JP2006228442A - 走査電子顕微鏡における像観察方法及び装置 - Google Patents

走査電子顕微鏡における像観察方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 絶縁体、半導体等の非導電性物質の試料であってもチャージを軽減し、高分解能の像を取得することができる方法及び装置を実現する。
【解決手段】 試料が絶縁物や半導体の場合、チャージの影響を軽減することが高い分解能の像を取得するために必要となる。可変電源11から試料7にバイアス電圧を印加する。このバイアス電圧の値は、電子銃2の加速電圧が3kVである場合、2kV、あるいは2.5kVに設定される。また、試料を傾斜したときに、電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せが存在することが判明した。この組合せの範囲をPC13に記憶させ、試料電圧値と電子銃の加速電圧値とを組合せの範囲内に設定すれば、試料の傾斜を行うことができ、3つの試料のチャージを取り除く方式を同時に使用することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料上に細く絞った電子ビームを照射すると共に、試料上で電子ビームを2次元的に走査し、試料から発生した2次電子や反射電子を検出し、検出信号を試料上の電子ビームの走査に同期してディスプレイ上に表示し、2次電子像や反射電子像を観察するようにした走査電子顕微鏡に関し、特に、試料として絶縁体、半導体および高分子などの導電性が低い物質を用いた際にチャージの影響を著しく小さくして像の観察を行うことができる走査電子顕微鏡における像観察方法及び装置に関する。
走査電子顕微鏡では、熱電子銃や電界放射型の電子銃から電子ビームを発生させ、更に加速電圧を電子銃の陽極に印加することにより、電子銃から所定の加速電圧の電子ビームを発生させる。電子銃から発生し加速された電子ビームは、コンデンサレンズと対物レンズによって試料の表面上に細く集束される。更に、電子ビームは通常対物レンズの上部に配置された走査コイルに鋸歯状の走査信号を印加することにより、走査コイルによる磁場による偏向を受け、試料上の電子ビームの照射位置は移動し、走査信号の振幅の大きさに応じた領域を2次元的に走査する。
上記試料上の電子ビームの2次元走査に基づき、試料からは2次電子や反射電子が発生する。例えば、対物レンズ上部や試料の横方向に2次電子検出器を配置すれば、検出器によって試料から発生した2次電子を検出することができる。検出器からの検出信号は、電子ビームの走査に同期した陰極線管などのディスプレイに輝度変調信号として供給されることから、ディスプレイ上には試料の2次電子走査像が表示される。最近の走査電子顕微鏡では、検出信号をA/D変換器に供給し、ディジタル信号に変換し、その信号をフレームメモリに供給して記憶させるようにしている。このような走査電子顕微鏡は多くの文献に記載されており、例えば、特許文献1を参照することができる。
特開平10−294075号公報
上記した走査電子顕微鏡で試料としては、通常表面が導電性の物質が用いられる。試料が絶縁物や半導体、高分子などの非導電性物質の場合、電子ビームを試料表面に照射すると、その照射によって局所的なチャージが発生する。この現象は、一次電子ビームの軌道を不安定にさせる要因となる。その結果、電子ビームの軌道の不安定さは、像の歪みにつながり、精密な歪みのない像の観察が不可能となる。
このため、試料表面のチャージを防止あるいは低減させる方式が開発されている。このチャージ防止・低減方式には、大きく分けて3つの方式が実用化されている。まず第1の方式は、試料に入射する電子ビームの加速電圧を低減することである。試料に照射される電子ビームの加速電圧を低くすることである。低加速の電子ビームを試料に入射させると、電子の拡散領域が小さくなり、2次電子の拡散距離が小さくなる。この結果、例えば、半導体試料の場合、加速電圧を500Vから1kVの間に調整して電子ビームを照射すれば、入射する電子ビームの量と、試料から放出される電子の量とがほぼ同一となることから、試料表面のチャージ(帯電)を防止することができるか、チャージの量を著しく少なくすることができる。
なお、試料に入射する電子ビームの加速電圧を1kV以下にするためには2つの種類が開発されている。その1は、電子銃の加速電圧を最初から低電圧に設定する方式で、至極一般的な方式である。その2は、電子銃の加速電圧は20から30kVの通常の値とし、試料の前面に減速電極を設け、この減速電極に減速電圧を印加する方式である。この場合、例えば、電子銃から加速電圧が30kVの電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズによって電子ビームは集束され、試料の前面に−29kVの減速電圧を印加する。この結果、減速電極と試料との間の電子ビームの加速電圧は1kVとなり、試料のチャージアップの量を著しく少なくすることができる。この電子ビームを試料の直前で減速させる方式は、電子ビームを集束するためのコンデンサレンズと対物レンズを通過する際には、高加速電圧であるために収差係数が小さくでき、電子ビームが減速されて試料表面上の到達加速電圧が小さくても、試料には収差が少なく細く集束された電子ビームが照射され、走査されることから、分解能が高い像が得られる効果を有する。
