本発明のグラビア塗工において、数μmの膜厚塗布を達成することができる。100mPa・s以下であれば、さらに薄膜塗布が可能となる他に、ナノ構造への充填速度が向上するため、タクトタイムの短縮を達成することができる。上記粘度は、塗布時の粘度であるので、転写樹脂の加熱により、粘度を下げることができる。その加熱温度は、特に限定しないが、転写樹脂が熱により硬化し、ナノインプリントに影響しない範囲で、定めることが好ましい。
また、転写樹脂に溶媒を追加することで、塗布時の粘度を下げることができる。溶媒を追加することで、乾燥後の膜厚をさらに薄くすることができる。ただし、溶媒を追加することは、乾燥が不十分の場合、ナノインプリント時に溶媒が転写樹脂中に残存するため、転写不十分となる場合や、転写後の物性低下の可能性がある。また、乾燥後の転写樹脂の粘度が高い場合、より薄膜になるほど、ナノインプリント時の充填が不十分となる。薄膜になるほど、基材の影響を受けるため、転写樹脂の流動性が失われ、ナノ構造への充填が不十分となる。
(被転写基材)
被転写基材16には、光透過性があるフィルム状基材を用いることができる。
フィルム状基材としては、紫外・可視光領域で使用する光源に対して実質的に光透過性を有する材料を主成分とするものであれば特に限定されないが、ハンドリング性、加工性に優れた樹脂材料であることが好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリアセチルセルロール(TAC)樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂が挙げられる。
フィルム状基材は、ロール・ツー・ロール法に適用するためフィルム状であることが好ましい。
フィルム状基材の厚みは、材料にもよるが、好ましくは20〜200μm、より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmである。200μm以下であれば、光ナノインプリントの光源に使用される紫外線の透過率が良好であり、光硬化に充分な光量を得ることができる。20μmであれば、フィルムとしての剛性を保持することができるため、ハンドリングが容易である。
フィルム状基材の表面には、転写樹脂との密着性向上のため、プライマー処理、大気圧プラズマ処理又はコロナ処理を施すことができる。
本実施の形態に係るナノインプリント装置は、金型に転写樹脂が密着した状態で転写樹脂層に光を照射して光硬化させる装置や、加熱された転写樹脂を金型に密着させ、冷却後に離型する装置、金型に転写樹脂を密着した状態で加熱し、離型してナノ形状を得る装置を想定している。このため、使用する転写樹脂にもよるが、光硬化させる場合、フィルム状基材には、波長200nm〜500nmの範囲で良好な光透過率が求められる。使用する転写樹脂の感光性にもよるため、波長200nm〜500nmの範囲で具体的な透過率の値については特に限定しないが、365nm、405nm及び全光線透過率が良好であれば、転写樹脂が充分に光硬化するため好ましい。また、波長200nm〜500nmの範囲における透過率が良好であれば、転写樹脂の硬化に要する光照射エネルギーを低減でき、且つ、転写の迅速化を達成することができる。
(転写樹脂)
転写樹脂は、転写性、金型からの剥離性、被転写基材との密着性、粘度、製膜特性、感光性及び硬化後の力学特性を考慮して選択する。
本実施の形態に係る転写樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂を用いることができ、好ましくは熱可塑性樹脂と光硬化性樹脂であり、より好ましくは光硬化性樹脂である。
光硬化性樹脂としては、例えば、光重合開始剤、又は、光酸発生剤、又は、光塩基発生剤により、重合可能な各種アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、チオール化合物、シリコーン系化合物等を使用することができる。これらの中でも、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、シリコーン系化合物を用いることが好ましく、アクリレート化合物、メタクリレート化合物を用いることがより好ましい。これらの化合物は単独種類で用いてもよく、エポキシ化合物とアクリレート化合物との組合せ等、複数種類を組合せて用いてもよい。同様に、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤は、単独種類で用いてもよく、複数種類を組合せて用いてもよい。
アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸、フェノキシエチルアクリレート、及びベンジルアクリレート等の芳香族系の(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の炭化水素系の(メタ)アクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、及びトリプロピレングリコールジアクリレート等のエーテル性酸素原子を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、及びジメチルアミノエチルメタクリレート等の官能基を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート、シリコーン系のアクリレート等が挙げられる。
