JP2006230059A - 配線システム - Google Patents
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Abstract
【課題】施工面からの突出寸法が従来よりも小さく美麗に設置できる配線システムを提供する。
【解決手段】ケース本体10は、一対の仕切壁11,11により内部空間が電力線2を収納する電力線収納部12と信号線3を収納する信号線収納部13と埋込型配線器具5を収納する配線器具収納部14とに区画されている。ケース本体10の開口面のうち化粧カバー30で覆われていない部位はケース本体10とともに幅木1を形成するケースカバー20により覆われる。埋込型配線器具5が取着された器具取付金具4と、ケース本体10の後壁10aに形成した器具挿通孔の周部およびパネル材に形成した器具埋込孔の周部を器具取付金具4とともに挟持するはさみ金具と、埋込型配線器具5の前面を露出させる開口窓が設けられケース本体10の開口面の一部を覆う化粧カバー30とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ケース本体10は、一対の仕切壁11,11により内部空間が電力線2を収納する電力線収納部12と信号線3を収納する信号線収納部13と埋込型配線器具5を収納する配線器具収納部14とに区画されている。ケース本体10の開口面のうち化粧カバー30で覆われていない部位はケース本体10とともに幅木1を形成するケースカバー20により覆われる。埋込型配線器具5が取着された器具取付金具4と、ケース本体10の後壁10aに形成した器具挿通孔の周部およびパネル材に形成した器具埋込孔の周部を器具取付金具4とともに挟持するはさみ金具と、埋込型配線器具5の前面を露出させる開口窓が設けられケース本体10の開口面の一部を覆う化粧カバー30とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、室内において電力線や信号線を引き回すために用いられる配線システムに関するものである。
従来から、電力線や信号線を収納する合成樹脂の配線ダクト内に、専用のコンセントや、器体がJIS規格などにより規格化されている大角形連用配線器具である埋込型配線器具の1個モジュール寸法に形成された配線器具(モジュラジャック、スイッチなど)を収納可能とした配線システムが提案されている(例えば、特許文献1)。ここで、上記特許文献1に開示された配線システムは、後面が施工面に当接し前面に全長に亘る開口面が形成された中空のケース本体と、ケース本体の開口面を覆う形で取着される埋込型配線器具と、ケース本体の開口面のうち埋込型配線器具が取着されていない部位に覆着されることによりケース本体とともに配線ダクトを形成するケースカバーとを備えている。なお、居室の廻り縁、竿縁、幅木などとして配置される合成樹脂の配線ダクトは、JIS規格で合成樹脂線ぴとして規格化されている(JIS C 8425)。
ところで、最近の住宅では、室内の家具のレイアウトに合わせてコンセントの位置を変更したいというニーズや、テレビ、電話、パーソナルコンピュータなどの機器のように電力線(電力配線ケーブル)の他に信号線(情報配線ケーブル類)を必要とする機器の電力線および信号線や、5.1Chサラウンドが楽しめる所謂ホームシアターシステムのスピーカに接続されるスピーカコードやその他のコード類を配線ダクト内に収納したいというニーズが高くなっているが、上記特許文献1に開示された配線システムの配線ダクトを幅木として配置するようにすれば、これらのニーズに対応することができる。
特許第3456109号公報
しかしながら、上述のような配線システムにおいて室内での美観を高めるためには施工面からの突出寸法を小さくすることが望ましいが、上記特許文献1に開示された配線システムでは、埋込型配線器具がケース本体の後壁よりも前方に位置するものであるから、施工面からの配線ダクトおよび埋込型配線器具の突出寸法が比較的大きくなってしまう。なお、幅木を構成する配線ダクトの施工面からの突出寸法が上記特許文献1に記載の配線ダクトに比べて小さな配線システムも知られているが、当該配線システムでは、配線器具として専用の情報配線器具(TV用のコネクタ、電話用のコネクタ、LAN用のコネクタ、光用のコネクタなど)しか取り付けることができず、しかも、情報配線器具を取り付ける部分の突出寸法が大きくなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、施工面からの突出寸法が従来よりも小さく美麗に設置できる配線システムを提供することにある。
