JP2006221135A - 撮像装置および撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出信号が閾値を超えている時間が長くなると、撮影画像が不自然となってしまう。
【解決手段】 像振れを補正する振れ補正手段(104、105、106)と、振動を検出する検出センサの検出信号に基づいて、振れ補正手段の駆動を制御する制御手段(133)とを有する。制御手段は、検出信号が振れ補正手段によって補正可能となる閾値を超え、かつ、検出信号の変化が増加から減少に切り換わった場合には、検出信号を減衰させる減衰処理を行い、該減衰処理された検出信号に基づいて振れ補正手段の駆動を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、像振れを補正する振れ補正機能を備えた撮像装置に関するものである。
従来の振れ補正機能を備えた撮像装置においては、パンニング撮影時の不自然な画面の動きを抑制するために、振れ検出信号を処理するフィルタ特性として非線形リミッタを適用したものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、パンニング速度やズーム比に応じて、振れ検出信号に非線形リミッタを適用している。
特許第3298211号(段落番号0038〜0041、図8)
図14は、特許文献1における非線形リミッタの入出力特性を示した図である。図14において、横軸は入力、縦軸は出力、LMT1は第1のリミット値、LMT2は第2のリミット値、1501は第1のリミット値LMT1で一定となる非線形リミッタの入出力特性、1502は第2のリミット値LMT2で一定となる非線形リミッタの入出力特性を示す。また、1601は1502の非線形の割合を上げた非線形リミッタの入出力特性である。
ここで、第2のリミット値LMT2、第2のリミット値LMT2での入出力特性1502、および第2のリミット値での非線形の割合を上げた入出力特性1601は、振れ補正角(振れ検出信号)が小さくなることを想定して特許文献1の非線形リミッタを適用した場合である。
例えば、振れ検出信号のリミッタ値がLMT1に設定された第1の撮像装置と、振れ検出信号のリミッタ値がLMT2に設定された第2の撮像装置が同じ角度で振られた場合、第1の撮像装置では振れ補正が可能であっても、第2の撮像装置では振れ補正が不可能となることがある。
すなわち、第2の撮像装置では、振れ検出信号が振れ補正の可能な限界値(閾値)を超える割合が高くなったり、該閾値を超えている間、振れ検出信号に応じた振れ補正を行うことができなかったりする。そして、振れ検出信号に応じた振れ補正を行うことができない時間が長時間となった場合には、撮影画像が不自然になってしまう。
本発明の撮像装置は、像振れを補正する振れ補正手段と、振動を検出する検出センサの検出信号に基づいて、前記振れ補正手段の駆動を制御する制御手段とを有する。前記制御手段は、前記検出信号が前記振れ補正手段によって補正可能となる閾値を超え、かつ、該検出信号の変化が増加から減少に切り換わった場合には、前記検出信号を減衰させる減衰処理を行い、該減衰処理された検出信号に基づいて前記振れ補正手段の駆動を制御することを特徴とする。
本発明によれば、閾値を超え、かつ、変化が増加から減少に切り換わった検出信号に対して減衰処理を行うことにより、減衰処理を行わない場合に比べて検出信号が閾値を超えている時間、すなわち、検出信号に応じた振れ補正を行うことができない時間を短くすることができる。これにより、検出信号に応じた像振れ補正が長時間行われないことによって、撮影画像が不自然となるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例1である撮像装置の回路構成を示すブロック図である。本実施例の撮像装置は、後述するように撮像装置の振動、撮像装置を保持する撮影者の手振れによって生じる像振れを電子的に補正する機能を有する。
図1において、撮影光学系101は、撮影レンズ101aおよび、像面に入射する光量を調節する絞り101bを有する。ここで、図1には、撮影レンズ101aを1つのレンズとして示しているが、実際には複数のレンズユニットで構成される。
CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子102は、撮影光学系101によって形成された被写体像(光学像)を光電変換する。カメラ信号処理回路103は、撮像素子102から読み出された信号に対して所定の信号処理を施すことで規格化された映像信号を生成する。この映像信号は、撮像装置に設けられた表示ユニットにおいて撮影画像として表示されたり、光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体に記録されたりする。
撮像素子駆動回路104は、マイコン133からの制御信号に基づいて撮像素子102を駆動する。マイコン133は、撮像装置における動作を制御する。ラインメモリ105は、カメラ信号処理回路103で生成されるデジタル撮像信号を少なくとも1ライン分記憶し、任意の位置(アドレス)での撮像信号を出力することができる。
メモリ制御回路106は、マイコン133からの制御信号に基づいて、ラインメモリ105に記憶された先頭の画素を選択し、標準のイメージサイズに対応した画像データをラインメモリ105から読み出す。
上述した撮像素子102、カメラ信号処理回路103、撮像素子駆動回路104、ラインメモリ105およびメモリ制御回路106によって、振れ補正手段が構成される。
振れ検出部121は、撮像装置の振動を検出して振れ検出信号を生成する。振れ検出部121は、撮像装置の振動を検出する角速度センサ122と、角速度センサ122の出力から直流成分を除去する高域通過フィルタ(以下、HPF)123と、HPF123からの出力を所定量増幅する増幅器124とを備えている。本実施例では、角速度を検出するセンサを用いているが、角加速度等を検出するセンサを用いてもよい。
本実施例の撮像装置は、垂直方向(チルト方向)および水平方向(パン方向)における振動をそれぞれ検出する2つの振れ検出部121を有している。
次に、マイコン133内の構成について説明する。
A/D変換器125は、振れ検出部121内の増幅器124からのアナログ出力をデジタル信号に変換する。HPF126は、A/D変換器125の出力から直流成分を除去する。積分器129は、HPF126の出力を積分処理する。
補正信号制御部130は、積分器129の出力の特性を変更する。補正信号制御部130の具体的な動作については後述する。補正系制御部131は、補正信号制御部130の出力から振れ補正量を算出し、該振れ補正量に関するデータを撮像素子駆動回路104に出力する。
次に、上記構成における撮像装置の具体的な動作について説明する。
撮影光学系101を通過した被写体光束は、撮像素子102の撮像面上で光学像として結像され、撮像素子102によって光電変換される。本実施例では、撮像素子102として、放送方式(例えばNTSC方式)で必要となる標準の撮像素子に比べて画素数の多い撮像素子を用いている。
そして、撮像素子102は、マイコン133(補正系制御部131)からの出力信号を受けた撮像素子駆動回路104によって駆動される。撮像素子駆動回路104は、撮像素子102における複数のラインのうち、最終的に出力される領域内のラインを垂直方向(V方向)に関して選択できる。
ここで、撮像素子102の構成について、図2を用いて具体的に説明する。図2の201は全イメージ領域(撮像素子102の受光領域)を示し、202,203,204は上記放送方式に準ずる標準イメージサイズを持つ画像読み出し領域を示す。
例えば、領域202を読み出す場合、Δyaにおけるラインを高速に読み出し、垂直同期信号に対して標準サイズのCCDセンサを用いた場合と同じタイミングで、「ya+1」番目のラインから読み出しを行う。そして、領域202外のΔybにおけるラインを高速に読み出す。これにより、撮像素子102の垂直方向に関して、領域202内のラインを読み出すことができる。領域203、204を読み出す場合も上記と同様である。
撮像素子102から出力された信号はカメラ信号処理回路103へと供給され、規格化された映像信号が生成される。また、カメラ信号処理回路103に入力された信号は、A/D変換された後、ラインメモリ105へ供給される。
