JP2006226097A - 自然水有効利用装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自然水を直ちに排水することなく、しかも水道水よりも自然水を優先して有効に利用することができる自然水有効利用装置を提供すること。
【解決手段】 自然水を貯留する自然水貯留槽と、水道水を貯留する水道水貯留槽と、前記自然水貯留槽内の自然水を排水する自然水排水路と、前記水道水貯留槽内に貯留される水道水を排水する水道水排水路と、前記自然水貯留槽内に自然水が貯留されているときには前記自然水排水路から自然水が排出されるが前記水道水貯留槽内に貯留される水道水が排出されず、前記自然水貯留槽内に貯留される自然水が所定量以下に貯留されるときには前記自然水排水路から自然水が排出されずに前記水道水排水路から水道水が排出される流路切替装置とを備えて成ることを特徴とする自然水有効利用装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 自然水を貯留する自然水貯留槽と、水道水を貯留する水道水貯留槽と、前記自然水貯留槽内の自然水を排水する自然水排水路と、前記水道水貯留槽内に貯留される水道水を排水する水道水排水路と、前記自然水貯留槽内に自然水が貯留されているときには前記自然水排水路から自然水が排出されるが前記水道水貯留槽内に貯留される水道水が排出されず、前記自然水貯留槽内に貯留される自然水が所定量以下に貯留されるときには前記自然水排水路から自然水が排出されずに前記水道水排水路から水道水が排出される流路切替装置とを備えて成ることを特徴とする自然水有効利用装置。
【選択図】 図1
Description
この発明は自然水有効利用装置に関し、更に詳しくは、雨水及び降雪等に由来する自然水を直ちに排水することなく貯留しておき、貯留された自然水を有効利用することができ、また河川湖沼の自然水を有効利用可能な自然水有効利用装置に関する。
天水を有効利用することは古くから考えられている。例えば、古くは天水桶がある。この天水桶は、例えば家屋が面する道路際や、中庭等に配置されており、雨水をそのまま受けて貯留しておく。そして、火災等が発生するときには臨時の消火水として利用されていた。このように、雨水をそのまま貯留する天水は、飲料水として使用されずに消火水として使用され、又は、飲料水以外の家庭用水例えば打ち水などに使用されている。
しかしながら、天水桶に貯留された天水は、それを使用するまでは単に天水桶に貯留されているだけで有効に利用されているわけではない。天水を貯留する天水桶は、それ自体場所を塞ぐのであって天水の使用時以外のときには無用の長物と化している。
天水桶あるいは天水槽に貯留された天水を飲料水として利用するには、水浄化槽又は水浄化装置が必要である。水浄化槽又は水浄化装置としては様々の装置が提案されている。その一例として特許文献1及び2を挙げることができる。
天水桶に貯留された天水を飲料水として利用するには、前記のような設備乃至装置を設置しなければならないので、コストがかかるという問題がある。また、天水桶に貯留された天水を、あるときは浄水せずに飲料以外の用途に使用し、別のときには浄水して飲料に使用するといったきめ細かな使用に供する場合、浄水せずに飲料以外の用途に使用するときには浄水装置乃至浄水設備は無用の存在であり、設備コストが無駄になるという課題がある。
一方、飲料用に使用される水道水を飲料以外の用途に使用することは、水道水の使用として贅沢である。洗車、庭への散水等には水道水を使用する必然性は全くない。そこで、風呂に使用した水を洗車、庭園散水等に使用するという考えが想起されるのであるが、風呂に使用された水は衛生上の観点から洗車等の用途に限定されており、飲料水以外の一般生活用水に広く使用することができないという制限がある。もっとも、風呂水を浄化する浄化設備又は浄化装置を設置すると風呂水の再利用を広く行うことができるが、設備費がかかるという課題がある。
この発明は前記課題を解決することを目的とする。この発明は、自然水を直ちに排水することなく、しかも水道水よりも自然水を優先して有効に利用することができる自然水有効利用装置を提供することを課題とする。この発明の他の課題は、自然水を直ちに排水することなく、しかも水道水よりも自然水を優先して有効に利用することができ、しかも自然水を飲料として必要なときには飲料に浄化することのできる自然水有効利用装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1に記載の手段は、
