JP2006226901A - 近接場光プローブ、この近接場光プローブの作製方法および作製装置 - Google Patents

近接場光プローブ、この近接場光プローブの作製方法および作製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも良好なSN比で測定可能な近接場光顕微鏡に使用できる、分解能が高くかつ検出効率も高い近接場光プローブ、近接場光プローブの作製方法および作製装置を提供する。
【解決手段】 屈折率の異なるクラッド部21およびコア部22からなる光ファイバ2端面を先鋭化してある近接場光プローブAにおいて、前記コア部22を含んでいる前記クラッド部21が凹形状をなしており、前記コア部先端22aが、前記クラッド部端面21aよりも突出している。
【選択図】 図5

Description

本発明は、走査型近接場光顕微鏡で用いる近接場光プローブおよびこの近接場光プローブの作製方法および作製装置に関するものである。
近年の科学技術の進歩に伴い、例えば半導体等の微細形状を有する製品の検査やDNA等の生体組織の測定に要求される分解能はナノメートルオーダーになっている。しかし、光学顕微鏡では回折限界のため分解能は使用する光の波長もしくはその半分程度に留まってしまうため、これら物質表面の表面形状等の測定を行うことはほぼ不可能である。
ナノメートルオーダーの測定を可能とするものとして原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)、そして回折限界を打破した走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などが挙げられる(例えば、特許文献1および2参照)。
これらナノメートルオーダーでの測定が可能な顕微鏡のうちAFMやSTMが被測定物の表面形状のみしか測定できないのに対しSNOMはその光学特性、さらには物質の組成分析も行えるメリットがあり、関連した特許も数多く出願されている。
例えば特許文献1に開示の「近接場光学顕微鏡」では、試料によって散乱された近接場散乱光の集光・検出に積分球を用いることで、より多くの光量を定量的に検出することを可能としている。
また、本出願人の先願に係る特許文献2に開示の「走査型近接場光顕微鏡および近接場光による試料の測定方法」では、プローブを共振させることで試料間距離(試料形状)を予め測定し、その後プローブを振動させることなく試料形状に沿って移動させながら近接場光測定することで、プローブ振動による近接場測定へのノイズを除去し高精度に測定を行うようになっている。
また、特許文献3「近接場光プローブユニット作製装置および方法」には、プローブ先端の微小開口の作製装置および方法に関する発明が記述されている。
以上に挙げたいずれの特許文献においても、近接場光の発生および検出に関わる技術は近接場光測定の最も重要な技術である。
プローブ先端で発生した近接場光の検出方法としては、1)試料を透過した光を検出する方法、2)プローブ周辺に散乱した光を検出する方法、3)プローブ内部へカップリングした光を検出する方法 の3通りに分類できる。
2)および3)に関しては試料裏面に光を照射し、試料表面に発生したネバネッセント光(近接場光)をプローブ先端で伝播光に変換して検出する場合にも適用できる。
特開平11−248721号公報 特開2004−101378公報 特開2005−024428公報
しかしながら、これらいずれの光検出方式においても検出される光量は微弱であり、目的とする検出信号のSN比が非常に悪くなってしまうことがSNOMの欠点の1つとして挙げられる。この欠点を克服すべく、様々な手法が提案されている。
例えば、上述したような積分球を用い、プローブ周囲に散乱した光を全て検出する方法がある。ただし、積分球が非常に高価であるため装置のコスト高に繋がってしまうこと、そして積分球を設置するため装置の構造が複雑になってしまうという欠点がある。このような欠点をなくし、従来よりもSN比が良好で測定可能な近接場光顕微鏡が望まれている。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、従来よりも良好なSN比で測定可能な近接場光顕微鏡に使用でき、分解能が高くかつ検出効率も高い近接場光プローブ、近接場光プローブの作製方法および作製装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブにおいて、前記コア部を含んでいる前記クラッド部が凹形状をなしており、前記コア部先端が、前記クラッド部端面よりも突出している近接場光プローブを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記コア部先端の突出量が、近接場光測定を行うときに使用する光源の波長よりも長い請求項1記載の近接場光プローブを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