JP2006232016A - 乗員保護装置の起動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、乗員保護装置の起動制御装置に関し、スクイブに関するダイアグノーシス回路に印加する電圧をスクイブ点火のためにスクイブに印加する電圧よりも低くしつつ、スクイブに点火のための電圧を印加する第1電源からダイアグノーシス回路に電圧を印加する第2電源への電流の回り込みを防止することを目的とする。
【解決手段】 乗員保護装置を起動するためのスクイブ12に昇圧電圧Vbackを印加するバックアップ電源22と、スクイブ12の異常を検出するためのスクイブダイアグ回路40にバックアップ電源22の有する昇圧電圧Vbackよりも低圧の基準電圧VDDを印加する電源42と、を設ける。そして、バックアップ電源22と電源42との間の経路に、電源42からの電流の流れを許容する一方で、バックアップ電源22から電源42への電流の流れを阻止するダイオード60を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 乗員保護装置を起動するためのスクイブ12に昇圧電圧Vbackを印加するバックアップ電源22と、スクイブ12の異常を検出するためのスクイブダイアグ回路40にバックアップ電源22の有する昇圧電圧Vbackよりも低圧の基準電圧VDDを印加する電源42と、を設ける。そして、バックアップ電源22と電源42との間の経路に、電源42からの電流の流れを許容する一方で、バックアップ電源22から電源42への電流の流れを阻止するダイオード60を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、乗員保護装置の起動制御装置に係り、特に、乗員保護装置を起動するためのスクイブに電圧を印加する第1電源と、そのダイアグノーシス回路に第1電源の有する電圧よりも低圧の電圧を印加する第2電源と、を備える乗員保護装置の起動制御装置に関する。
従来より、エアバッグやシートベルトのプリテンショナなどの乗員保護装置を起動させるためのスクイブを備える乗員保護装置の起動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この起動制御装置において、スクイブは、その点火のため、アースと高圧電源(12V)との間に点火用スイッチを介して接続されている。また、この装置には、スクイブの異常を検出・判定するためのダイアグノーシス回路が設けられている。このダイアグノーシス回路は、スクイブの一端に抵抗を介して接続されたアースと、スクイブの他端に抵抗を介して接続された、上記高圧電源よりも低圧の低圧電源(5V)と、を有している。かかるダイアグノーシス回路においては、低圧電源からスクイブを介してアースへ微小のモニタ電流を流すことで、その際に生ずるスクイブ両端又はスクイブ下流の電圧をモニタし、そのモニタ電圧からスクイブの異常を検出することとしている。
特開平8−40193号公報
ところで、上記従来の装置の如くスクイブダイアグノーシス回路の電源電圧がスクイブ点火用の電源電圧よりも低圧である構成においては、両者がほぼ同一である構成に比べて、スクイブダイアグノーシス回路への印加電圧が低電圧化されるため、モニタ電流流通時に消費する電力量が少なくなり、その結果、起動制御装置全体としての消費電力を低減することが可能となる。
しかし、このようにスクイブに低圧電源からのモニタ電流を流してその異常判定を行っている状況において、スクイブを点火すべく高圧電源からそのスクイブへの電圧印加が行われると、高圧電源からスクイブへ電流が流れると共に、更に、高圧電源から低圧電源へも電流が流れる事態が生じ得る。この場合には、低圧電源を破壊するだけでなく、場合によってはその低圧電源に接続されているマイコン等の機器の動作に影響を与えることとなってしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、スクイブに関するダイアグノーシス回路に印加する電圧を低電圧化しつつ、スクイブに電圧を印加する第1電源からダイアグノーシス回路に電圧を印加する第2電源への電流の回り込みを防止することが可能な乗員保護装置の起動制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、請求項1に記載する如く、乗員保護装置を起動するためのスクイブに電圧を印加する第1電源と、前記スクイブの異常を検出するためのダイアグノーシス回路に前記第1電源の有する電圧よりも低圧の電圧を印加する第2電源と、を備える乗員保護装置の起動制御装置であって、前記第1電源から前記第2電源への電流の流れを防止する電流流通防止手段を備える乗員保護装置の起動制御装置により達成される。