自然水を貯留する自然水貯留槽と、水道水を貯留する水道水貯留槽と、前記自然水貯留槽内の自然水を排水する自然水排水路と、前記水道水貯留槽内に貯留される水道水を排水する水道水排水路と、前記自然水貯留槽内に自然水が貯留されているときには前記自然水排水路から自然水が排出されるが前記水道水貯留槽内に貯留される水道水が排出されず、前記自然水貯留槽内に貯留される自然水が所定量以下に貯留されるときには前記自然水排水路から自然水が排出されずに前記水道水排水路から水道水が排出される流路切替装置とを備えて成ることを特徴とする自然水有効利用装置であり、
請求項2に記載の手段は、
前記流路切替装置は、この流路切替装置により切り替えられた流路から排出される自然水又は水道水を飲料以外の用途に供する配水路を接続する前記請求項1に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項3に記載の手段は、
前記配水路は、この配水路に切替弁を介して接続される水浄化装置を接続することを特徴とする前記請求項2に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項4に記載の手段は、
前記配水路は、前記切替弁を介して接続される対建造物散水装置を接続することを特徴とする前記請求項3に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項5に記載の手段は、
前記自然水排水路は、フレキシブルチューブで形成されてなることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の自然水有効利用装置である。
請求項1に記載の手段は、
自然水を貯留する自然水貯留槽と、水道水を貯留する水道水貯留槽と、前記自然水貯留槽内の自然水を排水する自然水排水路と、前記水道水貯留槽内に貯留される水道水を排水する水道水排水路と、前記自然水貯留槽内に自然水が貯留されているときには前記自然水排水路から自然水が排出されるが前記水道水貯留槽内に貯留される水道水が排出されず、前記自然水貯留槽内に貯留される自然水が所定量以下に貯留されるときには前記自然水排水路から自然水が排出されずに前記水道水排水路から水道水が排出される流路切替装置とを備えて成ることを特徴とする自然水有効利用装置であり、
請求項2に記載の手段は、
前記流路切替装置は、この流路切替装置により切り替えられた流路から排出される自然水又は水道水を飲料以外の用途に供する配水路を接続する前記請求項1に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項3に記載の手段は、
前記配水路は、この配水路に切替弁を介して接続される水浄化装置を接続することを特徴とする前記請求項2に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項4に記載の手段は、
前記配水路は、前記切替弁を介して接続される対建造物散水装置を接続することを特徴とする前記請求項3に記載の自然水有効利用装置であり、
請求項5に記載の手段は、
前記自然水排水路は、フレキシブルチューブで形成されてなることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の自然水有効利用装置である。
この発明においては、雨水及び降雪等の自然水が一旦自然水貯留槽に貯留される。一方、水道水は水道水貯留槽に貯留される。自然水貯留槽には自然水排水路が結合され、また水道水貯留槽には水道水排水路が結合される。自然水排水路と水道水排水路とは流路切替装置に結合されている。そして自然水貯留槽に貯留された自然水は自然水配水路を通じて流路切替装置に至り、また水道水貯留槽に貯留された水道水は水道水排水路を通じて流路切替装置に至る。そして流路切替装置により自然水が水道水よりも優先して外部に排出される。この流路切替装置に配水路が結合されていると、配水路に排出された自然水が水道水以外の用途、例えば洗車用の洗浄水として、トイレの汚物押し出し洗浄水として、庭園散水用の散水として等に使用される。一方、自然水貯留槽への自然水の供給がないままに自然水が前記のようにして消費される結果、自然水貯留槽内の自然水が所定の量以下になると、流路切替装置により、水道水貯留槽内の水道水が水道水排出路を通じて外部に排出され、配水路を通じてその水道水が前記用途に供される。自然水が自然水貯留槽内に供給されない期間中は、水道水貯留槽内に貯留されている水道水が前記用途に供されているのであるが、降雨又は降雪により自然水貯留槽に自然水が貯留されると、前述したのと同様に水道水貯留槽内の水道水に優先して自然水貯留槽に貯留されている自然水が前記用途に提供される。
また前記配水路に切替弁を介して水浄化装置が接続されていると、自然水が配水路に供給される場合に、浄水が必要なときには、切替弁を介して自然水が水浄化装置に供給される。水浄化装置により自然水が浄化され、浄化された自然水が飲料用に提供されることができる。
