以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図3には、本発明の一実施形態に係るシート束断裁装置を含むシート処理装置1が示されている。このシート処理装置1は、それ単独で使用できるが、複写機等の画像形成装置におけるシート搬送経路の下流側に設けられるシート後処理装置として利用できる他、製本システムの一部(例えばシート束断裁装置)を構成することも可能であり、任意の用途に適用することができる。
図1に明確に示されるように、シート処理装置1は、シート処理に必要な各種構成要素を収容する外装体としてのハウジング2を備えている。ハウジング2は、所定枚数のシートが束状に集積されて成るシート束Sが導入されるシート束導入口3と、このシート束導入口3を開閉する回動可能な開閉カバー12とを有している。なお、開閉カバー12は、シート束導入口3の近傍に位置する回動支点5を中心に手動または自動で回動できるようになっている。
また、ハウジング2内には、シート束導入口3を通じて導入されたシート束Sを搬送して所定の断裁基準位置に位置決めするシート束搬送位置決め部4と、位置決めされたシート束Sを断裁するシート束断裁部6と、断裁されたシート束Sを集積状態で収納するシート束収納部8とが設けられている。
なお、本実施形態では、開閉カバー12を開けることにより、表紙が接着されたシート束Sが鉛直方向に立てられた状態で手動によりシート束導入口3に導入されるものとして話を進めるが、シート束Sが図示しない搬送機構(例えば製本装置等の搬送グリッパ)を介して自動的にシート束導入口3に導入され、あるいは、シート束Sが鉛直以外の方向から導入され、更には、表紙が接着されていないシート束Sがシート束導入口3に導入されても良く、その導入形態は任意である。
図1および図2に示されるように、シート束搬送位置決め部4は、一対の第1のガイド板9,9と、一対の第2のガイド板19,19とを備えている。これらのガイド板9,19は、略鉛直方向に延びる板材から成り、シート束導入口3に導入されたシート束Sを両側から支持しつつ鉛直方向に案内する搬送経路を協働して形成する。搬送上流側(図1および図2の上側)に位置する第1のガイド板9,9のそれぞれは、シート束Sを円滑に受けることができるように、シート束導入口3に向かって外側にテーパ状に広がるテーパ受け部9aを先端(本実施形態では、上端)に有している。
また、図2に明確に示されるように、第1のガイド板9,9にはそれぞれ一対の開口9b,9bが左右両側に形成されている。これらの各開口9b,9bには、シート束導入口3を通じて導入されるシート束Sを挟持して搬送する入口搬送ローラ13が、搬送経路に対して突没可能に配置されている。この場合、各ガイド板9,9にそれぞれ対応して設けられた互いに対向する入口搬送ローラ13,13同士は、その離間距離を変化させる(すなわち、搬送経路に対する突出量を変える(以下、適宜、“ローラ13,13同士を開閉する”という))ことにより、ガイド板9,9を通じて搬送されるシート束Sを挟持し或いはその挟持状態を解除することができる。なお、本実施形態において、このような各入口搬送ローラ13同士の開閉は、ローラ開閉駆動部14により行なわれるようになっている。
また、シート束搬送位置決め部4は、入口搬送ローラ13,13によって挟持されるシート束Sの厚さを検知するためのシート厚センサ15を有している。このシート厚センサ15は、入口搬送ローラ13,13の開閉に連動して作動(検知)し、図示しない制御部に対して検知信号(シート束の厚さ情報)を送信する。
一方、搬送下流側に位置する一対の第2のガイド板19,19にもそれぞれ一対の開口が左右両側に形成されており、これらの各開口には、第1のガイド板9,9から第2のガイド板19,19へと送り込まれるシート束Sを後述する断裁刃20に対して位置決めする位置決めローラ18が、搬送経路に対して所定量突出して配置されている。この場合、位置決めローラ18は、各ガイド板19,19にそれぞれ対応して設けられた互いに対向するもの同士がシート束Sを挟持しつつ搬送することにより、このシート束Sを後述する断裁刃20の基準面(断裁基準位置)に対して当て付ける。
また、入口搬送ローラ13および位置決めローラ18は、搬送モータ16によって回転駆動されるようになっている。この場合、搬送モータ16からの駆動力は、対応する電磁クラッチ17,119を介して、各ローラ13,18に伝達されるようになっている。具体的には、図6に示されるように、搬送モータ16が駆動された状態で、搬送電磁クラッチ17が作動(ON)されると、搬送モータ16の回転力が入口搬送ローラ13に伝達され、また、搬送電磁クラッチ17が解除(OFF)されると、搬送モータ16から入口搬送ローラ13への回転力伝達経路が遮断され、入口搬送ローラ13の回転駆動が停止される。また、同様に、搬送モータ16が駆動された状態で、位置決め電磁クラッチ119が作動(ON)されると、搬送モータ16の回転力が各位置決めローラ18に同時に伝達され、各位置決めローラ18が連動して回転するとともに、位置決め電磁クラッチ119が解除(OFF)されると、搬送モータ16から位置決めローラ18への回転力伝達経路が遮断され、位置決めローラ18の回転駆動が停止される。
