JP2006220762A - 投射型画像表示装置 - Google Patents

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和哉 秋山
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Abstract

【課題】 投射型画像表示装置において、量子効率の高い蛍光体を用いて光源から発せられた紫外光を十分に可視光に変換し、また、光源から直接発せられた可視光も十分に利用して空間光変調素子に到達するようにする。
【解決手段】 光源1から発せられた照明光から紫外光V及び一の色の可視光Bを他の二の色の可視光R,Bから分離させ、このうちの紫外光Vを反射型蛍光体5により一の色の可視光Bに変換させ、反射型蛍光体5を経た一の色の可視光B及び他の二の色の可視光R,Bを色合成して、照明光学系8,9を介して空間光変調素子17,22,28に入射させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空間光変調素子に対する照明光をこの空間光変調素子によって変調し、この変調光を結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて画像を表示する投射型画像表示装置に関する。
従来、反射型液晶ライトバルブ(LCOS)の如き空間光変調素子に対する照明光をこの空間光変調素子によって変調し、この変調光を投射レンズ等の結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて、画像を表示する投射型画像表示装置が提案されている。このような投射型画像表示装置においては、空間光変調素子のピクセルごとに照明光が制御されることにより、照明光の光量や偏光状態についての変調が行われ、画像表示が行われる。このような投射型画像表示装置において、空間光変調素子を照明する照明光を発する光源としては、超高圧水銀ランプ等の発光管が使用されている。
ところで、このような投射型画像表示装置の光源となるランプからは、画像表示に必要な可視光の他に、画像表示には不要な紫外光が発せられる。ランプにおける発光効率は、紫外光が発せられるために、必要な可視光については低くなってしまう。また、紫外光がランプに戻ることにより、ランプの寿命が短くなってしまう。また、ランプから発せられる可視光においては、相対的に青色光が不足している。
このような問題を解決するため、従来、蛍光体を用いて、照明光に含まれる紫外光を可視光に変換するようにした投射型画像表示装置が提案されている。例えば、特許文献1には、ランプからの照明光から、ダイクロイックミラーにより紫外光のみを取り出し、この紫外光を蛍光体に透過させて可視光に変換する構成が記載されている。また、特許文献2には、ランプのリフレクタ前面に蛍光体を配置し、ランプが発する照明光を蛍光体に透過させ、この照明光中の紫外光を可視光に変換する構成が記載されている。さらに、特許文献3には、ランプのリフレクタの前方に蛍光体を配置し、ランプが発する照明光を蛍光体に透過させ、この照明光中の紫外光を可視光に変換する構成が記載されている。
そして、特許文献4には、紫外光から可視光ヘ変換する蛍光体を、ランプの凹面リフレクタに配置した構成が記載されている。
特公平7−117817号公報 特開平11−191308号公報 特開2002−90883号公報 特許3299242号公報
ところで、前述のような特許文献1に記載された投射型画像表示装置においては、紫外光から変換されて可視光となされた波長帯域(色)については、ランプから直接発せられた光が利用されていないため、全体としての光利用効率が改善されない虞れがある。また、この構成においては、透過型の蛍光体を用いている。透過型の蛍光体は、量子効率を高くすることが困難であり、紫外光を十分に可視光に変換できない虞れがある。
特許文献2及び特許文献3に記載された投射型画像表示装置においても、透過型の蛍光体を用いているので、紫外光を十分に可視光に変換できない虞れがある。