なお、この発明においては自然水として、降雨水、降雪による水、河川湖沼の水を挙げることができる。
結局のところ、自然水貯留槽に貯留される水の量は、自然界から供給される自然水の量から自然水の消費量を差し引いた残り分だけである。そして、残り分が所定の値になると水道水が前記用途に提供されることになる。
したがって、この発明によると、自然水が自然水貯留槽に貯留されるとその自然水を水道水以外の用途に直ちに有効利用することができ、自然水貯留槽に貯留される自然水が所定の値に達すると水道水が前記用途に利用されるのであるから、自然水が利用されている分だけ水道水の節約になって、水道水使用のコストを低減することができる自然水有効利用装置が提供される。また、水浄化装置を有することにより、自然水を飲料用に使用することのできる自然水有効利用装置が提供される。
この発明の一実施例である自然水有効利用装置を図1に示す。図1に示されるように、自然水有効利用装置Aは、自然水貯留槽1と水道水貯留槽2と流路切替装置3と自然水移送第1排水路4Aと自然水移送第2排水路4Bと移送排水路5と配水路6と切替弁7と水浄化装置8とを備える。
自然水貯留槽1は、降雨又は降雪に由来する水を貯留するように形成される。この自然水有効利用装置Aが一般的な家屋、ビル、工場等に設置される場合、家屋の屋根並びにビル及び工場の屋上又は屋根に降った雨、又は降雪した雪の融解水を集約して貯留することができるように、自然水貯留槽1が形成される。更に具体的には、例えば一般家屋の屋根に設けられた樋14の末端をこの自然水貯留槽1に結合することにより、自然水が自然的に貯留されるようにこの自然水貯留槽1が形成される。
この自然水貯留槽1の貯留容積は、この自然水有効利用装置Aを設置する地域における降雨量及び降雪量等を勘案して適宜に決定される。更に言うと、雨が降った場合に、屋根から集約された雨水がこの自然水貯留槽1から溢れ出さないように余裕を有する貯留容積を有するように自然水貯留槽1を設計するのが好ましい。もっとも、この自然水貯留槽1の規模及び設置面積の関係から自然水貯留槽1の内容積を十分な大きさに設計することができないときには、この自然水貯留槽1に収容された自然水の量よりもはるかに大きな降雨量があるときには、自然水貯留槽1から余分の自然水を溢流させて排出するようにこの自然水貯留槽1を設計することもできる。
この自然水貯留槽1の形状及び大きさについては、この自然水有効利用装置Aをどのようなところに設置するかにより、適宜に決定される。後述するようにこの自然水貯留槽1を水道水貯留槽2よりも高い位置に設置することを要するときには、この自然水貯留槽1を家屋の屋根の上、ビルの屋上、工場の屋上又は屋根の上に設置してもよく、また、家屋、ビル、工場等の外壁に沿わせて設置してもよい。
この自然水貯留槽1には、自然水貯留槽1内に貯留される自然水が所定の量に達するとその量を超えて自然水貯留槽1に供給される自然水が水道水貯留槽2に移送することのできる自然水移送第1排水路4Aが取り付けられる。前記自然水移送第1排水路4Aは、フレキシブルチューブで形成されるのが、好ましい。フレキシブルチューブで自然水移送第1排水路4Aが形成されていると、この自然水有効利用装置Aを配設する部位、場所に応じて自然水移送第1排水路4Aを自在に配設することができるので、好ましい。
前記水道水貯留槽2は、所定量の水道水を貯留することができるように設計することができる。この水道水貯留槽2は水道管9が結合されることにより、この水道管9から水道水貯留槽2内に水道水が供給される。この水道管9には、水道水貯留槽2の近傍に開閉弁10が取り付けられる。この開閉弁10は、常時は水道管9を開放状態にしておいて水道水貯留槽2に水道水が供給可能な状態となっているが、水道水貯留槽2内に貯留される水道水の量が所定の値に達すると水道管9を閉鎖状態にして水道水貯留槽2への水道水の供給を停止することとなるように、制御される。水道水貯留槽2には、前記開閉弁10を制御する開閉弁制御装置11が取り付けられる。開閉弁制御装置11は、水道水貯留槽2内の水道水の量を一定量にすることができるように、開閉弁10の開閉動作を制御する。この開閉弁制御装置11は、例えば、水道水貯留槽2内に貯留される水道水の液面を検出する液面検出手段例えばフロート12と、このフロート12により検出された水道水の液面が所定の位置より下にあると前記開閉弁10を開放状態にし、前記液面が所定の位置にあると前記開閉弁10を閉鎖状態になるように前記開閉弁10の動作を制御する。
この水道水貯留槽2の内容積は特に制限がないのであるが、前記自然水貯留槽1内から溢流する自然水を受けて貯留することができ、また、この自然水有効利用装置Aを必要とする施設例えば一般家庭、ビル及び工場等で必要とされる水需要に応答することのできる水を貯留することができるに十分な内容積を有していることが、好ましい。