本発明において、スクイブの異常を検出するためのダイアグノーシス回路には、乗員保護装置を起動すべくスクイブに印加される第1電源の電圧よりも低圧の電圧が第2電源から印加される。このため、ダイアグノーシス回路に第1電源の電圧が印加される構成に比べて、ダイアグノーシス回路を使用するうえでの消費電力の低減が図られている。また、本発明においては、第1電源から第2電源への電流の流れを防止する電流流通防止手段が設けられている。このため、例えスクイブ点火のために第1電源から電圧の印加が行われても、その第1電源からダイアグノーシス回路に電圧を印加する第2電源への電流の流通が防止されることとなる。
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の乗員保護装置の起動制御装置において、前記電流流通防止手段は、前記第1電源と前記第2電源との間の経路に挿入された、前記第2電源からの順方向電流の流れを許容する一方で、前記第1電源から前記第2電源への逆方向電流の流れを阻止するダイオードであることとしてもよい。
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載の乗員保護装置の起動制御装置において、前記電流流通防止手段は、前記第1電源による前記スクイブへの電圧印加が行われた場合に、前記第1電源と前記第2電源との間の経路を遮断するスイッチであることとしてもよい。
請求項1乃至3記載の発明によれば、スクイブダイアグノーシス回路に印加する電圧をスクイブ点火のためにスクイブに印加する電圧よりも低くしつつ、スクイブに点火のための電圧を印加する第1電源からスクイブダイアグノーシス回路に電圧を印加する第2電源への電流の回り込みを防止することができる。
以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例である乗員保護装置の起動制御装置10のシステム構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載されるエアバッグ装置やシートベルトのプリテンショナ装置などの車両乗員を保護する乗員保護装置を起動させるためのシステムである。
図1に示す如く、本実施例の起動制御装置10は、乗員保護装置を起動させるためのスクイブ12を備えている。スクイブ12は、車両乗員の乗車位置ごとに起動の段数に応じた数だけ設けられている。各スクイブ12は、主要部品である抵抗体(抵抗値=Rsq)を通電することによって点火し、これにより、エアバッグなどを展開させて乗員保護装置を起動させる機能を有している。
起動制御装置10は、また、主にスクイブ12の点火制御を行うASIC(Application
Specific Integrated Circuit)14を備えている。ASIC14には、スクイブ端子16,18を通じてスクイブ12の両端が接続されている。また、ASIC14は、電源端子20を通じてバックアップ電源22側に接続されていると共に、アース端子24を通じて接地されている。
Specific Integrated Circuit)14を備えている。ASIC14には、スクイブ端子16,18を通じてスクイブ12の両端が接続されている。また、ASIC14は、電源端子20を通じてバックアップ電源22側に接続されていると共に、アース端子24を通じて接地されている。
バックアップ電源22は、車載電源(+B;例えば12ボルト)を昇圧させた例えば23ボルト程度の昇圧電圧Vbackを有している。バックアップ電源22とASIC14の電源端子20との間の電源供給ライン上には、例えばpチャネル型のパワーMOSFETにより構成された半導体からなるスイッチング素子26が設けられている。スイッチング素子26は、バックアップ電源22とASIC14の電源端子20との導通・遮断を切り換える機能を有している。
スイッチング素子26には、駆動回路及びマイコンが接続されており、加速度センサ等を用いてマイコンで車両に乗員保護装置を起動すべき衝突等が生じたことが検知された場合に、駆動回路からオン駆動すべき指令信号が供給される。スイッチング素子26は、常態でオフ状態に維持されていると共に、駆動回路からオン駆動すべき指令信号の供給を受けた場合にオン状態となり、電源端子20とバックアップ電源22とを導通させる。尚、スイッチング素子26には並列に、車両に乗員保護装置を起動すべき衝突等が生じた際に接点を閉じる機械式の加速度センサが配設されていてもよい。