チャージ防止の第2の方式は、試料にバイアス電圧を印加し、チャージアップを低減する。走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加しながら像を観察すると、高加速の収差係数を保ったまま電子ビームが減速される。そして、第1の方式と同様に、試料表面上の到達加速電圧が小さくても、分解能が高い像が得られる効果を有する。この第2の方式では、試料表面の形状が平ら且つ電子ビームが試料に対して垂直に設定されていれば、極低加速・高分解能で試料の観察が行える。
この第2の方式でも、試料に入射する電子ビームの加速電圧は、極低加速であるので、チャージアップの低減効果も有する。この手法では、試料表面の形状が平ら且つ電子ビームが試料に対して垂直に設定されていれば、極低加速・高分解能で試料の観察を行うことができ、この極低加速はチャージアップの低減効果をもたらす。しかしながら、試料にバイアス電圧を印加したまま試料を傾斜させると、その電場によって電子ビームが曲がってしまい、像に大きな歪みを生じ、高分解能の観察は望めない。従来この不具合を解消するために、傾斜した試料を観察する際には、電場を試料表面上で均一化するように試料に電界を緩和するホルダーを使用している。
第3の方式は、試料傾斜によるチャージ効果の低減方式である。この方式では、試料を傾斜させ、入射した電子の脱出深さを短くし、チャージ効果を減少させるようにしている。
ところで、試料表面に生じたチャージを取るために、上記した第2の方式である試料にバイアス電圧を印加する方式と、試料を傾斜させてチャージを取る第3の方式とを組合せて行う場合に問題点が生じる。すなわち、試料を傾斜させた状態で試料にバイアス電圧を印加すると、1次入射電子ビームが試料上の電場により、試料表面直前で、元のバイアス電圧を印加していないときの軌道からずれ安定した像が撮れない。図1はその様子を示しており、図1(a)は、試料S表面に垂直に電子ビームEBを照射した状態を示し、図1(b)はバイアス電圧を印加した状態で試料Sを傾斜させた状態を示している。試料Sを傾斜させない図1(a)の状態では、電子ビームは不正に偏向を受けないが、図1(b)の試料Sを傾斜させた状態では、1次電子ビームEBが試料上の電場により、試料表面直前で、元のバイアス電圧を印加していないときの軌道からずれ、安定した像が撮れない。
上記した試料のチャージを軽減あるいは消去させる3つの方式を紹介し、その内の2つの方式を組合わせてよりチャージの量を少なくすることを考えても、2つの方式は同時に達成することができないことを述べた。この理由は、電場によりコマ収差、非点を増大させ、像に歪み、および、分解能の劣化をもたらすからである。また、傾斜した試料を観察する際は、電場を試料表面上で均一化するように、試料に電界を緩和するホルダーを使用することも考えられるが、ホルダーは試料の観察範囲を狭めてしまう。
なお、前述した第1から第3の方式のそれぞれ一つの方式だけを適用しても、全ての試料のチャージが取れるとは限らず、複数の方式を組合わせることができれば有効である。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、絶縁体、半導体等の非導電性物質の試料であってもチャージを軽減し、高分解能の像を取得することができる走査電子顕微鏡における像観察方法及び装置を実現するにある。
請求項1の発明に基づく走査電子顕微鏡における像観察方法では、電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させ、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにしたことを特徴としている。
請求項2の発明に基づく走査電子顕微鏡における像観察装置では、電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させる手段を備え、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにしたことを特徴としている。
請求項1の発明に基づく走査電子顕微鏡における像観察方法では、電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させ、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにしたことを特徴としている。
このような観察方法では、試料表面のチャージをなくすか著しく軽減することができ、そのために電子銃から放出された一次電子ビームの形状と軌道が、試料直前で歪んだり軌道がずれたりすることがなく、歪みのない電子プローブの形状と不正に偏向されない軌道で電子ビームを試料表面に入射させることができる。また、バイアス効果とチャージバランスをコントロールすることができる。更に、プローブ径をバイアスコントロールによって調節可能とすることができ、また、電場を緩和するような特殊な道具を使う必要なしにチャージをなくすことができる。更にまた、試料の傾斜観察を高い分解能で簡単に行うことができる。
