JP2006239541A - 湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 触媒を容易に洗浄でき、触媒機能を常に好ましい状態に維持し効率的な湿式酸化分解処理を維持できる湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法を提供すること。
【解決手段】 液状有機廃棄物が高圧ポンプにより連続的に供給されるとともに酸素または空気が供給され、亜臨界状態で液状有機廃棄物を湿式酸化分解した中間生成物に変換する反応塔と、反応塔の下流側に直列に接続し酸素または空気が供給され亜臨界状態で反応塔から送り込まれた中間生成物を触媒により無機化する触媒塔とを有する酸化分解処理炉を備えた湿式酸化分解処理装置において、触媒を洗浄する洗浄液を液状有機廃棄物と切り替えて高圧ポンプ経由酸化分解処理炉に供給する洗浄液切り替え供給手段と、酸化分解処理炉から出た液体を導入可能に接続した水処理手段とを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 液状有機廃棄物が高圧ポンプにより連続的に供給されるとともに酸素または空気が供給され、亜臨界状態で液状有機廃棄物を湿式酸化分解した中間生成物に変換する反応塔と、反応塔の下流側に直列に接続し酸素または空気が供給され亜臨界状態で反応塔から送り込まれた中間生成物を触媒により無機化する触媒塔とを有する酸化分解処理炉を備えた湿式酸化分解処理装置において、触媒を洗浄する洗浄液を液状有機廃棄物と切り替えて高圧ポンプ経由酸化分解処理炉に供給する洗浄液切り替え供給手段と、酸化分解処理炉から出た液体を導入可能に接続した水処理手段とを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機廃棄物を亜臨界状態において酸化分解し低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく無害に処理する湿式酸化分解処理装置に関し、特にその酸化分解処理炉が触媒塔を有するものにおいて、触媒を容易に洗浄でき、効率的な湿式酸化分解処理を維持できる湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法に関する。
従来、一般に食品工業廃水等、動植物由来の有機物、バイオマス有機物としての有機廃棄物は、農地還元(畑地散布)、濃縮・乾燥の後に家畜飼料化、メタン発酵によるエネルギー回収、海洋投棄などにより処理される場合があり、特に、酒類製造廃液等は処理量が多量であり、就中、焼酎廃液はそのような処理に適していた。
しかし、そのような従来の処理方法は、環境の二次汚染、処理コスト等の問題や、投棄禁止措置等により、近年、新たな処理方法、処理装置が求められている。
そこで、例えば、特開2003−290738公報(特許文献1)に示されるような有機廃棄物及び有機廃水の処理システムが提案されており、再利用も行うものとしている。その記載されている概要を、図2の構成概要図に基づき以下説明する。
図2において、101は破砕機であり、高速で回転し、有機廃棄物を裁断するカッター(刃)と、攪拌機を備えている。104は筒状の密閉式高圧容器からなる分解炉であり、外殻には、電気ヒーターを利用した加熱手段が設けられている。105は分解炉104と同様の筒状の密閉式高圧容器からなり、チタニア及びアルミナに、ルテニウム、パラジウムなどの貴金属を担持した触媒、または白金、ゼオライトのような触媒が充填されている触媒炉である。
108は、炭酸ガスを選択的に吸着するゼオライトを封入した吸着塔等から構成される炭酸ガス濃縮装置である。109は、触媒(ルテニウム触媒)を封入した反応管、ヒーター等から構成される炭酸ガス還元装置である。110は、金属イオン成分(陽イオン成分)と無機栄養塩類(陰イオン成分)を除去あるいはその濃度を低減するためのゼオライトが封入された吸着塔などから構成される不純物吸着装置である。111は、ポリアミド重合膜とポリスルホンの膜からなるフィルタ(逆浸透膜)を備える高度浄水装置である。114は、メタンガスを燃料に発電する発電装置である。115は、水耕栽培により野菜や果樹などを生産する植物工場的な植物栽培装置等である。分解炉104、触媒炉105、炭酸ガス還元装置109はヒートポンプなどからなる廃熱回収システムに接続されており、回収された熱は熱交換器103において再利用される。
なお、システムは、この他にも高圧圧送ポンプ102や、空気添加装置106、背圧バルブ107、気液分離装置113などを備える。
このようにして構成されたシステムによって、有機廃棄物及び有機廃水を処理し、再利用する主な工程は概略以下のように提案されている。
(1)破砕工程:
有機廃棄物及び有機廃水は、破砕機101に投入され、カッターで裁断され攪拌機で混合されたのちスラリー状にされ、高圧圧送ポンプ102を用いてバルブ112経由、熱交換器103に送り込まれ、熱交換器103によって予熱されたのち、分解炉104に送り込まれる。
有機廃棄物及び有機廃水は、破砕機101に投入され、カッターで裁断され攪拌機で混合されたのちスラリー状にされ、高圧圧送ポンプ102を用いてバルブ112経由、熱交換器103に送り込まれ、熱交換器103によって予熱されたのち、分解炉104に送り込まれる。
(2)酸化分解工程:
送り込まれたスラリー状物質は、分解炉104で酸化効率を高めるために空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)により所定量の空気(酸素でもよい)が添加されるとともに、高温(250〜300℃)に加熱され、含有する有機物が酸化分解されて、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物とを含有する水溶液とからなる中間生成物に変換される。そして、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物を含む水溶液は、互いに交じり合った混合溶液として、高圧圧送ポンプ102の圧力により連続的に触媒炉105に送られる。なお、分解炉104で生じた廃熱は熱交換器103により回収される。
送り込まれたスラリー状物質は、分解炉104で酸化効率を高めるために空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)により所定量の空気(酸素でもよい)が添加されるとともに、高温(250〜300℃)に加熱され、含有する有機物が酸化分解されて、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物とを含有する水溶液とからなる中間生成物に変換される。そして、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物を含む水溶液は、互いに交じり合った混合溶液として、高圧圧送ポンプ102の圧力により連続的に触媒炉105に送られる。なお、分解炉104で生じた廃熱は熱交換器103により回収される。
(3)無機化工程:
触媒炉105に流入した混合水溶液に含まれる有機物は、空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)を用いて触媒に循環接触されてさらに酸化分解され、混合溶液は水、炭酸ガス、窒素ガス等に分解されて完全に無機化される。そして、無機化された水溶液は、熱交換器103を経て背圧バルブ107で降圧されて気液分離器113に導入され、水溶液と炭酸ガスに分離され、それぞれ、不純物吸着装置110、炭酸ガス濃縮装置108に送り込まれる。なお、触媒炉105で生じた廃熱は熱交換器103により回収される。背圧バルブ107は、分解炉104、触媒炉105内を所定の高圧に維持するものである。
触媒炉105に流入した混合水溶液に含まれる有機物は、空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)を用いて触媒に循環接触されてさらに酸化分解され、混合溶液は水、炭酸ガス、窒素ガス等に分解されて完全に無機化される。そして、無機化された水溶液は、熱交換器103を経て背圧バルブ107で降圧されて気液分離器113に導入され、水溶液と炭酸ガスに分離され、それぞれ、不純物吸着装置110、炭酸ガス濃縮装置108に送り込まれる。なお、触媒炉105で生じた廃熱は熱交換器103により回収される。背圧バルブ107は、分解炉104、触媒炉105内を所定の高圧に維持するものである。
(4)浄水工程:
無機化された水溶液は、不純物吸着装置110によって、陰電荷に帯電したゼオライトによって金属成分(陽イオン)が一定量除去されるとともに、陽電荷に帯電したゼオライトによって無機栄養塩類(陰イオン)が一定量取り除かれ、浄水として高度浄水装置111に送り込まれる。
無機化された水溶液は、不純物吸着装置110によって、陰電荷に帯電したゼオライトによって金属成分(陽イオン)が一定量除去されるとともに、陽電荷に帯電したゼオライトによって無機栄養塩類(陰イオン)が一定量取り除かれ、浄水として高度浄水装置111に送り込まれる。
(5)再利用工程:
気液分離装置113で水溶液と分離された炭酸ガスは、炭酸ガス濃縮装置108による吸着と分離によって分離濃縮され、炭酸ガス還元装置109に送り込まれて水素ガスを加えられたのち、還元されてメタンガスと水に転換される。そして、メタンガスは燃料として発電装置114に送り込まれる。また、発電装置114から生じた炭酸ガスは、植物工場の植物栽培装置115に送り込まれ、光合成によって植物の成長に利用される。植物栽培装置115では不純物吸着装置110で回収した無機栄養塩類も肥料として再利用できる。
気液分離装置113で水溶液と分離された炭酸ガスは、炭酸ガス濃縮装置108による吸着と分離によって分離濃縮され、炭酸ガス還元装置109に送り込まれて水素ガスを加えられたのち、還元されてメタンガスと水に転換される。そして、メタンガスは燃料として発電装置114に送り込まれる。また、発電装置114から生じた炭酸ガスは、植物工場の植物栽培装置115に送り込まれ、光合成によって植物の成長に利用される。植物栽培装置115では不純物吸着装置110で回収した無機栄養塩類も肥料として再利用できる。
図2に示すように、有機廃棄物及び有機廃水の処理システムの基本的な考え方の例は従来示されているが、高温高圧における湿式酸化分解処理、特に亜臨界水の酸化特性、溶解特性が高いことを積極的に利用するために、有機廃水またはスラリー状にされた有機廃棄物(以下「液状有機廃棄物」という)を亜臨界状態の湿式酸化分解処理を行おうとすれば、例えば図2の分解炉104と触媒炉105との組合せが効果的であるが、触媒炉105に充填する上記のような触媒が経時的に反応不良の有機物から発生するカーボンや無機物を主とする物質の付着で汚れて、触媒の酸化分解機能の劣化を生じる。
