JP2006225338A - パウダースプレー化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肌にさらさら感を確保したまま、かさつきがなくなめらかな感触を付与することができ、更に肌のさらさら感やなめらかさの持続性に優れたパウダースプレー化粧料の提供。
【解決手段】 圧縮強度が0.7〜10kgf/mm2である架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有するパウダースプレー化粧料
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のゴム弾性を有する架橋樹脂粉体を含有するパウダースプレー化粧料に関する。
粉体を含有する化粧料としては、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料のほかに、ボディーパウダー、ベビーパウダー、ボディーローション等のボディ用化粧料、フェイスローション、プレシェーブローション等のローション製剤などが市販されている。これらボディ用化粧料やローション製剤において、粉体は、肌上での伸びや感触の向上、皺隠し効果などの機能付与を目的として使用される。例えば、シリカ、タルク等の無機粉体、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン等からなる樹脂粉体が挙げられる。しかしながら、これらの粉体材料は、その種類に応じた特徴を有するものの、ソフトな感触やなめらかな感触を付与するという点では不十分である。
特許文献1〜3には、圧縮強度が0.05〜0.6kgf/mm2の架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子を含有する外用剤が開示されている。このような粒子は良好な伸びと感触を有するが、まだ満足できるものではなく、より一層優れた伸び、なめらかさ、ソフト感などの感触を併せ持つ粒子が求められている。
特開2000−186017号公報 特開2000−302624号公報 特開2002−265529号公報
シリカやタルク等の無機粉体や樹脂粉体を配合したパウダースプレー化粧料においては、それを肌に適用した場合、粉体によって肌の滑りは発現するものの、粉体特有のかさついた感触が残り、自然な肌感触ではなかった。それらの粉体を塗布することで汗のべたつきはある程度解決できたが、肌状態が悪い場合や冬季などの乾燥した時期は逆に嫌われる感触であった。また特に制汗剤を配合した場合は更にカサカサした感じが強くなり好まれない感触となった。
従って、本発明の課題は、肌にさらさら感を確保したまま、かさつきがなくなめらかな感触を付与することができ、更に肌のさらさら感やなめらかさの持続性に優れたパウダースプレー化粧料を提供することである。
本発明は、圧縮強度が0.7〜10kgf/mm2である架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有するパウダースプレー化粧料を提供する。
本発明のパウダースプレー化粧料は、肌にさらさら感を確保したまま、かさつかずなめらかな感触を付与することができ、更に肌のさらさら感やなめらかさの持続性にも優れている。
パウダースプレー化粧料とは、粉末成分を主体とするエアゾール形態のスプレー製品であり、内容液を噴射剤により噴霧することで皮膚上に粉末成分を適用して、噴霧部位にドライ感、清涼感、滑らか感等の感触を与えることができる。パウダースプレー化粧料は、一般に、粉末成分を含有するジェル状または乳液状の化粧料と比較して、ドライ感の発現に優れる。
[架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体]
本発明に用いられる架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体は、十分なさらさら感及びなめらかさを得る観点から、圧縮強度が0.7〜10kgf/mm2であり、特に2〜8kgf/mm2が好ましい。
ここで、圧縮強度とは、樹脂粒子を(株)島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて圧縮試験を行った場合に、粒子径の10%変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出される値である。なお、圧縮強度は25℃で測定する。
圧縮強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}
樹脂粒子の圧縮強度は、樹脂粒子を構成する単量体と架橋剤の種類と配合量を制御することにより、適宜調節することができる。
本発明で用いられる架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種の単量体(以下(メタ)アクリル酸エステル単量体という)とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体が好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を含む概念である。
本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルが特に好ましい。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分(後述の架橋性単量体も含む。以下同様)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合は、30〜98質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。
