JP2006220787A - 電気光学装置、駆動方法および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、駆動方法および電子機器 Download PDF

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JP2006220787A JP2005032616A JP2005032616A JP2006220787A JP 2006220787 A JP2006220787 A JP 2006220787A JP 2005032616 A JP2005032616 A JP 2005032616A JP 2005032616 A JP2005032616 A JP 2005032616A JP 2006220787 A JP2006220787 A JP 2006220787A
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Katsunori Yamazaki
克則 山崎
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Abstract

【課題】 データ信号の電圧切り替わりに起因する表示品位の低下を防止する。
【解決手段】 電気的に直列に接続された画素容量およびスイッチング素子を含む画素1
16のうち、奇数行を、第1データ線211に接続し、偶数行を第2データ線212に接
続する一方、第1データ線に供給するデータ信号Xjと、第2データ線に供給するデータ
信号/Xjとを互いに論理反転の関係とする。第1データ信号Xjの電圧の切り替わりに
伴って走査線311に現れるノイズを、第2データ信号/Xjの電圧の切り替わりに伴っ
て現れるノイズで打ち消す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆる横クロストークの発生を抑える技術に関する。
液晶などの電気光学的な変化により表示を行う電気光学装置では、次のような階調表示
技術によって各画素の階調表示が行われる。すなわち、このこのパルス幅変調等は、走査
線(コモン電極)に選択電圧が印加される期間に、データ信号として階調に応じたパルス
幅の信号や、階調に応じた電圧信号を、データ線(セグメント電極)に印加することによ
って、画素に印加される電圧実効値を制御して階調表示を行う、というものであるが、こ
のような階調表示技術を用いた場合、表示ムラが走査線の延設方向(横方向)に発生する
、という横クロストークが問題視された。
この横クロストークの原因は、データ線の電圧が変化すると、当該データ線と容量結合
する走査線や共通電極の電位が変動して、画素の階調を決定付ける画素容量(液晶容量)
の電圧実効値を変動させるためである、と考えられる。このため、横クロストークを低減
するために、選択された画素1行分における階調値の度数を計数するとともに、これらの
計数結果に基づいて、選択された行に位置する画素の各々に印加するデータ信号の電圧を
補正する技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、画素1行分
の表示パターンに依存した実効電圧の変動を見越した上で、データ信号のパルス幅(電圧
)が補正されるので、電圧実効値の変動分を相殺でき、結果的に、横クロストークの低減
を図ることができる。
特開平8−160392号公報
しかしながら、この技術では、階調値毎に度数を計数する必要があるので、階調データ
を識別するためのデコーダや計数回路等の回路ブロックを表示階調数分設ける必要がある
。例えば、6ビットの階調データで64階調を表示可能とする場合には、64個の回路ブ
ロックが必要になり、8ビットの階調データで256階調を表示可能とする場合には、2
56個の回路ブロックが必要になる。その結果、多階調化にともない、回路構成が複雑に
なるほか、回路規模も増大するため、低価格化や低消費電力化を大きく阻害する要因とな
る。
そもそも、上記技術は、画素容量における電圧実効値の変動を見越して、データ信号の
パルス幅(電圧)を補正するものに過ぎず、画素容量における電圧実効値の変動そのもの
を抑えるものではない。したがって、上記技術は、いわば対処療法的なものであり、根本
的な問題についてなんら改善するものではない、ということができる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画素容
量における電圧実効値の変動そのものを防止して、横クロストークの発生を抑えることが
可能な電気光学装置、その駆動方法および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明にあっては、複数行の走査線と、第1および第2データ
線の複数対との交差に対応して設けられた画素であって、奇数行の走査線は、前記第1ま
たは第2データ線の一方に対応し、偶数行の走査線は、前記第1または第2データ線の他
方に対応してスイッチング素子と画素容量とを含む画素を介して接続され、対応する走査
線に選択電圧が印加されたときに、前記スイッチング素子がオンするとともに、接続され
た第1または第2データ線の一方に基づく電圧が前記画素容量に書き込まれる画素と、前
記複数行の走査線を所定の順番で選択する際に、選択された走査線に前記選択電圧を印加
する走査線駆動回路と、選択された走査線に位置する画素の階調に応じた電圧のデータ信
号を、当該画素に接続された前記第1データ線に供給し、電圧変化が前記データ信号とは
反転関係にある反転データ信号を、前記第2データ線に供給するデータ線駆動回路とを有
することを特徴とする。
この構成によれば、第1または第2データ線のいずれか一方に供給されるデータ信号と
、第1または第2データ線のいずれか他方に供給される反転データ信号とは、電圧変化の
方向が互い反対であるので、第1および第2データ線に容量結合する部分の電圧変動が抑
えられる。
本発明において、前記スイッチング素子はダイオードであって、前記画素容量および前
記ダイオードは、前記走査線と、前記第1または第2データ線のいずれか一方との間で電
気的に直列に接続されている構成が好ましい。
スイッチング素子をダイオードとする場合、前記走査線駆動回路は、各走査線を1水平
走査期間毎に選択するとともに、当該1水平走査期間を2分割した前半期間または後半期
間のいずれかで、前記選択電圧を当該選択走査線に印加し、前記データ線駆動回路は、当
該1水平走査期間の前半期間と後半期間とにおいて前記データ信号を、所定の電位を基準
として互いに反転させる構成が好ましい。
また、この場合に、前記データ信号供給回路は、選択された走査線に位置する画素の階