また、本実施形態においては、位置決めに必要な搬送力以上の力をシート束Sに与えないように、位置決め電磁クラッチ119から各位置決めローラ18への回転力伝達経路内にトルクリミッタ18aが設けられており、シート束Sが断裁刃20に当接して位置決めローラ18がロック状態になった場合にトルクリミッタ18aが作用するように構成されている。具体的には、シート束Sが断裁刃20に当接して位置決めローラ18がロック状態になると、そのロックに関与した位置決めローラ18のトルクリミッタ18aがスリップを開始して(トルクリミッタ18aが空転を始めて)スリップトルクを生じ、ロックに関与した位置決めローラ18へのトルクの伝達を制限することにより、ロックに関与した位置決めローラ18とシート束Sとがスリップしないようになっている。なお、この場合、トルクリミッタ18aのスリップトルクが高すぎると、シート束Sが座屈してしまうため、トルクリミッタ18aのスリップトルクは、シート束Sの適正搬送力よりも大きく、シート束Sの座屈搬送力よりも小さくなるように設定されている。
また、シート束断裁部6は、位置決めローラ18によって位置決めされたシート束Sを保持するとともに所定の断裁プロセスにしたがってシート束Sを回転および移動させる回転移動機構6Aと、回転移動機構6Aによって保持されたシート束Sの端縁を断裁する断裁機構6Bと、シート束Sの断裁時にシート束Sの両側の端縁部分を押圧する一対の押圧機構6C,6Cとを備えている。
回転移動機構6Aは、位置決めローラ18によって位置決めされたシート束Sに当接してこれを回転させるための回転テーブル(回転体)21と、シート束Sを回転テーブル21に対して押し付けることにより回転テーブル21との間でシート束Sを挟持固定する回転自在なグリッパ(挟持体)22とを有している。なお、グリッパ22は、グリッパフレーム30に保持されており、グリッパ押圧ユニット34により回転テーブル21に向けて移動されるようになっている。
また、回転移動機構6Aは、回転テーブル21を回転駆動させるとともに、回転テーブル21を断裁機構6Bへと自在に移動させて、回転テーブル21に保持されたシート束Sを所定の断裁位置に位置決めするテーブル回転移動ユニット36を備えている。更に、回転移動機構6Aは、例えばテーブル回転移動ユニット36と同期してグリッパ22を回転テーブル21と共に断裁機構6Bへと自在に移動させることにより、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されたシート束Sを所定の断裁位置に位置決めするグリッパ移動ユニット32を備えている。なお、本実施形態において、グリッパ移動ユニット32およびテーブル回転移動ユニット36は、回転テーブル21およびグリッパ22を回転および移動させることによりシート束Sを前記断裁位置に位置決めする移動機構を協働して構成している。
また、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されたシート束Sをテーブル回転移動ユニット36を介して回転させる際に、シート束Sがガイド板19に接触してシート束Sの表面が傷付くことを防止するため、回転移動機構6Aには、回転テーブル21およびグリッパ22をシート束Sの搬送方向と直交する方向に移動させることによりシート束Sをガイド板19から離間させてガイド板19とシート束Sとの接触を防止する接触防止手段が設けられている。本実施形態において、この接触防止手段は、例えば、回転テーブル21をガイド板19の延在方向と直交する方向(本実施形態では、鉛直に延びるガイド板19に対して直交する水平方向)に進退移動させるテーブル進退ユニット40と、グリッパ22を回転テーブル21に向けて移動させる前述したグリッパ押圧ユニット34とによって構成されている。
また、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されたシート束Sがテーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32によって移動される最中に、回転テーブル21およびグリッパ22に対してシート束Sがズレてしまうと、シート束Sを所定の裁断位置に正確に位置決めすることが困難になり、裁断精度が低下してしまう。また、このような回転テーブル21およびグリッパ22に対するシート束Sのズレは、シート束Sに接触する回転テーブル21およびグリッパ22の表面摩擦係数に依存する。そのため、本実施形態では、シート束Sに接する回転テーブル21およびグリッパ22の表面摩擦係数が互いに同一に設定されている。すなわち、回転テーブル21およびグリッパ22は、略同一の表面摩擦係数を有している。この場合、略同一の表面摩擦係数を有する材料によって回転テーブル21およびグリッパ22を形成しても良く、あるいは、略同一の表面摩擦係数を有する図示しない部材(例えば弾性部材)を回転テーブル21およびグリッパ22に対して貼り付けても良い。更に、回転テーブル21およびグリッパ22に対するシート束Sのズレは、シート束Sを形成するシートの表面摩擦係数に依存する。