そのため、一定の期間運転毎に、湿式酸化分解処理装置の運転を止めて、高温高圧下にあった分解炉104と触媒炉105等の酸化分解処理炉を開放して、人間の手による検査、洗浄等の作業を行うが、そのためには先ず大気圧までの降圧のほか、常温までの炉および触媒の冷却に時間を要し(例えば、約1日)、分解洗浄工程の工数が大きい問題があった。また、それらの運転停止の時間中、処理対象の有機廃棄物が溜まり処理が逼迫する問題もあった。
本発明は、有機廃棄物を低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく無害に処理する触媒塔を有する湿式酸化分解処理装置において、触媒を容易に洗浄でき触媒機能を常に好ましい状態に維持することで、効率的な湿式酸化分解処理を維持でき、有機廃棄物の処理が滞ることのない湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、下記の(1)から(7)の手段を提供するものであり、以下、特許請求の範囲に記載の順に説明する。
(1)その第1の手段として、液状有機廃棄物が高圧ポンプにより連続的に供給されるとともに酸素または空気が供給され、亜臨界状態で前記液状有機廃棄物を湿式酸化分解した中間生成物に変換する反応塔と、同反応塔の下流側に直列に接続し酸素または空気が供給され同亜臨界状態で前記反応塔から送り込まれた前記中間生成物を触媒により無機化する触媒塔とを有する酸化分解処理炉を備えた湿式酸化分解処理装置において、前記触媒を洗浄する洗浄液を前記液状有機廃棄物と切り替えて前記高圧ポンプ経由前記酸化分解処理炉に供給する洗浄液切り替え供給手段と、前記酸化分解処理炉から出た液体を導入可能に接続した水処理手段とを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置を提供する。
(2)第2の手段としては、第1の手段の湿式酸化分解処理装置において、前記液状有機廃棄物は固形有機物を含む有機廃棄物をスラリー化した有機廃棄物スラリーであって、同固形有機物を含む有機廃棄物をスラリー化する前処理装置を備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置を提供する。
(3)また、第3の手段として、第1の手段または第2の手段の湿式酸化分解処理装置において、前記洗浄液切り替え供給手段は、洗浄液タンクと、前記液状有機廃棄物を前記高圧ポンプに送る管路に設けられた第1の弁と、同第1の弁と前記高圧ポンプの間の前記管路に下流端が合流し上流端が前記洗浄液タンクに接続した洗浄液管と、同洗浄液管に介装された第2の弁を有してなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置を提供する。
(4)第4の手段として、第1の手段ないし第3の手段のいずれかの湿式酸化分解処理装置において、前記酸化分解処理炉を加熱するヒーターを備えるとともに、前記洗浄液管には洗浄液を加熱する洗浄液ヒーターを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置を提供する。
(5)第5の手段として、第1の手段ないし第3の手段のいずれかの湿式酸化分解処理装置において、前記洗浄液はアルカリ水溶液であることを特徴とする湿式酸化分解処理装置を提供する。
(6)第6の手段として、第1の手段ないし第3の手段のいずれかの湿式酸化分解処理装置を用いて、前記高圧ポンプによる前記液状有機廃棄物の前記酸化分解処理炉への供給を中断し代えて水を同酸化分解処理炉に供給した後に、前記切り替え供給手段から前記洗浄液を前記高圧ポンプにより前記酸化分解処理炉へ供給して前記触媒塔内の触媒を洗浄する触媒洗浄運転を行い、洗浄後の洗浄廃水を前記水処理手段に導入することを特徴とする湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法を提供する。
(7)第7の手段として、第6の手段の湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法において、前記触媒洗浄運転の後に前記切り替え供給手段により洗浄液の供給を止めて、前記高圧ポンプにより前記酸化分解処理炉に水を供給した後、前記液状有機廃棄物を同酸化分解処理炉に供給することを特徴とする湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法を提供する。
(1)特許請求の範囲に記載の請求項1の発明によれば、湿式酸化分解処理装置を上記第1の手段のように構成したので、湿式酸化分解処理装置の触媒塔に充填された触媒が、経時的に汚れて触媒機能の劣化を生じる前に、一定時間だけ洗浄液による洗浄運転に切り替えて容易に触媒の洗浄を行うことができ、その後通常の有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転を連続して再開できるので、触媒機能を常に好ましい状態に維持し効率的な湿式酸化分解処理を行うことができ、従来、一定の期間の湿式酸化分解処理運転毎に湿式酸化分解処理装置の運転を止めて、高温高圧下にあった反応塔と触媒塔等酸化分解処理炉を開放して検査、洗浄等の作業を行うために、大気圧までの降圧のほか、常温までの炉および触媒の冷却に多くの時間を要し、分解洗浄工程に工数を要していた問題を解消し、処理運転停止の時間中の有機廃棄物の処理逼迫の問題も解消するほか、洗浄運転時の洗浄廃液洗浄排水を水処理手段で処理できるので洗浄廃液の放出の問題も解消できる。
