JP2006231586A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ケース内における液体の汚染の広がりを改善する液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】 プリンタ100は、吐出ヘッド12およびそれを走査する走査機構を覆うケース20を備え、ケース20の上面部20aと側面部20bとの接する箇所に、通気口30,30が設けられている。通気口30,30は、吐出ヘッド12の走査によってケース20内に発生する気流の排出経路をなしており、ケース20内の雰囲気中に含まれるミストを当該気流によって通気口30付近に集中させることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 プリンタ100は、吐出ヘッド12およびそれを走査する走査機構を覆うケース20を備え、ケース20の上面部20aと側面部20bとの接する箇所に、通気口30,30が設けられている。通気口30,30は、吐出ヘッド12の走査によってケース20内に発生する気流の排出経路をなしており、ケース20内の雰囲気中に含まれるミストを当該気流によって通気口30付近に集中させることができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、インクジェットプリンタ、ディスプレー製造装置、電極形成装置、あるいは、バイオチップ製造装置など、液体を吐出して描画等を行う液体吐出装置に関する。
従来、液体吐出装置として、紙への印刷に適したインクジェットプリンタ等が知られており、一般的には、一定方向に往復動するキャリッジに、液体(インク)を微小なノズルから吐出する吐出ヘッドを搭載した構成である。そして、印刷用紙を一方向に送ると共に、印刷用紙の送り方向に垂直に吐出ヘッドを往復動(走査)させ、印刷用紙上にインク滴を吐出して画像を形成するものである。
このインクジェットプリンタを用いて、印刷用紙の縁部に余白を残すことなく印刷用紙の表面の全体に対して印刷(いわゆる四辺縁無し印刷)を施す場合、印刷用紙およびキャリッジの位置ずれに対する余裕を考慮して、印刷用紙のサイズよりもやや広い領域に対して印刷を行うようにしている。すなわち、印刷用紙の前後縁(用紙送り方向に延在する縁)および左右の側縁(ヘッド走査方向に延在する縁)の部分に余白を残すことなく印刷を施すために、印刷用紙に対する吐出ヘッドの走査範囲をこれら前後縁、側縁の外側にまで広げてインク滴の吐出を行うものである。そして、印刷用紙から外れた領域に向けて吐出されたインク滴は、記録ヘッドに対向して印刷用紙の裏面側に配置されたインク吸収部材(スポンジ等)で吸収するようにしている(例えば、特許文献1)。
ところが、インク吸収部材は印刷用紙の裏面側に離間して配置されており、ノズル開口からインク吸収部材の露出面までの距離は、ノズル開口から印刷用紙までの距離に比べて長い。このため、印刷用紙から外れた領域に向けてインク滴が吐出された場合、ノズル開口から吐出されたインク滴が空気抵抗を受けて減速し、インク吸収部材まで到達せずにミスト化してしまう場合があった。特に、画質を向上させるためにインク滴の体積(重量)を小さくすると、空気抵抗による減速の度合いが大きくなってインク滴がミスト化しやすくなる。
さらに、インクジェットプリンタの内部はケースによって囲まれたほぼ閉じられた空間であるために、キャリッジが移動することで空気が押し出され、ケース内を循環する気流を発生させてしまう。そして、ミスト化したインク滴がこの気流に乗ってケース内の至るところに運ばれることで、ケース内における印刷用紙の経路や電気回路の端子部などにインクが付着し、印刷物の汚れやインクジェットプリンタの故障を招く虞がある。
さらに、インクジェットプリンタの内部はケースによって囲まれたほぼ閉じられた空間であるために、キャリッジが移動することで空気が押し出され、ケース内を循環する気流を発生させてしまう。そして、ミスト化したインク滴がこの気流に乗ってケース内の至るところに運ばれることで、ケース内における印刷用紙の経路や電気回路の端子部などにインクが付着し、印刷物の汚れやインクジェットプリンタの故障を招く虞がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、ケース内における液体の汚染の広がりを改善する液体吐出装置を提供することを目的としている。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出対象物に対して吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを一定方向に往復動させる走査手段と、前記吐出ヘッドおよび前記走査手段を覆うケースと、前記ケースに穿設された貫通孔であって、前記吐出ヘッドの往復動によって当該ケース内に発生する気流の排気経路をなす通気口と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記液体吐出装置は、前記ケース内の雰囲気に含まれる微粒子化した前記液体を捕集する捕集手段を前記通気口の近傍に備えることを特徴とする。