例えば、表面摩擦係数が小さいシートから成るシート束Sは回転テーブル21およびグリッパ22に対してズレ易く、そのため、シート束Sの移動速度をある程度遅くしてシート束Sに振動を与えないことが望まれる。一方、表面摩擦係数が大きいシートから成るシート束Sは摩擦力によって回転テーブル21およびグリッパ22に対して保持されるため、シート束Sの移動速度をある程度速くしてもシート束Sがズレることは少ない。そのため、本実施形態においては、シート束Sを形成するシートの表面摩擦係数に関する情報をオペレータが予めシート処理装置1に入力し、あるいは、シート束Sを形成するシートの表面摩擦係数を検知するセンサを設け、前記入力情報または前記センサからの検知情報に基づいてテーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32によるシート束Sの移動速度を制御するようにしている。
なお、シートの表面摩擦係数を検知するセンサを設ける場合には、このセンサを、例えば、シート束Sの搬送経路に沿う所定位置もしくはシート束Sを挟持する部材に配置し、このセンサからの検知情報に基づいて、図示しない制御部がテーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32の駆動(移動速度)を制御するようにしても良い。
また、回転テーブル21およびグリッパ22に対するシート束Sのズレは、表面摩擦係数の小さい用紙がシート束内に含まれている場合にも生じる。そのため、このような場合であってもシート束内でズレが生じないように、本実施形態では、前記移動機構により、回転テーブル21およびグリッパ22が同一の回転速度で回転されるようになっている。具体的には、グリッパ移動ユニット32は、回転テーブル21の回転と同一の回転速度および加減移動速度でグリッパ22を回転および移動させるようになっている。グリッパ22が回転テーブル21と同一の速度および加減速度で動かない場合、シート束Sの回転テーブル21側は、回転テーブル21からの駆動を受け、所定角度回転するのに対し、シート束Sのグリッパ22側は、グリッパ22からの抵抗を受け、図21の(a)(b)に示すように、シート束Sの内部にズレが生じ、その結果、断裁時に断裁面が斜めになってしまうなど、断裁精度が低下してしまう。また、グリッパ22と回転テーブル21とを同一の加減速度で移動させなければ、回転テーブル21と接触している側のシート束Sと、グリッパ22と接触している側のシート束Sとで慣性による影響が異なってしまい、シート束Sの内部にズレが発生してしまう。図13は、回転テーブル21およびグリッパ22に関する駆動系統図である。図13に示されるように、回転テーブル21およびグリッパ22を回転させるための1つの回転速度信号sは、テーブル回動ユニット36を介して回転テーブ21に送信されると同時に、グリッパ移動ユニット32を介してグリッパ22に送信されるため、加減速および定常状態での速度も同一に制御することができる。
本実施形態では、回転テーブル21を回転移動させるテーブル回動ユニット36とグリッパ22を回転移動させるグリッパ移動ユニット32とが別個に設けられているが、これらのユニットを共通化して、回転テーブル21およびグリッパ22を同一の移動機構によって駆動させても良い。この場合、回転速度信号sは、両者を駆動させるための1つの駆動源に送信されるため、回転テーブル21およびグリッパ22は、回転速度および加減速度を簡単に一致させることができる。
一方、回転移動機構6Aによって保持されたシート束Sの端縁を断裁する断裁機構6Bは、回転移動機構6Aよりもシート束搬送経路の下流側に位置して設けられており、断裁刃20と、断裁刃20を駆動させる断裁刃駆動部38とを備えている。この場合、断裁刃駆動部38は、円弧を描くように断裁刃20を水平面内で移動させるようになっており、断裁刃を駆動するDCモータと、DCモータの回転数を検出する検出手段とを有している。
一般に、断裁刃20の耐久磨耗が進行すると、断裁抵抗が大きくなり、断裁動作中のDCモータの回転数も比例して低下する。ただし、シート束Sの断裁幅によって断裁抵抗が異なるため、DCモータの回転数低下率も変化してしまい一定の値にはならない。そこで、本実施形態では、シート束Sの断裁幅が変化しても、断裁刃20の寿命をより正確に求めることができる方法を提示する。
具体的には、シート束Sを断裁する単位幅をwとし、単位幅あたりの断裁時の回転数をrとし、シート束Sの断裁幅をLとすると、判断基準となる回転数Rは次式で求められる。
R=r×(L/w)
この式で求められた基準回転数Rに対し、DCモータの回転数が遅くなった場合に、断裁刃20の寿命と判断する。
また、シート束Sの断裁時にシート束Sの端縁部分を押圧する一対の押圧機構6C,6Cはそれぞれ、押圧力を生起する動力を供給する駆動部(駆動源)70と、シート束Sの搬送方向と直交する方向に移動することによりシート束Sの端縁に側方から当て付いてこれをガイド板19または他の対向部材(支持面)に対して押圧する押圧部68と、駆動部70からの駆動力をシート束Sの搬送方向と直交する方向の押圧力に変換して押圧部68に伝える力変換伝達部72とから成る。