また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシアクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、シリコーン系アクリレート化合物等が挙げられる。なお、EO変性とはエチレンオキシド変性をECH変性とはエピクロロヒドリン変性を、PO変性とはプロピレンオキシド変性を意味する。これらは1種又は2種以上の組合せで用いることができる。また、市販のナノインプリント用樹脂であるPAKシリーズ(東亞合成社製)、NIFシリーズ(AGC社製)、NIACシリーズ(ダイセル化学工業社製)等を使用することができる。これらの中でも、PAK−02、NIAC−702が樹脂シートへの塗布特性とパターン転写性から特に好ましい。
また、光硬化性樹脂としては、上記アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、シリコーン系化合物のうち、炭化水素中の水素がフッ素に置換されたフッ素含有化合物を用いることができる。フッ素含有化合物を用いることにより、硬化後の表面自由エネルギーが減少し、転写工程における原版(円筒状金型)からの被転写結果物の離型性が向上する。
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、ポリフルオロアルキレン鎖及び/又はペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖と、重合性基とを有することが好ましく、直鎖状ペルフルオロアルキレン基、又は炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入され、且つ、トリフルオロメチル基を側鎖に有するペルフルオロオキシアルキレン基がさらに好ましい。また、トリフルオロメチル基を分子側鎖又は分子構造末端に有する直鎖状のポリフルオロアルキレン鎖及び/又は直鎖状のペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖が特に好ましい。
ポリフルオロアルキレン鎖は、炭素数2〜炭素数24のポリフルオロアルキレン基が好ましい。また、ポリフルオロアルキレン基は、官能基を有していてもよい。
ペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖は、(CFCFO)単位、(CFCF(CF)O)単位、(CFCFCFO)単位及び(CFO)単位からなる群から選ばれた1種以上のペルフルオロ(オキシアルキレン)単位からなることが好ましく、(CFCFO)単位、(CFCF(CF)O)単位、又は(CFCFCFO)単位からなることがより好ましい。ペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖は、含フッ素重合体の物性(耐熱性、耐酸性等)が優れることから、(CFCFO)単位からなることが特に好ましい。ペルフルオロ(オキシアルキレン)単位の数は、含フッ素重合体の離型性と硬度が高いことから、2〜200の整数が好ましく、2〜50の整数がより好ましい。
重合性基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ジオキタセン基、シアノ基、イソシアネート基又は式−(CH)aSi(M1)3−b(M2)で表される加水分解性シリル基が好ましく、アクリロイル基又はメタクリロイル基がより好ましい。ここで、M1は加水分解反応により水酸基に変換される置換基である。このような置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。M1としては、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。M2は、1価の炭化水素基である。M2としては、アルキル基、1以上のアリール基で置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。M2がアルキル基である場合、炭素数1〜炭素数4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。M2がアルケニル基である場合、炭素数2〜炭素数4のアルケニル基が好ましく、ビニル基又はアリル基がより好ましい。aは1〜3の整数であり、3が好ましい。bは0又は1〜3の整数であり、0が好ましい。加水分解性シリル基としては、(CHO)SiCH−、(CHCHO)SiCH−、(CHO)Si(CH−又は(CHCHO)Si(CH−が好ましい。
重合性基の数は、重合性に優れることから1〜6の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。2種以上の化合物を用いる場合、重合性基の平均数は1〜3が好ましい。
フッ素含有(メタ)アクリレートは、官能基を有するとフィルム状基材との密着性に優れる。官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、エステル結合を有する官能基、アミド結合を有する官能基、水酸基、アミノ基、シアノ基、ウレタン基、イソシアネート基、イソシアヌル酸誘導体を有する官能基等が挙げられる。特に、カルボキシル基、ウレタン基、イソシアヌル酸誘導体を有する官能基の少なくとも一つの官能基を含むことが好ましい。なお、イソシアヌル酸誘導体には、イソシアヌル酸骨格を有するもので、窒素原子に結合する少なくとも一つの水素原子が他の基で置換されている構造のものが包含される。フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、フルオロ(メタ)アクリレート、フルオロジエン等を用いることができる。
