JP2006234433A - パワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ぜんまいの動力蓄積量を高精度に表示し得るパワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計の提供
【解決手段】 機械式時計2のパワーリザーブ表示機構1は、ぜんまい21の動力蓄積量に応じて変位可能な可動体42を備えるぜんまい動力蓄積量検出手段3と、該ぜんまい動力蓄積量検出手段3の可動体42に結合され該可動体の位置に応じて10時間単位でのぜんまい動力蓄積量P1を表示する10時間単位表示手段50と、該10時間単位表示手段50に結合され可動体42の位置に応じた1時間単位でのぜんまい動力蓄積量P2を表示する1時間単位表示手段70とを有する。10時間単位表示手段は、ぜんまい動力蓄積量に応じて異なる回転位置を採る第一の回転体50からなる。10時間単位表示手段に結合された1時間単位表示手段を構成する第二の回転体は、第一の回転体50と同軸でも同軸でなくてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 機械式時計2のパワーリザーブ表示機構1は、ぜんまい21の動力蓄積量に応じて変位可能な可動体42を備えるぜんまい動力蓄積量検出手段3と、該ぜんまい動力蓄積量検出手段3の可動体42に結合され該可動体の位置に応じて10時間単位でのぜんまい動力蓄積量P1を表示する10時間単位表示手段50と、該10時間単位表示手段50に結合され可動体42の位置に応じた1時間単位でのぜんまい動力蓄積量P2を表示する1時間単位表示手段70とを有する。10時間単位表示手段は、ぜんまい動力蓄積量に応じて異なる回転位置を採る第一の回転体50からなる。10時間単位表示手段に結合された1時間単位表示手段を構成する第二の回転体は、第一の回転体50と同軸でも同軸でなくてもよい。
【選択図】 図1
Description
機械式時計のぜんまいでは、最大まで巻いた場合、通常、数10時間程度の間駆動可能である。このぜんまいの動力蓄積量を表示するパワーリザーブ表示機構は、知られている(例えば、特許文献1や特許文献2)。
しかしながら、従来のパワーリザーブ表示機構では、一種類の表示目盛でパワーリザーブ量(ぜんまい動力蓄積量ないし同蓄積残量)の表示を行うようになっている。数10時間を例えば120度程度の角度範囲で表示する場合、動力蓄積残量が数時間程度以下の精度では正確には読取り難い。
なお、特許文献1に図示されたパワーリザーブ表示機構では、遊星歯車機構が香箱歯車や角穴車に噛合されるように香箱の横に配置されているので、平面的に大きなスペースを占有してしまう。一方、特許文献2に図示されたパワーリザーブ表示機構では、香箱真自体が太陽真になり且つ遊星真が香箱体に直接取付けられているので、平面的なスペースは最小限に抑えられるものの、遊星機構が香箱と一体化されてしまっていることから、香箱が専用化されてしまい、柔軟性に欠ける。
特許2757147号公報
特許3054943号公報
本発明は前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ぜんまいの動力蓄積量を高精度に表示し得るパワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計を提供することにある。
本発明のパワーリザーブ表示機構は、ぜんまいの動力蓄積量に応じて変位可能な可動体を備えるぜんまい動力蓄積量検出手段と、該ぜんまい動力蓄積量検出手段の可動体に結合された10時間単位表示手段であって、該可動体の位置に応じて10時間単位でのぜんまい動力蓄積量を表示するものと、該10時間単位表示手段に結合された1時間単位表示手段であって、前記可動体の位置に応じた1時間単位でのぜんまい動力蓄積量を表示するものとを有する。