ラインメモリ105は、撮像素子102の少なくとも1ライン分の記憶容量を有しており、所定の位置(アドレス)からの信号を読み出すことが可能となっている。なお、ラインメモリ105に記憶される撮像信号は、標準イメージサイズに比べて画素数が多い状態で記憶される。そして、ラインメモリ105に記憶されている撮像信号は、マイコン133からの制御信号を受けたメモリ制御回路106によって、標準イメージサイズ分だけ読み出され、カメラ信号処理回路103へ供給される。
具体的には、ラインメモリ105から読み出される先頭の画素がマイコン133からの制御命令に基づいて選択され、選択的に読み出された情報がカメラ信号処理回路103に標準信号として供給される。
次に、マイコン133から撮像素子駆動回路104およびメモリ制御回路106へ供給される制御命令について説明する。
撮像装置の振れに応じた信号が角速度センサ122から出力され、角速度センサ122の出力は、HPF123にて直流成分が除去される。HPF123の出力は、増幅器124により所定量増幅された後、マイコン133に入力される。
つまり、角速度センサ122の出力信号は、HPF123の所定の帯域制限処理および増幅器124の増幅処理によって振れ検出信号に変換され、撮像装置全体の制御を行うマイコン133に入力される。
マイコン133に入力された振れ検出信号(アナログ信号)は、A/D変換器125にてデジタル信号に変換された後、HPF126によりA/D変換等で生じた直流成分が除去される。ここで、HPF126の遮断周波数は十分に低いものである。
次に、積分器129で積分演算されることにより、角速度信号が角変位信号へと変換される。補正信号制御部130は、角変位信号に対して出力変更処理を施すことで振れ補正信号を生成する。補正信号制御部130における具体的な処理については後述する。
補正信号制御部130で生成された振れ補正信号に基づいて、補正系制御部131は、振れ補正制御量に関する情報を撮像素子駆動回路104およびメモリ制御回路106へ出力する。
撮像素子駆動回路104およびメモリ制御回路106はそれぞれ、補正系制御部131からの入力信号に基づいて、撮像素子102における画像読み出し領域を変更する。
図3は、マイコン133内で実行される振れ補正処理を示すフローチャートであり、図3(A)は全体の処理において垂直同期の周期毎に処理されるルーチン、図3(B)は全体の処理に割り込む割り込みルーチンである。
まず、図3(A)を用いて、垂直同期の周期毎に処理されるルーチンについて説明する。
ステップS301では、マイコン133の初期設定、つまり割り込み処理やメモリの設定を行う。次のステップS302では、割り込みカウンタの値が設定値と等しいか否かを判別し、等しい場合にはステップS303へ進む。等しくなければ、設定値になるまでこのステップで待機する。
ステップS303では、ステップS301の初期設定で設定された設定値で処理されるごとに割り込みカウンタのカウント値をクリアにする。
ステップS304では、振れ検出部121からの出力に基づいて振れ補正量(目標値)を設定する。この振れ補正量の設定は、ステップS301での初期設定の設定値に基づき、後述する割り込み処理で算出されている振れ補正量に基づいて行う。
ステップS305では、ステップS304で設定された振れ補正量に基づいて、撮像素子102における画像読み出し領域の位置データ(垂直方向および水平方向における位置)を設定する。そして、設定後はステップS302に戻り、上述した処理を繰り返す。
次に、全体の処理に割り込む処理について、図3(B)にしたがって説明する。この割り込み処理は、図3(A)の垂直同期の周期毎で処理される振れ補正処理よりも早い周期(例えば、1msec)で行われる。
割り込み処理に入ると、まずステップS321にて、マイコン133は、振れ検出部121からの振れ検出信号をA/D変換処理して取り込む。そして、ステップS322にて、HPF演算、つまりステップS321で取り込んだ振れ検出信号をA/D変換することで生じた直流成分を除去する。
ステップS323では、振れ検出信号に対して積分処理を施し、角変位信号へと変換する。ステップS324では、ステップS323で算出された角変位信号に対して減衰演算を行い、角変位信号の出力を減衰させる。この角変位信号(振れ検出信号)の出力を減衰させる処理については後述する。
ステップS325では、ステップS324で減衰処理された振れ検出信号に基づいて振れ補正信号を生成する。すなわち、上記振れ検出信号に基づいて振れ補正量を求め、画像読み出し領域の位置データの設定を行う。そして、ステップS326にて、ステップS321〜S325までの処理を行う毎に割り込みカウンタを1ずつカウントアップして、この割り込み処理を終了する。
上述した一連の動作によって、全イメージ領域201のうち、例えば標準イメージサイズの領域202,204を読み出すことで、撮像装置を保持する使用者の手振れによって生じる像振れを補正することができる。
すなわち、図2において、像面上で生じるX方向および(又は)Y方向における像変位に応じて、画像読み出し領域の位置を変更することで、像振れを補正することができる(いわゆる電子防振)。ここで、像振れが生じていない場合には、全イメージ領域の中心と同じ中心を持つ領域203が読み出されることになる。
次に、振れ検出信号を積分演算して算出された角変位信号の出力を減衰する処理について、図4(A)を用いて説明する。図4(A)は、振れ検出部121の出力信号を積分演算して算出された角変位信号(振れ検出信号)の変位を時間軸上で現したものである。
図4(A)において、横軸は時間軸、縦軸は角変位信号(振れ検出信号)の出力を示しており、0を基準として正方向と負方向に振れ検出信号が変化していることを示している。
ここで、401は、振れ検出信号を示す。402aは、正方向における振れ補正端の閾値、402bは、負方向における振れ補正端の閾値を示す。
振れ検出信号が閾値402aを示す場合には、図2における画像読み出し領域の上端が全イメージ領域201の上端と一致し、画像読み出し領域を図2の上方向にシフトさせることができない状態となる。また、振れ検出信号が閾値402bを示す場合には、図2における画像読み出し領域の下端が全イメージ領域201の下端と一致し、画像読み出し領域を図2の下方向にシフトさせることができない状態となる。
すなわち、振れ検出信号が閾値402a、402bを超える場合には、電子防振機能が働かないことになる。
図4(B)は、図4(A)に示す振れ検出信号が出力されたときの、画像読み出し領域の位置変化を示す図である。縦軸は画像読み出し領域の位置を示し、横軸は時間を示す。
ここで、450は、全イメージ領域内における垂直方向の画像読み出し領域の位置を示す。基準位置(0)は、図2において、画像読み出し領域の中心が全イメージ領域201の中心と一致するときの、画像読み出し領域の位置を示す。また、位置451a、451bはそれぞれ、画像読み出し領域を正方向および負方向に最大量シフトさせたときの位置である。すなわち、基準位置(0)から各位置451a、451bまでの距離は、図2に示す距離205a、205bに相当する。
振れ検出信号が閾値402aから閾値402bの間にある場合には、全イメージ領域201内において画像読み出し領域をシフトさせることができる。一方、図4(A)に示すように振れ検出信号が閾値402aを超えた場合には、画像読み出し領域をシフトさせることができず、画像読み出し領域は位置451aで停止したままとなる。
ここでは、画像読み出し領域を撮像素子102の垂直方向にシフトさせた場合について説明したが、撮像素子102の水平方向におけるシフトさせる場合も同様である。
本実施例の撮像装置では、高画質化のために従来の撮像装置に比べて画像読み出し領域を大きくしており、画像読み出し領域のシフト量が従来に比べて非常に小さくなっている。
振れ補正角の小さい振れ補正システムにおいては、パンニング撮影等を行わない通常の撮影でも撮像装置に大きな振れが加わると、図4(A)のZに示すように振れ検出信号401が閾値402aを超えることにより、画像読み出し領域をこれ以上シフトさせることができないことになる。
画像読み出し領域の位置変化を時間の経過で見ると、振れ補正が行われない部分(図4(B)のZ’で示す範囲)と、振れ補正の行われる部分(図4(B)の範囲Z’以外の範囲)とが不規則に起こるため、違和感のある撮影画像となってしまう。