記突出しているコア部先端に金属薄膜が成膜されている請求項1または2記載の近接場光プローブを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記クラッド凹部に金属薄膜が成膜されている請求項1ないし3のいずれか1項記載の近接場光プローブを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記突出しているコア部先端に近接場光測定を行うときに使用する光源の波長以下の直径を有する微小開口が設けてある請求項1または2記載の近接場光プローブを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブの作製方法において、光ファイバをエッチングし光ファイバコア部を先鋭化する第1の工程と、前記光ファイバコア部およびその周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の工程とからなり、前記第2の工程が、先鋭化してあるコア部先端がクラッド部端面から突出するようにエッチングする工程である近接場光プローブの作製方法を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記第2の工程が、前記コア部先端突出部の前記クラッド端面からの突出量が近接場光測定時の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を調整した工程である請求項6記載の近接場光プローブの作製方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、さらに、光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて金属薄膜を被覆する第3の工程と、前記光ファイバをその光軸を中心として回転させる第4の工程とを有する請求項6または7記載の近接場光プローブの作製方法を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記第3の工程が、前記光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属薄膜を被覆する工程である請求項8記載の近接場光プローブの作製方法を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、さらに、前記光ファイバ先端に微小開口を作製する第5の工程を有する請求項6ないし9のいずれか1項記載の近接場光プローブの作製方法を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブの作製装置において、光ファイバコア部をエッチングし先鋭化する第1の手段と、前記光ファイバコア部およびその周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の手段とからなり、前記コア部先端が前記クラッド部端面から突出する形状となるように、前記第1および第2のエッチング時間を制御する制御手段を有する近接場光プローブの作製装置を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、前記エッチング制御手段は、前記コア部先端のクラッド部端面からの突出量が近接場光測定の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を制御する請求項11記載の近接場光プローブの作製装置を特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、さらに、前記光ファイバに向けて金属粒子を飛散させて金属薄膜を成膜する成膜手段と、前記光ファイバを回転させる光ファイバ回転手段とからなり、前記成膜手段は光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて前記金属薄膜を成膜する請求項11または12記載の近接場光プローブの作製装置を特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、前記成膜手段は、前記光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属微粒子を飛散させて前記金属薄膜を成膜する請求項13記載の近接場光プローブの作製装置を特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、さらに、前記光ファイバ先端に微小開口を形成する微小開口形成手段を有する請求項11ないし14のいずれか1項記載の近接場光プローブの作製装置を特徴とする。
