JP2006223958A - フィルタユニット及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子装置の冷却ファンに付属するフィルタ材の交換を容易にする。
【解決手段】 フィルタユニット100は、電子装置の冷却ファンの下部に固定されるケーシング10と、ケーシング10内に配設されたレール上でスライドして、ケーシング10の内部に挿入又は引出し自在に配設されるカートリッジ20とを備える。カートリッジ20は、フィルタ材を供給する供給ロールと、フィルタ材を巻き取る巻取りロールとを有し、巻取りロールの歯車は、カートリッジ20の挿入に際して、遊星歯車を介してケーシング10内の駆動モータの駆動歯車と噛み合い、回転結合される。電子装置の冷却ファンが一定期間運転されると、タイマによって巻取りロールが回転し、一定量のフィルタ材が逐次巻き取られる。長期の運転で、フィルタ材の残量がなくなると、カートリッジ20がケーシング10から外され、新たなフィルタ材に交換される。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタユニット及び通信装置に関し、更に詳しくは、通信装置の電子部品の空気冷却に際して、空気中の塵埃の除去に好適に使用でき、且つ、取扱い及び交換が容易なフィルタユニット、並びに、該フィルタユニットを備える通信装置に関する。
屋内に設置される通信機器は、一般に、シェルフ単位の電子装置が筐体内に縦積みされて実装される。図7は、典型的な従来の通信装置の正面図及び側面図を示している。通信装置50を構成する各電子装置51は、図示のようにシェルフ内に立てて配設された多数のカード型電子回路53を有しており、シェルフ単位で通信装置の筐体52内に実装される。
図8は、上記通信装置50に実装される各電子装置51の一例を、内部のカード型電子回路53の多くを除いて斜視図で示している。電子装置51は、直方体形状の枠組を有し、前面、上面及び下面がそれぞれ開放するシェルフ57と、シェルフ57底部のガイドレール54上に配設されており、機能部品を構成するカード型電子回路53と、ガイドレール54の下部にアレイ状に配設される複数のファンユニット55と、ファンユニット55の吸気側に配設されるエアフィルタ56とを備える。ガイドレール54に沿って各カード型電子回路53がシェルフ57内に挿入されることにより、カード型電子回路53の後部コネクタと、シェルフ57の後面に配設されたコネクタとが嵌合して、電気的接続が行われる。各ファンユニット55は、ガイドレール54の下方からエアフィルタ56を通して清浄なエアを吸気し、カード型電子回路53を冷却した後に、そのエアをシェルフ57の上部に形成された排気開口を経由して外部に排気する。
上記通信装置50のエアフィルタ56は、長期にわたってファンユニット55が稼動すると、エアフィルタ56表面に塵埃が蓄積され、ファンユニット55の吸気量を低下させる。吸気量の低下を防止し、電子装置51における冷却能力が不足にならないように、エアフィルタ56の定期的な清掃または交換が必要である。例えば、ファンユニット55の一部の回転数をモニタし、その回転数をホストセンターに通知し、保守作業者が、その通知に従って現場に赴き、エアフィルタ56をシェルフ57から取り外して、その清掃又は交換を行う。
上記従来のエアフィルタ56は、フィルタの交換又は清掃を、専門の保守作業者が現場に赴いて行う必要があり、交換や清掃に必要な作業工数が大きいという問題があった。
特許文献1には、電子装置を冷却する冷却ファンのためのエアフィルタが、フィルタ布(フィルタ材)を供給する供給ロール及びそのフィルタ布を巻き取る巻取りロールとにより構成される旨が記載されている。このエアフィルタでは、電子装置を通過する空気流の風速が低下すると、その低下を検知し、巻取りロールで所定量のフィルタ布を自動的に巻き取り、これによって新たなフィルタ布部分を介して、電子装置に清浄な空気を必要な風量で供給する。
特開平6−246120号公報(図1)
上記公報に記載のエアフィルタでは、供給ロールからフィルタ布が供給される限りは、単に巻取りロールによって所定量のフィルタを巻き取ることで、新たなフィルタ部分が使用でき、保守に要する作業工数が低減できる。しかし、供給ロールに巻かれたフィルタ布の残量がなくなると、その取替えが必要である。縦積みされた電子装置を有する通信装置では、その構造のために、エアフィルタの取替えに多くの作業工数が必要になる。