そこで、本実施例では、上述した撮影画像の違和感を軽減するために、一定条件下で振れ検出信号を減衰させている。振れ検出信号を減衰させるマイコン133内の補正信号制御部130の構成を図5に示す。
図5において、振れ検出信号減衰部501は振れ検出信号401を減衰させる。減衰制御部502は、振れ検出信号減衰部501の動作を制御する。
補正信号制御部130の入力信号Sin(積分器129の出力信号)は、振れの検出周期毎に取得される振れ検出信号401を示し、出力信号Soutは振れ検出信号減衰部501を介した出力信号を示す。減衰制御部502は、振れ検出信号減衰部501に対して制御信号Sctrlを出力することによって、振れ検出信号減衰部501において振れ検出信号401を減衰させて出力させるか、減衰せずにそのまま出力するかを制御する。制御の詳細および減衰方法については、後述する。
次に、マイコン133内で処理される補正信号制御部130の動作について、図6を用いて説明する。図6は、割り込み処理中の積分演算後の出力減衰処理を示したフローチャートである。この処理は、図3(B)において説明をした割り込み処理内の処理であり、ステップS323の積分演算処理の次に処理されるステップS324の詳細なフローチャートである。この減衰処理は、所定の周期毎に繰り返し行われる。
図6において、ステップS601で、補正信号制御部130における減衰処理が開始される。ステップS602では、振れ検出信号401が基準値(=0)を横切ったか否かを判別する。すなわち、図4(A)において、振れ検出信号が正側から負側又は、負側から正側に変化したか否かを判別する。
ここで、基準値は、画像読み出し領域の中心と全イメージ領域の中心とが一致するときの振れ検出信号の値であり、振れ検出部121によって振れが検出されていない状態を示す。
撮像装置の駆動を開始した直後では、振れ検出信号が正方向又は負方向に増加するため、ステップS602からステップS605に進む。なお、振れ検出信号が基準値を通過したことが判別され、ステップS602からステップS603に進む処理については後述する。
ステップS605では、振れ検出信号401の極性を判別する。すなわち、図4(A)に示すように、振れ検出信号401が正方向における信号か否かを判別する。ここで、振れ検出信号401が正方向における信号の場合にはステップS606に進み、そうでない場合にはステップS612に進む。
ステップS606では、振れ検出信号401に対する減衰処理を開始させる減衰開始フラグが設定されているか否を判別する。減衰開始フラグが設定されている場合には、ステップS607に進み、設定されていない場合にはステップS610に進む。ここで、撮像装置の駆動を開始した段階では、減衰開始フラグが設定されていないため、ステップS610に進むことになる。
ステップS610では、振れ検出信号401が閾値402a、402bを超えたか否かを判別する。ここで、振れ検出信号401が閾値402a、402bを超えた場合にはステップS611に進み、超えていない場合にはステップS616に進む。
ステップS611では、振れ検出信号401を減衰させるための減衰開始フラグを設定する。すなわち、図4(C)に示すようにt1のタイミングで取得した振れ検出信号401−1が閾値402aを超えている場合には、減衰開始フラグを設定する。そして、減衰開始フラグを設定したときの振れ検出信号の値をメモリ502a(図5参照)に記憶する。
一方、ステップS606において減衰開始フラグが設定されていると判別されてステップS607に進むと、新たに取得された振れ検出信号401の値が、メモリ502aに格納された振れ検出信号の値よりも大きいか否かを判別する。
ステップS607において、新たに取得した振れ検出信号の値が、メモリ502aに記憶された振れ検出信号の値よりも大きい場合にはステップS608に進み、そうでない場合にはステップS609に進む。ステップS608では、新たに取得した振れ検出信号の値をピーク値としてメモリ502aに書き込む。
例えば、図4(C)に示すように、t2のタイミングで振れ検出信号401−2を取得した場合には、振れ検出信号401−2の値と、ステップS611でメモリ502aに記憶された振れ検出信号401−1の値とを比較する。ここで、振れ検出信号401−2の値は、振れ検出信号401−1の値よりも大きいため、振れ検出信号401−1の値を消去し、振れ検出信号401−2の値をメモリ502aに記憶する。
このように振れ検出信号が閾値402a(又は402b)を超えた場合には、振れ検出信号を取得するたびに、該取得した振れ検出信号の値とメモリ502aに記憶された振れ検出信号の値との比較が行われる。そして、新たに取得した振れ検出信号の値が、メモリ502aに記憶された振れ検出信号の値よりも大きい場合には、メモリ502a内に記憶されたデータが、新たに取得した振れ検出信号のデータに更新される。一方、新たに取得した振れ検出信号の値が、メモリ502aに記憶された振れ検出信号の値よりも小さい場合には、振れ検出信号のデータ更新は行われない。
図4(C)において、タイミングt1から、振れ検出信号が極大値を示すタイミングtnまでは、振れ検出信号のデータ更新が行われる。そして、タイミングtn以降は、振れ検出信号のデータ更新が行われないことになる。
ステップS609では、閾値402aおよび振れ検出信号の極大値の比(又は差)に基づいて、振れ検出信号401に対する減衰処理を行う。この減衰処理は、タイミングtn以降において、振れ検出信号が取得されるたびに行われる。
具体的には、以下の(1)式に基づいて、振れ検出信号に対する減衰処理が行われる。
Sout=Sin*(A/B)・・・(1)
ここで、Soutは、振れ検出信号減衰部501の出力信号であって、振れ検出信号を減衰処理することによって生成された振れ補正信号を示す。Sinは、振れ検出信号減衰部501の入力信号であって、振れ検出信号減衰部501で減衰処理される振れ検出信号を示す(図5参照)。また、Aは、閾値402a(402b)を示し、Bは閾値402aを超えた状態にある振れ検出信号の極大値を示す(図4(C、D)参照)。
上述の減衰処理された振れ検出信号を、図4(D)の401aに示す。
図4(C)、(D)に示すように、減衰処理を行った状態で振れ検出信号が閾値402aを超えている時間Eは、減衰処理を行わずに振れ検出信号が閾値402aを超えている時間Dよりも短くなっている。すなわち、本実施例によれば、振れ補正が行われていない時間を短縮でき、撮影画像が不自然となるのを抑制することができる。
ステップS612では、振れ検出信号401の極性を判別する。すなわち、振れ検出信号401が負方向における信号か否かを判別する。ここで、振れ検出信号401が負方向の信号の場合にはステップS613に進み、そうでない場合にはステップS616に進む。
ステップS613では、振れ検出信号401の極性を反転させる。すなわち、負方向における振れ検出信号を正方向における振れ検出信号に変換する。これは、便宜上、振れ検出信号の極性を合わせた状態で処理を行うためである。なお、振れ検出信号の極性を切り換えずに処理を行ってもよい。
ステップS614では、振れ検出信号401に対する減衰処理等を行う。ここで、ステップS614における処理は、図6の点線Gで囲まれた領域内における処理(S606〜S611)に相当する。
ステップS615では、ステップS613で極性が反転された振れ検出信号401の極性を再度反転させる。すなわち、正方向の振れ検出信号401を負方向の振れ検出信号に変換する。これは、ステップS623で振れ検出信号の極性を反転させたため、元の極性に戻すためである。
ステップS616では、補正信号制御部130における処理を終了する。
本実施例では、振れ検出信号の減衰処理(上記(1)式)で用いられる係数を演算によって求めているが、振れ検出信号の極大値および閾値402aから算出される係数を予めメモリ内に記憶しておき、振れ検出信号の極大値に対応した係数をメモリから読み出すようにしてもよい。
次に、ステップS602において、振れ検出信号が基準値を通過したことが判別され、ステップS603に進む場合について説明する。
ステップS603では、減衰開始フラグの設定を解除する。これは、振れ検出信号の極性が切り換わった場合において、振れ検出信号が閾値402a(又は402b)を超えていないためである。
