JP2006222850A - チップアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ミアンダ状の導体を有するチップアンテナを容易に小型化することのできる技術を提供する。
【解決手段】
チップアンテナは、基体と、基体に形成されたミアンダ状の導体と、を備える。導体は、基体の少なくとも一部を構成する部分基体の一方の面側に配置された複数のパターンを含む第1のパターン群と、該部分基体の他方の面側に配置された複数のパターンを含む第2のパターン群と、該部分基体の内部に形成された複数のスルーホールを含むスルーホール群と、を備える。各スルーホールは、第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する。
【選択図】 図2
【解決手段】
チップアンテナは、基体と、基体に形成されたミアンダ状の導体と、を備える。導体は、基体の少なくとも一部を構成する部分基体の一方の面側に配置された複数のパターンを含む第1のパターン群と、該部分基体の他方の面側に配置された複数のパターンを含む第2のパターン群と、該部分基体の内部に形成された複数のスルーホールを含むスルーホール群と、を備える。各スルーホールは、第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ミアンダ状の導体を有するチップアンテナに関する。
近年、チップアンテナを搭載する機器の小型化に伴って、チップアンテナの小型化が要望されている。
いわゆるミアンダアンテナは、ミアンダ状(ジグザグ状)のパターンを有しており、ミアンダパターンは、通常、1つの面に形成されている。特許文献1では、ミアンダパターンの一部が基板の側面に形成されたアンテナが開示されている。このように基板の側面にパターンの一部を形成すれば、アンテナを小型化することができる。
しかしながら、従来の技術では、アンテナの小型化が比較的困難であるという問題があった。これは、アンテナを製造する際に、基板の側面にパターンを形成するのが、比較的困難なためである。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ミアンダ状の導体を有するチップアンテナを容易に小型化することのできる技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装置は、チップアンテナであって、
基体と、
前記基体に形成されたミアンダ状の導体と、
を備え、
前記基体は、
前記基体の少なくとも一部を構成する第1の部分基体を含み、
前記導体は、
前記第1の部分基体の一方の面側に配置された複数のパターンを含む第1のパターン群と、
前記第1の部分基体の他方の面側に配置された複数のパターンを含む第2のパターン群と、
前記第1の部分基体の内部に形成された複数のスルーホールを含むスルーホール群であって、前記各スルーホールは、前記第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する、前記スルーホール群と、
を備えることを特徴とする。
基体と、
前記基体に形成されたミアンダ状の導体と、
を備え、
前記基体は、
前記基体の少なくとも一部を構成する第1の部分基体を含み、
前記導体は、
前記第1の部分基体の一方の面側に配置された複数のパターンを含む第1のパターン群と、
前記第1の部分基体の他方の面側に配置された複数のパターンを含む第2のパターン群と、
前記第1の部分基体の内部に形成された複数のスルーホールを含むスルーホール群であって、前記各スルーホールは、前記第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する、前記スルーホール群と、
を備えることを特徴とする。
この装置では、導体は、部分基体の内部に形成されたスルーホールを含むため、ミアンダ状の導体を有するチップアンテナを容易に小型化することができる。
上記の装置において、
前記導体は、
前記第1のパターン群に含まれる第1および第2のパターンと、
前記第2のパターン群に含まれる第3のパターンと、
前記第1のパターンと前記第3のパターンとを接続する第1のスルーホールと、
前記第2のパターンと前記第3のパターンとを接続する第2のスルーホールと、
を含む線状の導体部分を備えることが好ましい。
前記導体は、
前記第1のパターン群に含まれる第1および第2のパターンと、
前記第2のパターン群に含まれる第3のパターンと、
前記第1のパターンと前記第3のパターンとを接続する第1のスルーホールと、
前記第2のパターンと前記第3のパターンとを接続する第2のスルーホールと、
を含む線状の導体部分を備えることが好ましい。
上記の装置において、
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられていてもよい。
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられていてもよい。