請求項1の発明は、後面がパネル材に当接し前面に全長に亘る開口面が形成され短手方向に離間した一対の仕切壁により内部空間が電力線を収納する電力線収納部と信号線を収納する信号線収納部と大角形連用配線器具である埋込型配線器具を収納する配線器具収納部とに区画されたケース本体と、埋込型配線器具の前面を露出させる窓孔が設けられ埋込型配線器具が取り付けられる器具取付金具と、ケース本体における配線器具収納部の後壁の適宜位置に形成した器具挿通孔の周部およびパネル材において器具挿通孔に対応する部位に形成した器具埋込孔の周部を器具取付金具とともに挟持するはさみ金具と、器具取付金具に取着された埋込型配線器具の前面を露出させる開口窓が設けられケース本体の開口面の一部を覆う形で配設される化粧カバーと、ケース本体の開口面のうち化粧カバーで覆われていない部位を覆い且つケース本体とともに幅木を形成するケースカバーとを備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、器具取付金具に取り付けられた大角形連用配線器具である埋込型配線器具の一部がパネル材に形成した器具埋込孔に埋め込まれた形で配置されることとなるので、ケース本体とケースカバーとで形成される幅木および埋込型配線器具の施工面からの突出寸法を、従来の埋込型配線器具を配線ダクト内に収納する配線システムに比べて小さくすることができるから、施工面からの突出寸法が従来よりも小さく美麗に設置でき、室内の美観を高めることができる。また、器具取付金具がパネル材に取り付けられるので、器具取付金具をケース本体のみに取り付ける場合に比べて、器具取付金具を強固に安定して取り付けることができるという利点がある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記器具取付金具は、前記埋込型配線器具の器体の両側面に形成された係止孔に挿入される保持爪が前記窓孔の内側面から突設されるとともに、対となる保持爪の一方の保持爪の側方には切欠孔が形成されており、前記一方の保持爪が係止孔内に挿入されるように前記一方の保持爪の近傍の部位を塑性変形させることが可能であることを特徴とする。
この発明によれば、前記器具取付金具へ前記埋込型配線器具を取り付ける際には、他方の保持爪を先に器体の一側面の係止孔に係合させ、マイナスドライバなどの冶具を切欠孔に挿入してこじることで、一方の保持爪が器体の他側面の係止孔に係合するように一方の保持爪の近傍の部位を塑性変形させればよいから、大角形連用配線器具用の金属製取付枠へ取り付ける際と同様の手順で取り付けることができ、施工作業が容易になる。
請求項1の発明では、施工面からの突出寸法が従来よりも小さく美麗に設置できるという効果がある。
以下、本実施形態の配線システムについて図1〜図7を参照しながら説明する。
本実施形態の配線システムは、前面に全長に亘る開口面が形成された横長のケース本体10と、ケース本体10の開口面を覆う形でケース本体10に被嵌される断面コ字状のケースカバー20とを備え、ケース本体10とケースカバー20とで室内の幅木(配線ダクト)1を形成する。ここで、幅木1は、ケース本体10の後壁10aの後面がパネル材8(図5(a)および図8(c)参照)に当接する形で配設される。ケース本体10およびケースカバー20は、それぞれ合成樹脂成形品により構成されており、施工時にケース本体10の適宜位置に器具挿通孔15(図2(b)参照)を形成したりケース本体10およびケースカバー20それぞれを長手方向の所望の位置で切断したりすることができる。なお、ケース本体10は、例えば、木ねじのような取付ねじ18(図5(a)参照)を用いてパネル材8に固着することができる。