調に応じたパルス幅のデータ信号を、当該画素に対応する前記第1または第2データ線の
いずれか一方に供給し、所定の電位を基準として前記データ信号を反転させた反転データ
信号を、前記第1または第2データ線のいずれか他方に供給する構成としても良い。
本発明において、前記スイッチング素子は、そのゲートが前記走査線に接続されたトラ
ンジスタであり、前記画素容量は、画素毎に個別の画素電極と、前記画素電極と同一基板
上に形成され当該画素電極と対向する共通電極とを含み、前記共通電極は、各画素にわた
って共通であって、前記第1および第2データ線と列毎に絶縁体を介して交差する構成と
しても良い。
スイッチング素子をトランジスタとする場合、前記データ信号供給回路は、選択された
走査線に位置する画素の階調に応じた電圧のデータ信号を、当該画素に対応する前記第1
または第2データ線のいずれか一方に供給し、当該データ信号の電圧変化がΔVで示され
る場合に、当該電圧変化とは逆向きであって、k・ΔVの電圧変化を有する信号を、前記
反転データとして前記第1または第2データ線のいずれか他方に供給する構成が好ましい

なお、本発明は、電気光学装置のみならず、電気光学装置の駆動方法としても、さらに
は、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形
態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、液晶パネル100、データ線駆動回路
250、走査線駆動回路350および制御回路400を含む。このうち、液晶パネル10
0には、第1データ線211および第2データ線212の240対がそれぞれ列(Y)方
向に延在する一方、320行の走査線(コモン電極)311が行(X)方向に延在するよ
うに設けられている。
画素116は、第1データ線211または第2データ線212と、320行の走査線3
11との交差に対応して、それぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素1
16が縦320行×横240列でマトリクス状に配列するが、本発明をこれに限定する趣
旨ではない。
説明の便宜上、画素116の詳細な構成について説明する。図2(a)は、画素116
の平面的な構成を示す図であり、図2(b)は、画素116の電気的な構成を示す図であ
る。いずれも、i行目及びこれに隣接する(i+1)行目と、j列目及びこれに隣接する
(j+1)列目との交差に対応する2×2の計4画素分の構成が示されている。なお、i
、(i+1)は、画素116が配列する走査線を一般的に示す場合の記号であり、1以上
320以下の整数であって、ここでは特にiを奇数とし、(i+1)を偶数として説明す
る。
図2(b)において、各画素116は、画素容量118と、二端子型スイッチング素子
の一例であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)220とを有する。
ここで、奇数i行目に位置する画素116では、TFD220の一端が第1データ線2
11に接続される一方、偶数(i+1)行目に位置する画素116では、TFD220の
一端が第2データ線212に接続されている。そして、奇数、偶数行とも、TFD220
の他端は画素容量118の一端に接続され、画素容量118の他端は、走査線311に接
続されている。
液晶パネル100は、一対の基板が一定の間隙を保って電極面が互いに対向するととも
に、当該間隙に液晶が挟持された構成となっている。このような構成を平面的に示したも
のが図2(a)である。
一対の基板のうち、一方の基板の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明
導電体からなる矩形形状の画素電極234がマトリクス状に配列しており、このうち、奇
数i行目の画素電極234が第1データ線211に、偶数(i+1)行目の画素電極23
4が第2データ線212に、それぞれTFD220を介して接続されている。
一対の基板のうち、他方の基板の対向面には、ITOなどからなる走査線311が、1
行分の画素電極234と対向するように行方向に延在して、帯状の対向電極として機能し
ている。
このため、i行j列の画素116における画素容量118は、画素電極234とi行目
の走査線311と、両者の間に挟持された液晶とによって構成されることになる。
TFD220は、基板側からみると、タンタル単体やタンタル合金などから形成され、
かつ、第1データ線211または第2データ線212からT字状に枝分かれした第1の導
電体と、この第1の導電体を陽極酸化させた絶縁体と、クロム等などの第2の導電体22
6とから構成されて、導電体/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造となっている。このた
め、TFD220は、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるダイオードス
イッチング特性を有することになる。
なお、この構成において、走査線311は、画素電極234のみならず、第1データ線
211と第2データ線212とに対しても液晶を介してそれぞれ対向することになる。こ
のため、図2(b)に示されるように、各行の走査線311は、1列の第1データ線21
1とは容量CS1を介して、1列の第2データ線212とは容量CS2を介して、それぞ
れ列毎に結合することになる。
この画素116において、走査線311に、後述する選択電圧±Vのいずれか一方が
印加されると、第1データ線211または第2データ信号212の電圧にかかわらず、当
該走査線および第1(または第2)データ線の交差に対応するTFD220が強制的に導
通状態(オン)となり、オンしたTFD220に接続された画素容量118に、当該選択
電圧および当該データ電圧の差に応じた電圧が保持される。電圧保持後、走査線311に
非選択電圧±Vが印加されると、当該TFD220はオフするが、画素容量118にお
ける電圧保持状態が維持される。画素容量118では、保持された電圧に応じて液晶の配
向状態が変化するので、偏光子(図示省略)を通過する光量は、当該電圧実効値に応じた
値となる。このため、当該選択電圧が印加されたときのデータ電圧により、画素容量11
8において保持される電圧を画素毎に制御して、所定の階調表示を行うことが可能となっ
ている。
なお、本実施形態では説明の便宜上、当該電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が
最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少