そして、特許文献4に記載された投射型画像表示装置においては、リフレクタにおいて、可視光反射膜と蛍光体とが重ね合わされて構成されているので、蛍光体によって可視光に変換された光が再び可視光反射膜を透過することとなるので、光の利用効率が低下する虞れがある。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、量子効率の高い蛍光体を用いて光源から発せられた紫外光を十分に可視光に変換し、また、光源から直接発せられた可視光も十分に利用して空間光変調素子に到達するようになされた投射型画像表示装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る投射型画像表示装置は、以下の構成を備えるものである。
〔構成1〕
光源から発せられる照明光により空間光変調素子を照明しこの照明光を空間光変調素子によって変調しこの変調光を結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて画像を表示する投射型画像表示装置において、光源から発せられた照明光から紫外光及び一の色の可視光を他の二の色の可視光から分離させる光束分離素子と、この光束分離素子により分離された紫外光及び一の色の可視光が入射され該紫外光を該一の色の可視光に変換する反射型蛍光体と、この反射型蛍光体を経た一の色の可視光及び他の二の色の可視光を色合成する光束合成素子と、光束合成素子を経た光束が入射される照明光学系と、この照明光学系を経た光束が入射される空間光変調素子と、この空間光変調素子により変調された変調光を結像させる結像光学系とを備え、光源から発せられた照明光の可視光成分及び紫外光成分を画像表示に使用することを特徴とするものである。
〔構成2〕
光源から発せられる照明光により空間光変調素子を照明しこの照明光を空間光変調素子によって変調しこの変調光を結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて画像を表示する投射型画像表示装置において、光源から発せられた照明光から紫外光を可視光から分離させる光束分離素子と、紫外光が分離された可視光の偏光方向を制御する第1の偏光制御素子と、光束分離素子により分離された紫外光が入射されこの紫外光を一の色の可視光に変換する反射型蛍光体と、紫外光から変換された一の色の可視光の偏光方向を制御する第2の偏光制御素子と、第1の偏光制御素子を経た可視光及び第2の偏光制御素子を経た一の色の可視光を偏光合成する光束合成素子と、この光束合成素子を経た光束が入射される照明光学系と、この照明光学系を経た光束が入射される空間光変調素子と、この空間光変調素子により変調された変調光を結像させる結像光学系とを備え、光源から発せられた照明光の可視光成分及び紫外光成分を画像表示に使用することを特徴とするものである。
これら投射型画像表示装置においては、量子効率の高い蛍光体を用いて光源から発せられた紫外光を十分に可視光に変換することができ、また、光源から直接発せられた可視光も十分に利用して空間光変調素子に到達させることができる。
本発明に係る投射型画像表示装置においては、光源から発せられた照明光から紫外光、または、紫外光及び一の色の可視光を分離させて反射型蛍光体に入射させているため、光源から直接発せられた可視光も十分に利用して空間光変調素子に到達させることができ、また、反射型蛍光体を用いているために高い量子効率で紫外光を可視光に変換することができる。
すなわち、本発明は、量子効率の高い蛍光体を用いて光源から発せられた紫外光を十分に可視光に変換することができ、また、光源から直接発せられた可視光も十分に利用して空間光変調素子に到達させることができる投射型画像表示装置を提供することができるものである。
以下、本発明に係る投射型画像表示装置の最良の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る投射型画像表示装置の第1の実施の形態における構成を示す側面図である。
この投射型画像表示装置は、図1に示すように、光源1を有している。この光源1としては、超高圧水銀ランプ等の発光管が使用されている。この光源から発せられた照明光は、直接前方に出射されるとともに、凹面リフレクタ2によって反射されて、前方に出射される。このようにして光源1から前方に出射された照明光は、赤外線反射フィルタ3を経て、赤外線を除去された状態で、光束分離素子となる第1のダイクロイックミラー4に入射される。