光硬化性樹脂としては、感光性を向上するため光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤等が挙げられる。光重合開始剤は、使用する光源波長及び基材(透明シート)、諸物性等を考慮し、選択することができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等が好ましい。また、これらは、単独種類で用いてもよく、複数種類を混合物として用いてもよい。市販されている開始剤の例としては、BASF社製の「Irgacure(登録商標)」(例えば、Irgacure651、184、500、2959、127、754、907、369、379、379EG、819、1800、784、OXE01、OXE02)や「Darocur(登録商標)」(例えば、Darocur1173、MBF、TPO、4265)等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光感度向上のため増感剤を含むものが好ましい。このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。また、増感剤は、単独種類で用いてもよく、複数種類を混合物として用いてもよい。
光硬化性樹脂は、溶媒を添加して粘度を調整することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が好ましい。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの溶媒中でも、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン及びイソプロピルアルコールが好ましい。これらの溶媒は、光硬化性樹脂の塗布方法、塗布膜厚及び粘度に応じて、適宜添加することができ、限定されるものではないが、例えば、硬化性樹脂100重量部に対して溶媒を1重量部〜10000重量部添加することができる。
光硬化性樹脂には、各種添加剤を添加することができる。転写後の耐候性を担保するための酸化防止剤や難燃剤、滑り性や剥離性等の表面物性向上のための各種界面活性剤、その他転写後の成膜性、硬度を制御するためのバインダーポリマー等、適宜添加することができる。これらは、光反応性であっても、光反応性ではなくても構わない。
転写樹脂は、例えば、光硬化、熱硬化、電子線による硬化及びマイクロウェーブにより硬化させることができる。これらの中でも、光硬化を用いることが好ましい。被転写基材に光硬化性樹脂を上記塗布方法により塗布した後、所定波長における任意の光量で光硬化性樹脂に光を照射することにより、光硬化性樹脂の硬化反応を促進することができる。
(ナノインプリント装置)
本実施の形態に係るナノインプリント装置の概略について簡単に説明する。図16は、本実施の形態に係る塗布装置を用いたナノインプリント装置を示す模式図である。
図16に示すように、ナノインプリント装置100は、被転写基材16が巻回された原反ロール101と、被転写基材16を用いてナノインプリント製造された転写フィルム110を巻き取る巻き取りロール102とを備える。原反ロール101と巻き取りロール102との間には、被転写基材16の搬送方向における上流側から下流側に向けて、被転写基材16上に転写樹脂を塗布する塗布装置10と、外周面に微細凹凸構造を有する円筒状金型104と、被転写基材16上の転写樹脂と円筒状金型104の外周面との間を密着させる加圧手段105と、円筒状金型104の外周面上に密着された被転写基材16上の転写樹脂に光を照射する光源106とがこの順に設けられている。なお、溶媒を用いて転写樹脂を塗布する場合には、転写樹脂中の溶媒を乾燥する乾燥炉107を更に備えた転写装置を用いてもよい。
本発明は、ナノインプリント装置100における塗布装置10に特化するものであるので、上記ナノインプリント装置100の構成については特に限定しない。
(光源)
転写樹脂として光硬化性樹脂を用いる場合、光硬化性樹脂への光照射に用いる光源106としては、特に制限されるものではなく、用途及び設備に応じて種々の光源を用いることができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、LEDランプ、キセノンパルス紫外線ランプ等を用いることができる。また、光硬化性樹脂は、波長200nm〜500nmの紫外線又は可視光を露光量が100mJ/cm〜2000mJ/cmとなるように照射することにより硬化することができる。また、酸素による光硬化反応の阻害を防止する観点から、光照射時には酸素濃度が低い状態で光を照射することが望ましい。
(金型)
ナノインプリント装置100における金型には、連続生産性や歩留まりの観点から円筒状金型を用いることが好ましい。また、円筒状金型は継ぎ目のないことがより好ましい。継ぎ目があった場合、最終的に得られる微細凹凸構造付製品において、継ぎ目部に対応する微細凹凸構造がない箇所を切り落とすため、歩留まりが悪化するだけでなく、切り落とす作業が余分に入るため連続生産性も悪化する。
円筒状金型としては、外周面に微細凹凸構造を有する円筒状金型を用いる。微細凹凸構造は、製造しようとする微細凹凸構造付製品の微細凹凸構造の形状に応じたものである。
円筒状金型の微細凹凸構造は、レーザー切削法、電子線描画法、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法等の加工方法により、円筒状の基材の外周面に直接形成することができる。これらの中でも、微細凹凸構造に継目のない円筒状金型を得る観点から、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法が好ましく、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、陽極酸化法がより好ましい。
また、円筒状金型としては、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を樹脂材料(フィルム)へ転写し、このフィルムを円筒状金型の外周面に位置精度よく張り合わせたものを用いてもよい。また、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を電鋳法によりニッケル等の薄膜に転写し、この薄膜をローラーに巻き付けたものを用いてもよい。
