JP2006224739A - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両の動力源の始動前にパーキングブレーキを確実にブレーキ状態に移行させることのできる電動パーキングブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 電動パーキングブレーキ装置のECU22は、車両が停止状態か否かを検出する停車検出部46と、電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出するブレーキ検出部48、車両の動力源が始動されようとしているか否かを推定する始動推定部50と、停止状態の車両の電動パーキングブレーキが非ブレーキ状態で、車両の動力源始動が推定された場合、動力源始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるパーキングブレーキ制御部52を含む。
【選択図】 図2
【解決手段】 電動パーキングブレーキ装置のECU22は、車両が停止状態か否かを検出する停車検出部46と、電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出するブレーキ検出部48、車両の動力源が始動されようとしているか否かを推定する始動推定部50と、停止状態の車両の電動パーキングブレーキが非ブレーキ状態で、車両の動力源始動が推定された場合、動力源始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるパーキングブレーキ制御部52を含む。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電動パーキングブレーキ装置、特に、車両の動力源の始動前にパーキングブレーキを確実にブレーキ状態に移行させる電動パーキングブレーキ装置の改良に関する。
従来から車両の制動装置には、油圧を用いた常用油圧ブレーキ(サービスブレーキ)が搭載され、スムーズかつ安全な制動を行えるように構成されている。常用油圧ブレーキとして例えば、ディスクブレーキやドラムブレーキが用いられている。これらのブレーキシステムは、運転者がブレーキペダルを踏み込むことによりマスターシリンダを動作させ、所定の圧力がディスクブレーキやドラムブレーキのホイール内のシリンダに伝達され、ホイールと共に回転する制動装置の回転部材に摩擦部材を押圧して制動力を発生するものである。
一方、車両には、常用油圧ブレーキの他に、パーキングブレーキが搭載されている。パーキングブレーキの最も単純なものは、操作レバーを引くことによりワイヤを駆動し摩擦部材を動作させ、回転部材およびホイールの制動を行うものである。また、スイッチ操作などによりモータを駆動し、ワイヤの巻き上げ/巻き戻しを行う電動パーキングブレーキ装置も普及している。この電動パーキングブレーキ装置は、運転者のスイッチ操作などによる意図的な動作に加え、車両の状態を認識してブレーキ状態と非ブレーキ状態とを切り替えることができる。例えば、車両の停止状態が所定時間以上継続した場合に、自動的にパーキングブレーキをブレーキ状態にしたり、シフトレバーが走行レンジなどに移行したことを検出して、自動的にパーキングブレーキを非ブレーキ状態にするなどの制御も可能となる(例えば、特許文献1参照)。また、坂道発進で、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み換える時に、坂道をずり下がってしまうことを防止するために、一時的にパーキングブレーキをブレーキ状態にして、発進補助を行うことを可能にする電動パーキングブレーキ装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。その他、特許文献3、特許文献4、特許文献5などにも、電動パーキングブレーキ装置を用いた提案が行われている。
特開平7−144623号公報
特開2004−82996号公報
特開平8−150907号公報
特開2002−67932号公報
特開2004−75055号公報
電動パーキングブレーキ装置を用いた制御は、種々提案されているが、車両のインテリジェント化や操作の簡略化、自動化などに伴い、電動パーキングブレーキ装置の特徴を利用した制御への応用がさらに望まれている。例えば、車両の動力源の始動前にパーキングブレーキをブレーキ状態に移行させて、動力源始動前の安全確保をより確実なものにする電動パーキングブレーキ装置が要望されている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の動力源の始動前にパーキングブレーキを確実にブレーキ状態に移行させることのできる電動パーキングブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電動パーキングブレーキ装置は、車両が停止状態か否かを検出する停車検出手段と、電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出するブレーキ検出手段と、前記車両の動力源が始動されようとしているか否かを推定する始動推定手段と、停止状態の車両の電動パーキングブレーキが非ブレーキ状態で、前記車両の動力源始動が推定された場合、当該動力源始動前に前記電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるパーキングブレーキ制御部と、を含むことを特徴とする。
