JP2006232726A - トリフルオロ乳酸の効率的な光学分割 - Google Patents

トリフルオロ乳酸の効率的な光学分割 Download PDF

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Abstract

【課題】医農薬および光学材料の重要中間体である光学活性トリフルオロ乳酸の工業的製造法を提供する。
【解決手段】ラセミトリフルオロ乳酸と分割剤である光学活性フェネチルアミンからなるジアステレオマー塩の再結晶による光学分割において含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒を適宜用いて再結晶を行なう。光学活性ジアステレオマー塩の水和物が既知の非水和物に比べて効率良く析出し、さらに水和物と非水和物で光学分割されるトリフルオロ乳酸の絶対配置が逆転するため、水和物と非水和物の析出を制御することにより、光学活性フェネチルアミンの片方のエナンチオマーを用いるだけでトリフルオロ乳酸の両方のエナンチオマーを従来よりも格段に高い分割効率で光学分割することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、医農薬および光学材料の重要中間体である光学活性トリフルオロ乳酸の工業的製造法に関する。
光学活性トリフルオロ乳酸は、医農薬および光学材料の重要中間体である。光学活性カルボン酸の工業的製造法としては、ラセミカルボン酸と光学活性アミンからなるジアステレオマー塩の再結晶による光学分割が多用されており、特に不要なエナンチオマーが容易にラセミ化できる場合には工業的に極めて効率良く製造することができる。トリフルオロ乳酸は塩基性条件下、容易にラセミ化できるため(参考例1を参照)、光学活性トリフルオロ乳酸の工業的製造法としては光学分割が好適と考えられる。しかしながらトリフルオロ乳酸の実用的な光学分割としては、分割剤に光学活性トレオ−1−フェニル−2−アミノ−1,3−プロパンジオールを用いる方法が報告されているのみである(非特許文献1)。
Chemische Berichte(ドイツ),1992年,第125巻,第12号,p.2795〜2802
非特許文献1で開示された分割剤である光学活性トレオ−1−フェニル−2−アミノ−1,3−プロパンジオールは、両方のエナンチオマーを共に高い光学純度で大量且つ安価に利用することができないため、工業的規模での光学分割には適していなかった。また該非特許文献には、分割剤に光学活性フェネチルアミンを初めとする種々の光学活性アミン類を用いるトリフルオロ乳酸の光学分割についても報告されているが、これらの分割剤では分割効率が低く、効率的な方法ではなかった。この様にトリフルオロ乳酸を工業的規模で効率良く光学分割できる方法が強く望まれていた。
本発明者らは、分割効率は一般に劣るが、工業的規模での分割剤としての要件を満たしている光学活性フェネチルアミンを用いるトリフルオロ乳酸の光学分割について鋭意検討した結果、光学活性ジアステレオマー塩の水和物が、既知の非水和物に比べて格段に高い分割効率で析出することを見出した。さらに注目すべき点は、水和物と非水和物で光学分割されるトリフルオロ乳酸の絶対配置が逆転することである。すなわち、分割剤としてR−フェネチルアミンを用いた場合には、水和物としてS−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・(H2O)n(ここでnは正の数を意味する)が析出し、非水和物としてR−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミンが特異的に析出する。一方、分割剤としてS−フェネチルアミンを用いた場合には、水和物としてR−トリフルオロ乳酸・S−フェネチルアミン・(H2O)nが析出し、非水和物としてS−トリフルオロ乳酸・S−フェネチルアミンが特異的に析出する。
従って水和物と非水和物の析出を制御することにより、光学活性フェネチルアミンの片方のエナンチオマーを用いるだけで、トリフルオロ乳酸の何れのエナンチオマーをも作り分けることができ、両方のエナンチオマーを併せて製造することも可能になった。
具体的には、初めに含水の再結晶溶媒からS−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・(H2O)nを析出させ、後にR−トリフルオロ乳酸が過剰になった再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒を用いて再結晶し、R−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミンを析出させることにより、分割剤にR−フェネチルアミンを用いるだけでトリフルオロ乳酸の両方のエナンチオマーを、従来よりも格段に高い分割効率で光学分割できることを見出した。予め水和物を析出させ、引き続いて非水和物を析出させるため、既知の非水和物のみを利用する光学分割に比べて分割効率が著しく改善できる。
また逆に、初めに非水和物を析出させ、後に水和物を析出させる方法も効率的で、水和物がより高い光学純度で回収できる。上記の説明は、分割剤にR−フェネチルアミンを用いる場合であるが、S−フェネチルアミンを用いても、それぞれ逆の絶対配置を持つ光学活性ジアステレオマー塩の水和物または非水和物を、同様に高い分割効率で光学分割することができる。工業的規模で光学分割を行うには、不要なエナンチオマーを効率良くラセミ化できることが重要で、ラセミ化に供する不要なエナンチオマーの光学純度が高い程、ラセミ化の効率は高くなる。