また、前記公報には、既設の電子装置のエアフィルタを取り外し、該公報に記載の新たなエアフィルタに交換する際に好適な構造については、記載がない。
本発明は、上記に鑑み、縦積みされた電子装置を有する通信装置に使用して特に好適なフィルタユニットであって、ロールに巻回されたフィルタ材を有するフィルタを交換するにあたって、特に取付け及び取り外しが容易なため、交換に要する工数が削減可能な一体構造のフィルタユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、既設の電子装置等に付属する従来のエアフィルタを取り外し、これを新たなフィルタユニットに交換するにあたって、特に交換が容易な構造を有するフィルタユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のフィルタユニットは、フィルタ材、該フィルタ材を供給する供給ロール及び該供給ロールから供給されるフィルタ材を巻き取る巻取りロールから成るフィルタと、前記供給ロール及び前記巻取りロールを回転可能に支持するカートリッジと、前記フィルタ材に対応して配設される空気流入開口及び空気流出開口を有するケーシングとを備えるフィルタユニットにおいて、
前記ケーシングが前記カートリッジの外縁部に隣接して延びる一対のレール部材を備え、前記カートリッジが、前記レール部材上にスライド自在に支持されて前記ケーシング内に挿入又は引出し可能に配設されることを特徴とする。
また、本発明の通信装置は、筐体と、該筐体に支持され電子部品を支持する複数のシェルフと、該シェルフのそれぞれに対応して配設され前記電子部品を冷却する冷却ファンと、該冷却ファンの吸気側に配設されるフィルタユニットとを備える通信装置において、
前記フィルタユニットは、
フィルタ材、該フィルタ材を供給する供給ロール及び該供給ロールから供給されるフィルタ材を巻き取る巻取りロールから成るフィルタと、前記供給ロール及び前記巻取りロールを支持するカートリッジと、
前記フィルタ材に対応して配設される空気取入れ口及び空気吐出口を有するケーシングとを備え、前記カートリッジが、前記レール部材上にスライド自在に支持されて前記ケーシング内に挿入又は引出し可能に配設されることを特徴とする。
本発明のフィルタユニットによると、カートリッジがレール部材上でスライドしつつケーシングの内部に挿入又は引出し可能に配設されるので、フィルタ材の交換に際して、カートリッジを引き出すことで、容易にフィルタ交換が可能になる。このため、フィルタ交換の工数の削減が可能である。また、本発明の通信装置では、上記構成のフィルタユニットを備える構成により、通信装置の取扱いのための工数が削減可能である。
本発明の好ましい態様のフィルタユニットでは、前記ケーシング内には前記巻取りロールを駆動する駆動モータが固定され、前記巻取りロールは、前記ケーシング内への前記カートリッジの挿入位置で、前記駆動モータの回転シャフトに回転結合される。駆動モータをケーシング側に配設する構成により、カートリッジには電気配線の必要がなく、また、コネクタ等の部品の必要もない。更には、カートリッジ挿入するのみで、巻取りロールの回転のための駆動力が得られるので、フィルタ交換の際の労力の軽減が可能である。
更に、前記巻取りロール及び前記駆動モータの回転シャフトには、前記回転結合のための歯車がそれぞれ形成されており、該双方の歯車間には前記挿入位置で遊星歯車が介在することも本発明の好ましい態様である。この場合には、駆動モータの回転シャフトと巻取りロールの配置における寸法の精度についてマージンが得られる。
更に、前記ケーシングには、前記空気流出開口と前記カートリッジの挿入方向に直交する方向に隣接して、前記空気流出開口よりも小さな複数の空気孔が形成されることも本発明の好ましい態様である。この場合、冷却ファン運転時におけるフィルタ材のフィルタ面と平行方向の位置が安定する。
更に、前記カートリッジは、該カートリッジの側縁部に形成されたピンによって前記レール部材上でスライド自在に支持されることも本発明の好ましい態様である。この場合、レール部材との間で小さな摩擦抵抗が得られ、カートリッジの挿入及び引出しが容易になる。
