JP2005079977A - 無線lanアダプター及び埋め込み型配線装置 - Google Patents

無線lanアダプター及び埋め込み型配線装置 Download PDF

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宏己 安本
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Abstract

【課題】電源を供給する配線コードを要することなく使用できるとともに、設置状態で邪魔になりずらく、無線LANの構築に好適な無線LANアダプターを提供する。
【解決手段】アダプター本体12と、差込みプラグ13と、モジュラージャック(公衆網接続手段)14とを具備する。アダプター本体12は無線LANのアクセスポイントとして機能する。差込みプラグ13は、アダプター本体12の裏面から突出して使用され、商用電源が供給されているコンセントに接続される。モジュラージャック14は、アダプター本体12に設けられて、公衆網に接続される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)を構築するのに有用な無線LANアダプター及び埋め込み型配線装置に関する。
近年、一般住宅やオフィスなどでのIT化に伴いLAN環境の無線化が進行している。この無線化のために、通常は、無線送受信を可能とするLANカード等を備えたワイヤレス対応機器との間で無線通信をするルータ等の中継器(アクセスポイント)を設置して、無線LANを構築している。
従来、無線LANを構築できる配線装置は知られていない。しかし、有線の場合に、複数台のパーソナルコンピュータをコンピュータネットワークに接続するのに適する配線器具は知られている(特許文献1参照。)。
この特許文献1の配線器具は、電源を分岐する機能の他にコンピュータネットワークに接続するための分岐線やモジュラープラグを備えて、いわゆるハブとして機能することができる。これにより、電源供給とコンピュータネットワークへの接続との両方が可能である。したがって、複数台のパーソナルコンピュータ間での有線での通信を行う際にパーソナルコンピュータの電源確保ができる。
特開2002−134209号公報(段落0057−0061、図29−31)
特許文献1の技術は有線対応であるので、無線LANの構築には不適当である。
ところで、一般住宅での無線LANの構築においては、前記アクセスポイントでの通信性能が充分に大きければ、アクセスポイントは1台で済むと考えられている。しかし、隣接する部屋相互間を仕切る壁、天井及び床、扉等の仕切りが、金属を含んでいたり、かなり厚い等の場合には、電波が大きく減衰し易いので、燐りの部屋に設置されたワイヤレス機器との無線通信を行うことが困難になることがある。加えて、アクセスポイントが部屋の隅に配置される場合にも、燐の部屋内のワイヤレス機器との無線通信に支障をきたし易くなることがある。こうしたことから、無線通信の信頼性を確保するには、各部屋ごとにアクセスポイントを配置することが望ましい。
前記ルータ等の従来のアクセスポイントは、それ自体を動作させるのに電源を供給する必要がある。このために、通常部屋内でのLAN環境上好適な位置となるように部屋の壁から離れて配置されることが多いアクセスポイントと、部屋の壁に取付けられたコンセントとは、配線コードを用いて接続される。更に、電話網やインターネット等の屋外の公衆網にアクセスポイントを接続するために、この公衆網とアクセスポイントとはLANケーブルを用いて接続される。LANケーブルの接続において、LANケーブルは、壁に取付けられた情報コンセントのモジュラージャック、又は公衆網に接続されて壁側に配置されるモジュラージャック付きのコネクタに接続される。
このように無線LANが構築された状態でも、壁付けのコンセント等からアクセスポイントの設置場所にわたる長い配線コード及びLANケーブル等の電線が必要であるので、これらの電線を使用しないで済ませるようにするか、使用するとしても、その使用量を極力少なくすることが望まれている。特に、一般住宅では、電線を床下などに配線することができないので、なお更である。そして、各部屋ごとにアクセスポイントを配置する場合には、以上のように長い電線が部屋内毎に配線されて邪魔になり易いので、その改善が、各部屋ごとにアクセスポイントを配置して無線通信の信頼性を確保する上で望まれている。
本発明の目的は、電源を供給する配線コードを要することなく使用できるとともに、設置状態で邪魔になりずらく、無線LANの構築に好適な無線LANアダプター及び埋め込み型配線装置を提供することにある。