して、ついには透過率が最小である黒色表示になるノーマリーホワイトモードとする。
説明を再び図1に戻すと、制御回路400は、ラッチパルスLPや、フレーム信号FR
、極性指示信号POL、スタートパルスDY、クロック信号CLY等の各種制御信号によ
って液晶パネル100の走査を制御するものである。なお、これらの制御信号の内容は、
その都度説明することにする。
走査線駆動回路350は、1行目、2行目、3行目、…、320行目の各走査線311
を、1行ずつ選択するとともに、当該選択走査線に選択電圧±Vのいずれかを選択の後
半期間において印加するものである。
走査線駆動回路350による出力について図3を参照して説明する。この図に示される
ように、走査線駆動回路350は、垂直走査期間(1F)の最初に供給されるスタートパ
ルスDYを、デューティ比が50%であるクロック信号CLYの立ち上がりにて順次取り
込むことにより、走査線311に一対一に対応したシフト信号Ys1、Ys2、Ys3、
…、Ys320を生成する。
スタートパルスDYの(Hレベルの)パルス幅はクロック信号CLYのほぼ1周期に設
定されているので、シフト信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys320は、クロック信
号CLYの1周期だけ順次排他的にHレベルとなる。シフト信号がHレベルになると、当
該シフト信号に対応する走査線が選択されたことを意味する。このため、本実施形態では
、クロック信号CLYの1周期が、垂直走査における1水平走査期間(1H)に相当する
ことになる。
走査線駆動回路350は、あるシフト信号がHレベルになって、当該シフト信号に対応
する走査線311を選択したとき、当該選択走査線311の電圧状態を次のように決定す
る。
すなわち、走査線駆動回路350は、ある行の走査線に対応するシフト信号がHレベル
になって、当該走査線の選択が示されたときに、当該選択走査線311に対し、極性指示
信号POLがHレベルであれば、1水平走査期間の後半期間にわたって正極性選択電圧+
とし、この後、当該シフト信号がLレベルになって選択が終了すれば、正極性非選択
電圧+Vとする一方、極性指示信号POLがLレベルであれば、当該1水平走査期間の
後半期間にわたって負極性選択電圧−Vとし、この後、当該シフト信号がLレベルにな
れば、負極性非選択電圧−Vとする。したがって、本実施形態では、1水平走査期間の
前半期間では、ある行の走査線が選択されても当該選択走査線に選択電圧が印加されない
ことになる。
図3では、走査線駆動回路350によって決定される走査線の電圧(走査信号)が1〜
320行目の各々に対応してY1〜Y320として表記されている。なお、シフト信号Y
s1〜Ys320は、ここでは走査線311の選択を説明するためのものに過ぎない。ま
た、本実施形態における電圧の基準はV(=0)であり、この電圧Vよりも高位側が
正極性であり、低位側が負極性である。
極性指示信号POLは、Hレベルであれば正極性書込を指定し、Lレベルであれば負極
性書込を指定する信号であり、図3に示されるように、1水平走査期間(1H)毎に極性
反転するとともに、隣接する1垂直走査期間(1F)同士において同一の水平走査期間に
着目しても極性反転する関係にある。
なお、1水平走査期間の前半および後半期間については、例えばクロック信号CLYの
レベルで規定することができるほか、別途の信号によっても規定することができる。
また、本実施形態では、最初の1行目の走査線311に対応するシフト信号Ys1がH
レベルになる期間に、極性指示信号POLがHレベルとなる垂直走査期間を第1フレーム
と称し、極性指示信号POLがLレベルとなる垂直走査期間を第2フレームと称している
。第1フレームであるか、第2フレームであるかについては、図3に示されるようにフレ
ーム信号FRのレベルによって示される。
なお、スタートパルスDY、クロック信号CLYおよび極性指示信号POLは、上述し
た制御回路400によって生成され、走査線駆動回路350に供給される。また、フレー
ム信号FRは、1行目の書込極性を示して、以下に続く行の書込極性を規定するのみであ
るので、走査線駆動回路350には供給されず、ラッチ信号LPとともに、データ線駆動
回路250に供給される。このフレーム信号FRおよびラッチ信号LPも制御回路400
によって生成される。
次に、データ線駆動回路250について説明する。データ線駆動回路250は、データ
信号供給回路252と各列に対応した反転回路254とを有する。このうち、データ信号
供給回路252は、選択された走査線311に位置する画素116の階調に応じたパルス
幅の第1データ信号X1、X2、X3、…、X240を、1、2、3、…、240列目の
第1データ線211にそれぞれ供給するものであり、反転回路254は、第1データ信号
X1、X2、X3、…、X240を、電位Vを基準として反転して1、2、3、…、2
40列目の第2データ線212に第2データ信号/X1、/X2、/X3、…、/X24
0としてそれぞれ供給するものである。なお、記号の「/」は反転を表す。
データ信号供給回路252は、縦320行×横240列のマトリクス配列に対応した記
憶領域(図示省略)を有し、各記憶領域には、それぞれ対応する画素116の階調値(明
るさ)を例えば6ビットで指定する階調データDaが記憶される。また、各記憶領域に記
憶される階調データDaは、表示内容に変更が生じた場合に、図示しない上位装置によっ
て書き換えられる。
本実施形態では、階調データDaが6ビットであるので、画素116の階調値が十進値
の「0」から「63」までの64段階で指定される。ここで、6ビットの階調データDa
が「0」(二進値では“000000”)である場合に最も暗い黒色の表示を指定し、6
ビットの十進値が増加するにつれて徐々に明るくなるように階調値を指定するとともに、
6ビットの十進値が「63」(二進値では“111111”)である場合に最も明るい白
色の表示を指定するものとする。さらに、液晶パネル100が電圧無印加状態において白
表示をするノーマリーホワイトモードであるとする。
このような前提において、データ信号供給回路252は、走査線駆動回路350により
選択された走査線311に位置する画素116の階調値を指定する階調データDaを、記
憶領域から読み出すとともに、フレーム信号FRで示される極性を考慮して当該階調値に
応じたパルス幅の第1データ信号に変換し、対応する第1データ線211に供給する。こ
の供給動作を、データ信号供給回路252は、選択された走査線311に位置する1〜2
40列のそれぞれについて実行する。
第1・第2データ信号の波形と階調データDaとの関係について図4を参照して説明す