請求項2の発明に基づく走査電子顕微鏡における像観察装置では、電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させる手段を備え、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにしたことを特徴としている。
このような観察装置では、試料表面のチャージをなくすか著しく軽減することができ、そのために電子銃から放出された一次電子ビームの形状と軌道が、試料直前で歪んだり軌道がずれたりすることがなく、歪みのない電子プローブの形状と不正に偏向されない軌道で電子ビームを試料表面に入射させることができる。また、バイアス効果とチャージバランスをコントロールすることができる。更に、プローブ径をバイアスコントロールによって調節可能とすることができ、また、電場を緩和するような特殊な道具を使う必要なしにチャージをなくすことができる。更にまた、試料の傾斜観察を高い分解能で簡単に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は第1の実施の形態を示しており、試料表面のチャージを取るために、加速電圧、試料傾斜、試料バイアスの領域を絞った観察を自動的に行う。図2は本発明を実施した走査電子顕微鏡の一例を示しており、走査電子顕微鏡カラム1の上部には電子銃2が配置されている。電子銃2には、電源ユニット3の中の高圧電源4から加速電圧が印加される。この加速電圧は、可変電源5を調整することにより、各種の値とすることができる。
電子銃2から発生し加速された電子ビームEBは、コンデンサレンズ(図示せず)と対物レンズ6により試料7上に集束される。なお、対物レンズ6の上部には、対物レンズ絞り8が設けられている。試料7上の電子ビームの照射位置は、図示していない走査コイルに2次元走査信号を供給することにより、所望の試料領域が電子ビームで走査されることになる。なお、試料7はX、Yの2次元方向に移動する試料ステージ9上の試料台(試料ホルダー)10に取り付けられている。試料台10は、試料ステージ9に対して絶縁されて取り付けられており、試料台10には、高圧電源4内の可変電源11から電子ビームの減速電圧が印加されている。
試料7の表面上で電子ビームを2次元走査することにより、試料7から2次電子が発生する。発生した2次電子は、2次電子検出器12によって検出され、検出信号は、信号ラインは図示されていないが、パーソナルコンピュータ(PC)13を介して陰極線管や液晶パネルなどのディスプレイ14に供給される。2次電子検出器12の前面には、2次電子を導くための高電圧が電源ユニット内の検出器電源15から印加される。ディスプレイ14には、試料上の電子ビームの走査信号に同期した信号が供給されることから、ディスプレイ14上には試料の2次電子像が表示される。なお、PC13は、電源ユニット3内の各電源を制御し、また、ステージドライバー16を介して試料ステージ9を水平方向に2次元移動させたり、ステージ9を傾斜させる。このような構成の動作を次に説明する。
通常の走査電子顕微鏡像を取得する場合、可変電源5を制御して、例えば、電子銃2から15kV程度の加速電圧を電子銃に印加し、加速電圧が15kVの電子ビームEBが得られる。試料7が導電性物質の場合は、試料台10を介して試料7にバイアス電圧を印加することなく電子ビームの2次元走査が行われる。この2次元走査により試料7から発生した2次電子は、2次電子検出器12の前面に配置されたリング状の収集電極に高電圧が印加され、2次電子検出器12の前部に形成された収集電界により検出器12方向に引き寄せられ、シンチレータに衝突して発光させる。この光パルスは光ファイバーを通って、光電子変換器に入射し、光パルスは光電子となって光電子増倍管で増倍され、増倍されたパルス信号がカウントされて2次電子の強度が測定される。
測定された2次電子の強度信号は、AD変換器を介してPC13内のフレームメモリーに供給されて記憶される。フレームメモリーには複数の電子ビームの2次元走査に基づく検出信号が供給されて積算され、積算処理されてSN比が高くされた検出信号がフレームメモリーに記憶される。PC13はフレームメモリーに記憶されている検出信号を読み出し、ディスプレイ14に供給して2次電子像を表示させる。
次に、試料7が非導電性物質の場合の測定方法について説明する。試料が絶縁物や半導体の場合、チャージの影響をなくすか著しく軽減することが高い分解能の像を取得するために必要となる。チャージの影響をなくすか軽減する3種類の方式については既に述べた。この3種類の方式の内の一つを採用して走査電子顕微鏡像を得ても、試料のチャージを充分に取ることができないので、高分解能の像を得ることができない。3種類の方式を同時に採用することにより、チャージの影響を大きく取り除くことができる。しかしながら、3種類の方式を採用することにより、試料に照射される電子ビームが歪んだり、不正に偏向を受けたりしては正確な像を取得することはできない。