好ましくは、前記液体吐出装置は、前記ケース内の雰囲気に含まれる微粒子化した前記液体を捕集する捕集手段を前記通気口の近傍に備えることを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、ケース外への排気経路をなす通気口によって、吐出ヘッドの往復動によって発生した気流を通気口付近に集中させることができるため、ケース内に浮遊する微粒子化した液体を当該気流に乗せて通気口付近に集中させることができる。これにより、ケース内全体への当該微粒子の分散を低減することができる。また、好ましくは、通気口の近傍に捕集手段を設けることにより、排気される空気に含まれる当該微粒子が効果的に除去され、機体外の汚染防止を図ることができる。
好ましくは、前記液体吐出装置は、前記ケース内の気流を前記通気口へ導く誘導手段を備えることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記誘導手段は、前記ケース内の気流の流れを制御する整流部材で構成されることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記誘導手段は、前記ケース内の気流の流れを制御する整流部材で構成されることを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、誘導手段によって気流の通気口への集中の効率が向上するので、上述の発明の効果をより向上させることができる。好ましくは、誘導手段を整流部材で構成することにより簡易な構成とすることができる。
好ましくは、前記液体吐出装置において、前記通気口は、前記吐出ヘッドの往復動の延長上にあたる箇所の近傍に設けられていることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記通気口は、前記往復動における往路の向きと復路の向きとに対応した両側に設けられていることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記通気口は、前記往復動における往路の向きと復路の向きとに対応した両側に設けられていることを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、吐出ヘッドの往復動によってケース内の空気が通気口へ積極的に押し出されるので、気流の通気口への集中の効率が向上する。好ましくは、通気口を往路の向きと復路の向きとに対応した両側に設けることで、一方の通気口が排出経路をなすと共に他方の通気口がケース内への吸気経路として機能するため、総合的に当該排出の効率を向上させることができる。
好ましくは、前記液体吐出装置において、前記ケースは、前記吐出対象物の前記液体を受ける面とほぼ対向するように展延された上面部を備えていて、前記通気口は、前記上面部の近傍に形成されていることを特徴とする。
本願発明者によれば、ケース内の上面部の近傍は、構造上微粒子化した液体が特に滞留しやすい箇所となっているため、上面部の近傍に通気口を設けることで当該微粒子の回収の効率を向上させることができる。
本願発明者によれば、ケース内の上面部の近傍は、構造上微粒子化した液体が特に滞留しやすい箇所となっているため、上面部の近傍に通気口を設けることで当該微粒子の回収の効率を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、プリンタの内部構造の一例を示す概略斜視図である。
図1において、液体吐出装置としてのプリンタ100は、吐出対象物としての用紙6の印刷面6aに液体としてのインクを吐出して画像等の描画(印刷)を行う装置である。このプリンタ100は、スチール製のフレーム基体9と、インクを吐出する吐出ヘッド12と、吐出ヘッド12を搭載するキャリッジ1と、キャリッジ1を一定の方向に往復動(走査)させるキャリッジ移動機構8と、用紙6を裏面側から支持するプラテン5とを備えている。ここで、フレーム基体9は、その剛性と重量によって機構全体の土台をなすと共に、電気的なアースとしての機能を果たしている。