この第1のダイクロイックミラー4は、光源1から発せられた照明光から、紫外光V及び一の色の可視光、例えば、青色光Bを、他の二の色の可視光、例えば、赤色光R及び緑色光Gから分離させるものである。この実施の形態においては、第1のダイクロイックミラー4においては、紫外光V及び青色光Bが反射され、赤色光R及び緑色光Gが透過することにより、これら各光束が分離される。
なお、この第1のダイクロイックミラー4においては、一の色の可視光を赤色光Rとして、紫外光V及び赤色光Rを反射し、青色光B及び緑色光Gを透過させることにより、これら各光束を分離するようにしてもよく、または、一の色の可視光を緑色光Gとして、紫外光V及び緑色光Gを反射し、青色光B及び赤色光Rを透過させることにより、これら各光束を分離するようにしてもよい。
第1のダイクロイックミラー4において反射された紫外光V及び青色光Bは、反射型蛍光体5に入射する。この反射型蛍光体5は、紫外線励起型発光素子(可視発光)であって、入射される紫外光V及青色光Bのうち、紫外光Vを青色光Bに変換して出射する。この反射型蛍光体5は、入射面側に蛍光体層を有し、この蛍光体層の背後に青色光Bを反射する反射層を有して構成されている。なお、青色光Bを反射する反射層は、蛍光体層に対して独立して設けてもよい。蛍光体層をなす蛍光体は、可視光に対して、透明膜、または、粉末状として構成することができるが、この実施の形態においては、粉末状にしている。蛍光体は、粉末状にすることにより、結晶性が良好な高量子効率のものとすることが可能である。この蛍光体層は、気相成長法や固相成長法などの結晶成長法、あるいは、電子ビーム蒸着法、スパッタ法などによって形成することができる。
蛍光体層をなす蛍光体は、波長200nm乃至400nmで光励起され、可視光を発光する物質であればよく、その組成としては、紫外光から変換する一の色の可視光が青色光Bである場合には、(Ba,Eu)MgAl1017、(Ca,Eu)MgSi、(La,Tm)PO、(Y,Tm)などが挙げられる。また、紫外光から変換する一の色の可視光が緑色光Gである場合には、(Zn,Mn)SiO、(Ba,Mn)Al1219、(Y,Tb)BOなどが挙げられる。さらに、紫外光から変換する一の色の可視光が赤色光Rである場合には、(Y,Eu)BO、(Y,Eu)、(Y,Eu)(V,P)Oなどが挙げられる。
ここで、(Ba,Eu)MgAl1017を例に、反射型蛍光体における発光過程について説明する。(Ba,Eu)MgAl1017は、BaMgAl1017母体結晶中のBa2+の一部を発光中心イオンであるEu2+で置換したものであり、真空紫外領域から400nm付近の範囲の光を吸収する特性を有している。光源1から発せられた紫外光Vのうち、(Ba,Eu)MgAl1017励起スペク卜ルに応じた波長の光を吸収することで、Eu2+が励起され、基底状態に緩和される際に、450nm付近にピークを持つ青色光Bが発せられる。このEu2+の発光は、〔4f6 5d→4f7〕の遷移に基づく発光である。また、蛍光体の組成が他のものであっても、遷移の仕方が異なるだけであり、紫外光を吸収して可視光を発するという基本原理は同一である。
反射型蛍光体5を経た青色光Bは、反射ミラー6によって反射されて、光束合成素子となる第2のダイクロイックミラー7に入射される。一方、第1のダイクロイックミラー4を透過した赤色光R及び緑色光Gも、第2のダイクロイックミラー7に入射される。この第2のダイクロイックミラー7においては、赤色光R及び緑色光Gが透過し、青色光Bが反射されることにより、これら各色光R,G,Bが色合成される。
そして、第2のダイクロイックミラー7を経た各色光R,G,Bは、照明光学系を構成する第1のフライアイレンズアレイ8に入射される。照明光学系は、この第1のフライアイレンズアレイ8と、第2のフライアイレンズアレイ9とにより構成される。第1のフライアイレンズアレイ8を経た各色光R,G,Bは、第2のフライアイレンズアレイ9に入射され、偏光変換素子10に入射される。この偏光変換素子10は、入射された各色光R,G,Bの偏光方向を一定の方向に揃えて透過させる。