本発明のパワーリザーブ表示機構では、「10時間単位表示手段に加えて、該10時間単位表示手段に結合された1時間単位表示手段であってぜんまいの動力蓄積量に応じて変位可能な可動体の位置に応じた1時間単位でのぜんまい動力蓄積量を表示するもの」が設けられているので、ぜんまい動力蓄積量が高精度に表示され得る。従って、ぜんまい動力蓄積量が少なくなった場合に残時間を正確に知り得るだけでなく、巻上げの際にぜんまいが完全に巻上げられたか否かを正確に知り得、巻上げ不足で予想より早くぜんまいの動力蓄積量がなくなるのを避け得る。
本発明のパワーリザーブ表示機構では、典型的には、10時間単位表示手段がぜんまい動力蓄積量に応じて異なる回転位置を採る第一の回転体からなり、1時間単位表示手段が10時間単位表示手段に結合され第一の回転体と同軸の第二の回転体からなる。但し、所望ならば、1時間単位表示手段が10時間単位表示手段に結合され第一の回転体とは異なる中心軸線のまわりで回転される第二の回転体からなっていてもよい。
本発明のパワーリザーブ表示機構では、典型的には、ぜんまい動力蓄積量検出手段が遊星車機構を含む。
本発明の遊星機構は、典型的には、香箱真かなと噛合した遊星伝えかなを含む遊星伝え車と、香箱かなに噛合した第一太陽歯車を含む第一太陽車、該第一太陽車と同軸で遊星伝え歯車に噛合した遊星中間歯車を含む遊星中間車、遊星中間車の偏心位置に遊星真を備え遊星歯車で第一太陽かなに噛合した遊星車、第一太陽車と同心で遊星かなに噛合した第二太陽歯車を含む第二太陽車を含み、第二太陽かなが10時間単位のパワーリザーブ量を表示する第一巻印車の第一巻印歯車に噛合している。従って、このパワーリザーブ表示機構の遊星機構は、実際上、香箱の拡がりの範囲内で香箱真の周囲に配置され得るから、占有スペースが最小限に抑えられ得る。また、このこのパワーリザーブ表示機構の遊星機構は、香箱に直接的に組込まれるのではなくて、香箱真かな及び香箱かなに噛合されればよいから、香箱の汎用性も高く保たれ得る。
本発明のパワーリザーブ表示機構は、典型的には、機械式時計に用いられる。但し、他のぜんまい駆動の装置に用いられてもよい。
本発明のパワーリザーブ表示機構が機械式時計に組込まれる場合、該機械式時計は、典型的には、自動巻機構によってぜんまいが巻上げられる自動巻式の機械式腕時計からなる。
その場合、ぜんまいがいっぱいに巻上げられない範囲で使用されるときには、例えば、所望の時間(例えば、一日間)の経過後にパワーリザーブ量の変化を一時間以下の精度で知ることにより、その時間(例えば、一日間)の間に自動巻機構によって巻上げられたパワーリザーブ量を知り得るから、その時間(例えば、一日間)における運動量を知り得る。従って、このパワーリザーブ表示機構を備えた自動巻式の機械式腕時計は、それ自体が運動量のおおまかな計測器ないしバロメータとなり得る。
次に、本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
図1から図3には、本発明による好ましい一実施例のパワーリザーブ表示機構1を備えた機械式の腕時計2が示されている。
腕時計2において、香箱20にはぜんまい21が収容され、ぜんまい21は一端で香箱真22に他端で香箱車23に装着されている。地板11と一番受12との間で回転可能に支持された香箱真22には、角穴車24が取付けられている。機械式腕時計2は、更に、自動巻機構8を備え、腕を振る等の運動により自動巻機構3に加速度運動が加えられると、自動巻機構8の回転錘17がA1,A2方向に往復回動され、該回転錘17の往復回動がクラッチ車(図示せず)や巻上げ車(図示せず)を介してB方向の一方向回転運動として角穴車24に伝達され、角穴車24がB方向に回転され、ぜんまい21が巻かれて動力が蓄積される。運針に際しては、角穴車24の回転が規制された状態で香箱車23がB方向に回転され、その回転が、二番車を介して時刻表示用の時計輪列に伝えられることにより時針13,分針14及び秒針15からなる時刻表示針(図3)が回転されて、時刻が表示される。
機械式時計2のパワーリザーブ表示機構1は、ぜんまい動力蓄積量検出手段3と、10時間単位表示手段4と、1時間単位表示手段5とを有する。