本発明で用いられるカルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分中のカルボキシル基を有する単量体の割合は、粉体の合着を抑制し、良好な粉体の感触(なめらかさ、さらさら感)を得る観点から、0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体に含有されるカルボキシル基の一部は中和されていてもよい。中和のための塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基が好ましいが、アミン類、アルカノールアミン類、塩基性アミノ酸等の有機塩基も用いることができる。粉体のなめらかさとさらさら感をより向上させる観点から、中和度は1〜30%が好ましく、1〜20%が特に好ましい。ここで中和度とはカルボキシル基を有する単量体のカルボキシル基のモル数に対する、添加された塩基のモル数の比を百分率で表したものである。
単量体成分は架橋剤として、ビニル基を2個以上有する架橋性単量体を含むことが好ましい。このような架橋性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの架橋性単量体の中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートが、皮膚刺激が低いため、パウダースプレー化粧料として用いるのに特に適している。これらの架橋性単量体は、全単量体成分に対し、3〜50質量%となるように使用するのが好ましい。
単量体成分として、上記(メタ)アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体以外に、これらと共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体として、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙げられる。
架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体は、例えば上記の(メタ)アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体を含む単量体成分を、分散剤、重合開始剤等を用いて水性懸濁重合、乳化重合、シード重合、分散重合等により重合することで得ることができる。この内、球状で粒径のそろった樹脂粉体が得やすいという観点から、水性懸濁重合法が好ましい。
水性懸濁重合は、単量体を含む油相と水相を混合した後、撹拌しながら昇温して行われる。この際、界面活性剤を分散剤として用いる。界面活性剤の使用量は、全単量体成分100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。
ここに、界面活性剤としては、スルホン酸(塩)基を有するものが好ましい。これにより、更になめらかでさらさら感を持つ樹脂粉体を得ることができる。
スルホン酸(塩)基を有する界面活性剤としては、特開2003−146826号公報段落番号0032〜0036に記載されているものなどが挙げられる。中でも、炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜25モルのアルキレンオキサイドを付加していてもよいアルキル又はアルケニルエーテルスルホン酸又はその塩、及び炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基を有するアシル化タウリン又はその塩が好ましく、下記一般式(I)で表されるアシル化タウリン(塩)が特に好ましい。
1CONR2CH2CH2SO3M (I)
[式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基、R2は水素原子又はメチル基、Mは水素原子又はカチオンを示す。]
一般式(I)において、R1としては、炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体例としては、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル等が挙げられる。また、アルキル基又はアルケニル基の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。
Mで示されるカチオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニルアミン、総炭素数1〜22のアルカノールアミン、塩基性アミノ酸塩等のカチオンが挙げられ、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
重合に用いられる重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などの油溶性アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の添加量は、全単量体成分に対し0.1〜10質量%が好ましい。
重合温度や重合時間は特に限定されるものではないが、重合温度は40〜100℃、重合時間は1〜15時間が好ましい。
本発明の樹脂粉体の形状は、皮膚上での感触が良好であることから、球状体が好ましい。また、平均粒径は、きしみ感を低減するという観点から、1μm以上が好ましく、1.5μm以上が更に好ましく、2μm以上が特に好ましい。一方、ざらつきを抑え、更に皮膚定着性を向上させる観点から、10μm以下が好ましく、8μm以下が更に好ましく、6μm以下が特に好ましい。
尚、平均粒径は、レーザー回折型粒径分布測定装置(例えば、堀場製作所製 LA−920)を用い、粉体の水懸濁液を20℃において相対屈折率1.1にて重量平均粒径を測定することで求めることができる。
[パウダースプレー化粧料]
本発明のパウダースプレー化粧料は、前記の架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有することを特徴とする。
本発明のパウダースプレー化粧料中の架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体の含有量は、肌に良好なさらさら感を与えながら且つ肌を白くさせない観点から、噴射剤を含むパウダースプレー全量中に0.05〜25質量%が好ましく、0.1〜20質量%が更に好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