更に、前記フィルタ材の空気流入側及び空気流出側の少なくとも一方の面に隣接して、前記フィルタ材をガイドするガイド部材が形成されることも好ましい。この場合、フィルタ材のフィルタ面と垂直方向の位置が安定する。
更に、前記供給ロールと前記巻取りロールとの間に、前記フィルタ材をガイドする中継ロールが配設されることも好ましい。この場合、フィルタ材の移動方向と平行な方向の張力によりフィルタ材の移動方向位置が安定する。
更に、前記供給ロール及び巻取りロールが、前記カートリッジに取外し可能に支持されることも好ましい。この場合には、狭い場所に配設されるフィルタユニットについても、フィルタ材の交換が容易になる。
更に、前記カートリッジが、上面が開口し側面の上端にU字孔が形成されたカートリッジ本体と該カートリッジ本体の前記開口する上面を塞ぐ上蓋とから構成され、前記前記供給ロール及び巻取りロールの双方の両端は、前記U字孔内に挿入され、前記上蓋によって前記U字穴内に閉止されることも好ましい。この場合、フィルタの取り外しが特に容易になる。
更に、前記ケーシングには、前記フィルタ材の巻取りによる移動量を検出する巻取り量検出センサが配設されることも好ましい。巻取り量検出センサによって、塵埃が付着したフィルタ材を巻き取る際の巻取り量の制御が容易になる。
更に、前記巻取り量検出センサが、周縁部に孔が形成され前記フィルタ材の巻取りによって回転する円板状部材と、該円板状部材によって光路が形成又は遮断されるフォトカプラと、該フォトカプラの光路の形成又は遮断に基づいて前記円板状部材の回転量をカウントするカウンタとを有することも好ましい。円板及びフォトカプラを利用することにより、巻取り量の検出が特に容易になる。
更に、前記巻取り量検出センサが、前記カウンタのカウント数を記憶する不揮発性記憶装置を更に備えることも好ましい。この場合、電源オフに際してもカウント数が保存される。カートリッジには、電気部品を配置せず、従って、電気配線が存在しないことが、メンテナンスの点からは好ましい。
更に、前記ケーシングには、前記巻取りロールの巻取り限界を検出する巻取り限界検出センサが配設されることも好ましい。巻取り量が限界に達したことを検出することにより、フィルタ材の交換時期を知ることが容易になる。
本発明の通信装置の好ましい態様では、前記ケーシング内には前記巻取りロールを駆動する駆動モータが固定され、前記巻取りロールは、前記ケーシング内への前記カートリッジの挿入における少なくとも最終位置で、前記フィルタ駆動モータの回転シャフトに回転結合される。カートリッジの挿入により、巻取りロールの駆動力が簡単に得られる。
また、前記ケーシングが前記筐体に固定されることも本発明の通信装置の好ましい態様である。この場合、前記ケーシングが、更に前記シェルフに固定されることも好ましい。更に、ケーシングと冷却ファンとの間に、前記空気流出側開口を囲むパッキングが配設され、該パッキングの内側が空気流路を構成することも本発明の通信装置の好ましい態様である。
以下、図面を参照し本発明の実施形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフィルタユニット100の斜視図である。フィルタユニット100は、前面に矩形状の挿入口17を有するケーシング10と、ケーシング10の挿入口17から挿入及び引出し自在に配設されるカートリッジ20とから構成される。フィルタユニット100は、図7を参照して説明した通信装置に実装される電子装置51のシェルフ57の下面に、従来のエアフィルタ56に代えて、通信装置50の筐体に直接に取り付けられる。
ケーシング10は、全体として直方体形状のケーシング本体11と、ケーシング上蓋12とから構成される。ケーシング上蓋12には、空気吐出用の矩形状開口14が形成されている。開口14には、フィルタ布(フィルタ材)の浮き上がりを押さえフィルタ布をガイドする複数の長尺のフィルタガイド(ガイド棒)18が形成されている。開口14の幅は、フィルタ材の幅よりも狭く形成されており、その開口14の左右方向に隣接して複数の空気孔19がそれぞれ1列に並んで配置されている。空気孔19は、冷却ファンの運転により吸気を電子装置側に導入し、その吸気によって後述するフィルタ材をケーシング上蓋12の方向に引き寄せる、フィルタ材の位置を安定させる機能を有する。開口14及び空気孔19を囲んで、パッキング15が貼付されている。パッキングの内側は、冷却空気の流路を構成している。