ぜんまい動力蓄積量検出手段3は、遊星伝え車30と遊星車機構40とを含む。遊星伝え車30は、地板11と第二地板16との間で回転自在に支持された軸ないし遊星伝え真31及び該遊星伝え真31に取付けられ香箱真かな25に噛合した遊星伝えかな32と、遊星伝え真31にスリップ回転可能に装着された遊星伝え歯車33とを有する。従って、ぜんまい21の巻上げの際には、香箱真22のB方向回転に応じて、これに噛合した遊星伝えかな32及び遊星伝え真31を介して該遊星伝え真31に嵌合された遊星伝え歯車33がG1方向に一体的に回転する。
遊星車機構40は、第一及び第二太陽車41,42と、遊星中間車43と、遊星車44とを有する。第一太陽車41は、地板11と第二地板16との間で回転自在に支持された軸ないし太陽真45と、該太陽真45の一端側に装着され香箱かな26に噛合した第一太陽歯車41aと、第一太陽かな41bとを備える。第二太陽車42は、第一太陽車41と同軸で、太陽真45の他端側に回転自在に嵌合された第二太陽歯車42a及び第二太陽かな42bを一体的に備える。遊星中間車43は、第一及び第二太陽車41,42と同軸で、該第一及び第二太陽車41,42の間において太陽真45に回転自在に嵌合され、遊星伝え歯車33に噛合された遊星中間歯車43aを外周に備えると共に、偏心位置に周方向にほぼ等間隔に孔43b,43c,43c(図1及び図2)を備える。遊星車44は、遊星中間車43の軸受孔43bに回転自在に嵌合された遊星真44cと、該遊星真44cの一端側に装着され第一太陽かな41bに噛合した遊星歯車44aと、遊星真44cの他端側に装着され第二太陽歯車42aに噛合した遊星かな44bとを有する。なお、遊星中間車43の孔43c,43cには、スペーサ部材43d,43dが装着されている。
このパワーリザーブ表示機構1の遊星機構40は、実際上、香箱20の拡がりの範囲内で香箱真22の周囲に配置され得るから、占有スペースが最小限に抑えられ得る。また、このこのパワーリザーブ表示機構1の遊星機構40は、香箱20に直接的に組込まれるのではなくて、香箱真かな25及び香箱かな26に噛合されればよいから、香箱20の汎用性も高く保たれ得る。
ぜんまい21の巻上げの際には、香箱真22のB方向回転に伴う遊星伝え車30のG1方向回転に応じて、遊星伝え歯車33に噛合した遊星中間車43が太陽真45のまわりでE1方向に回転される。この場合、調速・脱進機構(図示せず)で回転速度が規制された香箱車23は巻上げの短い間には実際上回転しないとみなし得るので、香箱かな26に第一太陽歯車41aで噛合した第一太陽車41が実際上固定車となり、第一太陽かな41bに噛合した遊星歯車44aが遊星中間車43の回転に伴ってE1方向に公転されつつF1方向に自転する。従って、遊星車44の遊星かな44bも同様にE1,F1方向に公転・自転し、該遊星かな44bの公転・自転に伴って第一太陽かな41bよりも小径の第二太陽歯車42aでこれに噛合した第二太陽車42がE1方向に回転する。従って、第二太陽車42のE1方向の回転量を検出することにより、ぜんまい21の巻上げにともなうぜんまい動力蓄積量すなわちパワーリザーブ量Pないしその変化がわかる。
一方、ぜんまい21がほどけて運針が行われる際には、こはぜ(図示せず)により角穴車24及びこれに固定された香箱真22の回転が禁止されているので、遊星伝えかな32の回転が禁止されるから、遊星中間車43が実際上固定車になる。従って、香箱かな26のB方向の回転に応じて第一太陽歯車41aでこれに噛合した第一太陽車41がE2方向に回転されると、遊星歯車44aで第一太陽かな41bに噛合した遊星車44がF1方向に回転され、第二太陽歯車42aで遊星かな44bに噛合した第二太陽車42がE2方向に回転する。従って、第二太陽車42のE2方向の回転量を検出することにより、ぜんまい21のほどけに伴うぜんまい動力蓄積量すなわちパワーリザーブ量Pないしその変化がわかる。