本発明によれば、先鋭化した光ファイバ先端、すなわち、プローブの周囲のクラッド部を凹形状としている近接場光プローブとすることによって、高い分解能を保ちつつ、より多くの近接場散乱光を集光・検出できるので、従来よりもSN比の良好な近接場光測定を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は近接場光顕微鏡の構成を示す概略図である。図2は図1のプローブの先端の微小開口を図1とは上下を反対にして示す概略図である。
光源(LD)1から照射されたレーザはレンズ(図示せず)によって集光され、光ファイバ2に導光される。プローブAを構成する光ファイバ2の先端はエッチング等によって先鋭化され、FIBや押し付け法などの手段によって微小開口3が形成されている。
この微小開口3の開口径が光源1の波長以下の寸法であるため、近接場光4が発生する。一般に知られている通り、この近接場光4は開口径とほぼ同じだけの距離内に存在する非伝播光であり、通常は観察されない。しかし、チューブスキャナ15上に載置された試料20をこの近接場光領域に近接させると近接場光4が散乱され伝播光に変換される。
この散乱光が再びプローブAを通り、ビームスプリッタ8によって偏向され、光検出器(PMT)9によって検知される。この検知された光の強度や周波数スペクトルに応じて、例えば、その表面形状であるとか試料の構造、組成を測定することが可能となる。
プローブA−試料20間の距離制御はシアフォースと呼ばれる力を利用して行うことができる。例えば、近接場光プローブAに水晶振動子(TF)5を取り付け、任意波形発生器(FG)11によって水平方向に共振させる。この状態でプローブAを試料20に近付けるとシアフォースによってその振幅が減少し、共振周波数が変化する。
ロックインアンプ12を用いてこの振動状態をモニタリングし、例えば、振幅が一定の状態となるように粗動ステージ(Z軸)14上でチューブスキャナ15を上下方向にステージコントローラ(SC)13によって位置制御することでプローブ間距離を一定に保つことが可能となる。
さらに試料20をプローブAに対して垂直な面内で走査・測定し、プローブ位置情報と各地点での近接場散乱光情報の対応付けや解析を、パーソナルコンピュータ(PC)10を用いて統括的に制御することで試料面のデータが得られ、例えば、PC10の画面上に3次元的に表示することも可能である。このような近接場光顕微鏡においてネックとなっているのが、検出される光量が微弱ということである。
図3は近接場光の検出方式を説明する概略図である。図4は試料の裏面に励起光を照射する場合を示す概略図である。図3に示すように、プローブ先端に近接場光4を発生させる場合、この近接場光4が試料20によって伝播光(近接場散乱光)7に変換される。
伝播光7の1部分はプローブAや試料20の周囲に散乱され、他の部分はプローブAの内部に戻っていくので、これらの光22をPMT(図示せず)等で検出する。ただし、実際にはプローブAの周囲四方に散乱する光のうちごく1部分しか検出できないため、SN比は悪くなる。
図4に示すように、試料20の裏面に励起光50を照射し、試料20表面に発生したエバネッセント光4をプローブ先端で乱して伝播光にした場合も、プローブAに戻ってきて検出される光23は発生しているエバネッセント光のうちのほんの1部分であるため検出光量も微弱である。このように、検出方式に拘わらず測定のSN比が悪いことがSNOMの大きな欠点である。
図5はプローブのコア部および周辺のクラッド部が凹んだ中に先鋭化したコア部を有する近接場光プローブの先端を示す概略図である。図に示すように、プローブAのコア部22は周辺のクラッド部21が凹んだ中に先鋭化した状態で配置され、その先端部22aがクラッド部端面21aよりも突出した形状の近接場光プローブとしている。
図6は図5の近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。このような形状を有するプローブの作製方法・装置について述べる。図6に示すように、光ファイバ2を固定治具6に固定した状態とする。
この固定治具6を粗動ステージ(Z軸)14およびステージコントローラ13を用いてZ方向に移動させ、エッチング容器27内の光ファイバ2のエッチング溶液28への液浸量や液浸時間を制御する構成とする。
このエッチング溶液28は、例えば、フッ化アンモニウム、フッ化水素、そして純水を混合させたものであり、その比率をX:1:1とすると、Xの量によってエッチング後の形状が決まる。
図7はエッチング後のコア部とクラッド部の形状を示す概略図である。図8はエッチング後のコア部とクラッド部の他の形状を示す概略図である。例えば、X=1.6であれば、図7に示すように、コア部22およびその周囲のクラッド部21が凹むようになる。
X=10であれば、図8のように、コア部22が先鋭化される。これはコア部22とクラッド部21の溶解速度の違いによって生じる形状である。この2つのエッチングを組み合わせることにより、例えば、X=10の溶液で第1のエッチングを行った後、X=1.6の溶液で第2のエッチングを行うことで、光ファイバ2は図5に示すようなプローブのコア部および周辺のクラッド部が凹んだ中に先鋭化したコア部の形状となる。