ケース本体10は、上壁10bの後端部上面に引掛凹部10dが形成され、下壁10cの前後方向の中間に前端部が後端部よりも上方に位置するように段差部10eが形成されており、下壁10cの前端部下面に引掛リブ10fが突設されている。一方、ケースカバー20は、上壁22の下面に、引掛凹部10dと係合する引掛突起22aが突設され、下壁23の上面に、ケース本体10の引掛リブ10fに係合する引掛突起23aが突設されている。したがって、ケースカバー20の上壁22の引掛突起22aを引掛凹部10dに係合させるとともに下壁23の引掛突起23aを引掛リブ10fに係合させることにより、ケース本体10とケースカバー20とが結合される。ここで、ケースカバー20の上壁22および下壁23は厚み方向(図1(a)における上下方向)に可撓性を有しており、ケース本体10の上壁10bおよび下壁10cそれぞれの前端部には前端面側ほど上壁10bの上面と下壁10cの下面との距離を小さくするように傾斜した傾斜面10g,10hが形成されているので、ケースカバー20をケース本体10に近づけるように力を作用させるだけでケースカバー20をケース本体10へ簡単に結合することができる。なお、ケースカバー20の前面20aおよび上面20bには木目調のフィルムが転写されており、室内の美観を高めることができる。
ケース本体10の内部空間は、ケース本体10の短手方向(図1(a)の上下方向)に離間した一対の仕切壁11,11により、電力線(電力配線ケーブル)2を収納する電力線収納部12と、信号線(情報配線ケーブル類)3を収納する信号線収納部13と、JIS規格などにより規格化されている大角形連用配線器具(JIS C 8375参照)である埋込型配線器具5を収納する配線器具収納部14とに区画されている。ここにおいて、ケース本体10は、電力線収納部12が上記短手方向の一側(図1(a)の下側)に形成され、信号線収納部13が上記短手方向の他側(図1(a)の上側)に形成されているので、電力線収納部12に電力線2を収納する一方で信号線収納部13に信号線3を収納することにより、電力線2と信号線3との混触を防止することができ、電力配線と情報配線との混触を防止するという内線規程の要求を満足することができる。
なお、幅木1の前後方向の寸法は、12mmに設定してあり、電力線収納部12には電力線2として、例えば、VVF3芯ケーブルなどが収納可能であり、信号線収納部13には信号線3としては、例えば、カテゴリ5E(CAT5E)対応のケーブルで直径が5.4mmのもの、屋内用通信ケーブル(TIEV)で直径が3.8mmのもの、同軸ケーブル(例えば、S−5C−FB)で直径が7.7mmのものなどが収納可能であるが、これらの電力線2および信号線3は特に限定するものではない。また、配線器具収納部14には、埋込型配線器具5以外に、コード7を収納することがもできる。なお、配線器具収納部14に収納するコード7としては、例えば、テーブルタップ91(図7(d)参照)のコード、TV延長コード、LAN延長コード、電話延長コード、スピーカコードなどのコード類がある。
埋込型配線器具5は、図2に示す器具取付金具4に取り付けられ、器体50の一部がケース本体10の後壁10aに形成した器具挿通孔15を通してパネル材8に形成した器具埋込孔81(図2(b)参照)に埋め込まれた形で配置される。
埋込型配線器具5としては、例えば、電力線3に接続される図3(a)に示すような2極のコンセント、電力線3に接続される図3(b)に示すような接地極付きのコンセント、信号線3に接続される図3(c)に示すような電話用モジュラジャック、信号線3に接続される図3(d)に示すようなLAN用モジュラジャック、信号線3に接続される図3(e)に示すようなTVコンセント、図3(f)に示すようにボディとカバーとから構成される器体50におけるカバーとして通線用の通線孔54が設けられた通線チップを用いたものなどがある。
埋込型配線器具5の器体50の寸法は、大角形連用配線器具用の取付枠(JIS C8375)と称する1連用の取付枠(金属製取付枠、合成樹脂製取付枠)に3個まで取着可能な単位寸法(1個モジュール寸法)に形成されており(つまり、器体50の短手方向の寸法は上記取付枠の取付窓の長手方向の寸法の略3分の1の寸法に形成されている)、器体50の両側面には、金属製取付枠に取り付けるための係止孔(図示せず)および合成樹脂製取付枠に取り付けるための取付爪52が設けられている。