なお、このぜんまい動力蓄積量検出手段3において、スペーサ部材43d,43dは、夫々、遊星歯車44aとほぼ同様な形状で遊星車44と同程度の質量を有し、周方向に等間隔に配置されて、遊星中間車43と第一太陽歯車41aとの間の軸線方向スペースをほぼうめる。従って、この遊星機構40では、遊星中間車43がむらなくスムーズに回転し易く、全体として安定に動作し易い。
10時間単位表示手段4は第一巻印車50を含む。第一巻印車50は、地板11と第二地板16とで回転自在に支持された第一巻印真51と、第二太陽車42の第二太陽かな42bに噛合し該第一巻印真51に一体的に嵌着された大径の第一巻印歯車52とを有する。従って、第二太陽車42のE1,E2方向の回転に応じて、第一巻印車50がC1,C2方向に回転される。第一巻印歯車52は、その円板部分53の外周近傍に、円弧状の開口部54(図1及び図2)を備える。この円弧状開口部54には、地板11に装着された第一巻印車度決めピン55が遊嵌されて、第一巻印車50の回転中心軸線CのまわりでのC1,C2方向の回転範囲を規定する。円板部分53がC1方向に回動して円弧状開口54のC2方向端部54aに度決めピン55が当接するときがぜんまい動力蓄積量が最大の状態である。一方、円弧状開口54のC1方向端部54bは、該端部54bに度決めピン55が当接するときがぜんまい動力蓄積量が0の状態になるように形成されていても、その代わりに、ぜんまい動力蓄積量が0になったとき、度決めピン55が端部54bよりも少しC2方向にズレたところに位置するように若干の余裕をもって形成されていてもよい。
パワーリザーブ表示機構1は、更に、1時間単位表示手段5を構成する巻印中間車60及び第二巻印車70を有する。
巻印中間車60は、地板11と第二地板16とにより回転自在に支持された巻印中間真61と、該真61と一体的な巻印中間歯車62及び巻印中間かな63とを有する。巻印中間かな63は第一巻印歯車52に噛合している。
第二巻印車70は、中空の第二巻印真ないし筒71と小径の第二巻印歯車ないし第二巻印かな72とを有する。第二巻印筒71は、第一巻印真51に回転自在に嵌合され、第二巻印かな72は巻印中間歯車62に噛合している。
従って、第二太陽車42のE1,E2方向の回転に伴う第一巻印車50のC1,C2方向回転に応じて、巻印中間車60を介して、第二巻印車70もC1,C2方向に回転される。
第一巻印車50の軸51の先端部56は、文字板18を貫通して該文字板18の前面に突出し、該突出端部56には、10時間単位でのパワーリザーブ量すなわちぜんまい動力蓄積量P1を表す指針57が取付けられ、文字板18の前面のうち指針57の回動走査領域には、10時間単位でのパワーリザーブ量すなわちぜんまい動力蓄積量P1を表す目盛58が付されている。目盛の付された扇形走査領域58は、円弧状開口部54が度決めピン55に対する相対回動を許容する範囲に対応し得る。図3に示したように、指針57が50時間あたり約100度回転する場合、この第一巻印歯車53の回転量(角)は、例えば、10時間のパワーリザーブ量当たり20度程度である。
第二巻印車70の筒71の先端部73も、同様に、文字板18を貫通して該文字板18の前面に突出し、該突出端部73には、1時間単位でのパワーリザーブすなわちぜんまい動力蓄積量P2を表す指針74が取付けられ、文字板18の前面のうち指針74の回動走査領域には、1時間単位でのパワーリザーブ量すなわちぜんまい動力蓄積量P2を表す目盛75が付されている。図3に示したように指針75が10時間あたり一回転される場合、第二巻印車70は、1時間のパワーリザーブ量当たり36度回転される。なお、この例では、パワーリザーブ量P2が10時間のとき、指針74が一回転するように、第一巻印歯車52と巻印中間かな61との歯車比及び巻印中間歯車63と第二巻印かな72との歯車比が設定されている。
以上の如く構成されたパワーリザーブ表示機構1を備えた機械式腕時計2では、組立の際、角穴車24の角穴24aを利用して角穴車24をB方向に回すことによりぜんまい21をいっぱいまで巻上げた状態で、10時間単位パワーリザーブ量表示指針57及び1時間単位パワーリザーブ量表示指針74を、夫々、第一及び第二巻印車50,70の軸ないし筒51,71の先端部56,73に装着する。