あるいは、上記の装置において、
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第3のパターンの長さが、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられる仮想パターンの長さよりも長くなるように、設けられていてもよい。
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第3のパターンの長さが、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられる仮想パターンの長さよりも長くなるように、設けられていてもよい。
こうすれば、チップアンテナをより小型化することができる。
上記の装置において、
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第1の面側に設けられた第2の部分基体であって、前記第1のパターン群は前記第1の部分基体と前記第2の部分基体との間に設けられている、前記第2の部分基体を備えるようにしてもよい。
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第1の面側に設けられた第2の部分基体であって、前記第1のパターン群は前記第1の部分基体と前記第2の部分基体との間に設けられている、前記第2の部分基体を備えるようにしてもよい。
このように、第1のパターン群が2つの部分基体の間に設けられていれば、チップアンテナをより小型化することができる。
また、上記の装置において、
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第2の面側に設けられた第3の部分基体であって、前記第2のパターン群は前記第1の部分基体と前記第3の部分基体との間に設けられている、前記第3の部分基体を備えるようにしてもよい。
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第2の面側に設けられた第3の部分基体であって、前記第2のパターン群は前記第1の部分基体と前記第3の部分基体との間に設けられている、前記第3の部分基体を備えるようにしてもよい。
このように、第2のパターン群が2つの部分基体の間に設けられていれば、チップアンテナをより小型化することができる。
なお、上記の装置において、
前記基体の対向する第1および第2の端面には、それぞれ第1および第2の凹部が設けられており、
前記第1の凹部には、前記導体に接続された給電用端子が設けられており、
前記第2の凹部には、固定用端子が設けられていてもよい。
前記基体の対向する第1および第2の端面には、それぞれ第1および第2の凹部が設けられており、
前記第1の凹部には、前記導体に接続された給電用端子が設けられており、
前記第2の凹部には、固定用端子が設けられていてもよい。
こうすれば、チップアンテナの製造方法を工夫することによって、チップアンテナを容易に作製することができる。
この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、チップアンテナ、チップアンテナを備える通信装置、チップアンテナの製造方法等の形態で実現することができる。
この発明は、さらに他の態様も含んでいる。
第1の態様は、基体と、前記基体に形成されたミアンダ状の導体と、を備えるチップアンテナの製造方法であって、
(a)前記基体の少なくとも一部を構成する第1の部分基体の一方の面側に配置されるように、複数のパターンを含む第1のパターン群を形成する工程と、
(b)前記第1の部分基体の他方の面側に配置されるように、複数のパターンを含む第2のパターン群を形成する工程と、
(c)複数のスルーホールを含むスルーホール群であって、前記各スルーホールは、前記第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する、前記スルーホール群を前記第1の部分基体の内部に形成する工程と、
を備えることを特徴する。
(a)前記基体の少なくとも一部を構成する第1の部分基体の一方の面側に配置されるように、複数のパターンを含む第1のパターン群を形成する工程と、
(b)前記第1の部分基体の他方の面側に配置されるように、複数のパターンを含む第2のパターン群を形成する工程と、
(c)複数のスルーホールを含むスルーホール群であって、前記各スルーホールは、前記第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する、前記スルーホール群を前記第1の部分基体の内部に形成する工程と、
を備えることを特徴する。
この態様を採用すれば、上記の装置を作製することができる。
第2の態様は、対向する第1および第2の端面のそれぞれに給電用端子と固定用端子とが設けられたチップアンテナの製造方法であって、
(a)複数の導体が形成されたボードを準備する工程と、