本発明の方法では、分割剤に光学活性フェネチルアミンの片方のエナンチオマーを用いるだけでトリフルオロ乳酸の両方のエナンチオマーを共に高い光学純度で収率良く回収することができるため、ラセミ化の効率性という観点から見ても格段に優れており、光学活性トリフルオロ乳酸の工業的製造法として極めて有効な方法である。
既知の非水和物のみを利用する光学分割においては、不要なエナンチオマーを高い光学純度で回収するには、分割剤に光学活性フェネチルアミンの逆のエナンチオマーを用いてジアステレオマー塩を調整し直す必要があり、操作が非常に煩雑であった。また本発明で見出した光学活性ジアステレオマー塩の水和物は、トリフルオロ乳酸の光学分割を行う上で有用な化合物であり、水和数(nは正の数)としては、特に制限はないが、通常は1から6の整数を表し、特に一水和物として析出することが多く、この一水和物の形が特に取り扱いやすく、好適である。得られた光学活性ジアステレオマー塩の水和物または非水和物は、無機酸の水溶液と十分に振とうし、抽出溶媒で抽出することにより光学純度を損なうことなく光学活性トリフルオロ乳酸を回収することができる。本発明者らは、上記の様にトリフルオロ乳酸の効率的な光学分割を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明1とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明2とする)。
また、本発明は、発明1において、得られた再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることにより、式[9]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造することを特徴とする、発明1に記載の方法を提供する(この発明を発明3とする)。
また、本発明は、発明2において、得られた再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることにより、式[5]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造することを特徴とする、発明2に記載の方法を提供する(この発明を発明4とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明5とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明6とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と水和物を各々、強酸と接触させることによりなる、それぞれの絶対配置に対応する、式[9]
と、式[5]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造する方法を提供する(この発明を発明7とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と水和物を各々、強酸と接触させることによりなる、それぞれの絶対配置に対応する、式[5]
と、式[9]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造する方法を提供する(この発明を発明8とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明9とする)。
また、本発明は、式[1]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
[式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
[式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する(この発明を発明10とする)。
また、本発明は、発明1または発明2において、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する。
また、本発明は、発明3または発明4において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する。
また、本発明は、発明5または発明6において、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルで、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する。
また、本発明は、発明7または発明8において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルで、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する。
また、本発明は、発明9または発明10において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルで、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法を提供する。
本願の発明1〜発明10については、図1〜図10に概念図を示した。