更に、ケーシング10には、その前面の挿入口17に隣接して、ケーシング本体11を通信装置の筐体に固定するための一対の取付板16が形成されている。取付板16には、通信装置の筐体の柱部分に取り付けるためのビス孔が形成されている。ケーシング本体11の底面には、図示しない開口が上蓋12の開口14及び空気孔19に対応して形成されている。
図2及び図3はそれぞれ、ケーシング上蓋12を除いて、フィルタユニット100の内部を示す斜視図である。カートリッジ20は、カートリッジ本体21及びカートリッジ上蓋22とから構成される。上蓋22は、カートリッジ本体21にビス止めされる。カートリッジ20は、その前面に形成された把手23を手に持って、ケーシング10の内部に挿入し、又は、これから引き抜かれる。ケーシング10の内部には、カートリッジ20の両脇に、カートリッジ20の挿入方向に延びる一対のレール31が形成されている。カートリッジ20は、レール31に対応してピン24が双方の側部にそれぞれ2つづつ形成されており、ピン24がレール31上をスライドすることにより、前後方向に移動可能である。
カートリッジ20の上蓋22には、その中央付近に矩形状の開口25が形成され、開口25にはカートリッジ20の挿入方向に延びてフィルタ材を下方から支持する多数の下部フィルタガイド26が形成されている。開口25の前面側及び背面側には、上蓋に隠されたフィルタ供給ロール及びフィルタ巻取りロールが、カートリッジ20の内部に収容されている。また、供給ロール及び巻取りロールにそれぞれ隣接して、フィルタ材の移動を補助する中継ロールが配設される。
図2において、カートリッジ20の背面側の左側面近傍には、巻取りロール駆動用のモータ32がケーシング10内に配置されている。モータ32の駆動用シャフトには、駆動用歯車33が取り付けられており、駆動用歯車33には、遊星歯車34が付属しており、図示しないスプリングによって前面側(カートリッジ歯車28側)に付勢されている。遊星歯車34は、カートリッジ20の挿入の最終位置付近で、カートリッジ20の巻取りロールに直結するカートリッジ歯車28によって背面側に押され、駆動用歯車33に噛み合うことで、モータの駆動力を駆動用歯車33からカートリッジ歯車28に伝達する。
図3において、巻取りロールに隣接する中継ロールの回転軸は円板29を回転させ、その回転に際して、円板29に形成された孔を通してフォトカプラ41の光路を形成又は遮断する。フォトカプラ41の出力は、図示しないカウンタに接続され、カウンタの回転数は不揮発性記憶装置に記憶される。不揮発性記憶装置に記憶された情報によって、フィルタ巻取り時の移動量が計算される。
図4(a)は、カートリッジ20の上蓋22を外してカートリッジ本体21を示すもので、フィルタ42をカートリッジ本体21から外した状態で示している。フィルタ42は、カートリッジ20の背面側に配設される巻取りロール43と、カートリッジ20の前面側に配設される供給ロール44と、供給ロール44から供給され、巻取りロール43に巻き取られるフィルタ材45とから構成される。供給ロール44及び巻取りロール43の両端は、カートリッジ20の本体21の上端に形成されたU字溝46内に挿入され、本体21の上から上蓋22を被せることによって、U字溝46内に回転可能に収容される。
カートリッジ本体21には、先に述べたようにフィルタ材45をガイドするフィルタガイド26が形成されている。供給ロール44及び巻取りロール43は、カートリッジ本体21の各収容部分に収容される。また、供給ロール44及び巻取りロール43にそれぞれ隣接して中継ロール49が配設されている。中継ロール49は、巻取りロール43による巻取り時以外のときに、フィルタ材45の張力を高めるために配設される。フィルタ材45は、供給ロール44の下側から供給され、双方の中継ロール49の上側を通過し、巻取りロール43の下側から巻取りロール43に巻き取られる。巻取りロール43の巻取り厚みを検出するための図示しない接触スイッチが、巻取りロール収容部分に配設され、巻取りロールにおいて巻取り厚みが限界に達したか否かを検出している。
図4(b)のフィルタ材45の取り回し模式図を参照し、フィルタ材の巻取り構造を詳細に説明する。中継ロール49は、供給ロール44側の中継ロール49aと、巻取りロール43側の中継ロール49bとから構成されている。各中継ロール49a、49bには、フィルタ材45の張力を高め、後述する巻取り量検出を確実なものとするために、各一本以上の付属中継ロールが付属している。