る。図4は、j列目(jは1≦j≦240を満たす整数)に対応する第1データ信号Xj
及び第2データ信号/Xjの電圧波形と、選択走査線311に位置する画素116の階調
データDaとの関係において示す図である。
この図に示されるように、データ信号供給回路252は、フレーム信号FRがHレベル
である第1フレームの場合、選択される走査線311の行であってj列目の画素116に
対応する階調データDaが当該画素を暗くするように指定するにつれて、1水平走査期間
の後半期間にわたって第1データ信号Xjが電圧−Vとなる期間を長くする一方、電圧
+Vとなる期間を短くする。なお、データ信号供給回路252は、電圧−Vの印加期
間については、当該後半期間の終了端を基準として時間的に前方に延ばす一方、電圧+V
の印加期間については、当該後半期間の開始端を基準として後方に延ばす。
一方、データ信号供給回路252は、第1フレームである場合、当該1水平走査期間の
前半期間にわたって第1データ信号Xjが電圧±Vをとる期間を、後半期間における関
係と予め逆転させておく。
このため、前半、後半期間を通した1水平走査期間全体でみれば、第1データ信号Xj
が電圧+V、−Vとなる期間は、階調データDaで指定される階調値にかかわらず、
互いに50%ずつとなる。
また、データ信号供給回路252は、フレーム信号FRがLレベルである第2フレーム
の場合、選択される走査線311の行であってj列目の画素116に対応する階調データ
Daが当該画素を暗くするように指定するにつれて、1水平走査期間の後半期間にわたっ
て第1データ信号Xjが電圧+Vとなる期間を長くする一方、電圧−Vとなる期間を
短くする。なお、データ信号供給回路252は、電圧+Vの印加期間については、当該
前半期間の終了端を基準として時間的に前方に延ばす一方、電圧−Vの印加期間につい
ては、当該前半期間の開始端を基準として後方に延ばす。
一方、データ信号供給回路252は、第2フレームである場合、当該1水平走査期間の
前半期間にわたって第1データ信号Xjが電圧±Vをとる期間を、後半期間における関
係と予め逆転させておく点は、第1フレームである場合と同様である。
このため、前半、後半期間を通した1水平走査期間全体でみれば、第1データ信号Xj
が電圧+V、−Vとなる期間は、階調データDaで指定される階調値にかかわらず、
互いに50%ずつとなる点についても第1フレームである場合と同様である。
奇数i(1、3、5、…、319)行目の走査線311が選択される水平走査期間では
、その後半期間において、第1フレームであれば正極性の選択電圧+Vが印加され、第
2フレームであれば、負極性の選択電圧−Vが印加されるので、第1データ信号Xjに
おいて、第1フレームでの電圧−Vと、第2フレームでの電圧+Vとは、それぞれノ
ーマリーホワイトモードにおいて画素の階調を暗くさせる電圧、すなわち、オン電圧を意
味することになる。
奇数i行j列の画素116は、第1データ線211に供給される第1データ信号Xjに
よって階調が規定されるので、奇数行が選択される1水平走査期間では、第1データ信号
Xjがデータ信号となり、第2データ信号/Xjが反転データ信号となる。
第1データ信号Xjは、反転回路254によって電位Vを基準に反転されて、第2デ
ータ信号/Xjとなる。ここで、偶数(2、4、6、…、320)行目の走査線311が
選択される水平走査期間では、その後半期間において、第1フレームであれば負極性の選
択電圧−Vが印加され、第2フレームであれば、正極性の選択電圧+Vが印加される
ので、第2データ/信号Xjにおいて、第1フレームでの電圧−Vと、第2フレームで
の電圧+Vとは、それぞれノーマリーホワイトモードにおいて画素の階調を暗くさせる
オン電圧を意味することになる。
偶数(i+1)行j列の画素116は、第2データ線212に供給される第2データ信
号/Xjによって階調が規定されるので、偶数行が選択される1水平走査期間では、第2
データ信号Xjがデータ信号となり、第1データ信号Xjが反転データ信号となる。
なお、図4におけるハッチングは、選択電圧が印加される後半期間において、データ信
号Xj、/Xjが、オン電圧となる期間(パルス幅)を示している。また、図4では代表
的な階調値だけが示されている。
次に、このような構成にかかる電気光学装置における書き込みについて説明する。
図5は、i行目の走査線と、これに隣接する(i+1)行目の走査線に現れる電圧波形
について、j列目に対応する第1データ信号Xj、第2データ信号/Xjの電圧波形との
関連において示す図である。
ここで、図5は、1行目の画素に対する書き込みが正極性となる第1フレームについて
の例示である。本実施形態では、1行毎に書込極性が反転するので、第1フレームでは、
一般的に奇数i行の画素が正極性書込となり、偶数(i+1)行の画素が負極性書込とな
る。
この奇数i行の走査線311が選択される1水平走査期間Tの後半期間T12におい
て、当該選択走査線に印加される選択電圧は+Vとなり、その次の偶数(i+1)行の
走査線311が選択される1水平走査期間Tの後半期間T22において、当該(i+1
)行の走査線に印加される選択電圧は−Vとなる。
ここで、i行j列および(i+1)行j列の画素116を、それぞれ白色および黒色の
ほぼ中間値である灰色とする場合、第1データ信号Xjおよび第2データ信号/Xjは、
図5に示されるような波形となる。
すなわち、奇数i行の走査線311が選択される水平走査期間Tにおいて、第1デー
タ信号Xjは、その後半期間T12の途中で電圧+Vから−Vに切り替わって、この
電圧−Vがi行j列の画素にとってオン電圧となる一方、その前半期間T11では、当
該期間T12の電圧波形を、電位Vを基準に予め反転させた波形となる。また、水平走
査期間Tにおいて、第2データ信号/Xjは、第1データ信号Xjの反転波形となる。
次に、偶数(i+1)行の走査線311が選択される水平走査期間Tにおいて、第1
データ信号Xjは、その後半期間T22の途中で電圧+Vから−Vに切り替わる一方
、その前半期間T21では、当該期間T22の電圧波形を、電位Vを基準に予め反転さ
せた波形となる。また、水平走査期間Tにおいて、第2データ信号/Xjは、第1デー
タ信号Xjの反転波形となり、このうち、後半期間T22の電圧+Vが(i+1)行j
列の画素にとってオン電圧となる。
本実施形態では、i行目の走査線311は、j列目の第1データ線211とは容量C
を介して容量結合している。このため、期間T12の途中で、第1データ信号Xjが電
圧+Vから−Vに切り替わると、この電圧切り替わりに伴うスパイクノイズがi行目
の走査線311に現れる。
また、本実施形態においてi行目の走査線311は、j列目の第2データ線212につ