請求項1の発明の無線LANアダプターは、無線LANのアクセスポイントとして機能するアダプター本体と、このアダプター本体に設けられ前記アダプタ−本体の裏面に突出して使用される差込みプラグと、前記アダプター本体に設けられた公衆網接続手段と、を具備したことを特徴としている。
この発明で「アクセスポイント」とは、LANカードなどが取付けられた携帯型パーソナルコンピュータ等のワイヤレス機器との間で無線通信をする機能を有している機器を指しているが、この以外の機能が付加されていてもよい。
又、「差込みプラグ」は、商用電源などの電源が供給されているコンセントに挿入して接続されるものを指している。この差込みプラグは、アダプター本体に対して固定的に設けられていてもよい。或いは、アダプター本体の外郭をなす本体ケース内に収まる位置とアダプタ−本体の裏面から突出する使用位置とにわたってアダプター本体の表裏方向に沿って移動可能に設けられていてもよい。若しくは、アダプター本体の外郭をなす本体ケース内に収まる位置とアダプタ−本体の裏面から突出する使用位置とにわたって回動可能に設けられていてもよい。
更に、「公衆網接続手段」とは、電話網や既に構築されているLAN環境等の公衆網に接続し、インターネットや同一のLAN環境における様々なLAN接続機器に接続するための手段を指しており、請求項3の発明の態様で実施できるだけではなく、以下の態様も採用できる。例えば、アダプター本体に一端が固定的に接続され、他端にモジュラープラグを有するLANケーブルでもよい。或いは、両端にモジュラープラグを有して、その内の一方がアダプター本体に着脱可能に接続されるLANケーブルであってもよい。更に、無線LANアダプターの接続対象が情報コンセントである場合には、このコンセントが有するモジュラージャックに差込み接続されるモジュラープラグを、アダプター本体の裏面に突設して、このモジュラープラグを公衆網接続手段とすることもできる。なお、ここに「情報コンセント」とは、栓刃差込み口の他に公衆網に接続されたモジュラージャックを有したコンセントを指している。
請求項1の発明の無線LANアダプターは、その差込みプラグを、接続対象のコンセント例えば部屋の壁に取付けられている壁付けコンセント等に差し込むことにより、配線コードを要することなく、部屋の壁内に引き込まれている電源端末と接続して、部屋の壁際に沿わせて邪魔にならないように設置できる。設置された無線LANアダプターは、その公衆網接続手段を用いて、壁内に引き込まれている公衆網端末と接続できる。これにより、電源端末と接続されたアダプター本体を動作させて、部屋内のワイヤレス機器との間で無線通信をする無線LAN環境を構築できる。
そして、この無線LAN環境では、既述のように電源端末及び公衆網端末と無線LANアダプターとを接続する電線を要しないか、又は、最小限の長さのLANケーブルで済み、最小長さのLANケーブルを使用する場合も、このケーブルは壁に沿うように配線される。これにより、ワイヤレス機器が設置されている各部屋の夫々のコンセントに無線LANアダプターを差込み接続して、無線LAN環境の構築を促し易くなるので、こうして各部屋毎に無線LANアダプターを設置する場合には、1台の無線LANアダプター毎にそれが設置された部屋内での無線通信の信頼性を確保できる。
請求項2の発明の無線LANアダプターは、前記アダプタ−本体が栓刃差込み口を有していることを特徴としている。ここに栓刃差込み口は1以上設けられる。この発明で、栓刃差込み口とは、プラグの栓刃が通る一対の開口だけではなく、これらの開口に個別に対向して設けられ開口に通されるプラグの栓刃を受ける栓刃受け金具を含んでいる。
請求項2の発明では、無線LANアダプターによりこれが差込み接続されたコンセントの栓刃受け口に、他の電気機器を接続することができなくなるにも拘らず、アダプタ−本体の栓刃差込み口を通じて、この差込み口に接続される他の電気機器への通電ができる。
請求項3の発明の無線LANアダプターは、前記公衆網接続手段が、モジュラージャックであることを特徴としている。
この請求項3の発明では、無線LANアダプターのモジュラージャックにLANケーブルを差込み接続できる。このため、無線LANアダプターが接続されるコンセントから離れた位置に、公衆網端末に接続されたモジュラージャックがある場合に、前記LANケーブルを介して無線LANアダプターと公衆網端末とを接続できる。