(2)請求項2の発明によれば、湿式酸化分解処理装置を上記第2の手段のように構成したので、請求項1の発明の作用効果に加え、処理対象である有機廃棄物が、固形有機物を含む場合でも有機廃棄物スラリーを形成し、以降液状有機廃棄物として連続処理が可能となり、濃度の均一化により酸化分解反応炉内での湿式酸化分解処理が良好に行える。
(3)請求項3の発明によれば、湿式酸化分解処理装置を上記第3の手段のように構成したので、請求項1または請求項2の発明の作用効果に加え、液状有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転と触媒洗浄運転を容易に切り替えることができる。
(4)請求項4の発明によれば、湿式酸化分解処理装置を上記第4の手段のように構成したので、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明の作用効果に加え、洗浄時の温度条件が適切にでき、洗浄が良好に行われる。
(5)請求項5の発明によれば、湿式酸化分解処理装置を上記第5の手段のように構成したので、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明の作用効果に加え、アルカリ基材によって効果が高い触媒洗浄ができる。
(6)請求項6の発明によれば、湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法を上記第6の手段のように構成したので、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明の作用効果を奏し、
湿式酸化分解処理装置の触媒塔に充填された触媒が、経時的に汚れて触媒機能の劣化を生じる前に、一定時間だけ洗浄液による触媒洗浄運転に切り替えて容易に触媒の洗浄を行うことができ、その後通常の有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転を連続して再開できるので、触媒機能を常に好ましい状態に維持し効率的な湿式酸化分解処理を行うことができ、しかも、切り替え時の水供給により酸化分解処理炉や触媒の冷却が速やかになされ液状有機廃棄物と洗浄液との混在がなく洗浄が良好に行われる。また、洗浄排水を水処理手段で処理するので触媒洗浄運転時の洗浄廃液の放出の問題がない。従って、従来、一定の期間の湿式酸化分解処理運転毎に湿式酸化分解処理装置の運転を止めて、高温高圧下にあった反応塔と触媒塔等酸化分解処理炉を開放して検査、洗浄等の作業を行うために、大気圧までの降圧のほか、常温までの炉および触媒の冷却に多くの時間を要し、分解洗浄工程に工数を要していた問題を解消し、湿式酸化分解処理運転停止の時間中の有機廃棄物の処理逼迫の問題も解消する。
湿式酸化分解処理装置の触媒塔に充填された触媒が、経時的に汚れて触媒機能の劣化を生じる前に、一定時間だけ洗浄液による触媒洗浄運転に切り替えて容易に触媒の洗浄を行うことができ、その後通常の有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転を連続して再開できるので、触媒機能を常に好ましい状態に維持し効率的な湿式酸化分解処理を行うことができ、しかも、切り替え時の水供給により酸化分解処理炉や触媒の冷却が速やかになされ液状有機廃棄物と洗浄液との混在がなく洗浄が良好に行われる。また、洗浄排水を水処理手段で処理するので触媒洗浄運転時の洗浄廃液の放出の問題がない。従って、従来、一定の期間の湿式酸化分解処理運転毎に湿式酸化分解処理装置の運転を止めて、高温高圧下にあった反応塔と触媒塔等酸化分解処理炉を開放して検査、洗浄等の作業を行うために、大気圧までの降圧のほか、常温までの炉および触媒の冷却に多くの時間を要し、分解洗浄工程に工数を要していた問題を解消し、湿式酸化分解処理運転停止の時間中の有機廃棄物の処理逼迫の問題も解消する。
(7)請求項7の発明によれば、湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法を上記第7の手段のように構成したので、請求項6の発明の作用効果に加え、連続して湿式酸化分解処理運転を再開する場合にも洗浄液、洗浄廃液と液状有機廃棄物との混在が回避でき好ましい処理を行える。
本発明を実施するための最良の形態として、以下に実施例1を説明する。
図1に基づいて本発明の実施例1に係る湿式酸化分解処理装置を説明する。図1は本実施例の湿式酸化分解処理装置の主要部構成概要図である。
図1において、1は攪拌タンクであり、処理対象である食品工業廃水等、動植物由来の有機物、バイオマス有機物としての有機廃棄物a1が供給される。有機廃棄物a1は有機廃液のみの場合も固形有機物を含む場合もあるが、本実施例は固形有機物を含む場合を示し、攪拌タンク1の上流側に前処理装置2が設けられ、下流の工程に有機廃棄物を送給するために必要な前処理を行う。
すなわち、図2に示す従来例のように、前処理装置2により有機廃棄物a1中に含まれる固形有機物をカッターなどによる破砕機で破砕する等の前処理を行いスラリー状にして、液体としてハンドリングできる有機廃棄物スラリー(以下、固形有機物を含まない有機廃液のみのものも含め「液状有機廃棄物」という)a2にする。処理対象の有機廃棄物が固形有機物を含まない有機廃液のみの場合は、前処理装置2は省略でき、有機廃棄物a1はそのまま液状有機廃棄物a2として以降処理する。