また、ASIC14は、電源端子20とスクイブ端子16とを結ぶ電源供給ライン30と、スクイブ端子18とアース端子24とを結ぶ電源供給ライン32と、電源供給ライン30上に設けられたスイッチング素子34と、電源供給ライン32上に設けられたスイッチング素子36と、を備えている。スイッチング素子34,36はそれぞれ、例えばnチャネル型のパワーMOSFETにより構成された半導体からなっている。スイッチング素子34は、その一端が電源端子20に接続され、かつ、他端がスクイブ端子16に接続された構成とされており、電源端子20とスクイブ端子16との導通・遮断を切り換える機能を有している。また、スイッチング素子36は、その一端がスクイブ端子18に接続され、かつ、他端がアース端子24に接続された構成とされており、スクイブ端子18とアース端子24との導通・遮断を切り換える機能を有している。
スイッチング素子34,36にはそれぞれ、駆動回路及びマイコンが接続されており、加速度センサを用いてマイコンで車両に乗員保護装置を起動すべき衝突等が生じたことが検知された場合に、駆動回路からオン駆動すべき指令信号が供給される。スイッチング素子34は、常態でオフ状態に維持されていると共に、駆動回路からオン駆動すべき指令信号の供給を受けた場合にオン状態となり、電源端子20とスクイブ端子16とを導通させる。また、スイッチング素子36は、常態でオフ状態に維持されていると共に、駆動回路からオン駆動すべき指令信号の供給を受けた場合にオン状態となり、スクイブ端子18とアース端子24とを導通させる。
上記した構成において、マイコンからの指令によりスイッチング素子26,34,36がすべてオン状態にされると、スクイブ12の一端がバックアップ電源22に接続しかつ他端が接地することで、スクイブ12が通電されてそのスクイブ12にバックアップ電源22の昇圧電圧Vbackに基づいた比較的大きな電圧が印加される。この場合には、スクイブ12が点火することで多量のガスが発生し、エアバッグなどが展開して乗員保護装置が起動されることとなる。従って、本実施例によれば、車両衝突時等にスイッチング素子26,34,36をオン状態とすることによって乗員保護装置を起動させることで、車両衝突による衝撃から車両乗員を保護することが可能となっている。
ところで、乗員保護装置は車両衝突時に確実に起動させることが要求されるため、スクイブ12の抵抗体の異常やスクイブ12とASIC14とを結ぶ配線の電源ショート,接地ショート等の異常を判定することが必要である。そこで、本実施例のシステムにおいて、起動制御装置10には、それら各種のスクイブ異常を判定するための機能が設けられている。
すなわち、本実施例において、起動制御装置10は、スクイブ12の異常判定を行うためのダイアグノーシス回路(以下、スクイブダイアグ回路と称す)40を備えている。スクイブダイアグ回路40は、ASIC14内に組み込まれており、スクイブ12ごとに設けられている。ASIC14は、スクイブ12の点火制御を行う機能と共に、スクイブダイアグ回路40によってスクイブ12の異常判定を行う機能を有している。各スクイブダイアグ回路40は、スクイブ12が点火しない程度の微小電流をそのスクイブ12に流すため、電源42と、アースと、抵抗44,46,48,50と、を有している。
電源42は、車載電源(+B;例えば12ボルト)を内部回路用に降圧した例えば5ボルト程度の基準電圧VDDを有している。この電源42は、スクイブダイアグ回路40に基準電圧VDDを印加するだけでなく、マイコンや他の電子制御ユニット,IC等の車両に搭載された各種の電装部品に基準電圧VDDを印加するものとしてもよい。電源42は、抵抗(抵抗値=R1)44を介して電源供給ライン30に好ましくはスクイブ12とスイッチング素子34との間のスクイブ端子16に接続されている。また、電源供給ライン32好ましくはスクイブ12とスイッチング素子36との間のスクイブ端子18は、抵抗(抵抗値=R2)46、抵抗(抵抗値=R3)48、及び抵抗(抵抗値=R4)50を介してアースに接続されている。すなわち、スクイブダイアグ回路40は、スクイブ12を、電源供給ライン30及び抵抗44を介して電源42に接続し、かつ、電源供給ライン32並びに抵抗46、48、及び50を介してアースに接続した構成となっている。
尚、抵抗44〜50の抵抗値R1,R2,R3,R4は、電源42からスクイブ12を介してアースへ流れる電流(モニタ電流Im)が、スクイブ12を点火動作させない最大の電流以下となるように設定されている。また、このモニタ電流Imは、常時流す必要はないが、スクイブの異常判定を常時行うためには常時流すことが必要となる。以下では、モニタ電流Imが常時流れることとする。