図1において、液体吐出装置としてのプリンタ100は、吐出対象物としての用紙6の印刷面6aに液体としてのインクを吐出して画像等の描画(印刷)を行う装置である。このプリンタ100は、スチール製のフレーム基体9と、インクを吐出する吐出ヘッド12と、吐出ヘッド12を搭載するキャリッジ1と、キャリッジ1を一定の方向に往復動(走査)させるキャリッジ移動機構8と、用紙6を裏面側から支持するプラテン5とを備えている。ここで、フレーム基体9は、その剛性と重量によって機構全体の土台をなすと共に、電気的なアースとしての機能を果たしている。
吐出ヘッド12から吐出するインクには、例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のものが使用され、キャリッジ1上に搭載されたインクカートリッジ7に収容されている。このインクカートリッジ7の底部にはインクを導出する導出部(図示せず)が設けられており、吐出ヘッド12に設けられたインク導入部(図示せず)と結合して、吐出ヘッド12にインクを供給するようになっている。
キャリッジ移動機構8は、キャリッジ1に動力を伝達するタイミングベルト3と、キャリッジ1を支持すると共にその移動方向を規定するガイドロッド4とを備えている。そして、このタイミングベルト3はDCモータ等のモータ2により駆動される。かくして、モータ2を回転駆動すると、キャリッジ1に搭載された吐出ヘッド12は、プリンタ100に架設されたガイドロッド4に案内されてガイドロッド4の伸長方向(走査方向)に往復動(走査)する。すなわち、キャリッジ1およびキャリッジ移動機構8は、走査手段を構成している。
また、用紙6は、プラテン5周辺の搬送機構17(図2参照)により、走査方向に直交する方向(給紙方向)に搬送されるようになっている。
また、用紙6は、プラテン5周辺の搬送機構17(図2参照)により、走査方向に直交する方向(給紙方向)に搬送されるようになっている。
上述の構成において、吐出ヘッド12を用紙6に対して相対移動させつつ、吐出ヘッド12のノズルからインクを液滴(インク滴)として吐出することにより、用紙6上における所望の位置にインク滴が着弾して画像が形成される。
プリンタ100の非記録領域であるホームポジションには、吸引手段としてのメンテナンス機構10が配設されている。
メンテナンス機構10は、図の上方側が開放された箱型の弾性部材であるキャップ部材13を備えている。キャップ部材13は、吐出ヘッド12のノズル形成面12a(図5参照)に密着してノズルの開口を封止する(キャッピング)ことで、未使用状態における当該ノズルの保全を図るものである。また、キャッピングの状態から、キャップ部材13の内底部の連通口(図示せず)と通じる吸引ポンプ(図示せず)を動作させることにより、封止された空間を減圧してノズルからインクを強制的に吸引することができる。
キャップ部材13の印刷領域側の近傍には、板状に成型された弾性部材を備えたワイピング手段11が吐出ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されている。ワイピング手段11は、キャリッジ1がキャップ部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて吐出ヘッド12のノズル形成面12a(図5参照)を払拭することができるように構成されている。
メンテナンス機構10は、図の上方側が開放された箱型の弾性部材であるキャップ部材13を備えている。キャップ部材13は、吐出ヘッド12のノズル形成面12a(図5参照)に密着してノズルの開口を封止する(キャッピング)ことで、未使用状態における当該ノズルの保全を図るものである。また、キャッピングの状態から、キャップ部材13の内底部の連通口(図示せず)と通じる吸引ポンプ(図示せず)を動作させることにより、封止された空間を減圧してノズルからインクを強制的に吸引することができる。
キャップ部材13の印刷領域側の近傍には、板状に成型された弾性部材を備えたワイピング手段11が吐出ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されている。ワイピング手段11は、キャリッジ1がキャップ部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて吐出ヘッド12のノズル形成面12a(図5参照)を払拭することができるように構成されている。