なお、本実施例において前処理装置2は、従来のカッターなどによる破砕機に加え、あるいは代えて、特に磨砕機を備えたものとし、固形有機物をさらに微細な微粒子状に磨砕してスラリー性状の良好化のほか、濃度の均一化による後述の酸化分解反応炉7内での湿式酸化分解処理のさらなる良好化を図っている。
攪拌タンク1には、前処理装置2から液状有機廃棄物a2が供給され、水タンク等適宜な水供給源から水w1が供給され、図示しない添加剤タンク等から必要な添加剤bが供給され、供給された液状有機廃棄物a2、水w1等を攪拌混合する。水w1は、液状有機廃棄物a2の濃度を所定の濃度に調整するために添加されるものであり、添加剤bは、たとえば苛性ソーダNaOH等の水溶液であり、必要に応じて有機廃棄物の酸化分解処理が良好になされるために添加される。なお、添加剤bが、後述の洗浄剤f1と同じアルカリ水溶液を用いる場合には、前記添加剤タンクは後述の洗浄液タンク15と共用できる。
攪拌タンク1は濃度調整タンクとしても機能し、濃度調整操作は図示しない濃度センサおよび制御装置により自動で行うことも、マニュアルでも行うこともできるように構成される。
所定の濃度に調整された液状有機廃棄物a3は、攪拌タンク1からフィードタンク3へバッチで移送され、フィードタンク3からは高圧ポンプ4で連続的な液状有機廃棄物a3の供給を行う。
高圧ポンプ4は吸入側が弁5aを介装する管路16を介してフィードタンク3に接続し、吐出側において液状有機廃棄物a3を供給ライン6経由下流側に接続する酸化分解処理炉7へ連続的に供給し、本実施例においては亜臨界状態の湿式酸化分解処理を行うため、略14MPaに昇圧する。供給ライン6には所定の供給温度まで液状有機廃棄物a3を予熱する予熱器8が介装されている
酸化分解処理炉7は、高圧密閉容器で形成された上流側の反応塔7aと下流側の触媒塔7bとが直列に接続し、略310℃、14MPaの亜臨界条件で湿式酸化分解処理を行う構成としており、濃度調整がされた液状有機廃棄物a3が供給されるとともに、酸素供給装置9からの高圧酸素cが供給され、亜臨界状態の高温、高圧下で、スラリー中の固形有機物は可溶化されるとともに有機物は完全に酸化分解されて、無機化した炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、水H2Oを主成分とし、残余の酸素O2を含む生成物dとして取り出される。
酸化分解処理炉7は、高圧密閉容器で形成された上流側の反応塔7aと下流側の触媒塔7bとが直列に接続し、略310℃、14MPaの亜臨界条件で湿式酸化分解処理を行う構成としており、濃度調整がされた液状有機廃棄物a3が供給されるとともに、酸素供給装置9からの高圧酸素cが供給され、亜臨界状態の高温、高圧下で、スラリー中の固形有機物は可溶化されるとともに有機物は完全に酸化分解されて、無機化した炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、水H2Oを主成分とし、残余の酸素O2を含む生成物dとして取り出される。
なお、酸素供給装置9に代えて空気供給装置を設け、酸化作用に十分な酸素量となる空気を高圧下で供給してもよいが、本実施例においては、以下、酸素を供給する構成で説明する。空気を供給する場合は、生成物d中に空気を構成する他の気体が含まれる。
反応塔7aは、高圧酸素cが供給され亜臨界状態で湿式酸化分解処理を行い固形有機物を可溶化し約70%の有機物を分解する。触媒塔7bは反応塔7aを出た中間生成物を亜臨界状態で触媒酸化するもので、有機廃棄物の亜臨界状態での湿式酸化分解と無機化に、材質、触媒作用ともにより適したルテニウム、パラジウムなどによる触媒が充填されており、高圧酸素cが供給され、触媒に接触させることにより、触媒塔7b内での触媒を伴う湿式酸化分解によって、酢酸イオン等を含む中間生成物の残り約30%の有機物を略完全に酸化分解して無機化し、また中間生成物に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオン等も低分子にまで完全に酸化分解し、炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、水H2O、残余の酸素O2を主成分とする環境に無害な生成物dとする。
また、酸化分解処理炉7を構成する反応塔7a、触媒塔7bはともに、外殻に電気式、熱油式等のヒーター10を備えており、酸化分解処理のスタートアップ時に酸化分解処理炉7を早急に亜臨界状態の湿式酸化分解反応が可能な状態とすることができる。
酸化分解処理炉7から略310℃で排出された生成物dは、排出ライン11に介装された冷却器12で熱を回収されて、好ましい所定の冷却後温度(例えば、40〜70℃)まで冷却される。回収された回収熱hは予熱器8において液状有機廃棄物を予熱するのに用いることがでる。その場合、予熱器8と冷却器12は一体に構成された熱交換器を構成してもよく、別個に設けて回収熱hを移動させる構成にしてもよい。
冷却器12の下流には圧力調整弁や絞り機構等による圧力調整装置13が設けられ生成物dを所定の圧(例えば、大気圧)まで降圧して下流の気液分離器14へ送る。圧力調整装置13はまた、その上流側を所期の高圧(略14MPa)に保持するものである。