本願発明は、発明1〜発明10を骨子とする。それぞれは、用いられる光学活性フェネチルアミンの絶対配置において異なり、含水もしくは無水の再結晶溶媒を用いる再結晶操作をどのような手順で実施するかにおいても相違する。しかし、発明1〜発明10の何れも、目的とする化合物が光学活性トリフルオロ乳酸であり、「ジアステレオマー塩を再結晶操作に付する工程」を有する点において、さらには、「光学活性ジアステレオマー塩を強酸と接触させて、光学活性トリフルオロ乳酸を製造する工程」を有する点において、共通する。また発明3〜発明10については、「再結晶を行って得られた再結晶母液を、濃縮操作に付し得られた残渣を再度、再結晶に付す」という共通点を有する。そこで、以下の説明は、発明1〜10をまとめて行う。以下に記述する実施形態は、それが、発明1〜発明10までの何れの中で行われるとしても、特に異なるところがない。
式[4]または式[8]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物、式[10]または式[11]で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物、または式[5]または式[9]で示される光学活性トリフルオロ乳酸の立体化学(但し、光学活性フェネチルアミン部位の立体化学を除く)において、R体またはS体と表示されているが、これは光学的に純粋なR体またはS体を意味する以外に、光学分割の過程でR体またはS体が過剰に含まれている光学的に活性な状態[例えば、R体が90%ee(R体:S体=95:5)等]をも意味する。
先ず、「再結晶操作」について詳細に説明する。
式[1]で示されるトリフルオロ乳酸の立体化学としては、ラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を用いることができる。ラセミ体は、Journal of Fluorine Chemistry(オランダ),2004年,第125巻,p.567〜571に従い、大量且つ安価に製造することができる。R体またはS体の光学純度としては、特に制限はないが、30%ee(エナンチオマー過剰率)未満のものを用いても効率良く光学分割することができるため、30%ee未満のものが好ましく、特に10%ee未満のものがより好ましい。勿論、30%ee以上のものを用いることもできるが、本発明の光学分割は分割効率が格段に高いため、原料基質として敢えて光学純度の高いものを用いる必要がない。本発明においては、安価に入手できるラセミ体(0%ee)を用いても、光学純度の高いトリフルオロ乳酸を製造、分離することが可能であるため、ラセミ体を用いることが経済的に特に有利である。
式[2]または式[6]で示される光学活性フェネチルアミンの光学純度としては、通常は95%ee以上のものを用いれば良く、97%ee以上のものが好ましく、特に99%ee以上のものがより好ましい。光学活性フェネチルアミンの使用量としては、式[1]で示されるトリフルオロ乳酸1.0モルに対して、通常は0.5モル以上を用いれば良く、0.7〜3.0モルが好ましく、特に0.9〜2.0モルがより好ましい。
ジアステレオマー塩の混合物の調整方法としては、特に制限はないが、含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒に式[1]で示されるトリフルオロ乳酸と式[2]または式[6]で示される光学活性フェネチルアミンを加えて加熱溶解することによりジアステレオマー塩の混合物の溶液を調整するのが簡便で好ましい。必要に応じて、溶媒を濃縮してジアステレオマー塩の混合物を単離することもできる。
再結晶溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジi−プロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系等が挙げられる。その中でもn−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジi−プロピルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、アセトニトリル、メタノール、エタノールおよびi−プロパノールが好ましく、特に酢酸エチルがより好ましい。これらの再結晶溶媒は単独または組み合わせて用いることができる。
本発明の光学分割では、無水の再結晶溶媒から再結晶することにより光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得ることができる。含水率が0.3容量%以上の再結晶溶媒を用いると該非水和物を再現性良く得ることができない場合があり、ここで言う「無水の再結晶溶媒」とは、含水率が0.3容量%未満の再結晶溶媒を指し、0.2容量%未満が好ましく、特に0.1容量%未満がより好ましい。無水の再結晶溶媒としては、特別に無水の状態に管理されたものを用いる必要はなく、大量且つ安価に利用できる市販の工業用製品等の含水率は上記の好適な範囲内にあり、無水の再結晶溶媒として直接、用いることができる。
また本発明の光学分割では、含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得ることができる。含水の再結晶溶媒としては上記の再結晶溶媒に水を加えることにより簡便に調整でき、特に含水の酢酸エチルがより好ましい。ここで言う「含水の再結晶溶媒」とは、含水率が0.3容量%〜飽和含水率の再結晶溶媒を指し、0.4〜20.0容量%が好ましく、特に0.5〜10.0容量%がより好ましい(20.0容量%または10.0容量%が飽和含水率を超える場合は、“0.4〜飽和含水率”または“0.5〜飽和含水率”と読み替える)。含水の再結晶溶媒の調整に使用する水の量としては、ジアステレオマー塩の混合物1.0モルに対して、通常は0.5モル以上を用いれば良く、0.7〜20.0モルが好ましく、特に0.9〜10.0モルがより好ましい。含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒の使用量としては、ジアステレオマー塩の混合物1.0モルに対して、通常は0.1L(リットル)以上を用いれば良く、0.2〜20.0Lが好ましく、特に0.3〜10.0Lがより好ましい。