円筒状金型の材料としては、微細凹凸構造の形成が容易であり、耐久性に優れた材料を用いることが望ましい。このような観点から、ガラスロール、石英ガラスロール、ニッケル電鋳ロール、クロム電鋳ロール、アルミロール、又はSUSロール(ステンレス鋼ロール)が好ましい。
ニッケル電鋳ロール及びクロム電鋳ロール用の母材としては、導電性を有する導電性材料を用いることができる。導電性材料としては、例えば、鉄、炭素鋼、クロム鋼、超硬合金、金型用鋼(例えば、マルエージング鋼等)、ステンレス鋼、アルミ合金等の材料が好適に用いられる。
円筒状金型の表面には、離型処理を施すことが望ましい。離型処理を施すことにより、円筒状金型の表面自由エネルギーを低下させることができるので、連続的に光硬化性樹脂へ転写した場合においても、良好な剥離性及び微細凹凸構造のパターン形状を保持することができる。
離型処理には、市販の離型剤及び表面処理剤を用いることができる。市販の離型剤及び表面処理剤としては、例えば、オプツール(ダイキン化学工業社製)、デュラサーフ(ダイキン化学工業社製)、ノベックシリーズ(3M社製)等が挙げられる。また、離型剤、表面処理材としては、円筒状金型の材料の種類及び転写される光硬化性樹脂との組合せにより、適宜好適な離型剤、表面処理剤を選択することができる。
(微細凹凸構造)
本実施の形態に係る塗布方法において、微細凹凸構造とは、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。ここで、「ピラー形状」とは、「柱状体(錐状態)が複数配置された形状」であり、「ホール形状」とは、「柱状(錐状)の穴が複数形成された形状」である。
また、ピラー形状及びホール形状の配列は、ランダム、六方格子、正方格子、ある一定の周期で微細凹凸間の距離を変化させることができ、用途によってその配列を選択することができる。
微細構造のスケールに関しては、用いられる用途に依存するため、特に規定することはしないが、数十ナノメートルから数十ミクロンメートルを指す。またこのスケールは、微細構造体一つの大きさ、径、深さ、ピッチであっても構わない。また、ランダムな構造も微細構造体の一つとすることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る塗布方法によれば、周速比を落としたまま被転写基材16に塗布できるため、被転写基材16に対して転写樹脂を薄膜で、且つ、ムラなく転移させることができる。これにより、金型や被転写基材16への汚染を抑制することができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例及び比較例について説明するが、本発明の範囲はこれらによって特に限定されるものではない。尚、各例中の特性は以下のように測定を行った。
(粘度測定)
塗布液として用いる光硬化性樹脂の粘度は、粘度計(TVE−25L 東機産業社製)を用いた。サーキュレーターを用い、25℃で一定とし、コーンプレート型(E型)により測定した。まず、粘度計校正用標準液(JS50 日本グリース社製)を用い25℃における粘度の校正を行った。次いで、塗布液である光硬化性樹脂の粘度測定を実施した。
(塗布膜厚測定)
塗布膜厚測定は、塗布後から金型転写前、つまり、光硬化性樹脂が光硬化前の流動性のある状態の膜厚測定を行った。測定には、膜厚モニター(大塚電子社製)を用いた。まず、光学式分光法により全体反射率既知の標準版(AL蒸着ミラー)をリファレンスとし、被転写基材に塗布された光硬化性樹脂の相対スペクトルを測定した後、計算により絶対反射率を導出する。得られた絶対反射率から、光学膜厚を導出し、塗布膜厚とした。上記塗布膜厚は基材幅方向3点測定し、この際の、測定波長範囲は330nmから1100nmとし、光硬化前の光硬化性樹脂の屈折率nは、硬化後の光硬化性樹脂の屈折率nを導入し、膜厚を算出した。硬化後の光硬化性樹脂の屈折率nは、屈折率計(メトリコン社製、モデル2010プリズムカップラー)を用いて測定した。波長532nm、632.8nm、824nmにおける屈折率より、コーシーの式から全波長における屈折率を導出した。
(実施例1)
被転写基材としては、PETフィルム:A4100(東洋紡社製:幅300mm、厚さ100μm)を用いた。光硬化性樹脂としては、1.9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製 ライトアクリレート1.9ND−A)とトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製 M350)及びIrgacure(登録商標) 184(BASF社製)、Irgacure 369(BASF社製)を重量部で15:100:5.5:2.0の割合で混合し光硬化性樹脂を調合したものを用いた。この光硬化性樹脂を、表1に示す塗布条件及び塗布設備により、被転写基材表面(PETフィルムの易接着面)に塗布した。この時のグラビアロールの塗布部の直径は20mm、非塗布部の直径は10mmであり、溝体積は5.9cm/mであり、この時の光硬化性樹脂の粘度は46mPa・secであった。また、基材の走行速度は、0.5m/minであり、周速比Vr/Vfは0.25であった。塗布膜厚3地点測定し、平均1.6μmであった。なお、全ての実施例及び比較例において、ブレードの材質、グラビアロールへの当て圧及び当て角度は同じに行った。
次いで、円筒状金型(凹形状ホールの六方格子充填構造)に対し、光硬化性樹脂が塗布された被転写基材(PETフィルム)をニップロール(0.1MPa)で押し付け、大気下、温度20℃、湿度50%で、ランプ中心下での積算露光量が1000mJ/cmとなるように、UV露光装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン社製、Hバルブ)を用いて紫外線を照射し、連続的に光硬化を実施し、表面に微細凹凸構造が転写されたリール状の転写フィルム(長さ150m、幅300mm)を得た。リール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