中継ロール49aには、バネなどの付勢力で中継ロール49a側に押される(図中の矢印方向)付属中継ロール49a1が隣接して設けられている。フィルタ材45は、双方の中継ロール49a,49a1の間を通過するように取り回されている。フィルタ材45は、中継ロール49aと付属中継ロール49a1との間に挟まれ、これによって、巻取りロール43での巻取りに対する抵抗力が付与される。
中継ロール49bには、フィルタ材45が折り返して蛇行状態で取り回されるように、巻取りロール43の反対側に付属中継ロール49b1が、巻取りロールと同じ側に付属中継ロール49b2がそれぞれ設けられている。前述のとおり、中継ロール49bには、円板29が取り付けられ、円板29の回転がフォトカプラ41により検出され、フィルタ巻取り量が計算されている。このように、フィルタ材の折返しを複数箇所持たせることで、フィルタ材45と中継ロール49bとの間の滑りが効果的に防止でき、正確な巻取り量の計算が可能である。また、フィルタ材45の張力を高めることで、フィルタ材45の位置が安定し、或いは、フィルタ材45の確実な巻取り等の効果も得られる。付属中継ロールを含む各中継ロールは、フィルタ材45にツメなどで孔などを開けながら回転するのではなく、表面が滑らかな円筒部材などを用い、フィルタ材45に傷をつけないような構成とすることが好ましい。この場合でも、フィルタ材45と中継ロール49bとの間の滑りは効果的に防止でき、正確な巻取り量の計算が可能である。
なお、前述の駆動用歯車及び遊星歯車がカートリッジ歯車と噛み合う条件のままで遊星歯車の構成を反転させるなどして、巻取りロール43を、図示した回転方向とは逆方向に回転させると、塵埃が付着したフィルタ材の汚れ面を、巻取りロールの内側(芯側)とすることができるので、ロール交換時に塵埃を落とすことがないなどの利点が得られる。
図5は、上記実施形態のフィルタユニット100を通信装置に実装する際の状態で示している。通信装置100には、電子装置51が段積みになるように配設され、各電子装置51の下部に上記実施形態のフィルタユニット100が配設される。フィルタユニット100は、前方の取付板16が通信装置の筐体の柱58にビス止めされて、通信装置50に取り付けられる。
図6は、図5の電子装置と、その下部に配設されたフィルタユニットとを冷却エアの流れと共に示す断面図であり、カートリッジ20の一部を側面で示している。フィルタユニットは、パッキング15を介して電子装置51の冷却ファンの下部に配設されており、フィルタユニットの背面側は、電子装置51のシェルフ57に補強金具59を介して固定されている。冷却ファン55が回転すると、エアは、フィルタユニット100の下部から吸い込まれ、フィルタ材45及び冷却ファン55を通過して、電子装置51の内部に導入される。電子装置51では、図示しない各カード型電子回路が縦向きになって多数が並べられており、エアはそれらカード型電子回路の間を通過して、各カード型電子回路を冷却する。
上記実施形態のフィルタユニットは、まず、運転開始に先立って、フィルタユニット100を設置する塵埃環境に対するエアフィルタの圧力損失特性が求められる。その圧力損失が、電子装置51に十分なエアを送れなくなる許容限界まで増大する期間を算出し、その期間をタイマでセットする。フィルタユニットを運転し、長期間稼動させることによって、フィルタ材45の表面に塵埃が蓄積し、フィルタ材45の圧力損失が徐々に増大する。このため、冷却ファン55の回転速度が低下し、電子装置51へ十分なエアが送れなくなる。
予め設定されたタイマの期間が経過した時点で、自動的に巻取りロール43の駆動モータ32を起動し、モータ歯車33から遊星歯車34、カートリッジ歯車28を介して巻取りロール43を回転させ、所定量のフィルタ材45を巻き取り、清浄な面を供給する。所定量のフィルタ材45は、あらかじめ設定された円板の孔の通過数で検出する。この巻取りは、巻取り厚みの限界検出センサが巻取りロール43の巻取り厚みの限度を検出するまで行われる。
限界検出センサがオンすると、電子装置の集中管理室にフィルタの交換を促すアラームを発信する。このため、保守要員は電子装置が設置された場所に赴き、交換作業を実施する。交換は、カートリッジ20をケーシング10から引出し、カートリッジ20の上蓋22を外して、供給ロール44及び巻取りロール43をカートリッジ本体21から取り出して行われる。交換は、使用済みのフィルタ材45を供給ロール44及び巻取りロール43から取り外し、新たなフィルタ材をこれらにセットすることで行われる。その後、再びアラームが発生したら、同様に上記作業を行う。