請求項4の発明の埋め込み型配線装置は、電源端末及び公衆網端末が引き込まれている造営材に埋め込まれるサポートと、このサポートに取付けられた配線器具と、前記サポートに取付けられ、前記公衆網端末に接続される公衆網接続端子及び前記電源端末に接続される電源接続部を有して、無線LANのアクセスポイントとして機能する無線LANアダプターと、を具備したことを特徴としている。
この発明で、「配線器具」とはスイッチやコンセント等を指している。又、「サポート」は、配線器具及びアダプター本体を支持する部材である。
この発明の埋め込み型配線装置が備える無線LANアダプターは、公衆網端末に接続される公衆網接続端子及び電源端末に接続される電源接続部を有している。この発明の埋め込み型配線装置は、この装置が埋め込み配置される部屋の壁内で、その公衆網接続端子に公衆網端末を接続するとともに、電源接続部に電源端末を接続して、部屋内に配線器具及び無線LANアダプターの正面を露出させて部屋の壁に埋め込まれる。これにより、電源供給用の配線コード及び通信用のLANケーブルを要することなく、壁内の電源端末及び公衆網端末と接続して、部屋内に対して邪魔にならないように配線装置を設置できる。こうした設置により、部屋の壁内で電源端末と接続されたアダプター本体を動作させて、部屋内のワイヤレス機器との間で無線通信をする無線LAN環境を構築できる。
そして、この無線LAN環境では、既述のように電源端末及び公衆網端末と配線装置の無線LANアダプターとを接続する電線を要しないことにより、ワイヤレス機器が設置されている各部屋の夫々について無線LAN環境の構築を促し易くなるので、こうして各部屋毎に無線LANアダプターを備えた配線装置が設置される場合には、1台の無線LANアダプター毎にそれが設置された部屋内での無線通信の信頼性を確保できる。
請求項1の発明によれば、コンセントに直接接続されるので、電源を供給する配線コードを要することなく使用できるとともに、部屋の壁面等に沿わせて設置されるので邪魔になりずらい等、無線LANの構築に好適な無線LANアダプターを提供できる。
請求項2の発明によれば、アダプタ−本体でこの本体が接続されるコンセントを被うにも拘らず、必要に応じてアダプタ−本体の栓刃差込み口に接続されるに他の電気機器に、アダプター本体を介して電源を供給することが可能な無線LANアダプターを提供できる。
請求項3の発明によれば、無線LANアダプターが接続されるコンセントから離れた位置に、公衆網端末に接続されたモジュラージャックがある場合に、前記コンセントに差込み接続されたアダプタ−本体と公衆網端末とをLANケーブルを介してLAN環境を構築できる無線LANアダプターを提供できる。
請求項4の発明によれば、部屋の壁内で電源端末及び公衆網端末と直接接続して部屋の壁に埋め込まれるので、邪魔になりずらく、かつ、電源用及び通信用の電線を要することなく使用できる等、無線LANの構築に好適な埋め込み型配線装置を提供できる。
図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1及び図3中符号1は例えば一般住宅の部屋の壁に装着されたコンセント例えば情報コンセントを示している。このコンセント1は、1以上、好ましくは複数例えば3つの栓刃差込み口2、3、4を上下方向に並べて有しているとともに、1以上、好ましくは複数例えば3つのモジュラージャック5、6、7を上下方向に並べて有している。なお、本明細書で、各栓刃差込み口とは、開口だけではなく、この開口に対向して設けられて開口に通されるプラグの栓刃を受ける栓刃受け金具を含んでいる。
造営材である壁内には、屋外の送電網の端末、つまり、電源端末が引き込まれているとともに、公衆網端末である電話網端末及び及びインターネット端末が夫々引き込まれている。送電網は例えば100Vの商用交流電源を導いており、その電源端末は栓刃差込み口2、3、4に接続されている。栓刃差込み口2、3、4には、部屋内の図示しない各種電気機器に対する電源を供給するために、この電気機器に接続された図示しない配線コード先端の電源プラグが、挿脱自在に差込み接続される。
電話網端末は、例えば最も上位置のモジュラージャック5と、この真下に隣接した中間位置のモジュラージャック6に接続されている。これら電話用のモジュラージャック5、6には、図示しない電話機に接続された電話用モジュラーコード(図示しない)のモジュラープラグが挿脱自在に差込み接続される。
インターネット端末は例えば最も下位置のモジュラージャック7に接続されている。このインターネット用のモジュラージャック7には、例えば図1に示す第1のモジュラーコード8がその一端に有したモジュラープラグ8aが、挿脱自在に差込み接続される。