そして、偏光変換素子10を経た各色光R,G,Bは、クロスダイクロイックミラー11に入射され、このクロスダイクロイックミラー11により、赤色光R及び緑色光Gと、青色光Bとに分離される。これら赤色光R及び緑色光Gと、青色光Bとは、クロスダイクロイックミラー11により、互いに異なる方向に反射される。
クロスダイクロイックミラー11を経た赤色光R及び緑色光Gは、反射ミラー12及びコンデンサレンズ13を経て、第3のダイクロイックミラー14に入射される。この第3のダイクロイックミラー14においては、赤色光Rが透過し、緑色光Gが反射されることにより、これら赤色光R及び緑色光Gが分離される。
第3のダイクロイックミラー14を経た赤色光Rは、偏光子15を経て、第1の偏光ビームスプリッタ16に入射される。この第1の偏光ビームスプリッタ16において、赤色光Rは、偏光分離膜によって反射されてこの第1の偏光ビームスプリッタ16から出射されて、空間光変調素子となる赤色用反射型液晶ライトバルブ17に入射される。この赤色用反射型液晶ライトバルブ17に入射された赤色光Rは、画像信号に応じて偏光変調されて、第1の偏光ビームスプリッタ16に再入射される。偏光変調された赤色光Rは、第1の偏光ビームスプリッタ16の偏光分離膜を透過し、この第1の偏光ビームスプリッタ16から出射されて、さらに検光子18を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して一側面から入射する。
また、第3のダイクロイックミラー14を経た緑色光Gは、偏光子20を経て、第2の偏光ビームスプリッタ21に入射される。この第2の偏光ビームスプリッタ21において、緑色光Gは、偏光分離膜によって反射されてこの第2の偏光ビームスプリッタ21から出射されて、空間光変調素子となる緑色用反射型液晶ライトバルブ22に入射される。この緑色用反射型液晶ライトバルブ22に入射された緑色光Gは、画像信号に応じて偏光変調されて、第2の偏光ビームスプリッタ21に再入射される。偏光変調された緑色光Gは、第2の偏光ビームスプリッタ21の偏光分離膜を透過し、この第2の偏光ビームスプリッタ21から出射されて、さらに検光子23を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して後面から入射する。
一方、クロスダイクロイックミラー11を経た青色光Bは、反射ミラー24、コンデンサレンズ25及び偏光子26を経て、第3の偏光ビームスプリッタ27に入射される。この第3の偏光ビームスプリッタ27において、青色光Bは、偏光分離膜によって反射されてこの第3の偏光ビームスプリッタ27から出射されて、空間光変調素子となる青色用反射型液晶ライトバルブ28に入射される。この青色用反射型液晶ライトバルブ28に入射された青色光Bは、画像信号に応じて偏光変調されて、第3の偏光ビームスプリッタ27に再入射される。偏光変調された青色光Bは、第3の偏光ビームスプリッタ27の偏光分離膜を透過し、この第3の偏光ビームスプリッタ27から出射されて、さらに検光子29を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して他側面から入射する。
クロスダイクロイックプリズム19においては、一側面から入射された赤色光Rが一方のダイクロイック膜によって反射されて前面より出射され、他側面から入射された青色光Bが他方のダイクロイック膜によって反射されて前面より出射され、後面から入射された緑色光Gが各ダイクロイック膜を透過して前面より出射される。このようにして、このクロスダイクロイックプリズム19においては、各色の変調光R,G,Bが色合成される。
クロスダイクロイックプリズム19の前面から出射された各色の変調光R,G,Bは、結像光学系となる投射レンズ30に入射される。この投射レンズ30は、入射された各色の変調光R,G,Bを図示しないスクリーン上に結像させ、このスクリーン上に画像表示を行う。