図9はプローブ先端によって散乱される光を有する近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。このプローブAを用いて近接場光(エバネッセント光)測定を行う場合、図9に示すように、プローブ先端によって散乱される光7がクラッド部21界面に反射しコア部22に入射するため、検出される光量が増加し、SN比を向上させることが可能となる。
図9に示すように、試料20裏面から励起光24を照射したときエバネッセント光の存在領域(L1)は励起光の波長程度である。そのため、上述した近接場光プローブAの突出部長さL2がL1よりも短い場合、クラッド端面21aがエバネッセント光を乱し、プローブ先端によって散乱される光7に対してノイズとなって検出されてしまう。
そこで、突出部長さL2がL1以上になるように、例えば、第1および第2のエッチング時間を制御することで、上述のようにプローブ先端以外によるエバネッセント光の散乱を起こすことなく、良好なSN比で高精度に近接場光測定を行うことができる。
先鋭化した部分のクラッド部端面からの突出量を波長以上とした近接場光プローブ形状とすることによって、プローブ先端以外の部分が試料表面に存在するエバネッセント光を乱すことなく、プローブ先端のみによって発生する近接場(エバネッセント場)散乱光を検出することができる。したがって、エバネッセント光による試料測定においてノイズ成分を減らし、良好なSN比で近接場光測定を行うことが可能となる。
図10は突出部先端に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブおよびこの近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。図11は図10による近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。
上述した近接場光プローブに対し、例えば、図10に示すように、光ファイバ2の軸2aがスパッタターゲット25に対し平行となるように、すなわち、プローブ側面に金属薄膜23をコートするような構成とする。また、光ファイバ2は回転ステージ26上に設置し、回転させながらスパッタすることでファイバ周囲に均等に金属薄膜23が成膜される。
このような成膜装置・方法によって作製された近接場光プローブAは、先鋭化部の先端に金属薄膜23が成膜されるため、近接場光(エバネッセント光)とプラズモン効果によって相互作用し、検出する近接場散乱光が増強され、金属薄膜がない場合に比べさらに高感度に測定を置こうなうことが可能となる。
言い換えれば、先鋭化したコア部22先端に金属薄膜23を成膜した近接場光プローブAとすることで、プローブ先端の金属薄膜と近接場光の相互作用(プラズモン効果)によって近接場光が増強されるので、検出される近接場散乱光強度が高まり、従来よりも良好なSN比で近接場光測定を行うことが可能となる。
図12はクラッド凹部に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブおよびこの近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。例えば、図12に示すように、光ファイバ2や回転ステージ26に対し、スパッタターゲット25を斜め上方に設置する。
この装置構成において、光ファイバ2を回転させながらスパッタを行うことによって、光ファイバ2のコア部22の先端22aのみならず、その周囲のクラッド部21界面21bにも金属薄膜23が成膜された近接場光プローブAとなる。
図13はクラッド凹部に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。この近接場光プローブAを用いて測定を行う場合、例えば、図13に示すように、プローブ先端22aによって散乱されクラッド部21に反射してコア部22に入射する近接場光(エバネッセント光)7は、クラッド部21界面に成膜された金属薄膜21bによって反射率が高まるので検出される光量は多くなり、測定のSN比が向上することが可能となる。
上述のように、クラッド部凹面に金属薄膜23を成膜することで、プローブ先端が近接場光を散乱して伝播してくる近接場散乱光の一部がこの金属薄膜23に反射して光ファイバ2のコア22部に入射するので、検出される近接場散乱光強度が高まり、従来よりも良好なSN比の近接場光測定を行うことが可能となる。
図14はプローブ先端に波長以下の直径を有する微小開口が設けてある近接場光プローブおよびこのプローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。例えば、図14に示すよう、プローブ先端に微小開口3を設けた近接場光プローブAを用いる。