上記実施形態のフィルタユニットでは、ケーシングが通信装置の筐体に固定されており、カートリッジをケーシングから引き抜くことで、容易にフィルタ材の交換が可能である。カートリッジには、電気要素が配置されないので、配線が不要であり、コネクタ等の接続や取り外しの必要がない。カートリッジの挿入に際して、歯車同士が噛み合って回転結合が可能になるので、カートリッジの取扱いが容易になる。遊星歯車を使用したことにより、回転結合が特に容易になる。
なお、上記実施形態では、供給ロール44及び巻取りロール43を使用した例を挙げたが、フィルタ材45は直接にカートリッジ20にセットしてもよい。また、タイマを利用した周期的な巻取りに限らず、冷却ファンの回転数やフィルタ材の圧力損失の上昇によって巻取りが必要な時期を検出してもよい。カートリッジ20をガイドするレール31は、必要な機能を有すれば足り、特に図示の形状に限定されない。
フィルタ材としては、厚紙、布、或いは、プラスチックなどの材料が使用できる。パッキングとしては、スポンジ状のものやブラシ状のものなどが使用できる。また、本発明のフィルタユニットは、通信装置に限らず、その他の電子装置や機械装置に使用可能である。冷却ファン運転中にフィルタ材を所定位置に固定する空気孔の形状は、いかなる形状でもよく、例えば円形、多角形などが使用できる。巻取り限界の検出や、フィルタ材の移動量の検出などには、他の公知のセンサが使用可能である。歯車は、遊星歯車を利用する例を挙げたが、遊星歯車を使用しないでもよい。また、駆動機構は歯車に限定されない。
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明のフィルタユニット、通信装置は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施形態に係るフィルタユニットで、カートリッジをケーシングから一部引き抜いた状態で示す斜視図。 実施形態のフィルタユニットを、その上蓋を除いた状態で示す斜視図。 図2のフィルタユニットを、図2とは別方向から見た斜視図。 (a)は、実施形態のフィルタユニットのカートリッジを、フィルタを外した状態で示す斜視図、(b)はフィルタ材の取り回しの状態を示すフィルタの模式的側面図。 実施形態のフィルタユニットを、通信装置に取り付ける際の状態で示す斜視図。 電子装置にフィルタユニットを装着した状態で示す断面図。 従来の通信装置の正面図及び側面図。 従来の電子装置を分解した状態で示す斜視図。
符号の説明
100:フィルタユニット
10:ケーシング
11:ケーシング本体
12:ケーシング上蓋
14:開口
15:パッキング
16:取付板
17:挿入口
18:フィルタガイド
19:空気孔
20:カートリッジ
21:カートリッジ本体
22:カートリッジ上蓋
23:把手
24:ピン
25:開口
26:フィルタガイド
28:カートリッジ歯車
29:円板
31:レール31
32:駆動モータ
33:駆動歯車
34:遊星歯車
41:フォトカプラ
42:フィルタ
43:巻取りロール
44:供給ロール
45:フィルタ材
49a、49b:中継ロール
49a1、49b1、49b2:付属中継ロール
50:通信装置
51:電子装置
52:筐体
53:カード型電子回路
54:ガイドレール
55:ファンユニット
56:エアフィルタ
57:シェルフ
58:筐体の柱
59:補強板

Claims (19)

  1. フィルタ材、該フィルタ材を供給する供給ロール及び該供給ロールから供給されるフィルタ材を巻き取る巻取りロールから成るフィルタと、前記供給ロール及び前記巻取りロールを回転可能に支持するカートリッジと、前記フィルタ材に対応して配設される空気流入開口及び空気流出開口を有するケーシングとを備えるフィルタユニットにおいて、
    前記ケーシングが前記カートリッジの外縁部に隣接して延びる一対のレール部材を備え、前記カートリッジが、前記レール部材上にスライド自在に支持されて前記ケーシング内に挿入又は引出し可能に配設されることを特徴とするフィルタユニット。