ステップS604では、メモリ502aに記憶されていた振れ検出信号401の値をリセットする。これは、振れ検出信号が閾値402a(又は402b)を再び超えた場合に、該振れ検出信号の値をピーク値としてメモリ502aに記憶させるためである。
以上説明したように、本実施例では、振れ検出信号が閾値402a、402bを超えたときから振れ検出信号のピークホールドを開始し、振れ検出信号の変化が増加から減少に切り換わったときに、所定の係数(上記式(1)のA/Bの値)を用いて振れ検出信号を減衰させている。これにより、振れ検出信号を減衰させない場合に比べて、振れ検出信号が閾値402a、402bを超えている時間を短くすることができる。
振れ検出信号が閾値402a、402bを超えている状態では、画像読み出し領域が所定の位置にとどまったままであるため、使用者は撮影画像に対して違和感を感じる場合があるが、本実施例によって上記違和感を軽減させることができる。
特に、本実施例のように、高画質化のために画像読み出し領域を拡大した場合には、全イメージ領域中における画像読み出し領域の移動範囲が狭まり、閾値が小さくなってしまう。この場合には、上述した本実施例の制御を行うことで、撮影画像の違和感を効率良く抑制することができる。
なお、本実施例では、電子的に像振れを補正する構成(電子防振)について説明したが、これに限られるものではなく、以下に説明する構成としてもよい。
例えば、図7(A)に示すように、撮影光学系101内に光学部材としての補正レンズ300を配置し、補正レンズ駆動機構301を介して補正レンズ300を光軸と略直交する面内(矢印方向)で変位させる。
また、図7(B)に示すように、撮像素子駆動機構400によって撮像素子102を光軸と略直交する面内(矢印方向)で変位させる。
また、図7(C)に示すように、撮影光学系101内に光学部材としての頂角可変プリズム(いわゆるバイアングルプリズム、VAP)500を配置し、VAP駆動機構501を介して頂角可変プリズム500の頂角を調節(矢印方向の幅を調節)する。
上述した図7(A)〜(C)に示す構成によっても、像振れを補正することができる。そして、振れ検出信号が、上述した構成の振れ補正可能な限界値(メカ端、図4(B)の位置451a、451bに対応)に相当する値を超えた場合に、本発明を適用することができる。
一方、本実施例では、レンズ一体型の撮像装置について説明したが、撮像装置と、該撮像装置に装着されるレンズ装置とを有する撮像システムについても本発明を適用することができる。この場合、振れ検出部121は、撮像装置およびレンズ装置のうち少なくとも一方に設けることができる。
次に、本発明の実施例2である撮像装置について説明する。本実施例の撮像装置の構成は、実施例1で説明した撮像装置の構成と同様であり、同一の構成要素については同一符号を用いる。
本実施例では、実施例1に対して補正信号制御部130の構成及び動作が異なるものであり、以下に具体的に説明する。まず、本実施例の補正信号制御部130内の構成について、図8を用いて説明する。
図8において、判別部801は、入力信号としての振れ検出信号が、予め設定された閾値(後述する第2の閾値に相当する)を超えたか否かを判別する。ここで、図8に示す入力信号Sinは、図1に示す積分器129の出力信号であって、振れの検出周期毎に取得される振れ検出信号401を示す。第1算出部802は、第1のタイミングでの振れ検出信号と、第2のタイミングでの振れ検出信号との間の変化量を算出する。この変化量を、第1の変化量とする。
ここで、第1のタイミングとは、判別部801によって振れ検出信号が閾値を超えたと判別される直前のタイミングである。すなわち、第1のタイミングでの振れ検出信号は、振れ検出周期毎に取得された複数の振れ検出信号のうち、閾値よりも小さく、且つ閾値に最も近い値を示す振れ検出信号である。
また、第2のタイミングとは、判別部801によって振れ検出信号が閾値を超えたと判別した直後のタイミングである。すなわち、第2のタイミングでの振れ検出信号は、振れ検出周期毎に取得された複数の振れ検出信号のうち、閾値よりも大きく、且つ閾値に最も近い値を示す振れ検出信号である。
記憶部803は、上述した第2のタイミングでの振れ検出信号を記憶する。第2算出部804は、第2のタイミングでの振れ検出信号と、第2のタイミング後における次の振れ検出周期に相当する第3のタイミングでの振れ検出信号とを間の変化量を算出する。この変化量を第2の変化量とする。
比較部805は、第1算出部802で算出された第1の変化量と、第2算出部804で算出された第2の変化量とを比較する。特性変更部806は、比較部805の比較結果に応じて振れ検出信号の特性を変更し、変更した信号をSoutとして出力する。
次に、本実施例の補正信号制御部130の動作について、図9を用いて説明する。
図9(A)は、振れ検出信号が閾値402aを超えた状態を示す図であり、図4(A)のZで示す部分を示している。ここで、実施例1でも説明したように、401は、振れ検出信号を示し、402aは、正方向における振れ補正端の閾値(第1の閾値)を示す。また、403aは、補正信号制御部130において振れ検出信号の特性を変更するために、予め設定された閾値(第2の閾値)を示す。第2の閾値403aが、判別部801での動作に用いられる閾値である。
第1の閾値402aは、第2の閾値403aよりも大きな値である。また、第1の閾値402a及び第2の閾値403aの間隔(差)は、振れ検出信号が増加傾向にあるか減少傾向にあるかを判別できる程度の間隔に設定される。具体的には、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えた後に、振れ検出周期で少なくとも2つの振れ検出信号が得られるような値に設定される。ここで、第1の閾値402aは、画像読み出し領域及び全イメージ領域の大きさに基づいて決定される。また、第2の閾値403aは、決定された第1の閾値402aと、上述した間隔とに基づいて決定される。
401−11〜401−13は、振れ検出周期毎に離散的に取得された振れ検出信号を示す。図9(A)では、互いに隣り合う複数の振れ検出信号を繋げた漸近線を、振れ検出信号401として示している。401−11は、上述した第1のタイミングでの振れ検出信号を示し、401−12は、第2のタイミングでの振れ検出信号を示し、401−13は、第3のタイミングでの振れ検出信号を示す。
変化量Aは、第1及び第2のタイミングでの振れ検出信号間の変化量を示し、第1算出部802で算出される。変化量Bは、第2及び第3のタイミングでの振れ検出信号間の変化量を示し、第2算出部804で算出される。時間間隔Cは、振れ検出の周期(例えば、1msec)を示す。振れ検出信号401は、この周期毎に取得される。
図9(A)に示す振れ検出信号が発生した場合における補正信号制御部130の動作について説明する。
図9(A)に示す振れ検出信号401が補正信号制御部130の判別部801に入力されると、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えたか否かを判別する。ここで、第2のタイミングでの振れ検出信号が第2の閾値403a以上であり、且つ第1のタイミングでの振れ検出信号が第2の閾値403a以下である場合には、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたと判別する。
具体的には、図9(A)で示すように、第2の閾値403aよりも小さい振れ検出信号401−11が入力された後に、第2の閾値403aよりも大きな振れ検出信号401−12が入力された場合には、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたと判別する。第1算出部802は、振れ検出信号401−11と振れ検出信号401−12の差分を第1の変化量Aとして算出する。ここで、振れ検出信号401−12は記憶部803に記憶される。
第2のタイミング後の第3のタイミングにおいて、振れ検出信号401−13が入力された場合には、第2算出部804は、振れ検出信号401−13と記憶部803に記憶された振れ検出信号402−12との差分を第2の変化量Bとして算出する。