図2は、プラテン及びその周辺を拡大して示した平面図である。
図2において、搬送機構17は、用紙6を挟み込んでプラテン5上へ送るために互いに対向配置された給紙ローラ14a、14bと、印刷された用紙6を排出するために互いに対向配置された排紙ローラ15a、15bと、を備えている。なお、給紙ローラ14a及び排紙ローラ15aは従動ローラであり、給紙ローラ14b及び排紙ローラ15bは駆動ローラである。
図2において、搬送機構17は、用紙6を挟み込んでプラテン5上へ送るために互いに対向配置された給紙ローラ14a、14bと、印刷された用紙6を排出するために互いに対向配置された排紙ローラ15a、15bと、を備えている。なお、給紙ローラ14a及び排紙ローラ15aは従動ローラであり、給紙ローラ14b及び排紙ローラ15bは駆動ローラである。
図2に示すように、プラテン5は、用紙6を支持する支持部材5gの一部が切り欠かれて形成された、給紙方向Fと平行な方向に延びる複数のインク受け縦部分5c、5d、5e、5fと、給紙方向Fに対して直交するヘッド走査方向に延びる複数のインク受け横部分5a、5bとを備えている。
これらのインク受け部分5a、5b、5c、5d、5e、5fには、いずれも、吐出ヘッド12から吐出されたインクを吸収するインク吸収部材16が配置されている。インク吸収部材16は、スポンジ等で形成することができる。このインク吸収部材16の露出面は、支持部材5gが用紙6を支持する面よりも低くなっており、用紙6と接することはない。
これらのインク受け部分5a、5b、5c、5d、5e、5fには、いずれも、吐出ヘッド12から吐出されたインクを吸収するインク吸収部材16が配置されている。インク吸収部材16は、スポンジ等で形成することができる。このインク吸収部材16の露出面は、支持部材5gが用紙6を支持する面よりも低くなっており、用紙6と接することはない。
複数のインク受け縦部分5c、5d、5e、5fのうち、一対のインク受け縦部分5cはA3サイズの用紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、他の一対のインク受け縦部分5dはB4サイズの用紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、他の一対のインク受け縦部分5eはA4サイズの用紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、他の一対のインク受け縦部分5fはB5サイズの用紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されている。
また、複数のインク受け横部分5a、5bは、給紙側に配置されている給紙側インク受け横部分5aと、排紙側に配置されている排紙側インク受け横部分5bとからなる。
また、複数のインク受け横部分5a、5bは、給紙側に配置されている給紙側インク受け横部分5aと、排紙側に配置されている排紙側インク受け横部分5bとからなる。
上述の構成により、用紙6の縁部に余白を残すことなく印刷する、いわゆる四辺縁無し印刷を行うことが可能となる。すなわち、A3サイズの用紙6の四辺縁無し印刷を行う場合、用紙6の下側の縁(給紙方向Fの下流側の縁)の部分は、図2に示す位置において、インク受け横部分5bまで印刷領域が拡張された状態で印刷される。また、用紙6の左右の縁(給紙方向Fに平行な縁)の部分も同様に、インク受け縦部分5cまで印刷領域が拡張された状態で印刷される。そして最後に、用紙6の上側の縁(給紙方向Fの上流側の縁)が、インク受け横部分5aまで印刷領域が拡張された状態で印刷される。このとき、インク受け部分5a、5b、5cに吐出されたインクはインク吸収部材16に吸収されるため、支持部材5gをインクで汚すことがなく、また、支持部材5gの汚れが次の用紙6に転写されて用紙6を汚すこともない。
図3は、プリンタの外観構成を示す概略斜視図である。
図3に示すように、プリンタ100はその外観において、フレーム基体9(図1参照)を覆うケース20と、操作パネル21と、用紙6をストックする給紙トレー24と、印刷された用紙6を支持するための排紙トレー23と、を備えている。
図3に示すように、プリンタ100はその外観において、フレーム基体9(図1参照)を覆うケース20と、操作パネル21と、用紙6をストックする給紙トレー24と、印刷された用紙6を支持するための排紙トレー23と、を備えている。