駆動部70は、図3および図4に明確に示されるように、駆動モータ(プレスモータ)52と、例えば複数のギアが噛み合わされた所定のギア列から成る高速駆動系(小さな第1のトルク(低トルク)を生起する第1の駆動系)54および低速駆動系(大きな第2のトルク(高トルク)を生起する第2の駆動系)56と、駆動モータ52の動力を高速駆動系54または低速駆動系56に対して選択的に伝達することにより押圧部68に伝える押圧力を切換える押圧力切換手段(駆動切り替え手段)と、高速駆動系54および低速駆動系56に連結されて、これらの駆動系54,56に共通の動力出力部を形成するとともに、これらの駆動系54,56から回転力を得るボールネジ57と、ボールネジ57に対して回転不能に螺合されることによりボールネジ57の回転に伴って進退するナット58とから成る。
本実施形態において、前記押圧力切換手段は、例えば、高速駆動系54に連結され且つ駆動モータ52の回転軸と係脱可能に係合することにより駆動モータ52の動力(回転力)を高速駆動系54に伝える第1の電磁クラッチ53と、低速駆動系56に連結され且つ駆動モータ52の回転軸と係脱可能に係合することにより駆動モータ52の動力(回転力)を低速駆動系56に伝える第2の電磁クラッチ55とから成るが、駆動モータ52の回転軸に連結され且つモータ等の駆動力を得て高速駆動系54または低速駆動系56のギアと選択的に噛み合うギアによって構成されていても良く、その切換形態は任意である。
また、本実施形態において、前記押圧力切換手段による両駆動系54,56間の切換え(本実施形態では、電磁クラッチ53,55のON/OFFの切換え)は、押圧部68の後述する押圧板43がシート束Sの端縁に接触したことを検知するセンサからの検知情報に基づいて図示しない制御部が行なうようになっている。
力変換伝達部72は、図5に明確に示されるように、駆動部70のナット58に一端が連結された進退部材としてのベルト50と、ベルト50が掛け渡される動滑車45とを有している。動滑車45は、シート束Sの搬送方向(図5に矢印Xで示される方向)と直交する方向(図5に矢印Yで示される方向)に沿って進退可能に支持されており、付勢手段の一例である付勢バネ80によりシート束Sの搬送経路から離間する方向に常時付勢されている。また、ベルト50の他端は、加圧バネ59を介してガイド板19等の不動部材に固定されている。この場合、加圧バネ59は、ベルト50から所定以上の引張力(本実施形態の場合には、低速駆動系56で生起される力)を受けた場合にのみ伸長するように、その弾性係数が設定されている。
また、押圧部68は、図2および図5に明確に示されるように、シート束Sの端縁と直接に接触してこれを押圧する押圧板43と、この押圧板43と対向して位置し且つ押圧板43に当て付いてこれに押圧力を作用させる作用部材41とを有している。
作用部材41は、動滑車45の例えば中心部に連結された加圧プレート46に対して枢支ピン47を介して揺動可能(図2の矢印A参照)に連結されており、動滑車45と連動する加圧プレート46から押圧力を受けるようになっている。なお、本実施形態において、作用部材41は、その長手方向の略中央部位が枢支ピン47を介して加圧プレート46に連結されている。
また、押圧板43は、シート束Sの搬送方向と直交する方向に沿って進退可能に支持されており、作用部材41が当て付くことにより、作用部材41と一体でシート束搬送経路へと移動するようになっている。
なお、押圧板43および作用部材41は、本実施形態では別体を成しているが、一体で形成されていても良く、また、シート束Sとその幅全体にわたって当接し得るように長さが設定されていても良い。
また、本実施形態において、押圧機構6Cには、力変換伝達部72の加圧バネ59の伸び量を検知するためのプレスエンドセンサ60が設けられている。このプレスエンドセンサ60は、加圧バネ59と共に、押圧部68によってシート束Sに与えられる押圧力が所定の値に達したことを検知する。なお、押圧力が所定の値に達したことを検知できさえすれば、加圧バネ59およびプレスエンドセンサ60の配置位置は、ベルト50の他端部側に限らず、例えばベルト50の途中部位であっても良く、また、加圧バネ59の代わりに、ベルト50から所定以上の引張力を受けた際に移動する移動体(所定重量以上の錘等)等を使用しても構わない。
また、図1に示されるように、断裁されたシート束Sを収納するシート束収納部8は、断裁されたシート束S1を両側から支持しつつ鉛直方向に案内する一対の第3のガイド板90,90と、断裁されたシート束S1をガイド板90,90に沿ってシート束断裁部6から吐き出すための排出ローラ23と、排出ローラ23によって吐き出されたシート束S1を略鉛直に立てた状態で集積収納するためのシート束収納ケース24と、断裁刃20によって断裁されたシート束Sの切り屑を収納する屑収納ケース26とを備えている。