ここで、駆動源とは、エンジンやモータなど車両を駆動するものを意味する。また、ブレーキ状態とは、車両の車輪と共に回転する回転部材に摩擦部材を押圧して制動力が発生している状態で、非ブレーキ状態とは、回転部材に対する摩擦部材の押圧が解放され制動力が発生していない状態を意味する。この態様によれば、始動推定手段が動力源の始動を推定し、動力源の始動前に確実に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるので、動力源始動前の制動力確保を確実に行うことができる。
また、上記態様において、前記始動推定手段は、車両乗員の車両への乗り込み動作検出により動力源始動を推定してもよい。車両乗員の車両への乗り込み動作の検出は、例えば、キーレスエントリーシステムが搭載されている場合、正規キーが車両の周囲所定範囲に侵入したことの検出や、ドアロックの解除信号の検出や、ドアの開放信号の検出などによって行うことができる。この態様によれば、動力源の始動推定を容易かつ確実に行うことができる。
また、上記態様において、前記始動推定手段は、車両乗員の運転席への乗り込み検出により動力源始動を推定してもよい。車両乗員の運転席への乗り込み検出は、例えば、運転席のシートに配置した感圧センサにより運転者の着座を検出したり、始動キーシリンダへの始動キーの接近や挿入により検出したりすることができる。この態様によれば、動力源の始動をさらに正確に推定することが可能になり、適切なタイミングで電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させることができる。
また、上記態様において、さらに、前記車両の周囲環境を検出する環境検出手段と、前記環境検出手段が電動パーキングブレーキの凍結の可能性を検出した場合に、前記電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させるブレーキ解除判断手段と、を含み、前記パーキングブレーキ制御手段は、動力源始動前に解除されている電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるようにしてもよい。
この態様によれば、凍結により電動パーキングブレーキの解除不能や破損が懸念される場合、自動的に電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させて、凍結による影響を事前に回避できると共に、自動で非ブレーキ状態になった電動パーキングブレーキを動力源の始動前に確実にブレーキ状態に移行させることができる。もちろん、運転者が凍結を懸念し、意識的に電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させた場合でも動力源始動前に電動パーキングブレーキを自動でブレーキ状態に移行させることができる。さらに、凍結を懸念した運転者の非ブレーキ状態へ移行動作が不完全であった場合でも、非ブレーキ状態とブレーキ状態との切り替えを確実に行うことができる。なお、凍結の可能性が検出され、電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させる場合には、AT車のシフトレバーをパーキングレンジに移行しているかや、MT車のシフトレバーをローギアやリバースギアに移行しているか否かの確認を行うことが望ましい。
本発明の電動パーキングブレーキ装置によれば、始動推定手段により動力源始動を推定し、車両の動力源の始動前にパーキングブレーキを確実にブレーキ状態に移行させて、動力源始動前の制動力による完全確保をより確実に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態の電動パーキングブレーキ装置は、車両の動力源、例えばエンジンやモータの始動を推定した場合、電動パーキングブレーキを動力源の始動開始前にブレーキ状態に移行させるものである。その結果、電動パーキングブレーキが運転者の操作の有無に関わらず動力源の始動前に非ブレーキ状態になっていたとしても、自動的に動力源始動前にブレーキ状態に移行し、制動力の確保を行うことができるものである。
図1は、本実施形態の電動パーキングブレーキ装置を搭載する車両10の構成概念図である。なお、図1は、電動パーキングブレーキ装置を動作させる構成以外の構成は図示を省略している。
本実施形態の電動パーキングブレーキ装置のブレーキ機構は、従来のパーキングブレーキと同様に、車輪と共に回転する回転部材、例えばドラムブレーキのドラムやディスクブレーキのディスクロータに押圧する摩擦部材、例えばドラムブレーキのブレーキシューやディスクブレーキのブレーキパッドをワイヤの巻き上げや巻き戻しによって動作させて、制動力を得るものであり、油圧を用いた常用油圧ブレーキ(サービスブレーキ)のブレーキ機構と一体構成とされている。また、本実施形態の場合、従来のパーキングブレーキと同様に電動パーキングブレーキ装置のブレーキ機構は、後輪12に装着されたブレーキ機構14に一体化されている。なお、電動パーキングブレーキ装置のブレーキ機構を前輪16に設けてもよいし、前輪16、後輪12全てに設けてもよい。