この場合に、近接場散乱光が微小開口3からもコア部22に入射することになり、検出される近接場散乱光強度が増加させられる。このような微小開口3を作製する装置・方法としては図示してないが、FIB(Focused Ion Beam;焦点を合わせされたイオンビーム)を用いた装置で、プローブ側面からイオンビームを当ててプローブ先端を削ってやる方法が挙げられる。
また、任意の押し付け面に対してプローブ先端を押し付けることでも微小開口3を作製することができる。また、プローブ先端に微小開口3を有する近接場光プローブAとすることによって、この微小開口3からも近接場散乱光がコア部22に入射するため検出される近接場散乱光強度が高まり、従来よりも良好なSN比の近接場光測定を行うことが可能となる。
本発明によれば、分解能が高くかつ集光効率も良い近接場光プローブの作製方法および装置を提供するために、近接場光プローブの作製方法は、光ファイバをエッチングしコア部を先鋭化する第1の工程と、光ファイバコア部およびコア部周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の工程とからなる。
この近接場光プローブの作製方法において、第2の工程が、先鋭化してあるコア部先端がクラッド部端面から突出するようにエッチングする工程である。第1工程によってプローブ先端を先鋭化することで先端曲率を小さく、すなわち測定分解能を向上させ、第2の工程によって、コア部を凹形状とする。
これによって、プローブ先端から散乱してくる近接場光をより多くコア部に入射させることができるので、従来よりも光集光効率の良い近接場光プローブを作製することが可能となる。
エバネッセント光による測定を行うことが可能な近接場光プローブの作製方法および装置を提供するために、第2の工程が、コア部先端突出部のクラッド端面からの突出量が近接場光測定時の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を調整した工程とする。
この第2の工程によってプローブ先端のクラッド部からの突出量が計測波長以上の形状となるので、プローブ先端以外が試料表面に発生しているエバネッセント場を乱すことなく測定を行うことができ、ノイズの影響を少なくし高精度に近接場(エバネッセント場)光測定を行うことが可能となる。
近接場光プローブの作製方法は、光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて金属薄膜を被覆する第3の工程と、光ファイバをその光軸を中心として回転させる第4の工程とを有している。
検出される近接場散乱光強度を増強すること、すなわち、検出信号SN比を向上させることが可能な近接場光プローブの作製方法および装置を提供するために、第3の工程によってプローブクラッド部材から突出した先鋭化部先端のみに金属薄膜を成膜し、第4の工程によって、ファイバを回転させることで第3の工程よって形成される金属薄膜をコア部先端周囲に均等に成膜することができる。
これによって、光と金属薄膜の相互作用によるプラズモン効果によって近接場光強度を増強させることが可能となり、検出される光強度が従来よりも高い近接場光プローブを作製することが可能となる。
プローブ内部に戻ってくる近接場散乱光成分を増加させ、より良好なSN比で測定を行うことが可能な近接場光プローブの作製方法および装置を提供するために、第3の工程を、光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属薄膜23を被覆する工程とする。
第3の工程によってプローブAのクラッド部21から突出した先鋭化部先端22aおよびクラッド凹部21界面に金属薄膜23を成膜し、第4の工程によって、ファイバを回転させることで第3の工程よって形成される金属薄膜23をコア部22の先端22a周囲およびクドッド凹部21界面に均等に成膜することができる(図10参照)。
したがって、プローブ先端によって散乱された近接場散乱光のうち、クラッド部界面の反射率を高めることとなり、コア部に入射し検出される光強度の高い近接場光プローブを作製することが可能となる。
近接場光プローブ作製方法は、さらに、プローブ先端に微小開口を作製する第5の工程を有している。この第5の工程によってプローブ先端に微小開口が設けられ、試料によって伝播光となる近接場散乱光の一部がこの微小開口を通じてコア部に入射し検出されることとなるので、光集光効率の良い、すなわち、SN比の良い近接場光プローブの作製が可能となる。
近接場光プローブの作製装置は、光ファイバコア部をエッチングし先鋭化する第1の手段と、光ファイバコア部およびコア周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の手段とからなる。この場合に、先鋭化したコア部先端がクラッド部端面から突出する形状となるように、第1および第2のエッチング時間を制御する手段を有する。
この構成動作において、第1のエッチング手段によってプローブ先端を先鋭化することで先端曲率を小さく、すなわち、測定分解能を向上させ、第2のエッチング手段によってコア部を凹形状とすることによってプローブ先端から散乱してくる近接場光をより多くコア部に入射させる。これによって、従来よりも光集光効率の良好な近接場光プローブを作製することが可能となる。