また、シート束収納部8には、排出ローラ23から排出されるシート束Sをシート束収納ケース24内へと押込み且つ断裁刃20によって断裁されたシート束Sの切り屑を屑収納ケース26へと案内するフラッパ25が回動可能に設けられている。このフラッパ25は、排出ローラ23の下側に突出して断裁刃20によって断裁されたシート束Sの切り屑を屑収納ケース26へと案内する屑受け位置(図9の(b)に実線で示される位置)と、排出ローラ23によるシート束Sの排出を妨げないように排出ローラ23の下側位置から退避する退避位置(図9の(a)の位置;図9の(b)に破線で示される位置)との間で回動することができる。
次に、上記構成のシート処理装置1を用いてシート束Sを断裁して収納する場合の一例について説明する。
図7のフローチャートに示されるように、先ず最初に、表紙が接着されたシート束Sを鉛直方向に立てた状態でシート処理装置1に対してセットする(ステップS1)。このようなセットは、前述したように、図示しない搬送機構(例えば製本装置等の搬送グリッパ)を介して自動的に行なうこともできるが、ここでは、開閉カバー12を開けてシート束Sを手動でシート束導入口3に導入することにより行なわれる。また、このシート束セット時、テンキー等により、シート束Sの断裁寸法およびシート束Sを形成するシートの表面摩擦係数に関する情報等が入力される。
このようにしてシート束Sがセットされると、これが図示しないセンサによって検出されることによりローラ開閉駆動部14が駆動され、入口搬送ローラ13によってシート束Sが挟持される(ステップS2)。また、この時、シート厚センサ15が、入口搬送ローラ13,13の開閉に連動して作動し、入口搬送ローラ13,13によって挟持されるシート束Sの厚さを検知する。なお、この検知信号(シート束の厚さ情報)は、図示しない制御部に送信され、その後のシート処理に用いられる。
シート厚センサ15によってシート束Sの厚さが検知されると、搬送電磁クラッチ17がONされるととともに、搬送モータ16が駆動され、搬送モータ16の回転力が入口搬送ローラ13,13に伝達される。これにより、入口搬送ローラ13,13が回転し、ガイド板9,19に沿ってシート束S1が位置決めローラ18へと鉛直方向に搬送される(ステップS3)。また、この搬送動作に引き続いて、位置決め電磁クラッチ119がONされるとともに、搬送電磁クラッチ17が解除(OFF)され、シート束Sが位置決めローラ18により搬送されつつ断裁刃20(断裁基準位置)に対して押し当て(突き当て)られて位置決めされる(ステップS4)。この場合、位置決め電磁クラッチ119から各位置決めローラ18への回転力伝達経路内にトルクリミッタ18aが設けられているため、位置決めに必要な搬送力以上の力がシート束Sに加わらず、位置決めローラ18がシート束Sの表面と擦れ合ってシート束Sの表面にスリップ痕が形成されることが防止される。具体的には、例えば、シート束Sが裁断刃20に向けて斜行状態で搬送されるような場合には、位置決め基準である断裁刃20に先に突き当たったシート束Sの一方側に対応するトルクリミッタ18aが空転を始め、シート束Sの他方側が断裁刃20に突き当たるまでの間、位置決めローラ18とシート束Sとの間のスリップが防止される。これは、シート束Sが断裁刃20に当接して位置決めローラ18がロック状態になった場合にトルクリミッタ18aが前述したように作用するべく構成されているためであり、例えば集積枚数の少ないシート束Sであっても、これが座屈するようなことはない。
このようにして、シート束Sが位置決め基準である断裁刃20に突き当たって位置決めされると、位置決め電磁クラッチ119が解除されて、搬送モータ16が停止されるとともに、グリッパ押圧ユニット34によりグリッパ22が駆動され、回転テーブル21とグリッパ22との間でシート束Sが挟持固定される(ステップS5)。
次に、断裁刃20は、シート厚センサ15によって検知されたシート束Sの厚さ情報に基づいて、シート束Sの回転および移動に必要な隙間を形成するべく所定位置まで移動して待機する。その後、テーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32が駆動することにより、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されたシート束Sが所定の断裁位置に位置決めされる。具体的には、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されているシート束Sは、表紙が接着された端縁としての背面Saを下に向けた状態から、図10の(a)に示されるように、他の端縁である短辺としての天部Sbを断裁刃20によって断裁できる位置まで回転(90°回転)および移動される(ステップS6〜ステップS8)。この時、回転によりシート束Sの表面に傷が付かないように、テーブル進退ユニット40およびグリッパ押圧ユニット34の少なくとも一方を駆動させることにより、シート束Sをガイド板19から浮かせた状態で回転させ、回転が終了した時点で再びテーブル進退ユニット40およびグリッパ押圧ユニット34によりシート束Sをガイド板19に接触させる。特に、本実施形態では、図11および図12に示されるように、テーブル進退ユニット40およびグリッパ押圧ユニット34の両方(回転テーブル21およびグリッパ22の両方)を駆動させることにより、シート束Sの両側をガイド板19から浮かせた状態で回転させ(図11参照)、回転が終了した時点で再びテーブル進退ユニット40およびグリッパ押圧ユニット34によりシート束Sをガイド板19に接触させる(図12参照)。