再結晶の方法としては、特に制限はないが、加熱溶解することにより調整したジアステレオマー塩の混合物の溶液から直接、または単離したジアステレオマー塩の混合物を再び含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒に加熱溶解した溶液から結晶を析出させるのが簡便で好ましい。具体的には、使用する含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒の沸点付近の温度で加熱溶解し、放置または攪拌下、徐々に降温しながら、−20〜+20℃の範囲内で、1〜48時間かけて、結晶を十分に析出させ、析出した結晶を濾過する方法が好適に採用される。該方法により、高いジアステレオマー過剰率の水和物または非水和物が得られる。必要に応じて、得られた光学活性ジアステレオマー塩の水和物または非水和物を、それぞれ含水の再結晶溶媒または無水の再結晶溶媒から同様に再結晶を繰り返すことにより、さらに高いジアステレオマー過剰率の水和物または非水和物を得ることができる。
また本再結晶は、種結晶を加えることにより、さらに効率良く結晶を析出させることができる。種結晶(光学活性ジアステレオマー塩の水和物または非水和物)のジアステレオマー過剰率としては、通常は95%de以上のものを用いれば良く、97%de以上のものが好ましく、特に99%de以上のものがより好ましい。種結晶の使用量としては、ジアステレオマー塩の混合物1.0モルに対して、通常は0.0001モル以上を用いれば良く、0.0003〜0.05モルが好ましく、特に0.0005〜0.03モルがより好ましい。種結晶を加える場合は、降温中、特に20〜50℃の範囲内で加えるのが好ましい。
次に、「濃縮操作」について詳細に説明する。
本発明の光学分割は、光学活性ジアステレオマー塩の水和物と非水和物を順不同で交互に析出させることにより、格段に高い分割効率で光学分割できるという特徴を有している。初めに含水の再結晶溶媒から水和物を析出させ、後に無水の再結晶溶媒から非水和物を析出させる場合には、水和物の再結晶で回収された含水の再結晶母液を濃縮して残渣を得るが、かかる濃縮は、残渣から水分を除去するために、十分行うことが望ましい。また必要に応じて、脱水操作を行うこともでき、その方法としては、特に制限はないが、芳香族炭化水素系、エステル系またはアルコール系等の水と共沸する溶媒を加えて共沸脱水しながら濃縮するのが簡便で好ましい。さらに、この共沸脱水の操作を繰り返し行うこともできる。
最後に、「強酸との接触操作」について詳細に説明する。
得られた式[4]または式[8]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物、または式[10]または式[11]で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることにより、光学純度を損なうことなく式[5]または式[9]で示される光学活性トリフルオロ乳酸を回収することができる。強酸と接触させる方法としては、特に制限はないが、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸または硫酸等の無機酸の水溶液に該水和物または非水和物を加えて十分に振とうし、ハロゲン化炭化水素系、エーテル系、エステル系等の抽出溶媒で抽出するのが簡便で好ましい。光学活性トリフルオロ乳酸が水溶性であるため、食塩等の無機塩で塩析して抽出するのがさらに好適である。得られた光学活性トリフルオロ乳酸の粗体は、必要に応じて、活性炭処理、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等で精製することができる。また得られた光学活性トリフルオロ乳酸の不要なエナンチオマーは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等の無機塩基の水溶液と反応させることにより容易にラセミ化でき、強酸と接触させる方法と同様に行うことにより、トリフルオロ乳酸のラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を回収することができ(参考例1を参照)、式[1]で示されるトリフルオロ乳酸として再利用することができる。また式[4]または式[8]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物、または式[10]または式[11]で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を直接、該無機塩基の水溶液と反応させることによりラセミ化を行うこともできる。この場合には、強酸と接触させる前に反応終了液を分液または抽出溶媒で抽出することにより、光学純度を損なうことなく遊離した光学活性フェネチルアミンを収率良く回収することができ、式[2]または式[6]で示される光学活性フェネチルアミンとして再利用することができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
光学活性トリフルオロ乳酸の光学純度はジアゾメタンでメチルエステル化し、キラルガスクロマトグラフィー[Chirasil−DEX CB(VARIAN)、0.25mm×25m、DF=0.25μm、50℃(5分保持)→昇温速度(10℃/分)→150℃(10分保持)]により決定した。この場合にS体の保持時間は5.6分、R体の保持時間は6.4分であった。