降温、降圧された生成物dは気液分離器14において、環境に無害な、炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、残余の酸素O2等を主成分とする排気gと、排水w2とに分離され、それぞれ後工程へ送られるか放出される。
また、酸化分解処理炉7の触媒塔7bに充填されている触媒を洗浄するための洗浄液f1の洗浄液タンク15が設けられ、上記の弁5a(本発明の「第1の弁」)と高圧ポンプ4との間の管路16には、弁5b(本発明の「第2の弁」)を介装する洗浄液管17の下流端が合流し、洗浄液管17の上流端は洗浄液タンク15に接続している。洗浄液f1は、洗浄に適合した適宜のものを用いるが、通常は洗浄効果が高い苛性ソーダ(NaOH)水溶液等、アルカリ基材を有するアルカリ水溶液である。なお、洗浄液管17には、洗浄時に洗浄液を加熱するための洗浄液ヒーター18が介装されている。
したがって、弁5aと弁5bとを切り替え開放することによって、濃度調整済みの液状有機廃棄物a3と洗浄液f1とを切り換えて高圧ポンプ4へ送ることができる。すなわち、管路16に設けられた弁5aと、洗浄液タンク15と、洗浄液管17と、洗浄液管17に介装された弁5bとは、洗浄液f1を液状有機廃棄物a3と切り替えて高圧ポンプ4経由酸化分解処理炉7に供給する洗浄液切り替え供給手段を構成する。
一方、気液分離器14の排水管20には弁5cが介装され、気液分離器14と弁5cとの間からは排水管21が分岐して、弁5dを介し水処理手段としての水処理装置22に気液分離器14からの液体を導入可能に接続されている。水処理装置22は、触媒洗浄運転時に排水管21、弁5d経由送り込まれた洗浄廃水f2を放出可能な排水w3にまで処理する。したがって、弁5cと弁5dとを切り替え開放することによって、気液分離された生成物d中の排水w2を弁5c経由で後工程に送るか放出し、あるいは洗浄廃水f2を弁5d経由で水処理装置22へ送ることができる。
本実施例は、図2に示した従来例の、破砕機101、高圧圧送ポンプ102、熱交換器103、分解炉104、触媒炉105、空気添加装置106、背圧バルブ107、気液分離装置113に対応する範囲の、本発明の構成を示すものであるが、本発明において図2のシステムのように、さらに周辺の処理装置、再生利用装置を加えることは適宜なされてよく、図1に図示の構成のみに限定されるものではない。
上述の本実施例の湿式酸化分解処理装置においては、以下のように有機廃棄物の湿式酸化分解処理を行うとともに、湿式酸化分解処理装置の触媒塔7bの触媒を洗浄する。
処理対象である有機廃棄物a1は、焼酎廃液のような固形有機物を含む場合、前処理装置2に送り込まれ、固形有機物が磨砕手段により微粒子に形成され、微粒子による有機廃棄物スラリーを形成し、固形有機物を含む有機廃棄物a1も以降液状有機廃棄物a2として連続処理が可能となる。なお、有機廃棄物a1が固形有機物を含まない有機廃液の場合はそのまま処理対象とする。
有機廃棄物スラリーまたは有機廃液は液状有機廃棄物a2として、攪拌タンク1に供給されるとともに、水w1と、要に応じた所定量の添加剤bが供給され、攪拌混合され、所定の濃度に調整済みの液状有機廃棄物a3にされる。
有機廃棄物の酸化分解反応は、発熱反応であり、略310℃、14MPaでの亜臨界状態で湿式酸化分解処理を行う場合、酸化分解処理炉7入口での反応開始温度は略180℃で、出口温度は略310℃である。したがって、酸化分解処理の運転開始時には酸化分解処理炉7をその外殻に設けたヒーター10で予め略180℃の反応開始温度に加熱して酸化分解処理を開始する。
しかし、一旦酸化分解反応が開始し、定常的な処理運転状態になると、酸化分解処理炉7出口からは略310℃、14MPaの生成物dが取り出され、その熱を冷却器12で回収し予熱器8で反応前の供給される液状有機廃棄物a3を予熱して反応開始温度の略180℃となる供給温度に昇温させるので、ヒーター10は停止させる。
酸化分解処理炉7においては、反応塔7a、触媒塔7bを通過する間に、前述のように有機廃棄物a3は完全に酸化分解されて、無機化した炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、水H2Oを主成分とし、残余の酸素O2を含む生成物dとして取り出される。
そして、生成物dは冷却器12で所定の冷却後温度まで冷却され、圧力調整装置13で大気圧に近い所定の圧力まで降圧され、気液分離器14で環境に無害な、炭酸ガスCO2、窒素ガスN2、残余の酸素O2等を主成分とする排気gと、排水w2とに分離され、後工程に送られるか放出される。
しかしながら、上記の湿式酸化分解処理を継続する間、触媒塔7bの触媒表面には、経時的に不良反応による有機物から発生するカーボン等が付着堆積し、また更に微量の燐等の無機物質も付着するようになって、触媒塔7bにおける触媒反応による湿式酸化分解反応を徐々に阻害するようになる。
したがって、そのような問題を回避するため、所定の期間の酸化分解処理炉7の湿式酸化分解処理運転毎に、触媒塔7b内の触媒の洗浄を行う。従来は、そのために湿式酸化分解処理装置全体の運転を一時停止し、触媒塔7b等酸化分解処理炉7の圧を開放し、温度を下げたのち、触媒の洗浄を行っていたため、その時間、作業工程を多く要するという問題があったことは上述の通りである。しかし、本実施例の湿式酸化分解処理装置においては、触媒の洗浄を次のように行い、そのような問題を解消した。
