JP2006223068A - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジンを駆動源として走行する際に必要な第1燃料消費量を算出する第1燃料消費量算出手段と、第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーを燃料に換算して第2燃料消費量を算出する第2燃料消費量算出手段と、第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーとエンジンを休筒状態で所定回転数で空転運転を行うのに必要なエネルギーとの合計を燃料に換算した第3燃料消費量を算出する第3燃料消費量算出手段と、エンジンおよび第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーを燃料に換算して第4燃料消費量を算出する第4燃料消費量算出手段と、第1から第4燃料消費量のうちで最も燃料消費量が少ない駆動源を選択する。
【選択図】 図1
Description
この種のハイブリッド車両において、車両の運転状態に応じて駆動力源を切り替える技術が検討されている。
しかしながら、従来のハイブリッド車両においては、燃料消費量を算出するにあたっては、かかるアイドル休筒EV走行については考慮されていない。その結果、アイドル休筒EV走行を最適なタイミングで選択することができず、この点で燃料消費量を必ずしも十分に低減することができていない。
この発明によれば、前記エンジンの空転運転を前記第1電動機とは別の第2電動機で制御することで、前記エンジンの空転運転と前記車両の駆動とをそれぞれ独立して制御することができ、前記第1電動機で前記エンジンを空転運転させる場合よりも、効率的な制御を行うことが可能となる。
この発明によれば、前記第1電動機で車両を駆動しつつ前記第2電動機で前記エンジンを空転運転とすることで、前記第1電動機で前記エンジンを空転運転させる場合よりも前記第3の燃料消費量を低減することができるので、さらなる燃費向上が可能となる。
請求項2に係る発明によれば、前記エンジンの空転運転と前記車両の駆動とをそれぞれ独立して制御することができ、より効率的な制御を行うことが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、前記第1電動機で前記エンジンを空転運転させる場合よりも前記第3燃料消費量を低減することができるので、さらなる燃費向上が可能となる。
図1は本発明が適用されるハイブリッド車両の全体構成図である。
同図に示すハイブリッド車両は四輪駆動であって、車両のフロント側にエンジンEとモータ・ジェネレータM2とを備え、リヤ側に例えばディファレンシャルギヤDの入力側に接続されたモータ・ジェネレータM1を備えている。
したがって、フロント側の前記エンジンEと前記モータ・ジェネレータM2の出力は前記トランスミッションTを介して前輪Wfに伝達され、リヤ側のモータ・ジェネレータM1の出力は発進クラッチC1とディファレンシャルギヤDとを介して後輪Wrに伝達される。
前記エンジンEと前記モータ・ジェネレータM2に駆動される前記前輪Wfは前輪ブレーキBfを有し、同様に前記モータ・ジェネレータM1に駆動される前記後輪Wrは後輪ブレーキBrを有している。
ここで、前記エンジンECUは、アクセルペダルの操作量等から燃料噴射量を算出し、電子制御スロットル12に対して燃料噴射量の制御信号を出力している。
同図に示すハイブリッド車両は二輪駆動であって、車両のフロント側にモータ・ジェネレータM3とモータ・ジェネレータM2とを備えている点が、図1の場合と異なっている。
また、モータ・ジェネレータM3は発進クラッチC2により、出力軸とを分離接続可能に構成されている。前記モータ・ジェネレータM3は、モータ制御手段としてのモータECU(TrMOT−ECU)(図示せず)からの制御命令を受けてパワードライブユニット(PDU)2cにより制御されている。
図3、図4は、車両用駆動制御装置における動力源選択の作動を説明するフローチャートである。まず、ステップS1−1では動力源を選択するために使用するフラグを初期状態にセットする。ここでは、初期状態はエンジン選択とし、フラグFlg_engに「1」を、フラグFlg_motに「0」を、フラグFlg_mot_iに「0」をそれぞれセットする。
次に、ステップS1−2では、現在の車両の走行状態を表す各種情報(以下、これを瞬間走行情報という)を制御装置に読み込む。ここで読み込む瞬間走行情報としては、車速、走行抵抗、変速機の変速比、エンジン回転数、エンジン発生トルク等である。
次に、ステップS1−4に進み、ステップS1−1で読み込んだ情報と、予め制御装置(図示せず)に記憶しておいたエンジンデータとに基づいて、現時点での車両の走行をエンジンEの動力のみで行ったと仮定した場合の必要燃料消費量、すなわち瞬間走行必要燃料消費量Gneedを算出する。
次に、ステップS1−6に進み、発電時に算出した発電コストCOSTgenの平均値である平均発電コストAveCOSTgenを算出する。AveCOSTgenは発電を行っている間のCOSTgenを積算したものを発電した時間で除した商である。発電コストCOSTgenの算出方法については後で詳述する。