[実施例1]光学活性ジアステレオマー塩の水和物(S−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・H2O)を析出させる光学分割
酢酸エチル79.6mLと水5.3mLから調整した含水の再結晶溶媒に、下記式
で示されるトリフルオロ乳酸14.41g(ラセミ体、100.03mmol)と、下記式
で示される光学活性フェネチルアミン12.12g(光学純度>99.5%ee、100.02mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、種結晶を加え、室温で終夜攪拌した。さらに氷冷下、3時間熟成し、析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物(一回目再結晶品)10.02gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は95.2%eeであった。S体の回収率は69%であった。得られた一回目再結晶母液は実施例2に供した。
(二回目再結晶)
酢酸エチル42.5mLと水1.3mLから調整した含水の再結晶溶媒に、一回目再結晶品8.50g(30.01mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、39℃で種結晶を加え、室温で終夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、二回目再結晶品7.19gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は98.4%eeであった。S体の回収率は86%であった。得られた光学活性ジアステレオマー塩の水和物(二回目再結晶品)の機器データを以下に示す。
含水率6.7%(カールフィシャー法、一水和物の理論含水率6.4%).
[α]D 25=−12.0°(c=1.0,MeOH).
融点140〜142℃.
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CD3OD),δ ppm:1.62(d,6.9Hz,3H),4.12(q,8.1Hz,1H),4.44(q,6.9Hz,1H),7.35−7.50(Ar−H,5H)/H2O、−OH、−CO2Hおよび−NH2は帰属できず.
19F−NMR(基準物質:C66,溶媒:CD3OD),δ ppm:88.13(d,8.1Hz,3F).
(強酸との接触)
37.2%塩酸3.53g(36.02mmol)、食塩0.3gと水6.4mLから調整した塩酸食塩水に、二回目再結晶品6.00g(21.18mmol)を加えて十分に振とうし、酢酸エチルで二回(17.4mL、2.9mL)抽出した。回収した有機層を10%食塩水2.9mLで洗浄し、抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性トリフルオロ乳酸2.23gを得た。回収率は81%であった。光学純度は98.5%eeであった。得られた光学活性トリフルオロ乳酸の機器データを以下に示す。
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CD3OD),δ ppm:4.55(q,7.6Hz,1H)/−OHおよび−CO2Hは帰属できず.
19F−NMR(基準物質:C66,溶媒:CD3OD),δ ppm:87.87(d,7.6Hz,3F).
[実施例2]初めに光学活性ジアステレオマー塩の水和物(S−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・H2O)を析出させ、 後に光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(R−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン)を析出させる光学分割
実施例1において得られた一回目再結晶母液を減圧濃縮し、トルエンで二回(100mL、50mL)共沸脱水しながら濃縮した。無水の再結晶溶媒である酢酸エチル102.9mLに、一回目再結晶母液を濃縮して得た残渣全量を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、室温で終夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(一回目再結晶品)8.91gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は90.6%eeであった。R体の実施例1からのトータル回収率は64%であった。
(二回目再結晶)
無水の再結晶溶媒である酢酸エチル56.0mLに、一回目再結晶品8.00g(30.16mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、室温で終夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、二回目再結晶品6.28gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は96.7%eeであった。R体の回収率は81%であった。得られた光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(二回目再結晶品)の機器データを以下に示す。
含水率0.2%(カールフィシャー法).