ケース20は、用紙6の印刷面6aにほぼ対向するように展延された上面部20aと、ガイドロッド4の両端側に展延された側面部20b,20bと、排紙トレー23側を覆う正面部20cと、給紙トレー24側を覆う背面部20dと、を備えている。図示されていないプリンタ100の底部は、フレーム基体9(図1参照)の一部が露出した状態であり、すなわちケース20は、フレーム基体9(図1参照)の上方からこれを覆うように構成されている。
また、ケース20の上面部20aから正面部20cにかけての一部は、ユーザが機体内のメンテナンス(インクカートリッジ7の交換等)を行うために開閉可能に構成された開閉蓋22となっている。
また、ケース20の上面部20aから正面部20cにかけての一部は、ユーザが機体内のメンテナンス(インクカートリッジ7の交換等)を行うために開閉可能に構成された開閉蓋22となっている。
ケース20における上面部20aと側面部20b,20bとの境界付近には、上面部20aおよび側面部20b,20bに対してそれぞれ傾斜した面をなす通気口形成部20e,20eが形成されており、この通気口形成部20e,20eには、貫通孔である通気口30,30が設けられている。通気口30,30は、吐出ヘッド12の走査の延長上の位置Pに対しての直上の位置にあたり、吐出ヘッド12の走査によってケース20内に発生する気流の排気経路をなす。詳しくは後述する。
図4は、通気口周辺を拡大して示した断面図である。
図4において、通気口30の内側には、通気口30と連通する筒状の流路を形成するように、通気口形成部20eの内壁から延出して形成された整流部材31が設けられている。この整流部材31は、ケース内方から通気口30に向かって当該筒状の流路の断面積が小さくなるような形状をしており、ケース20内に生じた気流を通気口30の方へ効果的に導く誘導手段としての機能を果たすものである。
図4において、通気口30の内側には、通気口30と連通する筒状の流路を形成するように、通気口形成部20eの内壁から延出して形成された整流部材31が設けられている。この整流部材31は、ケース内方から通気口30に向かって当該筒状の流路の断面積が小さくなるような形状をしており、ケース20内に生じた気流を通気口30の方へ効果的に導く誘導手段としての機能を果たすものである。
また、通気口30の内側には、整流部材31の周囲をさらに囲むように、枠状のフィルタ取り付け部材33が取り付けられており、さらに、フィルタ取り付け部材33の開口33aを覆うようにフィルタ32が取り付けられている。フィルタ32には、粗く編み込まれた吸水性の繊維や、スポンジ様の多孔質部材が用いられており、適度な通気性と適度な吸液性とを有している。かくして、通気口30を通じてケース20内から排気される気流がフィルタ32を通過する際において、当該気流中に微粒子化したインク(ミスト)が含まれる場合には、フィルタ32によってこれを除去することができる。すなわち、フィルタ32は捕集手段としての機能を果たすものである。
図5は、プリンタのケース内を簡略化して示した正面図である。以下では、図5を参照して、印刷時(走査時)におけるケース内の気流の様子と、通気口の作用について説明する。
図5に示すように、プリンタ100は、キャリッジ1に搭載された吐出ヘッド12を図の左右方向に走査しつつ、ノズル形成面12aのノズルからインク滴をプラテン5上の用紙6に吐出して、印刷を行う。このとき、用紙6の印刷面6aに着弾したインク滴のうちのごく一部が跳ね返り、微粒子化したインク(ミスト)となって、ノズル形成面12aと印刷面6aとの間の空間19に漂うことがある。また、いわゆる四辺縁無し印刷を行う場合には、インク吸収部材16(図2参照)に対してもインク滴の吐出を行うが、インク吸収部材16(図2参照)の露出面は印刷面6aに比してノズル形成面12aから遠い位置にあたるため、インク滴の一部が届かずに、ミストとなって空間19に漂うことがある。
吐出ヘッド12が矢印Sの向き(往路)に走査される場合、キャリッジ1の進行側(図の左側)の雰囲気は、キャリッジ1によって圧縮されて瞬間的に加圧状態となる。一方、キャリッジ1の後方側(図の右側)の雰囲気は、キャリッジ1の移動によって作られる真空のため、瞬間的に減圧状態となる。かくして、このような局所的な圧力のばらつきを補償するために、ケース20内には矢印f1〜f6で示すような気流が生じる。
矢印f6で示す気流は、空間19からケース20内の上方へ向かう上昇気流である。すなわち、インク滴の吐出後において空間19に漂うミストは、キャリッジ1の後方に生じる矢印f6で示す上昇気流によって巻き上げられることになる。