電動パーキングブレーキをブレーキ状態と非ブレーキ状態に切り替えるワイヤ18も、従来と同様に、モータなどのアクチュエータ20により巻き上げ、巻き戻しが行われる。このアクチュエータ20の制御は、電子制御装置22(「ECU22」と表記する)によって行われる。ECU22は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、マイクロコンピュータによる演算を行う演算ユニット、各種の処理プログラムを記憶するROM、一時的にデータやプログラムを記憶してデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、および各種信号の送受信を行うための入出力ポート等を有する。
ECU22には、車両10が停止状態か否かを検出するためのセンサからの信号が入力される。例えば、後輪12、前輪16の各輪に配置され、車輪速を検出する車輪速センサ24からの信号が入力され、車輪速または車速により車両10が停止状態か否かを検出する。車両10が停止状態か否かを検出するセンサとしては、このほか、車両10の動力源として機能しているエンジンやモータの回転数センサ26や現在のシフトポジションを認識するシフトポジションセンサ28などが利用可能であり、車輪速センサ24に代えて利用したり、任意に組み合わせて停止状態か否かを判断するようにしてもよい。複数種類のセンサを用いることにより、より正確な停止状態の判断を行うことができる。
また、ワイヤ18の経路中には、ワイヤ18の巻き上げ/巻き戻しの状態を検出し、ブレーキ状態を検出するブレーキ検出センサ30が配置されている。ブレーキ検出センサ30は、例えば、ワイヤ18の移動量や移動方向を検出することにより電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出し、その情報をECU22に提供する。なお、アクチュエータ20の駆動状態、例えばモータの回転状態などを直接センサで検出して電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出することもできる。
本実施形態の電動パーキングブレーキ装置は、前述したように、車両10の動力源、例えばエンジンやモータが始動されようとしているか否かを推定し、動力源の始動が推定された場合に、電動パーキングブレーキをブレーキ状態にする。そのため、動力源が始動されようとしているか否かを判断するための情報が各センサからECU22に提供されている。例えば、車両10がキーレスエントリーシステム32を搭載している場合、正規キーが車両10の周囲所定範囲内に侵入したことを検出することにより動力源、すなわちエンジンなどが始動されようとしていると判断することができる。また、ドアロックの開閉状態を検出するドアロック状態センサ34からの信号に基づき、ドアロックが閉状態から開状態になった場合、動力源が近々始動されようとしていると判断することができる。同様に、ドアの開閉状態を検出するドア開閉状態センサ36からの信号に基づき、ドアが閉状態から開状態に変化した場合、動力源が近々始動されようとしていると判断することができる。このドア開閉状態の検出は、特に運転席のドアの開閉を監視することが望ましい。
さらに、運転席シート38の着座面に配置された感圧センサ40によって、運転席シート38に運転者が着座したことを検出することにより、近々動力源が始動される可能性が高いと推定してもよい。また、始動キーシリンダ42に始動キーを近づけたり、挿入したことによって、動力源が始動される可能性が高いと推定することも可能である。
また、上述した各センサからの信号を組合せ、動力源が始動される可能性を推定してもよい。この場合、推定精度を容易に向上することができる。
このほかECU22には、電動パーキングブレーキのブレーキ状態と非ブレーキ状態とを車両10の乗員、通常は運転者が手動で切り替えるパーキングブレーキスイッチ44が接続され、手動でアクチュエータ20を駆動できるようになっている。
図2には、ECU22の内部概略構成が示されている。このECU22の内部には、停車検出部46、ブレーキ検出部48、始動推定部50、パーキングブレーキ制御部52などが設けられている。停車検出部46は、車輪速センサ24、回転数センサ26、シフトポジションセンサ28などから提供される信号に基づき、車両10が停止状態か否かを検出し、パーキングブレーキ制御部52へ検出結果を提供する。ブレーキ検出部48は、ブレーキ検出センサ30からの信号に基づき電動パーキングブレーキがブレーキ状態か非ブレーキ状態かを検出し、パーキングブレーキ制御部52へ検出結果を提供する。また、始動推定部50は、キーレスエントリーシステム32、ドアロック状態センサ34、ドア開閉状態センサ36、感圧センサ40、始動キーシリンダ42などからの信号に基づき、動力源の始動を推定し、パーキングブレーキ制御部52へ推定結果を提供する。パーキングブレーキ制御部52では、提供された信号に基づき、停止状態の車両10の電動パーキングブレーキが現在非ブレーキ状態で、車両10の動力源始動が推定された場合、動力源始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるために、アクチュエータ制御信号をアクチュエータ20へ提供する。もちろん、パーキングブレーキ制御部52は、ブレーキ状態から非ブレーキ状態に移行させるアクチュエータ制御信号もアクチュエータ20に提供できるこというまでもない。