前記自然水貯留槽1には、自然水貯留槽1内に貯留される自然水を流路切替装置3に移送する自然水移送第2排水路4Bが接続される。また、前記水道水貯留槽2に、この水道水貯留槽2に貯留されている水、正確には水道水又は水道水と自然水との混合水を前記流路切替装置3に移送する水移送排水路5が接続される。
自然水移送第2排水路4B及び水移送排水路5それぞれは、フレキシブルチューブで形成されるのが、好ましい。フレキシブルチューブで自然水移送第2排水路4B及び水移送排水路5それぞれが形成されていると、この自然水有効利用装置Aを配設する部位、場所に応じて自然水移送第2排水路4B及び水移送排水路5それぞれを自在に配設することができるので、好ましい。
この流路切替装置3には、さらに配水路6が接続される。この流路切替装置3は、自然水貯留槽1内に貯留されている自然水を、水道水貯留槽2に貯留されている水よりも優先して、配水路6に流出させることができるように形成される。例えばこの流路切替装置3は、自然水移送第2排水路3の先端部に設けられた第1ボール弁と移送配水路5の先端部に設けられた第2ボール弁とを備え、自然水移送第2排水路3の先端部における排水の圧力が移送配水路5の先端部における排水の圧力よりも大きい場合に、第1ボール弁が開放状態となるとともに第2ボール弁が閉鎖状態となり、移送配水路5の先端部における排水の圧力が自然水移送第2排水路3の先端部における排水の圧力よりも大きい場合には、第1ボール弁が閉鎖状態になるとともに第2ボール弁が開放状態となるように形成する。このような機能を奏することができるようにするために、前記流路切替装置3を第1ボール弁及び第2ボール弁からなる簡単な構成にするのであれば自然水貯留槽1の配設位置を水道水貯留槽2の配設位置よりも高くするのが良い。自然水貯留槽1の配設位置が水道水貯留槽2の配設位置よりも高いと、自然水貯留槽1内に自然水が貯留されている限り、自然水貯留槽1内の自然水の液面高さによる水圧H2が水道水貯留槽2内の水道水の液面高さによる水圧H1よりも大きいから、自然水貯留槽1内の自然水が水道水貯留槽2内の水道水よりも優先して有効利用されることになる。
前記流路切替装置3には、配水路6が接続される。この配水路6は、飲料以外の用途に自然水及び水道水を使用する場合にそのような用途必要部署に自然水及び水道水を供給するラインとなる。飲料以外の用途としては、既述したように、洗車用水、散水、トイレ用水等を挙げることができる。
前記配水路6の途中に切替弁7を介装させ、この切替弁7により切り替えられた流路が水浄化装置8に接続される。この水浄化装置8は、自然水を飲料にすることができる程度に浄化する能力があれば様々の構成を採用することができる。
水浄化装置8の一例として、例えば前記切替弁7側から供給される水が導入されて例えば1〜10μmの固形分を除去することのできるプレフィルターと、このプレフィルターから排出される一次処理水が導入されて臭気等を除去する活性炭フィルターと、この活性炭フィルターから排出される二次処理水が導入されてこの二次処理水中のエンドトキシン成分等を除去することのできる中空糸膜浄化器とを組み合わせて成る簡易浄化装置を上げることができる。
なお、中空糸膜浄化器における中空糸としては、例えばポリアリレート樹脂とポリエーテルスルホン樹脂とを組み合わせて形成されたポリマーアロイで形成されるポリマーアロイ製の中空糸が好ましい。このようなプレフィルター、活性炭フィルター及び中空糸膜浄化器の組み合わせからなる水浄化装置8は、湖沼河川の水、雨水、降雪が融解した水等を飲料用にまで十分に浄化することができる。
もっとも、この発明においては、前記水浄化装置8は、前記プレフィルター、活性炭フィルター及び中空糸膜浄化器の組み合わせに限定されるものではない。
次に、前記構成を有する自然水有効利用装置Aの作用について説明する。
この自然水有効利用装置Aが例えば一般家庭の家屋に設置されている場合を想定する。降雨又は降雪すると雨水又は降雪融解水が例えば樋を通じて自然水貯留槽1に貯留される。一方、水道管9を通じて水道水貯留槽2に水道水が供給される。水道水貯留槽2内には所定量の水道水が貯留される。所定量の水道水が貯留されると、開閉弁制御装置11によって開閉弁10が閉鎖状態にされて、それ以上に水道水が水道水貯留槽2に水道水が貯留されなくなる。
降雨又は降雪等により自然水貯留槽1内に所定量の自然水が貯留されるまでは、自然水排水第2排水路4Bの先端における自然水の圧力が、水道水貯留槽2に所定量の水道水が貯留されているときの水道水排水路5の先端における水道水の圧力が大きいので、流路切替装置3においては、第1ボール弁が閉鎖状態にされている。そして第2ボール弁が開放状態になっているので、非飲料用として専ら水道水貯留槽2内の水道水が配水管6を通じて使用されることになる。