次に、ステップS1−8に進み、現時点での車両の走行をエンジンEのクランク軸に接続されたクランク軸電動機(すなわちモータ・ジェネレータM2)を駆動して、エンジンEをアイドル回転数相当に空転させる場合のモータ・ジェネレータM2の電動機効率ηmot_iをモータ・ジェネレータM2の電動機効率マップ(図示せず)を参照して算出する。
GFmot=Pneed×AveCOSTgen×ηmotで算出する。
GFmot_i=Pneed×AveCOSTgen×ηmot+Pidle×AveCOSTgen×ηmot_iで算出する。
次に、ステップS1−13に進み、現在の車速で出力可能なモータ・ジェネレータM1/M3の出力最大値Pmotmaxをマップ(図示せず)から読み込む。
次に、ステップS1−15に進み、エンジンEをモータ・ジェネレータM2によりアイドル回転させるためだけに必要な電力Pidledriveを、モータ・ジェネレータM2の効率ηmot_iでアイドル休筒回転必要動力Pidleを除して算出する。
そして、ステップS1−20、ステップS1−21、ステップS1−22、ステップS1−25の処理を行った後、本フローチャートの処理を終了する。
Pneedeng=Pneed×(1−α)で算出する。
次に、ステップS2−4に進み、ステップS2−1で読み込んだアシスト率αと瞬間走行必要動力Pneedとから、モータ・ジェネレータM1/M3が分担する動力(以下、モータ分担動力という)Pneedmotを、
Pneedmot=Pneed×αで算出する。
次に、ステップS2−6に進み、ステップS2−2で算出したPneedmotと、ステップS1−5で算出したAveCOSTgenと、ステップS2−5で算出した電動機効率ηmotとから、ステップS2−4で算出したモータ分担動力Pneedmotを発生する際に必要と推定される燃料消費量GFneedmotを、
GFneedmot=Pneedmot×AveCOSTgen×ηmotで算出する。
GFcombine=GFneedeng+GFneedmotで算出する。
そして、本フローチャートの処理を終了する。
そして、算出したモータ・ジェネレータM1/M3の動力分担比をアシスト率として用いれば、ある運転状態の時にモータアシスト走行を行う際の最小燃料消費量運転が可能となる。
まず、ステップS3−1では、現時点のバッテリ7の蓄電量が予め設定された所定値以上か否かを判定する。この判定結果がYES(蓄電量が所定値以上)の場合は、バッテリ7に充電する余裕がないため発電不可と判断して、モータ・ジェネレータM1/M3走行の可否を判定するステップS3−2に進む。ステップS3−1の判定結果がNO(蓄電量が所定値未満)の場合は、バッテリ7に充電する余裕があるため、モータ・ジェネレータM2による発電が可能な領域にあるか否かを判定するステップS3−6に進む。
また、ステップS3−2の判定結果がNOの場合には、モータ・ジェネレータM1/M3による走行が不可能であると判定されたので、ステップS3−12に進んで、エンジンEのみを動力源とする走行を行うための処理を実行して、エンジンEのみを動力源とする走行を行う(エンジン走行モード)。
すなわち、モータアシスト走行が選択された場合には、モータアシスト比率は、エンジンEとモータ・ジェネレータM1/M3で消費されると推定される燃料消費量の和が最小となるように決定する。これにより、モータアシスト走行を実行したときの燃料消費量の低減を確実に実現することができる。
一方、ステップS3−6における判定結果がYES(発電可能領域)である場合は、ステップS3−7に進み、発電コスト以外の他の条件を考慮して発電走行が可能であるか否かを判断する。
一方、ステップS3−7における判断結果がNO(発電走行不可能)である場合は、ステップS3−12に進んでエンジンEによる走行を行うための処理を実行して、エンジンEのみを動力源とする走行を行う(エンジン走行モード)。
まず、ステップS4−1において、現在の車両の走行状態を表す各種情報、すなわち瞬間走行情報を読み込む。ここで読み込む瞬間走行情報としては、車速、走行抵抗、変速機の変速比、エンジン回転数、エンジン発生トルク等である。
次に、ステップS4−3に進み、ステップS4−1で読み込んだ瞬間走行情報と予め制御装置に記憶しておいたエンジンデータとに基づいて、現時点での車両の走行をエンジンEの動力のみで行ったと仮定した場合の必要燃料消費量、すなわち瞬間走行必要燃料消費量GFneedを算出する。
Pgen=(Pηmax−Pneed)×ηgenで算出する。
次に、ステップS4−7に進み、モータ・ジェネレータM2を発電運転して発電を行った際の発電時燃料消費量GFgenを、
GFgen=GFηmax−GFneedで算出する。
COSTgen=GFgen/Pgenで算出する。
次に、ステップS4−9に進み、予め設定された発電コストに関する閾値COSTrefを読み込む。
ステップS4−10における判断結果がYES(COSTgen<COSTref)である場合、すなわち発電コストが小さい場合はステップS4−11へ進み、発電可能領域であると判断して、フラグFlgGenOKに「1」をセットする。
一方、ステップS4−10における判断結果がNO(COSTgen≧COSTref)である場合、すなわち発電コストが大きい場合は、ステップS4−12に進み、発電不可能領域であると判断して、フラグFlgGenOkに「0」をセットする。
そして、ステップS4−11、ステップS4−12の処理を行った後、本フローチャートの処理を終了する。