(実施例2)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、基材の走行速度は、3.0m/min、周速比Vr/Vfは0.50とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定し、平均2.1μmであった。
また、金型から転写されたリール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
(実施例3)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、グラビアロールの直径を30mm、周速比Vr/Vfは0.18とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定し、平均1.8μmであった。
また、金型から転写されたリール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
(比較例1)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、基材の走行速度は、0.5m/min、周速比Vr/Vfは0.08とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定したが膜厚ムラが激しく、測定できなかった。
(比較例2)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、基材の走行速度は、0.5m/min、周速比Vr/Vfは1.00とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定し、平均5.8μmであった。
また、金型から転写されたリール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
(比較例3)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、基材の走行速度は、4.0m/min、周速比Vr/Vfは0.20とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定したが膜厚ムラが激しく、測定できなかった。
(比較例4)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、基材の走行速度は、4.0m/min、周速比Vr/Vfは0.50とし、それ以外は実施例1と同様に実施した。塗布膜厚3地点測定し、平均4.5μmであった。
また、金型から転写されたリール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
(比較例5)
表1の塗布条件に示す通り、実施例1に対して、グラビアロールの非塗布部の直径を塗布部と同じ20mmとし、それ以外は実施例1と同様に実施した。尚、この時のW1については、溝が彫刻された領域の幅を示す。塗布膜厚3地点測定し、平均1.8μmであった。
また、金型から転写されたリール状転写フィルムの表面微細凹凸の形状は、走査型電子顕微鏡観察で確認した結果、凸部同士の隣接距離は300nmであり、凸部高さは250nmであった。
Figure 2016097344
表1に示す結果からわかるように、樹脂のはみ出しを防止し、且つ、幅方向の塗布膜厚ムラを抑制することによって、フィルム端部、もしくは、金型の樹脂汚染を抑制することができ、また、ナノ構造の転写性を充分に確保することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明の塗布方法及び塗布装置は、ナノインプリント装置だけに限定されることはなく、薄膜且つ均一な塗布が必要な用途及び機械設備に、広く導入することができる。
本発明の塗布方法は、転写樹脂を被転写基材の表面に薄く且つ均一に塗布することができ、特に、ロール・ツー・ロールのナノインプリント装置に好適に適用できる。
10 塗布装置
11 塗布液(転写樹脂)
12 収容部材
13 塗布液供給手段
14、50、70 グラビアロール
15 掻き取り部材(ブレード)
16 被転写基材
101 原反ロール
102 巻き取りロール
104 円筒状金型
105 加圧手段
106 光源
107 乾燥炉

Claims (2)

  1. 液状の転写樹脂を、周面上に複数の溝部が彫刻されたロールを回転させながら、前記周面上に前記転写樹脂を転移させる第1の転移工程と、
    前記ロールに転移された余剰の前記転写樹脂を、掻き取り部材により掻き取る掻き取り工程と、
    前記ロールから前記転写樹脂をフィルム状の被転写基材の表面に転移する第2の転移工程と、を具備し、
    前記ロールは、前記被転写基材の表面に接触する塗布部と、前記塗布部よりも小径で、前記被転写基材の表面に接触しない非塗布部と、を有し、
    前記被転写基材の走行速度Vfが3.0m/min以下であり、
    前記ロールの回転速度Vrと前記被転写基材の走行速度Vfの比(Vr/Vf)が0.10以上0.50以下であることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記走行速度Vfが1.0m/min以下であり、且つ、前記比(Vr/Vf)が、0.10以上0.20以下であることを特徴とする請求項1記載の塗布方法。
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