本発明のパウダースプレー化粧料は、必要により油剤を含有することができる。油剤としては、シリコーン油、炭化水素類、エステル油、脂肪族アルコール類、エーテル油、分岐脂肪酸類等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体等のポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、長鎖アルキル変性ポリシロキサン等が挙げられる。
炭化水素類としては、スクワラン、ワセリン、流動パラフィン等が挙げられる。エステル油としては、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸2−オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ラノリン、酢酸ラノリン、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ホホバ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、落花生油、タートル油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、卵黄油、ポリプロピレングリコールモノオレート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート、イソステアリン酸トリグリセライド、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド等が挙げられる。
脂肪族アルコール類としては、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。エーテル油としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル等が挙げられる。分岐脂肪酸類としては、イソステアリン酸等が挙げられる。
本発明のパウダースプレー化粧料中の油剤の含有量は、適度な油性感を与える観点から、噴射剤を含むパウダースプレー全量中に0.001〜30質量%が好ましく、0.01〜20質量%が更に好ましく、0.01〜10質量%が特に好ましい。
本発明のパウダースプレー化粧料は、制汗物質を含有することが好ましい。制汗物質としては、従来制汗作用を有するとされている物質であればいずれも使用でき、例えばハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハライド、ジルコニウムオキシハライド、ジルコニウムヒドロキシハライド等の、アルミニウムもしくはジルコニウムの収斂性塩又はこれらの収斂性錯体を単独もしくは混合して使用することができる。
本発明のパウダースプレー化粧料中の制汗物質の含有量は、良好な制汗作用を与えながら且つ肌を白くさせない観点から、噴射剤を含むパウダースプレー全量中に0.1〜25質量%が好ましく、0.2〜10質量%が更に好ましい。
また、本発明のパウダースプレー化粧料は、殺菌剤を含有することが好ましい。殺菌剤としては、3,4,4−トリクロロカルバアニリド、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、サリチル酸、ヘキサクロロフェン、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
本発明のパウダースプレー化粧料中の殺菌剤の含有量は、良好な殺菌効果という観点から、噴射剤を含むパウダースプレー全量中に0.001〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%が更に好ましい。
本発明のパウダースプレー化粧料には、更にエタノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等のアルコール類を配合することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、界面活性剤、保湿剤、制汗剤、殺菌剤、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、酸化防止剤、清涼剤、香料等を配合することもできる。
本発明のパウダースプレー化粧料は、上記各成分と適当な噴射剤とをエアゾ−ルバルブを備えた密封容器に充填することにより得られる。本発明で用いられる噴射剤は、通常エアゾール用噴射剤として用いられるものであれば何でもよいが、プロパン、ブタン、イソペンタン、等の液化石油ガス;ジクロロフルオロメタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、トリクロロモノフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル等の液化ガス;炭酸ガス、及び窒素ガス等の圧縮ガスが挙げられる。噴射剤の配合量は、本発明のパウダースプレー化粧料全量中45〜98質量%が好ましい。
本発明のパウダースプレー化粧料は、例えば、肌にスプレーすることにより、有効成分を肌に長時間残留させることができ、さらさら感、さらには持続的なさらさら感や、制汗・デオドラント効果等が期待できる。
例中の%は、特記しない限り質量%である。
製造例1
ビーカーにラウリルメタクリレート85g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させた。イオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.4μmになるまで分散させた。
4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Aを得た。
製造例2
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.5μmになるまで分散させた。
4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Bを得た。
製造例3
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.2μmになるまで分散させた。
4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Cを得た。
製造例4