一方、矢印f1,f2で示す気流は、通気口30,30を通じてケース20の内外間で流れる気流である。すなわち、本実施形態のプリンタ100においては、通気口30,30が形成されていることにより、上述のような局所的な圧力補償が矢印f1,f2で示す気流によって効果的に行われる。このため、矢印f3〜f6で示す気流を含むケース20内を循環する気流の発生が弱められ、ミストがケース20内全体に分散されにくいという効果をもたらしている。
さらに、本実施形態のプリンタ100は、矢印f1で示す気流によってケース20内に浮遊しているミストを進行側の通気口30付近に集中させることができ、ケース20内全体にミストが分散されるのを積極的に防ぐことができる。また、図4に示すフィルタ32によって、通気口30に集中したミストを効率的に回収し、ケース20外のミストによる汚染を効果的に予防することができる。
またこのとき、後方側の通気口30からケース20内に流入する矢印f2で示す気流が、ケース20内の空気を進行側の通気口30の方へ送るように働くため、さらには、通気口30の近傍には図4に示す整流部材31が設けられているため、通気口30へのミストの集中がより効果的なものとなる。
またこのとき、後方側の通気口30からケース20内に流入する矢印f2で示す気流が、ケース20内の空気を進行側の通気口30の方へ送るように働くため、さらには、通気口30の近傍には図4に示す整流部材31が設けられているため、通気口30へのミストの集中がより効果的なものとなる。
かくして、本実施形態のプリンタ100においては、ミストによるケース20内の汚染の広がりが効果的に改善される。
本実施形態のプリンタ100においては、図3に示したように、通気口30,30は吐出ヘッド12の走査の延長上の位置Pの近傍に設けられている。これは、キャリッジ1の位置変化に伴う気流発生のメカニズムに鑑み、走査によって生じる矢印f1,f2で示す気流を効果的に発生させるための配慮である。また、通気口30,30は、上面部20aの近傍に設けられているが、これは、ケース20内に巻き上げられたミストが上面部20aに滞留しやすいという本願発明者の知見に基づき、このようなミストを効果的に回収するための配慮である。
吐出ヘッド12が矢印Sとは逆の向き(復路)に走査される場合には、キャリッジ1の周囲における圧力変化は上述の場合とは逆となるが、通気口30,30は、走査方向の往路の向き、復路の向きの両側に対応して設けられているため、往路の走査の場合と同様のミストの回収効果が期待できる。
図6は、変形例1に係る通気口周辺の拡大断面図である。以下では、先の実施形態と重複する内容については説明を省略し、相違点を中心に変形例1について説明する。
この変形例1においては、通気口30の内縁および通気口30と接する通気口形成部20eの内壁に沿って、捕集手段としての吸収材35が取り付けられている。吸収材35には吸水性の繊維ないし不織布などが用いられており、通気口30を通じてケース20内から排気される気流に含まれるミストを吸着して、これを除去することができる。
また、この変形例1においては、通気口形成部20eの内壁に臨んで、ケース20の背面部20d(図3参照)の内壁から円柱状に延出した整流部材34が設けられている。この整流部材34は、通気口30近傍の気流の流れを制御し、通気口30に当該気流を誘導する誘導手段としての機能を果たすものである。
また、この変形例1においては、通気口形成部20eの内壁に臨んで、ケース20の背面部20d(図3参照)の内壁から円柱状に延出した整流部材34が設けられている。この整流部材34は、通気口30近傍の気流の流れを制御し、通気口30に当該気流を誘導する誘導手段としての機能を果たすものである。
このような変形例1に係る構成であっても、走査によってケース20内に発生した気流が通気口30に効率的に集中する効果により、ミストによるケース20内の汚染の広がりの改善を図ることができる。また、当該気流に含まれるミストを効率的に回収し、ケース20外のミストによる汚染の予防を図ることができる。
図7は、変形例2に係るプリンタの外観構成を示す概略斜視図である。以下では、先の実施形態と重複する内容については説明を省略し、相違点を中心に変形例2について説明する。