各スクイブダイアグ回路40の抵抗46と抵抗48との接続点(A点)には、異常判定回路54が接続されている。異常判定回路54は、A点に生ずる電位VAをモニタし、そのモニタ電圧VAに基づいて上記したスクイブ12の各種異常を判定する回路である。異常判定回路54は、スクイブ12に異常が生じたと判定した場合、車両乗員にその異常を知らせるべく、インパネ等で警告ランプを点灯させたり或いはスピーカからその旨を音声出力させる処理を実行する。
図2は、本実施例のシステムにおけるスクイブ異常を判定する手法を説明するための図を示す。尚、図2(A)は正常時を、図2(B)はスクイブ12に電源ショートが生じたときを、また、図2(C)はスクイブ12に接地ショートが生じたときを、それぞれ示す。
上記したスクイブダイアグ回路40においては、電源42の有する基準電圧VDDによって電源42とアースとの間にスクイブ12を介してモニタ電流Imが流れる。この際、図2(A)に示す如く、スクイブ12等に異常が発生しておらず正常機能が確保されるときは、スクイブ12に流れるモニタ電流Imは電源42の電圧VDDとスクイブ抵抗Rsqと抵抗44〜50の抵抗値R1〜R4とで定まるものとなることで(次式(1))、A点にそのモニタ電流Imに応じた電位VAが現れることとなる(次式(2))。電源42の有する基準電圧VDD、スクイブ抵抗値Rsq、及び抵抗44〜50の抵抗値R1〜R4はそれぞれ、あまり変動しないほぼ一定の値である。このため、A点に現れる電位VAは、スクイブ正常時は、基準電圧VDD、スクイブ抵抗値Rsq、及び抵抗値R1〜R4に応じたほぼ定常の値となる。
Im=VDD/(R1+Rsq+R2+R3+R4) ・・・(1)
VA=(R3+R4)・VDD/(R1+Rsq+R2+R3+R4)・・・(2)
一方、例えば図2(B)に示す如く、スクイブ12とスクイブ端子16との間の電源供給ラインが車載電源(+B)とショートすると、スクイブ12に流れるモニタ電流Imは+B電源の電圧V+Bとスクイブ抵抗値Rsqと抵抗46〜50の抵抗値R2〜R4とで定まるものとなることで(次式(3))、A点にそのモニタ電流Imに応じた電位VAが現れることとなる(次式(4))。この場合、A点に現れる電位VAは、上記したスクイブ正常時における(2)式の電位とは大きく異なるものとなる。
VA=(R3+R4)・VDD/(R1+Rsq+R2+R3+R4)・・・(2)
一方、例えば図2(B)に示す如く、スクイブ12とスクイブ端子16との間の電源供給ラインが車載電源(+B)とショートすると、スクイブ12に流れるモニタ電流Imは+B電源の電圧V+Bとスクイブ抵抗値Rsqと抵抗46〜50の抵抗値R2〜R4とで定まるものとなることで(次式(3))、A点にそのモニタ電流Imに応じた電位VAが現れることとなる(次式(4))。この場合、A点に現れる電位VAは、上記したスクイブ正常時における(2)式の電位とは大きく異なるものとなる。
Im=V+B/(Rsq+R2+R3+R4) ・・・(3)
VA=(R3+R4)・V+B/(Rsq+R2+R3+R4) ・・・(4)
また、例えば図2(C)に示す如く、スクイブ12とスクイブ端子16との間の電源供給ラインがグランドアースとショートすると、スクイブ12に流れるモニタ電流Imはゼロとなることで、A点の電位VAがゼロとなる。この場合にも、A点に現れる電位VAは、上記したスクイブ正常時における(2)式の電位とは大きく異なるものとなる。
VA=(R3+R4)・V+B/(Rsq+R2+R3+R4) ・・・(4)
また、例えば図2(C)に示す如く、スクイブ12とスクイブ端子16との間の電源供給ラインがグランドアースとショートすると、スクイブ12に流れるモニタ電流Imはゼロとなることで、A点の電位VAがゼロとなる。この場合にも、A点に現れる電位VAは、上記したスクイブ正常時における(2)式の電位とは大きく異なるものとなる。
上記した異常判定回路54は、スクイブ12の異常を判定するためのA点の電位に関する上限値と下限値とからなるしきい値を有している。これらのしきい値は、A点の電位VAがスクイブ正常時に生じ得るゼロを超える境界値に設定されている。異常判定回路54は、A点に生じている電位VAをモニタし、そのモニタ電圧VAをしきい値と比較してスクイブ12に関する電源ショートや接地ショート,断線等の異常を判定し、そして、モニタ電圧VAがしきい値の範囲内にないときは、スクイブ異常が生じたと判定する。