器具取付金具4は、一対の固定片43,43の一側縁から前方へ延設された連絡片42,42の前端部同士を外周形状が横長の矩形状の器具取付片41で連続一体に連結することによって形成されており、器具取付片41には埋込型配線器具5の器体50の前面を露出させる2つの長方形状の窓孔44が左右方向に離間して形成されている。なお、各固定片43,43の上下方向の寸法W2は、器具取付片41の上下方向の寸法よりも大きく且つケース本体10の一対の仕切壁11,11間の間隔(図1(a)に示す配線器具収納部14の幅寸法W1)よりもやや短い寸法に設定されている。
器具取付金具4は、器具取付片41の窓孔44の短手方向(図2(a)の上下方向)に沿った両内側面に、埋込型配線器具5の器体50の両側面に形成された係止孔に挿入される保持爪45a,45bが突設されるとともに、対となる保持爪45a,45bの一方の保持爪45bの側方に、切欠孔46が形成されており(一方の保持爪45bが突設された部位は当該部位と切欠孔46との間に形成された細幅の支持片47,47により上下両側から支持されている)、一方の保持爪45bが係止孔内に挿入されるように一方の保持爪45bの近傍の部位を塑性変形させることが可能となっている。すなわち、器具取付金具4へ埋込型配線器具5を取り付ける際には、他方の保持爪45aを先に器体50の一側面の係止孔に係合させ、マイナスドライバなどの冶具を切欠孔46に挿入してこじることで、一方の保持爪45bが器体50の他側面の係止孔に係合するように一方の保持爪45bの近傍の部位を塑性変形させればよいから、大角形連用配線器具用の金属製取付枠へ取り付ける際と同様の手順で取り付けることができ、施工作業が容易になる。
ところで、器具取付金具4の各固定片43には、ケース本体10の後壁10aに形成した器具挿通孔15の周部およびパネル材8に形成した器具埋込孔81の周部を固定片43とともに挟持するはさみ金具6の一端部の引掛爪62,62を引っ掛ける切欠部43a,43aと、はさみ金具6に螺合する引締ねじ61を挿通するための長孔43bが形成されている。はさみ金具6は、一端部の引掛爪62,62を切欠部43a,43aに引っ掛けることにより器具取付金具4の固定片43に対して枢支され、長孔43bを通してはさみ金具6に螺合する引締ねじ61を進退させることによって他端部と固定片43との距離を変化させることができるものである。はさみ金具6はL字状に形成されており、上記一端部の引掛爪62,62を固定片43の切欠部43a,43aに引っ掛けたときに、上記他端部が器具取付金具4の固定片43に対向する。したがって、ケース本体10の後壁10aの適宜位置に器具挿通孔15を形成するとともにパネル材8において器具挿通孔15に対応する部位に器具埋込孔81を形成しておき、引締ねじ61を緩めた状態で、はさみ金具6を器具埋込孔81に挿入し、その後、引締ねじ61を締め付けるようにすれば、器具取付金具4の固定片43とはさみ金具6との間で器具挿通孔15の周部および器具埋込孔81の周部を挟持して器具取付金具4をパネル材8に固定することができる。要するに、器具取付金具4はパネル材8に対してはさみ金具6を用いて取り付けることができるように構成してある。なお、はさみ金具6の上記他端部の先端にはパネル材8に食い込む固定爪63が形成されている。
上述のように、本実施形態の配線システムでは、埋込型配線器具5を取着した器具取付金具4がパネル材8に取り付けられるので、器具取付金具4をケース本体10のみに取り付ける場合に比べて、器具取付金具4を強固に安定して取り付けることができるという利点がある。なお、上述のはさみ金具6を用いることにより、器具取付金具4を取り付けるパネル材8の厚み寸法としては、5〜15mm程度の範囲の厚み寸法に対応することが可能となる。