この変形例2のプリンタ100においては、円形の開口を有する通気口30がケース20の上面部20aに3つ設けられている。このように、通気口30の形状や個数は先の実施形態の態様に限定されるものではない。また、ケース20における通気口30の位置についても、先の実施形態の態様に限定されるものではない。また、上述の実施形態ないし変形例2における通気口30に代えて、または別途、新たな通気口30を設けたりすることもできる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、本発明に係る液体吐出装置は、用紙印刷を目的とするいわゆるインクジェットプリンタに限定されるものではなく、発光材料、導電性材料などの各種機能性材料を含んだ機能性液体を工業基板上に吐出するように構成された、表示体製造装置、電極形成装置などの工業用装置も含まれる。
また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
例えば、本発明に係る液体吐出装置は、用紙印刷を目的とするいわゆるインクジェットプリンタに限定されるものではなく、発光材料、導電性材料などの各種機能性材料を含んだ機能性液体を工業基板上に吐出するように構成された、表示体製造装置、電極形成装置などの工業用装置も含まれる。
また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
1…走査手段を構成するキャリッジ、2…モータ、3…タイミングベルト、4…ガイドロッド、5…プラテン、6…吐出対象物としての用紙、6a…印刷面、7…インクカートリッジ、8…走査手段を構成するキャリッジ移動機構、9…フレーム基体、12…吐出ヘッド、12a…ノズル形成面、16…インク吸収部材、17…搬送機構、19…空間、20…ケース、20a…上面部、20b…側面部、20c…正面部、20d…背面部、20e…通気口形成部、21…操作パネル、22…開閉蓋、23…排紙トレー、24…給紙トレー、30…通気口、31…誘導手段としての整流部材、32…捕集手段としてのフィルタ、33…フィルタ取り付け部材、33a…開口、34…誘導手段としての整流部材、35…捕集手段としての吸収材、100…液体吐出装置としてのプリンタ。
Claims (7)
- 液体を吐出対象物に対して吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを一定方向に往復動させる走査手段と、
前記吐出ヘッドおよび前記走査手段を覆うケースと、
前記ケースに穿設された貫通孔であって、前記吐出ヘッドの往復動によって当該ケース内に発生する気流の排気経路をなす通気口と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記ケース内の雰囲気に含まれる微粒子化した前記液体を捕集する捕集手段を前記通気口の近傍に備えることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記ケース内の気流を前記通気口へ導く誘導手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
- 前記誘導手段は、前記ケース内の気流の流れを制御する整流部材で構成されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
- 前記通気口は、前記吐出ヘッドの往復動の延長上にあたる箇所の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記通気口は、前記往復動における往路の向きと復路の向きとに対応した両側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
- 前記ケースは、前記吐出対象物の前記液体を受ける面とほぼ対向するように展延された上面部を備えていて、
前記通気口は、前記上面部の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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JP2012056186A (ja) * | 2010-09-08 | 2012-03-22 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2014193548A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置 |
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2005
- 2005-02-23 JP JP2005046604A patent/JP2006231586A/ja not_active Withdrawn
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