(1)通常運転時(有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転時)においては、弁5aは開、
弁5bは閉、弁5cは開、弁5dは閉である。すなわち、濃度調整済みの液状有機廃棄物a3が弁5a、管路16を介して高圧ポンプ4に送られ、湿式酸化分解処理された生成物dのうち気液分離器14で排気gを分離した排水w2は排水管20、弁5cを介し後工程に送られるか放出される。
弁5bは閉、弁5cは開、弁5dは閉である。すなわち、濃度調整済みの液状有機廃棄物a3が弁5a、管路16を介して高圧ポンプ4に送られ、湿式酸化分解処理された生成物dのうち気液分離器14で排気gを分離した排水w2は排水管20、弁5cを介し後工程に送られるか放出される。
(2)触媒洗浄運転に切り替える時はその前に、立ち上げ運転を始める。攪拌タンク1を空にして液状有機廃棄物a2の酸化分解処理炉への供給を中断するとともに、代えて水w1だけを入れて、高圧ポンプ4以降のラインが水に置換されるように運転を続ける。水w1供給により亜臨界状態の高温下の酸化分解処理炉7やその触媒の冷却が速やかになされる。また、水w1のみが送られるため酸化分解処理炉7内の反応熱は発生せず温度は速やかに低下するが酸化分解処理炉7の反応塔7a、触媒塔7bを洗浄に適した温度(例えば、70℃〜90℃)で冷却は止め、その後酸化分解処理炉7の外殻に設けられたヒーター10によって加熱して、同温度を維持する。
(3)水への置換が済んだら、弁5aを閉、弁5bを開に切り換え、洗浄液タンク15から洗浄液f1を洗浄液ヒーター18で洗浄に適した温度(例えば、70℃〜90℃)に加熱して高圧ポンプ4へ送り、酸化分解処理炉7へ供給する。従って、液状有機廃棄物a3と洗浄液f1との混在がなく、上記の酸化分解処理炉7の加熱とあいまって温度条件が適切となり、洗浄が良好に行われる。
(4)上記と同時に、あるいは洗浄液f1が高圧ポンプ4、反応塔7a、触媒塔7b、冷却器12、圧力調整装置13等を経て気液分離器14出口に到達する時点までに、弁5cを閉、弁5dを開に切り替え、洗浄後の洗浄廃液f2を水処理装置22に流すようにする。なお、弁5c、5dの切り替えを弁5a、5bの切換より遅らせることで水処理装置22の処理負荷を減ずることができる。
(5)洗浄液タンク15からの洗浄液f1は、所定の触媒洗浄運転時間(例えば、30分間)高圧ポンプ4で所定の高圧(例えば、略14MPa)で送られ、所定の温度(例えば70℃〜90℃)で反応塔7a、触媒塔7b、冷却器12等を順次通って触媒塔7bの触媒の洗浄を行い、圧力調整装置13で降圧され、気液分離器14から出た洗浄後の洗浄廃液f2は、水処理装置22において河川、下水道などに放流可能な汚染レベルに浄化され、排水w3として放出される。したがって、触媒洗浄運転時の洗浄廃液f2の放出の問題が回避され、洗浄液成分の回収も可能になる。
(6)所定の触媒洗浄運転時間が経過したら、弁5bを閉、弁5aを開に切り替え、水運転を行う。したがって、連続して湿式酸化分解処理運転を再開する場合にも洗浄液f1と液状有機廃棄物a3との混在が回避でき好ましい処理を行える。
(7)ライン内が充分に水に置換されたら、弁5dを閉、弁5cを開に切り替え、攪拌タンク1内に、液状有機廃棄物a2を送り込み、水w1を供給し濃度を調整し、必要に応じて添加剤bを加え、通常の有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転に戻す。
したがって、本実施例の湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法によれば、湿式酸化分解処理装置の触媒塔7bに充填された触媒が、経時的に汚れて触媒機能の劣化を生じる前に、一定時間だけ洗浄液f1による触媒洗浄運転に切り替えて容易に触媒の洗浄を行うことができ、その後通常の有機廃棄物の湿式酸化分解処理運転を連続して再開できるので、触媒機能を常に好ましい状態に維持し効率的な湿式酸化分解処理を行うことができ、従来、一定の期間の湿式酸化分解処理運転毎に湿式酸化分解処理装置の運転を止めて、高温高圧下にあった反応塔7aと触媒塔7b等酸化分解処理炉7を開放して検査、洗浄等の作業を行うために、大気圧までの降圧のほか、常温までの炉および触媒の冷却に多くの時間を要し、分解洗浄工程に工数を要していた問題を解消し、処理運転停止の時間中の有機廃棄物a1の処理逼迫の問題も解消する。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造および構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。例えば、図1においては移送手段として高圧ポンプ4のみが示されているが、各移送、供給過程において必要なポンプ、弁、それらの制御装置、制御のための検知器類が適宜設けられてよいことは言うまでもなく、また、前記したように本実施例の装置構成にさらに付加的な処理工程を加えてもよい。そして、上述のように、酸素供給装置9からの酸素cに代えて、空気を酸化分解処理炉7に供給するように構成してもよい。
1 攪拌タンク
2 前処理装置
3 フィードタンク
4 高圧ポンプ
5a、5b 弁
5c、5d 弁
6 供給ライン
7 酸化分解処理炉
7a 反応塔
7b 触媒塔
8 予熱器
9 酸素供給装置
10 ヒーター
11 排出ライン
13 圧力調整装置
14 気液分離器
15 洗浄液タンク
16 管路