自然水貯留槽1内に所定量の自然水が貯留され、更に自然水が自然水貯留槽1内に供給される場合には、自然水移送第1排水路4Aを通じて水道水貯留槽2に、溢流する自然水が供給される。なお、したがって、この水道水貯留槽2に、自然水貯留槽1から溢流する自然水が供給されるから、自然水貯留槽1の内容積及び貯留するべき所定量の自然水の容積を考慮しつつ、この水道水貯留槽2の内容積を決定するのが、好適である。
自然水貯留槽1内に所定量の自然水が貯留されると、自然水貯留槽1内の自然水の水圧により、第1ボール弁が開放状態になり、第2ボール弁が閉鎖状態になる。自然水貯留槽1内に貯留されている自然水が自然水移送第2排水路4B、流路切替装置3及び配水管6を通じて洗車用水として、又はトイレ用水として、又はその他の非飲料用水として使用される。
自然水貯留槽1内の自然水が使用され尽くしてしまうと、水道水貯留槽2内に貯留されている水道水の圧力が相対的に高まるので、流路切替装置3においては、第2ボール弁が開放状態になり、一方、第1ボール弁が閉鎖状態となる。そうすると、水道水貯留槽2に貯留されていた水道水が、水移送排水路5を通じて、かつ流路切替装置3を介して、配水管6に供給される。配水管6に供給された水道水は、非飲料に使用される。
水道水貯留槽2内の水道水が消費されてその容積を減じると、液面の低下を検出するフロート12により開閉弁動作制御装置13が動作指令信号を出力して、開閉弁10を開放状態にする。開閉弁10が開放状態になると、水道管9から水道水貯留槽内に水道水が供給される。水道水を供給することによことにより水道水貯留槽2内の液面が上昇する。所定の位置に液面が到達すると、その液面位置をフロート12が検知し、開閉弁動作制御装置13が動作して開閉弁10が閉鎖状態となる。開閉弁10が閉鎖状態となることにより、水道水貯留槽2内の水道水が溢れ出したりすることがない。
かくして時間が経過するうちに降雨又は降雪等があると、自然水貯留槽1内に自然水が貯留される。そして前述した動作に従って貯留された自然水が非飲料用として使用されることになる。
またある場合、例えば地震等の災害が発生する場合には、上水道設備の損壊等により水道水が家庭に供給されないことがある。そのような場合、この自然水有効利用装置Aは、その機能及び効用を発揮することができる。すなわち、自然水貯留槽1内に貯留されている自然水を、切替弁7を切り替えることにより水浄化装置8に供給する。そうすることにより、自然水が水浄化装置8により浄化されて飲料用水が製造される。なお、災害時の緊急飲料製造装置として使用するのであれば、一端を湖沼河川に浸漬するとともに他端を前記自然水貯留槽1に結合する所定長さの移送路例えばチューブと、その移送路に介装された吸引吐出ポンプとを、前記自然水有効利用装置Aに付加するのが良い。
なお、図1に示される配水路6の途中にポンプを介装していないようになっているが、配水路6の途中にポンプを必要に応じて介装することができるのは、言うまでもない。
図1に示される自然水有効利用装置Aは、
(1)降雨及び降雪等に由来する自然水をそのまま廃棄してしまうのではなく、非飲料に利用するので、自然水を有効利用することができ、
(2)自然水が自然水貯留槽1内に貯留されているときにはときには、水道水を非飲料用水に使用しないのであるから、水道水を非飲料用水に使用することによる無駄をなくすることができ、(3)自然水貯留槽に貯留されている自然水及び水道水貯留槽に貯留されている水道水のいずれか又は両方を常に非飲料用水として使用することができるので、途切れなく非飲料用水を確保することができ、(4)また、水浄化装置を付帯するときには、災害時の緊急飲料確保に応じることができる、という優れた技術的効果が奏される。
(1)降雨及び降雪等に由来する自然水をそのまま廃棄してしまうのではなく、非飲料に利用するので、自然水を有効利用することができ、
(2)自然水が自然水貯留槽1内に貯留されているときにはときには、水道水を非飲料用水に使用しないのであるから、水道水を非飲料用水に使用することによる無駄をなくすることができ、(3)自然水貯留槽に貯留されている自然水及び水道水貯留槽に貯留されている水道水のいずれか又は両方を常に非飲料用水として使用することができるので、途切れなく非飲料用水を確保することができ、(4)また、水浄化装置を付帯するときには、災害時の緊急飲料確保に応じることができる、という優れた技術的効果が奏される。
次に、この発明の他の例を図2に示す。
図2に示されるように、この発明の他の例である自然水有効利用装置Bは、自然水貯留槽1と水道水貯留槽2と流路切替装置3Aと自然水移送第1排水路4Aと自然水移送第2排水路4Bと移送排水路5と配水路6と切替弁7と水浄化装置8とを備える。