なお、インターネット端末は、宅内で有線のLAN環境が構築されている場合には、このLAN環境への接続手段ともなる。そして、この場合には、LAN環境へ接続されている様々なLAN接続機器とも接続することができる。
次に、第1実施形態に係る無線LANアダプター(以下アダプターと略称する。)11を図2及び図3を参照して説明する。アダプター11は、アダプター本体12と、差込みプラグ13と、公衆網接続手段として1以上好ましくは複数例えば一対のモジュラージャック14、15と、1以上好ましくは複数例えば一つの栓刃差込み口16とを備えている。
アダプター本体12は、正面視四角形状をなす本体ケース12aを有している。本体ケース12aは、アダプター11を情報コンセント1に取付けた際に、モジュラージャック5、6、7の列に重ならない(被わない)大きさに作られている。この本体ケース12aにはLAN信号を処理する信号処理部12b等が内蔵されている。この信号処理部12bでの信号処理により、アダプター本体12は無線LANのアクセスポイントとして機能でき、無線LAN信号を授受するためのアンテナ部12cが本体ケース12aの表側例えば正面に露出して設けられている。なお、アダプター11等とともに無線LANを構築するための部屋内に設置されるワイヤレス対応機器18(図1参照)は、無線信号を授受できる無線対応型の電気機器であって、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話、プロジェクタ、プリンタ、スキャナ、PDA、モニタカメラ、ビデオカメラ、デジタルテレビ等を挙げることができる。
差込みプラグ13は本体ケース12aの裏面に例えば固定的に突設されている。この差込みプラグ13は信号処理部12b等に対し電源を供給するものである。信号処理部12bに対してはアダプター本体12に内蔵されている図示しない降圧回路部を経て電源が供給される。
図2に示すように一対のモジュラージャック14、15は、本体ケース12aの例えば幅方向の側面に個別に開口して設けられている。なお、これらのモジュラージャック14、15は、非使用状態では着脱自在な蓋で閉じられているので、図2では蓋がある位置で指し示されている。一方のモジュラージャック14は信号処理部12bに接続されているとともに、このジャック14には前記第1のモジュラーコード8(図1参照)がその他端に有したモジュラープラグ8bが挿脱自在に差込み接続される。モジュラーコード8は、モジュラージャック14を省略する代わりに、LAN用の前記モジュラージャック7に接続されるモジュラープラグ8aを一端だけに有したモジュラーコード8を、信号処理部12bに対して取外しができないように直接接続して、このコード8を本体ケース12a外に引出すこともできる。この場合には、モジュラーコード8をもって公衆網接続手段として機能させることができる。
他方のモジュラージャック15は、信号処理部12bを経由することなく公衆網接続手段である前記一方のモジュラージャック14に接続されている。この他方のモジュラージャック15には、第2のモジュラーコード17がその一端に有したモジュラープラグ17aが挿脱自在に差込み接続される。モジュラーコード17がその他端に有した他のモジュラープラグ17bは有線で送信を行う非ワイヤレス型の有線対応機器19が有するモジュラージャック(図示しない)に挿脱自在に差込み接続される。この他方のモジュラージャック15は省略することが可能である。
栓刃差込み口16は本体ケース12aの外面例えば正面に開口されている。栓刃差込み口16は差込みプラグ13に電気的に接続されている。アダプター11が情報コンセント1接続された状態では、栓刃差込み口16に電源が供給される。この栓刃差込み口16には部屋内に設置された電気機器の配線コード先端のプラグが挿脱自在に差込み接続される。このため、栓刃差込み口16を通じて有線対応機器19(図1参照)に接続して、これへの電源供給も可能である。
以上のようにアダプター11は、無線通信用のアダプター本体12に、栓刃差込み口16とモジュラージャック15とを設けているので、ハブとして機能することができる。この場合、前者で無線LAN環境に適用できるとともに、後者で有線LAN環境に適用できる。このため、アダプター11は、ワイヤレス対応機器18と有線対応機器19との双方の内の少なくとも一方に適用することができ、例えば有線対応型の既存のパーソナルコンピュータと、無線通信ができるパーソナルコンピュータとが部屋内に共に設置されている場合等に、LAN環境を構築するのにも適合できる。