尚、スクイブ異常の判定は、上記の如く抵抗46と抵抗48との間のA点の電位VAに基づいて行うことに限らず、他の接続点の電位に基づいて行うこととしてもよく、また、スクイブ12の両端間の電位差から求まるモニタ電流Imの大きさや、抵抗44、46、48、又は50の両端間の電位差から求まるモニタ電流Imの大きさ等に基づいて行うこととしてもよい。
また、本実施例において、スクイブダイアグ回路40には、スクイブ12の異常を判定するためのモニタ電流Imを流すべく、電源電圧として、電源42の基準電圧VDDが印加されている。この基準電圧VDDは、スクイブ12に印加される比較的大きな昇圧電圧Vback(23V)よりも低い電圧(5V)に設定されている。かかる構成によれば、スクイブダイアグ回路40に昇圧電圧Vbackと同程度の電圧が印加される構成に比べて、スクイブダイアグ回路40への印加電圧が低電圧化されるため、そのスクイブダイアグ回路40が通常消費する電力を低減することが可能となる。上記の如く、スクイブダイアグ回路40は、スクイブ12ごとに設けられている。従って、本実施例によれば、スクイブ12の多チャンネル化に伴って複数のスクイブダイアグ回路40を搭載する起動制御装置10全体としての消費電力の大幅な低減を図ることが可能となっており、これにより、また逆に、スクイブ12の更なる多チャンネル化を図ることが可能となっている。
更に、スクイブダイアグ回路40への印加電圧の低電圧化が行われれば、そのスクイブダイアグ回路40に使用する抵抗44〜50の抵抗値R1〜R4を小さくすることが可能である。このため、本実施例によれば、抵抗44〜50自体の小型化を図ることができ、これにより、ASIC14のチップサイズを小さくしてその省スペース化を図ることが可能となっている。
ところが、上記の如く、スクイブ12の異常を判定するためのスクイブダイアグ回路40に、バックアップ電源22の昇圧電圧Vbackよりも低い基準電圧VDDが印加されていると、以下の不都合が生ずる可能性がある。すなわち、スクイブ12は、電源供給ライン30を通じて比較的高圧のバックアップ電源22に接続し得ると共に、同じ電源供給ライン30を通じて比較的低圧の電源42側に常時接続している。この場合、スクイブ12の点火のためスイッチング素子26,34,36がすべてオン駆動されてバックアップ電源22からスクイブ12への電圧印加が行われると、そのバックアップ電源22から電源供給ライン30を通じてスクイブ12へスクイブ12を点火させるための電流が流れると共に、更に、バックアップ電源22の昇圧電圧Vbackと電源42の基準電圧VDDとの電位差に起因して、バックアップ電源22から電源42へ電流が流れる事態が生じ得る。このようにバックアップ電源22から電源42への逆向きの電流が流れると、その電源42が破壊されるだけでなく、その電源42に接続するマイコンや他の内部回路等の動作に悪影響が招来し得る。
そこで、本実施例のシステムは、スクイブダイアグ回路40における消費電力の低減やASIC14のチップサイズの小型化を図るべく、スクイブダイアグ回路40に印加する電圧をバックアップ電源22の昇圧電圧Vbackよりも低い基準電圧VDDとしつつ、スクイブ点火時におけるバックアップ電源22から電源42への電流の回り込みを防止する点に特徴を有している。
本実施例において、スクイブダイアグ回路40には、PN接合等から構成された半導体からなるダイオード60が設けられている。ダイオード60は、バックアップ電源22と電源42とを結んだラインのうちバックアップ電源22とスクイブ12とを結んだラインを除いた、電源42と電源供給ライン30との間の経路(本実施例では、電源42と抵抗44との間の経路)に挿入・介在されている。ダイオード60は、電源42側から電源供給ライン30側への電流の流れを許容する一方で、電源供給ライン30側から電源42側への電流の流れを阻止する特性を有している。尚、ダイオード60は、スクイブ12の正常時に作用するその両端の電位差がその降伏電圧よりも小さくなるように構成される。
かかる構成によれば、電源42からスクイブ12を介してアースへモニタ電流Imを流してスクイブ12の異常判定を行っている状況において、乗員保護装置を起動すべくバックアップ電源22からスクイブ12へスクイブ点火のための電圧印加が行われても、バックアップ電源22から電源供給ライン30を通じたスクイブ12への電流供給は許容される一方で、バックアップ電源22から電源供給ライン30を通じた電源42への電流の流通は阻止されることとなる。