いても容量CS2を介して容量結合している。このため、i行目の走査線311には、j
列目の第2データ線212に供給される第2データ信号/Xjの電圧切り替わりに伴うス
パイクノイズも現れる。
第2データ信号/Xjは、第1データ信号Xjの反転波形であるので、第1データ信号
Xjの電圧切り替わりに伴うスパイクノイズと、第2データ信号Xjの電圧切り替わりに
伴うスパイクノイズとは、互いに逆向きであって、ほぼ同一の振幅となる結果、両スパイ
クノイズは、i行目の走査線311において互いに打ち消し合う。
ここではj列目についてのみ着目しているが、i行目の走査線311には、1〜240
列目のすべてに対応して第1データ線211、第2データ線212とそれぞれ容量結合し
ており、これらの各列のスパイクノイズも同様に打ち消し合うことになる。
したがって、期間T12においてi行目の走査線311は、選択電圧+Vを維持する
ことになる。次の(i+1)行目の走査線311においても、同様なスパイクノイズの打
ち消し合いによって、期間T22において負極性の選択電圧−Vを維持することになる
。このようにして、1〜320行の走査線311は、スパイクノイズの打ち消し合いによ
って、第1、第2データ信号の電圧切り替えにかかわらず、選択電圧が後半期間において
正しく維持されることになる。
なお、走査線311が非選択となって非選択電圧±Vとなっている場合にも、スパイ
クノイズが同様に発生するが、走査線311が非選択電圧±Vであれば、TFD220
がオフしているので、画素容量118の電圧実効値には、ほとんど影響を与えない。ただ
し、本実施形態では、走査線311が非選択となって場合であっても、同様なスパイクノ
イズの打ち消し合いによって、非選択電圧+Vのまたは−Vを維持することができる
ところで、本実施形態では、列毎に第1データ線211と第2データ線とを設けて、両
者の電圧波形を互いに反転の関係としているが、従来は、1列に対して1本のデータ線の
みを備える構成である。このため、データ線に供給されたデータ信号の電圧が切り替わる
と、その電圧切り替えに伴うスパイクノイズが走査線に現れる。ここで、すべての画素を
同一階調で表示する場合には、各行に等しくスパイクノイズが現れるので、各行において
選択電圧の変位が均等になる結果、表示品位の低下として視認されない。
ただし、図6(a)に示されるように、例えば灰色を背景として白色領域をウィンドウ
表示する場合、行方向に灰色だけの画素が存在する領域A、Cを水平走査する時と、行方
向に灰色の画素と白色の画素とが併存する領域Bを水平走査する時とでは、スパイクノイ
ズの影響が異なってしまう。
詳細には、領域A、Cを水平走査する場合、すべてのデータ信号において、選択電圧の
印加途中で電圧が一斉に同一方向に切り替わるので、その影響は大きい。これに対し、領
域Bを水平走査する場合、白色画素に対応するデータ信号と、灰色画素に対応するデータ
信号とでは、電圧切り替えのタイミングが分散する上、白色の画素に対応するデータ信号
の電圧切り替わりは、選択電圧の印加開始および印加終了のタイミングに一致するので、
走査線の電圧変位に与える影響が少ない。このため、領域Bを水平走査する場合における
スパイクノイズの影響は、領域A、Cを水平走査する場合と比較して、おおよそ半減して
しまうことになる。
ここで、スパイクノイズは、オン電圧を時間的に後方に寄せる方式では、画素容量11
8の電圧実効値を小さくする方向に作用するので、ノーマリーホワイトモードであれば、
図6(b)に示されるように、画素が階調データで指定される階調よりも明るくなってし
まうことになる。すなわち、水平走査の領域A、Cに属する灰色画素は、領域Bのうちの
灰色画素よりも明るくなってしまうのである。
したがって、横クロストークによる表示品位の低下とは、ウィンドウ表示する領域に対
して水平走査方向に隣接する灰色画素の階調変化よりも、それ以外の背景にかかる領域A
、Cにおける灰色画素の階調変化の方が大きいことによって発生する、というべきもので
ある。
本実施形態によれば、上述したように、走査線311に現れるスパイクノイズの影響を
キャンセルして、選択電圧を正しく維持できるので、このような横クロストークによる表
示品位の低下を抑えることが可能となる。
上述した実施形態では、一方の基板に画素電極234を、他方の基板に対向電極(走査
線311)をそれぞれ配設したが、両電極を一方に寄せるとともに、液晶にかかる電界方
向を基板面方向とした、いわゆる面内スイッチング(in plane switching)方式としても
良い。そこで、この面内スイッチング方式を採用した画素構成について図7(a)および
図7(b)を参照して説明する。
電気的な構成を示す図7(b)において、図2(b)と相違する点は、画素116にお
いて画素容量の他端が、第1データ線211または第2データ線212に接続されるとと
もに、TFD220の一端が走査線311に接続される点にある。
また、平面構成については、図7(a)に示されるように、一方の基板に、第1データ
線211および第2データ線212とともに、走査線311を備え、奇数i行では、第1
データ線211それ自身と、当該第1データから枝分かれした電極部分215とが、画素
電極234の左右両端に対向するように一定の距離を保って配設され、偶数(i+1)行
では、第2データ線212それ自身と、当該第1データから枝分かれした電極部分215
とが、画素電極234の左右両端に対向するように一定の距離を保って配設された点にあ
る。
上述したように、第1データ線211および第2データ線212は、それぞれタンタル
単体やタンタル合金などを陽極酸化等による絶縁体で覆った2層構造である。このため、
同じ2層構造である電極部分215の上に導電体である画素電極234を積層すると、一
種の容量236が形成される。したがって、この構成における画素容量118とは、画素
電極234を中心に、第1データ線211(第2データ線212)それ自身と、電極部分
215とが対向することによって生じる容量と、絶縁体で覆われた電極部分215に画素
電極234を積層したことによる容量236との合成容量で表される。
TFD220は、タンタル単体やタンタル合金などから形成された走査線311を陽極
酸化させて、画素電極234の一部を積層させたものである。このため、同様に、導電体
/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造となる。
また、この構成において、画素容量118に電圧が保持されると、紙面横(X)方向に
電界が発生することになる。したがって、この構成では、ホモジニアス型などの配列を有
する液晶が用いられる。