前記構成のアダプター11は、壁付けの情報コンセント1に接続されることにより、部屋の壁に沿って邪魔にならないように取付けて使用される。すなわち、アダプター11は、その差込みプラグ13を、壁付けの情報コンセント1の最も下位置の栓刃差込み口4に差込み接続し、かつ、第1のモジュラーコード8の一方のモジュラープラグ8aを、栓刃差込み口4の真横に対応して配置されているモジュラージャック7に接続するとともに、他方のモジュラープラグ8bをモジュラージャック14に接続して使用される。
この使用状態では、情報コンセント1に接続された差込みプラグ13を通じて信号処理部12bへの電源供給がなされるので、情報コンセント1とアダプター11とを接続する配線コードを要しない。そして、このアダプター11は、栓刃差込み口4の真横に位置する至近距離のLAN用モジュラージャック7にモジュラーコード8を介して接続されるので、モジュラーコード8に必要な長さは極めて短くて良く、このコード8が部屋内を長く配線されることがない。
このように電源供給用の配線コードを要しないとともに、最短の長さしか要さないモジュラーコード8も壁沿いに設けられるので、アダプター11を使用するための電線が、部屋内を移動する人間等にとって邪魔にならない。こうした事情から、ワイヤレス対応機器18が設置されている部屋の夫々にアダプター11を壁付けして設けることを促進し易い。これにより、各部屋毎に1台のアダプター11を壁付けして、無線LAN環境を構築する場合には、その信号授受の信頼性を向上できる。
以上のようにアダプター11が設置された部屋内での無線LAN環境においては、アダプター本体12が無線LANのアクセスポイントとして機能する。このため、部屋内に設置されているワイヤレス対応機器18とアダプター11のアダプター本体12との間で、無線による信号の授受が行われる。
又、壁付けされたアダプター11によって、情報コンセント1の一つの栓刃差込み口4が被われてしまうので、この栓刃差込み口4には他の電気機器は接続できない。しかし、アダプター11には栓刃差込み口4に差込み接続された差込みプラグ13を通じて電源が導かれる栓刃差込み口16を有しているので、この差込み口16を用いて他の電気機器への給電を行うことができる。そして、この栓刃差込み口16を通じて有線対応機器19に電源を供給した上で、アダプター11のモジュラージャック15と有線対応機器19の図示しないモジュラージャックとをモジュラーコード17を用いて接続することにより、有線LANを構築することができる。
なお、以上説明した第1実施形態のアダプター11が差込み接続されるコンセントは、公衆網端末と接続されるモジュラージャックを有さない一般的なコンセントであっても良い。この場合に、一般的なコンセントから離れた位置にあって公衆網端末と接続されたモジュラージャックとの接続は、前記離れた長さに対応する長さを有した第1のモジュラーコード8を用いて行えばよい。
又、アンテナ部12cは本実施形態で示した態様に限定されず、例えば本体ケース12aと一体となって設けれられていてもよく、アンテナ部として機能すればいかなる構成であってもよい。
図4及び図5は本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と機能が同じ構成については同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態とは異なる構成を以下説明する。
アダプター本体12の本体ケース12aは、情報コンセント1の栓刃差込み口2、3、4の列と、モジュラージャック5、6、7の列とにわたって跨る幅(モジュラージャック14、15が設けられている両側壁間の寸法)を有している。本体ケース12aの裏面には、差込みプラグ13と並べて公衆網接続手段をなすモジュラープラグ21が突設されている。このモジュラープラグ21は、信号処理部12bに電気的に接続されていて、情報コンセント1のLAN用モジュラージャック7に直接差込み接続される。これにより、LAN側のアダプター11と公衆網側の情報コンセント1との接続においてモジュラーコードを要しないので、アダプター11を機能させるための電線を全く必要としない構成とでき、アダプター11回りの配線環境をすっきりとできる点で優れている。
また、モジュラープラグ21は、本体ケース12aから着脱自在ないし本体ケース12a内に収容可能に設けられている。このように設けることで、情報コンセント1とアダプター本体12との取付けピッチなどが合わない場合に対応することができる。