前記自然水貯留槽1は、前記自然水有効利用装置Aにおける自然水貯留槽1と同様の構成を有するのであるが、自然水貯留槽1の内部に、貯留される自然水の上限液面を検出する液面第1検出器20Aと自然水の下限液面を検出する液面第2検出器20Bとを備え、また、自然水貯留槽1内に貯留された自然水が前記液面第1検出器20Aで検出される液面以上になったときにその液面以上の自然水を隣接する水道水貯留槽2に移送する自然水移送第1排水路4Aを接続する。
前記液面第1検出器20Aは、自然水貯留槽1内に貯留される自然水の最大貯留量のときの自然水の液面位置を検出し、液面第2検出器20Bは、自然水貯留槽1内に貯留される自然水の最小貯留量のときの自然水の液面位置を検出し、それぞれ検出信号を出力する。
この自然水貯留槽1は、前記自然水有効利用装置Aにおけるのと同様に、自然水貯留槽1内の自然水を流路切替装置3Aに移送する自然水移送第御2排水路4Bを結合する。なお、この自然水貯留槽1には、前記自然水有効利用装置Aにおけるのと同様に、例えば一般家屋の屋根に設けられた樋14の末端が結合され、これによって、自然水が自然的にこの自然水貯留槽1内に貯留されるように成っている。
前記自然水移送第1排水路4A及び自然水第2排水路4Bそれぞれは、フレキシブルチューブで形成されるのが、好ましい。フレキシブルチューブで自然水移送第1排水路4A及び自然水移送第2排水路4Bが形成されていると、この自然水有効利用装置Aを配設する部位、場所に応じて自然水移送第1排水路4A及び自然水移送第2排水路4Bを自在に配設することができるので、好ましい。
前記水道水貯留槽2は、前記自然水有効利用装置Aにおける水道水貯留槽2の構造と同様であるが、フロート12を利用しないで形成される液面検出手段例えば液面計21を備える。
この水道水貯留槽2は水道管9が結合されることにより、この水道管9から水道水貯留槽2内に水道水が供給される。この水道管9には、水道水貯留槽2の近傍に開閉弁10が取り付けられる。この開閉弁10は、常時は水道管9を開放状態にしておいて水道水貯留槽2に水道水が供給可能な状態となっているが、水道水貯留槽2内に貯留される水道水の量が所定の値に達すると水道管9を閉鎖状態にして水道水貯留槽2への水道水の供給を停止することとなるように、制御される。水道水貯留槽2には、前記開閉弁10を制御する開閉弁制御装置11Aが取り付けられる。開閉弁制御装置11Aは、水道水貯留槽2内の水道水の量を一定量にすることができるように、開閉弁10の開閉動作を制御する。この開閉弁制御装置11Aは、水道水貯留槽2内に貯留される水道水の液面を検出する前記液面計21から出力される検出信号を入力することにより、検出された水道水の液面が所定の位置より下にあると前記開閉弁10を開放状態にし、前記液面が所定の位置にあると前記開閉弁10を閉鎖状態になるように前記開閉弁10の動作を制御する。
前記水道水貯留槽2に、この水道水貯留槽2に貯留されている水、正確には水道水又は水道水と自然水との混合水を前記流路切替装置3に移送する水移送排水路5が、接続される。
水移送排水路5は、フレキシブルチューブで形成されるのが、好ましい。フレキシブルチューブで水移送排水路5それぞれが形成されていると、この自然水有効利用装置Bを配設する部位、場所に応じて水移送排水路5を自在に配設することができるので、好ましい。
この流路切替装置3Aには、さらに配水路6が接続される。この流路切替装置3Aは、自然水貯留槽1内に貯留されている自然水を、水道水貯留槽2に貯留されている水よりも優先して、配水路6に流出させることができるように動作する。
このような動作を流路切替装置3Aが行うために、切替制御装置22がこの自然水有効利用装置Bに設けられる。この切替制御装置22は、前記液面第1検出器20Aから出力される信号に応じて流路切替装置3Aを、自然水移送第2排出路4Bと配水路6とを開状態にするとともに水移送排水路5と配水路6とを閉状態にし、また自然水移送第2排出路4Bと配水路6とを閉状態にするとともに水移送排水路5と配水路6とを開状態にする。また、この切替制御装置22は、前記液面第2検出器20Bから出力される信号に応じて流路切替装置3Aを、自然水移送第2排出路4Bと配水路6とを閉鎖状態にするとともに水移送排水路5と配水路6とを開放状態にする。
配水路6中にはポンプPが介装され、配水路6の先にある各所例えば洗車場、トイレ、庭園散水場等に自然水又は水道水が送出されるようになっている。
また、前記自然水有効利用装置Aと同様に、前記配水路6の途中に切替弁7を介装させ、この切替弁7により切り替えられた流路が水浄化装置8に接続される。この水浄化装置8は、自然水を飲料にすることができる程度に浄化する能力があれば様々の構成を採用することができる。