(b)前記ボードに複数の孔を設け、前記各孔内に導電性部材を形成する工程であって、前記各孔は、前記複数の導体のうちの隣り合う2つの導体の間に形成され、前記各導電部材は、前記隣り合う2つの導体の一方に電気的に接続される、前記工程と、
(c)前記ボードを分割して、複数の前記チップアンテナを取得する工程であって、前記2つの導体の間に形成された前記導電性部材は、隣り合う2つのチップアンテナのうちの第1のチップアンテナの前記給電用端子として機能する第1の部分導電部材と、第2のチップアンテナの前記固定用端子として機能する第2の部分導電部材と、に分割される、前記工程と、
を備えることを特徴する。
(a)複数の導体が形成されたボードを準備する工程と、
(b)前記ボードに複数の孔を設け、前記各孔内に導電性部材を形成する工程であって、前記各孔は、前記複数の導体のうちの隣り合う2つの導体の間に形成され、前記各導電部材は、前記隣り合う2つの導体の一方に電気的に接続される、前記工程と、
(c)前記ボードを分割して、複数の前記チップアンテナを取得する工程であって、前記2つの導体の間に形成された前記導電性部材は、隣り合う2つのチップアンテナのうちの第1のチップアンテナの前記給電用端子として機能する第1の部分導電部材と、第2のチップアンテナの前記固定用端子として機能する第2の部分導電部材と、に分割される、前記工程と、
を備えることを特徴する。
この態様を採用すれば、各チップアンテナの給電用端子と固定用端子とを容易に作製することができ、この結果、複数のチップアンテナを容易に作製することができる。
A.第1実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、アンテナ100の外観を示す説明図である。このアンテナ100は、プリント基板に面実装されるチップアンテナである。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、アンテナ100の外観を示す説明図である。このアンテナ100は、プリント基板に面実装されるチップアンテナである。
アンテナ100は、基体110と、基体の内部に形成されたアンテナ素子として機能する導体120と、基体の一方の端面に形成された給電用端子130aと、基体の他方の端面に形成された固定用端子130bと、を備えている。なお、アンテナ100がプリント基板に実装される場合には、2つの端子130a,130bがプリント基板に設けられた2つのランドに半田付けされる。
基体110は、5つの基板111〜115を含み、5つの基板は積層されている。各基板は、セラミック材料で形成されている。セラミック材料としては、誘電体セラミック材料や磁性体セラミック材料を利用することができる。誘電体セラミック材料としては、例えば、酸化バリウム、酸化アルミニウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、酸化ネオジウム、酸化チタンなどが挙げられる。また、磁性体セラミック材料としては、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄、希土類磁石、フェライト磁石、ボンド磁石、アルニコ磁石、半硬質磁石などが挙げられる。
導体(すなわちアンテナ導体)120は、三次元的に形成されており、ミアンダ形状(ジグザグ形状)を有している。具体的には、導体120は、複数の三次元的な折り返し部分を含んでいる。導体の一方の端部は、給電用端子130aと電気的に接続されている。なお、本実施例では、導体の他方の端部は、固定用端子130bと接続されていないが、接続されていてもよい。本実施例では、導体の材料として、銀が利用されているが、これに代えて、例えば、銅、銅合金、金、白金、バラジウムなどの高い導電性を有する材料を利用することができる。なお、導体120についてはさらに後述する。
給電用端子(給電用電極)130aと固定用端子(固定用電極)130bとは、基体110の対向する2つの端面に設けられた2つの凹部102a,102b内に形成された導電部材である。導電部材は、導体120と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
なお、基体100には、2つの端子130a,130bのうちのいずれが給電用端子130aかを識別するためのインプットマークMが形成されている。
上記のように、導体120をセラミック材料で形成された基体に形成することによって、換言すれば、導体を誘電率が比較的高い基体に形成することによって、導体の実質的な長さを比較的長くすることができるため、導体の実際の長さを比較的短くすることができ、この結果、アンテナを小型化することができる。なお、特定の周波数用のアンテナを作製する際には、導体の実質的な長さは、該特定の周波数に対応する特定の波長をλとすると、例えば、ほぼλ/4に設定される。
図2は、アンテナ100の分解斜視図である。図3は、導体120をy方向から見たときの透視図である。なお、給電用端子130aと固定用端子130bとの図示は省略されている。