アダプター本体12には、その本体ケース12aの例えば正面に露出して他のモジュラージャック22が少なくとも一つ設けられている。このジャック22により、アダプター11に接続できる有線対応機器を増やすことができる点で優れている。
以上説明した事項以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態においても本発明の課題を解決することができる。
図6〜図8は本発明の第3の実施形態を示している。
図6中符号31は例えば一般住宅の壁に埋め込んで装着された埋め込み型配線装置を示している。この配線装置31は、サポート32と、無線LANアダプター(以下アダプターと略称する。)33と、化粧カバー34とを備えている。
図7及び図8に示すサポート32は、亜鉛クロマイトメッキが施された鉄(SPCC)等の金属製であり、複数の取付け孔32aを有している。このサポート32は、一般家屋の壁等の造営材に埋め込まれている配線ボックス(図示しない)に、各取付け孔32aを通ってねじ込まれる図示しないねじを介して固定される。サポート32は、その幅方向に並ぶ一対の略長方形状の開口(図示しない)を有している。
これらの開口の内の一方を塞いでサポート32には配線器具例えばコンセント35が取付けられている。このコンセント35は、1以上、好ましくは複数例えば3つの栓刃差込み口35a、35b、35cを上下方向に並べて有している。コンセント35には、部屋内の図示しない各種電気機器に対する電源を供給するために、この電気機器に接続された図示しない配線コード先端の電源プラグが、挿脱自在に差込み接続される。
アダプター33はサポート32に取付けられている。アダプター33は、サポート32と略同じ幅でこのサポート32の裏面に取付け配置される本体ケース33aと、この本体ケース33aの正面から突出されてサポート32の前記図示しない他方の開口に通されたケース凸部33bとを有している。図8に示すようにアダプター33の裏面の幅方向中央部には上下方向に延びる電気絶縁性の仕切り壁36が突設されている。
アダプター33には、その仕切り壁36を境にコンセント35側の裏面に位置して電源接続部37が設けられている。この電源接続部37を通じてコンセント35の各栓刃差込み口35a、35b、35cの図示しない栓刃受け金具に電源が供給されている。又、造営材である壁内には、屋外の送電網につらなる電源端末が引き込まれている。送電網は例えば100Vの商用交流電源を導いており、その電源端末は前記配線ボックス内で電源接続部37と接続される。
本体ケース33aにはLAN信号を処理する信号処理部33c(図6参照)が内蔵されている。この信号処理部33cでの信号処理により、アダプター33は部屋内に設置されたワイヤレス対応機器に対する無線LANのアクセスポイントとして機能でき、無線LAN信号を授受できる。
本体ケース33aの仕切り壁36を境にケース凸部33b側の裏面には、電話用の公衆網接続端子38と、インターネット用の公衆網接続端子39とが夫々設けられている。造営材である壁内には、屋外の公衆網端末である電話網端末及び及びインターネット端末が夫々引き込まれている。電話網端末は前記配線ボックス内で公衆網接続端子38に接続され、インターネット端末は前記配線ボックス内で公衆網接続端子39に接続される。仕切り壁36は、公衆網接続端子38、39に接続された電話回線線及びインターネット回線と、電源接続部37に接続された電線とが、前記配線ボックス内で混って接触しないように分けるようになっている。
本体ケース33aには、その上部に位置する電話用のモジュラージャック41と、下部に位置するインターネット用のモジュラージャック42と、これら両ジャック41、42間に位置するアンテナ部43とが夫々設けられている。これらはいずれもケース凸部33bの表面に露出されている。電話用のモジュラージャック41には、図示しない電話機に接続された電話用モジュラーコード(図示しない)のモジュラープラグが挿脱自在に差込み接続される。インターネット用のモジュラージャック42には、LANケーブル(図示しない)を介して図示しない有線対応機器が接続される。このモジュラージャック42は信号処理部33cを経由することなく公衆網接続端子39に接続されている。モジュラージャック42は省略することも可能であるが、このジャック42を備えることにより、既述のように有線対応のLAN環境の構築にも配線装置31を適合させることができる点で優れている。