次に、比較部805は、第1算出部802で算出された第1の変化量Aと、第2算出部804で算出された第2の変化量Bとを比較する。具体的には、第2の変化量Bが第1の変化量Aよりも大きいか否かを判別する。但し、比較条件は、これに限るものではなく、下記(2)、(3)式で示すような比較を行ってもよい。
第2の変化量B×α1 > 第1の変化量A ・・・(2)
第2の変化量B > 第1の変化量A+α2 ・・・(3)
ここで、上記(2)式におけるα1は、1以下の値であり、上記(3)式におけるα2は、適宜設定される値である。
次に、特性変更部806は、比較部805での比較結果に応じて振れ検出信号401の特性を変更する。具体的には、第2の変化量Bが第1の変化量Aよりも大きい場合には、振れ検出信号401が増加傾向にあるため、画像読み出し領域が全イメージ領域201の端に到達する可能性が高くなる(図2参照)。すなわち、画像読み出し領域をシフトさせることができない状態となる可能性が高くなる。したがって、この場合には、特性変更部806は、振れ検出信号401を減衰させる。
一方、第2の変化量Bが第1の変化量Aよりも小さい場合には、画像読み出し領域が全イメージ領域201の端に到達する可能性が低いとみなし、特性変更部806は振れ検出信号401に対する減衰処理を行わない。
上述した減衰処理は、下記(4)式に基づいて行われる。
Sout=第2の閾値+((Sin−第2の閾値)×減衰設定値)・・・(4)
ここで、Sout及びSinはそれぞれ、特性変更部806の出力信号及び入力信号を示す。また、減衰設定値は、撮像装置に応じた最適な値であり、具体的には1以下の値である。この減衰設定値は、書き換え可能なデータとなっている。
特性変更部806で減衰処理されて出力される振れ検出信号Soutは、図9(B)に示すように第2の閾値403aを超えた部分のみが減衰された信号401aとなる。このような減衰処理を行うことにより、画像読み出し領域をこれ以上シフトさせることができないといった状態が発生するのを防止し、振れ補正が行われていない状態が発生するのを抑制できる。これにより、振れ補正が行われていない時間を無くしたり、短くしたりすることができ、撮影画像が不自然となるのを抑制できる。
次に、本実施例のマイコン133内で処理される補正信号制御部130の動作について、図10を用いて説明する。図10は、割り込み処理中の積分演算後の出力特性変更処理を示したフローチャートである。この処理は、図3(B)を用いて説明した割り込み処理内の処理であり、ステップS323の積分演算処理の次に処理されるステップS324の詳細なフローチャートである。
図10において、ステップS1001で、補正信号制御部130の動作が開始される。ステップS1002では、振れ補正信号401の極性を判別する。すなわち、振れ検出信号401が正方向における信号であるか否かの判別を行う(図4(A)参照)。ここで、正方向の信号である場合にはステップS1003に進み、そうでない場合にはステップS1016に進む。
ステップS1003では、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたことの設定がされているか否かを判別し、上記設定がされている場合にはステップS1009に進み、上記設定がされていない場合にはステップS1004に進む。この判別は、具体的には、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたこと示す第1のフラグが設定されているか否で行う。すなわち、第1のフラグが設定されていれば、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えており、設定されていなければ第2の閾値403aを超えていないことになる。ここで、電源投入後の最初の処理では第1のフラグが設定されていないため、ステップS1004へ進む。
ステップS1004では、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたか否かを判別し、第2の閾値403aを超えていない場合にはステップS1008に進み、超えている場合にはステップS1005に進む。
ステップS1008では、振れ検出信号401に対する特性変更の設定を解除する。具体的には、振れ検出信号401に対する特性変更の設定を示す第2のフラグが設定されていれば、この設定を解除する。電源投入後の最初の処理では、現在の設定がどのようになっているか不明であるため、第2のフラグの設定解除を行ってからステップS1013に進む。
ステップS1013では、現在の振れ検出信号401を記憶してステップS1014に進む。ステップS1014では、第2のフラグが設定されているか否かの判別を行う。第2のフラグが設定されていればステップS1015に進み、設定されていなければステップS1020に進む。
一方、ステップS1004からステップS1005に進んだ場合には、ステップS1013で記憶された前回の振れ検出信号401の値が第2の閾値403a以下であるか否かの判別を行う。ここで、前回の振れ検出信号401が第2の閾値403a以下である場合にはステップS1006に進み、第2の閾値403aよりも大きい場合にはステップS1013に進む。
上述したステップS1004、1005の処理は、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたか否かを判別する判別部801の動作を示す。
ステップS1006では、現在の振れ検出信号401と、前回の振れ検出信号401との間の変化量を算出する。この変化量は、図9(A)で説明した第1の変化量Aに相当し、記憶部803(図8参照)に記憶される。ステップS1007では、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたことを示すフラグの設定を行う。
一方、ステップS1003からステップS1009に進んだ場合には、記憶された前回の振れ検出信号401と現在の振れ検出信号401との間の変化量を算出する。この変化量は、図9(A)で説明した第2の変化量Bに相当し、メモリに記憶される。
ステップS1010では、ステップS1006で算出された第1の変化量Aが、ステップS1009で算出された第2の変化量Bよりも小さいか否かを判別する。この処理は、補正信号制御部130の比較部805で行われる。ステップS1010において、第1の変化量Aが第2の変化量Bよりも小さい場合にはステップS1011に進み、第2の変化量Bよりも大きい場合にはステップS1012に進む。
ステップS1011では、振れ検出信号の特性を変更(言い換えれば、減衰)するためのフラグ(第2のフラグ)を設定する。ステップS1012では、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたことを示すフラグ(第1のフラグ)の設定を解除する。そして、ステップS1013に進む。
一方、ステップS1014からステップS1015に進んだ場合には、振れ検出信号401に対する特性変更を行う。具体的には、振れ検出信号401に対して減衰処理を行う。
上述した処理において、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えている間は、振れ検出信号401に対して減衰処理が行われる。一方、振れ検出信号401が第2の閾値403aよりも小さくなった場合には、振れ検出信号401に対する減衰処理が中止される。
次に、ステップS1002からステップS1016に進んだ場合の動作について、説明する。
ステップS1016では、振れ検出信号401が負方向における信号であるか否かの判別を行う(図4(A)参照)。ここで、負方向の信号である場合にはステップS1017に進み、そうでない場合にはステップS1020に進む。ステップS1017では、振れ検出信号401の極性を反転させる。これは、便宜上、振れ検出信号401の極性を合わせた状態で処理を行うためである。なお、振れ検出信号401の極性を切り換えずに処理を行ってもよい。
ステップS1018では、振れ検出信号401に対する特性変更等の処理を行う。ここで、ステップS1018における処理は、図10の点線Gで囲まれた領域内における処理(S1003〜S1015)に相当する。