  2. 前記ケーシング内には前記巻取りロールを駆動する駆動モータが固定され、前記巻取りロールは、前記ケーシング内への前記カートリッジの挿入位置で、前記駆動モータの回転シャフトに回転結合される、請求項1に記載のフィルタユニット。
  3. 前記巻取りロール及び前記駆動モータの回転シャフトには、前記回転結合のための歯車がそれぞれ形成されており、該双方の歯車間には前記挿入位置で遊星歯車が介在する、請求項2に記載のフィルタユニット。
  4. 前記ケーシングには、前記空気流出開口と前記カートリッジの挿入方向に直交する方向に隣接して、前記空気流出開口よりも小さな複数の空気孔が形成される、請求項1〜3の何れか一に記載のフィルタユニット。
  5. 前記カートリッジは、該カートリッジの側縁部に形成されたピンによって前記レール部材上でスライド自在に支持される、請求項1〜4の何れか一に記載のフィルタユニット。
  6. 前記フィルタ材の空気流入側及び空気流出側の少なくとも一方の面に隣接して、前記フィルタ材をガイドするガイド部材が形成される、請求項1〜5の何れか一に記載のフィルタユニット。
  7. 前記供給ロールと前記巻取りロールとの間に、前記フィルタ材をガイドする中継ロールが配設される、請求項1〜6の何れか一に記載のフィルタユニット。
  8. 前記供給ロール及び巻取りロールは、前記カートリッジに取外し可能に支持される、請求項1〜7の何れか一に記載のフィルタユニット。
  9. 前記カートリッジが、上面が開口し側面の上端にU字孔が形成されたカートリッジ本体と該カートリッジ本体の前記開口する上面を塞ぐ上蓋とから構成され、前記供給ロール及び巻取りロールの双方の両端は、前記U字孔内に挿入され、前記上蓋によって前記U字穴内に閉止される、請求項8に記載のフィルタユニット。
  10. 前記ケーシングには、前記フィルタ材の巻取りによる移動量を検出する巻取り量検出センサが配設される、請求項1〜9の何れか一に記載のフィルタユニット。
  11. 前記巻取り量検出センサが、周縁部に孔が形成され前記フィルタ材の巻取りによって回転する円板状部材と、該円板状部材によって光路が形成又は遮断されるフォトカプラと、該フォトカプラの光路の形成又は遮断に基づいて前記円板状部材の回転量をカウントするカウンタとを有する、請求項10に記載のフィルタユニット。
  12. 前記巻取り量検出センサが。前記カウンタのカウント数を記憶する不揮発性記憶装置を更に備える、請求項11に記載のフィルタユニット。
  13. 前記ケーシングには、前記巻取りロールの巻取り限界を検出する巻取り限界検出センサが配設される、請求項1〜12に記載のフィルタユニット。
  14. 前記カートリッジには電気部品及び電気配線が付属しない、請求項1〜13の何れか一に記載のフィルタユニット。
  15. 筐体と、該筐体に支持され電子部品を支持する複数のシェルフと、該シェルフのそれぞれに対応して配設され前記電子部品を冷却する冷却ファンと、該冷却ファンの吸気側に配設されるフィルタユニットとを備える通信装置において、
    前記フィルタユニットは、
    フィルタ材、該フィルタ材を供給する供給ロール及び該供給ロールから供給されるフィルタ材を巻き取る巻取りロールから成るフィルタと、前記供給ロール及び前記巻取りロールを支持するカートリッジと、
    前記フィルタ材に対応して配設される空気取入れ口及び空気吐出口を有するケーシングとを備え、
    前記カートリッジが、前記レール部材上にスライド自在に支持されて前記ケーシング内に挿入又は引出し可能に配設されることを特徴とする通信装置。
  16. 前記ケーシング内には前記巻取りロールを駆動する駆動モータが固定され、前記巻取りロールは、前記ケーシング内への前記カートリッジの挿入における少なくとも最終位置で、前記フィルタ駆動モータの回転シャフトに回転結合される、請求項15に記載の通信装置。
  17. 前記ケーシングが前記筐体に固定される、請求項15又は16に記載の通信装置。
  18. 前記ケーシングは、更に前記シェルフに固定される、請求項17に記載の通信装置。
  19. 前記ケーシングと前記冷却ファンとの間に、前記空気流出側開口を囲むパッキングが配設され、該パッキングの内側が空気流路を構成する、請求項15〜17の何れか一に記載の通信装置。
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