合成樹脂製の化粧カバー34は、コンセント35及びケース凸部33bを露出させてサポート32の正面を被っており、このサポート32のねじ孔32b(図7及び図8参照)にねじ44(図1参照)により取付けられている。
無線LAN用のアダプター33を備えた前記配線装置31は、一般家屋の壁内に引き込まれている電源端末と電源接続部37とを接続してアダプター33に電源を供給するとともに、壁内に引き込まれているインターネット端末とインターネット用の公衆網接続端子39とを接続して、壁等に埋め込み設置して使用される。
このため、部屋の壁面に対する配線装置31の突出が殆どないとともに、壁面に化粧カバー34が沿って設けられる。これにより、アダプター33を使用するための電線を全く要することなく、部屋内を移動する人間等にとって邪魔にならない取り付け状態で配線装置31を使用できる。こうした事情から、ワイヤレス対応機器18が設置されている部屋の夫々にアダプター33を備える配線装置31を壁内に設けることを促進し易く、各部屋毎に1台のアダプター33付きの配線装置31を壁内に設けることにより、無線LAN環境を構築して、その信号授受の信頼性を向上できる。
以上のようにアダプター33付きの配線装置31が部屋の壁内に設置された部屋内での無線LAN環境においては、配線装置31のアダプター33が無線LANのアクセスポイントとして機能する。このため、部屋内に設置されているワイヤレス対応機器と配線装置31のアダプター33との間で、無線による信号の授受が行われる。
又、配線装置31は、配線器具としてコンセント35を備えるとともに、アダプター33にモジュラージャック41、42が設けられているので、この配線装置31を情報コンセントとして使用することができる。しかも、インターネット用のモジュラージャック42を有しているので、このモジュラージャック42と有線対応機器の図示しないモジュラージャックとをモジュラーコードを用いて接続することにより、有線LANを構築することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る無線LANアダプターが情報コンセントに取付けられた状態を示す正面図。 図1の無線LANアダプターを示す斜視図。 図1の無線LANアダプターが取付けられる情報コンセントを例示する正面図。 本発明の第2の実施形態に係る無線LANアダプターが情報コンセントに取付けられた状態を示す正面図。 図4の無線LANアダプターを示す斜視図。 本発明の第3の実施形態に係る埋め込み型配線装置を示す正面図。 図6の配線装置のサポート及びこれに取付けられた無線LANアダプタ−を表面側から見て示す斜視図。 図6の配線装置のサポート及びこれに取付けられた無線LANアダプタ−を裏面側から見て示す斜視図。
符号の説明
1…情報コンセント、8…モジュラーコード、11…無線LANアダプター、12…アダプター本体、12a…本体ケース、12b…信号処理部、12c…アンテナ部、13…差込みプラグ、14…モジュラージャック(公衆網接続手段)、16栓刃差込み口、31…埋め込み型配線装置、32…サポート、33…無線LANアダプター、、33a…本体ケース、33c…信号処理部、35…コンセント(配線器具)、37…電源接続部、39…インターネット用の公衆網接続端子、43…アンテナ部

Claims (4)

  1. 無線LANのアクセスポイントとして機能するアダプター本体と、
    このアダプター本体に設けられ前記アダプタ−本体の裏面に突出して使用される差込みプラグと、
    前記アダプター本体に設けられた公衆網接続手段と、
    を具備したことを特徴とする無線LANアダプター。
  2. 前記アダプタ−本体が栓刃差込み口を有していることを特徴とする請求項1に記載の無線LANアダプター。
  3. 前記公衆網接続手段が、モジュラージャックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線LANアダプター。
  4. 電源端末及び公衆網端末が引き込まれている造営材に埋め込まれるサポートと、
    このサポートに取付けられた配線器具と、
    前記サポートに取付けられ、前記公衆網端末に接続される公衆網接続端子及び前記電源端末に接続される電源接続部を有して、無線LANのアクセスポイントとして機能する無線LANアダプターと、
    を具備したことを特徴とする埋め込み型配線装置。
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