製造例3において、重合した粒子の分散液に1N NaOH3.9gを滴下して中和を行った以外は、製造例3と同様にして樹脂粉体Cの中和品を得た。この樹脂粉体Cの中和品は、カルボキシル基の中和度が11.2%であった。
製造例1〜4で得られた樹脂粉体A、B、C及びCの中和品について、下記方法で圧縮強度及び平均粒径を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
<圧縮強度測定法>
樹脂粒子を、(株)島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて、29mgf/sの一定負荷速度で1gfの荷重まで圧縮試験を行い、粒子径の10%変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出した。10点の試料について測定を行い、その平均値をもって圧縮強度とした。
圧縮強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}。
<平均粒径測定法>
樹脂粉体を(株)堀場製作所レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(型番:LA920)にて、相対屈折率が1.10(樹脂粉体の屈折率を1.46、水の屈折率を1.33とする)の条件にて、粒径を測定した際のメジアン径を平均粒径とした。
Figure 2006225338
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に示す組成のパウダースプレー化粧料を調製し、この化粧料を専門パネラー5名が前腕部にスプレーし、以下の使用感の評価項目について、下記の通り評点をつけたときの5人の平均スコアを、下記基準でランクづけした。結果を表2に示す。
<評価項目>
・さらさら感
スコア4…さらさらする
スコア3…ややさらさらする
スコア2…余りさらさらしない
スコア1…さらさらしない
・かさつきの少なさ
スコア4…かさつかない
スコア3…余りかさつかない
スコア2…ややかさつく
スコア1…かさつく
・さらさら感の持続性(塗布1時間後)
スコア4…さらさら感が持続する
スコア3…さらさら感がやや持続する
スコア2…さらさら感が余り持続しない
スコア1…さらさら感が持続しない
<判定基準>
平均スコア3.5〜4.0…◎
平均スコア2.5〜3.4…○
平均スコア1.5〜2.4…△
平均スコア1.0〜1.4…×
Figure 2006225338
*1:メチルシロキサン網状重合体の粉体(信越化学工業(株)製、圧縮強度12kgf/mm2、平均粒径2μm)
*2:デカメチルシクロペンタシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製)。
実施例5
下記組成のパウダースプレー化粧料を調製した。得られたパウダースプレー化粧料は、さらさらし、かさつかず、また塗布1時間後もさらさら感が持続していた。
<組成>
樹脂粉体A 3.50%
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.00
ジメチルシリコーン(10cs) 0.10
KF−6015*1 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*2 0.30
制汗剤(ロクロンP*3) 2.00
イソプロピルメチルフェノール 0.02
香料 0.50
デカメチルシクロペンタシロキサン 0.53
噴射剤(LPG 0.15MPa・s) 90.00
合計 100.00
*1:ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 信越化学工業(株)製
*2:エマノーンCH−40 花王(株)製
*3:アルミニウムヒドロキシクロライド。
実施例6
下記組成のパウダースプレー化粧料を調製した。得られたパウダースプレー化粧料は、さらさらし、かさつかず、また塗布1時間後もさらさら感が持続していた。
<組成>
樹脂粉体Cの中和品 2.00%
パルミチン酸イソプロピル 3.00
オレイン酸 0.10
オウバクエキス 0.10
ジブチルヒドロキシトルエン 0.02
香料 0.03
SH3775M*1 0.10
トリクロサン 0.02
オクタメチルシクロテトラシロキサン 4.63
イソペンタン 10.00
噴射剤(LPG 0.25MPa・s) 80.00
合計 100.00
*1:ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製。
実施例7
下記組成のパウダースプレー化粧料を調製した。得られたパウダースプレー化粧料は、さらさらし、かさつかず、また塗布1時間後もさらさら感が持続していた。
<組成>
樹脂粉体Cの中和品 1.70%
制汗剤(ロクロンP*1) 1.00
ミリスチン酸イソプロピル 1.62
ジメチルシリコーン(10cs) 0.10
タルク 0.20
SH3775M*2 0.30
香料 0.05
ジブチルヒドロキシトルエン 0.02
トリクロサン 0.01
噴射剤(LPG 0.20MPa・s) 95.00
合計 100.00
*1:アルミニウムヒドロキシクロライド
*2:ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製

Claims (4)

  1. 圧縮強度が0.7〜10kgf/mm2である架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有するパウダースプレー化粧料。
  2. 架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種の単量体とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる請求項1記載のパウダースプレー化粧料。
  3. 樹脂粉体中のカルボキシル基の中和度が1〜30%である請求項2記載のパウダースプレー化粧料。
  4. 樹脂粉体の平均粒径が1〜10μmである、請求項1〜3いずれかに記載のパウダースプレー化粧料。
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