近接場光プローブの作製装置において、エッチング制御手段は、コア部先端のクラッド部端面からの突出量が、近接場光プローブを用いた近接場光測定の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を制御する手段である。
この構成動作において、エッチング制御手段によって、第2のエッチング手段で形成されるプローブ先端のクラッド部からの突出量が計測波長以上の形状となるので、プローブ先端以外が試料表面に発生しているエバネッセント場を乱すことなく測定を行うことができ、ノイズの影響を少なくし高精度に近接場(エバネッセント場)光測定を行うことが可能となる。
近接場光プローブの作製装置は、光ファイバに向けて金属粒子を飛散させて金属薄膜を成膜する成膜手段と、光ファイバを回転させる光ファイバ回転手段とからなる。成膜手段は光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて金属薄膜を成膜する金属薄膜成膜手段とする。
この構成動作において、金属薄膜成膜手段によってプローブクラッド部から突出した先鋭化部先端のみに金属薄膜を成膜し、光ファイバ回転手段によって光ファイバを回転させることで、金属薄膜成膜手段で形成される金属薄膜をコア部先端周囲に均等に成膜することができる。
これによって、光と金属薄膜の相互作用によるプラズモン効果によって近接場光強度を増強させることが可能となり、検出される光強度が従来よりも高い近接場光プローブを作製することが可能となる。
近接場光プローブの作製装置において、成膜手段が、光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属微粒子を飛散させて金属薄膜23を成膜する金属薄膜成膜手段25である。
この構成動作において、金属薄膜成膜手段25によってプローブクラッド部21から突出した先鋭化部先端21aおよびクラッド凹部21界面に金属薄膜23を成膜し、光ファイバ回転手段26によって光ファイバ2を回転させることで、金属薄膜成膜手段25で形成される金属薄膜23をコア部21の先端21a周囲およびクドッド凹部21界面に均等に成膜することができる(図10、図12参照)。
これによって、プローブ先端によって散乱された近接場散乱光のうち、クラッド部界面の反射率を高めることとなり、コア部に入射し検出される光強度の高い近接場光プローブを作製することが可能となる。
近接場光プローブの作製装置は、プローブ先端に微小開口を形成する微小開口形成手段を有する。この構成動作において、微小開口形成手段によってプローブ 先端に微小開口が設けられ、試料によって伝播光となる近接場散乱光の一部がこの微小開口を通じてコア部に入射し検出されることとなるので、光集光効率の良い、すなわちSN比の良い近接場光プローブの作製が可能となる。
このように、本発明にしたがって作製される近接場光プローブは半導体の構造解析や生体分子の計測等、近接場光顕微鏡で測定されるあらゆる試料へ適用可能である。
近接場光顕微鏡の構成を示す概略図である。 図1のプローブの先端の微小開口を図1とは上下を反対にして示す概略図である。 近接場光の検出方式を説明する概略図である。 試料の裏面に励起光を照射する場合を示す概略図である。 プローブのコア部および周辺のクラッド部が凹んだ中に先鋭化したコア部を有する近接場光プローブの先端を示す概略図である。 図5の近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。 エッチング後のコア部とクラッド部の形状を示す概略図である。 エッチング後のコア部とクラッド部の他の形状を示す概略図である。 プローブ先端によって散乱される光を有する近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。 突出部先端に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブおよびこの近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。 図10による近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。 クラッド凹部に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブおよびこの近接場光プローブの作製装置を示す概略図である。 クラッド凹部に金属薄膜が成膜されている近接場光プローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。 プローブ先端に波長以下の直径を有する微小開口が設けてある近接場光プローブおよびこのプローブを用いた場合の近接場光測定を示す概略図である。
符号の説明
1 光源(LD)