[α]D 25=+17.1°(c=1.0,MeOH).
融点184〜186℃.
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CD3OD),δ ppm:1.62(d,6.9Hz,3H),4.13(q,8.1Hz,1H),4.44(q,6.9Hz,1H),7.35−7.50(Ar−H,5H)/−OH、−CO2Hおよび−NH2は帰属できず.
19F−NMR(基準物質:C66,溶媒:CD3OD),δ ppm:88.17(d,8.1Hz,3F).
(強酸との接触)
37.2%塩酸3.77g(38.47mmol)、食塩0.3gと水6.8mLから調整した塩酸食塩水に、二回目再結晶品6.00g(22.62mmol)を加えて十分に振とうし、酢酸エチルで二回(18.6mL、3.1mL)抽出した。回収した有機層を10%食塩水3.1mLで洗浄し、抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性トリフルオロ乳酸2.32gを得た。回収率は79%であった。光学純度は96.5%eeであった。得られた光学活性トリフルオロ乳酸の機器データ(1H−NMR、19F−NMR)は実施例1と同様であった。
[実施例3]初めに光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(R−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン)を析出させ、後に光学活性ジアステレオマー塩の水和物(S−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・H2O)を析出させる光学分割
無水の再結晶溶媒である酢酸エチル132.7mLに、下記式
で示されるトリフルオロ乳酸14.41g(ラセミ体、100.03mmol)と、下記式
で示される光学活性フェネチルアミン12.12g(光学純度>99.5%ee、100.02mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、26℃で種結晶を加え、室温で4時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(一回目再結晶品)6.56gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は78.0%eeであった。R体の回収率は44%であった。得られた一回目再結晶母液は後の光学活性ジアステレオマー塩の水和物の析出に供した。
(二回目再結晶)
無水の再結晶溶媒である酢酸エチル42.0mLに、一回目再結晶品6.00g(22.62mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、室温で終夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、二回目再結晶品4.17gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は94.8%eeであった。R体の回収率は76%であった。得られた光学活性ジアステレオマー塩の非水和物(二回目再結晶品)の機器データ(含水率、比旋光度、融点、1H−NMR、19F−NMR)は実施例2と同様であった。
(強酸との接触)
37.2%塩酸2.51g(25.61mmol)、食塩0.2gと水4.5mLから調整した塩酸食塩水に、二回目再結晶品4.00g(15.08mmol)を加えて十分に振とうし、酢酸エチルで二回(12.4mL、2.1mL)抽出した。回収した有機層を10%食塩水2.1mLで洗浄し、抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性トリフルオロ乳酸1.59gを得た。回収率は81%であった。光学純度は94.5%eeであった。得られた光学活性トリフルオロ乳酸の機器データ(1H−NMR、19F−NMR)は実施例1と同様であった。
上記において得られた一回目再結晶母液を減圧濃縮した。酢酸エチル79.9mLと水4.0mLから調整した含水の再結晶溶媒に、一回目再結晶母液を濃縮して得た残渣全量を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、室温で種結晶を加え、室温で終夜攪拌した。さらに氷冷下、3時間熟成し、析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物(一回目再結晶品)9.85gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は96.6%eeであった。S体のトータル回収率は73%であった。
(二回目再結晶)
酢酸エチル45.0mLと水1.4mLから調整した含水の再結晶溶媒に、一回目再結晶品9.00g(31.77mmol)を加え、80℃で加熱溶解し、徐々に降温しながら、39℃で種結晶を加え、室温で終夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、真空乾燥後、二回目再結晶品7.82gを得た。トリフルオロ乳酸の光学純度は99.0%eeであった。S体の回収率は88%であった。得られた光学活性ジアステレオマー塩の水和物(二回目再結晶品)の機器データ(含水率、比旋光度、融点、1H−NMR、19F−NMR)は実施例1と同様であった。
(強酸との接触)
37.2%塩酸4.12g(42.04mmol)、食塩0.3gと水7.5mLから調整した塩酸食塩水に、二回目再結晶品7.00g(24.71mmol)を加えて十分に振とうし、酢酸エチルで二回(20.3mL、3.4mL)抽出した。回収した有機層を10%食塩水3.4mLで洗浄し、抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性トリフルオロ乳酸2.57gを得た。回収率は80%であった。光学純度は99.1%eeであった。得られた光学活性トリフルオロ乳酸の機器データ(1H−NMR、19F−NMR)は実施例1と同様であった。
[参考例1]光学活性ジアステレオマー塩の水和物(S−トリフルオロ乳酸・R−フェネチルアミン・H2O)のラセミ化
2.0N水酸化ナトリウム水溶液2.00mL(4.00mmol、4.0eq)に、実施例1において得られた下記式