また、このようにテーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32によってシート束Sを所定の断裁位置に位置決めする際には、起動時に予め入力されているシートの表面摩擦係数に関する情報に基づいて、テーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32の回転速度および移動速度が制御され、回転テーブル21およびグリッパ22に対してシート束Sがズレないように所定の搬送モード(表面摩擦係数が大きく滑り難いシートの場合には移動回転速度が速い高速モード;表面摩擦係数が小さく滑り易いシートの場合には移動回転速度が遅い低速モード)が実行される。これにより、シート束Sを形成するシートの表面摩擦係数によらず、常に、シート束Sを所定の裁断位置に正確に位置決めすることができ、裁断精度を高めることが可能になる。
以上のようにして、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されているシート束Sが天部Sbの断裁位置に位置決め固定されると、天部Sbの裁断に先立って、天部Sbに対応するシート束Sの両側の端縁部分が一対の押圧機構6C,6Cによって押圧され、天部Sbが断裁力によって動かないように固定される(ステップS9)。これについて、以下、図8のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
まず、シート束Sが前述したように断裁位置にセットされる(ステップS100)と、押圧機構6Cの押圧部68がシート束Sの端縁部に当接するまでの間、高速プレスモードが実行される(ステップS102)。具体的には、第1の電磁クラッチ53がONされ且つ第2の電磁クラッチ55がOFFされた状態で駆動モータ52が駆動され、駆動モータ52の回転力が高速駆動系54を介してボールネジ57に伝えられる。これにより、ボールネジ57が高速回転し、ナット58が高速で進退するとともに、ナット58に結合されているベルト50が図5の(b)に矢印Tで示される方向に高速で引っ張られ、動滑車45が付勢バネ80の付勢力に抗してシート束Sの方向(押圧方向)に移動する。この時、動滑車45の移動量はナット58の移動量の半分であるが、動滑車45に負荷される力(すなわち、押圧力)はボールネジ57の回転駆動力の2倍となる。言い換えると、ボールネジ57、したがって、駆動部70には、押圧に必要な荷重の半分しか作用しない。
このようにして、動滑車45がシート束Sの方向に移動すると、動滑車45に連結された加圧プレート46を介して作用部材41がその待機位置からシート束Sの方へ移動する。これにより、作用部材41は、押圧板43に当て付いて、押圧板43をシート束Sの方向へ移動させる(図5の(b)参照)。その後、シート束Sの端縁に押圧板43が接触したことが図示しないセンサによって検知される(ステップS104)と、図示しない制御部は、第1の電磁クラッチ53をOFFするとともに、第2の電磁クラッチ55をONし、駆動モータ52の回転力を低速駆動系56を介してボールネジ57に伝達する。すなわち、低速プレスモードが実行される(ステップS106)。この場合、シート束Sの端縁と押圧板43とが既に接触しているため、動滑車45は動かないが、低速側駆動系56から動滑車45を介して大きなトルクが作用部材41に伝わり、作用部材41から押圧板43を介して大きな押圧力がシート束Sの端縁に作用する。すなわち、シート束Sの端縁は、図5の(b)および図9の(a)に示されるように、例えばガイド板19と押圧板43との間で所定の押圧力をもって挟持される。また、この時、ベルト50が引っ張られているにもかかわらず動滑車45は動かないため、加圧バネ59が伸び始める。
なお、このような押圧動作では、シート束Sの幅全体にわたって均一に押圧力が作用する。これは、前述したように、作用部材41が枢支ピン47を介して加圧プレート46に対して揺動自在に連結されているためである。すなわち、このような揺動機構を採用することにより、押圧力伝達時に、シート束Sおよび押圧板43に対する作用部材41の傾きが揺動動作によって補正されて、作用部材41と押圧板43との間で平行性が保たれ(シート束Sに対する押圧板43の片当りがなくなり)、シート束Sの幅全体にわたって均一に押圧力が作用するようになる。したがって、断裁刃20がシート束Sの端縁を切り揃える際に、十分な押圧力が得られ、断裁精度を高めることができる。
以上のような押圧動作により、シート束Sに与えられる均一な押圧力が所定の値に達すると、加圧バネ59がプレスエンドセンサ60の位置まで伸び、これがプレスエンドセンサ60によって検知される(プレスセンサ60がONされる・・・ステップS108)。これにより、駆動モータ52の駆動が停止され、所定の押圧力が維持される。