導体120は、第2の基板112の上面(+y側の面)に形成された第1のパターン群PG1と、第4の基板114の上面に形成された第2のパターン群PG2と、第2および第3の基板112,113の内部に形成されたスルーホール群TGと、を含んでいる。なお、第1および第5の基板111,115には、導体は形成されていない。
第1のパターン群PG1は、図中x方向に延びる複数の直線状のパターンを含んでおり、各直線パターンは、互いに平行に配列されている。なお、第1のパターン群PG1は、L字状のパターンを含んでおり、該L字パターンは、給電用端子130aに接続される。
第2のパターン群PG2は、図中z方向に延びる複数の直線状のパターンを含んでいる。各直線パターンは、第4の基板114の+x側の側面または−x側の側面付近に配列されている。
スルーホール群TGは、図中、y方向に延びる複数のスルーホールを含んでいる。各スルーホールは、第2の基板112内部に形成された第1の部分スルーホールと、第3の基板113の内部に形成された第2の部分スルーホールと、を含んでいる。各スルーホールは、第2および第3の基板112,113の+x側の側面または−x側の側面付近に、配列されている。なお、スルーホールは、導体層間に形成され、導体層間を電気的に接続するための処理が施された孔を意味し、該処理が施されていないノンスルーホールと区別される。
第1のパターン群PG1と第2のパターン群PG2とスルーホール群TGとは、線状に接続され、導体120を構成する。
具体的には、第1のパターン群PG1に含まれる隣り合う第1および第2のパターンP1a,P1bは、第2のパターン群に含まれる第3のパターンP2cを介して線状に接続されている。より具体的には、第1のパターンP1aの−x側の端部付近の点E2は、第1のスルーホールTaを介して、第3のパターンP2cの−z側の端部付近の点E3と接続されている。また、第2のパターンP1bの−x側の端部付近の点E5は、第2のスルーホールTbを介して、第3のパターンP2cの+z側の端部付近の点E4と接続されている。この結果、第1のパターンP1aの+x側の端部付近の点E1から第2のパターンP1bの+x側の端部付近の点E6までの部分は、線状に接続される。すなわち、第1のパターンP1aと第1のスルーホールTaと第3のパターンP2cと第2のスルーホールTbと第2のパターンP1bとは、線状の導体部分を形成する。同様に、他の導体部分についても、第1のパターン群PG1に含まれる隣り合う2つのパターンは、スルーホール群GTに含まれる2つのスルーホールと第2のパターン群に含まれる1つのパターンを介して線状に接続されている。
なお、本実施例における第2および第3の基板112,113は、本発明における第1の部分基体に相当する。また、第1の基板111が、第1のパターン群PG1を覆う第2の部分基体に相当し、第4および第5の基板114,115が、第2のパターン群PG2を覆う第3の部分基体に相当する。
ところで、本実施例のアンテナ100は、複数個まとめて作製されている。図4は、複数のアンテナ100の製造手順を模式的に示す説明図である。
図4(A)では、まず、複数の導体120がマトリクス状に形成された積層ボードB1が準備される。積層ボードB1は、図2に示す5つの基板111〜115に対応する5つのボードを積層することによって作製される。
具体的には、第2の基板112に対応する第2のボードには、複数組の第1のパターン群PG1が形成されており、第2および第3の基板112,113に対応する第2および第3のボードには、複数組のスルーホール群TGが形成されており、第4の基板114に対応する第4のボードには、複数組の第2のパターン群PG2が形成されている。なお、第1および第5の基板111,115に対応する第1および第5のボードには、導体は形成されていない。
なお、第2および第4のボードに形成されるパターン群PG1,PG2は、周知の種々の手法によって形成可能である。例えば、各パターンは、インクジェット方式の印刷装置を利用して、印刷によって形成されてもよい。第2および第3のボードに形成されるスルーホール群TGも、周知の種々の手法によって形成可能である。例えば、第2および第3のボードに孔を開け、孔の内側にメッキを施すことによって形成されてもよい。
5つのボードは、積層された状態で加圧され、この結果、積層ボードB1が生成される。この際、5つのボードは、加熱され、強固に接合される。具体的には、各ボードは、セラミック材料と樹脂材料とを含む混合材料で形成されており、樹脂材料が加熱されることによって、各ボードが強固に接合される。
図4(B)では、積層ボードB1に複数の略矩形の孔(貫通孔)HLが設けられる。そして、各孔HL内に導電部材130を形成することによって、処理済みの積層ボードB2が作製される。各孔HLは、図中z方向に沿って並んだ2つの隣り合う導体120間に設けられる。各導電部材130は、セラミックの積層体を製造する際に利用される周知の手法によって、例えば、銀ペーストを印刷により各孔HL内に充填した後、焼成することによって、形成可能である。