図2(a)に示される構成では、走査線311は、ストライプ状の対向電極として機能
するので、幅広となる。このため、第1データ線211と対向する領域と、第2データ線
212と対向する領域とは大きく異なるので、容量CS1、CS2がバラつきやすい傾向
にある。このバラつきを抑えるためには、配線や電極形状を最適化すれば良いが、このよ
うな設計については困難である、とも考えられる。
これに対し、図7(a)に示される構成では、2層構造の第1データ線211、第2デ
ータ線212と走査線311とが、その交差部分において互いに絶縁体を介して対向する
ので、容量CS1、CS2は、当該交差部分における走査線311、第1データ線211
、第2データ線212の線幅だけでほとんど決まる。このため、容量CS1、CS2を揃
えることが容易である。したがって、図7(a)に示される構成は、図2(a)に示され
る構成と比較して、ノイズキャンセルという効果の点で優位である、ということができる
図2(a)や図7(a)に示した画素のように、スイッチング素子としてTFD220
を用いる構成にあっては、1水平走査期間(1H)を前半および後半期間に分け、このう
ちの後半期間に選択電圧を印加する構成としたが、前半期間に印加する構成としても良い
。さらに、前半・後半期間に分けることなく、1水平走査期間(1H)の全域にわたって
選択電圧を印加する構成としても良い。
ただし、1水平走査期間(1H)の全域にわたって選択電圧を印加する構成では、1水
平走査期間において、第1、第2データ信号として電圧+V、−Vとなる期間が50
%ずつとはならないので、表示パターンによっては、非選択期間のデータ信号の電圧が偏
る結果、TFD220のリークに差が発生して表示品位が低下する場合がある。
換言すれば、本実施形態のように、1水平走査期間(1H)を前半および後半期間に分
け、このうちのいずれかに選択電圧を印加して、第1、第2データ信号として電圧+V
、−Vとなる期間が画素の階調にかかわらず50%ずつとなるような構成とすれば、非
選択期間のデータ信号の電圧が偏ることに起因する表示品位の低下を未然に防止すること
が可能である。
また、オン電圧については、時間的に後方に寄せたが、これに限られず、オン電圧を時
間的に前方に寄せても良い。
また、スイッチング素子として、TFD220のような二端子型のダイオード素子に限
られず、トランジスタのような三端子型素子を用いることができる。そこで、スイッチン
グ素子としてトランジスタを用いて面内スイッチング方式とした画素構成について図8(
a)および図8(b)を参照して説明する。
図8(b)に示されるように、画素116には、薄膜トランジスタ(thin film transi
stor、以下、単にTFTを略称する)240が備えられる。ここで、奇数i行j列の画素
116におけるTFT240のゲートは走査線311に接続され、そのソースは第1デー
タ線211に接続され、そのドレインは画素容量118の一端に接続されている。また、
偶数(i+1)行j列の画素116では、TFT240のソースが第2データ線212に
接続されている点以外、奇数i行j列の画素116と共通である。
また、画素容量118の他端は、時間的に一定の電位LCcomに保たれた共通電極11
1である。
ここで、電位LCcomは、理想的には電位Vであるが、TFT240では、そのゲー
ト・ソース間の寄生容量に起因して、オンからオフ時にソース電圧に応じてドレイン(画
素電極234)の電位が低下する現象(プッシュダウン、突き抜け、フィールドスルーな
どと呼ばれる)が発生する。
液晶の劣化を防止するために、画素容量118では交流駆動が原則であるので、共通電
極111に対して高位側(正極性)と低位側(負極性)とで同一階調の交互書き込みをす
るが、電位LCcomを電位Vに一致させた状態で、交互書き込みをすると、プッシュダ
ウンのために、画素容量118の電圧実効値は、負極性書込の方が正極性書込よりも大き
くなってしまう。このため、同一階調で正極性・負極性書込をしても画素容量118の電
圧実効値が互いに等しくなるように、共通電極111の電位LCcomは、データ信号の振
幅基準である電位Vよりも若干低下させて設定されている。
一方、画素容量118は、図8(a)に示されるように、この例ではTFT240のソ
ースから2分岐した画素電極234と、この画素電極234に対して、櫛歯状に対向する
共通電極111とからなる。なお、図8(a)において、共通電極111は、行毎に設け
られているが、画素の配列領域外において共通接続されている。このため、共通電極11
1は、すべての画素116に対して共通である。
共通電極111は、2層構造の第1データ線211および第2データとそれぞれ交差す
るために、両データ線と容量的に結合することになる。このため、データ信号の電圧変化
は、共通電極111の電位を変動させ、表示ムラの原因となる。
この構成において、走査線駆動回路350は、図10に示されるように、1水平走査期
間毎に順次排他的に選択電圧(Hレベル)となる走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y32
0が1、2、3、…、320行目の走査線311に供給される。すなわち、図3に示され
るシフト信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys320を、図8(a)の画素構成におけ
る走査線311に走査信号として供給する構成であれば良い(実際には、振幅レベルの変
換などをする必要がある)。
一方、スイッチング素子としてTFT240を用いる場合、データ信号として階調に応
じたパルス幅でなく、当該階調に応じた電圧を画素電極234に印加する電圧変調方式が
一般的である。このため、データ線駆動回路250は、図9に示されるように、反転回路
254を有さず、次のようにして、第1データ信号X1〜X240とともに、第2データ
信号/X2〜/X240を出力する。
j列目で代表して説明すると、第1フレームであれば、1行目の走査線311が選択さ
れる水平走査期間において正極性書込であり、1行j列の画素電極234に印加される信
号は第1データ信号Xjであるので、データ線駆動回路250は、図10に示されるよう
に、第1データ信号Xjを、電位Vに対して1行j列の画素の階調に応じた電圧だけ高
位側とする。一方、データ線駆動回路250は、1行目の走査線311が選択される水平
走査期間においては、第1データ信号Xjを電位Vに対して反転させた電圧を、第2デ
ータ信号/Xjとする。
2行目の走査線311が選択される水平走査期間において負極性書込であり、2行j列
の画素電極234に印加される信号は第2データ信号/Xjであるので、データ線駆動回