なお、この場合、断裁されるシート束Sの大きさに合わせて、加圧バネ59の伸び量を可変させ、所定の適正な押圧力を得ることが好ましい。適正な押圧力Pは、シート束Sを押える押圧力の単位幅をwとし、単位幅あたりの押圧力をpとし、シート束Sの長さをLとすると、次式で求められる。
P=p×(L/w)
本実施形態では、前記適正押圧力Pが得られるまで、加圧バネ59が伸ばされる。具体的には、図14のフローチャートに示されるように、シート束Sの断裁方向に沿う長さ情報が図示しない前記制御部に送信されると(ステップS300)、前記式によって適正な押圧力が算出される(ステップS302)。続いて、算出された適正押圧力Pから加圧バネ59の伸び量が算出され(ステップS304)、その伸び量に達するまで駆動モータ52により加圧バネ59が伸ばされる(ステップS306)。
次に、所定の押圧力が維持された状態で、断裁刃駆動部38が駆動され、断裁刃20による天部Sbの断裁が行なわれる(図8のステップS110;図7のステップ10)。具体的には、断裁刃20が円弧を描くように水平面内で移動されることにより、天部Sbの端縁が切り揃えられる(図9の(b)参照)。この時、ガイド板19には、断裁刃20の刃先を受けるプラスチックまたはゴム等の部材から成る刃受け部材19aが設けられているため、断裁板20の刃先を保護することができる。また、この断裁動作によって断裁された屑27は、自重で落下し、フラッパ25により屑収納ケース26へと収納される(図7のステップS18参照)。すなわち、断裁が開始されると、図示しない制御手段により、フラッパ25が図9の(b)に実線で示される屑受け位置へと回動され、裁断に伴なって自重落下してくる裁断屑27がフラッパ25の案内により屑収納ケース26へと収納される。なお、フラッパ25は、1つのシート束Sの裁断が終了する度に元の位置(図9の(a)に実線で示される位置;図9の(b)に破線で示される位置)に戻される。
以上のようにして天部Sbの端縁が断裁されると、それが断裁エンドセンサ(図示せず)によって検知され(図8のステップS112,S114)、断裁刃20は、再び、シート束Sの厚さ情報に基づいて、シート束Sの回転および移動に必要な隙間を形成するべく所定位置まで移動して待機する(図7のステップS12;図8のステップS116)。また、これと同時に、押圧部68による押圧力も解除される(図7のステップS11)。すなわち、電磁クラッチ53,55のON/OFF状態が切換えられるとともに、駆動モータ52が逆転駆動され、高速駆動系54により作用部材41がその待機位置へと戻される(図8のステップS118,S120)。すなわち、天部Sbに関する一連の断裁作業が終了する(図8のステップS122)。
なお、前記断裁エンドセンサは、断裁位置近傍に設置されても良く、また、断裁終了後に回転テーブル21とグリップ22とによってシート束Sを挟持したまま、前記断裁エンドセンサの検出位置まで回転テーブル21を移動して検出しても良く、あるいは、前記断裁エンドセンサを図示しない駆動系で断裁位置へ移動させても良い。
また、前記断裁エンドセンサにより断裁の正常終了が検出されない場合、制御系により、更に数度、断裁動作が行なわれる。すなわち、図15のフローチャートに示されるように、断裁動作が開始され(ステップS400)、その後、前述した動作により断裁動作が終了する(ステップS402)と、断裁終了検知手段としての前記断裁エンドセンサが断裁具合を検出し(ステップS404)、断裁が正常に終了している場合には、断裁動作を終了する(ステップS406)が、断裁が正常に終了していない場合には、ステップS400に戻って断裁動作を繰り返す。
また、断裁刃20もしくは刃受け部材19aの磨耗に起因して断裁不良が発生した場合には、図16のフローチャートに示されるように、断裁刃20もしくは刃受け部材19aの交換を促すアラームをユーザに発する(ステップS408)とともに、次の断裁動作が行わわれないようにする。なお、アラームは、装置自体が直接に発しても良いが、他の装置、例えば印刷機等の画像形成装置を通じて発しても良い。
続いて、シート束Sの他の端縁である短辺としての地部Sdの断裁が行なわれる。そのため、テーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32が再び駆動され、回転テーブル21とグリッパ22とによって挟持されているシート束Sは、天部Sbを下に向けた状態から、図10の(b)に示されるように、地部Sdを断裁刃20によって断裁できる位置まで回転(180°回転)および移動される(図7のステップS13〜S15・・・無論、この場合も、シート束Sは、ガイド板19から浮かされた状態で回転移動されるとともに、回転テーブル21およびグリッパ22が同一の回転速度および回転加速度で動作される)。そして、シート束Sが地部Sdの断裁位置に固定されると、前述した天部Sbと同様の手順により、地部Sdの押圧および裁断が行なわれる(図7のステップS9〜S12)。更にその後、同様にしてシート束Sを90°回転させることにより、残りの端縁である長辺としての小口部Scの裁断が同様の手順で行なわれる(図10の(c)参照)。なお、ここでは、天部Sbを裁断した後、地部Sdを裁断したが、地部Sdを裁断した後、天部Sbを裁断しても良い。要は、シート束の2つの短辺を先に裁断した後、最後に長辺を裁断すれば良い。