次に、前記構成を有する自然水有効利用装置Bの作用について説明する。
この自然水有効利用装置Bが例えば一般家庭の家屋に設置されている場合を想定する。降雨又は降雪すると雨水又は降雪融解水が例えば樋14を通じて自然水貯留槽1に貯留される。一方、水道管9を通じて水道水貯留槽2に水道水が供給される。水道水貯留槽2内には所定量の水道水が貯留される。所定量の水道水が貯留されると、開閉弁制御装置11Aによって開閉弁10が閉鎖状態にされて、それ以上に水道水が水道水貯留槽2に水道水が貯留されなくなる。
降雨又は降雪等により自然水貯留槽1内に所定量の自然水が貯留されるまでは、液面第1検出器20Aが液面を検出しないので、切替制御装置22は自然水移送第2排水路4Bと配水路6を閉鎖状態となるように、また移送排水路5と配送路6とを開状態つまり流通状態となるように、流路切替装置3Aを制御する。したがって、水道水貯留槽2内に貯留された水道水が配送路6に流入可能になっている。配送路6に流入した水道水は、ポンプPにより、所定の部署に水道水を配水される。
自然水貯留槽1内に所定量の自然水が貯留されると、液面第1検出器20Aが液面を検出することにより検出信号を切替制御装置22に出力する。検出信号を入力した切替制御装置22は、流路切替装置3Aを、自然水移送第2排水路4Bと配水路6とが開放状態つまり流通状態となるように、また移送排水路5と配送路6とを閉鎖状態になるように、制御する。そうすると、自然水貯留槽1内に貯留されている自然水が、自然水移送第2排水路4B、及び流路切替装置3Aを通じて配送路6に流入する。配送路6に流入した自然水は、ポンプPにより、所定の部署に水道水を配水される。
このような状態下において、自然水移送第2排水路4Bで排出される自然水の量よりも、樋14を通じて自然水貯留槽1に供給される自然水の量が多いときには、自然水貯留槽1内に貯留される自然水の量が増加していく。このような場合、増加した自然水は、自然水移送第1排水路4Aを通じて水道水貯留槽2に移送され、これによって自然水貯留槽1から自然水が溢れ出すことはない。なお、したがって、この水道水貯留槽2に、自然水貯留槽1から溢流する自然水が供給されるから、自然水貯留槽1の内容積及び貯留するべき所定量の自然水の容積を考慮しつつ、この水道水貯留槽2の内容積を決定するのが、好適である。
自然水貯留槽1内の自然水の量が減少して液面第2検出器20Bが液面を検知すると、液面第2検出器20Bから出力される検知信号を入力する切替制御装置22は、制御信号を出力して流路切替装置3Aを動作させて自然水移送第2排水路4Bと配水路6とが閉鎖状態になるように、また移送排水路5と配送路6とを開放状態になるように、制御する。そうすることにより、水道水貯留槽2内の水道水が配水路6に供給される。
水道水貯留槽2内の水道水の量が減少すると、液面計21から出力される検知信号が開閉弁制御装置11Aに入力される。開閉弁制御装置11Aは制御信号を開閉弁10に出力することにより、開閉弁10を開放状態つまり流通状態にする。水道管9から水道水貯留槽2に水道水が供給される。水道水が供給されることによことにより水道水貯留槽2内の液面が上昇する。所定の位置に液面が到達すると、その液面位置を液面計21が検出し、開閉弁制御装置11Aが制御信号を出力して開閉弁10が閉鎖状態となる。開閉弁10が閉鎖状態となることにより、水道水貯留槽2内の水道水が溢れ出したりすることがない。
かくして時間が経過するうちに降雨又は降雪等があると、自然水貯留槽1内に自然水が貯留される。そして前述した動作に従って貯留された自然水が非飲料用として使用されることになる。
またある場合、例えば地震等の災害が発生する場合には、上水道設備の損壊等により水道水が家庭に供給されないことがある。そのような場合、この自然水有効利用装置Bは、その機能及び効用を発揮することができる。すなわち、自然水貯留槽1内に貯留されている自然水を、切替弁7を切り替えることにより水浄化装置8に供給する。そうすることにより、自然水が水浄化装置8により浄化されて飲料用水が製造される。なお、災害時の緊急飲料製造装置として使用するのであれば、一端を湖沼河川に浸漬するとともに他端を前記自然水貯留槽1に結合する所定長さの移送路例えばチューブと、その移送路に介装された吸引吐出ポンプとを、前記自然水有効利用装置Bに付加するのが良い。
図2に示される自然水有効利用装置Bは、前記自然水有効利用装置Aと同様の技術的効果を奏する外に、自然水貯留槽1を水道水貯留槽2よりも高い位置に設置する必要がなく、同じ水平面上に自然水貯留槽1と水道水貯留槽2とを並列して配置することができるので、自然水有効利用装置Bの設置を容易な作業により行うことができる。