路250は、第2データ信号/Xjを、電位Vに対して2行j列の画素の階調に応じた
電圧だけ低位側とする。ここで、データ線駆動回路250は、第2データ信号/Xjを電
圧ΔVだけ上昇させたとき、第1データ信号Xjを電圧kΔVだけ低下させる。
3行目の走査線311が選択される水平走査期間において正極性書込であり、3行j列
の画素電極234に印加される信号は第1データ信号Xjであるので、データ線駆動回路
250は、第1データ信号/Xjを、電位Vに対して3行j列の画素の階調に応じた電
圧だけ高位側とする。ここで、データ線駆動回路250は、第1データ信号Xjを電圧Δ
だけ上昇させたとき、第2データ信号/Xjを電圧kΔVだけ低下させる。
以下、データ線駆動回路250が、このような動作を繰り返すと、走査線311を選択
して、選択した行の画素電極234に第1または第2データ信号の一方を印加する際に、
その電圧変化方向とは逆方向であって、変化分のk倍で第1または第2データ信号の他方
が変化する。
ここで、図2(a)や図7(a)の構成とは異なり、第1データ信号Xjまたは第2デ
ータ信号/Xjの一方の変化に対して、第1データ信号Xjまたは第2データ信号/Xj
の他方を、逆向きのk倍で変化させた理由は、画素電極に印加されないデータ信号(第1
データ信号Xjまたは第2データ信号/Xjの他方)の電圧変化に伴う共通電極の電位変
動は、画素電極に印加するためにデータ信号(第1データ信号Xjまたは第2データ信号
/Xjの一方)の電圧変化に伴う共通電極の電位変動と逆向きではあるが、同じではなく
、k倍の差があると考えられるからである。したがって、データ線駆動回路250におけ
る係数kは、この影響の程度を考慮して定められる。
このようにスイッチング素子としてTFT240を用いるとともに、電圧変調方式で階
調表示する場合であっても、データ信号の電圧変化に伴う共通電極の電位変動をキャンセ
ルして、表示ムラを抑えることが可能となる。
なお、上述した各例では、奇数行の画素116が第1データ線211に接続され、偶数
行の画素116が第2データ線212に接続されたが、図11に示されるように、2以上
の行毎に接続周期を反転させても良いし、極端には、すべての画素116を行に関係なく
、第1データ線211または第2データ線212のいずれか一方だけに接続する構成とし
ても良い。いずれにしても、データ線駆動回路250は、選択行の画素の書込極性に応じ
た適切なデータ信号を供給する必要があるので、極性指示信号POLの供給を受ける必要
がある。
ただし、奇数行の画素116が第1データ線211に接続され、偶数行の画素116が
第2データ線212に接続された構成であれば、フレーム信号FRで各行の書込極性が一
義的に定まるので、図1の構成では、敢えて極性指示信号POLの供給を受ける必要はな
いのである。
また、このような接続にすると、第1データ線211及び第2データ線212の電圧変
化は1選択期間あたり2回以下になるので、例えば容量CS1及びCS2(すなわち、第
1データ線211と走査線311との交差により形成される容量CS1、及び、第2デー
タ線212と走査線311との交差により形成される容量CS2)によって消費される無
駄な電力を最小限に抑えることが出来る。
なお、上述した各例では、フレーム信号FRで第1および第2フレームで分けたが、こ
の理由は、画素容量118において直流成分の印加を防止するためなので、その反転につ
いては2以上のフレーム周期としても良い。
さらに、実施形態では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモ
ードであるとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモード
としても良い。なお、ノーマリーブラックモードであれば、選択電圧の印加期間において
パルス幅が長いほど、画素が明るくなる。
また、64階調表示に限らず、これによりも低階調表示としても良いし、これよりも高
階調表示としても良い。さらに、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で1ドットを構
成して、カラー表示を行うとしても良い。
液晶パネル100は透過型に限られず、反射型や、両者の中間的な半透過半反射型であ
っても良い。
一方、TFD220は、スイッチング素子の一例であり、他に、ZnO(酸化亜鉛)バ
リスタや、MSI(Metal Semi-Insulator)などを用いた素子のほか、これら素子を2つ
逆向きに直列接続または並列接続したものなどがスイッチング素子として用いることが可
能である。
また、上述した各例では、液晶の型については限定されず、TN型や、STN型など、
分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(ゲスト)を一定の分
子配列の液晶(ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたゲストホス
ト型などの液晶を用いても良い。くわえて、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して
垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する
、という垂直配向(ホメオトロピック配向)の構成としても良いし、電圧無印加時には液
晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対
して垂直方向に配列する、という面内スイッチング方式で説明した平行(水平)配向(ホ
モジニアス配向)の構成としても良い。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を表示装置として有する電子機器につ
いて説明する。図12は、実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の
構成を示す斜視部である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受
話口1204、送話口1206とともに、上述した液晶パネル100を備えるものである
。なお、電気光学装置10のうち、液晶パネル100以外の構成要素については電話器に
内蔵されるので、外観としては現れない。
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図12に示される携帯電話の
他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(
またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳
、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネ
ルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、
上述した電気光学装置10が適用可能であることは言うまでもない。そして、いずれの電
子機器においても、表示品位の低下を抑えて高品位の表示が簡易な構成によって実現され
ることになる。
本発明の実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。 同電気光学装置における画素の構成を示す図である。 同電気光学装置における走査信号の波形を示す図である。 同電気光学装置における第1および第2データ信号の波形を示す図である。 同電気光学装置によるノイズキャンセルを説明するための図である。 横クロストークによる表示品位の低下を説明するための図である。 同電気光学装置における画素の別構成を示す図である。 同電気光学装置における画素の別構成を示す図である。 画素の別構成とする場合の全体構成を示す図である。 同電気光学装置における各種信号を示す図である。 同電気光学装置における画素配置の例を示す図である。 同電気光学装置を用いた携帯電話の構成を示す図である。
符号の説明
10…電気光学装置、116…画素、118…画素容量、211…第1データ線、21
2…第2データ線、220…TFD、234…画素電極、240…TFT、250…デー
タ線駆動回路、311…走査線、350…走査線駆動回路、400…制御回路、1200
…携帯電話

Claims (8)

  1. 複数行の走査線と、第1および第2データ線の複数対との交差に対応して設けられた画
    素であって、
    奇数行の走査線は、前記第1または第2データ線の一方に対応し、偶数行の走査線は、
    前記第1または第2データ線の他方に対応してスイッチング素子と画素容量とを含む画素
    を介して接続され、対応する走査線に選択電圧が印加されたときに、前記スイッチング素
    子がオンするとともに、接続された第1または第2データ線の一方に基づく電圧が前記画
    素容量に書き込まれる画素と、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択する際に、選択された走査線に前記選択電圧を
    印加する走査線駆動回路と、
    選択された走査線に位置する画素の階調に応じた電圧のデータ信号を、当該画素に接続
    された前記第1データ線に供給し、電圧変化が前記データ信号とは反転関係にある反転デ
    ータ信号を、前記第2データ線に供給するデータ線駆動回路と
    を有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記スイッチング素子はダイオードであって、
    前記画素容量および前記ダイオードは、前記走査線と、前記第1または第2データ線の
    いずれか一方との間で電気的に直列に接続されている
    ことを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記走査線駆動回路は、
    各走査線を1水平走査期間毎に選択するとともに、当該1水平走査期間を2分割した前
    半期間または後半期間のいずれかで、前記選択電圧を当該選択走査線に印加し、
    前記データ線駆動回路は、
    当該1水平走査期間の前半期間と後半期間とにおいて前記データ信号を、所定の電位を
    基準として互いに反転させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記データ信号供給回路は、
    選択された走査線に位置する画素の階調に応じたパルス幅のデータ信号を、当該画素に
    対応する前記第1または第2データ線のいずれか一方に供給し、所定の電位を基準として
    前記データ信号を反転させた反転データ信号を、前記第1または第2データ線のいずれか
    他方に供給する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記スイッチング素子は、
    そのゲートが前記走査線に接続されたトランジスタであり、
    前記画素容量は、
    画素毎に個別の画素電極と、前記画素電極と同一基板上に形成され当該画素電極と対向
    する共通電極とを含み、
    前記共通電極は、各画素にわたって共通であって、前記第1および第2データ線と列毎
    に絶縁体を介して交差する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  6. 前記データ信号供給回路は、
    選択された走査線に位置する画素の階調に応じた電圧のデータ信号を、当該画素に対応
    する前記第1または第2データ線のいずれか一方に供給し、当該データ信号の電圧変化が
    ΔVで示される場合に、当該電圧変化とは逆向きであって、k・ΔVの電圧変化を有する
    信号を、前記反転データとして前記第1または第2データ線のいずれか他方に供給する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 複数行の走査線と、第1および第2データ線の複数対との交差に対応して設けられた画
    素であって、
    奇数行の走査線は、前記第1または第2データ線の一方に対応し、偶数行の走査線は、
    前記第1または第2データ線の他方に対応してスイッチング素子と画素容量とを含む画素
    を介して接続され、対応する走査線に選択電圧が印加されたときに、前記スイッチング素
    子がオンするとともに、接続された第1または第2データ線の一方に基づく電圧が前記画
    素容量に書き込まれる画素を有する電気光学装置の駆動方法であって、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択する際に、選択された走査線に前記選択電圧を
    印加し、
    選択された走査線に位置する画素の階調に応じた電圧のデータ信号を、当該画素に接続
    された前記第1データ線に供給し、電圧変化が前記データ信号とは反転関係にある反転デ
    ータ信号を、前記第2データ線に供給する
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気光学装置を備える
    ことを特徴とする電子機器。
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