この投射型画像表示装置においては、前述したように、反射型蛍光体5により、光源1から発せられる画像表示には不要な紫外光Vを画像表示に利用できる可視光に変換するので、光利用効率が高く、また、光源となるランプの長寿命化が実現される。また、この投射型画像表示装置においては、光源1が発する可視光のうち、光量が不足する色について、紫外光Vから変換された可視光によって補うことができ、良好な色温度の画像表示を行うことができる。
〔第2の実施の形態〕
図2は、本発明に係る投射型画像表示装置の第2の実施の形態における構成を示す側面図である。
この投射型画像表示装置は、図2に示すように、光源1を有している。この光源1としては、前述の第1の実施の形態と同様に、超高圧水銀ランプ等の発光管が使用されている。この光源から発せられた照明光は、直接前方に出射されるとともに、凹面リフレクタ2によって反射されて、前方に出射される。このようにして光源1から前方に出射された照明光は、赤外線反射フィルタ3を経て、赤外線を除去された状態で、光束分離素子となる第1のダイクロイックミラー4に入射される。
この実施の形態において、第1のダイクロイックミラー4は、光源1から発せられた照明光から、紫外光Vを、可視光、すなわち、赤色光R、緑色光G及び青色光Bから分離させる。第1のダイクロイックミラー4を透過して紫外光Vが分離された後の可視光R,G,Bは、第1の偏光制御素子31に入射される。この第1の偏光制御素子31は、入射された可視光R,G,Bを、P偏光(図2中において紙面に沿う方向)に揃える。
そして、第1のダイクロイックミラー4において反射された紫外光Vは、反射型蛍光体5に入射する。この反射型蛍光体5は、紫外線励起型発光素子(可視発光)であって、入射される紫外光Vを、一の色の可視光、例えば、青色光Bに変換して出射する。なお、この反射型蛍光体5においては、一の色の可視光を赤色光Rとして、紫外光Vを赤色光Rに変換するようにしてもよく、または、一の色の可視光を緑色光Gとして、紫外光Vを緑色光Gに変換するようにしてもよい。
この反射型蛍光体5は、入射面側に蛍光体層を有し、この蛍光体層の背後に青色光Bを反射する反射層を有して構成されている。なお、青色光Bを反射する反射層は、蛍光体層に対して独立して設けてもよい。蛍光体層をなす蛍光体は、可視光に対して、透明膜、または、粉末状として構成することができるが、この実施の形態においては、粉末状にしている。蛍光体は、粉末状にすることにより、結晶性が良好な高量子効率のものとすることが可能である。この蛍光体層は、気相成長法や固相成長法などの結晶成長法、あるいは、電子ビーム蒸着法、スパッタ法などによって形成することができる。
蛍光体層をなす蛍光体は、波長200nm乃至400nmで光励起され、可視光を発光する物質であればよく、その組成としては、紫外光から変換する一の色の可視光が青色光Bである場合には、(Ba,Eu)MgAl1017、(Ca,Eu)MgSi、(La,Tm)PO、(Y,Tm)などが挙げられる。また、紫外光から変換する一の色の可視光が緑色光Gである場合には、(Zn,Mn)SiO、(Ba,Mn)Al1219、(Y,Tb)BOなどが挙げられる。さらに、紫外光から変換する一の色の可視光が赤色光Rである場合には、(Y,Eu)BO、(Y,Eu)、(Y,Eu)(V,P)Oなどが挙げられる。
反射型蛍光体5において変換された青色光Bは、第2の偏光制御素子32に入射される。この第2の偏光制御素子32は、入射された青色光Bを、S偏光(図2中において紙面に直交する方向)に揃える。この第2の偏光制御素子32を経た青色光Bは、反射ミラー6によって反射されて、光束合成素子となる偏光合成素子33に入射される。一方、第1のダイクロイックミラー4を透過して第1の偏光制御素子31を経た可視光R,G,Bも、偏光合成素子33に入射される。この偏光合成素子33においては、P偏光が透過し、S偏光が反射されることにより、紫外線Vから変換された青色光Bと可視光R,G,Bとが偏光合成される。
そして、偏光合成素子33を経た各色光R,G,Bは、照明光学系を構成する第1のフライアイレンズアレイ8に入射される。照明光学系は、この第1のフライアイレンズアレイ8と、第2のフライアイレンズアレイ9とにより構成される。第1のフライアイレンズアレイ8を経た各色光R,G,Bは、第2のフライアイレンズアレイ9に入射され、偏光変換素子10に入射される。この偏光変換素子10は、入射された各色光R,G,Bの偏光方向を一定の方向に揃えて透過させる。