従って、本実施例のシステムによれば、消費電力の低減やASIC14のチップサイズの小型化を図るべく、スクイブダイアグ回路40に印加する電圧をスクイブ点火のためにスクイブ12に印加するバックアップ電源22の昇圧電圧Vbackよりも低電圧化することが可能となっていると共に、更に、比較的高い昇圧電圧Vbackを有するバックアップ電源22側から比較的低い基準電圧VDDを有する電源42側へ電流が回り込むことを確実に防止することが可能となっている。
尚、上記の第1実施例においては、バックアップ電源22が特許請求の範囲に記載した「第1電源」に、電源42が特許請求の範囲に記載した「第2電源」に、ダイオード60が特許請求の範囲に記載した「電流流通防止手段」に、それぞれ相当している。
上記した第1実施例では、バックアップ電源22側から電源42側への電流の流れを阻止する手段として、ダイオード60を用いることとしている。これに対して、本発明の第2実施例においては、バックアップ電源22と電源42側との間の経路を導通・遮断するスイッチを用いることとしている。
図3は、本実施例の乗員保護装置の起動制御装置100のシステム構成図を示す。尚、図3において、上記図1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。図3に示す如く、本実施例の起動制御装置100は、スクイブ12の点火制御を行う機能と共に、スクイブ12の異常判定を行う機能を有するASIC102を備えている。ASIC102には、スクイブ12の異常判定を行うためのスクイブダイアグ回路104がスクイブ12ごとに組み込まれている。
各スクイブダイアグ回路104は、上記した第1実施例のスクイブダイアグ回路40と同様に、電源42と、アースと、抵抗44,46,48,50と、を有している。このため、本実施例の構成においても、スクイブダイアグ回路104に昇圧電圧Vbackと同程度の電圧が印加される構成に比べて、スクイブダイアグ回路104への印加電圧が低電圧化されるため、複数のスクイブダイアグ回路104を搭載する起動制御装置100全体としての消費電力を大幅に低減することが可能となっていると共に、抵抗44〜50自体の小型化によってASIC102のチップサイズを小さくすることが可能となっている。
また、本実施例において、スクイブダイアグ回路104には、例えばpチャネル型のパワーMOSFETにより構成された半導体からなるスイッチング素子106が設けられている。スイッチング素子106は、バックアップ電源22と電源42とを結んだラインのうちバックアップ電源22とスクイブ12とを結んだラインを除いた、電源42と電源供給ライン30(本実施例では、抵抗44)との間の経路に挿入・介在されている。スイッチング素子106の一端は電源42に接続しかつ他端は抵抗44に接続している。スイッチング素子106は、電源42と電源供給ライン30ひいてはバックアップ電源22との間の経路の導通・遮断を切り換える機能を有している。
スイッチング素子106には、駆動回路及びマイコンが接続されており、加速度センサを用いてマイコンで車両に乗員保護装置を起動すべき衝突等が生じたことが検知された場合に、駆動回路から駆動すべき指令信号が供給される。スイッチング素子106は、常態でオン状態に維持されていると共に、駆動回路から駆動すべき指令信号の供給を受けた場合にオフ状態となり、電源42とバックアップ電源22との経路を遮断させる。
一方、本実施例においても、スイッチング素子26,34,36は、上記の如く、車両に乗員保護装置を起動すべき衝突等が生じたことが検知されて駆動回路から駆動すべき指令信号の供給を受けた場合にオン状態となり、スクイブ12をバックアップ電源22及びアースに導通させる。従って、本実施例の構成において、スイッチング素子106のオフにより電源42とバックアップ電源22との経路が遮断されるタイミングは、スイッチング素子26,34,36のオンによりバックアップ電源22からスクイブ12へ点火のための電圧印加が行われて、電源供給ライン30に点火電流が流れるタイミングと一致する。
尚、スイッチング素子106のオンからオフへの切換は、スイッチング素子26,34の双方がオフからオンへ切り換わる以前に行われていればよく、また、スイッチング素子106のオフからオンへの切換は、スイッチング素子26,34の何れかがオンからオフへ切り換わった以後に行われればよい。