ステップS1019では、ステップS1017で極性が反転された振れ検出信号401の極性を再度反転させる。すなわち、正方向の振れ検出信号401を負方向の振れ検出信号401に変換する。これは、ステップS1017で振れ検出信号の極性を反転させたため、元の極性に戻すためである。
本実施例によれば、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えて減少傾向にない場合には、振れ検出信号を減衰させることにより、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達するのを抑制することができる。これにより、振れ検出信号が第1の閾値402aを超えて、画像読み出し領域がシフトされない状態を防止し、撮影画像に生じる違和感を軽減させることができる。
ここで、高画質化のために画像読み出し領域を拡大させた場合には、この拡大させた分だけ画像読み出し領域のシフト量が減少するため、画像読み出し領域をシフトできない状態が生じやすい。そこで、本実施例を適用すれば、上述した不具合を軽減することができる。
一方、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えた場合であっても、振れ検出信号が減少傾向にある場合には、振れ検出信号の減衰処理は行わないため、撮像装置に加わる振動に応じた振れ補正を行うことができる。
なお、本実施例では、電子的に像振れを補正する構成(電子防振)について説明したが、実施例1で説明したように、光学的に像振れを補正する構成にも適用することができる。また、レンズ一体型の撮像装置や、撮像装置及びこれに装着されるレンズ装置を含む撮像システムについて、適用することができる。
次に、本発明の実施例3である撮像装置について説明する。本実施例の撮像装置の構成は、実施例1で説明した撮像装置の構成と同様であり、同一の構成要素については同一符号を用いる。
本実施例では、実施例1に対して補正信号制御部130の構成及び動作が異なるものであり、以下に具体的に説明する。まず、本実施例の補正信号制御部130内の構成について、図11を用いて説明する。
なお、上述した実施例2及び本実施例は、振れ検出信号が閾値(第1の閾値)に到達する前のタイミングにおいて、振れ検出信号の状態に基づいて振れ検出信号が閾値(第1の閾値)に到達するか否かを判断している。そして、第1の閾値に到達する可能性がある場合には、振れ検出信号の特性を変更するようにしている。
図11において、判別部1101は、入力信号としての振れ検出信号が、予め設定された閾値(後述する第2の閾値)を超えたか否かを判別する。ここで、図11に示す入力信号Sinは、図1に示す積分器129の出力信号であって、振れの検出周期毎に取得される振れ検出信号401を示す。
第1算出部1102は、第1のタイミングでの振れ検出信号と、第2のタイミングでの振れ検出信号との間の変化量を算出する。この変化量を、算出変化量とする。
ここで、第1のタイミングとは、判別部1101によって振れ検出信号が閾値を超えたと判別される直前のタイミングである。すなわち、第1のタイミングでの振れ検出信号は、振れ検出周期毎に取得された複数の振れ検出信号のうち、閾値よりも小さく、且つ閾値に最も近い値を示す振れ検出信号である。
また、第2のタイミングとは、判別部1101によって振れ検出信号が閾値を超えたと判別した直後のタイミングである。すなわち、第2のタイミングでの振れ検出信号は、振れ検出周期毎に取得された複数の振れ検出信号のうち、閾値よりも大きく、且つ閾値に最も近い値を示す振れ検出信号である。
比較部1103は、第1算出部1102で算出された変化量(算出変化量)と、予め設定された変化量(設定変化量)とを比較する。第2算出部1104は、算出変化量及び設定変化量に基づいて、振れ検出信号の減衰処理に用いられる減衰率を算出する。
記憶部1105は、現在の振れ検出信号を記憶する。特性変更部1106は、後述するように、比較部1103の比較結果に応じて振れ検出信号の特性を変更する。すなわち、振れ検出信号に対して減衰処理を行う。
次に、本実施例の補正信号制御部130の動作について、図12を用いて説明する。
図12(A)は、振れ検出信号が閾値402aを超えた状態を示す図であり、図4(A)のZで示す部分を示している。ここで、実施例1でも説明したように、401は、振れ検出信号を示し、402aは、正方向における振れ補正端の閾値(第1の閾値)を示す。また、403aは、補正信号制御部130において振れ検出信号の特性を変更するために、予め設定された閾値(第2の閾値)を示す。第2の閾値403aが、判別部1101での動作に用いられる閾値である。
第1の閾値402aは、第2の閾値403aよりも大きな値である。また、第1の閾値402a及び第2の閾値403aの間隔(差)は、後述するように振れ検出信号が第2の閾値403aを超えた場合における単位時間当たりの振れ検出信号の変化量(傾き)を算出できる値に設定される。ここで、第1の閾値402aは、画像読み出し領域及び全イメージ領域の大きさに基づいて決定される。また、第2の閾値403aは、決定された第1の閾値402aと、上述した間隔とに基づいて決定される。
401、1201、1202は、互いに異なる振れ検出信号を示す。振れ検出信号401、1202は、第1の閾値402aを超える信号であり、振れ検出信号1202は、振れ検出信号401よりも小さい信号となっている。また、振れ検出信号1201は、第1の閾値402aを超えない信号を示す。
なお、図12(A)では、振れ検出信号401、1201、1202を便宜上まとめて記載しているが、これらの信号が同時に発生することを意味するものではない。
401−21、401−22は、振れ検出信号401に含まれる振れ検出信号であって、振れ検出周期毎に離散的に取得された信号を示す。図12(A)では、互いに隣り合う複数の振れ検出信号を繋げた漸近線を、振れ検出信号401として示している。
振れ検出信号401−21は、上記第1のタイミングで取得された信号であり、振れ検出信号401−22は、上記第2のタイミングで取得された信号である。A1は、振れ検出信号401−21と振れ検出信号401−22との間の変化量を示す。
1201−21、1201−22は、振れ検出信号1201に含まれる振れ検出信号であって、振れ検出周期毎に離散的に取得された信号を示す。図12(A)では、互いに隣り合う複数の振れ検出信号を繋げた漸近線を、振れ検出信号1201として示している。
振れ検出信号1201−21は、上記第1のタイミングで取得された信号であり、振れ検出信号1201−22は、上記第2のタイミングで取得された信号である。A2は、振れ検出信号1201−21と振れ検出信号1201−22との間の変化量を示す。
1202−21、1202−22は、振れ検出信号1202に含まれる振れ検出信号であって、振れ検出周期毎に離散的に取得された信号を示す。図12(A)では、互いに隣り合う複数の振れ検出信号を繋げた漸近線を、振れ検出信号1202として示している。
振れ検出信号1202−21は、上記第1のタイミングで取得された信号であり、振れ検出信号1202−22は、上記第2のタイミングで取得された信号である。A3は、振れ検出信号1202−21と振れ検出信号1202−22との間の変化量を示す。時間間隔Cは、振れ検出の周期(例えば、1msec)を示す。振れ検出信号401、1201、1202は、この周期毎に取得される。
図12(A)に示す振れ検出信号401が発生する場合には、この振れ検出信号401は、判別部1101に入力される。ここでは、図12(A)に示す3つの振れ検出信号401、1201、1202のうち振れ検出信号401が発生する場合について説明する。
判別部1101は、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたか否かを判別する。ここで、第2のタイミングでの振れ検出信号が第2の閾値403a以上であり、且つ第1のタイミングでの振れ検出信号が第2の閾値403a以下である場合には、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたと判別する。
具体的には、図12(A)で示すように、第2の閾値403aよりも小さい振れ検出信号401−21が入力された後に、第2の閾値403aよりも大きな振れ検出信号401−22が入力された場合には、振れ検出信号401が第2の閾値403aを超えたと判別する。第1算出部1102は、振れ検出信号401−21と振れ検出信号401−22の差分を変化量A1として算出する。