アクチュエータ20は、アクチュエータ制御信号に基づき、ワイヤ18の巻き上げ動作を実行し、ブレーキ機構14の摺動部材を回転部材に押圧する。その結果、車両10は動力源の始動前に、確実に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行し、動力源始動時の制動力を確保することができる。なお、前述のように停車検出部46、始動推定部50とうに提供される信号は、それぞれ1種類で十分であり、上述と同様な効果を得ることができる。
以上のように構成される本実施形態の電動パーキングブレーキ装置の動作を図3のフローチャートに基づき説明する。なお、以下に説明するフローチャートによる処理は、車両10に対し、任意のタイミングで行われるが、例えば、数秒周期で行われることが望ましい。
まず、ECU22は、停車検出部46を介して、車両10が停止中か否かを判断する(S100のYまたはN)。もし、車両10が停止中ではない場合(S100のN)、つまり、車両10が走行または、動力源、例えばエンジン(E/G)が駆動している場合は、S100の監視を繰り返し継続する。一方、ECU22が車両10は停止中であると判断した場合(S100のY)、エンジンが停止中であるか否か確認する(S102のYまたはN)。なお、S100において車両10の停止を回転数センサ26を介してエンジンの停止として検出した場合には、S102は省略してもよい。S102において、ECU22が、エンジン駆動中であると判断した場合には(S102のN)、電動パーキングブレーキの動作は不要であると判断して、S100に戻りS100以降の監視を繰り返し継続する。
ECU22が、車両10が停止中であり、さらにエンジンが停止中であることを認識した場合(S102のY)、運転者がエンジン始動準備状態であるか否かの推定を行う。すなわち始動推定部50を介してエンジン始動推定を行う(S104のYまたはN)。ECU22が始動推定部50の推定の結果、エンジンの始動の可能性が無いと判断した場合(S104のN)、つまり、ドアロックの解除やドアの開放、運転席のシートへの着座などが行われない場合、電動パーキングブレーキの動作は不要であると判断して、S100に戻りS100以降の監視を繰り返し継続する。
一方、ECU22が始動推定部50の推定の結果、エンジンの始動の可能性があると判断した場合には(S104のY)、ブレーキ検出部48を介して、パーキングブレーキ(PKB)が解除状態であるか否か、つまり、ワイヤ18が巻き戻し状態で非ブレーキ状態になっている否かの判断を行う(S106のYまたはN)。もし、ECU22がブレーキ検出部48からの信号に基づきパーキングブレーキ解除状態であると認識した場合(S106のY)、パーキングブレーキ制御部52は、パーキングブレーキスイッチ44からの信号を確認し、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの解除要求が行われていないか否かの判断を行う(S108のYまたはN)。これは、運転者が車両10に乗り込んだ後、パーキングブレーキスイッチ44を用いて意図的に電動パーキングブレーキの解除を行おうとしている否かの確認のためである。もし、運転者によるパーキングブレーキの解除要求が行われていない場合(S108のN)、パーキングブレーキ制御部52は、パーキングブレーキの作用動作指令、すなわち、パーキングブレーキを作用状態にしてブレーキ状態にするための指令をアクチュエータ20に提供する(S110)。アクチュエータ20は、動作指令に基づきワイヤ18の巻き上げを行い、ブレーキ機構14を動作させ、後輪12の回転部材に摩擦部材を押圧し制動力を確保する。ECU22は、ブレーキ検出部48を介してパーキングブレーキが作用状態、すなわち、所定量ワイヤ18を巻き上げたか否かの監視を行い(S112のYまたはN)、もし、ワイヤ18が所定量巻き上げられ所定の制動力が確保されたことが確認できた場合(S112のY)、パーキングブレーキの動作を停止する。すなわち、パーキングブレーキ制御部52からアクチュエータ20へ停止信号を供給し(S114)、ワイヤ18の巻き上げを終了して、制動力の維持を行いつつ、S100に戻りS100以降の監視を繰り返し継続する。
このように、本実施形態の電動パーキングブレーキ装置によれば、停車し、エンジンなどの動力源が停止している車両10に対し、その動力源が始動されようとしていることが検出された場合、電動パーキングブレーキが自動的に動作し、ブレーキ状態に移行する。したがって、例えば、車両10を停止させ動力源を切った時に、パーキングブレーキをブレーキ状態にし忘れていた場合や、凍結などが予測され意図的にパーキングブレーキを非ブレーキ状態にした場合などで、動力源の始動時に、パーキングブレーキが非ブレーキ状態であることを運転者が忘れていた場合でも、動力源の始動を推定し、動力源の始動前に自動的にパーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるので、動力源を始動させたときに車両10が意図しない挙動を示してしまうことを確実に防止することができる。