より詳しくは、ぜんまい21の当初の巻上げの際、角穴24aを介して角穴車24をB方向に回転させることにより、角穴車24と一体的な香箱真22及び香箱真かな25がB方向に回転され、遊星伝え車30を介して遊星中間車43がE1方向に回転される。この場合、第一太陽車41が実質的に固定されているので、遊星中間車46のE1方向の回転に伴い第一太陽かな41bに噛合した遊星歯車44aがE1方向に公転しつつF1方向に自転し、遊星車44のE1,F1方向の公転・自転に伴い遊星かな44bに噛合した第二太陽歯車42aがE1方向に回転する。第二太陽車42の第二太陽かな42bのE1方向回転に伴いこれに噛合した第一巻印歯車53がC1方向に回転する。第一巻印車50のC1方向回転に応じて巻印中間車60がD1方向に回転され、該巻印中間車60に噛合した第二巻印車70がC1方向に増速回転される。
ぜんまい21により実現される所定の最大パワーリザーブ量を示すところまで第一巻印車50がC1方向に回転されると、開口54の円弧の端部54aが度決めピン55に当たって、第一巻印車50のC1方向回転が禁止される。一方、第二巻印車70は、第一巻印車50のC1方向回動に応じてC1方向に数回回転された後、第一巻印車50の停止に伴って停止する。
なお、典型的には、ぜんまい21が最大限に巻かれた際に角穴車24、香箱真22及びぜんまい21が香箱車23に対してB方向にスリップ回転するように香箱20が構成されている。従って、香箱真22の更なるB方向回転に伴う香箱真かな25のB方向回転に伴い遊星伝え車30の遊星伝えかな32及び遊星伝え真31がG1方向に回転されるけれども、遊星伝え歯車33の回転が遊星機構40及び第一巻印車50を介して度決めピン55により禁止されるので、遊星伝え真31が遊星伝え歯車33に対してスリップ回転する。
この状態が最大巻上げ状態で、ぜんまいがこのようにして最大限巻かれた状態しておいて、指針57,74を夫々の目盛においてぜんまい21の最大パワーリザーブ量Pを表すように、夫々の軸51,71の先端部56,73に装着する。
一方、ぜんまい21がほどけつつ調速・脱進機構により規定された速度で輪列を回して時刻表示針13,14,15による時刻表示を行わせる場合、香箱車23のB方向回転に応じて香箱かな26に噛合した第一太陽車41がE2方向に回転し、該第一太陽車44のE2方向回転に応じて、遊星車44がF1方向に自転する。このとき、遊星伝え車30を介して香箱真22に結合された遊星中間車43は実質的に固定車になっている。従って、遊星車44のF1方向自転に伴う第二太陽車42のE2方向回転に応じて、第一巻印車50がC2方向に回転し、指針57がC2方向に回動されて、各時点での10位のパワーリザーブ量P1が目盛58に対する指針位置として示される。また、第一巻印車50のC2方向回動に応じて巻印中間車60のD2方向回転を介して第二巻印車70がC2方向に回転され、指針74がC2方向に回転されて、各時点での1位のパワーリザーブ量P2が目盛75に対する指針位置として示される。
以上において、ぜんまい21がほどけるに任せる場合、当然ながら、経過時間がそのままパワーリザーブ量Pの減少量ΔPαに対応する。
一方、機械式腕時計2を、ユーザが腕(手首)に装着して、日常生活活動をする場合、腕の各種の動きに応じて回転錘17が加速度運動にさらされるので、自動巻機構8の回転錘17がA1,A2に往復回動し、該回転錘17の運動が図示しない伝達機構を介して角穴車24に伝えられて、角穴車24がB方向に回転され、ぜんまい21の巻上げが行われる。この巻上げに伴うパワーリザーブ量Pの増加量ΔPβは、ユーザの運動ないし活動の量に対応する。