ここで、図12(A)に示す振れ検出信号1201が入力された場合には、第1のタイミングでの振れ検出信号1201−21と第2のタイミングでの振れ検出信号1201−22との差分が変化量A2として算出される。また、図12(A)に示す振れ検出信号1202が入力された場合には、第1のタイミングでの振れ検出信号1202−21と第2のタイミングでの振れ検出信号1202−22との差分が変化量A3として算出される。
比較部1103は、第1算出部1102で算出された変化量(以下、算出変化量とする)と、予め設定された変化量(以下、設定変化量とする)とを比較する。ここで、設定変化量とは、単位時間あたりの振れ検出信号の変化量を示し、単位時間とは、例えば、図12(A)の時間Cに相当する振れ検出周期を示す。すなわち、比較部1103は、第2の閾値403aを超えたときの振れ検出信号の傾きを、設定変化量に相当する所定の傾きと比較する。
ここで、図12(A)に示す3つの振れ検出信号401、1201、1202の変化量を考察する。
第1及び第2のタイミング間において、振れ検出信号401、1201、1202の変化量はそれぞれ、変化量A1、A2、A3となっている。すなわち、単位時間あたりの変化量は、変化量A2、変化量A3、変化量A1の順に大きくなっている。そして、第1及び第2のタイミング間での3つの振れ検出信号の傾きは、振れ検出信号1201、振れ検出信号1202、振れ検出信号401の順に大きくなっている。
図12(A)に示す場合において、振れ検出信号1201は第1の閾値402aに到達しないが、振れ検出信号401、1202は第1の閾値402aを超えてしまう。すなわち、振れ検出信号1201が発生した場合には、画像読み出し領域を常にシフトさせることができるが、振れ検出信号401、1202が発生した場合には、画像読み出し領域をシフトさせることができない状態が生じる。
本実施例では、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えた場合における振れ検出信号の傾きに基づいて、後に入力される振れ検出信号が第1の閾値402aに到達するか否かを判断するようにしている。このときの判断基準は、上述した設定変化量であり、算出変化量が設定変化量以上である場合には、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達する可能性があると判断する。一方、算出変化量が設定変化量よりも小さい場合には、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達する可能性が概ね無いものと判断する。この設定変化量は、通常の使用状態(パンニング等の使用状態を除く)で発生する複数の振れ検出信号の挙動に基づいて、予め設定される。
図11に戻り、第2算出部1104は、第1算出部1102の算出変化量と設定変化量とに基づいて、振れ検出信号401、1202の特性を変更するための減衰率を算出する。この減衰率は、下記(5)式で求められる。ここで、下記(5)式に示すように、減衰率は、算出変化量、すなわち、振れ検出信号の傾きに応じて、変化することになる。
減衰率=設定変化量/算出変化量・・・(5)
一方、算出変化量が設定変化量以下の場合には、減衰率の算出は行われない。これは、算出変化量が設定変化量以下の場合には、図12(A)で示す振れ検出信号1201のように、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達せず、画像読み出し領域をシフトさせることができない状態が生じないからである。したがって、図12(A)中の振れ検出信号1201が入力された場合には、減衰率の算出は行われないことになる。
次に、記憶部1105は、第2のタイミングでの振れ検出信号、具体的には、振れ検出信号401−22、1201−22を記憶する。
次に、特性変更部1106は、比較部1103での比較結果に応じて振れ検出信号の特性を変更する。すなわち、比較部1103において算出変化量が設定変化量よりも大きいと判別された場合には、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達する可能性が高いとみなして、特性変更部1106が振れ検出信号の特性を変更する。
具他的には、図12(A)に示す振れ検出信号401、1202が入力された場合には、この振れ検出信号の特性を変更する。すなわち、振れ検出信号を減衰させる。
一方、比較部1103において算出変化量が設定変化量よりも小さいと判別された場合には、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達する可能性が低いとみなして、特性変更部1106は振れ検出信号の特性を変更しない。この場合には、振れ検出信号の減衰処理が行われず、補正信号制御部130に入力された振れ検出信号を用いて、振れ補正が行われることになる。
上述した減衰処理は、下記(6)式に基づいて行われる。
Sout=第2の閾値+((Sin−第2の閾値)×減衰率) ・・・(6)
ここで、減衰率は、第2算出部1104で算出された値が用いられる。
本実施例では、上記(5)式に示すように、算出変化量及び設定変化量に基づいて減衰率を算出しているが、これに限るものではない。例えば、算出変化量及び設定変化量と、減衰率との対応を示すテーブルデータを予め用意しておき、算出変化量が設定変化量よりも大きくなった場合に、この算出変化量及び設定変化量に対応した減衰率をテーブルデータから選択してもよい。
振れ検出信号401、1202が入力された場合には、図11のSoutで示される特性変更部1106の出力信号は、図12(B)で示す振れ検出信号401a、1202aとなる。図12(B)に示すように、特性変更部1106での減衰処理によって、振れ検出信号401a、1202aは、第1の閾値402aに到達しないようになる。すなわち、画像読み出し領域を常にシフトさせることができる。
次に、本実施例のマイコン133内で処理される補正信号制御部130の動作について、図13を用いて説明する。図13は、割り込み処理中の積分演算後の出力特性変更処理を示したフローチャートである。この処理は、図3(B)を用いて説明した割り込み処理内の処理であり、ステップS323の積分演算処理の次に処理されるステップS324の詳細なフローチャートである。
図13において、ステップS1301で振れ検出信号に対する処理を開始する。ステップS1302では、入力された振れ検出信号の極性が正であるか否かを判別する。ここで、正であればステップS1303へ進み、正でなければステップS1313に進む。
ステップS1303では、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えているか否かを判別する。ここで、第2の閾値403aを超えていればステップS1304に進み、超えていなければステップS1309に進む。
ステップS1309では、振れ検出信号に対する特性変更の設定を示す第3のフラグの設定を解除する。なお、電源を投入した後の最初の処理では、どのような設定になっているか不定であるため、第3のフラグの設定を解除してステップS1310に進む。
一方、ステップS1303からステップS1304に進んだ場合には、前回の振れ検出信号が第2の閾値403a以下であるか否かを判別する。ここで、第2の閾値403a以下である場合にはステップS1305に進み、第2の閾値403aよりも大きければステップS1310に進む。ステップS1303及びステップS1304の処理は、2つの振れ検出信号(第1及び第2のタイミングでの振れ検出信号)と第2の閾値403aとを比較することで、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えたか否かを判別するものである。
ステップS1305では、現在の振れ検出信号と、ステップS1310で記憶された前回の振れ検出信号との間の変化量を算出する。この処理は、図11に示す第1算出部1101で行われる。具体的には、図12(A)に示す振れ検出信号401が入力された場合には、第1のタイミングでの振れ検出信号401−21と、第2のタイミングでの振れ検出信号401−22との差分を変化量A1として算出する。同様に、振れ検出信号1201、1202が入力された場合には、振れ検出信号1201−21、1201−22間の差分や、振れ検出信号1202−21、1202−22間の差分が、変化量A2、A3として算出される。算出された変化量はRAMに格納され、ステップS1306へ進む。