第1の実施の形態では、可変電源11から試料台10を介して試料7にバイアス電圧を印加する。このバイアス電圧の値は、電子銃2の加速電圧が3kVである場合、2kV、あるいは2.5kVに設定される。この設定はPC13にあらかじめ記憶されているテーブルから読み取られる。この加速電圧とバイアス電圧との組合せにより、試料に照射される電子ビームの加速電圧は1kV以下となり、チャージの量が著しく軽減される。
しかしながら、試料に照射される電子ビームの加速電圧を1kV以下としただけでは、試料表面のチャージを全て取り除くことができない。このため、他の方式を組合わせる必要が生じる。本実施の形態では、PC13がステージドライバー16を制御し、試料7を例えば60°程度傾斜させる。この試料の傾斜により、試料表面のチャージはほぼなくすことができる。しかし、この試料の傾斜により、試料に照射される電子ビームが不正に偏向を受け、得られる像は歪んだものとなってしまう。
発明者が種々実験を繰り返したところ、試料にバイアス電圧を印加し、更に試料を傾斜したときに、電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組み合せが存在することが判明した。図3は試料のバイアス電圧特性を示す図である。縦軸は試料のバイアス電圧(試料電圧)Vbs、横軸は試料上の見かけの加速電圧VGVである。F(VGB)は、バイアス電圧特性を示している。図のハッチングで示した領域が電子ビームが曲がらない領域である。この図では、バイアス電圧の例として300V、その時の見かけの加速電圧1kVを示している。
この電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をPC13に記憶させ、試料電圧値と電子銃の加速電圧値とを組合せの範囲内に設定すれば、試料の傾斜を行うことができ、3つの試料のチャージを取り除く方式を同時に使用することができ、チャージをほぼ完全になくした状態で、試料上の所望範囲の電子ビームの走査を歪みなく行うことができる。
次に、第2の実施の形態では、通常の観察方法で試料を傾斜しているときに、バイアス電圧を印加したい場合、試料を傾斜することができる試料電圧と電子銃の加速電圧との組合せの範囲を、あらかじめ実験的に求めるか、計算式に基づいて組合せの範囲を求め、PC13は、求められた範囲内に試料電圧と加速電圧を設定し、設定された試料電圧と加速電圧とに基づいて試料を傾斜させる。
図4は第3の実施の形態を説明するための図である。図4(a)は加速電圧と試料に印加されるバイアス電圧を適当な値に設定した場合の電子ビームの不正な偏向の状態を示している。電子ビームを曲げないためには、試料1の表面からチャージを取るために電子ビームの加速電圧、試料傾斜、試料バイアス電圧の領域を絞った観察を自動的に行う。この実施の形態では、試料Sにバイアス電圧を印加しながら、試料を傾斜させたい場合、試料に印加されるバイアス電圧と、電子銃の加速電圧の組合せで試料を傾斜できる領域を計算式により、あらかじめ求め、PC13にその組合せを記憶させ、加速電圧が指定された場合、PC13に記憶された組合せから適切なバイアス電圧が読み出され、試料にはその電圧が印加される。このような状態で試料を傾斜させても図4(b)に示すように、電子ビームが不正に偏向を受けたり歪んだりすることはない。
試料の傾斜による電子ビームの不正な偏向の様子を示す図である。 本発明に基づく像観察方法を実施するための走査電子顕微鏡の一例を示す図である。 試料のバイアス電圧特性を示す図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するための図である。
符号の説明
1 カラム
2 電子銃
3 電源ユニット
4 高圧電源
5、11 可変電源
6 対物レンズ
7 試料
8 対物レンズ絞り
9 試料ステージ
10 試料台
12 2次電子検出器
13 PC
14 ディスプレイ
15 検出器電源
16 ステージドライバー

Claims (2)

  1. 電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させ、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにした走査電子顕微鏡における像観察方法。
  2. 電子銃から所定の加速電圧で電子ビームを発生させ、コンデンサレンズと対物レンズとによって電子ビームを試料表面に集束させ、更に電子ビームの試料上の照射位置を2次元的に走査し、試料への電子ビームの照射によって発生した信号を検出し、検出信号に基づいて試料の所望領域の走査像を得るようにした走査電子顕微鏡において、試料にバイアス電圧を印加できるように構成すると共に、試料を傾斜させる機構を有しており、試料を傾斜させても試料に照射される電子ビームが曲がらない試料電圧値と電子銃の加速電圧値の組合せの範囲をあらかじめ求めて記憶させる手段を備え、試料を傾斜させ、試料に所望電圧の電子ビームを照射して試料像の観察を行う場合、記憶されたデータからビームが曲がらない電子銃の加速電圧と試料電圧の組合わせ条件を読み出し、上記組合せの範囲内で試料の印加電圧、電子銃の加速電圧を設定し、試料を傾斜させた状態で試料像を観察するようにした像観察装置。
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