従って、例えば、一日(24時間)経過後では、ΔPα=24であるから、一日経過後におけるにパワーリザーブ量の変化ΔP=ΔPβ−ΔPαを知ることにより、ユーザのその日の活動量ΔPβ=ΔP+ΔPαを知ることができる。すなわち、自動巻式の機械式腕時計2では、10時間単位及び1時間単位のパワーリザーブ量P1,P2を正確に表示し得るから、この表示によってパワーリザーブ量Pを正確に知ることにより、ユーザは、自分の運動の量ないし活動の量を知ることができる。すなわち、自動巻式の機械式腕時計2では、運動ないし活動の量を計測する計測器ないしバロメータとしても働き得る。ここで、運動の量ないし活動の量は、自動巻機構8によるぜんまい21の巻上げに影響を与え得る程度の運動の量ないし活動の量を表す。それ故、自動巻機構8の感度を調整可能にするか該感度が種々異なるものを準備しておくことにより、種類ないし強度の異なる運動又は活動の量を計測する計測器ないしバロメータともなり得る。
なお、この機械式時計2のパワーリザーブ表示機構1はパワーリザーブ量を高精度に表示し得るから、所望ならば、例えば、就寝前において、起床時までぜんまい21の動力が残るか否かを正確に識別し得るから、就寝前にぜんまい21を巻いておくべきか起床後にぜんまい21をまけばよいかも正確に決定し得る。これにより、ぜんまい21の動力がなくなりそうなときは事前に、ぜんまい21の巻上げを行うことも可能になる。
なお、所望ならば、このパワーリザーブ表示機構1は、リュウズ19により巻真を介してぜんまい21をまく非自動巻式の機械式時計2に組込まれてもよい。
以上においては、第二巻印車70が第一巻印車50と同軸に配置された例について説明したけれども、第二巻印車70は、図2において想像線で示したように、中心軸線Cとは異なる位置Hを中心に回転されるように配置されてもよい。その場合においても、第二巻印車70は、巻印中間車60を介して回転され、目盛が中心軸線Hを中心にした円になる点を除き図3の目盛75と同様であり得る。
1 パワーリザーブ表示機構
2 機械式時計
3 パワーリザーブ量検出手段
4 10時間単位表示手段
5 1時間単位表示手段
8 自動巻機構
11 地板
12 一番受
13,14,15 時刻表示針
16 第二地板
17 回転錘
18 文字板
19 リュウズ
20 香箱
21 ぜんまい
22 香箱真
23 香箱車
24 角穴車
25 香箱真かな
26 香箱かな
30 遊星伝え車
31 遊星伝え真
32 遊星伝え歯車
33 遊星伝えかな
40 遊星車機構
41 第一太陽車
41a 第一太陽歯車
41b 第一太陽かな
42 第二太陽車
42a 第二太陽歯車
42b 第二太陽かな
43 遊星中間車
43a 遊星中間歯車
43b,43c 孔
43d スペーサ部材
44 遊星車
44a 遊星歯車
44b 遊星かな
44c 遊星真
45 太陽真
50 第一巻印車
51 第一巻印真
52 第一巻印歯車
54 円弧状開口部
55 度決めピン
57 10時間単位指針
60 巻印中間車
61 巻印中間真
62 巻印中間歯車
63 巻印中間かな
70 第二巻印車
71 第二巻印胴
72 第二巻印かな
74 1時間単位指針
A,B,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,G1 回転方向
2 機械式時計
3 パワーリザーブ量検出手段
4 10時間単位表示手段
5 1時間単位表示手段
8 自動巻機構
11 地板
12 一番受
13,14,15 時刻表示針
16 第二地板
17 回転錘
18 文字板
19 リュウズ
20 香箱
21 ぜんまい
22 香箱真
23 香箱車
24 角穴車
25 香箱真かな
26 香箱かな
30 遊星伝え車
31 遊星伝え真
32 遊星伝え歯車
33 遊星伝えかな
40 遊星車機構
41 第一太陽車
41a 第一太陽歯車
41b 第一太陽かな
42 第二太陽車
42a 第二太陽歯車
42b 第二太陽かな
43 遊星中間車
43a 遊星中間歯車
43b,43c 孔
43d スペーサ部材
44 遊星車
44a 遊星歯車
44b 遊星かな
44c 遊星真
45 太陽真
50 第一巻印車
51 第一巻印真
52 第一巻印歯車
54 円弧状開口部
55 度決めピン
57 10時間単位指針
60 巻印中間車
61 巻印中間真
62 巻印中間歯車
63 巻印中間かな
70 第二巻印車
71 第二巻印胴
72 第二巻印かな
74 1時間単位指針