そして、偏光変換素子10を経た各色光R,G,Bは、クロスダイクロイックミラー11に入射され、このクロスダイクロイックミラー11により、赤色光R及び緑色光Gと、青色光Bとに分離される。これら赤色光R及び緑色光Gと、青色光Bとは、クロスダイクロイックミラー11により、互いに異なる方向に反射される。
クロスダイクロイックミラー11を経た赤色光R及び緑色光Gは、反射ミラー12及びコンデンサレンズ13を経て、第3のダイクロイックミラー14に入射される。この第3のダイクロイックミラー14においては、赤色光Rが透過し、緑色光Gが反射されることにより、これら赤色光R及び緑色光Gが分離される。
第3のダイクロイックミラー14を経た赤色光Rは、偏光子15を経て、第1の偏光ビームスプリッタ16に入射される。この第1の偏光ビームスプリッタ16において、赤色光Rは、偏光分離膜によって反射されてこの第1の偏光ビームスプリッタ16から出射されて、空間光変調素子となる赤色用反射型液晶ライトバルブ17に入射される。この赤色用反射型液晶ライトバルブ17に入射された赤色光Rは、画像信号に応じて偏光変調されて、第1の偏光ビームスプリッタ16に再入射される。偏光変調された赤色光Rは、第1の偏光ビームスプリッタ16の偏光分離膜を透過し、この第1の偏光ビームスプリッタ16から出射されて、さらに検光子18を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して一側面から入射する。
また、第3のダイクロイックミラー14を経た緑色光Gは、偏光子20を経て、第2の偏光ビームスプリッタ21に入射される。この第2の偏光ビームスプリッタ21において、緑色光Gは、偏光分離膜によって反射されてこの第2の偏光ビームスプリッタ21から出射されて、空間光変調素子となる緑色用反射型液晶ライトバルブ22に入射される。この緑色用反射型液晶ライトバルブ22に入射された緑色光Gは、画像信号に応じて偏光変調されて、第2の偏光ビームスプリッタ21に再入射される。偏光変調された緑色光Gは、第2の偏光ビームスプリッタ21の偏光分離膜を透過し、この第2の偏光ビームスプリッタ21から出射されて、さらに検光子23を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して後面から入射する。
一方、クロスダイクロイックミラー11を経た青色光Bは、反射ミラー24、コンデンサレンズ25及び偏光子26を経て、第3の偏光ビームスプリッタ27に入射される。この第3の偏光ビームスプリッタ27において、青色光Bは、偏光分離膜によって反射されてこの第3の偏光ビームスプリッタ27から出射されて、空間光変調素子となる青色用反射型液晶ライトバルブ28に入射される。この青色用反射型液晶ライトバルブ28に入射された青色光Bは、画像信号に応じて偏光変調されて、第3の偏光ビームスプリッタ27に再入射される。偏光変調された青色光Bは、第3の偏光ビームスプリッタ27の偏光分離膜を透過し、この第3の偏光ビームスプリッタ27から出射されて、さらに検光子29を経て、クロスダイクロイックプリズム19に対して他側面から入射する。
クロスダイクロイックプリズム19においては、一側面から入射された赤色光Rが一方のダイクロイック膜によって反射されて前面より出射され、他側面から入射された青色光Bが他方のダイクロイック膜によって反射されて前面より出射され、後面から入射された緑色光Gが各ダイクロイック膜を透過して前面より出射される。このようにして、このクロスダイクロイックプリズム19においては、各色の変調光R,G,Bが色合成される。
クロスダイクロイックプリズム19の前面から出射された各色の変調光R,G,Bは、結像光学系となる投射レンズ30に入射される。この投射レンズ30は、入射された各色の変調光R,G,Bを図示しないスクリーン上に結像させ、このスクリーン上に画像表示を行う。
この投射型画像表示装置においては、前述したように、反射型蛍光体5により、光源1から発せられる画像表示には不要な紫外光Vを画像表示に利用できる可視光に変換するので、光利用効率が高く、また、光源となるランプの長寿命化が実現される。また、この投射型画像表示装置においては、光源1が発する可視光のうち、光量が不足する色について、紫外光Vから変換された可視光によって補うことができ、良好な色温度の画像表示を行うことができる。