図4(C)では、図中x方向およびz方向に沿うように、積層ボードB2が複数のチップに分割され、この結果、複数のアンテナ100がまとめて作製される。
特に、本実施例では、積層ボードB2をx方向に沿って分割する際に、各孔HL内に形成された導電部材130は、2つの部分導電部材に分割されている。第1の部分導電部材は、隣り合う2つのアンテナのうちの一方のアンテナの給電用端子130aとして機能し、第2の部分導電部材は、他方のアンテナの固定用端子130bとして機能する。
上記の製造手法を採用すれば、複数個のアンテナを容易に作製することができ、また、各アンテナの給電用端子130aと固定用端子130bとを各アンテナの端面に容易に作製することができる。
以上説明したように、本実施例では、導体120は、スルーホールを利用することによって三次元的に配置されているため、スルーホールが利用されずに導体が1つの面内に配置される場合と比較して、導体の実際の長さを容易に長くすることができる。
すなわち、本実施例のようにスルーホールを利用すれば、スルーホールを利用しない場合と比較して、特定の周波数用のアンテナを作製する際に、導体の実際の長さを短くすることができ、この結果、アンテナのサイズ(より具体的には、アンテナのz方向のサイズおよび/またはx方向のサイズ)を容易に小さくすることができる。なお、導体の実際の長さは、例えば、導体に含まれる折り返し部分の数を減らすことによって、短くされてもよいし、第1のパターン群に含まれる各パターンの長さを短くすることによって、調整されてもよい。
また、本実施例のようにスルーホールを利用すれば、基体の側面に導体パターンを形成せずに済むため、アンテナを比較的容易に作製することができる。
B.第2実施例:
図5は、第2実施例のアンテナ100Bの分解斜視図である。図6は、第2実施例の導体120Bをy方向から見たときの透視図である。
図5は、第2実施例のアンテナ100Bの分解斜視図である。図6は、第2実施例の導体120Bをy方向から見たときの透視図である。
本実施例のアンテナ100B(図5,図6)は、第1実施例のアンテナ100(図2,図3)とほぼ同じであるが、導体120Bの形状が変更されている。具体的には、第4の基板114に形成された第2のパターン群PG2Bに含まれる各パターンの形状が変更されている。
すなわち、第1実施例では、第2のパターン群PG2は、複数の直線パターンを含んでいるが、本実施例では、第2のパターン群PG2Bは、複数の略C字状のパターンを含んでいる。略C字パターンは、z方向に延びる1つのパターン部分と、x方向に延びる2つのパターン部分と、が組み合わされて構成されている。
このため、本実施例の第2のパターン群PG2Bの各パターンの長さは、第1実施例の第2のパターン群PG2の各パターンの長さよりも長い。より具体的には、第1実施例では、第2のパターン群PG2に含まれる直線パターンP2cは、第1のスルーホールTaと接続される接続点E3と、第2のスルーホールTbと接続される接続点E4と、の間に直線状に設けられている。一方、本実施例では、第2のパターン群PG2Bに含まれる略C字パターンP2Bcは、2つの接続点E3,E4間に設けられた直線パターンP2cの長さよりも長くなるように、設けられている。この結果、本実施例の導体120Bの長さは、第1実施例の導体120の長さよりも長い。
本実施例の構成を採用すれば、第1実施例と比較して、特定の周波数用のアンテナを作製する際に、導体の実際の長さを短くすることができ、この結果、アンテナのサイズ(より具体的には、アンテナのz方向のサイズおよび/またはx方向のサイズ)をより小さくすることができる。
C.アンテナの特性:
図7は、アンテナの反射特性を示すグラフである。図中、横軸は、周波数(GHz)を示しており、縦軸は、反射(dB)を示している。なお、アンテナは、反射が小さな周波数帯域で、換言すれば、リターンロスが小さな周波数帯域でアンテナとして機能する。図7に示す特性は、周知のネットワークアナライザによって測定可能である。
図7は、アンテナの反射特性を示すグラフである。図中、横軸は、周波数(GHz)を示しており、縦軸は、反射(dB)を示している。なお、アンテナは、反射が小さな周波数帯域で、換言すれば、リターンロスが小さな周波数帯域でアンテナとして機能する。図7に示す特性は、周知のネットワークアナライザによって測定可能である。
図中、曲線C1は、第1実施例のアンテナ(第1のアンテナ)100の反射特性を示しており、曲線C2は、第2実施例のアンテナ(第2のアンテナ)100Bの反射特性を示している。曲線Czは、比較対象としての通常のアンテナ(第3のアンテナ)の反射特性を示している。なお、第3のアンテナでは、スルーホールは利用されておらず、導体は1つの面内に形成されている。