ステップS1306では、比較部1103において、ステップS1305で算出された変化量と、あらかじめ設定された設定変化量とが比較される。ここで、算出変化量が設定変化量以下の場合にはステップS1310に進み、算出変化量が設定変化量よりも大きい場合にはステップS1307に進む。
ステップS1307では、ステップS1305で得られた算出変化量と、設定変化量とに基づいて減衰率を算出する。この算出式は、上記(5)式に基づいて行われる。算出された減衰率は、RAMに格納され、後述する減衰処理を行う工程で使用される。
ステップS1308では、振れ検出信号401に対する特性変更の設定を示す第3のフラグを設定する。ステップS1310では、現在の振れ検出信号を記憶し、ステップS1311へ進む。
ステップS1311では、第3のフラグが設定されているか否かを判別する。ここで、第3のフラグが設定されていればステップS1312に進み、設定されていなければステップS1317に進む。
ステップS1312では、振れ検出信号の特性変更処理を行う。具体的には、振れ検出信号に対して減衰処理を行う。この減衰処理は、上記(6)式に基づいて行われる。この減衰処理で用いられる減衰率は、ステップS1307で算出された値が用いられる。
ステップS1312の減衰処理によって、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えるときから振れ検出信号が減衰することになる。具体的には、第2の閾値403aを超えた第2のタイミング以降の振れ検出信号に対して減衰処理が行われ、単位時間(振れ検出周期C)あたりの振れ検出信号の変化量(傾き)が減少方向に変化することになる。
この減衰処理は、振れ補正制御部130に入力される振れ検出信号が第2の閾値403aよりも小さくなるまで行われる。振れ補正制御部130に入力される振れ検出信号が第2の閾値403aよりも小さくなると、ステップS1303からステップS1309に進み、ステップS1309で第3のフラグの設定が解除される。これにより、特性変更部1106から出力される信号は、振れ補正制御部130に入力される振れ検出信号と同じとなる。
一方、ステップS1302からステップS1313に進んだ場合には、振れ検出信号の極性が負であるか否かを判別する。ここで、振れ検出信号の極性が負であればステップS1314に進み、負でなければステップS1317に進む。
ステップS1314では、振れ補正信号の極性を反転させる。これは、便宜上、振れ検出信号の極性を合わせた状態で処理を行うためである。なお、振れ検出信号の極性を切り換えずに処理を行ってもよい。
ステップS1315では、振れ検出信号に対する特性変更等の処理を行う。ここで、ステップS1315における処理は、図13の点線Hで囲まれた領域内における処理(S1303〜S1312)に相当する。
ステップS1316では、ステップS1314で極性が反転された振れ検出信号の極性を再度反転させる。すなわち、正方向の振れ検出信号を負方向の振れ検出信号に変換する。これは、ステップS1314で振れ検出信号の極性を反転させたため、元の極性に戻すためである。
本実施例によれば、振れ検出信号が第2の閾値403aを超え、且つ、このときの算出変化量が設定変化量よりも大きい場合には、この算出変化量及び設定変化量の比率に応じた振れ検出信号の減衰処理を行っている。これにより、振れ検出信号が第1の閾値402aに到達するのを抑制することができる。そして、振れ検出信号が第1の閾値402aを超えて、画像読み出し領域がシフトされない状態を抑制し、撮影画像に生じる違和感を軽減させることができる。
ここで、高画質化のために画像読み出し領域を拡大させた場合には、この拡大させた分だけ画像読み出し領域のシフト量が減少するため、画像読み出し領域をシフトできない状態が生じやすい。そこで、本実施例を適用すれば、上述した不具合を軽減することができる。
一方、振れ検出信号が第2の閾値403aを超えた場合であっても、このときの算出変化量が設定変化量以下である場合には、振れ検出信号の減衰処理は行わないため、撮像装置に加わる振動に応じた振れ補正を行うことができる。
なお、本実施例では、電子的に像振れを補正する構成(電子防振)について説明したが、実施例1で説明したように、光学的に像振れを補正する構成にも適用することができる。また、レンズ一体型の撮像装置や、撮像装置及びこれに装着されるレンズ装置を含む撮像システムについて、適用することができる。
本発明の実施例1である撮像装置の構成を示す概略図である。 電子防振における画像切り出しエリアを説明する図である。 実施例1の撮像装置における処理を示すフローチャートである。 (A)は振れ検出信号の変位を示す図、(B)は切り出し領域の位置変化を示す図、(C)および(D)は閾値を超えた振れ検出信号に対する減衰処理を説明するための図である。 実施例1における補正信号制御部内の構成を示す概略図である。 実施例1の補正信号制御部で行われる処理を示すフローチャートである。 実施例1の変形例における振れ補正構造を示す図(A〜C)である。 本発明の実施例2における補正信号制御部内の構成を示す概略図である。 実施例2における振れ検出信号の減衰処理を説明するための図である。 実施例2の補正信号制御部で行われる処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例3における補正信号制御部内の構成を示す概略図である。 実施例3における振れ検出信号の減衰処理を説明するための図である。 実施例3の補正信号制御部で行われる処理を示すフローチャートである。 特許文献1において、非線形リミッタによる処理を説明するための図である。
符号の説明
101:撮影光学系
122:角速度センサ
130:補正信号制御部
133:マイコン(制御手段)

Claims (7)

  1. 像振れを補正する振れ補正手段と、
    振動を検出する検出センサの検出信号に基づいて、前記振れ補正手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記検出信号が前記振れ補正手段によって補正可能となる閾値を超え、かつ、該検出信号の変化が増加から減少に切り換わった場合には、前記検出信号を減衰させる減衰処理を行い、該減衰処理された検出信号に基づいて前記振れ補正手段の駆動を制御することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記制御手段は、前記減衰処理される検出信号が基準値を通過した場合には、該検出信号に対して前記減衰処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記閾値と、該閾値を超えた状態にある前記検出信号の極大値との比又は差に基づいて、前記減衰処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 撮影光学系によって形成される光学像を光電変換する撮像素子を有し、
    前記振れ補正手段は、前記撮像素子の全画素領域のうち撮影画像を生成するための画素領域の位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記振れ補正手段は、撮影光学系によって形成される光学像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子を光軸と略直交する面内で変位させる駆動機構とを有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記振れ補正手段は、撮影光学系の一部である光学部材と、該光学部材を駆動する駆動機構とを有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の撮像装置と、
    撮影光学系を有し、前記撮像装置に装着されるレンズ装置とを備えたことを特徴とする撮像システム。


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