器具取付金具4の前面側には、ケース本体10の開口面のうちケースカバー20により覆われていない部位および当該部位近傍でケースカバー20を覆う化粧カバー30が配設される。要するに、ケースカバー20と化粧カバー30とは一部同士が重複している。化粧カバー30は、ケース本体10の開口面を覆い且つ埋込型配線器具5の器体50の前面を露出させる開口窓33,33が設けられた前壁31の上縁から後方に向かって延設された上壁32を備えており、図1(b)および図5(e)に示すように、化粧カバー30を配設したときに、化粧カバー30の左右両端部がケースカバー20の前壁21および上壁22に重なるように上下方向の寸法および前後方向の寸法を設定してある。なお、化粧カバー30の前壁31の後面には器具取付金具4の切欠部43aに係止される係止突起が4本突設されており、化粧カバー30が器具取付金具4に着脱自在に取り付けられるが、化粧カバー30は器具取付金具4ではなくケース本体10に対して着脱自在に取り付けられるようにしてもよい。また、化粧カバー30の前壁31の前面および上壁32の上面には、木目調のフィルムが転写されており、室内の美観を高めることができる。また、図2に示した器具取付金具4は、1個モジュール寸法の埋込型配線器具5を最大2個まで取り付けることができるものであるが、器具取付金具4に設ける窓孔44の数は2つに限定するものではなく、1つでも3つ以上でもよく、化粧カバー30についても、開口窓33の数は2つに限定するものではない。また、本実施形態では、器具取付金具4と化粧カバー30とで器具取付装置を構成している。
上述の配線システムの施工にあたっては、まず、図5(a)に示すように、電力線や信号線などの配線9(同図では電力線を示してある)を天井側から立ち下げた後でパネル材8を間柱91に取り付けてから、パネル材8の下端部前面にケース本体10を取付ねじ18を用いて取り付ける。その後、図5(b)に示すように、ケース本体10の後壁10aの適宜位置に配線9をケース本体10内へ引込むための配線引込孔17および上述の器具挿通孔15および器具挿通孔15に連続した配線孔16を形成するとともに、パネル材8においてケース本体10の配線引込孔17、器具挿通孔15、配線孔16それぞれに対応する部位に、配線導入穴82、器具埋込孔81、配線穴84を形成し、配線9を配線導入穴82および配線引込孔17を通してケース本体10内へ引き込む。なお、器具挿通孔15および器具埋込孔81の開口幅H1は、器具取付金具4の左右方向の寸法H2(図5(d)参照)よりも短くする。また、配線導入穴82および配線引込孔17を別途に設けずに、配線穴84および配線孔16を通して配線9を引き込むようにしてもよい。
続いて、器具取付金具4に取着された埋込型配線器具5に配線9を結線する結線作業を行ってから、図5(c)に示すように、配線9をケース本体10内に収納し(配線9の一部は、配線孔16および配線穴84を通して壁内へ埋め込む)、器具取付金具4の固定片43とはさみ金具6との間で器具挿通孔15の周部および器具埋込孔81の周部を挟持することで、器具取付金具4をパネル材8へ取り付ける。
その後、図5(d)に示すように、ケースカバー20をケース本体10側の器具取付金具4の位置に応じて所定長さH3だけ切除する(ケースカバー20の長手方向の2箇所で切断する)。なお、化粧カバー30の左右方向の寸法をH4(図5(e)参照)とすれば、所定長さH3は、H2<H3<H4の関係を満足するように決めればよい。
次に、図5(e)に示すように、ケース本体10にケースカバー20を取り付け、さらに化粧カバー30を器具取付金具4に取り付けることにより、化粧カバー30の前壁31の開口窓33を通して埋込型配線器具5の器体50の前端部を化粧カバー30の前方に突出させることができるとともに、ケースカバー20の切断面が室内側から見えないようにすることができる。なお、化粧カバー30は器具取付金具4に対して係止突起によって係合しているだけであるから、器具取付金具4から化粧カバー30を引き離すように力を作用させれば、化粧カバー30を器具取付金具4から取り外すことができる。また、実際に幅木1を施工するにあたっては、幅木1の末端部に必要に応じてエンドキャップ(図示せず)を装着する。