以上のようにして3つの端縁の裁断が完了すると、テーブル回転移動ユニット36およびグリッパ移動ユニット32が駆動されることにより、グリッパ22と回転テーブル21とで挟持されたシート束Sが排出ローラ23を介してシート収納ケース24内へと搬送される(図7のステップS16)。具体的には、シート束Sは、グリッパ22と回転テーブル21とによって挟持されつつ、ガイド板19から浮かされた状態で且つ背面Saを下側に向けた状態で、排出ローラ23へと搬送されるとともに、図示しないセンサによって排出ローラ23間に位置された状態が検知されると、図示しない挟持機構を介して排出ローラ23により挟持される一方、グリッパ22および回転テーブル21による挟持状態が解除され、それ以後、排出ローラ23のみによって収納ケース24内へと送られる。この場合、排出ローラ23により吐き出されるシート束Sは、フラッパ25によりシート収納ケース24内に押し込まれるとともに、表紙が接着された端縁Saを下にした略鉛直に立てられた状態で集積収納される(図7のステップS17)。
以上説明したように、本実施形態のシート処理装置1では、回転テーブル21で回転および移動を行なう際、グリッパ22を回転テーブル21と同一の速度で回転および移動させるため、グリッパ22の回転抵抗や移動時の抵抗を無くし、シート束S1のズレを防ぐことができる。したがって、断裁精度を高めることができる。すなわち、シート束S1内にカラー出力紙等の低摩擦紙が存在する場合であっても、回転抵抗となる部分が無いため、回転テーブル21の回転時にシート束S1内にズレが生じることを防止でき、断裁精度の優れたシート束断裁装置を提供することができる。
なお、シート束Sは、本実施形態のように位置決めローラ18,18によって前記断裁基準位置(断裁刃20)に対して突き当てられても良いが、例えば、シート束Sをその自重によって前記断裁基準位置(断裁刃20)に対して突き当てることも考えられる。そのような実施形態が図17および図18に示されている。これらの図から分かるように、この実施形態においては、位置決めローラ18,18が設けられていない。そのため、シート束Sは、入口搬送ローラ13によって断裁刃20の方向へと搬送された後、グリッパ22と回転テーブル21とによって挟持されて搬送され、断裁刃20に対して突き当てられる手前で、グリッパ22および回転テーブル21による挟持状態が解除されることにより、断裁刃20に向けて自由落下される。
このように、シート束Sをその自重によって断裁刃20(断裁基準位置)に対して突き当てれば、シート束Sを断裁刃20に対して突き当てるための機構を敢えて設ける必要がなくなるため(したがって、本構成において、シート束Sは、入口搬送ローラ13によって搬送された後、グリッパ22と回転テーブル21とによって挟持されることなく、そのまま、断裁刃20に向けて自由落下されても良い)、装置構成の簡略化および小型化を図ることができ、結果として、省スペース化や低コスト化を図ることができるようになる。また、この場合、シート束Sを略鉛直方向に立てた状態で断裁刃20に対して突き当てるようにしているため、装置のフットプリントを小さくでき、更なる省スペース化を図ることができる。
図19および図20には、屑収納ケース26内における屑27の満タン状態を検知するための構成および方法が示されている。図19に示されるように、屑収納ケース26には、屑27の満タン状態を検知するためのメインセンサ200が付設されている。このメインセンサ200は、これが屑27の満タンを検知した後であっても処理中の屑27をある程度の量だけ屑収納ケース26内に収納できるような位置に設けられている。また、屑収納ケース26には、屑収納ケース26が満タン状態になる前の所定の収納状態を検知する(例えば、満タン状態を100%とすると、90%の屑収納状態(プレ満タン状態)を検知する)サブセンサ202が付設されている。
このような構成では、図20に示されるように、フラッパ25が屑受け位置(図19に示される位置)に位置された状態(ステップS200)で、シート束Sの裁断が行なわれ(ステップS202)、シート束Sの断裁屑27が屑収納ケース26内へと自由落下してくると(ステップS204)、サブセンサ202が屑収納ケース26内に溜まった屑27を検知した時点(ステップS206)で、アラームが発せられる(ステップS208)。したがって、ユーザは、このアラームに基づいて屑収納ケース26内の断裁屑27を処理(廃棄)すれば良い(ステップS210)。この場合、アラームは、装置自体が直接に発しても良いが、他の装置、例えば印刷機等の画像形成装置を通じて発しても良い。
なお、上記構成においては、屑収納ケース26が機体に正しく装着されているか否かを検知する検知手段が設けられていても良い。この場合、屑収納ケース26が正しく機体に装着されていないと、前述したプレス断裁動作が行なえないような安全対策を施すことが望ましい。そのようにすることで、手や指を屑収納ケース26内に誤って挿入した場合でも、それに伴う怪我を回避できる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。