17 洗浄液管
18 洗浄液ヒーター
20 排水管
21 排水管
22 水処理装置
2 前処理装置
3 フィードタンク
4 高圧ポンプ
5a、5b 弁
5c、5d 弁
6 供給ライン
7 酸化分解処理炉
7a 反応塔
7b 触媒塔
8 予熱器
9 酸素供給装置
10 ヒーター
11 排出ライン
13 圧力調整装置
14 気液分離器
15 洗浄液タンク
16 管路
17 洗浄液管
18 洗浄液ヒーター
20 排水管
21 排水管
22 水処理装置
Claims (7)
- 液状有機廃棄物が高圧ポンプにより連続的に供給されるとともに酸素または空気が供給され、亜臨界状態で前記液状有機廃棄物を湿式酸化分解した中間生成物に変換する反応塔と、同反応塔の下流側に直列に接続し酸素または空気が供給され同亜臨界状態で前記反応塔から送り込まれた前記中間生成物を触媒により無機化する触媒塔とを有する酸化分解処理炉を備えた湿式酸化分解処理装置において、前記触媒を洗浄する洗浄液を前記液状有機廃棄物と切り替えて前記高圧ポンプ経由前記酸化分解処理炉に供給する洗浄液切り替え供給手段と、前記酸化分解処理炉から出た液体を導入可能に接続した水処理手段とを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置。
- 請求項1に記載の湿式酸化分解処理装置において、前記液状有機廃棄物は固形有機物を含む有機廃棄物をスラリー化した有機廃棄物スラリーであって、同固形有機物を含む有機廃棄物をスラリー化する前処理装置を備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置。
- 請求項1または請求項2に記載の湿式酸化分解処理装置において、前記洗浄液切り替え供給手段は、洗浄液タンクと、前記液状有機廃棄物を前記高圧ポンプに送る管路に設けられた第1の弁と、同第1の弁と前記高圧ポンプの間の前記管路に下流端が合流し上流端が前記洗浄液タンクに接続した洗浄液管と、同洗浄液管に介装された第2の弁を有してなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の湿式酸化分解処理装置において、前記酸化分解処理炉を加熱するヒーターを備えるとともに、前記洗浄液管には洗浄液を加熱する洗浄液ヒーターを備えてなることを特徴とする湿式酸化分解処理装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の湿式酸化分解処理装置において、前記洗浄液はアルカリ水溶液であることを特徴とする湿式酸化分解処理装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の湿式酸化分解処理装置を用いて、前記高圧ポンプによる前記液状有機廃棄物の前記酸化分解処理炉への供給を中断し代えて水を同酸化分解処理炉に供給した後に、前記切り替え供給手段から前記洗浄液を前記高圧ポンプにより前記酸化分解処理炉へ供給して前記触媒塔内の触媒を洗浄する触媒洗浄運転を行い、洗浄後の洗浄廃水を前記水処理手段に導入することを特徴とする湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法。
- 請求項6に記載の湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法において、前記触媒洗浄運転の後に前記切り替え供給手段により洗浄液の供給を止めて、前記高圧ポンプにより前記酸化分解処理炉に水を供給した後、前記液状有機廃棄物を同酸化分解処理炉に供給することを特徴とする湿式酸化分解処理装置の触媒洗浄方法。
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---|---|---|---|
JP2005057402A JP2006239541A (ja) | 2005-03-02 | 2005-03-02 | 湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法 |
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JP2005057402A Withdrawn JP2006239541A (ja) | 2005-03-02 | 2005-03-02 | 湿式酸化分解処理装置およびその触媒洗浄方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102284464A (zh) * | 2010-12-28 | 2011-12-21 | 陈启松 | 不锈钢酸洗残渣的无害化处置方法 |
CN106380021A (zh) * | 2016-11-23 | 2017-02-08 | 江苏省环境科学研究院 | 一种高浓度有机废水的湿式氧化处理系统及方法 |
CN114308981A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-12 | 上海工程技术大学 | 一种超临界水处理湿垃圾多联产综合利用系统及处理工艺 |
-
2005
- 2005-03-02 JP JP2005057402A patent/JP2006239541A/ja not_active Withdrawn
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