で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物(二回目再結晶品)283mg(光学純度98.4%ee、1.00mmol、1.0eq)を加え、40℃で二日間攪拌した。反応終了液をジi−プロピルエーテルで二回(1.5mL×2)抽出し、回収した有機層を10%食塩水1.0mLで洗浄した。抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示される光学活性フェネチルアミンをラセミ化することなく、定量的に回収した。上記において回収された水層に、濃塩酸を加えてpH1とし、酢酸エチルで三回(3.0mL×3)抽出した。回収した有機層を10%食塩水3.0mLで洗浄し、抽出溶媒を減圧濃縮し、真空乾燥後、下記式
で示されるトリフルオロ乳酸118mgを得た。収率は82%であった。光学純度は3.0%ee未満であった。得られたトリフルオロ乳酸の機器データ(1H−NMR、19F−NMR)は実施例1と同様であった。
図1は、本願の発明1の概要を図式化したものである。 図2は、本願の発明2の概要を図式化したものである。 図3は、本願の発明3の概要を図式化したものである。 図4は、本願の発明4の概要を図式化したものである。 図5は、本願の発明5の概要を図式化したものである。 図6は、本願の発明6の概要を図式化したものである。 図7は、本願の発明7の概要を図式化したものである。 図8は、本願の発明8の概要を図式化したものである。 図9は、本願の発明9の概要を図式化したものである。 図10は、本願の発明10の概要を図式化したものである。

Claims (15)

  1. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  2. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  3. 請求項1において、得られた再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることにより、式[9]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 請求項2において、得られた再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることにより、式[5]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  6. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  7. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と水和物を各々、強酸と接触させることによりなる、それぞれの絶対配置に対応する、式[9]
    と、式[5]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造する方法。
  8. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と水和物を各々、強酸と接触させることによりなる、それぞれの絶対配置に対応する、式[5]
    と、式[9]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸を併せて製造する方法。
  9. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[2]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[3]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[10]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[4]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[5]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  10. 式[1]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるトリフルオロ乳酸を、式[6]
    で示される光学活性フェネチルアミンと接触させることにより、式[7]
    [式中、波線はラセミ体、または光学純度が低いR体またはS体を表す]で示されるジアステレオマー塩の混合物を生成させ、次いで該ジアステレオマー塩の混合物を無水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[11]
    で示される光学活性ジアステレオマー塩の非水和物と再結晶母液を得、さらに該再結晶母液を濃縮して得た残渣を含水の再結晶溶媒から再結晶することにより、式[8]
    [式中、nは正の数を意味する]で示される光学活性ジアステレオマー塩の水和物を得、引き続いて該光学活性ジアステレオマー塩の水和物を強酸と接触させることによりなる、式[9]
    で示される光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  11. 請求項1または請求項2において、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  12. 請求項3または請求項4において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  13. 請求項5または請求項6において、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルで、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  14. 請求項7または請求項8において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルで、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
  15. 請求項9または請求項10において、無水の再結晶溶媒が無水の酢酸エチルで、含水の再結晶溶媒が含水の酢酸エチルである、光学活性トリフルオロ乳酸の製造方法。
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