A,B,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,G1 回転方向
Claims (6)
- ぜんまいの動力蓄積量に応じて変位可能な可動体を備えるぜんまい動力蓄積量検出手段と、
該ぜんまい動力蓄積量検出手段の可動体に結合された10時間単位表示手段であって、該可動体の位置に応じて10時間単位でのぜんまい動力蓄積量を表示するものと、
該10時間単位表示手段に結合された1時間単位表示手段であって、前記可動体の位置に応じた1時間単位でのぜんまい動力蓄積量を表示するものと
を有するパワーリザーブ表示機構。 - 前記10時間単位表示手段がぜんまい動力蓄積量に応じて異なる回転位置を採る第一の回転体からなり、前記1時間単位表示手段が前記10時間単位表示手段に結合され第一の回転体と同軸の第二の回転体からなる請求項1に記載のパワーリザーブ表示機構。
- 前記10時間単位表示手段がぜんまい動力蓄積量に応じて異なる回転位置を採る第一の回転体からなり、前記1時間単位表示手段が10時間単位表示手段に結合され第一の回転体とは異なる中心軸線のまわりで回転される第二の回転体からなる請求項1に記載のパワーリザーブ表示機構。
- 前記ぜんまい動力蓄積量検出手段が遊星車機構を含む請求項1から3までのいずれか一つの項に記載のパワーリザーブ表示機構。
- 請求項1から4までのいずれか一つの項に記載のパワーリザーブ表示機構を備えた機械式時計。
- ぜんまいが自動巻機構によって巻上げられるように構成された請求項5に記載の機械式時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005046094A JP2006234433A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | パワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005046094A JP2006234433A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | パワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006234433A true JP2006234433A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37042273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005046094A Pending JP2006234433A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | パワーリザーブ表示機構及びこれを備えた機械式時計 |
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JP (1) | JP2006234433A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106502076A (zh) * | 2015-09-07 | 2017-03-15 | 天津海鸥表业集团有限公司 | 一种动力储备的显示机构 |
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2005
- 2005-02-22 JP JP2005046094A patent/JP2006234433A/ja active Pending
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CN106502076A (zh) * | 2015-09-07 | 2017-03-15 | 天津海鸥表业集团有限公司 | 一种动力储备的显示机构 |
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