以上説明した本実施形態の配線システムでは、器具取付金具4に取り付けられた埋込型配線器具5の一部がパネル材8に形成した器具埋込孔81に埋め込まれた形で配置されることとなるので、ケース本体10とケースカバー20とで形成される幅木1および埋込型配線器具5の施工面からの突出寸法を、従来の埋込型配線器具を配線ダクト内に収納する配線システムに比べて小さくすることができるから、施工面からの突出寸法が従来よりも小さく美麗に設置でき、室内の美観を高めることができる。
また、上述の幅木1は、電力線2や信号線3やコード7などを収納するとともに埋込型配線器具5を収納する収納機能を有しているので、図6に示すように、埋込型配線器具5の器体50の前面を露出させる開口窓33が形成された化粧カバー30とは別に、通線部36を設けた化粧カバー(入線カバー)35を適宜利用すれば、入居者が埋込型配線器具5であるコンセントに差込まれたプラグと電器機器との間のコード7を床の上に転がさずに幅木1内に収納することが可能となる。なお、化粧カバー35は、化粧カバー30と同様、器具取付金具4(あるいはケース本体10)へ着脱自在に取り付けられる。
したがって、従来の配線収納機能を備えていない幅木100が施工された室内において図7(a)や同図(b)に示すように床上に転がっているコード7や幅木100よりも上側で壁面に埋込配置されている埋込型配線器具5を幅木1内に収納することができるので、同図(c)や同図(d)に示すように室内の美観および安全性を高めることが可能となる。なお、図7(a),(c)は、所謂ホームシアターシステムが配置された室内の一例であって、ホームシアターシステムを構成する薄型テレビ70、DVDプレーヤ72、DVDレコーダ73、スピーカ71などが適宜配置されている。また、図7(b),(d)は、パーソナルコンピュータ180およびその周辺機器(スキャナ181、プリンタ182、デジタルビデオカメラ183など)と、これらの電源コードが接続されたテーブルタップ91などが配置された室内の一例を示したものである。
ところで、上述の図7(a),(b)に示すように配線収納機能を備えていない幅木100を採用する場合、壁面に埋込型配線器具5を配置するためには、まず、図9(a)に示すように天井側から配線9を立ち下げてから、同図(b)に示すようにパネル材8を間柱91に貼り付け、その後、同図(c)に示すようにパネル材8に器具取付穴83を穿孔してから、配線9を埋込型配線器具5に結線する必要があるが、施工途中で埋込型配線器具5の配置位置に変更が生じた場合には、同図(d)に示すように既に器具取付穴83を穿孔してしまったパネル材8を剥いで配線9の立ち下げ位置を変更し、その後、同図(e)に示すようにパネル材8を再度貼り直してから、器具取付穴83を所望位置に穿孔しなおす必要がある。すなわち、配線収納機能を備えていない幅木100を採用する場合には、施工途中での埋込型配線器具5の配置位置の変更に電気工事のみでは対応できず、また、幅木100は内装工事として別途施工が必要になる。
これに対して、上述の配線収納機能を備えた幅木1を採用する場合、埋込型配線器具5の一部を埋込配置するためには、まず、図8(a)に示すように天井側から配線9を立ち下げてから、同図(b)に示すようにパネル材8を間柱91に貼り付け、その後、同図(c)に示すようにケース本体10をパネル材8に取り付けてから、同図(d)に示すようにケース本体10に器具挿通孔15を穿孔するとともにパネル材8に器具埋込孔81を穿孔して配線9をケース本体10内へ引き込めばよいが、施工途中で埋込型配線器具5の配置位置に変更が生じた場合には、同図(e)に示すように所望位置に器具挿通孔15および器具埋込孔81を形成してケース本体1内に配線9を収納すればよい。すなわち、上述の配線収納機能を備えた幅木1を採用する場合には、施工途中での埋込型配線器具5の配置位置の変更に電気工事のみで対応することができるから、埋込型配線器具5の配置位置を所望位置に変更する変更作業が容易に行える。
また、上述の配線システムでは、入居前に例えば図10(a)に示すような位置に化粧カバー30,35が配置されていた場合でも、例えば、電気工事、電話工事などにより図10(b)に示すようにコンセントやモジュラジャックなどの埋込型配線器具5を追加することが可能であり、また、ケースカバー20と化粧カバー30,35とは容易に組み合わせを変更可能なので、図10(c)に示すように化粧カバー35の配置位置を変更することも容易であり、入居者が電話延長コード、LAN延長コード、テーブルタップ91の延長コードなどのコード7を化粧カバー35の通線部36を通して幅木1内に収納させることができる。