また、前記自然水有効利用装置A及び自然水有効利用装置Bは、具体的には、以下のようにして利用されることができる。図3に示されるように、家屋30の屋根に対建造物散水装置の一例である散水管31が固定されている。この散水管31には、前記自然水有効利用装置A及び自然水有効利用装置Bにおける配水路6が接続されている。
図4に示されるように、散水管31は、管状部材に複数の噴出孔31Aが形成されてなる。配水路6から散水管31に供給された自然水等が噴出孔31Aから家屋30の屋根等に放出されることとなる。このようにすれば、例えば、近隣の家屋で火災が発生したときでも、当該家屋の屋根部分に自然水等を放出しておくことにより、延焼の防止を図ることができる。また、夏季の暑いときに、散水管31から自然水等を屋根に放出しておくことにより、冷涼の効果を奏することができる。
なお、散水管31は、家屋30の屋根に固定されているが、これに限定されず、外壁、庭等に固定してもよい。また、対建造物散水装置の一例として、図3及び図4に示されるような散水管31を挙げたが、これに限られず、スプリンクラー等を挙げることができる。
以上においてこの発明の一例を説明したが、この発明は前記例に限定されるものではないことは、言うまでもない。
A,B 自然水有効利用装置
1 自然水貯留槽
2 水道水貯留槽
3 流路切替装置
3A 流路切替装置
4A 自然水移送第1排水路
4B 自然水移送第2排水路
5 移送排水路
6 配水路
7 切替弁
8 水浄化装置
9 水道管
10 開閉弁
11 開閉弁制御装置
11A 開閉弁制御装置
12 フロート
14 樋
20A 液面第1検出器
20B 液面第2検出器
21 液面計
22 切替制御装置
30 家屋
31 散水管
31A 噴出孔
1 自然水貯留槽
2 水道水貯留槽
3 流路切替装置
3A 流路切替装置
4A 自然水移送第1排水路
4B 自然水移送第2排水路
5 移送排水路
6 配水路
7 切替弁
8 水浄化装置
9 水道管
10 開閉弁
11 開閉弁制御装置
11A 開閉弁制御装置
12 フロート
14 樋
20A 液面第1検出器
20B 液面第2検出器
21 液面計
22 切替制御装置
30 家屋
31 散水管
31A 噴出孔
Claims (5)
- 自然水を貯留する自然水貯留槽と、水道水を貯留する水道水貯留槽と、前記自然水貯留槽内の自然水を排水する自然水排水路と、前記水道水貯留槽内に貯留される水道水を排水する水道水排水路と、前記自然水貯留槽内に自然水が貯留されているときには前記自然水排水路から自然水が排出されるが前記水道水貯留槽内に貯留される水道水が排出されず、前記自然水貯留槽内に貯留される自然水が所定量以下に貯留されるときには前記自然水排水路から自然水が排出されずに前記水道水排水路から水道水が排出される流路切替装置とを備えて成ることを特徴とする自然水有効利用装置。
- 前記流路切替装置は、この流路切替装置により切り替えられた流路から排出される自然水又は水道水を飲料以外の用途に供する配水路を接続する前記請求項1に記載の自然水有効利用装置。
- 前記配水路は、この配水路に切替弁を介して接続される水浄化装置を接続することを特徴とする前記請求項2に記載の自然水有効利用装置。
- 前記配水路は、前記切替弁を介して接続される対建造物散水装置を接続することを特徴とする前記請求項3に記載の自然水有効利用装置。
- 前記自然水排水路は、フレキシブルチューブで形成されてなることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の自然水有効利用装置。
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---|---|---|---|---|
JP2013091910A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-16 | Aquavend Japan Inc | 水供給システム |
Citations (4)
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JPH0344844Y2 (ja) * | 1988-07-30 | 1991-09-20 | ||
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JP2002030703A (ja) * | 2000-07-17 | 2002-01-31 | Sekisui House Ltd | 住宅の水循環構造 |
-
2005
- 2005-09-02 JP JP2005254813A patent/JP2006226097A/ja active Pending
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