その結果、モータ・ジェネレータM2を駆動するエンジンEの燃料消費量を最小限に抑えながら、モータ・ジェネレータM2の発電電力でバッテリ7を充電することができ、燃料消費量の節減に寄与することができる。
図10において、エンジンEがエンジン回転数Ne1の運転点1で運転されているとき、エンジンEのみで走行する場合の燃料消費量GF1eは、そのときのエンジントルクTe1、エンジン回転数Ne1、エンジン効率η1および単位変換係数716.2を用いて、
GF1e=Te1×Ne1×η1÷716.2で与えられる。
GF1m=Teηmax1×Ne1×ηmax1÷716.2で与えられる。
GF1m−GF1e
=(Teηmax1×ηmax1−Te1×η1)×Ne1÷716.2で与えられる。
Egen1
=ηgen1×(Teηmax1−Te1)×Ne1÷716.2で与えられる。
COST1
=(Teηmax1×ηmax1−Te1×η)
÷{ηgen1×(Teηmax1−Te1)}で与えられる。
GF2e=Te2×Ne2×η2÷716.2で与えられる。
GF2m=Teηmax2×Ne2×ηmax2÷716.2で与えられる。
GF2m−GF2e
=(Teηmax2×ηmax2−Te2×η2)×N2÷716.2で与えられる。
Egen2
=ηgen2×(Teηmax2−Te2)×Ne2÷716.2で与えられる。
COST2
=(Teηmax2×ηmax2−Te2×η2)
÷{ηgen2×(Teηmax2−Te2)}で与えられる。
ここで、発電コストCOSTを小さくするには、発電コストCOSTの式の分母を大きくし、分子を小さくすればよい。
分母を大きくするには、ηgenを大きくするか、Teηmax−Teを大きくすればよい。また、分子を小さくするには、Teηmax×ηmaxを小さくするか、Te×ηを大きくすればよい。
一方、分子のTeηmax、Teを固定して考えると、発電コストCOSTを小さくするにはηmaxを小さく、ηを大きくすればよいことになり、運転点1は運転点2よりも都合がよい。
したがって、運転点1でのコストCOST1は運転点2でのコストCOST2よりも小さくなり、エンジンEの余裕動力を用いて発電を行う場合には、運転点2で発電するよりも運転点1で発電する方がコストが小さくなることが分かる。
また、実施の形態では蓄電手段としてバッテリ7を例示したが、バッテリ7に代えてキャパシタを採用することができる。また、エンジン、発電可能な電動機、変速機の形式には特に限定はなく、さらに、これらの配置関係にも特に限定はない。また、前記電動機の個数や、動力切り替え機構および発進機構の形式、配置に限定はなく、発進機構の有無は問わない。
M1…モータ・ジェネレータ(第1電動機)
M2…モータ・ジェネレータ(第2電動機)
M3…モータ・ジェネレータ(第1電動機)
T…自動変速機
C1、C2…発進クラッチ
10…出力軸
21…オイルポンプ
Claims (3)
- 駆動源として、エンジンと、発電可能な第1電動機と、を備え、
前記エンジンは吸気弁及び排気弁を閉じる休筒可能なエンジンであり、
車両の運転状態に応じて前記エンジン又は前記第1電動機の少なくともいずれかを選択する駆動力選択手段と、
前記第1電動機との間で電気エネルギーの授受を行う蓄電手段を備えたハイブリッド車両において、
現在の車両の運転状態で、前記エンジンを駆動源として走行する際に必要な第1燃料消費量を算出する第1燃料消費量算出手段と、
現在の車両の運転状態で、前記第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーを燃料に換算して第2燃料消費量を算出する第2燃料消費量算出手段と、
現在の車両の運転状態で、前記第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーと、前記エンジンを休筒状態で所定の回転数で空転運転を行うのに必要なエネルギーとの合計を、燃料に換算した第3燃料消費量を算出する第3燃料消費量算出手段と、
現在の車両の運転状態で、前記エンジンおよび前記第1電動機を駆動源として走行する際に必要なエネルギーを燃料に換算して第4燃料消費量を算出する第4燃料消費量算出手段と、
前記第1燃料消費量と、前記第2燃料消費量と、前記第3燃料消費量と、前記第4燃料消費量とを比較して、それぞれの燃料消費量のうちで最も燃料消費量が少ない駆動源を選択する駆動源選択手段と、を備え、
該駆動源選択手段により選択された駆動源により車両を駆動することを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 発電可能な第2電動機を前記エンジンの駆動軸にさらに備え、
該第2電動機は前記エンジンを休筒状態で所定の回転数で空転運転可能であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 前記第3燃料消費量算出手段は、前記第1電動機による走行に必要なエネルギーを燃料に換算した燃料消費量と、前記第2電動機で前記エンジンを休筒状態で所定の回転数で空転運転を行うのに必要なエネルギーを燃料に換算した燃料消費量との合計を第3の燃料消費量とすることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
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