1 幅木
2 電力線
3 信号線
4 器具取付金具
5 埋込型配線器具
10 ケース本体
10a 後壁
11 仕切壁
12 電力線収納部
13 信号線収納部
14 配線器具収納部
20 ケースカバー
30 化粧カバー
2 電力線
3 信号線
4 器具取付金具
5 埋込型配線器具
10 ケース本体
10a 後壁
11 仕切壁
12 電力線収納部
13 信号線収納部
14 配線器具収納部
20 ケースカバー
30 化粧カバー
Claims (2)
- 後面がパネル材に当接し前面に全長に亘る開口面が形成され短手方向に離間した一対の仕切壁により内部空間が電力線を収納する電力線収納部と信号線を収納する信号線収納部と大角形連用配線器具である埋込型配線器具を収納する配線器具収納部とに区画されたケース本体と、埋込型配線器具の前面を露出させる窓孔が設けられ埋込型配線器具が取り付けられる器具取付金具と、ケース本体における配線器具収納部の後壁の適宜位置に形成した器具挿通孔の周部およびパネル材において器具挿通孔に対応する部位に形成した器具埋込孔の周部を器具取付金具とともに挟持するはさみ金具と、器具取付金具に取着された埋込型配線器具の前面を露出させる開口窓が設けられケース本体の開口面の一部を覆う形で配設される化粧カバーと、ケース本体の開口面のうち化粧カバーで覆われていない部位を覆い且つケース本体とともに幅木を形成するケースカバーとを備えてなることを特徴とする配線システム。
- 前記器具取付金具は、前記埋込型配線器具の器体の両側面に形成された係止孔に挿入される保持爪が前記窓孔の内側面から突設されるとともに、対となる保持爪の一方の保持爪の側方には切欠孔が形成されており、前記一方の保持爪が係止孔内に挿入されるように前記一方の保持爪の近傍の部位を塑性変形させることが可能であることを特徴とする請求項1記載の配線システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005038282A JP2006230059A (ja) | 2005-02-15 | 2005-02-15 | 配線システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005038282A JP2006230059A (ja) | 2005-02-15 | 2005-02-15 | 配線システム |
Publications (1)
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ID=36990906
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006230059A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105863217A (zh) * | 2016-06-06 | 2016-08-17 | 张健 | 一种功能性线路地脚线结构 |
CN107355061A (zh) * | 2016-05-09 | 2017-11-17 | 姜志伟 | 组合装饰体 |
CN108767766A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-11-06 | 广东美的制冷设备有限公司 | 家用电器的走线装置及具有其的空调器 |
CN112166537A (zh) * | 2018-05-16 | 2021-01-01 | 增城市碧桂园物业发展有限公司 | 一种装饰墙系统的施工方法 |
-
2005
- 2005-02-15 JP JP2005038282A patent/JP2006230059A/ja not_active Withdrawn
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