なお、前述の各実施の形態においては、空間光変調素子として反射型液晶ライトバルブを用いているが、この投射型画像表示装置における空間光変調素子は、反射型液晶ライトバルブに限定されず、透過型液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイスなどとしてもよい。また、照明光学系を経た後の各色光R,G,Bを色分離及び色合成するための構成も、前述した各実施の形態中の構成に限定されるわけではない。さらに、空間光変調素子による変調光と非変調光との分離に用いる偏光ビームスプリッタは、前述の各実施の形態中に示したプリズム型のものに限定されず、ワイヤーグリッドのような平板状のものであってもよい。
本発明に係る投射型画像表示装置の第1の実施の形態における構成を示す側面図である。 本発明に係る投射型画像表示装置の第2の実施の形態における構成を示す側面図である。
符号の説明
1 光源
4 第1のダイクロイックミラー
5 反射型蛍光体
7 第2のダイクロイックミラー
8 第1のフライアイレンズアレイ
9 第2のフライアイレンズアレイ
17 赤色用反射型液晶ライトバルブ
22 緑色用反射型液晶ライトバルブ
28 青色用反射型液晶ライトバルブ
30 投射レンズ
31 第1の偏光制御素子
32 第2の偏光制御素子
33 偏光合成素子
R 赤色光
G 緑色光
B 青色光
V 紫外光

Claims (2)

  1. 光源から発せられる照明光により空間光変調素子を照明し、この照明光を前記空間光変調素子によって変調し、この変調光を結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて画像を表示する投射型画像表示装置において、
    前記光源から発せられた照明光から、紫外光及び一の色の可視光を他の二の色の可視光から分離させる光束分離素子と、
    前記光束分離素子により分離された紫外光及び一の色の可視光が入射され、該紫外光を該一の色の可視光に変換する反射型蛍光体と、
    前記反射型蛍光体を経た一の色の可視光及び前記他の二の色の可視光を色合成する光束合成素子と、
    前記光束合成素子を経た光束が入射される照明光学系と、
    前記照明光学系を経た光束が入射される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子により変調された変調光を結像させる結像光学系と
    を備え、
    前記光源から発せられた照明光の可視光成分及び紫外光成分を画像表示に使用することを特徴とする投射型画像表示装置。
  2. 光源から発せられる照明光により空間光変調素子を照明し、この照明光を前記空間光変調素子によって変調し、この変調光を結像光学系を介してスクリーン上に拡大して結像させて画像を表示する投射型画像表示装置において、
    前記光源から発せられた照明光から、紫外光を可視光から分離させる光束分離素子と、
    前記紫外光が分離された可視光の偏光方向を制御する第1の偏光制御素子と、
    前記光束分離素子により分離された紫外光が入射され、この紫外光を一の色の可視光に変換する反射型蛍光体と、
    前記紫外光から変換された一の色の可視光の偏光方向を制御する第2の偏光制御素子と、
    前記第1の偏光制御素子を経た可視光及び前記第2の偏光制御素子を経た一の色の可視光を偏光合成する光束合成素子と、
    前記光束合成素子を経た光束が入射される照明光学系と、
    前記照明光学系を経た光束が入射される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子により変調された変調光を結像させる結像光学系と
    を備え、
    前記光源から発せられた照明光の可視光成分及び紫外光成分を画像表示に使用することを特徴とする投射型画像表示装置。
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