なお、図7では、各アンテナの基体は同じサイズを有しており、各アンテナの導体の長さが異なっている。具体的には、第1のアンテナ100の導体120は、スルーホール群TGを備えているため、該導体120の長さは、比較対象の第3のアンテナの導体の長さよりも長い。また、第2のアンテナ100Bの導体120Bは、略C字パターンを含む第2のパターン群PG2Bを備えているため、該導体120Bの長さは、第1のアンテナ100の導体120の長さよりも長い。このため、3つの曲線C1,C2,Czにおいて、リターンロスが最も小さくなるピーク周波数は異なっている。具体的には、曲線C2(第2のアンテナ100B)のピーク周波数は最も低く、曲線Cz(比較対象のアンテナ)のピーク周波数は最も高い。
曲線C1,C2と曲線Czとを比較して分かるように、第1および第2のアンテナ100,100Bでは、反射特性の劣化は観察されず、第1および第2のアンテナを利用する場合にも、比較対象の第3のアンテナを利用する場合と同等以上の特性が得られる。例えば、VSWR(電圧定在波比)の値が2以下となる周波数帯域幅は、曲線C1,C2では、曲線Czよりも大きくなっている。また、曲線C1,C2のピーク周波数におけるリターンロスは、曲線Czのピーク周波数におけるリターンロスよりも小さくなっている。
図7に示す測定結果から、特定の周波数帯域用のアンテナをスルーホールを利用して作製する場合には、アンテナの特性を劣化させずに、アンテナのサイズを小さくすることができることが分かる。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施例(図2,図5)では、第3の基板113が利用されているが、第3の基板113は省略可能である。なお、この場合には、第2の基板112の厚みを増大させれば、同様の特性を有するアンテナを作製することができる。
また、上記実施例では、第1のパターン群PG1は、第1の基板111によって覆われているが、第1の基板111は省略可能である。同様に、上記実施例では、第2のパターン群PG2,PG2Bは、第4および第5の基板114,115によって覆われているが、第4および第5の基板114,115は省略可能である。この場合には、第2のパターン群PG2,PG2Bは、第3の基板113の下面(すなわち−y側の面)に形成されればよい。ただし、上記実施例の構成を採用すれば、導体の実際の長さを比較的短くすることができるため、チップアンテナをより小型化することができるという利点がある。
さらに、上記実施例では、5つの基板が利用されているが、1つの基板のみが利用されてもよい。この場合には、1つの基板の第1の面に第1のパターン群が形成され、該1つの基板の第2の面に第2のパターン群が形成され、該1つの基板の内部にスルーホール群が形成されればよい。
なお、基体を構成する各基板の厚みは、アンテナの特性を考慮して、適宜、適切な値に設定されればよい。
一般には、基体は、基体の少なくとも一部を構成する部分基体を含んでいればよい。
(2)上記実施例では、パターン群PG1,PG2は、直線状のパターンを含んでいるが、これに代えて、曲線状のパターンを含んでいてもよい。
また、第2実施例では、第2のパターン群PG2Bは、直線状の3つのパターン部分で構成された略C字状のパターンを含んでいるが、これに代えて、他の形状を有するパターンを含んでいてもよい。例えば、略V字状のパターンや、折れ線状のパターン、ミアンダ状(ジグザグ状)のパターンなどの2以上の直線状のパターン部分で構成されたパターンが含まれていてもよい。また、弧状のパターンや、略S字状のパターン、サーペンタイン状のパターンなどの曲線状のパターン部分で構成されたパターンが含まれていてもよい。さらに、略U字状のパターンなどの直線状のパターン部分と曲線状のパターン部分とで構成されたパターンが含まれていてもよい。すなわち、第2実施例のパターン群PG2Bには、パターンの長さが、第1実施例のパターン群PG2に含まれる直線状のパターンP2cの長さよりも長くなるような、任意の形状を有するパターンが含まれていればよい。
一般に、ミアンダ状の導体は、部分基体の一方の面側に配置された第1のパターン群と、部分基体の他方の面側に配置された第2のパターン群と、部分基体の内部に形成されたスルーホール群と、を含んでいればよい。
100,100B…アンテナ
102a,102b…凹部
110…基体
111〜115…基板
120,120B…導体
130…導電部材
130a…給電用端子
130b…固定用端子
B1,B2…積層ボード
HL…孔
PG1…第1のパターン群
PG2,PG2B…第2のパターン群
TG…スルーホール群
102a,102b…凹部
110…基体
111〜115…基板
120,120B…導体
130…導電部材
130a…給電用端子
130b…固定用端子
B1,B2…積層ボード
HL…孔
PG1…第1のパターン群
PG2,PG2B…第2のパターン群
TG…スルーホール群
Claims (6)
- チップアンテナであって、
基体と、
前記基体に形成されたミアンダ状の導体と、
を備え、
前記基体は、
前記基体の少なくとも一部を構成する第1の部分基体を含み、
前記導体は、
前記第1の部分基体の一方の面側に配置された複数のパターンを含む第1のパターン群と、