2 近接場プローブ(光ファイバ先端)
3 微小開口
4 近接場光(エバネッセント場)
6 プローブ固定治具
7 近接場散乱光
9 光検出器(PMT)
10 パーソナルコンピュータ(PC)
14 粗動ステージ(Z軸)
20 試料
21 クラッド部
21a クラッド端面
22 コア部
22a コア先端(光ファイバ先端)
23 金属薄膜
24 励起光
25 スパッタターゲット(成膜手段)
26 回転ステージ
27 エッチング容器
28 エッチング溶液

Claims (15)

  1. 屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブにおいて、前記コア部を含んでいる前記クラッド部が凹形状をなしており、前記コア部先端が、前記クラッド部端面よりも突出していることを特徴とする近接場光プローブ。
  2. 前記コア部先端の突出量が、近接場光測定を行うときに使用する光源の波長よりも長いことを特徴とする請求項1記載の近接場光プローブ。
  3. 前記突出しているコア部先端に金属薄膜が成膜されていることを特徴とする請求項1または2記載の近接場光プローブ。
  4. 前記クラッド凹部に金属薄膜が成膜されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の近接場光プローブ。
  5. 前記突出しているコア部先端に近接場光測定を行うときに使用する光源の波長以下の直径を有する微小開口が設けてあることを特徴とする請求項1または2記載の近接場光プローブ。
  6. 屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブの作製方法において、光ファイバをエッチングし光ファイバコア部を先鋭化する第1の工程と、前記光ファイバコア部およびその周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の工程とからなり、前記第2の工程が、先鋭化してあるコア部先端がクラッド部端面から突出するようにエッチングする工程であることを特徴とする近接場光プローブの作製方法。
  7. 前記第2の工程が、前記コア部先端突出部の前記クラッド端面からの突出量が近接場光測定時の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を調整した工程であることを特徴とする請求項6記載の近接場光プローブの作製方法。
  8. さらに、光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて金属薄膜を被覆する第3の工程と、前記光ファイバをその光軸を中心として回転させる第4の工程とを有することを特徴とする請求項6または7記載の近接場光プローブの作製方法。
  9. 前記第3の工程が、前記光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属薄膜を被覆する工程であることを特徴とする請求項8記載の近接場光プローブの作製方法。
  10. さらに、前記光ファイバ先端に微小開口を作製する第5の工程を有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項記載の近接場光プローブの作製方法。
  11. 屈折率の異なるクラッド部およびコア部からなる光ファイバ端面を先鋭化してある近接場光プローブの作製装置において、光ファイバコア部をエッチングし先鋭化する第1の手段と、前記光ファイバコア部およびその周囲のクラッド部を凹形状にエッチングする第2の手段とからなり、前記コア部先端が前記クラッド部端面から突出する形状となるように、前記第1および第2のエッチング時間を制御する制御手段を有することを特徴とする近接場光プローブの作製装置。
  12. 前記エッチング制御手段は、前記コア部先端のクラッド部端面からの突出量が近接場光測定の光源波長よりも長くなるようにエッチング時間を制御することを特徴とする請求項11記載の近接場光プローブの作製装置。
  13. さらに、前記光ファイバに向けて金属粒子を飛散させて金属薄膜を成膜する成膜手段と、前記光ファイバを回転させる光ファイバ回転手段とからなり、前記成膜手段は光ファイバ光軸に対して垂直方向から金属微粒子を飛散させて前記金属薄膜を成膜することを特徴とする請求項11または12記載の近接場光プローブの作製装置。
  14. 前記成膜手段は、前記光ファイバ光軸に対して斜め方向から金属微粒子を飛散させて前記金属薄膜を成膜することを特徴とする請求項13記載の近接場光プローブの作製装置。
  15. さらに、前記光ファイバ先端に微小開口を形成する微小開口形成手段を有することを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項記載の近接場光プローブの作製装置。
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