なお、S112でパーキングブレーキが作用状態ではないと、ECU22が判断した場合(S112のN)、S108に戻り、パーキングブレーキ制御部52はパーキングブレーキスイッチ44からの信号を確認し、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの解除要求が行われていないか否かの判断を再度行うと共に、上述のS108以降の処理を行う。
一方、S106において、パーキングブレーキが解除状態ではない場合(S106のN)、つまり、電動パーキングブレーキがブレーキ状態の場合、パーキングブレーキ制御部52は、パーキングブレーキスイッチ44からの信号を確認し、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの解除要求が行われているか否かの判断を行う(S116のYまたはN)。もし、パーキングブレーキの解除要求が無い場合(S116のN)、ECU22は、電動パーキングブレーキの制御は不要であると判断して、S100に戻りS100以降の監視を繰り返し継続する。
また、パーキングブレーキ制御部52がS116で運転者による手動操作によりパーキングブレーキの解除要求があったと判断した場合(S116のY)、パーキングブレーキ制御部52は、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの操作要求があるか否か、つまり、パーキングブレーキスイッチ44の繰り返し操作などがないか否かの確認を行う(S118のYまたはN)。もし、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの操作要求がない場合(S118のN)、パーキングブレーキ制御部52は、パーキングブレーキスイッチ44によるパーキングブレーキの解除要求にしたがって、パーキングブレーキ解除動作指令をアクチュエータ20に対して行う(S120)。つまり、アクチュエータ20によりワイヤ18の巻き戻しを行い、ブレーキ機構14の回転部材に対する摩擦部材の押圧を解除する動作を行う。その後、ECU22はブレーキ検出部48を用いて、パーキングブレーキが完全に解除状態になったか否かの確認を行い(S122のYまたはN)、完全にワイヤ18が巻き戻され、パーキングブレーキが解除状態になったことが確認できたら(S122のY)、S114に移行し、パーキングブレーキの動作を停止する。すなわち、パーキングブレーキ制御部52からアクチュエータ20へ停止信号を供給し、ワイヤ18の巻き戻しを終了して、非ブレーキ状態維持を行う。その後、S100に戻りS100以降の監視を繰り返し継続する。また、S122でパーキングブレーキの解除状態が不完全であると判断された場合には(S122のN)、S118戻り、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの操作要求がないか否かの確認を再度行い、S118以降の処理を継続して行う。
また、S118において、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの操作要求があった場合(S118のY)、つまり、パーキングブレーキスイッチ44によりパーキングブレーキの解除要求を行った後、運転者が再度パーキングブレーキスイッチ44によりパーキングブレーキの操作要求行った場合、S110に移行し、パーキングブレーキ制御部52は、パーキングブレーキの作用動作指令をアクチュエータ20に提供し、S110以降の処理を行う。また、S108で、運転者による手動操作によりパーキングブレーキの解除要求が行われた場合(S108のY)、S118に移行し、S118以降の処理を行う。
このように、本実施形態によれば、パーキングブレーキ制御部52が運転者による手動操作でパーキングブレーキの操作要求や解除要求を常に確認しながら、電動パーキングブレーキの制御を行うことにより、運転者のパーキングブレーキの操作意志を尊重しながら、かつ不注意でパーキングブレーキのかけ忘れが発生している場合、常に自動的に動力源始動前に電動パーキングブレーキがブレーキ状態になるように制御し、安全の確保を十分に実現している。なお、上述のフローチャートでは、パーキングブレーキスイッチ44の操作の有無を配慮した処理を説明しているが、S108,S116,S118,S120,S122の処理を省略しても本実施形態の特徴である動力源の始動を推定し、動力源の始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させる処理は成立し、動力源始動前の制動力確保を十分に行うことができる。
図4には、本実施形態のECU22の変形例が示されている。この変形例において、ECU22は、図2に示す構成に加え、環境検出部54と、この環境検出部54からの情報に基づきパーキングブレーキを解除するか否かを判断するブレーキ解除判断部56を含んでいる。他の構成およびその動作は、図2に示す構成と同じであり、その説明は省略する。