前記第1の部分基体の他方の面側に配置された複数のパターンを含む第2のパターン群と、
前記第1の部分基体の内部に形成された複数のスルーホールを含むスルーホール群であって、前記各スルーホールは、前記第1のパターン群に含まれるパターンと第2のパターン群に含まれるパターンとを接続する、前記スルーホール群と、
を備えることを特徴とするチップアンテナ。 - 請求項1記載のチップアンテナであって、
前記導体は、
前記第1のパターン群に含まれる第1および第2のパターンと、
前記第2のパターン群に含まれる第3のパターンと、
前記第1のパターンと前記第3のパターンとを接続する第1のスルーホールと、
前記第2のパターンと前記第3のパターンとを接続する第2のスルーホールと、
を含む線状の導体部分を備える、チップアンテナ。 - 請求項2記載のチップアンテナであって、
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられている、チップアンテナ。 - 請求項2記載のチップアンテナであって、
前記第3のパターンは、前記第1のスルーホールと第1の接続点で接続されていると共に、前記第2のスルーホールと第2の接続点で接続されており、
前記第3のパターンは、前記第3のパターンの長さが、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に直線状に設けられる仮想パターンの長さよりも長くなるように、設けられている、チップアンテナ。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のチップアンテナであって、
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第1の面側に設けられた第2の部分基体であって、前記第1のパターン群は前記第1の部分基体と前記第2の部分基体との間に設けられている、前記第2の部分基体を備える、チップアンテナ。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のチップアンテナであって、
前記基体は、さらに、
前記第1の部分基体の前記第2の面側に設けられた第3の部分基体であって、前記第2のパターン群は前記第1の部分基体と前記第3の部分基体との間に設けられている、前記第3の部分基体を備える、チップアンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005036008A JP2006222850A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | チップアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005036008A JP2006222850A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | チップアンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006222850A true JP2006222850A (ja) | 2006-08-24 |
Family
ID=36984839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005036008A Pending JP2006222850A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | チップアンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006222850A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10530067B2 (en) | 2015-12-24 | 2020-01-07 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Antenna element, antenna unit and communication module |
-
2005
- 2005-02-14 JP JP2005036008A patent/JP2006222850A/ja active Pending
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US10530067B2 (en) | 2015-12-24 | 2020-01-07 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Antenna element, antenna unit and communication module |
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