スイッチング素子26,34,36のオンにより電源供給ライン30にバックアップ電源22からの点火電流が流通しても、スイッチング素子106がオフ状態とされていれば、その電源供給ライン30からすなわちバックアップ電源22から電源42への電流流通は生じない。この点、本実施例においても、電源42からスクイブ12を介してアースへモニタ電流Imを流してスクイブ12の異常判定を行っている状況において、乗員保護装置を起動すべくバックアップ電源22からスクイブ12へスクイブ点火のための電圧印加が行われても、バックアップ電源22から電源供給ライン30を通じたスクイブ12への電流供給は許容される一方で、バックアップ電源22から電源供給ライン30を通じた電源42への電流の流通は阻止されることとなる。
従って、本実施例のシステムによれば、上記した第1実施例のシステムと同様に、消費電力の低減やASIC102のチップサイズの小型化を図るべく、スクイブダイアグ回路104に印加する電圧をスクイブ点火のためにスクイブ12に印加するバックアップ電源22の昇圧電圧Vbackよりも低電圧化することが可能となっていると共に、更に、比較的高い昇圧電圧Vbackを有するバックアップ電源22側から比較的低い基準電圧VDDを有する電源42側へ電流が回り込むことを確実に防止することが可能となっている。
尚、上記の第2実施例においては、スイッチング素子106が特許請求の範囲に記載した「電流流通防止手段」及び「スイッチ」に相当している。
10,100 起動制御装置
12 スクイブ
22 バックアップ電源
40 スクイブダイアグ回路
42 電源
60 ダイオード
106 スイッチング素子
12 スクイブ
22 バックアップ電源
40 スクイブダイアグ回路
42 電源
60 ダイオード
106 スイッチング素子
Claims (3)
- 乗員保護装置を起動するためのスクイブに電圧を印加する第1電源と、前記スクイブの異常を検出するためのダイアグノーシス回路に前記第1電源の有する電圧よりも低圧の電圧を印加する第2電源と、を備える乗員保護装置の起動制御装置であって、
前記第1電源から前記第2電源への電流の流れを防止する電流流通防止手段を備えることを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。 - 前記電流流通防止手段は、前記第1電源と前記第2電源との間の経路に挿入された、前記第2電源からの順方向電流の流れを許容する一方で、前記第1電源から前記第2電源への逆方向電流の流れを阻止するダイオードであることを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置の起動制御装置。
- 前記電流流通防止手段は、前記第1電源による前記スクイブへの電圧印加が行われた場合に、前記第1電源と前記第2電源との間の経路を遮断するスイッチであることを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置の起動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005047258A JP2006232016A (ja) | 2005-02-23 | 2005-02-23 | 乗員保護装置の起動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005047258A JP2006232016A (ja) | 2005-02-23 | 2005-02-23 | 乗員保護装置の起動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006232016A true JP2006232016A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37040149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005047258A Pending JP2006232016A (ja) | 2005-02-23 | 2005-02-23 | 乗員保護装置の起動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006232016A (ja) |
-
2005
- 2005-02-23 JP JP2005047258A patent/JP2006232016A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070626 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080430 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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