環境検出部54には、車両10の周囲環境、例えば外気温度を検出する温度センサ58が接続されている。環境検出部54は、温度センサ58からの情報に基づき、ブレーキ機構14のパーキングブレーキが凍結する可能性があるか否かの検出を行う。もし、パーキングブレーキに凍結の可能性がある場合には、ブレーキ解除判断部56が、運転者が車両10の停止中の制動力の確保のため、意図的にブレーキ状態に移行させた電動パーキングブレーキを、当該電動パーキングブレーキの凍結による動作不良や破損を回避するために解除するべきであると判断する。そして、パーキングブレーキ制御部52に対し、電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させる旨の信号を提供する。その結果、電動パーキングブレーキは、停車中の凍結による不具合の発生を事前に回避することができる。もちろん、ECU22は、この自動ブレーキ解除制御を行った場合でも、動力源が始動されようとしていることを検出した場合には、図2や図3で説明したように、動力源始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態にする制御を行うことは言うまでもない。
なお、ブレーキ解除判断部56により電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させる場合には、音声や表示などにより、「凍結のおそれがあるので、パーキングブレーキを解除します。」などのメッセージを運転者に提供することが望ましい。また、その際に、MT車の場合には、ギアを低速ギアやリバースギアに移行させることを指示するメッセージを併せて提供することが望ましい。また、AT車の場合には、パーキングレンジに移行されていることを確認するメッセージを提供することが望ましい。また、環境検出部54は、温度センサ58により車両10の停止時の周囲環境の認識を行っているが、例えば、外部情報センタなどから得られる気象情報などに基づき、停車後所定時間経過してからの凍結を予測し、適宜電動パーキングブレーキの解除操作を行うようにしてもよい。
このように、本実施形態の電動パーキングブレーキ装置においては、凍結によるパーキングブレーキ機構の動作不良や破損などの不具合を回避するために意図的に非ブレーキ状態のまま放置された車両10でも、動力源の始動を推定し、動力源始動前に電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるので寒冷地などにおける動力源始動時の安全確保を確実に行うことができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
10 車両、 12 後輪、 14 ブレーキ機構、 16 前輪、 18 ワイヤ、 20 アクチュエータ、 22 ECU、 24 車輪速センサ、 26 回転数センサ、 28 シフトポジションセンサ、 30 ブレーキ検出センサ、 32 キーレスエントリーシステム、 34 ドアロック状態センサ、 36 ドア開閉状態センサ、 38 運転席シート、 40 感圧センサ、 42 始動キーシリンダ、 44 パーキングブレーキスイッチ、 46 停車検出部、 48 ブレーキ検出部、 50 始動推定部、 52 パーキングブレーキ制御部、 54 環境検出部、 56 ブレーキ解除判断部、 58 温度センサ。
Claims (4)
- 車両が停止状態か否かを検出する停車検出手段と、
電動パーキングブレーキがブレーキ状態か否かを検出するブレーキ検出手段と、
前記車両の動力源が始動されようとしているか否かを推定する始動推定手段と、
停止状態の車両の電動パーキングブレーキが非ブレーキ状態で、前記車両の動力源始動が推定された場合、当該動力源始動前に前記電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させるパーキングブレーキ制御部と、
を含むことを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。 - 前記始動推定手段は、車両乗員の車両への乗り込み動作検出により動力源始動を推定することを特徴とする請求項1記載の電動パーキングブレーキ装置。
- 前記始動推定手段は、車両乗員の運転席への乗り込み検出により動力源始動を推定することを特徴とする請求項2記載の電動パーキングブレーキ装置。
- さらに、前記車両の周囲環境を検出する環境検出手段と、前記環境検出手段が電動パーキングブレーキの凍結の可能性を検出した場合に、前記電動パーキングブレーキを非ブレーキ状態に移行させるブレーキ解除判断手段と、を含み、
前記パーキングブレーキ制御手段は、動力源始動前に解除されている電動パーキングブレーキをブレーキ状態に移行させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動パーキングブレーキ装置。
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